JPH08231589A - 新規なペプチドおよび免疫賦活剤 - Google Patents
新規なペプチドおよび免疫賦活剤Info
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- JPH08231589A JPH08231589A JP7081641A JP8164195A JPH08231589A JP H08231589 A JPH08231589 A JP H08231589A JP 7081641 A JP7081641 A JP 7081641A JP 8164195 A JP8164195 A JP 8164195A JP H08231589 A JPH08231589 A JP H08231589A
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- Japan
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- peptide
- amino acid
- glu
- novel
- ile
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 大豆のタンパク質分解酵素の分解液から新
規な免疫賦活作用を有する新規なペプチドを提供する。 【構成】 大豆をタンパク買分解酵素等で処理し、新規
な免疫賦活作用を有する2種のペプチドは(1)Ile
−Ala−Val−Pro−Thr−Gly−Val−
Ala、(2)Ile−Glu−Glu−Gly−As
nであり、免疫賦活作用を有し、毒性も極めて低い。
規な免疫賦活作用を有する新規なペプチドを提供する。 【構成】 大豆をタンパク買分解酵素等で処理し、新規
な免疫賦活作用を有する2種のペプチドは(1)Ile
−Ala−Val−Pro−Thr−Gly−Val−
Ala、(2)Ile−Glu−Glu−Gly−As
nであり、免疫賦活作用を有し、毒性も極めて低い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬として有用性を有
する下記のアミノ酸の配列のペプチド構造を有するペプ
チドならびにそのペプチドを有効成分とする免疫賦活剤
に関する。 (1)Ile−Ala−Val−Pro−Thr−Gl
y−Val−Ala (2)Ile−Glu−Glu−Gly−Asn (式中、アミノ酸残基を表わす各記号は、アミノ酸化学
において慣用の表示法によるものである。)
する下記のアミノ酸の配列のペプチド構造を有するペプ
チドならびにそのペプチドを有効成分とする免疫賦活剤
に関する。 (1)Ile−Ala−Val−Pro−Thr−Gl
y−Val−Ala (2)Ile−Glu−Glu−Gly−Asn (式中、アミノ酸残基を表わす各記号は、アミノ酸化学
において慣用の表示法によるものである。)
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】摂取さ
れた食品は消化管の中で分解、吸収される過程で宿主免
疫系へ種々の影響を与えることが知られている(J.
L.Decker et al.:Ann.Inter
n.Med.,101,810−824(198
4))。宿主の免疫反応は免疫担当細胞であるリンパ球
及びマクロファージから分泌される生理活性物質によっ
て調節、制御されていることが知られているが、一方、
食品成分中にも宿主免疫系を調節する物質の存在が知ら
れている。その中には、食品蛋白買を酵素的に分解した
ペプチドとして、ヒトカゼイン由来Gly−Leu−P
he,ウシカゼイン由来Leu−Leu−Tyr,ヒト
βカゼイン由来Val−Glu−Pro−Ile−Pr
o−Tyrのものが知られておりいずれもマクロファー
ジの活性を上昇させることが見いだされている(F.P
arker et al.:Eur.J.Bioche
m.145,677−682(1984),J.Ber
th ou et al.:FABS Lett.,2
18,55−58(1987))。生体内に摂取された
食品蛋白質は、そのままの形かあるいは分解されてペプ
チドの形で免疫応答系細胞と接する。このような食品成
分と免疫応答系細胞との相互作用は、これまで知られて
いるところでは、たとえば免疫系の異常状態である食品
アレルギーを引き起こす場合があり、さらに、免疫系の
賦活あるいは抑制という形となって観察されている。免
疫応答系を調節する本来の生体内物質としてインターロ
イキンをはじめとするサイトカイニンと呼ばれる一群の
ポリペプチドであり、その機能及び構造について多くの
情報が集積しつつある。これに対し、食品たん白質由来
のペプチドで免疫調節機能をもつものは多くはなく、未
だ医薬品としての開発が進んでいるとの報告はない。
れた食品は消化管の中で分解、吸収される過程で宿主免
疫系へ種々の影響を与えることが知られている(J.
L.Decker et al.:Ann.Inter
n.Med.,101,810−824(198
4))。宿主の免疫反応は免疫担当細胞であるリンパ球
及びマクロファージから分泌される生理活性物質によっ
て調節、制御されていることが知られているが、一方、
食品成分中にも宿主免疫系を調節する物質の存在が知ら
れている。その中には、食品蛋白買を酵素的に分解した
ペプチドとして、ヒトカゼイン由来Gly−Leu−P
he,ウシカゼイン由来Leu−Leu−Tyr,ヒト
βカゼイン由来Val−Glu−Pro−Ile−Pr
o−Tyrのものが知られておりいずれもマクロファー
ジの活性を上昇させることが見いだされている(F.P
arker et al.:Eur.J.Bioche
m.145,677−682(1984),J.Ber
th ou et al.:FABS Lett.,2
18,55−58(1987))。生体内に摂取された
食品蛋白質は、そのままの形かあるいは分解されてペプ
チドの形で免疫応答系細胞と接する。このような食品成
分と免疫応答系細胞との相互作用は、これまで知られて
いるところでは、たとえば免疫系の異常状態である食品
アレルギーを引き起こす場合があり、さらに、免疫系の
賦活あるいは抑制という形となって観察されている。免
疫応答系を調節する本来の生体内物質としてインターロ
イキンをはじめとするサイトカイニンと呼ばれる一群の
ポリペプチドであり、その機能及び構造について多くの
情報が集積しつつある。これに対し、食品たん白質由来
のペプチドで免疫調節機能をもつものは多くはなく、未
だ医薬品としての開発が進んでいるとの報告はない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、大豆のタン
パク質分解酵素の分解液から薬理作用を有する物質を検
索し、新規な2種のペプチドが強い免疫賦活作用を有す
ることを見出した。そして、これら2種のペプチドを医
薬として実用化するための研究を鋭意行った。その結
果、この2種のペプチドが免疫賦活作用を有し、天然物
由来の免疫賦活剤としての有用性を見い出した。本発明
は係る知見に基づくものである。以下に、本発明を詳細
に説明する。本発明に係る新規なペプチドは、次式
(1)及び(2) (1)Ile−Ala−Val−Pro−Thr−Gl
y−Val−Ala (2)Ile−Glu−Glu−Gly−Asn (式中の各記号はペプチド化学におけるアミノ酸配列の
各アミノ酸単位を示す。)の式で示されるL体のアミノ
酸の配列を有する新規なペプチドであり、常温における
性状は白色の粉末である。
パク質分解酵素の分解液から薬理作用を有する物質を検
索し、新規な2種のペプチドが強い免疫賦活作用を有す
ることを見出した。そして、これら2種のペプチドを医
薬として実用化するための研究を鋭意行った。その結
果、この2種のペプチドが免疫賦活作用を有し、天然物
由来の免疫賦活剤としての有用性を見い出した。本発明
は係る知見に基づくものである。以下に、本発明を詳細
に説明する。本発明に係る新規なペプチドは、次式
(1)及び(2) (1)Ile−Ala−Val−Pro−Thr−Gl
y−Val−Ala (2)Ile−Glu−Glu−Gly−Asn (式中の各記号はペプチド化学におけるアミノ酸配列の
各アミノ酸単位を示す。)の式で示されるL体のアミノ
酸の配列を有する新規なペプチドであり、常温における
性状は白色の粉末である。
【0004】前記の2種のペプチドは、化学的に合成す
る方法または大豆のタンパク質分解酵素の分解液から分
離精製する方法を挙げることができる。本発明に係る新
規なペプチドを化学的に合成する場合には、液相法また
は固相法等の通常のペプチド合成方法によって行うこと
ができるが、好ましくは、固相法によってポリマー性の
固相支持体へ前記ペプチドのC末端(カルボキシル末端
側)からそのアミノ酸残基に対応したL体のアミノ酸を
順次ペプチド結合によって結合して行くのがよい。そし
て、そのようにして得られた合成ペプチドは、トリフル
オロメタンスルホン酸、フッ化水素等を用いてポリマー
性の固相支持体から切断した後、アミノ酸側鎖の保護基
を除去し、逆相系のカラムを用いた高速液体クロマトグ
ラフィー(以下、HPLCと略記する。)等を用いた通
常の方法で精製することができる。
る方法または大豆のタンパク質分解酵素の分解液から分
離精製する方法を挙げることができる。本発明に係る新
規なペプチドを化学的に合成する場合には、液相法また
は固相法等の通常のペプチド合成方法によって行うこと
ができるが、好ましくは、固相法によってポリマー性の
固相支持体へ前記ペプチドのC末端(カルボキシル末端
側)からそのアミノ酸残基に対応したL体のアミノ酸を
順次ペプチド結合によって結合して行くのがよい。そし
て、そのようにして得られた合成ペプチドは、トリフル
オロメタンスルホン酸、フッ化水素等を用いてポリマー
性の固相支持体から切断した後、アミノ酸側鎖の保護基
を除去し、逆相系のカラムを用いた高速液体クロマトグ
ラフィー(以下、HPLCと略記する。)等を用いた通
常の方法で精製することができる。
【0005】上記したように、本発明に係る新規なペプ
チドは大豆のタンパク質分解酵素の分解液から分離精製
することができるが、その場合には、発明者等の文献
[J.Nutr.Biochem.,Vol.4,pp
450−457,(1993,August)]の方法
に準拠し、例えば、以下のようにして行うことができ
る。上記の新規なペプチドを含有している生大豆を用い
て、適当な溶媒(例えば、水−トリス塩酸緩衝液、リン
酸緩衝液の中性の緩衝液等)中で十分にホモジネイトし
た後、加水分解する。加水分解は常法に従って行う。例
えば、ペプシン等のタンパク質分解酵素で加水分解する
場合は、生大豆ホモジネイトを必要とあれば更に加水分
解した後、酵素の至適温度まで加温しpHを至適値に調
整し、酵素を加えてインキュベートする。次いで必要に
応じ中和した後、酵素を失活させて加水分解液を得る。
その加水分解液を濾紙および/またはセライト等を用い
て濾過することによって不溶性成分を除去し、得られた
濾液をセロファン等の半透膜を用いて適当な溶媒(例え
ば、トリス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液の中性の緩衝液
等)中で十分に透析し、その濾液中の成分で半透膜を通
過した成分を含む溶液を強酸性陽イオン交換樹脂(例え
ば、ダウケミカル社製のDowex50W等)にかけ、
その吸着溶出分画から 免疫賦活作用を有する成分を含
有する分画を得、得られた免疫賦活作用を有する分画を
ゲル濾過(例えば,ファルマシア社製のSephade
x G−25等)によって分画し、得られた免疫賦活作
用を有する分画を陽イオン交換ゲル濾過(例えば、ファ
ルマシア社製の SP−SephadeX C−25
等)によって分画し、得られた免疫賦活作用を有する分
画を更に逆相HPLCによって分画する。
チドは大豆のタンパク質分解酵素の分解液から分離精製
することができるが、その場合には、発明者等の文献
[J.Nutr.Biochem.,Vol.4,pp
450−457,(1993,August)]の方法
に準拠し、例えば、以下のようにして行うことができ
る。上記の新規なペプチドを含有している生大豆を用い
て、適当な溶媒(例えば、水−トリス塩酸緩衝液、リン
酸緩衝液の中性の緩衝液等)中で十分にホモジネイトし
た後、加水分解する。加水分解は常法に従って行う。例
えば、ペプシン等のタンパク質分解酵素で加水分解する
場合は、生大豆ホモジネイトを必要とあれば更に加水分
解した後、酵素の至適温度まで加温しpHを至適値に調
整し、酵素を加えてインキュベートする。次いで必要に
応じ中和した後、酵素を失活させて加水分解液を得る。
その加水分解液を濾紙および/またはセライト等を用い
て濾過することによって不溶性成分を除去し、得られた
濾液をセロファン等の半透膜を用いて適当な溶媒(例え
ば、トリス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液の中性の緩衝液
等)中で十分に透析し、その濾液中の成分で半透膜を通
過した成分を含む溶液を強酸性陽イオン交換樹脂(例え
ば、ダウケミカル社製のDowex50W等)にかけ、
その吸着溶出分画から 免疫賦活作用を有する成分を含
有する分画を得、得られた免疫賦活作用を有する分画を
ゲル濾過(例えば,ファルマシア社製のSephade
x G−25等)によって分画し、得られた免疫賦活作
用を有する分画を陽イオン交換ゲル濾過(例えば、ファ
ルマシア社製の SP−SephadeX C−25
等)によって分画し、得られた免疫賦活作用を有する分
画を更に逆相HPLCによって分画する。
【0006】この新規な2種のペプチドは、静脈内への
繰返し投与を行った場合、抗体産生を惹起せず、アナフ
イラキシーショックを起こさない。また、このペプチド
はL−アミノ酸のみの配列構造からなり、投与後、生体
内のプロテアーゼにより徐々に分解される為,毒性は極
めて低く安全性は極めて高い(LD50>5000mg
/Kg:ラット経口投与)。本発明に係る新規なペプチ
ドは、通常用いられる賦形剤等の添加物を用いて注射
剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等に調整すること
ができる。投与法としては、通常は免疫不全症を有して
いる哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ラット等)に注射す
ること、あるいは経口投与することがあげられる。投与
量は、例えば、動物体重1kg当りこのペプチドを0.
01〜10mgの量である。投与回数は、通常、1日1
〜4回程度であるが、投与経路によって、適宜、調整す
ることができる。上記の各種製剤において用いられる賦
形剤、結合剤、滑沢剤の種類は、特に限定されず、通常
の注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるいはカプセル剤に用
いられるものを使用することができる。
繰返し投与を行った場合、抗体産生を惹起せず、アナフ
イラキシーショックを起こさない。また、このペプチド
はL−アミノ酸のみの配列構造からなり、投与後、生体
内のプロテアーゼにより徐々に分解される為,毒性は極
めて低く安全性は極めて高い(LD50>5000mg
/Kg:ラット経口投与)。本発明に係る新規なペプチ
ドは、通常用いられる賦形剤等の添加物を用いて注射
剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等に調整すること
ができる。投与法としては、通常は免疫不全症を有して
いる哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ラット等)に注射す
ること、あるいは経口投与することがあげられる。投与
量は、例えば、動物体重1kg当りこのペプチドを0.
01〜10mgの量である。投与回数は、通常、1日1
〜4回程度であるが、投与経路によって、適宜、調整す
ることができる。上記の各種製剤において用いられる賦
形剤、結合剤、滑沢剤の種類は、特に限定されず、通常
の注射剤、散剤、顆粒剤、錠剤あるいはカプセル剤に用
いられるものを使用することができる。
【0007】錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤に用いる
添加剤としては、下記のものをあげることができる。賦
形剤としては、結晶セルロース等の糖類、マンニトール
等の糖アルコール類、でんぷん類、無水リン酸カルシウ
ム等;結合剤としてはでんぷん類、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース等;崩壊剤としてはカルボキシメチル
セルロースおよびそのカルウム塩類;滑沢剤としてはス
テアリン酸およびその塩類、タルク、ワックス類を挙げ
ることができる。また、製剤の調整にあたっては、必要
に応じメントール、クエン酸およびその塩類、香料等の
矯臭剤を用いることができる。注射用の無菌組成物は、
常法により、本発明に係る新規なペプチドを、注射用
水、生理食塩液およびキシリトールやマンニトールなど
の糖アルコール注射液、プロピレングリコールやポリエ
チレングリコール等のグリコールに溶解または懸濁させ
て注射剤とすることができる。この際、緩衝液、防腐
剤、酸化防止剤等を必要に応じて添加することができ
る。本発明の新規なペプチドを含有する製剤は凍結乾燥
品または乾燥粉末の形とし、用時、通常の溶解剤、例え
ば水または生理食塩液にて溶解して用いることもでき
る。
添加剤としては、下記のものをあげることができる。賦
形剤としては、結晶セルロース等の糖類、マンニトール
等の糖アルコール類、でんぷん類、無水リン酸カルシウ
ム等;結合剤としてはでんぷん類、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース等;崩壊剤としてはカルボキシメチル
セルロースおよびそのカルウム塩類;滑沢剤としてはス
テアリン酸およびその塩類、タルク、ワックス類を挙げ
ることができる。また、製剤の調整にあたっては、必要
に応じメントール、クエン酸およびその塩類、香料等の
矯臭剤を用いることができる。注射用の無菌組成物は、
常法により、本発明に係る新規なペプチドを、注射用
水、生理食塩液およびキシリトールやマンニトールなど
の糖アルコール注射液、プロピレングリコールやポリエ
チレングリコール等のグリコールに溶解または懸濁させ
て注射剤とすることができる。この際、緩衝液、防腐
剤、酸化防止剤等を必要に応じて添加することができ
る。本発明の新規なペプチドを含有する製剤は凍結乾燥
品または乾燥粉末の形とし、用時、通常の溶解剤、例え
ば水または生理食塩液にて溶解して用いることもでき
る。
【0008】本発明に係る新規なペプチドは、優れた免
疫賦活作用を有し、新規なペプチドをウサギに経口投与
すると、末梢血リンパ球のコンカナバリンA(以下Co
nAと略記する。)刺激に対する幼若化反応が有意に上
昇し、又、新規なペプチドをC57BL/6マウスに経
口投与すると抗体産生能が上昇した。更に、新規なペプ
チドは、in vitroにおいてC3H/HeNマウ
スより得た脾細胞に対してマイトージェン活性を示す。
疫賦活作用を有し、新規なペプチドをウサギに経口投与
すると、末梢血リンパ球のコンカナバリンA(以下Co
nAと略記する。)刺激に対する幼若化反応が有意に上
昇し、又、新規なペプチドをC57BL/6マウスに経
口投与すると抗体産生能が上昇した。更に、新規なペプ
チドは、in vitroにおいてC3H/HeNマウ
スより得た脾細胞に対してマイトージェン活性を示す。
【0009】
【実施例】以下に実施例として、製造例及び試験例を記
載し、本発明を更に詳細に説明する。 製造例1 生大豆200gに脱イオン水1ιを加えホモジナイズし
た後、1N塩酸にてpHを2.0に調整し、ペプシン
(メルク社製、酵素番号EC3.4.23.1)10g
を添加し、37℃で20時間撹拌しながら加水分解を行
った。分解反応液を直ちに限外濾過膜(アミコン社製、
YM10型、φ76mm)に通過させ、通過液を強酸性
陽イオン交換樹脂Dowex 50w X4[H+]
(φ4.5x15cm)カラムに加えた。カラムを脱イ
オン水で十分に洗浄した後、2N水酸化アンモニウム液
2ιを用いて溶出した。減圧濃縮によりアンモニアを除
去し、濃縮液40mιを得た。濃縮液4mιを予め脱イ
オン水で緩衝化したSephadex G−25カラム
(φ2.5x150cm)に負荷し、流速30mι/h
r、各分画量8.3mιでゲル濾過した。その結果は図
1に示すとおりである。上記のゲル濾過を繰り返して大
量分取した免疫賦活活性の高い分画(分画番号17〜3
7)を集め、凍結乾燥してペプチド粉末(大豆由来のペ
プチド粉末)とした。このペプチド粉末を説イオン水に
溶解した後、予め、脱イオン水で緩衝化したSP−Se
phadex C−25[H+](φ1.5x47.2
cm)カラムに負荷し、脱イオン水1ιから3%塩化ナ
トリウム液1ιの濃度勾配法により、流速60mι/h
r、各分画量7.8mιでクロマトグラフィーを行っ
た。その結果は図2に示すとおりである。
載し、本発明を更に詳細に説明する。 製造例1 生大豆200gに脱イオン水1ιを加えホモジナイズし
た後、1N塩酸にてpHを2.0に調整し、ペプシン
(メルク社製、酵素番号EC3.4.23.1)10g
を添加し、37℃で20時間撹拌しながら加水分解を行
った。分解反応液を直ちに限外濾過膜(アミコン社製、
YM10型、φ76mm)に通過させ、通過液を強酸性
陽イオン交換樹脂Dowex 50w X4[H+]
(φ4.5x15cm)カラムに加えた。カラムを脱イ
オン水で十分に洗浄した後、2N水酸化アンモニウム液
2ιを用いて溶出した。減圧濃縮によりアンモニアを除
去し、濃縮液40mιを得た。濃縮液4mιを予め脱イ
オン水で緩衝化したSephadex G−25カラム
(φ2.5x150cm)に負荷し、流速30mι/h
r、各分画量8.3mιでゲル濾過した。その結果は図
1に示すとおりである。上記のゲル濾過を繰り返して大
量分取した免疫賦活活性の高い分画(分画番号17〜3
7)を集め、凍結乾燥してペプチド粉末(大豆由来のペ
プチド粉末)とした。このペプチド粉末を説イオン水に
溶解した後、予め、脱イオン水で緩衝化したSP−Se
phadex C−25[H+](φ1.5x47.2
cm)カラムに負荷し、脱イオン水1ιから3%塩化ナ
トリウム液1ιの濃度勾配法により、流速60mι/h
r、各分画量7.8mιでクロマトグラフィーを行っ
た。その結果は図2に示すとおりである。
【0010】上記クロマトグラフ中、分画番号30〜3
8の免疫賦活活性の高い分画を集めて凍結乾燥して精製
ペプチド粉末(SP−I分画部分)、分画番号39〜4
7の免疫賦活活性の高い分画を集めて凍結乾燥して精製
ペプチド粉末(SP−II分画部分)を得た。これら精
製ペプチド粉末(SP−I、SP−II分画部分)を説
イオン水に溶解した後HPLCを行った。条件はカラム
として野村化学(株)製Develosil ODS−
50(φ4.6mmIDx25cmL)を使用し、移動
相として0.1%トリフルオロ酢酸(以下、TFAと略
記する。)から50%アセトニトリル/0.1%TFA
の濃度勾配法により、流速1.0mι/min、検出波
長220nmでHPLCを行い、免疫賦活活性を有する
ペプチドを得た。その結果、精製ペプチド粉末(SP−
I分画部分)を供試料としたHPLCパターンは、図3
に示すとおりである{溶出時間;(1)のペプチド11
2分}。又、精製ペプチド粉末(SP−II分画部分)
を供試料としたHPLCパターンは、図4に示すとおり
である{溶出時間;(2)のペプチド109分}。この
ようにして得られた免疫賦活作用を有するペプチドのア
ミノ酸配列は、アプライドバイオシステム社製のプロテ
インシーケンサー477A型を用いて決定された。その
結果、2種のペプチドは、それぞれ、、次式、(1)I
le−Ala−Val−Pro−Thr−Gly−Va
l−Ala (2)Ile−Glu−Glu−Gly−Asn で示されるL体のアミノ酸残基からなる配列を有するペ
プチドであることが確認された。
8の免疫賦活活性の高い分画を集めて凍結乾燥して精製
ペプチド粉末(SP−I分画部分)、分画番号39〜4
7の免疫賦活活性の高い分画を集めて凍結乾燥して精製
ペプチド粉末(SP−II分画部分)を得た。これら精
製ペプチド粉末(SP−I、SP−II分画部分)を説
イオン水に溶解した後HPLCを行った。条件はカラム
として野村化学(株)製Develosil ODS−
50(φ4.6mmIDx25cmL)を使用し、移動
相として0.1%トリフルオロ酢酸(以下、TFAと略
記する。)から50%アセトニトリル/0.1%TFA
の濃度勾配法により、流速1.0mι/min、検出波
長220nmでHPLCを行い、免疫賦活活性を有する
ペプチドを得た。その結果、精製ペプチド粉末(SP−
I分画部分)を供試料としたHPLCパターンは、図3
に示すとおりである{溶出時間;(1)のペプチド11
2分}。又、精製ペプチド粉末(SP−II分画部分)
を供試料としたHPLCパターンは、図4に示すとおり
である{溶出時間;(2)のペプチド109分}。この
ようにして得られた免疫賦活作用を有するペプチドのア
ミノ酸配列は、アプライドバイオシステム社製のプロテ
インシーケンサー477A型を用いて決定された。その
結果、2種のペプチドは、それぞれ、、次式、(1)I
le−Ala−Val−Pro−Thr−Gly−Va
l−Ala (2)Ile−Glu−Glu−Gly−Asn で示されるL体のアミノ酸残基からなる配列を有するペ
プチドであることが確認された。
【0011】製造例2 本例は、合成法による製造例である。 Ile−Ala−Val−Pro−Thr−Gly−V
al−Alaの合成法。 アプライドバイオシステム社製のペプチド自動合成装置
430A型を用いた固相法によって当該ペプチドを合成
した。固相担体としては、スチレン−ジビニルベンゼン
共重合体(ポリスチレン樹脂)をクロロメチル化した樹
脂を使用した。まず、当該ペプチドのアミノ酸配列に従
って、常法どおり、そのC末端側のアラニンからクロロ
メチル樹脂に反応させペプチド結合樹脂を得た。このと
きのアミノ酸は、t−ブトキシカルボニル(以下t−B
ocと略記す。)基で保護されたt−Bocアミノ酸を
使用した。次にこのペプチド結合樹脂をエタンジチオー
ルとチオアニソールからなる混合液に懸濁し、室温で1
0分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢酸を加え、更に
10分間撹拌した。この混合液にトリフルオロメタンス
ルホン酸を滴下し、室温で30分間撹拌した後、無水エ
ーテルを加えてその生成物を沈澱させて分離し、その沈
澱物を無水エーテルで数回洗浄した後、減圧下で乾燥し
た。このようにして得られた末精製の合成ペプチドは蒸
留水に溶解した後、逆相系のカラムC18(5μm)を
用いたHPLCにより精製した。移動相として(A)
0.1%TFA含有蒸留水、(B)0.1%TFA含有
アセトニトリル溶液を使用し、(A)液が20分間で9
0%→60%の濃度勾配法により流速1.5mι/mi
nでクロマトグラフィーを行った。紫外部波長215n
mで検出し、最大の吸収を示した溶出分画を分取し、こ
れを凍結乾燥することによって目的とする合成ペプチド
を得た。
al−Alaの合成法。 アプライドバイオシステム社製のペプチド自動合成装置
430A型を用いた固相法によって当該ペプチドを合成
した。固相担体としては、スチレン−ジビニルベンゼン
共重合体(ポリスチレン樹脂)をクロロメチル化した樹
脂を使用した。まず、当該ペプチドのアミノ酸配列に従
って、常法どおり、そのC末端側のアラニンからクロロ
メチル樹脂に反応させペプチド結合樹脂を得た。このと
きのアミノ酸は、t−ブトキシカルボニル(以下t−B
ocと略記す。)基で保護されたt−Bocアミノ酸を
使用した。次にこのペプチド結合樹脂をエタンジチオー
ルとチオアニソールからなる混合液に懸濁し、室温で1
0分間撹拌後、氷冷下でトリフルオロ酢酸を加え、更に
10分間撹拌した。この混合液にトリフルオロメタンス
ルホン酸を滴下し、室温で30分間撹拌した後、無水エ
ーテルを加えてその生成物を沈澱させて分離し、その沈
澱物を無水エーテルで数回洗浄した後、減圧下で乾燥し
た。このようにして得られた末精製の合成ペプチドは蒸
留水に溶解した後、逆相系のカラムC18(5μm)を
用いたHPLCにより精製した。移動相として(A)
0.1%TFA含有蒸留水、(B)0.1%TFA含有
アセトニトリル溶液を使用し、(A)液が20分間で9
0%→60%の濃度勾配法により流速1.5mι/mi
nでクロマトグラフィーを行った。紫外部波長215n
mで検出し、最大の吸収を示した溶出分画を分取し、こ
れを凍結乾燥することによって目的とする合成ペプチド
を得た。
【0012】この合成ペプチドをマススペクトルにより
分析した結果、アミノ酸配列構造を有するペプチドであ
ることが確認された。このマススペクトルの結果は図5
に示すとおりである。他のペプチドについても上記合成
方法に準じ固相法によりそれぞれC末端側から反応させ
合成した。末精製の合成ペプチドは以下に示すとおり精
製した。 Ile−Glu−Glu−Gly−Asnの精製法 逆相系のカラムC18(5μm)を用いたHPLCによ
り精製した。移動相として(A)0.1%TFA含有蒸
留水、(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を
使用し、(A)液が20分間で90%→60%の濃度勾
配法により流速1.5mι/minでクロマトグラフィ
ーを行った。紫外部波長215nmで検出し、最大の吸
収を示した溶出分画を分取し、これを凍結乾燥すること
によって目的とする合成ペプチドを得た。
分析した結果、アミノ酸配列構造を有するペプチドであ
ることが確認された。このマススペクトルの結果は図5
に示すとおりである。他のペプチドについても上記合成
方法に準じ固相法によりそれぞれC末端側から反応させ
合成した。末精製の合成ペプチドは以下に示すとおり精
製した。 Ile−Glu−Glu−Gly−Asnの精製法 逆相系のカラムC18(5μm)を用いたHPLCによ
り精製した。移動相として(A)0.1%TFA含有蒸
留水、(B)0.1%TFA含有アセトニトリル溶液を
使用し、(A)液が20分間で90%→60%の濃度勾
配法により流速1.5mι/minでクロマトグラフィ
ーを行った。紫外部波長215nmで検出し、最大の吸
収を示した溶出分画を分取し、これを凍結乾燥すること
によって目的とする合成ペプチドを得た。
【0013】この合成ペプチドをマススペクトルにより
分析した結果、アミノ酸配列およびアミノ酸組成が前記
式で示したアミノ酸配列構造を有するペプチドであるこ
とが確認された。このマススペクトルの結果は図6に示
すとおりである。含成によって得られた本発明の2種の
ペプチドは、以下に示す試験によって薬理効果が確認さ
れた。
分析した結果、アミノ酸配列およびアミノ酸組成が前記
式で示したアミノ酸配列構造を有するペプチドであるこ
とが確認された。このマススペクトルの結果は図6に示
すとおりである。含成によって得られた本発明の2種の
ペプチドは、以下に示す試験によって薬理効果が確認さ
れた。
【0014】試験例1 (ウサギ末梢血リンパ球のコンカナバリンA刺激に対す
る幼若化反応の測定)ウサギは成熟雄性日本白色種(K
BL:Jw、SPF,体重2.0kg)を(株)北山ラ
ベスより購入し、1週間予備飼育を行った後、健常な動
物を試験に供した。飼育は温度23±2℃、湿度55±
10%に保った飼育室内の金属製個別ゲージで行った。
飼料はオリエンタル酵母(株)製RC4を1日120g
給餌し、水は自家揚水(水道法、水質基準適合)を自由
に摂取させた。1群3例のウサギを用い、製造例1にお
ける大豆由来のペプチド粉末200mg/kg/day
を体重1kg当り5mιの割合で30日間連続投与し
た。対照群には同容量の溶媒を投与した。体重測定は3
日毎に行った。投与開始日並びに最終投与の翌日、各ウ
サギの耳静脈からヘパリン処理した注射器で10mιの
血液を採取し、3時間以内に、リンパ球分離並びに3H
−サイミジン取り込み能測定法による幼若化反応を実施
した。各リンパ球の取り込んだ放射能から次式により刺
激指数(SI)を算出した。 SI=(ConAを加えた培養系)/(ConAを加え
ない培養系) 大豆由来のペプチド粉末(200mg/kg/day)
を30日間経口投与したウサギの体重変化は表1に示し
た。体重変化は大豆ペプチド投与群と対照群との間に有
意差は認められなっかた。又、ウサギ末梢血リンパ球の
ConA刺激による幼若化反応(SI値)を表2に示し
た。この結果、大豆ペプチドの投与前5.3±0.6か
ら投与後44.8±7.0に上昇し、有意差(p<0.
01、t検定)が認められた。
る幼若化反応の測定)ウサギは成熟雄性日本白色種(K
BL:Jw、SPF,体重2.0kg)を(株)北山ラ
ベスより購入し、1週間予備飼育を行った後、健常な動
物を試験に供した。飼育は温度23±2℃、湿度55±
10%に保った飼育室内の金属製個別ゲージで行った。
飼料はオリエンタル酵母(株)製RC4を1日120g
給餌し、水は自家揚水(水道法、水質基準適合)を自由
に摂取させた。1群3例のウサギを用い、製造例1にお
ける大豆由来のペプチド粉末200mg/kg/day
を体重1kg当り5mιの割合で30日間連続投与し
た。対照群には同容量の溶媒を投与した。体重測定は3
日毎に行った。投与開始日並びに最終投与の翌日、各ウ
サギの耳静脈からヘパリン処理した注射器で10mιの
血液を採取し、3時間以内に、リンパ球分離並びに3H
−サイミジン取り込み能測定法による幼若化反応を実施
した。各リンパ球の取り込んだ放射能から次式により刺
激指数(SI)を算出した。 SI=(ConAを加えた培養系)/(ConAを加え
ない培養系) 大豆由来のペプチド粉末(200mg/kg/day)
を30日間経口投与したウサギの体重変化は表1に示し
た。体重変化は大豆ペプチド投与群と対照群との間に有
意差は認められなっかた。又、ウサギ末梢血リンパ球の
ConA刺激による幼若化反応(SI値)を表2に示し
た。この結果、大豆ペプチドの投与前5.3±0.6か
ら投与後44.8±7.0に上昇し、有意差(p<0.
01、t検定)が認められた。
【0015】試験例2 (マウス脾細胞の抗体産生能測定)マウスは雄性、5週
齢(Slc:C57BL/6、SPF)を日本エスエル
シー(株)より購入し1週間予備飼育を行った後、健常
な動物を試験に供した。マウスの飼育は温度23±2
℃、湿度55±10%に保った飼育室内のエアコンケー
ジで行った。餌料はオリエンタル酵母(株)製MF、水
は自家揚水(水道法、水質基準適合)を自由に摂取させ
た。1群3例のマウスを用い、製造例1における大豆由
来のペプチド粉末200mg/kg/dayを体重10
g当り0.1mιの割合で10日間連続経口投与した。
体重は、毎日計測した。大豆ペプチドの投与開始から5
日後、それぞれのマウスの尾静脈にヒツジ赤血球(SR
BC、デンカ生研(株))5X108cells/mι
を0.2ml投与して免疫した。免疫の5日後、各群の
マウスから脾臓を採取し、Eagle’s minim
al essential medium(EMEM、
日水製薬(株))を入れたシャーレ内で脾細胞を遊離さ
せた。リン酸緩衝液(PBS)で3回洗浄した後、EM
EMで2.5X106cells/mιに調整した脾細
胞と50%SRBC浮遊液及びモルモット乾燥補体(デ
ンカ生研(株))を8:1:1の割合で混合した。Cu
nningham,A.J.らの方法(Immunol
ogy,14,599,(1968))に準じて37℃
で90分反応後、溶血班(Plaque formin
g cell、PFC)を計測した。大豆由来のペプチ
ド粉末(200mg/kg/day)を10日間経口投
与したマウスの体重変化並びに脾細胞調製時に測定した
脾臓重量を表3に示した。体重変化において大豆ペプチ
ド投与群と対照群との間に有意差は認められなかった。
又、大豆ペプチド投与群の脾臓重量は104.7±6.
1、対照群のそれは73.1±10.9で両者間に有意
差は認められなかった。マウス脾細胞での抗体産生能を
表4に示した。大豆ペブチド投与群の抗体産生細胞数は
1112±306.6であり、対照群の抗体産生細胞数
493.3±170.2と比較して有意(p(0.0
1、t検定)に上昇していた。
齢(Slc:C57BL/6、SPF)を日本エスエル
シー(株)より購入し1週間予備飼育を行った後、健常
な動物を試験に供した。マウスの飼育は温度23±2
℃、湿度55±10%に保った飼育室内のエアコンケー
ジで行った。餌料はオリエンタル酵母(株)製MF、水
は自家揚水(水道法、水質基準適合)を自由に摂取させ
た。1群3例のマウスを用い、製造例1における大豆由
来のペプチド粉末200mg/kg/dayを体重10
g当り0.1mιの割合で10日間連続経口投与した。
体重は、毎日計測した。大豆ペプチドの投与開始から5
日後、それぞれのマウスの尾静脈にヒツジ赤血球(SR
BC、デンカ生研(株))5X108cells/mι
を0.2ml投与して免疫した。免疫の5日後、各群の
マウスから脾臓を採取し、Eagle’s minim
al essential medium(EMEM、
日水製薬(株))を入れたシャーレ内で脾細胞を遊離さ
せた。リン酸緩衝液(PBS)で3回洗浄した後、EM
EMで2.5X106cells/mιに調整した脾細
胞と50%SRBC浮遊液及びモルモット乾燥補体(デ
ンカ生研(株))を8:1:1の割合で混合した。Cu
nningham,A.J.らの方法(Immunol
ogy,14,599,(1968))に準じて37℃
で90分反応後、溶血班(Plaque formin
g cell、PFC)を計測した。大豆由来のペプチ
ド粉末(200mg/kg/day)を10日間経口投
与したマウスの体重変化並びに脾細胞調製時に測定した
脾臓重量を表3に示した。体重変化において大豆ペプチ
ド投与群と対照群との間に有意差は認められなかった。
又、大豆ペプチド投与群の脾臓重量は104.7±6.
1、対照群のそれは73.1±10.9で両者間に有意
差は認められなかった。マウス脾細胞での抗体産生能を
表4に示した。大豆ペブチド投与群の抗体産生細胞数は
1112±306.6であり、対照群の抗体産生細胞数
493.3±170.2と比較して有意(p(0.0
1、t検定)に上昇していた。
【0016】試験例3 (合成ペプチドのマイトージェン活性の測定)藤原らの
方法(栄食誌,Vol43,No.3,203−20
8,(1990))に準じてマイトージェン活性を測定
した。製造例2で合成した新規な2種類のペプチドは、
25mM HEPES−RPMI1640培地に対して
溶解(最大濃度1mg/ml)し,0.2μのフィルタ
ー濾過滅菌後、同培地により2倍ごと段階希釈を行った
ものを供試サンプルとした。C3H/HeNマウス
(6週齢、雄性)の脾臓を無菌的に摘出し、ワイヤーメ
ッシュ上で25mMHEPES−RPMI1640培地
を滴下しながら穏やかに磨砕し、通過液を更にもう一組
のワイヤーメッシュを通すことにより単一細胞浮遊液を
調製した。脾細胞は同培地にて3回洗浄後、牛胎児血清
10%を含む25mM HEPES−RPMI1640
培地に浮遊させ、96ウェルマイクロプレートに5X1
05個/100μι/ウェルとなるように分注した。そ
の後、前記の供試サンプル10μιを加え、5%CO2
雰囲気下、37℃で培養した。尚、陰性対照には、25
mM MHEPS−RPMI1640培地10μιを、
陽性対照にはコンカナバリンA(ConA、終濃度1μ
g/mι)並びにリポポリサッカライド(LPS、終濃
度100μg/nι)を供試サンプルの代わりに加えて
いる。その後、0.5%の3−(4,5−ジメチル−2
−チアゾリル)−2,5ジフェニル−2Hテトラゾリウ
ムブロマイド(MTT) 溶液を10μι加え、更に3
時間培養を行い、しかる後、生じたMTT−フォルマザ
ンを酸−イソプロパノール溶液 (0.04N濃度に塩
酸を添加)100μιを加えて溶解し、EIAリーダー
にて595nmの吸光度を測定した。データは陰性対照
の値を100とした相対値にて表示している。マイトジ
ェン活性の結果は表5に示すとおりである。以上の試験
の結果、本発明に係わる新規な2種のペプチドより成る
大豆由来のペプチド粉末は、in vivoにおいて有
意に免疫機能に影響を及ぼすことが確認された。更に、
本発明に係わる新規な2種の合成ペプチドは、in v
itroにおいて有意にマイトージェン活性を示すこと
が確認され、免疫賦活剤として有用である。尚、本発明
に係わる新規な2種のペプチドは、構造的にそのアミノ
酸配列を部分構造とするペプチドにおいて、構造中に採
用することもできる。
方法(栄食誌,Vol43,No.3,203−20
8,(1990))に準じてマイトージェン活性を測定
した。製造例2で合成した新規な2種類のペプチドは、
25mM HEPES−RPMI1640培地に対して
溶解(最大濃度1mg/ml)し,0.2μのフィルタ
ー濾過滅菌後、同培地により2倍ごと段階希釈を行った
ものを供試サンプルとした。C3H/HeNマウス
(6週齢、雄性)の脾臓を無菌的に摘出し、ワイヤーメ
ッシュ上で25mMHEPES−RPMI1640培地
を滴下しながら穏やかに磨砕し、通過液を更にもう一組
のワイヤーメッシュを通すことにより単一細胞浮遊液を
調製した。脾細胞は同培地にて3回洗浄後、牛胎児血清
10%を含む25mM HEPES−RPMI1640
培地に浮遊させ、96ウェルマイクロプレートに5X1
05個/100μι/ウェルとなるように分注した。そ
の後、前記の供試サンプル10μιを加え、5%CO2
雰囲気下、37℃で培養した。尚、陰性対照には、25
mM MHEPS−RPMI1640培地10μιを、
陽性対照にはコンカナバリンA(ConA、終濃度1μ
g/mι)並びにリポポリサッカライド(LPS、終濃
度100μg/nι)を供試サンプルの代わりに加えて
いる。その後、0.5%の3−(4,5−ジメチル−2
−チアゾリル)−2,5ジフェニル−2Hテトラゾリウ
ムブロマイド(MTT) 溶液を10μι加え、更に3
時間培養を行い、しかる後、生じたMTT−フォルマザ
ンを酸−イソプロパノール溶液 (0.04N濃度に塩
酸を添加)100μιを加えて溶解し、EIAリーダー
にて595nmの吸光度を測定した。データは陰性対照
の値を100とした相対値にて表示している。マイトジ
ェン活性の結果は表5に示すとおりである。以上の試験
の結果、本発明に係わる新規な2種のペプチドより成る
大豆由来のペプチド粉末は、in vivoにおいて有
意に免疫機能に影響を及ぼすことが確認された。更に、
本発明に係わる新規な2種の合成ペプチドは、in v
itroにおいて有意にマイトージェン活性を示すこと
が確認され、免疫賦活剤として有用である。尚、本発明
に係わる新規な2種のペプチドは、構造的にそのアミノ
酸配列を部分構造とするペプチドにおいて、構造中に採
用することもできる。
【0017】
【表1】 本発明に係る新規な2種のペプチドの、製造例1におけ
る大豆由来のペプチド粉末投与時のウサギ体重変化。
る大豆由来のペプチド粉末投与時のウサギ体重変化。
【0018】
【表2】 本発明に係る新規な2種のペプチドの、製造例1におけ
る大豆由来のペプチド粉末投与時の、ウサギ末梢血リン
パ球のコンカナバリンA刺激による幼若化反応。
る大豆由来のペプチド粉末投与時の、ウサギ末梢血リン
パ球のコンカナバリンA刺激による幼若化反応。
【0019】
【表3】 本発明に係る新規な2種のペプチドの、製造例1におけ
る大豆由来のペプチド粉末投与時の、マウス体重変化と
脾臓重量。
る大豆由来のペプチド粉末投与時の、マウス体重変化と
脾臓重量。
【0020】
【表4】 本発明に係る新規な2種のペプチドの、製造例1におけ
る大豆由来のペプチド粉末投与時の、マウス脾細胞での
抗体産生能。
る大豆由来のペプチド粉末投与時の、マウス脾細胞での
抗体産生能。
【0021】
【表5】 本発明に係る新規な2種の合成ペプチドの、in vi
troにおけるマイトージェン活性。
troにおけるマイトージェン活性。
【図1】本発明に係る新規な2種のペプチドの、製造例
1におけるSephdex G−25カラムクロマトグ
ラフィーによる免疫賦活ペプチドの分離精製の結果を示
す図である。
1におけるSephdex G−25カラムクロマトグ
ラフィーによる免疫賦活ペプチドの分離精製の結果を示
す図である。
【図2】本発明に係る新規な2種のペプチドの、製造例
1におけるSP−Sephadex C−25
[H+]カラムクロマトグラフィーによる免疫賦活ペプ
チドの分離精製の結果を示す図である。
1におけるSP−Sephadex C−25
[H+]カラムクロマトグラフィーによる免疫賦活ペプ
チドの分離精製の結果を示す図である。
【図3】本発明に係る新規なペプチドの、製造例1にお
ける精製ペプチド粉末(SP−I分画部分)を供試料と
した、逆相高速液体クロマトグラフィーによる免疫賦活
ペプチドの分離精製の結果を示す図である。
ける精製ペプチド粉末(SP−I分画部分)を供試料と
した、逆相高速液体クロマトグラフィーによる免疫賦活
ペプチドの分離精製の結果を示す図である。
【図4】本発明に係る新規なペプチドの、製造例1にお
ける精製ペプチド粉末(SP−II分画部分)を供試料
とした、逆相高速液体クロマトグラフィーによる免疫賦
活ペプチドの分離精製の結果を示す図である。
ける精製ペプチド粉末(SP−II分画部分)を供試料
とした、逆相高速液体クロマトグラフィーによる免疫賦
活ペプチドの分離精製の結果を示す図である。
【図5、図6】同、製造例2で得られた2種の合成ペプ
チドのマススペクトルを示す図である。
チドのマススペクトルを示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 次式; Ile−Ala−Val−
Pro−Thr−Gly−Val−Ala で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
有する新規なペプチド。 - 【請求項2】 次式; Ile−Ala−Val−
Pro−Thr−Gly−Val−Ala で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
有する新規なペプチドを有効成分として含有することを
特徴とする免疫賦活剤。 - 【請求項3】 次式; Ile−Glu−Glu−
Gly−Asn で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
有する新規なペプチド。 - 【請求項4】 次式; Ile−Glu−Glu−
Gly−Asn で示されるL体のアミノ酸の配列によるペプチド構造を
有する新規なペプチドを有効成分として含有することを
特徴とする免疫賦活剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7081641A JP2873434B2 (ja) | 1995-03-01 | 1995-03-01 | 新規なペプチドおよび免疫賦活剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7081641A JP2873434B2 (ja) | 1995-03-01 | 1995-03-01 | 新規なペプチドおよび免疫賦活剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08231589A true JPH08231589A (ja) | 1996-09-10 |
JP2873434B2 JP2873434B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=13751974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7081641A Expired - Lifetime JP2873434B2 (ja) | 1995-03-01 | 1995-03-01 | 新規なペプチドおよび免疫賦活剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2873434B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1634601A3 (en) * | 1999-07-09 | 2008-02-13 | Sun Farm Corporation | Dietary supplement comprising soyabean, mushroom and mung bean |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103060214B (zh) | 2007-12-10 | 2014-09-03 | 东方酵母工业株式会社 | 具有免疫增强作用的酵母及含有该酵母的食品或饲料 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0614794A (ja) * | 1992-03-04 | 1994-01-25 | Honen Corp | 大豆蛋白質起源のペプチドからなる免疫系賦活組成物 |
JPH06312939A (ja) * | 1993-05-01 | 1994-11-08 | Honen Corp | 抗体産生増強作用を有する医薬組成物 |
-
1995
- 1995-03-01 JP JP7081641A patent/JP2873434B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0614794A (ja) * | 1992-03-04 | 1994-01-25 | Honen Corp | 大豆蛋白質起源のペプチドからなる免疫系賦活組成物 |
JPH06312939A (ja) * | 1993-05-01 | 1994-11-08 | Honen Corp | 抗体産生増強作用を有する医薬組成物 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1634601A3 (en) * | 1999-07-09 | 2008-02-13 | Sun Farm Corporation | Dietary supplement comprising soyabean, mushroom and mung bean |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2873434B2 (ja) | 1999-03-24 |
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