JP2004352246A - 車両前照灯制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 少なくとも車速値に応じて車両前照灯の照射角度を可変制御する装置において、交差点通行時や駐停車、車庫入れ等における夜間視認性を高めることを目的とする。
【解決手段】 車速センサ5の検出値ならびに車両周囲状況検出手段3の検出値に基づいて車両前照灯の上下方向および水平方向の各照射角度を可変制御する場合において、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ7の検出値Tが予め設定された所定値T0以下の場合には車両前照灯1の上下方向および水平方向の各照射角度の変更を共に禁止して予め設定された所定の照射角度に固定する。
【選択図】 図2
【解決手段】 車速センサ5の検出値ならびに車両周囲状況検出手段3の検出値に基づいて車両前照灯の上下方向および水平方向の各照射角度を可変制御する場合において、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ7の検出値Tが予め設定された所定値T0以下の場合には車両前照灯1の上下方向および水平方向の各照射角度の変更を共に禁止して予め設定された所定の照射角度に固定する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、前照灯の照射状態を制御するようにした車両前照灯制御装置の改良に関するものである。
自動車の夜間走行時、車両前照灯はHIGH/LOWの2段切換のみで、水平方向への切換はできず固定されているため、曲路進行時においては車体進行方向と前照灯照射方向が異なり、運転者にとって危険を察知しにくいものとなっている。
従来、車両のハンドル操作角度と車両速度に応じて前照灯照射方向を制御する装置が開示されている。これは、車両のハンドル操作角度検出値を車速増加に従って小とするよう演算し、演算値に基づき車両前照灯を駆動制御して、車体の予測された進行方向へ前照灯照射しようとするものである(例えば、特許文献1参照)。
特開昭61−222837号公報
以上のような車両前照灯制御装置は、車両の進行方向を予測して前照灯の照射方向を調整するようにしているため、運転者にとって進行方向への確認がしやすいものとなっている。
しかしながら、交差点のように進行方向以外に対しても、安全確認の必要な交通路においては、ハンドル操作角度だけで決まる照射方向に限定しておくと、不便な場合がある。
例えば交差点での右又は左折時に、前方から直進する無灯火の自動車、自転車、又は歩行者がある場合、前照灯照射方向が異なるため確認できないという問題がある。
また、自動車の車庫入れや、駐車時等は、ハンドル操作が短時間に頻繁に行われるため、目標とする駐車位置への見極めが難しいという問題を生じる。
この発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、自動車の所定走行速度以下(又は相当値)を検出した際、交差点、車庫入れ等を想定して、車両進行方向だけではなく、自車両周辺のなるべく広範囲に前照灯照射し、かつ照射角度を固定にすることによって、車両周辺への夜間視認性を向上させる装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明に係る車両前照灯制御装置は、車両前照灯と、車両の走行速度を検出する車速センサと、スロットル開度を検出するスロットル開度センサと、前方車両の有無、前方車両との距離、路面カーブの有無などの車両の周囲状況を検出する車両状況検出手段と、前記車速センサの検出値ならびに前記車両周囲状況検出手段の検出値に基づいて車両前照灯の上下方向および水平方向の各照射角度を変更する車両前照灯可変制御手段と、前記スロットル開度センサの検出値が予め設定された所定値以下の場合に前記車両前照灯可変制御手段による車両前照灯の上下方向および水平方向の各照射角度の変更を共に禁止して予め設定された所定の照射角度に固定する車両前照灯固定化手段と、を備えていることを特徴とする車両前照灯制御装置。
請求項2記載の発明に係る車両前照灯制御装置は、請求項1に記載の発明の構成において、前記車両前照灯可変制御手段は、前記車速センサの車速検出値が大きくなるほど遠方へ照射されるように車両前照灯の上下方向の角度を制御するものであることを特徴とする。
請求項3記載の発明に係る車両前照灯制御装置は、請求項1または請求項2に記載の構成において、前記車両前照灯可変制御手段は、前記車両状況検出手段の検出値に応じて車両前方の有無を判別し、前方車両が存在する場合には先行車両か対向車両かを識別するとともに、これらの車両との距離を検出して、これらの結果に基づいて車両前照灯の上下方向の照射角度を制御するものである、ことを特徴とする。
請求項4記載の発明に係る車両前照灯制御装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発明の構成において、前記車両前照灯可変制御手段は、前記車両状況検出手段の検出値に基づいて路面カーブの曲率を求め、その曲率の大きさに応じて前記車両前照灯の水平方向の照射角度を制御するものである、ことを特徴とする。
請求項5記載の発明に係る車両前照灯制御装置は、請求項4に記載の発明の構成において、前記車両前照灯可変制御手段は、左右ターンランプの作動状態の有無を調べ、ターンランプの作動が検出された場合には前記車両前照灯の水平方向の照射角度をターンランプ作動側方向に増大するように補正するものである、ことを特徴とする。
請求項6の発明に係る車両前照灯制御装置は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の発明の構成において、前記車両前照灯可変制御手段は、前記スロットル開度センサによる検出値が所定値以上となった場合には、前記車両前照灯固定化手段による車両前照灯の照射角度の変更禁止を解除して車両前照灯の可変制御を再開するものである、ことを特徴とする。
請求項7の発明に係る車両前照灯制御装置は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の発明の構成において、前記車両前照灯可変制御手段は、前記スロットル開度センサによる検出値の変化量が所定値以上となった場合には、前記車両前照灯固定化手段による車両前照灯の照射角度の変更禁止を解除して車両前照灯の可変制御を再開するものである、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、スロットル開度検出値に応じて、通常走行であるのか低速走行であるのかを簡便に切り分け、通常走行時には前照灯照射距離又は角度を変更して、車速や車両周囲状況で決まる前照灯照射距離又は角度とし、運転者の望む方向への視認性(特に夜間)を向上させる。また、低速走行時には、特に交差点への通行を想定して、前照灯照射角度を固定とし、車速や車両周囲状況に応じて前照灯照射角度が変わらないようにし、運転者にとって周囲への安全確認に適した前照灯照射とする。また、車庫入れや駐車時においても、車速や車両周囲状況に影響されず、照射方向が頻繁に変わるという煩わしさが無くなるため、好適な視界が確保できる。
また、スロットル開度検出値に応じて、車両前照灯可変制御と照射角度固定化との切り換えを行う様にした場合には、実際に車速が変化するよりも先に運転者の意志に基づいて、低速走行(交差点通行及び駐停車、車庫入れ)への移行を検出できる。
請求項2から請求項4の発明によれば、車両前照灯可変制御において、車速検出値が大きくなるほど遠方へ照射し、また、車両前方に存在する前方車両が先行車又は対向車かを認識して車両前照灯の上下方向照射角を制御し、また、路面カーブを認識して車両前照灯の水平方向照射角を制御するようにしたので、運転者にとって車速、路面状況に応じた最適な前照灯照射が行え、かつ前方の走行車にとっても照射光による幻惑を受けない。
請求項5の発明によれば、前照灯照射方向の可変制御時、ターンランプ作動方向へ前照灯照射角度を増大補正して車両進行方向への前照灯照射量を拡大したので、運転者が望む方向への視認性を確保し、すみやかに対応することができる。
請求項6の発明によれば、スロットル開度検出値が所定値以上になったことが検出された場合には、低速走行から通常走行へ移行するものと判断し、前照灯照射角度固定化を解除して前照灯可変制御を再開することにより、運転者が望む進行方向への視認性を確保してすみやかに対応することができる。
請求項7の発明によれば、低速走行(交差点通行及び駐停車時)時でもスロットル開度変化量が所定値以上になったことが検出された場合には、低速走行から通常走行へ移行するものと判断し、前照灯照射角度固定化を解除して前照灯可変制御を再開することにより、運転者が望む進行方向への視認性を確保して、すみやかに対応することができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による車両前照灯制御装置を示す全体構成図である。
図1はこの発明の実施の形態1による車両前照灯制御装置を示す全体構成図である。
図1の構成について説明すると、左右一対の前照灯1が、車両のフロントバンパとその上部エンジンフード前縁部の間に配置されており、この前照灯1は点消灯駆動回路9を介してマイクロコンピュータ2に接続されている。マイクロコンピュータ2には前照灯1の照射方向を制御する駆動部4が接続され、この駆動部4は前照灯1の照射方向を変えるためのモータを備えている。なお、マイクロコンピュータ2は、特許請求の範囲の車両前照灯可変制御手段および車両前照灯固定化手段としての機能を果たすものである。
また車両のフロント部には、マイクロコンピュータ2に接続された車両状況検出手段としてのレーダ装置3が設置され、このレーダ装置3は例えば近赤外線のLEDをパルス駆動して車両前方に照射するレーザ照射部、及び前方物体からの反射光を受光するレーザ受光部を備えている。このレーザ受光部は、距離検出用の受光部Aと方位検出用の受光部Bを備え、距離検出用受光部Aではレーザ照射から検出までの時間を計測し、方位検出用受光部Bでは反射光の入射方向を検出することによって、前方の車両(先行車、対向車)又は道路端に設置された反射マーカ等の方向を検出する役割を果す。
更にマイクロコンピュータ2には、前照灯1を点消灯するために運転者によってマニュアル操作される前照灯スイッチ6、車両走行速度を検出する車速センサ5、スロットルの開度を検出するスロットル開度センサ7、ブレーキペダル踏み込み量を検出するブレーキ踏み込み量検出センサ10、左右のターンランプを点灯させるための左右ターンランプスイッチ8の出力信号が入力されるようになっている。
次に、前記前照灯1及び駆動部4の構成について図2のブロック図に基づいて説明する。
図2において、車両のフロント部において左右少なくとも2つの前照灯1を備え、各々の前照灯1につき、前照灯レンズ11、ランプバルブ12、垂直・水平方向に回動可能なリフレクタ13を備えている。前照灯1の駆動部4は、前記リフレクタ13に対し垂直・水平方向駆動用の2つのモータ14及びリフレクタ移動量を検出するための垂直・水平方向の2つのポテンショメータ15を備えている。そして、このポテンションメータ15の出力により、リフレクタ12の回動位置、換言すれば前照灯1における照射光の照射方向を検出することができる。
以上のように、マイクロコンピュータ2へは、レーダ装置3による車両前方の状況を表す信号、及び自車両の速度を検出する車速センサ5の出力信号、及び駆動部4に設けられたポテンショメータ15によるリフレクタ回動位置信号としてのフィードバック信号、その他前照灯スイッチ信号、ターンランプスイッチ信号、スロットル開度センサ信号、ブレーキ踏み込み量検出センサ信号の各種信号が入力され、マイクロコンピュータ2はこれら入力信号を基に、前照灯照射状態を変更する前照灯駆動部4への制御信号を演算、出力する。
例えば、直線道路走行中、レーダ装置3により自車両の前方に走行車両が存在しないと確認された場合は、車速が大きくなるほど遠方へ前照灯照射するようにリフレクタ12の垂直方向角度を調整する駆動部4のモータ14への制御信号を演算する。
また、路面カーブが有る場合は、カーブに応じて水平方向角度を変えることによって、車速及びカーブに対応した照射方向に調整する制御信号を演算する。
さらに、前方に車両がある場合は、車両との相対距離、相対速度から車両が動いているか否かを検出し、動いている場合は先行車であるのか、対向車であるのか、どちらかに応じて、前方車両に対して眩惑しないよう前照灯の上下照射角を下方向へ補正した制御信号を演算する。
次に、実施の形態1の車両前照灯制御装置の動作を説明する。今、図1に示す各構成要素1〜10を備えた車両において、その運転開始時に車両キーを投入すると、各部電気系が作動状態となり、マイクロコンピュータ2において、車載バッテリより安定化電源回路を介した安定化電圧の供給を受けて作動状態になり、各種初期設定を行った後、図3に示す演算処理を所定周期で繰り返し実行する。
図3は実施の形態1による車両前照灯制御(マイクロコンピュータ2による制御)を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップ101では、運転者が操作する前照灯スイッチ6の点灯信号が発生しているか否かを判定する。この場合、前照灯スイッチ6の点灯信号が発生しないと判定がNOになり、ステップ102に進んで前照灯消灯信号を点消灯駆動回路9に出力させる。また、前照灯スイッチ6の点灯信号が発生していない間は上記処理(ルーチン)を繰り返し実行する。
その後、運転者が前照灯1を点灯させるべく前照灯スイッチ6を投入すると、ステップ101での判定がYESとなり、ステップ103に進んで前照灯点灯信号を点消灯駆動回路9に出力して前照灯1を点灯させる。
次にステップ104に進んで、スロットル開度センサ7の入力信号よりスロットル開度Tを検出し、ステップ105において、スロットル開度Tと所定スロットル開度T0との比較を行う。ここで、スロットル開度Tが所定スロットル開度T0以下の場合、判定がYESとなり、ステップ107へ進む。
ステップ107では、マイクロコンピュータ2のCPUがROM等より予め定められた前照灯制御固定値を読み込む。前照灯制御固定値として、垂直方向角度は、図7に示すように右側左側の前照灯両方ともに前照灯光軸に対して下方向最大値θV0とする。また、水平方向角度は、図8に示すように車両直進方向(光軸角度=0)に対してやや外側を照射する様、右側前照灯はやや右側θH0(右方向を正とし、左方向を負とする)へ、左前照灯はやや左側−θH0へ向かせる。すなわち、車両前方への照射光量を確保しかつ車両周辺に対し最も広範囲の照射ができるように、車両前照灯1の上下方向および水平方向の照射角度が所定の角度に固定される。最後に、ステップ108により前照灯駆動部の制御信号として出力する。
また、前記ステップ105にて、スロットル開度Tが所定スロットル開度T0より大きいときにはNOと判定され、ステップ106の前照灯可変制御のサブルーチンへ進む。この前照灯可変制御の処理については、図4及び図5のフローチャートを参照して以下に説明する。
図4に示す演算処理において、まずステップ201では、車速センサ5の車速信号に基づき、図6に示す車速Vに応じた特性関係図から前照灯1の照射距離Lを求める。
次のステップ202では、レーダ装置3により前方の車両(先行車、対向車)又は道路端に設置された反射マーカによってカーブの有無を検出しておき、ステップ203では、ステップ202によりレーダ装置3より入力した信号が先行車の信号か否かを判定する。
ステップ203での判定がYESになった場合は、先行車との距離D0を算出し、次にステップ205により対向車の有無を判定して、YESの場合、ステップ206により対向車との距離D1を算出する。
次のステップ207では、先行車との距離D0と対向車との距離D1とを比較し、D0<D1の場合はステップ212へ進み、D0≧D1の場合はステップ211にて対向車距離D1を先行車距離D0として設定する。
またステップ203にて先行車が無いと検出された場合は、ステップ208に進み、対向車の検出有無を判定して、YESの場合はステップ209に進み対向車との距離D1を検出し、ステップ210にて対向車との距離D1を先行車との距離D0として設定する。
ステップ208にてNOの場合は、先行車及び対向車の両方ともないと判定された場合なので、後述する照射距離Lの変更を行わず、ステップ216に進む。
このようにして先行車あるいは対向車のいずれか一方が存在する場合、その車との距離を前方車距離D0として、また、先行車及び対向車いずれもが検出された場合には、距離の小さい車までの距離を前方車距離D0として設定し、ステップ212へ進む。
ステップ212では、前方車距離D0が先のステップ201で求めた照射距離L以上かどうかを判定する。前方車との距離D0が照射距離L以上である時には、照射距離Lの変更を行う必要が無いと判断してステップ212の判定がYESになり、ステップ216に進む。
しかし、前方車距離D0が照射距離Lより短い時にはステップ212の判定がNOとなり、ステップ213に進んで前方車距離D0が、図6の特性における最も短い照射距離L0以下であるか否かを判定する。前方車距離D0が照射距離L0以下である時には、ステップ213の判定がYESになり、ステップ214に進んで最短照射距離L0を照射距離Lとして設定する。
また、前方車距離が照射距離L0より大きい時には、ステップ213の判定がNOになり、ステップ215に進んで前方車両距離D0を照射距離Lとして設定する。
上記の演算処理の後に図5のステップ216に進む。このステップ216では、ステップ202にてカーブ検出したかどうかを判定し、カーブ検出ある場合はYESとして、次のステップ218に進み、車両前照灯1の水平方向角度θHを求める。この車両前照灯1の水平方向角度演算について図9のフローチャートを参照して説明する。
図9において、まずステップ21Aでは、レーダ装置3からの検出信号を被検出体(先行車両か、対向車両か、もしくは反射マーカであるのか)に応じて補正し、方向データHを求める(ここでは、車両進行方向の走行軌道上に当たると予想される仮想検出ポイントからの方向データHを求める)。次に、ステップ21Bにて、求めた方向データHから道路の曲率半径Rを求める。次にステップ21Cにて、車両進行方向の走行軌道上に当たると予想されるポイント(Xh,Yh)を、下記の2つの方程式を解くことにより求める。
R2=Xh2+Yh2…(1)
L2=Xh2+Yh2…(2)
L;照射距離
L2=Xh2+Yh2…(2)
L;照射距離
次にステップ21Dにて、下記(3)式に(Xh,Yh)を代入して、水平方向角度θHを求める。また、曲路が左方向である場合には、−θHとする。
θH=π/2−arctan(Yh/Xh)…(3)
ステップ216にてカーブ検出無しの時は、NOに進みステップ217にて水平方向角度θHを0(車両直進方向)とする。
ステップ219では前照灯の垂直方向角度θVを照射距離の関数(照射距離Lが大きくなるほど角度θVが小さくなるように定めた関数)により求める。そしてステップ220では、演算された水平・垂直方向角度θH,θVに応じたリフレクタ駆動信号を前照灯駆動部4に出力し、前照灯照射方向を調整する。
実施の形態1では上記処理を繰り返し実行することにより、前照灯照射距離を車速が大きくなる程大きく、カーブがある場合には車両進行方向を照射するようにし、また先行車、対向車がある時にはその車両が存在する位置までにすることができる。
このように、この実施の形態1によれば、スロットル開度検出値に応じて、車両前照灯可変制御と照射角度固定化との切り換えを行う様にしたので、実際に車速が変化するよりも先に運転者の意志に基づいて、低速走行(交差点通行及び駐停車、車庫入れ)への移行を検出できる。
なお、この実施の形態1では、スロットル開度センサの出力Tが所定のスロットル開度T0よりも小さいときに前照灯可変制御を禁止して前照灯照射角度を固定する様にしたが、スロットル開度センサ出力Tが所定のスロットル開度T0より小さい値をとってから所定時間が経過した後に前照灯可変制御を禁止するようにしてもよい。
実施の形態2.
図1はこの実施の形態2の車両前照灯制御装置を示す構成図であり、図2は図1の車両前照灯制御装置の前照灯と駆動部の概略構成図である。図3はこの実施の形態2の全体動作を示すフローチャートである。図1、2、3の説明は実施の形態1で既に行っているので省く。
図1はこの実施の形態2の車両前照灯制御装置を示す構成図であり、図2は図1の車両前照灯制御装置の前照灯と駆動部の概略構成図である。図3はこの実施の形態2の全体動作を示すフローチャートである。図1、2、3の説明は実施の形態1で既に行っているので省く。
次に、この実施の形態2の動作について図10〜図11のフローチャートに従い説明を行う。
図10、図11におけるステップ501から520までの動作は実施の形態1の図4〜図5のステップ201から220と同一であるので説明は省略する。
この実施の形態2では、ステップ521においてターンランプ作動の有無を検出する。ターンランプが非作動(NO)である時は前照灯左右角度θHに対して補正を行わない。ステップ521においてターンランプ作動(YES)を検出した時は、次のステップ522に進み右側か左側かどちらのターンランプの作動かを判定する。
ターンランプの右側の作動(YES)である場合、ステップ523に進み前照灯の水平方向角度θHに対し、所定の角度θc(L)を加算する。ここでθc(L)は照射距離Lの関数で、Lが増大することにより小さくなる値をとる。
ステップ522において、ターンランプの左側の作動(NO)を検出した場合は、ステップ524にて前照灯の水平方向角度θHに対して、左方向への角度−θc(L)を加算する。
以上のように実施の形態2によれば、ターンランプの作動に対し、作動側方向へ前照灯照射方向を所定量増大補正することによって、運転者の望む進行方向への視界を良好にすることができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、車両前照灯可変制御の禁止を解除し再開させるために、スロットル開度センサの検出値を用いるようにしたものである。
実施の形態3では、車両前照灯可変制御の禁止を解除し再開させるために、スロットル開度センサの検出値を用いるようにしたものである。
図1はこの発明の実施の形態3による車両前照灯制御装置を示す全体構成図であり、図2は図1における前照灯と駆動部の概略構成図である。図1および図2の説明は実施の形態1で既に行っているので省略する。
次に、実施の形態3の車両前照灯制御装置の動作を、図12のフローチャートに基づいて説明を行う。
ステップ601では、運転者が操作する前照灯スイッチ6の点灯信号が発生しているか否かを判定する。この場合、前照灯スイッチ6の点灯信号が発生しないと判定がNOになり、ステップ602に進んで前照灯消灯信号を点消灯駆動回路9に出力させる。また、前照灯スイッチ6の点灯信号が発生していない間は上記処理(ルーチン)を繰り返し実行する。
その後、運転者が前照灯1を点灯させるべく前照灯スイッチ6を投入すると、ステップ601での判定がYESとなり、ステップ603に進んで前照灯点灯信号を点消灯駆動回路9に出力して前照灯1を点灯させる。
次にステップ604に進んで、車速センサ5の入力信号に基づいて車両走行速度を検出し、ステップ605では車両走行速度Vを所定値V0(V0はここでは徐行速度よりも少し大きめの速度)と比較する。このとき、車両走行速度Vが所定開度V0よりも大きいときにはNOと判定され、ステップ606の車両前照灯可変制御のサブルーチンへ進む。一方、車両走行速度Vが所定開度V0よりも小さいときにはYESと判定され、ステップ607へ進む。
ステップ607では、ステップ605において車速V0以下であると判定したとき実行され、スロットル開度センサ7の入力信号よりスロットル開度Tを検出する。そして、ステップ608では、ステップ607で求めたスロットル開度Tが所定開度T1より大きいかどうかを判定する。
ステップ608において、スロットル開度TがT1より大きい場合は、運転者が加速要求をしたとして、YESへ進みステップ606の車両前照灯可変制御のサブルーチンに進む。これに対して、スロットル開度Tが所定開度T1以下の場合は、ステップ609へ進み前照灯制御固定値による前照灯固定制御を行う。ステップ606,609,610の動作はそれぞれ実施の形態1(図3)のステップ106,107,108の動作と同じであるため説明は省略する。
この実施の形態3によれば、車両走行速度Vが所定値V0よりも小さく、しかも、スロットル開度Tが所定開度T1以下の場合には、前照灯制御固定値による前照灯固定制御を行うが、車両走行速度Vが所定値V0よりも小さくてもスロットル開度Tが所定値T1を越えたときには、運転者が加速要求をしたとして、前照灯制御固定値による前照灯照射をとりやめ、直ちに運転者の望む加速方向に対し適切な前照灯照射を行うことができる。
実施の形態4.
上記の実施の形態3では、車両前照灯可変制御の禁止を解除し再開させるために、スロットル開度センサの検出値を用いるようにしたが、この実施の形態4では、車両前照灯可変制御の禁止を解除し再開させるために、スロットル開度センサ検出値の変化量を用いるようにしたものである。
上記の実施の形態3では、車両前照灯可変制御の禁止を解除し再開させるために、スロットル開度センサの検出値を用いるようにしたが、この実施の形態4では、車両前照灯可変制御の禁止を解除し再開させるために、スロットル開度センサ検出値の変化量を用いるようにしたものである。
図1はこの発明の実施の形態4による車両前照灯制御装置を示す全体構成図であり、図2は図1における前照灯と駆動部の概略構成図である。図1および図2の説明は実施の形態1で既に行っているので省略する。
次に、実施の形態4の車両前照灯制御装置の作用を、図13のフローチャートに基づいて説明を行う。図13において、ステップ701から705までの動作は実施の形態3(図12)のステップ601から605と同様であるので説明を省略する。
ステップ707では、ステップ705において車速がV0以下であると判定したとき実行され、スロットル開度センサ7からの入力信号に基づき一定期間内のスロットル開度変化量Tsを算出する。そして、ステップ708では、ステップ707で求めたスロットル開度変化量Tsが所定変化量Ts0より大きいかどうかを判定する。
ステップ708において、スロットル開度変化量Tsが所定変化量Ts0より大きい場合は、運転者が加速要求をしたとして、YESヘ進みステップ706の前照灯制御ルーチンに進む。一方、スロットル開度変化量TsがTs0以下の場合は、ステップ709へ進み前照灯制御固定値による前照灯固定制御を行う。ステップ706,709,710の動作はそれぞれ実施の形態3のステップ606,609,610の動作と同じであるため説明は省略する。
この実施の形態4によれば、車両走行速度Vが所定値V0よりも小さく、しかも、スロットル開度変化量Tsが所定開度変化量Ts0以下の場合には、前照灯制御固定値による前照灯固定制御を行うが、車両走行速度Vが所定値V0よりも小さくても、スロットル開度変化量Tsが所定開度変化量Ts0を越えたときには、運転者が加速要求をしたとして、前照灯制御固定値による前照灯照射をとりやめ、直ちに運転者の望む加速方向に対し適切な前照灯照射を行うことができる。
なお、この実施の形態4ではスロットル開度センサ7を用いて加速要求を検出するようにしたが、これに限定されるものではなく、アクセル開度を検出するアクセル開度センサを用いて加速検出を行っても良い。
その他の実施の形態.
上記実施の形態1〜4では車両前方の状況を検出する車両状況検出手段としてレーダ装置を用いて測定するようにしたが、これに限定されるものではなく、CCD素子等を備えた画像撮像装置を用いて測定するようにしてもよい。
上記実施の形態1〜4では車両前方の状況を検出する車両状況検出手段としてレーダ装置を用いて測定するようにしたが、これに限定されるものではなく、CCD素子等を備えた画像撮像装置を用いて測定するようにしてもよい。
また、上記実施の形態1〜4では2灯の前照灯を備えた前照灯制御装置を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばHIGHビーム2灯、及びLOWビーム2灯を運転者のマニュアル操作で切換えられるようにした計4灯の前照灯を備え、HIGHビーム照射距離範囲内で、照射距離・方向を制御するようにしたLOWビーム側前照灯2灯につき本実施の形態の前照灯制御装置を使用してもよい。
1 前照灯、
2 マイクロコンピュータ(車両前照灯可変制御手段、車両前照灯固定化手段)、
3 レーダ装置(車両状況検出手段)、4 駆動部、5 車速センサ、
6 前照灯スイッチ、7 スロットル開度センサ、8 ターンランプスイッチ、
9 点消灯駆動回路、10 ブレーキ踏み込み量検出センサ。
2 マイクロコンピュータ(車両前照灯可変制御手段、車両前照灯固定化手段)、
3 レーダ装置(車両状況検出手段)、4 駆動部、5 車速センサ、
6 前照灯スイッチ、7 スロットル開度センサ、8 ターンランプスイッチ、
9 点消灯駆動回路、10 ブレーキ踏み込み量検出センサ。
Claims (7)
- 車両前照灯と、車両の走行速度を検出する車速センサと、スロットル開度を検出するスロットル開度センサと、前方車両の有無、前方車両との距離、路面カーブの有無などの車両の周囲状況を検出する車両状況検出手段と、前記車速センサの検出値ならびに前記車両周囲状況検出手段の検出値に基づいて車両前照灯の上下方向および水平方向の各照射角度を変更する車両前照灯可変制御手段と、前記スロットル開度センサの検出値が予め設定された所定値以下の場合に前記車両前照灯可変制御手段による車両前照灯の上下方向および水平方向の各照射角度の変更を共に禁止して予め設定された所定の照射角度に固定する車両前照灯固定化手段と、を備えていることを特徴とする車両前照灯制御装置。
- 前記車両前照灯可変制御手段は、前記車速センサの車速検出値が大きくなるほど遠方へ照射されるように車両前照灯の上下方向の角度を制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の車両前照灯制御装置。
- 前記車両前照灯可変制御手段は、前記車両状況検出手段の検出値に応じて車両前方の有無を判別し、前方車両が存在する場合には先行車両か対向車両かを識別するとともに、これらの車両との距離を検出して、これらの結果に基づいて車両前照灯の上下方向の照射角度を制御するものである、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両前照灯制御装置。
- 前記車両前照灯可変制御手段は、前記車両状況検出手段の検出値に基づいて路面カーブの曲率を求め、その曲率の大きさに応じて前記車両前照灯の水平方向の照射角度を制御するものである、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両前照灯制御装置。
- 前記車両前照灯可変制御手段は、左右ターンランプの作動状態の有無を調べ、ターンランプの作動が検出された場合には前記車両前照灯の水平方向の照射角度をターンランプ作動側方向に増大するように補正するものである、ことを特徴とする請求項4に記載の車両前照灯制御装置。
- 前記車両前照灯可変制御手段は、前記スロットル開度センサによる検出値が所定値以上となった場合には、前記車両前照灯固定化手段による車両前照灯の照射角度の変更禁止を解除して車両前照灯の可変制御を再開するものである、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両前照灯制御装置。
- 前記車両前照灯可変制御手段は、前記スロットル開度センサによる検出値の変化量が所定値以上となった場合には、前記車両前照灯固定化手段による車両前照灯の照射角度の変更禁止を解除して車両前照灯の可変制御を再開するものである、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両前照灯制御装置。
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- 2004-08-25 JP JP2004244715A patent/JP2004352246A/ja active Pending
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