JPH08229602A - 防眩性に優れたチタン板およびその製造方法 - Google Patents
防眩性に優れたチタン板およびその製造方法Info
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- JPH08229602A JPH08229602A JP7037399A JP3739995A JPH08229602A JP H08229602 A JPH08229602 A JP H08229602A JP 7037399 A JP7037399 A JP 7037399A JP 3739995 A JP3739995 A JP 3739995A JP H08229602 A JPH08229602 A JP H08229602A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は防眩性に優れたチタン板およびその
製造方法の提供を目的とする。 【構成】 チタン板の表面において、表面粗度Raが
0.1μm 以下、深さが0.1μm 以上の表面の窪みが
面積率で5%以上50%以下であるチタン板。表面粗さ
Raが0.20μm 以上1.20μm 以下のロールを用
いて圧下率が15%以上30%以下の粗圧延を行い、続
いて表面粗さRaが0.10μm 以上0.20μm 未満
のロールを用いて圧下率が5%以上15%以下の中間圧
延を行い、続いて表面粗さRaが0.01μm以上0.
10μm 未満のロールを用いて圧下率が1%以上10
%以下の仕上圧延を行う。
製造方法の提供を目的とする。 【構成】 チタン板の表面において、表面粗度Raが
0.1μm 以下、深さが0.1μm 以上の表面の窪みが
面積率で5%以上50%以下であるチタン板。表面粗さ
Raが0.20μm 以上1.20μm 以下のロールを用
いて圧下率が15%以上30%以下の粗圧延を行い、続
いて表面粗さRaが0.10μm 以上0.20μm 未満
のロールを用いて圧下率が5%以上15%以下の中間圧
延を行い、続いて表面粗さRaが0.01μm以上0.
10μm 未満のロールを用いて圧下率が1%以上10
%以下の仕上圧延を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた表面性状を有する
防眩性に優れたチタン板の安定製造方法に関するもので
ある。
防眩性に優れたチタン板の安定製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、防眩性を必要とするチタン板の製
造方法として、表面粗度の粗いロールを用いて冷間圧延
を行ってチタン板の表面を粗くする方法や冷間圧延後あ
るいは冷間圧延・焼鈍後の酸洗を硝酸や弗酸を含む水溶
液中で電解または浸漬を行ってチタン板の表面を粗くす
る方法等が用いられている。
造方法として、表面粗度の粗いロールを用いて冷間圧延
を行ってチタン板の表面を粗くする方法や冷間圧延後あ
るいは冷間圧延・焼鈍後の酸洗を硝酸や弗酸を含む水溶
液中で電解または浸漬を行ってチタン板の表面を粗くす
る方法等が用いられている。
【0003】前記の方法の一例として、ステンレス鋼板
の例ではあるが、冷間圧延で表面を粗くしたステンレス
鋼板に酸洗を施して防眩性を付与する技術、例えば特開
平5−163528号公報に開示されているように、表
面粗さ(Ra)が0.5〜10.0μmのステンレス冷
延鋼板を光輝焼鈍した後、最終的に硝酸と弗酸の混酸に
浸漬する酸洗方法がある。しかしながら、この方法はス
テンレス鋼板の表面を冷間圧延あるいは酸洗によって著
しく粗くしているため、表面に埃等の汚れが付き易く、
表面の美観を損ない、さらに耐食性も劣化させる。ま
た、酸洗に用いる酸は取扱いが難しく、環境衛生上好ま
しくない。しかしながら、これまでの技術では、表面を
著しく粗くする冷間圧延方法や酸洗処理を施す方法以外
に防眩性を付与する方法は提案されておらず、満足でき
る防眩性に優れたチタン板の安定製造方法はなかった。
の例ではあるが、冷間圧延で表面を粗くしたステンレス
鋼板に酸洗を施して防眩性を付与する技術、例えば特開
平5−163528号公報に開示されているように、表
面粗さ(Ra)が0.5〜10.0μmのステンレス冷
延鋼板を光輝焼鈍した後、最終的に硝酸と弗酸の混酸に
浸漬する酸洗方法がある。しかしながら、この方法はス
テンレス鋼板の表面を冷間圧延あるいは酸洗によって著
しく粗くしているため、表面に埃等の汚れが付き易く、
表面の美観を損ない、さらに耐食性も劣化させる。ま
た、酸洗に用いる酸は取扱いが難しく、環境衛生上好ま
しくない。しかしながら、これまでの技術では、表面を
著しく粗くする冷間圧延方法や酸洗処理を施す方法以外
に防眩性を付与する方法は提案されておらず、満足でき
る防眩性に優れたチタン板の安定製造方法はなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】チタン板の表面光沢を
低下させるものに冷間圧延中に発生するオイルピットが
ある。これは冷間圧延中にロール表面とチタン板表面と
の間に潤滑油が多量に浸入した際にチタン板表面とロー
ル表面との間に発生するもので、静水圧によりチタン板
表面が変形してピット状欠陥になるものである。本発明
はこの現象に着目し、素材表面を極端に粗くすることな
く、冷間圧延のみで表面光沢を効果的に低下させて、防
眩性の優れたチタン板およびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
低下させるものに冷間圧延中に発生するオイルピットが
ある。これは冷間圧延中にロール表面とチタン板表面と
の間に潤滑油が多量に浸入した際にチタン板表面とロー
ル表面との間に発生するもので、静水圧によりチタン板
表面が変形してピット状欠陥になるものである。本発明
はこの現象に着目し、素材表面を極端に粗くすることな
く、冷間圧延のみで表面光沢を効果的に低下させて、防
眩性の優れたチタン板およびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。 (1)チタン板の表面において、表面粗度Raが0.1
μm以下、深さが0.1μm以上の表面の窪みが面積率
で5%以上50%以下であることを特徴とする防眩性に
優れたチタン板。
ろは下記のとおりである。 (1)チタン板の表面において、表面粗度Raが0.1
μm以下、深さが0.1μm以上の表面の窪みが面積率
で5%以上50%以下であることを特徴とする防眩性に
優れたチタン板。
【0006】(2)粗圧延、2パス以上の中間圧延およ
び仕上圧延の順に圧延する最終冷間圧延工程において、
表面粗さRaが0.20μm以上1.20μm以下のロ
ールを用いて圧下率が15%以上30%以下の粗圧延を
行い、引き続いて表面粗さRaが0.10μm以上0.
20μm未満のロールを用いて各パスの圧下率が5%以
上15%以下の中間圧延を行い、引き続いて表面粗さR
aが0.01μm以上0.10μm未満のロールを用い
て圧下率が1%以上10%以下の仕上圧延を行うことを
特徴とする防眩性に優れたチタン板の製造方法。
び仕上圧延の順に圧延する最終冷間圧延工程において、
表面粗さRaが0.20μm以上1.20μm以下のロ
ールを用いて圧下率が15%以上30%以下の粗圧延を
行い、引き続いて表面粗さRaが0.10μm以上0.
20μm未満のロールを用いて各パスの圧下率が5%以
上15%以下の中間圧延を行い、引き続いて表面粗さR
aが0.01μm以上0.10μm未満のロールを用い
て圧下率が1%以上10%以下の仕上圧延を行うことを
特徴とする防眩性に優れたチタン板の製造方法。
【0007】
【作用】本発明の防眩性に優れたチタン板は、工業用純
チタンJIS(H4600)1〜3種相当の材料、また
それらにPdを添加した材料、あるいはTi−3Al−
2.5V、Ti−15V−3Cr−3Sn−3Alなど
の加工性の優れたチタン合金など、外装材等に使用され
るあらゆる種類の材料を対象とする。また、その製造方
法は、通常のプロセスを経てきたチタン板に対し、最終
冷間圧延工程において、圧延ロール粗さ、圧下率、圧延
パス回数を特定範囲内で行うことを特徴としている。
チタンJIS(H4600)1〜3種相当の材料、また
それらにPdを添加した材料、あるいはTi−3Al−
2.5V、Ti−15V−3Cr−3Sn−3Alなど
の加工性の優れたチタン合金など、外装材等に使用され
るあらゆる種類の材料を対象とする。また、その製造方
法は、通常のプロセスを経てきたチタン板に対し、最終
冷間圧延工程において、圧延ロール粗さ、圧下率、圧延
パス回数を特定範囲内で行うことを特徴としている。
【0008】本発明の限定理由を以下に説明する。先
ず、チタン板の防眩性と板表面の窪みの面積率の関係に
ついて説明する。チタン板の防眩性の要因として、表面
の平均粗さ、すなわち平滑性が重要なものとして挙げら
れるが、特に表面の平均粗さ(Ra)が高い板は、汚
れ、銹が生じ易く、内外装壁、屋根や精密部品等に用い
る場合には問題となる。本発明者らは、表面の平均粗さ
(Ra)が低くかつ光沢が鈍い(防眩性に優れた)板の
製造方法を検討し、板の冷延工程において、表面に細か
な窪みを残留させることにより、本発明の板を開発し
た。
ず、チタン板の防眩性と板表面の窪みの面積率の関係に
ついて説明する。チタン板の防眩性の要因として、表面
の平均粗さ、すなわち平滑性が重要なものとして挙げら
れるが、特に表面の平均粗さ(Ra)が高い板は、汚
れ、銹が生じ易く、内外装壁、屋根や精密部品等に用い
る場合には問題となる。本発明者らは、表面の平均粗さ
(Ra)が低くかつ光沢が鈍い(防眩性に優れた)板の
製造方法を検討し、板の冷延工程において、表面に細か
な窪みを残留させることにより、本発明の板を開発し
た。
【0009】表面の光沢は一般には表面の平均粗さ(R
a)に依存するが、本発明者らは、チタン板表面に浅く
細かな凹みを生じさせた場合、平均粗さ(Ra)が低い
にも関わらず非常に鈍い光沢となること、浅く細かな窪
みはオイルピットとして生じさせることが有効であり、
その量が冷間圧延の条件によって制御できることを見出
した。これらの窪みの発生量と冷間圧延条件を検討した
結果、表面粗さRaが0.1μm以下の平滑な表面で、
深さが0.1μm以上の窪みの面積率を5%以上とする
防眩性チタン板の製造が可能となった。窪みの測定につ
いては、深さ0.1μm以上について200倍の光学顕
微鏡で観察し、面積率を測定している。図1に示すよう
に、窪みの面積率が5%に満たないと光沢度が高くなっ
て防眩性が劣ることから、本発明のチタン板は深さ0.
1μm以上の窪みの面積率を5%以上とする。また、窪
みの面積率は高ければ高い程防眩性に優れているが、5
0%を超えるとほぼ横這いとなり効果が飽和するため、
上限を50%とした。
a)に依存するが、本発明者らは、チタン板表面に浅く
細かな凹みを生じさせた場合、平均粗さ(Ra)が低い
にも関わらず非常に鈍い光沢となること、浅く細かな窪
みはオイルピットとして生じさせることが有効であり、
その量が冷間圧延の条件によって制御できることを見出
した。これらの窪みの発生量と冷間圧延条件を検討した
結果、表面粗さRaが0.1μm以下の平滑な表面で、
深さが0.1μm以上の窪みの面積率を5%以上とする
防眩性チタン板の製造が可能となった。窪みの測定につ
いては、深さ0.1μm以上について200倍の光学顕
微鏡で観察し、面積率を測定している。図1に示すよう
に、窪みの面積率が5%に満たないと光沢度が高くなっ
て防眩性が劣ることから、本発明のチタン板は深さ0.
1μm以上の窪みの面積率を5%以上とする。また、窪
みの面積率は高ければ高い程防眩性に優れているが、5
0%を超えるとほぼ横這いとなり効果が飽和するため、
上限を50%とした。
【0010】また、チタン板表面の汚れの付着性や耐銹
性に対しては、これまでの実験の結果、表面粗度がRa
で0.1μmを超える平滑な表面程、汚れの付着および
発銹が生じ難いことが判った。そのため、耐銹性に優れ
た表面とするには、表面粗度をRaで0.1μm以下に
する必要がある。本発明者らは、表面粗度および窪みの
発生の双方を制御できる冷間圧延技術を確立した。その
基本的な考え方を以下に示す。
性に対しては、これまでの実験の結果、表面粗度がRa
で0.1μmを超える平滑な表面程、汚れの付着および
発銹が生じ難いことが判った。そのため、耐銹性に優れ
た表面とするには、表面粗度をRaで0.1μm以下に
する必要がある。本発明者らは、表面粗度および窪みの
発生の双方を制御できる冷間圧延技術を確立した。その
基本的な考え方を以下に示す。
【0011】最終冷間圧延に供する板の前履歴(オイ
ルピット、割れ、粒界腐食欠陥、研削目残り)を粗圧延
によって掻き消す。続いて、中間圧延において粗圧延
によるロールスクラッチ目を潰し、オイルピットを多数
生じさせる。さらに、仕上圧延において製品板の表面
粗度を調節する。この技術思想に基づいて最終冷間圧延
を行う場合、の粗圧延におけるロールの表面はあまり
粗度が低いと前履歴を掻き消すことができない、一方、
粗度が高すぎるとの圧延でスクラッチ目を充分に潰す
ことが難しくなるため、粗圧延におけるロールの粗度と
しては、Raを0.20〜1.20μmの範囲としなけ
ればならない。また、圧下率に関しては、粗圧延は中間
圧延、仕上圧延に比べて高圧下率がとりやすいことか
ら、圧下率は少なくとも15%は確保する。圧下率があ
まり稼げない中間圧延、仕上圧延の圧延の圧下量分が大
きくなると、パス回数が増加し、生産効率が悪くなる。
また、あまり大きな圧下率とすると設備の能力上安定し
た操業ができない。従って、粗ロール圧延の圧下率は、
15%以上30%以下とした(図2)。そしてこの条件
で圧延した場合、熱間圧延後酸洗デスケールを施した素
材、あるいは熱間圧延後焼鈍酸洗を施した素材、あるい
は引き続いて冷間圧延を施した素材、あるいはさらに焼
鈍酸洗を施した素材の履歴を掻き消すことが可能であ
る。加えて、研磨や研削を施した素材に対しても同等の
効果を持つ。
ルピット、割れ、粒界腐食欠陥、研削目残り)を粗圧延
によって掻き消す。続いて、中間圧延において粗圧延
によるロールスクラッチ目を潰し、オイルピットを多数
生じさせる。さらに、仕上圧延において製品板の表面
粗度を調節する。この技術思想に基づいて最終冷間圧延
を行う場合、の粗圧延におけるロールの表面はあまり
粗度が低いと前履歴を掻き消すことができない、一方、
粗度が高すぎるとの圧延でスクラッチ目を充分に潰す
ことが難しくなるため、粗圧延におけるロールの粗度と
しては、Raを0.20〜1.20μmの範囲としなけ
ればならない。また、圧下率に関しては、粗圧延は中間
圧延、仕上圧延に比べて高圧下率がとりやすいことか
ら、圧下率は少なくとも15%は確保する。圧下率があ
まり稼げない中間圧延、仕上圧延の圧延の圧下量分が大
きくなると、パス回数が増加し、生産効率が悪くなる。
また、あまり大きな圧下率とすると設備の能力上安定し
た操業ができない。従って、粗ロール圧延の圧下率は、
15%以上30%以下とした(図2)。そしてこの条件
で圧延した場合、熱間圧延後酸洗デスケールを施した素
材、あるいは熱間圧延後焼鈍酸洗を施した素材、あるい
は引き続いて冷間圧延を施した素材、あるいはさらに焼
鈍酸洗を施した素材の履歴を掻き消すことが可能であ
る。加えて、研磨や研削を施した素材に対しても同等の
効果を持つ。
【0012】の中間圧延の目的は、粗圧延において生
じたロールスクラッチ目の除去とオイルピットの新たな
生成であり、そのためにはロール粗度、圧下率と圧延パ
ス回数の条件が重要である。ロール粗度が低いとオイル
ピットが生じ難くなり、高過ぎると製品板の表面粗度が
高くなる。本発明において狙いとする窪みの面積率5%
以上を得るためには、ロール表面粗度はRaで0.10
μm以上とすることが必要である。一方、中間圧延後の
表面粗さが製品板に残留することを防ぐためには、上限
はRaで0.20μm未満でなければならない。また、
圧下率は、粗ロールの目を除去するためには5%以上必
要で、足りない場合には粗ロールのスクラッチ目が残留
して製品板のRaが0.1μmを超える。一方、高い圧
下率で圧延すると十分なオイルピットが生じ難くなるた
め、上限を15%とした(図3)。
じたロールスクラッチ目の除去とオイルピットの新たな
生成であり、そのためにはロール粗度、圧下率と圧延パ
ス回数の条件が重要である。ロール粗度が低いとオイル
ピットが生じ難くなり、高過ぎると製品板の表面粗度が
高くなる。本発明において狙いとする窪みの面積率5%
以上を得るためには、ロール表面粗度はRaで0.10
μm以上とすることが必要である。一方、中間圧延後の
表面粗さが製品板に残留することを防ぐためには、上限
はRaで0.20μm未満でなければならない。また、
圧下率は、粗ロールの目を除去するためには5%以上必
要で、足りない場合には粗ロールのスクラッチ目が残留
して製品板のRaが0.1μmを超える。一方、高い圧
下率で圧延すると十分なオイルピットが生じ難くなるた
め、上限を15%とした(図3)。
【0013】中間圧延を効果的かつ安定的に行うために
は2回パス以上の圧延が必要であることが図4の試験結
果より明らかであり、該圧延を2回パス以上と定めた。
の仕上圧延の目的は、製品板の表面粗度をRaで0.
1μm以下に調節することである。そのためにはロール
粗度はRaで0.10μm未満でなければならない、一
方ロール粗度の下限は製品の品質上からはないが、ロー
ル製造技術上、高平滑なロールはコストがかかるため好
ましくない。従って、ロール粗度の下限を0.01μm
とした。平滑ロールで10%超の圧下率で圧延すると、
オイルピットが消失し、深さが0.1μm以上の表面の
凹みの面積率が5%未満となる。また、1%未満の圧下
率では、圧延制御が困難であり、また製造性にも劣る。
従って、圧下率は1%以上10%以下とした(図5)。
は2回パス以上の圧延が必要であることが図4の試験結
果より明らかであり、該圧延を2回パス以上と定めた。
の仕上圧延の目的は、製品板の表面粗度をRaで0.
1μm以下に調節することである。そのためにはロール
粗度はRaで0.10μm未満でなければならない、一
方ロール粗度の下限は製品の品質上からはないが、ロー
ル製造技術上、高平滑なロールはコストがかかるため好
ましくない。従って、ロール粗度の下限を0.01μm
とした。平滑ロールで10%超の圧下率で圧延すると、
オイルピットが消失し、深さが0.1μm以上の表面の
凹みの面積率が5%未満となる。また、1%未満の圧下
率では、圧延制御が困難であり、また製造性にも劣る。
従って、圧下率は1%以上10%以下とした(図5)。
【0014】前記の工程で製造された冷延板に対して焼
鈍を行い、必要に応じて酸洗し、続いてスキンパス圧延
あ行った場合も、防眩性に優れたチタン板を得ることが
できる。
鈍を行い、必要に応じて酸洗し、続いてスキンパス圧延
あ行った場合も、防眩性に優れたチタン板を得ることが
できる。
【0015】
【実施例】表1に本発明例を、表2に比較例を示す。供
試材は純チタンJIS1種を用い、冷間圧延の条件を示
している。得られた製品板の評価結果を表3にまとめて
示す。比較例No.8、9は、粗圧延条件が本発明の範
囲を外れている。比較例No.10〜13は、中間圧延
条件が本発明の範囲を外れている。比較例No.14〜
16は、仕上圧延条件が本発明の範囲を外れている。ま
た、本発明例は窪みの面積率が5%以上、50%以下で
あり、比較例のNo.9、12、13、15に比べ防眩
性に優れた(光沢度の低い)チタン板となっている。
試材は純チタンJIS1種を用い、冷間圧延の条件を示
している。得られた製品板の評価結果を表3にまとめて
示す。比較例No.8、9は、粗圧延条件が本発明の範
囲を外れている。比較例No.10〜13は、中間圧延
条件が本発明の範囲を外れている。比較例No.14〜
16は、仕上圧延条件が本発明の範囲を外れている。ま
た、本発明例は窪みの面積率が5%以上、50%以下で
あり、比較例のNo.9、12、13、15に比べ防眩
性に優れた(光沢度の低い)チタン板となっている。
【0016】また、表面粗度RaはJIS B 060
1に基づいて評価している。窪みの面積率は表面を20
0倍に拡大し、画像処理装置を用いて窪みの面積を測定
している。光沢度はJIS Z 8741に基づいて測
定している。
1に基づいて評価している。窪みの面積率は表面を20
0倍に拡大し、画像処理装置を用いて窪みの面積を測定
している。光沢度はJIS Z 8741に基づいて測
定している。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】以上のことから明らかな如く、本発明に
よれば、表面性状の優れた防眩性チタン板を製造するこ
とが可能となる。特にこの技術を用いれば、酸洗を必要
としないため、環境対策の設備が不要となる上、さらに
素材の前履歴を殆ど問題にせず適応できるため、生産性
の大幅な向上が期待できる。
よれば、表面性状の優れた防眩性チタン板を製造するこ
とが可能となる。特にこの技術を用いれば、酸洗を必要
としないため、環境対策の設備が不要となる上、さらに
素材の前履歴を殆ど問題にせず適応できるため、生産性
の大幅な向上が期待できる。
【図1】チタン板の光沢度(45°)に及ぼす板表面の
凹みの面積率の影響を示した図である。
凹みの面積率の影響を示した図である。
【図2】最終冷間圧延工程の粗圧延におけるロール粗
さ、圧下率の適正な範囲を示した図である。
さ、圧下率の適正な範囲を示した図である。
【図3】最終冷間圧延工程の中間圧延におけるロール粗
さ、圧下率の適正な範囲を示した図である。
さ、圧下率の適正な範囲を示した図である。
【図4】最終冷間圧延工程の中間圧延における必要な圧
延パス回数を示した図である。
延パス回数を示した図である。
【図5】最終冷間圧延工程の仕上圧延におけるロール粗
さ、圧下率の適正な範囲を示した図である。
さ、圧下率の適正な範囲を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 尚明 光市大字島田3434番地 新日本製鐵株式会 社光製鐵所内 (72)発明者 木村 欽一 光市大字島田3434番地 新日本製鐵株式会 社光製鐵所内 (72)発明者 西田 祚章 光市大字島田3434番地 新日本製鐵株式会 社光製鐵所内
Claims (2)
- 【請求項1】 チタン板の表面において、表面粗度Ra
が0.1μm以下、深さが0.1μm以上の表面の窪み
が面積率で5%以上50%以下であることを特徴とする
防眩性に優れたチタン板。 - 【請求項2】 粗圧延、2パス以上の中間圧延および仕
上圧延の順に圧延する最終冷間圧延工程において、 表面粗さRaが0.20μm以上1.20μm以下のロ
ールを用いて圧下率が15%以上30%以下の粗圧延を
行い、 引き続いて表面粗さRaが0.10μm以上0.20μ
m未満のロールを用いて各パスの圧下率が5%以上15
%以下の中間圧延を行い、 引き続いて表面粗さRaが0.01μm以上0.10μ
m未満のロールを用いて圧下率が1%以上10%以下の
仕上圧延を行うことを特徴とする防眩性に優れたチタン
板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7037399A JPH08229602A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 防眩性に優れたチタン板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7037399A JPH08229602A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 防眩性に優れたチタン板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08229602A true JPH08229602A (ja) | 1996-09-10 |
Family
ID=12496459
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7037399A Withdrawn JPH08229602A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 防眩性に優れたチタン板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08229602A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0925851A2 (en) * | 1997-12-24 | 1999-06-30 | Nkk Corporation | Titanium alloy sheet and production method thereof |
EP0998988A1 (en) * | 1998-03-24 | 2000-05-10 | Kawasaki Steel Corporation | Method of manufacturing high-gloss stainless cold rolled steel strip |
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