JPH0822932B2 - 電解用イオン交換膜 - Google Patents

電解用イオン交換膜

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JPH0822932B2
JPH0822932B2 JP62145371A JP14537187A JPH0822932B2 JP H0822932 B2 JPH0822932 B2 JP H0822932B2 JP 62145371 A JP62145371 A JP 62145371A JP 14537187 A JP14537187 A JP 14537187A JP H0822932 B2 JPH0822932 B2 JP H0822932B2
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公二 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電解用含フッ素樹脂イオン交換膜、更に詳し
くは、特に塩化アルカリ水溶液の電解に使用される電気
化学的性質及び機械的強度がいずれも優れたフッ素樹脂
陽イオン交換膜に関する。
[従来の技術] 塩化アルカリ水溶液の電解による水酸化アルカリと塩
素との製造には、近年イオン交換膜法が主流になってい
るが、これらで使用されるイオン交換膜としては、高い
電流効率と低い膜抵抗を有しながら、且つ取扱い上大き
な機械的強度を有することが必須である。
この目的のために電気抵抗が大きい含水率の小さいイ
オン交換層フイルムと電気抵抗が小さい含水率の大きい
イオン交換層フイルムとからなり、これに織布又は不織
布の多孔性基材を挿入し、補強せしめた複層型のイオン
交換膜が提案されており、(European Patent Publicat
ion 165466、特開昭53−132089号公報等)、かなりの高
性能が達成されている。
更に膜の陽極側層から順次含水率又は透水量を減少さ
せるような積層膜の構成も提案されている。(US.Paten
t 4610764、US.Patent 4486277号) また、機械的強度を保持し、低電圧、高電流効率で電
解する目的でスルホン酸ポリマーとカルボン酸ポリマー
の積層膜に布補強した構成も提案されている。(US.Pat
ent 4437951) 補強材を有しないイオン交換膜は、それ自体では裂け
易く、また電解液の濃度変化に伴ない、膜が伸縮するな
ど寸法安定性に実用上の問題を有していた。かかる欠点
を補い、イオン交換膜の機械的強度および寸法安定性を
向上させる方法として布による補強が有効である。しか
し、補強布の適用は導電面積の減少による膜抵抗の上昇
が避けられない。膜抵抗を低減する目的で電気抵抗の小
さい含水率の大きいポリマーを膜の陽極側に積層するこ
とが有効であるが、このような場合、水酸化アルカリ中
の塩分含有量が増大する傾向にあるので必ずしも好まし
い構成とは言えない。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明は、上記問題点を解消するものであり、機械的
強度および寸法安定性に優れ、かつ電気化学的性質(小
さい膜抵抗、大きい電流効率)に優れ、さらに陰極室に
おいて生成する水酸化アルカリ水溶液中の塩分含有量が
少ない優れたイオン交換膜の提供を目的とするものであ
る。
本発明は、フッ素樹脂イオン交換膜の場合、イオン交
換容量の小さい含フッ素重合体からなる膜は、機械的強
度も大きく、塩分の漏洩量も小さいが、膜抵抗が大きく
なる欠点をもち、イオン交換容量の大きい含フッ素重合
体からなる膜は、膜抵抗が小さいが、逆に機械的強度も
小さく、塩分の漏洩量も大きいという欠点を有するとい
う従来の性質を克服するものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者の知見によると、電解用陽イオン交換膜にお
いて、上記第三の層の存在が重要な役割を果し、該層の
存在が膜全体の抵抗を低下させることが判明した。即
ち、第三の層を存在させた場合には、該層がなにがしか
膜抵抗を増大させるはずにもかかわらず、逆に該層のな
い膜よりも抵抗が小さいことが見い出された。該知見
は、新規であるだけでなく、有用であり、これによっ
て、膜の他の層に、膜抵抗は大きいが、それぞれ良好な
電気的又は機械的な物性をもたらしめるようにした場合
も全体の膜抵抗の増加を防止することができる。
かくして、本発明ではいずれもイオン交換基を有する
含フッ素重合体から構成され、陰極に面するカルボン酸
基を有する第一の層と、該第一の層よりも比抵抗が小さ
く、且つ、膜全体の厚みの50%以上を有する第二の層
と、膨潤度が第二の層のそれよりも5%以上大きく、且
つ比抵抗が第二の層のそれよりも10Ω・cm以上小さい第
三の層と、そして、必要に応じて、第三の層よりも比抵
抗の大きい第四の層とを該順序に積層してなることを特
徴とする電解用イオン交換膜を提供する。
本発明の陰極側に面するカルボン酸基−COOM(Mは水
素又はアルカリ金属)を有するフルオロカーボンポリマ
ーの第一層としては、好ましくは一般式 (m=0,1、n=1〜5、Rは炭素数1〜10のアルキル
基)と四フッ化エチレンの共重合体からなり、イオン交
換容量は好ましくは0.5〜1.5meq/g乾燥樹脂(Na型)で
特には0.8〜1.3meq/g乾燥樹脂(Na型)である。イオン
交換容量がこれ以下又は以上であると、電流効率の発現
性が不良となる。又、第一の層は比抵抗が好ましくは10
0〜4000Ω・cm、特には200〜3000Ω・cm(12重量%NaOH
水溶液中、25℃で測定)を有し、膜厚は好ましくは5〜
50μ特には10〜40μである。膜厚が小さすぎる場合は電
流効率、生成する苛性アルカリの純度等の性能が不安定
となり、大きすぎる場合は、膜抵抗を高めるため好まし
くない。
第一の層よりも比抵抗が小さく且つ膜全体の厚みの50
%以上を有する第二の層としては好ましくは、イオン交
換基としてカルボン酸基又はスルホン酸基、−SO3M(M
は上記と同じ)を有するパーフルオロカーボンポリマー
からなるカルボン酸基をもつ場合、第一の層と同種のポ
リマーからなるが、そのイオン交換容量は、好ましくは
0.8〜2.0meq/g、特には0.9〜1.8meq/gから選び、第一の
層に比べて膜抵抗を小さくせしめる。
一方、第二の層として、スルホン酸基をもつ場合に
は、好ましくは、一般式 (m=0,1又は2、n=1〜5)と四フッ化エチレンの
共重合体からなり、イオン交換容量は好ましくは0.9〜
1.4meq/gである。第二の層の膜抵抗は、第一の層に比べ
て、膜抵抗が小さく、好ましくは20〜1500Ω・cm、特に
は30〜1000Ω・cmである。又、膜厚は好ましくは膜の主
体層を構成し、全体の膜厚の50%以上、特には65%以上
であり、好ましくは50〜200μ特には100〜150μが良
い。膜厚が小さい場合は膜全体の強靭性向上への寄与が
少なくなり好ましくない。
更に、陽極に面するフルオロカーボンポリマーの第三
の層としては、第二の層に比べて膨潤度が好ましくは5
%以上、好ましくは10%以上大きな数値を有し、比抵抗
が好ましくは10〜1000Ω・cm、特には20〜500Ω・cm小
さいことが必要である。膨潤度の差が上記よりも小さい
場合は、膜抵抗を下げる効果が小さく好ましくない。
又、第三の層の膜厚は第二の層より小さい厚みであ
り、好ましくは、主体層の1/2以下の厚みである。特に
は10〜50μmが好ましい。なお、ここでいう膨潤度は12
%、NaOH,90℃中に浸漬処理した後、冷却し付着アルカ
リを除去した後の膜重量W1、この膜を水洗してドナンア
ルカリを除き水分がなくなるまで乾燥した時の膜重量W2
より、ΔW=(W1−W2)/W2×100(%)により求めた値
である。
上記第三の層の層を形成するフルオロカーボンポリマ
ーとしては好ましくは、カルボン酸基及び/又はスルホ
ン酸基をもつそれぞれ上記第一の層又は第二の層を構成
するポリマーと同種のフルオロカーボンポリマーが使用
できるが、なかでも接着性の点で第二の層と同種のポリ
マーであるのが好ましい。イオン交換容量は、上記のよ
うに、大きい膨潤度をもたしめるように好ましくは1.0
〜2.5meq/gから選ばれる。
本発明の陽イオン交換膜は、上記第一の層〜第三の層
の少なくとも三層から形成されるが、必要に応じて好ま
しくは付加的な層を有していてもよい。
例えば、第三の層の陽極側には、膜の強靭性を増大さ
せるために、第三の層よりも比抵抗が好ましくは、5〜
150Ω・cm、特には10〜100Ω・cm大きい、好ましくはス
ルホン酸基を有するフルオロカーボンポリマーからなる
第四の層が設けられる。第四の層の厚みは、好ましくは
5〜50μm、特には10〜40μmとされる。
更に例えば、第一の層と第二の層、更には、イオン交
換基がカルボン酸基である場合の第三の層と第二の層と
の接着性を確実にするために、カルボン酸基とスルホン
酸基が共存するフルオロカーボンポリマーからなる共存
層を上記二つの層の間に配置させることができる。
共存層としては、カルボン酸型モノマーとスルホン酸
型モノマーとの共重合によるフルオロカーボンポリマー
も使用できるが、カルボン酸型フルオロカーボンポリマ
ーとスルホン酸型フルオロカーボンポリマーとのブレン
ドポリマーも使用できる。これらポリマーは、上記した
第一の層〜第三の層を構成するフルオロカーボンポリマ
ーと同種のものが用いられる。共存層の厚みは、その目
的からして、大きくする必要はなく、好ましくは5〜30
μ特には5〜20μである。
上記積層膜を構成する第一の層〜第四の層及び共存層
の含フッ素重合体は、好ましくは、パーフルオロ重合体
から形成されるが、これらは少なくとも二種の単量体の
共重合体からなり、好ましくは、次の(イ)及び(ロ)
の重合単位をもつ共重合体からなる。
ここで、X,X′は、−F,−Cl,−H又は−CF3であり、
Aは−SO3M又は−COOM(Mは水素、アルカリ金属又は加
水分解によりこれらの基に転化する基を表す)、Yは、
次のものから選ばれるが、そこで、Z,Z′は−F又は炭
素数1〜10のパーフルオロアルキル基であり、x,yは1
〜10の整数を表わす。
−(CF2 x,−O−(CF2 x, なお、上記重合体を形成する(イ)/(ロ)の組成比
(モル比)は、含フッ素重合体が上記イオン交換容量及
び比抵抗を有するように選ばれる。
上記含フッ素重合体は、好ましくはパーフルオロ重合
体が適切であり、その好ましい例は、CF2=CF2とCF2=C
FOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fとの共重合体、CF2=CF2とC
F2=CFO(CF22〜5SO2Fとの共重合体、CF2=CF2とCF
2=CFO(CF21〜5COOCH3との共重合体、更にはCF2
CF2とCF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF22〜3COOCH3との
共重合体が例示される。
本発明のイオン交換膜は、好ましくは上記第一の層、
第二の層、第三の層、及び必要に応じ共存層を、夫々別
々に所定のフィルム状に製膜し、これら各層を積層一体
化することによって製造され得る。各層を積層一体化す
る方法としては、平板プレス、ロールプレス等が挙げら
れる。積層プレス温度は60〜280℃、圧力は平板0.1〜10
0kg/cm2、ロールプレスで0.1〜100kg/cmにて行なわれ
る。
本発明においては、各層を製膜したりあるいはブレン
ド共存層における混合を行なったりする場合には、従来
より公知乃至周知の種々の方法にて行なわれ得る。例え
ば、イオン交換基含有パーフルオロカーボンポリマー水
性ディスパージョンや有機溶液、有機ディスパージョン
などを使用して混合を湿式で行なったり、かかる有機溶
液や有機ディスパージョンなどからキャスト法などで製
膜することも可能である。勿論、ドライブレンド方式の
採用や加熱溶融成形により製膜することもできる。加熱
溶融成形による各層の製膜の際に、原料ポリマーはその
有するイオン交換基の分解を招かないような適宜のイオ
ン交換基の形態、例えばカルボン酸基のときは酸又はエ
ステル型で行なうのが好ましく、またスルホン酸基のと
きは、−SO2F型で行なうのが好ましい。さらには、原料
ポリマーを予め加熱溶融成形してペレット化し、それを
押出し成形やプレス成形などにより製膜することもでき
る。
本発明のイオン交換膜は、その全体の厚さ100〜400
μ、好ましくは100〜300μのものが採用される。そし
て、必要により、好ましくはポリテトラフルオロエチレ
ンなどからなる布,網などの織布,不織布,又は金属製
のメッシュ、多孔体などを好ましくは上記第二の層〜第
四の層に存在せしめることにより、補強することができ
る。また、特開昭53−149881号、同54−1283号、同54−
107479号、同54−157777号公報などに記載されているポ
リテトラフルオロエチレンのフィブリル化繊維あるいは
特開昭56−791110号公報などに記載されている酸型官能
基含有モノマーを少量共重合して変性したポリテトラフ
ルオロエチレンのフィブリル化繊維を好ましくは上記第
二の層及び第三の層にブレンドして補強してもよく、そ
の他低分子量体の配合による補強を採用してもよい。
しかしながら、本発明の陽イオン交換膜の場合、補強
材として、その材質及び膜における補強場所を適切に選
ぶことにより、膜の電気化学的性質、特に膜抵抗を著し
く低下させることが見い出された。
即ち、補強材として、補強材料及び犠牲材料からなる
多孔性基材を使用し、該多孔性基材を上記第三の層、そ
して第四の層が存在する場合には、第三の層と第四の層
に少なくとも配置することにより、膜の電気抵抗は、多
孔性基材の使用により低下せしめられる。ここで、犠牲
材料とは、電気使用下、又は、イオン交換基の加水分解
処理により溶解性をもつもので、好ましくは犠牲糸から
なる。また多孔性基材はその陰極側端部は少なくとも第
三の層の層中まで達するように陽極側の層に位置させ、
上記犠牲糸が溶解したとき、犠牲糸が占めていた空間に
より、陽極液が第三の層まで浸入できる通路(孔)が形
成されることが必要である。
電気抵抗(比抵抗)の小さい第三の層まで陽極液通路
を確保することにより、本発明では大巾な膜抵抗の低減
が図られることが見出された。液通路が第三の層まで確
保できない場合には、膜抵抗の充分な低減が得られな
い。
多孔性基材としては、編布、織布又は不織布が使用さ
れ、上記犠牲材料と補強材料から形成される。補強材料
は寸法安定性及び機械的強度を維持するために、耐酸化
性及び耐熱性を有する好ましくは補強糸である。好まし
い補強材料として、ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エ
チレン−エチレンのコポリマー、フッ化ビニリデン等の
含フッ素重合体が使用される。犠牲材料としては、電解
使用下又は酸又はアルカリ等の化学的処理で溶解するレ
ーヨン、ポリエチレンテレフタレート、セルロース等が
使用される。
多孔性基材を構成する補強糸としては、織布又は編布
を使用する場合、糸はモノフィラメント、マルチフィラ
メント、又はヤーンなどで、好ましくは30〜300デニー
ル、特には50〜200デニールが使用される。糸断面も円
形、矩形又は扁平形がいずれも使用できるが、糸は断面
が扁平で、幅/厚みで定義される扁平比(アスペクト
比)が好ましくは2〜20、特には4〜10が好ましい。糸
の扁平化は糸自体又は織った後の織布を扁平化すること
により行なわれる。扁平な糸を使用することにより、厚
みの小さい補強布が得られる。織り方も平織り、からみ
織り等が使用される。
本発明で使用される多孔性基材の厚みは、好ましくは
30〜200μ、特には50〜150μ、また空隙率は、好ましく
は30〜90%、特には、40〜80%のものが適当である。こ
こにおける空隙率は、含フッ素重合体の多孔性基材の平
面開口率によって定義され、電解下で溶解する所謂犠牲
糸を用いた場合には、犠牲糸を除いた開口率を意味す
る。開口率は、光学顕微鏡による写真撮影により求め
た。
本発明のイオン交換膜を製造する場合、例えば、各層
の重合体の軟化点温度以上、例えば100〜250℃にて上記
少なくとも第一〜第三の層及びカルボン酸基を加熱圧着
せしめた後、第1の層より厚さの大きい多孔性基材を第
1の層側より埋め込むことによって製膜することができ
る。
本発明のイオン交換膜は、その陽極側又は、その陽極
側又は陰極側の表面又は両面に必要に応じて、ガス及び
液透過性の電極活性を有しない粒子を含む多孔質層(特
開昭56−75583号及び特開昭57−39185号公報)或いは、
ガス及び液透過性の電極活性を有する粒子を含む多孔質
層(特開昭54−112398号公報)を設けて、電解下におけ
る槽電圧を更に改良することができる。
本発明のイオン交換膜を使用して塩化アルカリ水溶液
の電解を行なうプロセス条件としては、上記した特開昭
54−112398号公報におけるような既知の条件が採用でき
る。例えば、陽極室には好ましくは2.5〜5.0規定(N)
の塩化アルカリ水溶液を供給し、陰極室には水又は稀釈
水酸化アルカリを供給し、好ましくは50℃〜120℃、電
流密度10〜100A/dm2で電解される。かかる場合、塩化ア
ルカリ水溶液中のカルシウム及びマグネシウムなどの重
金属イオンは、イオン交換膜の劣化を招くので、可及的
に小さくせしめるのが好ましい。また、陽極における酸
素の発生を極力防止するために塩酸などの酸を塩化アル
カリ水溶液に添加することができる。
本発明のイオン交換膜が使用される電解槽は、上記構
成を有する限りにおいて単極型でも複極型でもよい。ま
た電解槽を構成する材料は、例えば、塩化アルカリ水溶
液の電解の場合には陽極室の場合には、塩化アルカリ水
溶液及び塩素に耐性があるもの、例えば弁金属、チタン
が使用され、陰極室の場合には水酸化アルカリ及び水素
に耐性がある鉄、ステンレス又はニッケルなど使用され
る。
本発明において電極を配置する場合、電極は複層膜に
接触して配置しても、また適宜の間隔において配置して
もよいが、特に本発明の場合、隔膜に電極を接触して配
置した場合、支障を伴なうことなく低い膜抵抗に伴な
う、有利な槽電圧が達成できる。
以上は、主に塩化アルカリ水溶液の電解を例にとって
本発明の隔膜を説明したが、水、ハロゲン酸(塩酸、臭
化水素酸)、炭酸アルカリの電解に対しても同様に適用
できることはもちろんである。
次に、本発明の実施例について更に具体的に説明する
が、かかる説明によって本発明が何ら限定されるもので
ないことは勿論である。尚、実施例中の引張試験は、東
洋ボールドウイン社製テンシロンを用い、1号ダンベル
で測定した。折曲試験は、東洋精器製MIT式折曲試験機
を用い、幅15mmの短ざく状サンプルで測定した。
[作 用] 本発明において、膜の抵抗を下げる作用機構は必ずし
も明確ではないが、陽極側の高い膨潤度の層第三の層は
高度に水和したNaイオンの膜内侵入を許し、このNaイオ
ンが陽極側から膜内を陰極側に移動する過程で膜全体を
膨潤させ膜抵抗を下げるものと考えられる。更に、上記
第三の層を犠牲材料と補強材料で補強することにより、
電気抵抗の小さい膜の内部まで陽極液が浸透し、その結
果として膜の陽極近傍の膜抵抗が液抵抗に近づき、さら
に実質的な膜厚が低減されたような効果によるものであ
ると考えられる。
[実施例] 実施例1 CF2=CFO(CF23COOCH3と四フッ化エチレンとの共重
合体でイオン交換容量が1.2meq/g、膜厚30μのフィルム
Aを得た。
又、 と四フッ化エチレンとのコポリマーでイオン交換容量が
1.0meq/g、膜厚200μのフィルムBとイオン交換容量が
1.3meq/g、膜厚20μのフィルムCを得た。フィルムBと
Cの膨潤度は12% NaOH中で夫々18%、32%、比抵抗
は、80Ω・cm、30Ω・cmであった。フィルムA,B,Cの順
に積層した3層膜を50デニールポリエステル犠牲糸と20
0デニールポリテトラフロロエチレン(PTFE)糸との混
織布(犠牲糸40メッシュ、PTFE糸20メッシュ)を圧入す
ることにより補強した。
次いで、粒径5μの酸化ジルコニウム粉末10部、メチ
ルセルロース(2%水溶液の粘度1500センチポイズ)0.
4部、水19部、シクロヘキサノール2部およびシクロヘ
キサノン1部を含む混合物を混練してペーストを得た。
該ペーストをメッシュ数200、厚さ75μのテトロン製ス
クリーン、その下に厚さ30μのスクリーンマスクを施し
た印刷板及びポリウレタンスキージを用いて、前記積層
して作成したイオン交換膜のC層側の面にスクリーン印
刷した。膜面に得られた付着層を空気中で乾燥した。
一方、かくして得られた多孔質層を有する膜の他方の
面に同様にして、平均粒径0.3μのβ−炭化ケイ素粒子
を付着させた。しかる後、温度140℃、圧力30kg/cm2
条件で各膜面の粒子層をイオン交換膜面に圧着すること
により、膜の陽極側面及び陰極側面には、酸化ジルコニ
ウム粒子及び炭化ケイ素粒子が、それぞれ膜面1cm2当り
それぞれ1.0mg、0.7mg付着したイオン交換膜を作成し
た。該イオン交換膜を25%NaOH,70℃,16hr加水分解を行
なった。
かくして得られた膜のC層の側に、チタンのパンチド
メタル(短径4mm、長径8mm)に酸化ルテニウムと、酸化
イリジウムと酸化チタンの固溶体を被覆した低い塩素過
電圧を有する陽極を、またA層側にはSUS 304製パンチ
ドメタル(短径4mm、長径8mm)にルテニウム入りラネー
ニッケル(ルテニウム5%、ニッケル5%、アルミニウ
ム45%)を電着して、低い水素過電圧を有するようにし
た陰極を加圧接触させ、陽極室に5規定の塩化ナトリウ
ム水溶液を陰極室に水を供給しつつ陽極室の塩化ナトリ
ウム濃度を3.5規定に、また陰極室の苛性ソーダ濃度を3
5重量%に保ちつつ、90℃、30A/dm2の条件で電解を行な
った。
この結果、電流効率は96.5%であり電圧は3.10Vであ
った。10日間電解使用し膜を観察したが異常は認められ
なかった。この膜の引張破断伸度は40%であり、MIT式
折曲疲労テストは20回であった。
比較例1 実施例1において、フィルムAとBを積層して2層膜
を得た他は同様に行なったところ、電流効率は96.5%で
あり、電圧は3.13Vであった。
比較例2 実施例1において と四フッ化エチレンとのコポリマーでイオン交換容量が
1.3meq/g(膨潤度及び比抵抗は、フィルムと同じ)、膜
厚200μのフィルム(D)とAを積層して2層膜を得た
他は同様に行なったところ、電流効率は96.0%であり、
槽電圧は3.07Vであったが、10日間電解後膜を取り出す
際破損した。この膜の引張り破断伸度は10%であり、MI
T式折曲疲労テストは5回であった。
実施例2 CF2=CFO(CF23COOCH3と四フッ化エチレンとの共重
合体でイオン交換容量が1.1meq/g、膜厚30μのフィルム
Aを得た。
又、 と四フッ化エチレンとの共重合体でイオン交換容量が0.
95meq/g、膜厚150μのフィルムBを積層して2層膜を得
た。一方、 と四フッ化エチレンとの共重合体でイオン交換容量が1.
2meq/gのポリマーを酸型化したのち、エタノールに溶解
して濃度10%液の溶液を得た。この溶液を2層膜のスル
ホン酸ポリマー側にキャストして10μの層を形成し、3
層の膜を形成した。フィルムBとキャスト層の膨潤度は
12% NaOH中で夫々15%、27%、比抵抗は100Ω・cm、40
Ω・cmであった。その他は、実施例1と同様にして陽イ
オン交換膜を得た。この膜を実施例1と同様に膜処理し
た後電解槽に組み込み電解したところ、電流効率96%、
槽電圧は3.15Vであった。この膜の引張破断伸度は40%
であり、MIT式折曲疲労テストは30回であった。
比較例3 実施例2において、キャスト層を形成せず2層膜で行
なった他は同様に行なったところ、電流効率は96.0%、
槽電圧は3.18Vであった。
実施例3 CF2=CFO(CF23COOCH3とCF2=CF2の共重合を行ない
イオン交換容量が夫々1.2meq/g、1.4meq/gのパーフルオ
ロカーボンコポリマーを得た。押出フィルムにより夫々
膜厚30μ、200μのフィルムA,Bを得た。
又、 とCF2=CF2の共重合を行ない、イオン交換容量が1.3meq
/gのポリマーを得、押出フィルム化により膜厚10μのフ
ィルムを得た。フィルムB,C用ポリマーの12% NaOH中に
おける膨潤度は夫々17%、32%、比抵抗は、150Ω・c
m、30Ω・cmであった。又、フィルムB用のポリマーと
フィルムC用のポリマーを1:1にブレンドした後、押出
フィルム化により膜厚10μのフィルムDを得た。フィル
ムA,B,D,Cの順に熱ロールプレスにて200℃で積層して、
4層フィルムを得た。該フィルムに、50デニールのポリ
エステル犠牲糸と200デニールポリテトラエチレン(PTF
E)糸との混織布(犠牲糸40メッシュ、PTFE糸20メッシ
ュ)を圧入することにより補強した。
他は、実施例1と同様にして陽イオン交換膜を作成
し、且つ、この膜を使用して実施例1と同様にして塩化
ナトリウム水溶液の電解を行った。この結果、電流効率
は96.5%であり、電圧は3.05Vであった。
生成苛性ソーダ水溶液中の食塩含量は27ppmであっ
た。10日間電解使用し10日間電解使用し膜を観察したが
異常は認められなかった。この膜の引張破断伸度は40%
であり、MIT式折曲疲労テストは20回であった。
比較例4 実施例3において、フィルムA,Bのみの2層膜を得る
他は同様に行なった。電流効率は96.5%であり、電圧は
3.08Vであった。
実施例4 CF2=CFO(CF23COOCH3とCF2=CF2の共重合を行な
い、イオン交換容量が夫々1.2meq/g、1.4meq/g、1.8meq
/gのポリマーを得た。押出しフィルム化し夫々膜厚30
μ、200μ、20μのフィルムE,F,Gを得た。フィルムF,G
用のポリマーの12% NaOH中における膨潤度は夫々17
%、34%、比抵抗は150Ω・cm、35Ω・cmであった。フ
ィルムE,F,Gの順に熱ロースプレスにて200℃で積層して
3層膜を得た。その他は実施例1と同様にして、陽イオ
ン交換膜を得た。又、実施例1と同様に膜処理し、電解
を行なった。電流効率は96.5%であり電圧は3.05Vであ
った。この膜の引張破断伸度は40%であり、MIT式折曲
疲労テストは20回であった。
比較例5 実施例4において、イオン交換容量1.8meq/gのポリマ
ーをフィルム化して200μのフィルムHを得た。フィル
ムE,Hを積層して、2層膜とし、他は同様にして陽イオ
ン交換膜を得た。同様の条件で電解したところ、電流効
率は96%であり、槽電圧は3.00Vであった。この膜の引
張破断伸度は15%であり、MIT式折曲疲労テストは5回
であった。
実施例5 CF2=CFO(CF22COOCH3とCF2=CF2の共重合体でイオ
ン交換容量が夫々1.3meq/g、1.5meq/gのポリマーをフィ
ルム化して夫々20μm、200μmのフィルムI、Jを得
た。
一方、CF2=CFO(CF22SO2FとCF2=CF2の共重合体で
イオン交換容量が1.5meq/g、のポリマーをフィルム化し
て10μのフィルムKを得た。フィルムJ,K用の12% NaOH
中の膨潤度は夫々17%、30%、比抵抗は140Ω・cm、30
Ω・cmであった。フィルムI,J,Kの順に積層して3層膜
を得た。その他は、実施例1と同様にして、陽イオン交
換膜を得た。この膜を実施例1と同様に膜処理した後電
解をした。電流効率は96.5%であり、槽電圧は3.02Vで
あった。この膜の引張破断伸度は45%であり、MIT式折
曲疲労テストは30回であった。一方、フィルムI、Jの
みの2層膜の場合は同様に電流効率は96.5%であり、層
電圧は3.06Vであった。
実施例6 と四フッ化エチレンの共重合体でイオン交換容量が、夫
々0.9meq/g、1.2meq/g、1.4meq/g乾燥樹脂のポリマーを
フィルム化して20μ、150μ、10μのフィルムL,M,Nを得
た。L,M,Nの順に積層して3層膜を得た。フィルムM,N用
のポリマーの12% NaOH中の膨潤度は17%、22%、比抵
抗は100Ω・cm、60Ω・cmであった。その他は、実施例
1と同様にして、陽イオン交換膜を得た。実施例1と同
様にして電解したところ、電流効率は96.5%であり、槽
電圧は3.03Vであった。この膜の引張破断伸度は30%で
あり、MIT式折曲疲労テストは15回であった。
比較例6 実施例6のフィルムL,Mを積層して2層膜を得た他は
同様にして陽イオン交換膜を得た。同様にして電解した
ところ、電流効率は96%であり、槽電圧は3.07Vであっ
た。この膜の引張破断伸度は30%であり、MIT式折曲疲
労テストは15回であった。
実施例17 C2F4とCF2=CFO(CF23COOCH3を共重合して各々イオ
ン交換容量1.2meq/g、1.4meq/gおよび1.8meq/gの共重合
体を得たのち、230℃でフィルム化して各々厚さ30μ
m、150μmおよび30μmのフィルムA(膨潤度11%、
比抵抗2500Ω・cm)、フィルムB(膨潤度17%、比抵抗
150Ω・cm)およびフィルムC(膨潤度35%、比抵抗35
Ω・cm)を得た。さらに、イオン交換容量1.4meq/gの共
重合体をフィルム化し、20μm厚さのフィルムD(膨潤
度17%、比抵抗150Ω・cm)を得た。
A,B,CおよびDの順にフィルムを積層した後、アスペ
クト比5.0を有する75デニールのポリテトラフルオロエ
チレン糸(27本/インチ)と30デニールのポリエチレン
テレフタレート糸(54本/インチ)とを平織りした厚さ
75μmの混織布からなる多孔性基材をD槽の上にのせ、
200℃で加熱圧入して織布がDおよびC層とB層の一部
にまで埋めこまれた補強布入りイオン交換膜M1を作成し
た。
一方、平均粒径1μの酸化ジルコニウム粉末10部、メ
チルセルロース(2%水溶液の粘度1500センチポイズ)
0.4部、水19部、シヘロヘキサノール2部及びシクロヘ
キサノン1部を含む混合物を混練してペーストを得た。
該ペーストをスクリーン印刷法により、積層膜のD層側
の面に印刷した。膜面に得られた印刷層を空気中で乾燥
した。
さらに、かくして得られた印刷層を有する膜の他方の
面であるA層側に同様にして平均粒径0.3μのβ−炭化
ケイ素粒子をスクリーン印刷し、風乾した。しかる後、
温度140℃、圧力30kg/cm2の条件で各膜面の粒子層をイ
オン交換膜に圧着することにより、膜の陽極側面及び陰
極側面には、酸化ジルコニウム粒子及び炭化ケイ素粒子
が各々膜1m2当り20gおよび10g付着したイオン交換膜M2
を作成した。
次いでイオン交換膜M1及びM2をいずれも、70℃、25重
量%の苛性ソーダ水溶液中に16時間浸漬して、膜を加水
分解した。これらの膜を実施例1と同様にして電解を行
なった。30日経過後、イオン交換膜M1を用いた場合には
槽電圧3.40V、電流効率96.3%、35%苛性ソーダ中の食
塩含量は9ppmであった。一方、イオン交換膜M2を用いた
場合には槽電圧2.97V、電流効率は96.0%、35%苛性ソ
ーダ中の食塩含量は9ppmであった。
比較例7 比較例7記載のイオン交換膜M2の製造において補強布
を用いない以外は実施例7と全く同様にして電解した。
30日経過後の槽電圧は3.01V、96.0%、35%苛性ソーダ
中の食塩含量は10ppmであった。
比較例8 実施例7記載の積層膜においてC層(イオン交換容量
1.8meq/g、厚さ30μm)の代りにD層と同じイオン交換
容量1.4meq/gで厚さが30μmからなるD′層を用いた以
外は、7と全く同様にしてガス解放層を設け製膜し、電
解した。30日経過後の電圧は3.03V、電流効率96.0%、3
5%苛性ソーダ中の食塩含量は10ppmであった。
比較例9 実施例7記載の積層膜において、D層とB層を入れか
えた(補強布は厚み関係からDのみに存在)以外は、実
施例7と全く同様にしてガス解放層を設けて製膜し、電
解した。30日経過後の槽電圧は3.02V、電流効率96.0
%、陰極液中の食塩含量は13ppmであった。
比較例10 実施例7記載の積層膜においてD,CおよびB層の代り
にC層と同じイオン交換容量1.8meq/gで厚さが200μか
らなるC′層を用いた以外は実施例7と全く同様にして
ガス解放層を設けて製膜し、電解した。
30日経過後の槽電圧は2.93V、電流効率は96.0%、陰
極液中の食塩含量は20ppmであった。
実施例8 実施例7において、D層であるイオン交換容量1.4meq
/gを用いる代りに、C2F4を共重合して得たイオン交換容量1.1meq/g、厚さ20μの
Eフィルム(膨潤度22%、比抵抗50Ω・cm)を用いた以
外は、実施例7に記載したと同様な手段でガス解放層を
設けたイオン交換膜を製造し、電解した。30日経過後の
槽電圧は2.95V、電流効率は96.0%、陰極液中の食塩含
量は10ppmであった。
実施例9 実施例8の積層構成のうちC層(イオン交換容量1.8m
eq/g、厚さ30μ)の代りに、E層及びC層を構成する各
々の共重合体ポリマーを重量比で1:1にブレンドしてな
る厚さ30μのF層(膨潤度28%、比抵抗42Ω・cm)用い
た以外は、実施例7に記載したと全く同様な手段でガス
解放層を設けて製膜、電解し、30日経過後の槽電圧は2.
96V、電流効率は96%、陰極液中の食塩含量は10ppmであ
った。
実施例10 C2F4とCF2=CFO(CF23COOCH3を共重合してイオン交
換容量1.2meq/gの共重合体を得たのち230℃で製膜し
て、厚さ30μmのフィルムA(比抵抗2500Ω・cm)を得
た。
さらに、C2F4を共重合してイオン交換容量0.9meq/gおよび1.1meq/gの
共重合体を得たのち、230℃で製膜して、各々厚さ150μ
m,30μmおよび30μmのフィルムB,D(比抵抗140Ω・c
m)およびフィルムC(比抵抗22Ω・cm)を得た。
A,B,CおよびDの順にフィルムを室温で積層した後、
厚さ20μm及び500μmの引き裂いたPTFEフィルムから
なる200デニールのモノフィラメントであり、インチ当
り3.5回の燃り及び平らにして厚さ40μm及び巾250μm
の断面を有する糸としたもので、7.87糸/cmの縦及び横
糸カウントであった。この糸は6.7の縦損比を有した。
一時的には15.75糸/cmの縦糸及び横糸カウントを有する
50デニールのレーヨン糸であった、布の全厚は76μの混
織布からなる多孔性基材を積層したD層の上にのせ、20
0℃で加熱、圧入して織布がDおよびC層とB層の一部
にまで埋めこまれた補強布入り膜を作成した。
実施例1に記載したと全く同様な手段で電解し、30日
経過後の槽電圧は3.4V、電流効率は96%、陰極液中の食
塩含量は9ppmであった。
実施例11 実施例7〜10および比較例7〜10記載の加水分解した
後の膜の引裂強度を室温で測定した。その結果を下表に
示す。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】いずれもイオン交換基を有する含フッ素重
    合体から構成され、陰極に面するカルボン酸基を有する
    第一の層と、該第一の層よりも比抵抗が小さく且つ、膜
    全体の厚みの50%以上を有する第二の層と、膨潤度が第
    二の層のそれよりも5%以上大きく且つ、比抵抗が第二
    の層のそれよりも10Ω・cm以上小さい第三の層とを該順
    序に積層してなることを特徴とする電解用イオン交換
    膜。
  2. 【請求項2】第一の層の厚みが5〜50μm、第二の層の
    厚みが50〜300μm、及び第三の層の厚みが10〜50μm
    である特許請求の範囲第1項の膜。
  3. 【請求項3】第二の層のイオン交換基が、スルホン酸基
    又はカルボン酸基を有し、第三の層のイオン交換基が、
    スルホン酸基を有する特許請求の範囲第1項の膜。
  4. 【請求項4】異なったイオン交換基を有する層が接触し
    て積層される場合、該第二層間にカルボン酸基とスルホ
    ン酸基とを共有する含フッ素重合体を配置させた特許請
    求の範囲第3項の膜。
  5. 【請求項5】カルボン酸基とスルホン酸基とが共存する
    含フッ素重合体が、カルボン酸基を有する含フッ素重合
    体とスルホン酸基を有する含フッ素重合体との10/90〜9
    0/10のブレンドである特許請求の範囲第4項の膜。
  6. 【請求項6】カルボン酸基とイオン交換基が、0.5〜2.0
    ミリ当量/g乾燥樹脂であり、スルホン酸基のイオン交換
    容量が、0.5〜1.5ミリ当量/g乾燥樹脂である特許請求の
    範囲第3項の膜。
  7. 【請求項7】少なくとも第三の層が、犠牲材料と強化材
    料からなる厚み30〜200μmの多孔性基材で補強されて
    いる特許請求の範囲第1項の膜。
  8. 【請求項8】多孔性基材が犠牲繊維と強化繊維の混織布
    からなる特許請求の範囲第7項の膜。
  9. 【請求項9】強化繊維が、太さ30〜300デニール及びア
    スペクト比1.5〜20を有し、犠牲繊維が太さ30〜300デニ
    ールを有する特許請求の範囲第8項の膜。
  10. 【請求項10】強化繊維がパーフルオロポリマー、犠牲
    材料がポリエチレンテレフタレート、レーヨン、セルロ
    ース、アクリルウレタン又はレーヨンからなる特許請求
    の範囲第7項の膜。
  11. 【請求項11】陽極側及び陰極側の少なくとも一面にガ
    ス解放層が設けられた特許請求の範囲第1項の膜。
  12. 【請求項12】ガス解放層が電極活性を有しない親水性
    無機粒子の多孔質層である特許請求の範囲第11項の膜。
  13. 【請求項13】ガス解放層が表面を粗面化した膜表層で
    ある特許請求の範囲第11項の膜。
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