JP2642571C - - Google Patents

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JP2642571C
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は優れた表面光沢特にJIS Z8741に規定された光沢指数である Gs(45°)C方向が800以上の高光沢を有するステンレス鋼板及びその製
造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 鋼薄板製品として、JIS規格に規定されているBA製品や2B製品あるいは
研摩製品等がある。これらの薄板製品においては、高い平滑性を有し表面性状が
優れていることが強く要望されている。 【0003】 このような要求に対して、従来、冷間圧延において各パス毎にあるいは2乃至
3パス毎に表面粗さの粗いロールから細かいロールへ順次ロールを交換して圧延
を行い、表面性状を造り込んできた。しかしながら、このような従来の冷間圧延
では、冷間圧延後に高い平滑性を有する表面性状を確保するために、相当数のパ
ス数を必要とし、更に表面粗さが異なるロールを相当数準備しなければならない
。また、この場合には、冷間圧延における表面の平滑性評価を平均粗さRaや最
大粗さRmax等の表面粗さで行っても、冷間圧延板の表面粗さと製品板の光沢度
との相関が認められた。 【0004】 一方、表面の光沢度を向上する方法として、例えば特開平2−175005号
公報に開示されている如く、冷間圧延前において焼き付きを防止できる程度の潤
滑剤を塗布した予備圧延を行い、続く仕上冷間圧延において最終の1乃至3パス
のワークロールの表面粗さの上限を規定し、表面凹凸を低減する方法がある。し
かしながら、この方法では冷間圧延板における表面粗さをある程度低減できるが
、高平滑性を有する表面性状を確保するには不十分であって、更なる改良を必要
としていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 BA製品や2B製品において板の光沢度を劣化させ、研摩製品において研摩回
数を増加させる表面の凹みは、冷間圧延前において熱延鋼帯の凹凸、疵取り研削
による研削目、タンデム圧延等の中間圧延により形成されるロール目、冷間圧延 中のオイルピット等が原因と考えられるものである。従って、本発明者等は、高
い平滑性を有し表面性状の優れたステンレス鋼帯及び同鋼帯を得ることができる
製造プロセスについて、前記の表面の凹みを効果的かつ効率的に軽減消失するた
めの検討を行った。 【0006】 そのために、本発明は製品板の光沢度や研摩回数に影響する表面の凹みを明確
にし、JIS Z8741で規定された光沢指数Gs(45°)C方向が800
以上の表面光沢を確保するための冷間圧延板の表面条件を求めるとともに、同表
面条件を得るための製造条件を提示することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】 本発明は、前記の目的のために、JIS Z8741で規定されたGs(45
°)C方向が800以上の表面光沢を確保するための冷間圧延板の表面条件と仕
上冷間圧延の圧下率、各圧延圧下量及び圧延ロールの表面粗さによって構成され
たもので、その要旨とするところは以下のとおりである。 【0008】 (1)冷間圧延板の表面において、深さが0.1μm以上の表面の凹みが面積
率で1.0%以下であり、JIS Z8741に規定するGs(45°)C方向
が800以上の光沢度を有する高光沢ステンレス鋼板。 (2)ステンレス鋼板の仕上冷間圧延工程において、 1パス目の圧延をRa=0.4〜1.6μmの粗ロールを用いて圧下配分20
〜40%の冷間圧延をし、 引続いて2パス目の圧延をRa=0.01〜0.06μmの平滑ロールを用い
て圧下配分20〜40%の冷間圧延をし、 引続いて3パス目の圧延をRa=0.01〜0.06μmの平滑ロールを用い
て圧下配分10〜30%の冷間圧延をし、 引続いて残りパスの圧延をRa=0.01〜0.06μmの平滑ロールを用い
て残りの圧下配分を冷間圧延して、JIS Z8741に規定するGs(45°
)C方向が800以上の光沢度とする。 但し、圧下配分は仕上冷間圧延工程の全圧下量を100%とした配分(%) (3)(2)記載の方法に引続いてRa=0.01〜0.06μmの平滑ロー
ルを用いて無潤滑で0.3〜3%の圧下率で調質圧延を行う。◎ (4)(2)記載の方法に引続いて光輝焼鈍を施し、引続いてRa=0.01
〜0.06μmの平滑ロールを用いて無潤滑で0.3〜3%の圧下率で調質圧延
を行う。 【0009】 【作用】 本発明者等は、JIS Z8741で規定された光沢度が800以上の高光沢
表面を有するステンレス鋼板の冷間圧延板の表面性状条件として、冷間圧延板の
表面において、深さが0.1μm以上の表面の凹みが面積率で1.0%以下であ
ることを見出したものである。 【0010】 本発明の高光沢ステンレス鋼板及びその製造方法は、特定のプロセスを経てき
たステンレス鋼板に対し、仕上冷間圧延工程において、圧延ロール粗さ、圧延圧
下量、圧下配分、圧下回数等の条件を最適範囲で行うことと、加えて無潤滑の調
質圧延をその素材ままか、素材を還元雰囲気中で焼鈍した後に施すことを特徴と
している。 【0011】 本発明の限定理由を以下に説明する。 先ず、本発明の高光沢ステンレス鋼板における表面の凹みの面積率について説
明する。 ステンレス鋼板の光沢に及ぼす要因として、表面の平均粗さ即ち平滑性が最も
大きなものとして挙げられるが、平均粗さが非常に小さい鋼板においても、光沢
がなく、表面が白っぽく曇っていたりする。本発明者等は表面性状の詳細な解析
により、この原因は表面に残留する細かな凹みによるものであることを見出し、
凹みの種類としては、仕上冷間圧延工程前の粒界エッチング欠陥残りや仕上冷間
圧延工程前に表面研削を施したものについてはその研削目残り等の仕上冷間圧延
工程前の欠陥の残留と、それ以外として粗い目の圧延ロールの目残り及び圧延中 に生じるオイルピット等の仕上冷間圧延の際に生じるものが存在することが分か
った。そこでこれら、凹み発生を防止する冷間圧延条件を鋭意検討した結果、冷
間圧延板の表面において、深さが0.1μm以上の表面の凹みの面積率が1.0
%以下とすることによってGs800以上の高光沢ステンレス鋼板の製造が可能
となった。 【0012】 凹みの測定は、凹の深さが0.1μm未満のものは光学顕微鏡を用いても凹み
が明瞭に区別できないため、深さ0.1μm以上について200倍の光学顕微鏡
で観察し、凹みの面積率を測定している。図1に示すように該面積率が0.7%
を超えると光沢が劣化し始め、1.0%を超えるとGs<800となることから
、本発明のステンレス鋼板は深さ0.1μm以上の凹みの面積率は0.7%以下
にすることが望ましく、1.0%以下にすることが必要である。 【0013】 本発明者等は、凹みの残留、発生を防止できる仕上冷間圧延技術及び調質圧延
技術を確立しており、その基本的な考え方を図2に模式図で示す。 仕上冷間圧延工程前の履歴(オイルピット、割れ、粒界エッチング欠陥、研
削目残り)を粗ロールの1パス目の圧延によって掻き消す。続いて1パス目の
粗ロールによる圧延の目を2パス目の平滑ロール圧延で潰す。この時粗ロールの
目はほぼ潰れるものの、ロール目に沿ったオイルピットが多数残存する、更に
3パス目の平滑ロールで圧延することにより、素材とロール間のオイルを極端に
少なくすることが可能となり、で生じたオイルピットを消滅させ、平滑ロール
の表面と同等の平滑圧延面が得られる。最後に狙いの圧下量まで平滑ロールで
圧延する。 【0014】 前記の技術的思想に基づいて仕上冷間圧延を行う場合、の1パス目の粗ロー
ルの表面はあまり粗度が低いと前履歴を掻き消すことができない、一方、粗度が
大き過ぎるとの圧延で粗ロール目を充分潰すことが難しくなるため、粗ロール
の粗度としては、Ra=0.4〜1.6μmの範囲でなければならない。また、
圧下量に関しても同様に、圧下量が小さい場合は前履歴を充分消すことができな い、あまり大き過ぎるとの平滑圧延で粗ロール目を充分潰すことが困難になる
ため、粗ロール圧延の圧下量は全圧下量の圧下配分が20〜40%でなければな
らない(図3)。そして前記条件で冷間圧延した場合、熱間圧延後酸洗デスケー
ルを施した素材、熱間圧延後焼鈍酸洗を施した素材、また前述の素材に対して冷
間圧延を施した素材及び更に焼鈍酸洗を施した素材表面の履歴を掻き消すことが
可能である。加えて、仕上冷間圧延前に研摩や研削を施した素材に対しても同等
の効果を持つ。 【0015】 の2パス目の平滑ロールの表面はの3パス目の平滑ロールの表面と同等の
ものが必要であり、の3パス目のロールは最終的なステンレス鋼板表面の平滑
性と一致するため、高光沢のステンレス鋼板表面を得るためには,の平滑ロ
ールの表面粗度は小さい程良い、しかしながらあまり高平滑なロールは製造、管
理が難しくコスト的に高いものとなる。本発明において、狙いとする所の光沢を
得るためには、表面粗度はRaで0.01μm以上で充分であるが、一方、上限
はRaで0.06μm以下でなければ高光沢のステンレス鋼板にならない。 【0016】 の2パス目の圧延ではの1パス目のロール目を潰す必要があるため、と
同等の圧下量が必要であり、よっての2パス目の平滑圧延は全圧下量の圧下配
分20%以上とした。この時あまり高い圧下量をかけると現状設備では安定的な
制御が難しくなることから圧下量の上限は全圧下量の圧下配分40%とした。 【0017】 の3パス目の圧延はの2パス目の圧延で発生したオイルピットを消滅させ
る役割を担うため圧下量としては全圧下量の圧下配分10%以上が必要となる。 一方、あまり大きな圧下量をとっても効果が飽和することに加え大きな圧下荷
重が必要となり設備に過大な力がかかるため板幅方向における圧下ムラが生じ易
くなるため、圧下量は全圧下量の圧下配分30%以下が良い(図4,図5)。 【0018】 の圧延は所定の圧下量まで圧延するために行われるが、の3パス目までで
作り込んだ表面平滑性を維持する必要があるため、ロールの粗度としてはと同 等にRa=0.01〜0.06μmでなければならない。前記の圧延条件であれ
ば圧延回数によらず平滑性は保たれる。 【0019】 前記の如く製造された素材に対して調質圧延を行う場合、仕上冷間圧延工程で
用いた平滑ロールと同等のロールを用いる必要があり、更に調質圧延では形状、
材質の点から0.3〜3%の圧下率となるため、圧延時にステンレス鋼板とロー
ル間に圧延油が入ることを避けるために無潤滑で圧延する方法が必要である。 更に調質圧延の前に酸化スケールが生じない光輝焼鈍を行った場合、調質圧延
における平滑ロール表面の被圧延鋼板への転写がより安定して起こるため、一層
光沢が高いステンレス鋼板表面となる。 【0020】 【実施例】 表1に本発明例及び比較例を示す。鋼種としてはSUS304,SUS430
を用い、仕上冷間圧延前の工程及び仕上冷間圧延工程、調質圧延と還元雰囲気焼
鈍の条件を示している。仕上冷間圧延前の工程の冷間圧延の内*印は大径ロール
を用いたタンデムミルによる圧延をしており、他の冷間圧延は小径ロールを用い
たゼンジミアミルによる圧延を行っている。本発明例は凹みの面積率が0.7%
以下であり、比較例、従来例に比べ高い光沢のステンレス鋼板となっている。 尚、比較例No.28の潤滑油は仕上冷間圧延と同じものを用いている。また、
凹みの面積率は表面を200倍に拡大し、画像処理を用いて凹みの面積を測定し
ている。光沢度はJIS Z8741に基づいて測定している。 【0021】 【表1】 【0022】 【表2】 【0023】 【表3】 【0024】 【表4】 【0025】 【発明の効果】 以上のことから明らかな如く、本発明によれば、高光沢のステンレス鋼板を製
造することが可能となる。特に該技術を用いれば、素材の前履歴を殆ど問題にせ
ず適応できるため、鋼種毎に複雑に入り組んだステンレス鋼板の製造プロセスの
集約も可能となり、工業生産上大幅な効率向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 光沢度に及ぼす凹みの面積率の影響を示した図である。 【図2】 本発明の方法により表面欠陥が除去される機構を示した図である。 【図3】 仕上冷間圧延工程の1パス目の最適なロール粗さ、全圧下量に対する圧下配分
を示した図である。 【図4】 仕上冷間圧延工程の2パス目の最適なロール粗さ、全圧下量に対する圧下配分
を示した図である。 【図5】 仕上冷間圧延工程の3パス目の最適なロール粗さ、全圧下量に対する圧下配分
を示した図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 冷間圧延板の表面において、深さが0.1μm以上の表面の凹
    みが面積率で1.0%以下であり、JIS Z8741に規定するGs(45°
    )C方向が800以上の光沢度を有することを特徴とする高光沢ステンレス鋼板
    。 【請求項2】 ステンレス鋼板の仕上冷間圧延工程において、 1パス目の圧延をRa=0.4〜1.6μmの粗ロールを用いて圧下配分20
    〜40%の冷間圧延をし、 引続いて2パス目の圧延をRa=0.01〜0.06μmの平滑ロールを用い
    て圧下配分20〜40%の冷間圧延をし、 引続いて3パス目の圧延をRa=0.01〜0.06μmの平滑ロールを用い
    て圧下配分10〜30%の冷間圧延をし、 引続いて残りパスの圧延をRa=0.01〜0.06μmの平滑ロールを用い
    て残りの圧下配分を冷間圧延して、JIS Z8741に規定するGs(45°
    )C方向が800以上の光沢度とすることを特徴とする高光沢ステンレス鋼板の
    製造方法。 但し、圧下配分は仕上冷間圧延工程の全圧下量を100%とした配分(%) 【請求項3】 請求項2記載の方法に引続いてRa=0.01〜0.06μm
    の平滑ロールを用いて無潤滑で0.3〜3%の圧下率で調質圧延を行うことを特
    徴とする高光沢ステンレス鋼板の製造方法。 【請求項4】 請求項2記載の方法に引続いて光輝焼鈍を施し、引続いてRa
    =0.01〜0.06μmの平滑ロールを用いて無潤滑で0.3〜3%の圧下率
    で調質圧延を行うことを特徴とする高光沢ステンレス鋼板の製造方法。

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