JPH082316A - 自動車用前照灯照射方向自動制御機構 - Google Patents

自動車用前照灯照射方向自動制御機構

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JPH082316A
JPH082316A JP13870094A JP13870094A JPH082316A JP H082316 A JPH082316 A JP H082316A JP 13870094 A JP13870094 A JP 13870094A JP 13870094 A JP13870094 A JP 13870094A JP H082316 A JPH082316 A JP H082316A
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60QARRANGEMENT OF SIGNALLING OR LIGHTING DEVICES, THE MOUNTING OR SUPPORTING THEREOF OR CIRCUITS THEREFOR, FOR VEHICLES IN GENERAL
    • B60Q2300/00Indexing codes for automatically adjustable headlamps or automatically dimmable headlamps
    • B60Q2300/05Special features for controlling or switching of the light beam
    • B60Q2300/054Variable non-standard intensity, i.e. emission of various beam intensities different from standard intensities, e.g. continuous or stepped transitions of intensity

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  • Lighting Device Outwards From Vehicle And Optical Signal (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステアリングセンサ1によって操舵角を検出
し、操舵方向に左,右のランプユニット17l,17r
を振らせる自動制御機構を改良して、照明区域の照度を
上げ、充分な視界を得るとともに、必要度の少ない作動
を抑制して電力消費を節減し、耐久性を向上させる。 【構成】 D/A変換器を、右14rと同左14lと
し、かつ、コンパレータ回路も右15rと同左15lと
して、左,右ランプユニット17l,17rを個別に制
御し、操舵側のランプユニットの照射方向の振角より
も、反操舵側のランプユニットの照射方向の振角の方が
大きくなるように構成する。さらに、図外の車速センサ
を設けて、低速時と高速時とにおいては振角自動制御を
停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車に設けられてい
るステアリング装置の操舵状態を検出して、前照灯の照
射方向を操舵方向に傾動させる方式の自動制御機構に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図11はステアリング装置の操舵方向に
前照灯の照射方向を自動的に追随させる制御機構の従来
例を示す模式的なシステム構成図であって、(A)はス
テアリング装置を、(B)は制御回路部分を、(C)は
前照灯の水平断面を、それぞれ表わしている。1はステ
アリングセンサであって、回転角度信号用スリット(図
示せず)を有する回転円板と光学センサ(図示せず)と
から成っている。2はコントロール回路であって、図1
2を参照して後に詳述する。3は前照灯であって、ラン
プハウジング3aの前面開口部を覆ってレンズ3bが装
着されており、その中にリフレクタ3cが配設されてい
る。図示の4は平面状の両面ミラーであって、ほぼ垂直
方向の枢支軸5によって傾動可能に枢支されている。図
示の6はモータおよび減速機を内蔵した駆動ユニットで
あって、レバー・リンク機構7を介して前記の両面ミラ
ー4を枢支軸5の回りに傾動させる。図示を省略した光
源バルブおよびリフレクタ3cは固定部材であるが、両
面ミラー4が左右に傾動すると投光方向は左右に振れ
る。該両面ミラー4が中立位置(実線で示す)にあると
きは、投光の中心は標準照射方向(矢印S)に向かう。
この標準照射方向とは、概要的には車体正面前方を意味
する。詳しくは、法定の証明パターンを現出し得る照射
方向をいう。図12は上掲の図11に示した従来例に係
る前照灯照射方向自動制御機構におけるブロック図であ
る。本図12に示したステアリングセンサ1は図11
(A)に示したステアリングセンサであって、ハンドル
操舵もしくはナックルアームの動きに連動して「H」レ
ベルと「L」レベルとが交互するパルス状電気信号を出
力する。上記パルス状電気信号は、Up/Down切換
回路11に入力され、前記のハンドル操舵量に応じた数
のアップ信号、もしくはダウン信号が出力され、Up/
Downカウンタ12に入力される。該Up/Down
カウンタ12は、前記アップ信号,ダウン信号の数だけ
アップカウントもしくはダウンカウントする。上記Up
/Downカウンタ12が出力する4ビット信号は、7
ビット出力のデコーダ回路13に入力され、カウント値
に応じた位置のビットのみが出力される。D/A変換器
14は、上記デコーダ回路13が出力する7ビット信号
のうち、「H」レベルが出力されているビットに対応し
たアナログ信号を出力する。一方、左右の前照灯を構成
している左,右ランプユニット17l,17rは、それ
ぞれ左,右ランプの角度センサ18l,18rを備えて
いて、それぞれのランプユニットの照射方向(振れ角θ
で表わされる)を検出し、信号電圧F,Gをコンパレー
タ回路15にフィードバックする。該コンパレータ回路
は、D/A変換器14から入力される操舵角に対応する
信号と、上記信号電圧F,Gとを比較演算する。このよ
うにして左,右のランプユニット17l,17rの照射
方向は、ステアリングセンサ1で検出された値に対応せ
しめて自動制御される。図13は上掲の図12に示した
左,右ランプユニットのそれぞれと操舵角との関係を示
す図表である。図12に示されているように、左,右ラ
ンプの振れ角を表わす信号F,Gのそれぞれが、D/A
変換器14の出力信号と等しくなるように制御されるか
ら、左,右のランプは同じ振れ角となるように制御され
る。すなわち、本図13において、左,右前照灯振角度
を表わすカーブは左右対称形をなしている。この従来例
は操舵角の変化10度ごとに、階段状に前照灯振角も1
0度ずつ変化するようになっているが、この階段の形状
は任意に設定することができる。いずれにしても左,右
前照灯相互に特性曲線が対称形をなす。本図13が1本
の折線グラフになっているということは、左右の前照灯
の振角が常に相等しいことを表わしている。すなわち、
右前照灯の特性曲線と左前照灯の特性曲線とが重なって
1本の曲線になっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図11ないし図13に
ついて以上に説明した従来例の前照灯照射方向自動制御
機構によれば、自動車のステアリング装置を左,右いず
れの方向に操舵しても、前照灯の照射方向が操舵方向
へ、操舵角に応じて、自動的に傾動する。従って、自動
車が旋回走行する際、前照灯は、数秒後の予想走行区域
を照射するので好都合である。しかしながら、次に述べ
るように、改良の余地が有ることを確認した。図14は
従来例の前照灯照射方向自動制御機構を備えた自動車が
道路に沿って右方向に旋回走行している状態を描いた平
面図に、左,右それぞれの前照灯の照明エリアを付記し
た図である。図示の21は自己車であり、道路に従って
右にハンドルを切っている。従って、左,右の前照灯は
共に右方へ振れていて、右前照灯の照明エリア23rの
中心線は自己車21の中心線に比して右に角θ1だけ振
れている。そして、左前照灯の照明エリア23lは同じ
く右に角θ2だけ振れていて、 θ1=θ2 …………………(1) である。その結果、右前照灯の照射方向(矢印)Rと、
左前照灯の照射方向(矢印)Lとは平行になっている。
図に平行線を付して示した部分が、左,右前照灯の照明
エリア23l,23rの重なり部分である。この状態
(図14)では、先行車22を照明するために充分な光
量が得られ難く、充分な視界が得られない。さらに、も
う一つの問題は低速走行時と高速走行時とに発生する。
すなわち、低速走行時には、前照灯の照射方向が操舵方
向に傾動しなくても別段の不具合や危険を生じない。従
って、低速走行時に照射方向の自動制御が作動すること
は、不必要な電力消費や、駆動部材の損耗を招くことに
なる。
【0004】また、正常な高速走行時には急ハンドルを
切ることが無いので、前照灯照射方向の自動制御は必要
性が無い。本発明は、上述の事情に鑑みて為されたもの
であって、第1の発明の目的は、ステアリング装置を操
舵したとき、数秒後における走行予想区域を左,右前照
灯の双方で照明するような作動特性を有する前照灯照射
方向自動制御機構を提供することである。また、第2の
発明の目的は、上記第1の発明に併用して、もしくは第
2の発明単独で、低速走行時および高速走行時における
前照灯照射方向の自動制御を抑制した自動制御機構を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】走行予想区域を左右の前
照灯の両方で自動的に照らし出すため、第1の発明に係
る機構の構成は、自動車に設けられているステアリング
装置の操舵状態を検出して、上記操舵状態の検出信号に
基づいて自動車用前照灯の照射方向を操舵方向に傾動せ
しめる自動制御機構において、当該自動車車体前端部の
左側および右側に設けられている前照灯のうち、操舵方
向の側に設けられている前照灯よりも、その反対側に設
けられている前照灯の傾動角度が大きいことを特徴とす
る。また、高速時および低速時における自動制御作動を
抑制するため第2の発明に係る機構の構成は、自動車に
設けられているステアリング装置の操舵状態を検出し
て、上記操舵状態の検出信号に基づいて自動車用前照灯
の照射方向を操舵方向に傾動せしめる自動制御機構にお
いて、当該自動車の走行速度を検出する車速センサが設
けられていて、上記車速センサによって検出された走行
速度が所定の速度範囲外であるときは、操舵状態のいか
んに拘らず、自動車用前照灯を車体正面方向の基準照射
方向に固定するようになっていることを特徴とする。
【0006】
【作用】第1の発明の構成によると、ステアリング装置
を左側または右側に操舵したとき、操舵された側の前照
灯照射方向が操舵された側に傾動し、かつ、操舵された
側の反対側の前照灯照射方向は、操舵された側に、より
大きい振れ角で傾動する。その結果、左,右双方の前照
灯の照射方向が、当該自動車の走行予想地域付近で交差
する。このため、ステアリング装置が操舵されたとき、
左右前照灯の照明エリアが走行予想地域付近で重なり、
充分な光量が得られ、良好な前方視界が得られる。
【0007】第2の発明の構成によると、当該自動車の
走行速度が所定の範囲よりも大きくても小さくても操舵
に伴う前照灯照射方向制御が抑制されて、基準照射方向
(車体正面前方)となる。従って、低速走行中であるた
めに前照灯照射方向の自動制御作用が必要でない場合、
および、高速走行中であるために前照灯照射方向の自動
制御が必要でない場合には自動制御が作動せず、不必要
な電力消費が節減されるとともに、モータなど可動部材
の損耗が軽減されて耐久性が向上する。
【0008】
【実施例】次に、図1ないし図5を順次に参照しつつ、
本発明の実施例を説明する。図1は第1の発明に係る自
動車用前照灯照射方向自動制御機構の1実施例を示すブ
ロック図である。本実施例は前記の従来例に本第1の発
明を適用して改良した1例であって、本図1は前掲の図
12(従来例)に対応する図である。図12に比して異
なる点、すなわち本第1の発明を適用して改良した事項
は次の如くである。従来例(図12)においては設置個
数が各1個であったD/A変換器14およびコンパレー
タ回路15を、それぞれ左,右専用の各2個とした。1
4rはD/A変換器・右であり、14lはD/A変換器
・左である。15rはコンパレータ回路・右であり、1
5lはコンパレータ回路・左である。デコーダ回路13
は、Up/Downカウンタ12が送出する4ビット出
力を入力とし、カウント値に応じた位置のビットのみ
「H」レベルを送出する。図2は上掲の図1に示した第
1の発明の実施例におけるブロック図におけるデコーダ
回路真理値図表であって、ステアリング操舵角左,右各
30度の間を10度ごとに区分してデコーダ出力Bと、
右,左のD/A変換器の出力A,Bとを表示している。
前記D/A変換器右,左14r,14lの特性は相互に
異なっている。図3はハンドル操舵角−D/A変換器出
力電圧特性図表であって、D/A変換器・右の出力電圧
を破線で、D/A変換器・左の出力電圧を実線で、それ
ぞれ描いてあるが、破線と実線とが重なっている部分
は、見掛け上、実線によって表わされている。D/A変
換器・右14rは(図1参照)、デコーダ回路13から
送出される7ビットの信号のうち「H」レベルが出力さ
れているビットに対応したアナログ値を送出する。D/
A変換器・左14lの作用も上記D/A変換器・右14
rと同様である。コンパレータ回路・右15rは、D/
A変換器・右14rから出力されたアナログ値と、角度
センサ18rによって検出された右ランプユニット17
rの振れ角を表わす信号電圧Fとを比較し、双方の値が
等しくないときは「H」レベルを出力し、双方の値が等
しいときは「L」レベルのモータ制御信号を出力する。
【0009】コンパレータ回路・左15lは、D/A変
換器・左14lから出力されたアナログ値と、角度セン
サ18lによって検出された左ランプユニット17lの
振れ角を表わす信号電圧Gとを比較し、双方の値が等し
くないときは「H」レベルを出力し、双方の値が等しい
ときは「L」レベルのモータ制御信号を出力する。
【0010】図3に示されているように、横軸に左,右
の操舵角をとり、縦軸にD/A変換器出力電圧をとって
作動特性を見たとき、D/A変換器14rの出力電圧A
のカーブと、D/A変換器14lの出力電圧Cのカーブ
とは重なっていない。その結果、操舵角が同じであって
も、D/A変換器・右14rが出力する信号電圧Aと、
D/A変換器・左14lが出力する信号電圧Cとは異な
った値となる。図4は横軸に操舵角をとり、縦軸に前照
灯の振り角度をとって表わした特性曲線図表であって、
(A)は操舵に伴う右側前照灯の振角度を、(B)は同
じく左側前照灯の振角度を、それぞれ表わしていて、
(A)図と(B)図とは左右対称関係をなしている。以
上に構成を説明した図1〜図4を総合的に参照しつつ、
その作用を説明する。初期状態として、自動車が前照灯
を点灯させて直進しているものとする。ハンドルは直進
操舵位置にある。このときUp/Downカウンタ12
におけるカウント値は零であり、図2に示されているよ
うに、デコーダ回路13の出力端子はb4のみが「H」
レベルになり、その他は「L」レベルになっている。上
記デコーダ回路13の端子b1〜b7の出力はD/A変換
器・右14rおよびD/A変換器・左14lに入力さ
れ、D/A変換器・右14rの信号電圧Aはa4,D/
A変換器・左14lの信号電圧Cはc4となる。図3に
表わされているようにb4=c4である。これらの信号電
圧A,Cはそれぞれコンパレータ回路・右15r,コン
パレータ回路・左15lに入力され、角度センサ18
r,18lの信号電圧値F,Gと比較される。この場合
は、A=F,C=Fであるため、コンパレータ回路・右
15r,コンパレータ回路・左15lからは、共に
「L」レベルが出力される。この「L」レベルを入力さ
れたモータ駆動回路16は、右ランプユニット17r
も、左ランプユニット17lも作動させない(詳しく
は、図11に示した駆動ユニット6内のモータに通電せ
ず、回転させず、両面ミラー4を振角度0の状態に保
つ)。ステアリング装置が操舵されず、当該自動車が直
進を続ける限り、この状態(振角度0)が保たれる。以
上に説明した直進状態から、ステアリング装置を右方向
に操舵すると、ステアリングセンサ1がパルス状電気信
号を出力し、操舵量に応じたアップ信号がUp/Dow
n切換回路11を介してUp/Downカウンタ12に
入力される。これに伴ってカウンタ12は、そのカウン
ト値を0から順次にカウントアップし始める。上記カウ
ンタ12のカウント値が、操舵角10度に対応する値に
なると(図2参照)デコーダ回路13の出力Bは、b3
のみが「H」レベルとなる。該デコーダ回路13のb1
〜b7の出力が、それぞれD/A変換器・右14r,D
/A変換器・左14lに入力され、a3,c3の電圧値を
出力する。上記電圧値a3,c3は、それぞれコンパレー
タ回路・右15r,コンパレータ回路・左15lに入力
されて、角度センサ18r,18lの信号電圧F,Gと
比較される。直進していた時の信号電圧値F,Gはそれ
ぞれa4,c4と等しくなっていたので、右操舵後の信号
電圧値A,Cの値a3,c3はこれよりも高く(図3参
照)、コンパレータ回路・右15r,コンパレータ回路
・左15lからは「H」レベルが出力されて、モータ駆
動回路16に入力される。該モータ駆動回路16も
「H」レベルを出力し、右ランプユニット17r内のモ
ータ、および左ランプユニット17l内のモータをそれ
ぞれ作動させる。上記のモータの作動に伴い、右,左の
ランプユニットの振れ角を検出している角度センサ18
r,18lが出力する信号電圧F,Gの値も上昇する。
そして、F,Gの値が前記のa3,c3と等しくなった
時、コンパレータ回路・右15r,コンパレータ回路・
左15lの出力が「L」となり、モータ駆動回路16は
右,左のランプユニット17r,17lを停止させる。
上記の状態(操舵角右10度)を要約すると、図3に示
されているようにD/A変換器・右の出力電圧値c3
りもD/A変換器・左の出力電圧値a3の方が高く、そ
の結果、図4(A)に表わされているように右前照灯の
振角θ1が10度になるとともに、図4(B)に表わさ
れているように左前照灯の振角θ2は15度になる。さ
らに右方への操舵を続けると、Up/Downカウンタ
12はさらにカウントアップするが、操舵角が20度に
達するまでの間は上記の状態(右前照灯の振角10度,
左前照灯の振角15度)を保持する。そして、操舵角が
右20度に達すると、右前照灯の振角が右20度とな
り、左前照灯の振角が右25度となる。さらに、操舵角
が右30度になると右前照灯の振角が右30度、左前照
灯の振角が右35度となる。このようにして、左側,右
側それぞれの前照灯の振角は、操舵側の前照灯の振角に
比して反操舵側の振角が大きいように制御される。図5
は第1の発明に係る前照灯照射方向自動制御機構を備え
た自動車が操舵しつつ走行している状態を示す平面図
に、左,右それぞれの前照灯による照明エリアを付記し
た図である。右旋回方向に操舵しているとき、右側前照
灯の照射方向(矢印Rの振角θ1よりも左側前照灯の照
射方向(矢印L)の振角θ2の方が大きいので、双方の
照射方向(矢印L,R)は点Jで交差し、該点J付近を
中心として左側前照灯の照明エリア23l′と右側前照
灯の照明エリア23r′とが比較的広範囲に重なり、先
行車22の後方路面および先行車22の車体後端部に充
分な光量が得られるので良好な視界が得られる。
【0011】次に、図6ないし図10を参照しつつ、第
2の発明の実施例を説明する。図6は第2の発明に係る
自動車用前照灯照射方向自動制御機構の1実施例を示す
ブロック図であって、前記第1の発明におけるブロック
図の1例である図1に対応する図である。本実施例は、
図12に示した従来例に第2の発明を適用して改良した
1例である。この第2の発明は、前述した第1の発明と
併せて実施することもできるが、本実施例は第2の発明
を単独で適用したものである。次に、図6(第2の発
明)について、図12(従来例)と異なる点、すなわ
ち、第2の発明を適用して改良した構成部分について説
明すると、本図6において鎖線で囲んで示したPat2
の部分が第2の発明の特徴的な構成部分であって、31
は車速センサ、32はF/Vコンバータ、33は車速判
断コンパレータである。該車速判断コンパレータ33の
出力は、前記従来例におけるデコーダ回路13に対応す
るデコーダ回路13′に入力される。前記の車速センサ
31は、当該自動車のトランスミッション出力軸の回転
と同期して回転する回転ケーブルと、上記回転ケーブル
と同期して回転される永久磁石と、上記永久磁石の回転
に伴って開閉作動されるリードスイッチとから成り、回
転速度と比例した頻度で「H」レベルと「L」レベルと
を交互に送出するようになっている。前記のF/Vコン
バータ32は、前記車速センサ31から入力される信号
の周波数(H,Lレベルの交番頻度)に正比例する値の
電圧信号Kを出力する。図7は上掲の図6に示した第2
の発明の実施例におけるF/Vコンバータの出力信号電
圧と、当該実施例の制御機構を備えた自動車の走行速度
との関係を示す図表である。本例においては、前照灯照
射方向の自動制御が行なわれる車速範囲が10キロメー
トル/時から80キロメートル/時と設定されていて、
車速が所定範囲の上限に達すると高位信号電圧Khが出
力され、同じく下限に達すると低位信号電圧Klが出力
される。車速判断コンパレータ33は、上記F/Vコン
バータ32の出力を入力され、これを所定の車速範囲を
表わす値(前記Kh,Kl)と比較して、所定の車速範
囲内であれば「H」レベルを、所定の車速範囲外であれ
ば「L」レベルを、それぞれ出力してデコーダ回路1
3′に与える。図8は第2の発明に係る上記の実施例に
おける車速判断コンパレータが出力する電圧を表わす図
表である。車速判断コンパレータ33は、前記の車速範
囲の上,下限を表わす信号値Kh,Klの中間の信号電
圧を入力されると「H」レベルを出力する。そして、上
限値Kh以上の信号電圧を入力され、または下限値Kl
以下の信号電圧を入力されると「L」レベルを出力す
る。デコーダ回路13′は、Up/Downカウンタ1
2から送出される4ビット信号を入力とし、カウント値
に応じた位置のビットのみ「H」レベルを送出する7ビ
ットのデコーダ回路であって、前記の車速判断コンパレ
ータ33から「H」レベルの信号を入力されると、7ビ
ット中のb4のみ「H」レベルとなる。図9は第2の発
明に係る上記実施例に設置されているデコーダ回路の真
理値を表わした図表である。
【0012】次に、以上のように構成された第2の発明
の実施例(図6〜図9)における作動の1例について説
明する。初期条件として、自動車が前照灯を点灯させ
て、車速(時速)10キロメートル未満または80キロ
メートル以上のスピードで直進走行しているものとす
る。このとき、ステアリング装置の操舵は直進位置にあ
る。この状態で、Up/Downカウンタ12のカウン
ト値は0であり、デコーダ回路13′の出力端子はb4
のみが「H」レベル状態となっている(図9参照)。そ
して、上記デコーダ回路13のビットb1〜b7の出力が
D/A変換器14に入力され、a4の電圧値を出力す
る。この電圧値a4はコンパレータ回路15に入力さ
れ、該コンパレータ回路15において角度センサ18
r,18lの信号電圧F,Gと比較される。この時点で
は角度センサ18r,18lの信号電圧はa4と等しく
なっているため、コンパレータ回路15からは「L」レ
ベルが出力され、モータ駆動回路16に上記の「L」レ
ベルの信号が入力される。このため左,右のランプユニ
ット17l,17rは作動せず、平面ミラー4(図1
1)の振角は0である。
【0013】次に、車速が10キロメートル未満または
80キロメートル以上の状態でステアリング装置を右回
転方向に操舵し始めると、ステアリングセンサ1がパル
ス状電気信号を送出し始め、その操舵量に応じたアップ
信号がUp/Down切換回路11を介してUp/Do
wnカウンタ12に入力される。これに伴い、該Up/
Downカウンタ12は、そのカウント値を0から順次
カウントアップし始め、カウント数に応じた4ビット信
号をデコーダ回路13′に入力させる。前記図9の真理
値表に示されているように、車速が10キロメートルよ
りも遅く、または80キロメートル以上であって車速判
断コンパレータ出力電圧Fが「L」レベルになっている
と、デコーダ出力Bはビットb4のみが「H」レベルで
ある。この場合、図7,図8から理解されるように所定
の車速範囲(10〜80キロメートル)外では車速判断
コンパレータ出力電圧Nは、操舵状態のいかんに拘らず
「L」レベルである。このため、所定の車速範囲外で走
行している間は、前照灯の振角が0で、該前照灯は基準
方向(車体正面前方)を照射する。所定車速範囲内で走
行しているときも、ステアリング装置を操舵しなければ
前照灯の振れ角は0の状態に保たれる。所定車速範囲内
で走行しているとき、ステアリング装置を右旋回方向に
操舵すると、ステアリングセンサ1がパルス状電気信号
を出力し、操舵量に応じたアップ信号がUp/Down
切換回路11を介してUp/Downカウンタ12に入
力される。これに伴って、Up/Downカウンタ12
は、そのカウント値を0から順次にカウントアップし始
める。上記Up/Downカウンタ12のカウント値が
操舵角10度に対応する値になると(図9参照)車速判
断コンパレータ33の出力が「H」レベルとなり(図
7,図8参照)、デコーダ出力Bは真理値表に示すごと
くb3のみが「H」レベルとなる。この状態でデコーダ
回路13′のb1〜b7出力がD/A変換器14に入力さ
れ、a3の電圧値が出力される。上記a3の電圧値はコン
パレータ回路15に入力され、角度センサ18r,18
lの出力F,Gと比較される。この状態で、角度センサ
の出力電圧はa4と等しく、a3よりも低いため、コンパ
レータ回路15から「H」レベルが出力され、モータ駆
動回路16が「H」レベルの信号を出力して左,右のラ
ンプユニット17l,17rを作動させ、角度センサの
信号電圧F,Gがa3になると停止せしめられる。この
ようにして、右,左のランプユニット17r,17lの
振れ角が10度に自動制御される。さらに右旋回方向の
操舵を続けて操舵角が20度になると、前記と同様の作
用でランプユニットの振れ角が20度となるように自動
制御される。そして、操舵角が30度になると、同様の
作動によって振角30度に自動制御される。図10はD
/A変換器出力電圧と操舵角との関係を示す図表であっ
て、車速が所定範囲内であって車速判断コンパレータ出
力がHレベルの場合の特性を実線で描くとともに、車速
が所定範囲外であって車速判断コンパレータ出力がLレ
ベルの場合の特性を破線で描いてある。直進状態で所定
車速範囲内のとき、ステアリング装置を左旋回方向に操
舵したときも、上述した右旋回操舵の場合と同様にして
振角の自動制御が行なわれる。次に、所定の車速範囲外
(例えば車速10キロメートル未満)で旋回操舵してい
る場合に、車速が変わって所定の車速範囲内になった場
合の作動を説明すると、車速が10キロメートル以上と
なった時点において、Up/Downカウンタ12は既
に操舵角をカウントしているため、車速判断コンパレー
タ33の出力が「H」レベルになった時、デコーダ回路
13′のビットb4から出力していた「H」レベルが他
のビットに移動し、これに対応してD/A変換器14の
出力電圧が変化し、この出力電圧と均合うようにコンパ
レータ回路15がモータ駆動回路16を介して左,右の
ランプユニット17l,17rを作動させて振角を自動
制御し、その時点における操舵角に見合った振角ならし
める。また、上記と反対に、所定の車速範囲内で旋回走
行し、前照灯の照射方向が操舵方向に振られている状態
で、車速が所定範囲外になると、先に説明した「所定の
車速範囲外で走行しつつ操舵したとき」と同様の制御状
態に移行し、前照灯の照射方向は振角0の状態に自動制
御される。
【0014】
【発明の効果】第1の発明を適用すると、ステアリング
装置を左側または右側に操舵したとき、操舵された側の
前照灯照射方向が操舵された側に傾動し、かつ、操舵さ
れた側の反対側の前照灯照射方向は操舵された側に、よ
り大きい振れ角で傾動する。その結果、左,右双方の前
照灯の照射方向が、当該自動車の走行予想地域付近で交
差する。このため、ステアリング装置が操舵されたと
き、左右前照灯の照明エリアが走行予想地域付近で重な
り、充分な光量が得られ、良好な前方視界が得られると
いう効果を奏する。また、第2の発明を適用すると、当
該自動車の走行速度が所定の範囲よりも大きくても小さ
くても操舵に伴う前照灯照射方向制御が抑制されて、基
準照射方向(車体正面前方)となる。従って、低速走行
中であるために前照灯照射方向の自動制御作用が必要で
ない場合、および、高速走行中であるために前照灯照射
方向の自動制御が必要でない場合には自動制御が作動せ
ず、不必要な電力消費が節減されるとともに、モータな
ど可動部材の損耗が軽減されて耐久性が向上するという
優れた実用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に係る自動車用前照灯照射方向自動
制御機構の1実施例を示すブロック図である。
【図2】上掲の図1に示した第1の発明の実施例におけ
るブロック図におけるデコーダ回路真理値図表であっ
て、ステアリング操舵角左,右各30度の間を10度ご
とに区分してデコーダ出力Bと、右,左のD/A変換器
の出力A,Bとを表示している。
【図3】ハンドル操舵角−D/A変換器出力電圧特性図
表であって、D/A変換器・右の出力電圧を破線で、D
/A変換器・左の出力電圧を実線で、それぞれ描いてあ
るが、破線と実線とが重なっている部分は、見掛け上、
実線によって表わされている。
【図4】横軸に操舵角をとり、縦軸に前照灯の振り角度
をとって表わした特性曲線図表であって、(A)は操舵
に伴う右側前照灯の振角度を、(B)は同じく左側前照
灯の振角度を、それぞれ表わしていて、(A)図と
(B)図とは左右対称関係をなしている。
【図5】第1の発明に係る前照灯照射方向自動制御機構
を備えた自動車が操舵しつつ走行している状態を示す平
面図に、左,右それぞれの前照灯による照明エリアを付
記した図である。
【図6】第2の発明に係る自動車用前照灯照射方向自動
制御機構の1実施例を示すブロック図であって、前記第
1の発明におけるブロック図の1例である図1に対応す
る図である。
【図7】上掲の図6に示した第2の発明の実施例におけ
るF/Vコンバータの出力信号電圧と、当該実施例の制
御機構を備えた自動車の走行速度との関係を示す図表で
ある。
【図8】第2の発明に係る上記の実施例における車速判
断コンパレータが出力する電圧を表わす図表である。
【図9】第2の発明に係る上記実施例に設置されている
デコーダ回路の真理値を表わした図表である。
【図10】D/A変換器出力電圧と操舵角との関係を示
す図表であって、車速が所定範囲内であって車速判断コ
ンパレータ出力がHレベルの場合の特性を実線で描くと
ともに、車速が所定範囲外であって、車速判断コンパレ
ータ出力がLレベルの場合の特性を破線で描いてある。
【図11】ステアリング装置の操舵方向に前照灯の照射
方向を自動的に追随させる制御機構の従来例を示す模式
的なシステム構成図であって、(A)はステアリング装
置を、(B)は制御回路部分を、(C)は前照灯の水平
断面を、それぞれ表わしている。
【図12】上掲の図11に示した従来例に係る前照灯照
射方向自動制御機構におけるブロック図である。
【図13】上掲の図12に示した左,右ランプユニット
のそれぞれと操舵角との関係を示す図表である。
【図14】従来例の前照灯照射方向自動制御機構を備え
た自動車が道路に沿って右方向に旋回走行している状態
を描いた平面図に、左,右それぞれの前照灯の照明エリ
アを付記した図である。
【符号の説明】
1…ステアリングセンサ、2…コントロール回路、3…
前照灯、3a…ランプハウジング、3b…レンズ、4…
両面ミラー、5…枢支軸、6…駆動ユニット、7…レバ
ー・リンク機構、21…自己車、22…先行車、23l
…左側前照灯の照明エリア、23r…右側前照灯の照明
エリア。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車に設けられているステアリング装
    置の操舵状態を検出して、上記操舵状態の検出信号に基
    づいて自動車用前照灯の照射方向を操舵方向に傾動せし
    める自動制御機構において、 当該自動車車体前端部の左側および右側に設けられてい
    る前照灯のうち、 操舵方向の側に設けられている前照灯よりも、その反対
    側に設けられている前照灯の傾動角度が大きいことを特
    徴とする、自動車用前照灯照射方向自動制御機構。
  2. 【請求項2】 自動車に設けられているステアリング装
    置の操舵状態を検出して、上記操舵状態の検出信号に基
    づいて自動車用前照灯の照射方向を操舵方向に傾動せし
    める自動制御機構において、 当該自動車の走行速度を検出する車速センサが設けられ
    ていて、 上記車速センサによって検出された走行速度が所定の速
    度範囲外であるときは、操舵状態のいかんに拘らず、自
    動車用前照灯を車体正面方向の基準照射方向に固定する
    ようになっていることを特徴とする、自動車用前照灯照
    射方向自動制御機構。
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Cited By (7)

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