JPH0671604B2 - ステンレス冷延鋼帯の製造方法 - Google Patents
ステンレス冷延鋼帯の製造方法Info
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- JPH0671604B2 JPH0671604B2 JP27824287A JP27824287A JPH0671604B2 JP H0671604 B2 JPH0671604 B2 JP H0671604B2 JP 27824287 A JP27824287 A JP 27824287A JP 27824287 A JP27824287 A JP 27824287A JP H0671604 B2 JPH0671604 B2 JP H0671604B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、優れた表面光沢を有するステンレス冷延鋼帯
の製造方法に関するものである。
の製造方法に関するものである。
〈従来の技術〉 従来ステンレス冷延鋼帯は、熱延鋼帯を焼鈍酸洗し、こ
の鋼帯をそのままワークロール径100mm以下のゼンジミ
ア圧延機等で圧延油を供給する冷間圧延を施して、仕上
焼鈍酸洗または仕上光輝焼鈍した後、圧下率1.2%以下
の仕上調質圧延を施して製造していた。
の鋼帯をそのままワークロール径100mm以下のゼンジミ
ア圧延機等で圧延油を供給する冷間圧延を施して、仕上
焼鈍酸洗または仕上光輝焼鈍した後、圧下率1.2%以下
の仕上調質圧延を施して製造していた。
この工程を経て製造されたステンレス冷延鋼帯は、例え
ばSUS430に代表されるフェライト系の場合には、建築内
装材や日常器具、種々の装飾品等の用途に製造後の表面
のままで使用されるため、仕上調質圧延後の製品に優れ
た表面光沢が要求されている。またSUS304に代表される
オーステナイト系の場合には、フェライト系よりも耐食
性の要求される厨房設備等の用途に使用されることが多
く、仕上調質圧延後にバフ研磨等によって表面光沢を付
与したものが使用されるため、バフ研磨後の優れた表面
光沢が重要となる。
ばSUS430に代表されるフェライト系の場合には、建築内
装材や日常器具、種々の装飾品等の用途に製造後の表面
のままで使用されるため、仕上調質圧延後の製品に優れ
た表面光沢が要求されている。またSUS304に代表される
オーステナイト系の場合には、フェライト系よりも耐食
性の要求される厨房設備等の用途に使用されることが多
く、仕上調質圧延後にバフ研磨等によって表面光沢を付
与したものが使用されるため、バフ研磨後の優れた表面
光沢が重要となる。
また近年、ゼンジミア圧延機等より大径のワークロール
を用いた冷間タンデム圧延機により、高能率にステンレ
ス鋼帯を製造する方法が採用されている。この理由は以
下の通りである。
を用いた冷間タンデム圧延機により、高能率にステンレ
ス鋼帯を製造する方法が採用されている。この理由は以
下の通りである。
(1)ワークロール径を大きくすると、ワークロールと
鋼帯の間に多量の圧延油が封じ込まれ、ワークロールと
鋼帯が接触し難くなってヒートストリーク等の焼き付き
疵が発生し難くなり、高速で圧延できる。
鋼帯の間に多量の圧延油が封じ込まれ、ワークロールと
鋼帯が接触し難くなってヒートストリーク等の焼き付き
疵が発生し難くなり、高速で圧延できる。
(2)ゼンジミア圧延機のように1つのスタンドで鋼帯
をリバース圧延するのに比べ、冷間タンデム圧延の場合
には、複数のスタンドを用いて一方向のみの圧延で所定
の厚みの鋼帯に仕上げることができ、圧延時間が大巾に
短縮できる。
をリバース圧延するのに比べ、冷間タンデム圧延の場合
には、複数のスタンドを用いて一方向のみの圧延で所定
の厚みの鋼帯に仕上げることができ、圧延時間が大巾に
短縮できる。
しかし、この冷間タンデム圧延機でステンレス鋼帯を圧
延する場合、ワークロールと鋼帯の間に多量の圧延油が
封じ込まれ、双方が接触し難くなる結果、圧延後の鋼帯
の表面粗さは、ゼンジミア圧延機等の場合に比べて著し
く大きい。従って、これが原因でタンデム圧延機で圧延
したステンレス鋼帯は、ゼンジミア圧延機で圧延した製
品に比べて光沢が著しく劣る問題を常にかかえており、
そのステンレス製品は、光沢を全く問題にしない部分に
しか用いることができなかった。
延する場合、ワークロールと鋼帯の間に多量の圧延油が
封じ込まれ、双方が接触し難くなる結果、圧延後の鋼帯
の表面粗さは、ゼンジミア圧延機等の場合に比べて著し
く大きい。従って、これが原因でタンデム圧延機で圧延
したステンレス鋼帯は、ゼンジミア圧延機で圧延した製
品に比べて光沢が著しく劣る問題を常にかかえており、
そのステンレス製品は、光沢を全く問題にしない部分に
しか用いることができなかった。
そこで、従来例えば特開昭59−10703号公報や、特開昭6
1−49701号公報等に150mm以上の大径ロールを用いた冷
間タンデムミルで圧延した後、100mm以下の小径ロール
を用いたゼンジミア圧延機で圧延する方法が開示されて
いる。これらの開示された方法は、圧延後の鋼帯の加工
性を向上したりリジング等の鋼帯表面の欠陥を制御する
ためになされたものであり、本発明が意図する鋼帯表面
の光沢を向上することとは、その目的を異にするもので
あるが、これらの開示された方法を用いてステンレス鋼
帯の冷間圧延を試みた場合、従来のゼンジミア圧延機の
みで圧延したステンレス鋼帯の表面光沢に比較してほぼ
同等のレベルになる場合もあった。
1−49701号公報等に150mm以上の大径ロールを用いた冷
間タンデムミルで圧延した後、100mm以下の小径ロール
を用いたゼンジミア圧延機で圧延する方法が開示されて
いる。これらの開示された方法は、圧延後の鋼帯の加工
性を向上したりリジング等の鋼帯表面の欠陥を制御する
ためになされたものであり、本発明が意図する鋼帯表面
の光沢を向上することとは、その目的を異にするもので
あるが、これらの開示された方法を用いてステンレス鋼
帯の冷間圧延を試みた場合、従来のゼンジミア圧延機の
みで圧延したステンレス鋼帯の表面光沢に比較してほぼ
同等のレベルになる場合もあった。
しかし、これら開示された方法を用いると、大径ロール
を用いた冷間タンデム圧延機で圧延した鋼帯を、次に小
径ロールを用いるゼンジマー圧延機で圧延するため、以
下の問題が生じた。
を用いた冷間タンデム圧延機で圧延した鋼帯を、次に小
径ロールを用いるゼンジマー圧延機で圧延するため、以
下の問題が生じた。
(1)タンデム圧延機での圧延後、ゼンジミア圧延機へ
鋼帯を搬送して鋼帯を圧延機に仕掛けるため、これに要
する時間は多大であり著しく生産性が劣る。
鋼帯を搬送して鋼帯を圧延機に仕掛けるため、これに要
する時間は多大であり著しく生産性が劣る。
(2)小径ロールを用いるゼンジミア圧延機において、
前述した通りヒートストリークを防止するために圧延速
度を低くせざるを得ない。一方でタンデム圧延機は生産
性を向上するために高速で圧延することから、タンデム
圧延機による圧延後のステンレス鋼帯は一時保管せざる
を得ず、鋼帯を保管する広いヤードが必要であり、多大
な設備費が必要となる。
前述した通りヒートストリークを防止するために圧延速
度を低くせざるを得ない。一方でタンデム圧延機は生産
性を向上するために高速で圧延することから、タンデム
圧延機による圧延後のステンレス鋼帯は一時保管せざる
を得ず、鋼帯を保管する広いヤードが必要であり、多大
な設備費が必要となる。
(3)タンデム圧延機による圧延後、鋼帯を搬送する際
に、巻きずれによるすり疵等の鋼帯表面疵が入り易く、
疵の入った鋼帯は大部分が製品にならない。
に、巻きずれによるすり疵等の鋼帯表面疵が入り易く、
疵の入った鋼帯は大部分が製品にならない。
従って、これら問題を解消し、能率良くステンレス鋼帯
を生産するには、小径ロールを用いるゼンジマー圧延機
を併用せずに、冷間タンデム圧延機のみにより製造する
鋼帯の表面光沢を向上することが必要であった。
を生産するには、小径ロールを用いるゼンジマー圧延機
を併用せずに、冷間タンデム圧延機のみにより製造する
鋼帯の表面光沢を向上することが必要であった。
〈発明が解決しようとする問題点〉 そこで、本発明は大径ワークロールを有する高速冷間タ
ンデム圧延機において、生産能率を低下させずに、従来
よりかかえていた表面光沢低下の問題を解決する方法を
提供することを目的とする。
ンデム圧延機において、生産能率を低下させずに、従来
よりかかえていた表面光沢低下の問題を解決する方法を
提供することを目的とする。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明に係るステンレス冷延鋼帯の製造方法は、ステン
レス熱延鋼帯を焼鈍酸洗し、さらに圧下率5%を超える
無潤滑圧延の予備処理を施した後に、冷間タンデム圧延
するに際し、少なくとも最終パスを外径400mm以下のワ
ークロールにより圧延するようにしたものである。
レス熱延鋼帯を焼鈍酸洗し、さらに圧下率5%を超える
無潤滑圧延の予備処理を施した後に、冷間タンデム圧延
するに際し、少なくとも最終パスを外径400mm以下のワ
ークロールにより圧延するようにしたものである。
〈作用〉 一般に、ステンレス冷延鋼帯の表面光沢を良好にするに
は、その鋼帯を仕上焼鈍酸洗または仕上光輝焼鈍し、仕
上調質圧延した後の製品の表面粗さを低減する必要があ
り、また、この製品の表面粗さは冷間圧延後の鋼帯の表
面粗さが大部分そのまま残ったものであって、冷間圧延
後の表面粗さの大小が仕上げた製品の表面光沢の良し悪
しを決めることが知られている。そこで従来にあって
は、前述した通り、冷間圧延中または冷間圧延後に鋼帯
の表面粗さを低くする方法が採られていたわけである。
は、その鋼帯を仕上焼鈍酸洗または仕上光輝焼鈍し、仕
上調質圧延した後の製品の表面粗さを低減する必要があ
り、また、この製品の表面粗さは冷間圧延後の鋼帯の表
面粗さが大部分そのまま残ったものであって、冷間圧延
後の表面粗さの大小が仕上げた製品の表面光沢の良し悪
しを決めることが知られている。そこで従来にあって
は、前述した通り、冷間圧延中または冷間圧延後に鋼帯
の表面粗さを低くする方法が採られていたわけである。
ところが、本発明者らの検討により、製品の表面光沢に
著しく影響する冷間圧延後の鋼帯の表面粗さは、冷間圧
延前の鋼帯の表面粗さ(凹凸)の一部が圧延後もそのま
ま残存したものであることを見い出した。すなわち、最
終仕上製品の表面粗さを平均粗さRaで0.1μm以下にす
ることを目標とするステンレス冷延鋼帯の製造におい
て、焼鈍酸洗直後の冷延用母鋼帯は、この酸洗時のショ
ットブラスト等の機械的脱スケール処理および硫酸等の
酸により、その表面の凹凸が平均粗さRaで2〜4μmと
著しく大きい。他方、冷間圧延時には、ロールと鋼帯に
圧延油が供給されている。
著しく影響する冷間圧延後の鋼帯の表面粗さは、冷間圧
延前の鋼帯の表面粗さ(凹凸)の一部が圧延後もそのま
ま残存したものであることを見い出した。すなわち、最
終仕上製品の表面粗さを平均粗さRaで0.1μm以下にす
ることを目標とするステンレス冷延鋼帯の製造におい
て、焼鈍酸洗直後の冷延用母鋼帯は、この酸洗時のショ
ットブラスト等の機械的脱スケール処理および硫酸等の
酸により、その表面の凹凸が平均粗さRaで2〜4μmと
著しく大きい。他方、冷間圧延時には、ロールと鋼帯に
圧延油が供給されている。
したがって、冷間圧延の入側で、この圧延油は、圧延前
の鋼帯表面に付着し、その表面の著しく大きい凹凸の凹
部にたまり、ロールと鋼帯の間に噛み込まれる。この凹
部にたまった油は、ロールと鋼帯が接触している間、逃
げ場がなくなり封じ込められたまま圧延される。一般
に、圧延油を含む液体は、空気等の気体に比べ、著しく
圧縮され難い。したがって、圧延中に油を封じ込めた凹
部は、圧延前よりいくらか小さくなるものの、大部分が
圧延後も残留する。このようにして、冷間圧延前の鋼帯
の表面粗さ(凹凸)が冷間圧延後も残留し、製品の表面
光沢を損なってしまうわけである。
の鋼帯表面に付着し、その表面の著しく大きい凹凸の凹
部にたまり、ロールと鋼帯の間に噛み込まれる。この凹
部にたまった油は、ロールと鋼帯が接触している間、逃
げ場がなくなり封じ込められたまま圧延される。一般
に、圧延油を含む液体は、空気等の気体に比べ、著しく
圧縮され難い。したがって、圧延中に油を封じ込めた凹
部は、圧延前よりいくらか小さくなるものの、大部分が
圧延後も残留する。このようにして、冷間圧延前の鋼帯
の表面粗さ(凹凸)が冷間圧延後も残留し、製品の表面
光沢を損なってしまうわけである。
すなわち、優れた表面光沢を有する鋼帯を得るには、予
め、冷間圧延前の鋼帯表面の凹凸を小さくすると良く、
それには圧延によって鋼帯表面を平滑にする方法が有利
であるが、圧延油を供給した従来の冷間圧延では、上述
の通り、冷間圧延前の鋼帯表面の凹凸を大部分消すこと
ができない。
め、冷間圧延前の鋼帯表面の凹凸を小さくすると良く、
それには圧延によって鋼帯表面を平滑にする方法が有利
であるが、圧延油を供給した従来の冷間圧延では、上述
の通り、冷間圧延前の鋼帯表面の凹凸を大部分消すこと
ができない。
そこで、本発明による方法では先ず冷間圧延前の予備処
理として前述の知見から、圧延油等の液体を供給しない
無潤滑圧延を、しかも5%を超える圧下率のもとで施す
ものである。
理として前述の知見から、圧延油等の液体を供給しない
無潤滑圧延を、しかも5%を超える圧下率のもとで施す
ものである。
ここで、無潤滑圧延時に、5%を超える圧下率が必要な
理由は、以下の通りである。本発明者らの検討におい
て、冷間圧延前の無潤滑圧延時の圧下率を種々変えて通
板し、その後、圧延油を供給した冷間圧延、仕上焼鈍酸
洗または仕上光輝焼鈍、および仕上調質圧延を行なって
仕上げた製品の表面光沢を調査した。その結果、大径ワ
ークロールを用いた冷間タンデムミルの場合および小径
ワークロールを用いたゼンジミアミルの場合ともに、冷
延母鋼帯の無潤滑圧延時の圧下率を増加させると、圧下
率5%まで表面光沢はほとんど変化しないが、5%を超
えると表面光沢は著しく良好となる。
理由は、以下の通りである。本発明者らの検討におい
て、冷間圧延前の無潤滑圧延時の圧下率を種々変えて通
板し、その後、圧延油を供給した冷間圧延、仕上焼鈍酸
洗または仕上光輝焼鈍、および仕上調質圧延を行なって
仕上げた製品の表面光沢を調査した。その結果、大径ワ
ークロールを用いた冷間タンデムミルの場合および小径
ワークロールを用いたゼンジミアミルの場合ともに、冷
延母鋼帯の無潤滑圧延時の圧下率を増加させると、圧下
率5%まで表面光沢はほとんど変化しないが、5%を超
えると表面光沢は著しく良好となる。
このように、5%を超える圧下率のもとでの無潤滑圧延
は、表面光沢を著しく良好にするわけであるが、反面、
従来技術にない高い圧下率を必要とするため無潤滑状態
でロールと鋼帯が直接接触するために焼付き疵が発生し
やすい。従って、低速で圧延することによって、焼付き
疵を防ぐ必要が生じるが、その結果、高速で行なわれる
冷間圧延の生産性を阻害する懸念があった。
は、表面光沢を著しく良好にするわけであるが、反面、
従来技術にない高い圧下率を必要とするため無潤滑状態
でロールと鋼帯が直接接触するために焼付き疵が発生し
やすい。従って、低速で圧延することによって、焼付き
疵を防ぐ必要が生じるが、その結果、高速で行なわれる
冷間圧延の生産性を阻害する懸念があった。
しかし、本発明における如く焼鈍酸洗後に無潤滑圧延を
施すと、焼鈍酸洗時の通板速度が10〜55m/分と著しく低
速であるため、焼付き疵が発生し難く、生産能率を阻害
することがなくなった。
施すと、焼鈍酸洗時の通板速度が10〜55m/分と著しく低
速であるため、焼付き疵が発生し難く、生産能率を阻害
することがなくなった。
ところが、無潤滑圧延を実施した後のステンレス鋼板を
冷間圧延すると、冷間圧延中にオイルピットと称する表
面欠陥が大量に生成する場合があり、冷間圧延後に仕上
げた製品の表面光沢を低下させる新たな問題が生じた。
冷間圧延すると、冷間圧延中にオイルピットと称する表
面欠陥が大量に生成する場合があり、冷間圧延後に仕上
げた製品の表面光沢を低下させる新たな問題が生じた。
一般に、オイルピットは結晶粒の粒内すべり線の残留し
たものであり、圧延中にワークロールと鋼帯の間に封じ
込められた圧延油のごく薄い層が関係することが知られ
ているが、更に、本発明者らは、このオイルピットを防
止する方法として冷間タンデム圧延機の各スタンドのワ
ークロール径に着目し検討を加えた。
たものであり、圧延中にワークロールと鋼帯の間に封じ
込められた圧延油のごく薄い層が関係することが知られ
ているが、更に、本発明者らは、このオイルピットを防
止する方法として冷間タンデム圧延機の各スタンドのワ
ークロール径に着目し検討を加えた。
一般に、ワークロール径を小さくすると鋼帯の表面光沢
が良好になることは知られていた。しかし、目的とする
ゼンジミア圧延機の製品と同等以上の表面光沢を得るの
に必要なワークロール径の大きさ、および冷間タンデム
圧延機の複数スタンドのいずれに適用すべきか等は全く
明らかでなかった。特に前述した5%を超える圧下率で
無潤滑圧延したステンレス鋼帯を冷間圧延する場合につ
いては、全く明らかでなかった。
が良好になることは知られていた。しかし、目的とする
ゼンジミア圧延機の製品と同等以上の表面光沢を得るの
に必要なワークロール径の大きさ、および冷間タンデム
圧延機の複数スタンドのいずれに適用すべきか等は全く
明らかでなかった。特に前述した5%を超える圧下率で
無潤滑圧延したステンレス鋼帯を冷間圧延する場合につ
いては、全く明らかでなかった。
そこで、本発明者らは種々のワークロール径を組み合せ
た冷間タンデム圧延機により、前述の無潤滑圧延した鋼
帯を冷間圧延し、その後仕上焼鈍、酸洗および仕上調質
圧延を施し、そのステンレス冷延鋼帯の表面光沢を調査
した結果以下のことが明らかとなった。
た冷間タンデム圧延機により、前述の無潤滑圧延した鋼
帯を冷間圧延し、その後仕上焼鈍、酸洗および仕上調質
圧延を施し、そのステンレス冷延鋼帯の表面光沢を調査
した結果以下のことが明らかとなった。
すなわち、本発明において無潤滑圧延を施した後のステ
ンレス鋼帯を冷間圧延する際のオイルピットの発生原因
は、素材表面が通常の焼鈍、酸洗材より平滑であるがゆ
えにロールバイト内部で油膜が均一になるためであり、
鋼帯全面にオイルピットが生成される。そこで、このオ
イルピットを防止する手段は、冷間タンデム圧延するに
際して、少なくとも最終スタンドを外径400mm以下のワ
ークロールにより行なうことである。これは以下の理由
のためである。
ンレス鋼帯を冷間圧延する際のオイルピットの発生原因
は、素材表面が通常の焼鈍、酸洗材より平滑であるがゆ
えにロールバイト内部で油膜が均一になるためであり、
鋼帯全面にオイルピットが生成される。そこで、このオ
イルピットを防止する手段は、冷間タンデム圧延するに
際して、少なくとも最終スタンドを外径400mm以下のワ
ークロールにより行なうことである。これは以下の理由
のためである。
すなわち、従来の冷間タンデム圧延機ミルは、500mm以
上の外径のワークロールを用いて圧延していたが、これ
に比べてより小さい400mm以下の外径のワークロールを
用いると、オイルピットを著しく低減できる。また400m
m以下の外径のワークロールを最も必要とするスタンド
は最終スタンドであり、他のスタンドにこの外径のワー
クロールを用いると、更にオイルピットが低減でき、そ
の結果表面光沢が向上するためである。
上の外径のワークロールを用いて圧延していたが、これ
に比べてより小さい400mm以下の外径のワークロールを
用いると、オイルピットを著しく低減できる。また400m
m以下の外径のワークロールを最も必要とするスタンド
は最終スタンドであり、他のスタンドにこの外径のワー
クロールを用いると、更にオイルピットが低減でき、そ
の結果表面光沢が向上するためである。
〈実施例〉 本発明方法に従って熱延後に焼鈍、酸洗したフェライト
系SUS430鋼帯を、第1表に例として示す圧下率の無潤滑
圧延し、その後同表に示した外径を有するワークロール
を用いて5スタンド冷間タンデム圧延機で圧延した後、
仕上焼鈍、酸洗および仕上調質圧延した。
系SUS430鋼帯を、第1表に例として示す圧下率の無潤滑
圧延し、その後同表に示した外径を有するワークロール
を用いて5スタンド冷間タンデム圧延機で圧延した後、
仕上焼鈍、酸洗および仕上調質圧延した。
これらの鋼帯の表面光沢について、その目視判定結果を
第1表に併せて示した。なお、目視判定は光沢の良好な
順にA〜Dの4段階評価とした。また、従来のゼンジミ
アミルを用いた製造方法で得られた製品についての結果
も併せて示した。第1表より、本発明方法で製造したス
テンレス冷延鋼帯は従来の方法で製造した場合に比べ著
しく良好な表面光沢を有していることがわかった。
第1表に併せて示した。なお、目視判定は光沢の良好な
順にA〜Dの4段階評価とした。また、従来のゼンジミ
アミルを用いた製造方法で得られた製品についての結果
も併せて示した。第1表より、本発明方法で製造したス
テンレス冷延鋼帯は従来の方法で製造した場合に比べ著
しく良好な表面光沢を有していることがわかった。
なお、本発明方法はフェライト系SUS430に限らずオース
テナイト系SUS304等に適用しても極めて 良好な結果を得ることができた。特にSUS304の仕上焼
鈍、酸洗を施した製品は、その後バブ研磨等で表面光沢
を付与するが、本発明方法を適用した場合、従来方法で
製造した鋼帯に比べバフ研磨後の表面光沢をも著しく向
上できた。
テナイト系SUS304等に適用しても極めて 良好な結果を得ることができた。特にSUS304の仕上焼
鈍、酸洗を施した製品は、その後バブ研磨等で表面光沢
を付与するが、本発明方法を適用した場合、従来方法で
製造した鋼帯に比べバフ研磨後の表面光沢をも著しく向
上できた。
〈発明の効果〉 以上の通り、本発明方法により製造したステンレス冷延
鋼帯には、従来の冷間タンデム圧延機により圧延を施す
方法で製造したステンレス冷延鋼帯では全く到達不可能
であったゼンジミア圧延機により圧延を施す方法で製造
したものと同等以上の優れた表面光沢を付与することが
可能となる。また本発明方法は、従来全く知られていな
い圧下率5%を超える無潤滑圧延を実施しても、ロール
と鋼帯を焼き付かせることがなく、しかも全く能率を損
うこともなくて表面光沢を著しく良好にできる効果を有
する。
鋼帯には、従来の冷間タンデム圧延機により圧延を施す
方法で製造したステンレス冷延鋼帯では全く到達不可能
であったゼンジミア圧延機により圧延を施す方法で製造
したものと同等以上の優れた表面光沢を付与することが
可能となる。また本発明方法は、従来全く知られていな
い圧下率5%を超える無潤滑圧延を実施しても、ロール
と鋼帯を焼き付かせることがなく、しかも全く能率を損
うこともなくて表面光沢を著しく良好にできる効果を有
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 富夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 岸田 朗 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内
Claims (1)
- 【請求項1】ステンレス熱延鋼帯を焼鈍酸洗し、さらに
圧下率5%を超える無潤滑圧延の予備処理を施した後
に、冷間タンデム圧延するに際し、少なくとも最終パス
を外径400mm以下のワークロールにより圧延することを
特徴とするステンレス冷延鋼帯の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27824287A JPH0671604B2 (ja) | 1987-11-05 | 1987-11-05 | ステンレス冷延鋼帯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27824287A JPH0671604B2 (ja) | 1987-11-05 | 1987-11-05 | ステンレス冷延鋼帯の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01122604A JPH01122604A (ja) | 1989-05-15 |
JPH0671604B2 true JPH0671604B2 (ja) | 1994-09-14 |
Family
ID=17594602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27824287A Expired - Fee Related JPH0671604B2 (ja) | 1987-11-05 | 1987-11-05 | ステンレス冷延鋼帯の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0671604B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0757363B2 (ja) * | 1990-03-12 | 1995-06-21 | 川崎製鉄株式会社 | ステンレス冷延鋼帯の製造方法 |
JP4606633B2 (ja) * | 2001-03-29 | 2011-01-05 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
JP6857308B2 (ja) * | 2017-03-15 | 2021-04-14 | 日立金属株式会社 | 鋼帯の製造方法 |
CN109530433B (zh) * | 2018-12-11 | 2023-12-08 | 佛山市诚德新材料有限公司 | 一种不锈钢带的冷轧系统 |
-
1987
- 1987-11-05 JP JP27824287A patent/JPH0671604B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH01122604A (ja) | 1989-05-15 |
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