JPH0410906B2 - - Google Patents

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JPH0410906B2
JPH0410906B2 JP60032890A JP3289085A JPH0410906B2 JP H0410906 B2 JPH0410906 B2 JP H0410906B2 JP 60032890 A JP60032890 A JP 60032890A JP 3289085 A JP3289085 A JP 3289085A JP H0410906 B2 JPH0410906 B2 JP H0410906B2
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、電解用含フツ素イオン交換膜、更に
詳しくは、塩化アルカリ水溶液等の電解に使用さ
れ、特に電流密度や温度等の電解条件が変化(シ
フト)した場合にも、電解性能の変化が小さく、
常に略一定の電気化学的性能と、機械的強度の優
れた含フツ素イオン交換膜に関する。 [従来の技術] 塩化アルカリ水溶液の電解による水酸化アルカ
リと塩素との製造には、近年イオン交換膜法が主
流になつていが、これらで使用されるイオン交換
膜としては、高い電流効率と低い膜抵抗を有しな
がら、且つ取扱い上大きな機械的強度を有するこ
とが必須である。 この目的のために、電気抵抗が大きい含水率の
小さいイオン交換層フイルムと、電気抵抗が小さ
い含水率の大きいイオン交換層フイルムとからな
り、これに織布又は不織布の多孔性基材を挿入
し、補強せしめた複層型のイオン交換膜が提案さ
れており(特開昭52−36589号公報、特開昭53−
132089号公報等)、かなりの高性能が達成されて
いる。 一方、近年イオン交換膜を使用した電解事業に
おいては、電力費の節減の為に、昼間と夜間で電
流密度を変え、電力費の安い夜間に大きな電流密
度で運転する、所謂シフト運転が提案されてい
る。電流密度を変えた場合には、槽電圧が変わる
だけでなく。電解槽温度もそれに従つて変化す
る。 このようなシフト運転に、上記の複層型イオン
交換膜を使用し、特に高濃度水酸化アルカリを製
造する場合、電流密度を低下させ、電解槽温度が
低下したときには、電解における電流効率が低下
し、且つ膜の有するオーム損が増大してしまい満
足な性能が得られない。これでは、電流密度を変
えたシフト運転ができないことになり、折角の安
い夜間電力が利用できないことになる。 [発明の解決しようとする問題点] 本発明は、特に例えば35重量%以上の高濃度の
水酸化アルカリを製造するに際し、電流密度のシ
フト運転により電流密度が変化した場合にも電解
性能の変化は小さく、常に略一定の優れた電気化
学的性質と機械的強度を有する電解用の含フツ素
イオン交換膜を提供する。 本発明は、種々の水性溶液の電解に使用できる
が、なかでも塩化アルカリ水溶液を電解して水酸
化アルカリと塩素とを製造するのに使用されるイ
オン交換膜を提供する。 [問題点を解決するための手段] 本発明の上記目的は、カルボン酸基をイオン交
換基として有する含フツ素重合体からなる第一の
層と、多孔性基材で補強された陽イオン交換基を
有する含フツ素重合体からなり、上記第一の層の
陽極側に位置し、且つ電気抵抗(Ω・cm)が小さ
く、厚みの大きい75〜220μmを有する第二の層と
を有する電解用含フツ素イオン交換膜であつて、
上記多孔性基材の厚みが、第二の層の厚みの1/
1.5〜1/5の20〜120μmを有し、且つ多孔性基
材の陽極側の端部が、第二の層の陽極側の表面か
ら露出することなく、その表面下40μm以内にあ
るようにした含フツ素イオン交換膜及びこの膜を
使用することにより達成せしめられる。 本発明の含フツ素イオン交換膜は、まずカルボ
ン酸基をイオン交換基として有する含フツ素重合
体からなる第一の層と多孔性基材で支持された陽
イオン交換基を有する含フツ素重合体からなり、
上記第一の層の陽極側に位置し、且つ電気抵抗が
小さく、厚みの大きい75〜220μmを有する第二の
層とを有しなければならない。 上記第一の層は、イオン交換基としてカルボン
酸基を有することが、高電流効率を与える為には
必要であり、そのイオン交換容量は好ましくは、
0.5〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂、なかでも0.8〜
1.3ミリ当量/g乾燥樹脂が使用される。この第
一の層は、第二の層に比べて電気抵抗(比抵抗)
が、好ましくは、180〜250Ω.cmと大きいので、
その厚みは、好ましくは、10〜70μm、特には15
〜40μmを有する含フツ素重合体フイルムから構
成される。 第二の層は、陽イオン交換基として、特に限定
されることではないが、好ましくはスルホン酸
基、カルボン酸基又はリン酸基を有し、また第一
の層に比べて、小さい電気抵抗である好ましくは
20〜200Ω・cm、なかでも30〜150Ω・cmを有し、
且つ厚みとして75〜220μm、なかでも80〜200μm
を有する含フツ素重合体フイルムから形成され
る。第二の層の含フツ素重合体は、第一の層と同
様、必ずしも一種類の重合体から形成される必要
はなく、必要に応じて、イオン交換基の種類及
び/又はイオン交換容量が異なる二種以上の含フ
ツ素重合体から形成できる。例えば、陰極側のカ
ルボン酸基をもつフイルムと陽極側のスルホン酸
基をもつフイルムとからなる場合、或いは、いず
れもスルホン酸基又はカルボン酸基をもつが、陽
極側のイオン交換容量の大きい二種以上のフイル
ムとからなる例が挙げられる。 第二の層としてスルホン酸基をもつ含フツ素重
合体フイルム又は該フイルムとカルボン酸基をも
つフイルムとの二種以上のフイルムとを使用した
場合、スルホン酸基をもつフイルムとカルボン酸
基をもつフイルムとの積層界面に、場合により好
ましくは、両者間の接合性を高めるために、スル
ホン酸基とカルボン酸基との両者をもつ含フツ素
重合体の層又は、スルホン酸基をもつ含フツ素重
合体とカルボン酸基をもつ含フツ素重合体とのブ
レンド層からなり、厚みが好ましくは、5〜
50μm、特には10〜40μmの第三の層を介在せしめ
ることができる。 上記第二の層又は第三の層の陽イオン交換基を
もつ含フツ素重合体のもつイオン交換容量は、好
ましくは、0.5〜2.5ミリ当量/g乾燥樹脂、特に
は0.9〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂から選ばれる。 上記第一〜第三の層を構成する含フツ素重合体
は、好ましくは、パーフルオロ重合体から形成さ
れるが、これらは少なくとも二種の単量体の共重
合からなり、好ましくは、次の(イ)及び(ロ)の重合単
位をもつ共重合体からなる。 (イ) (―CF2―CXX′)―,
【式】 ここで、X,X′は、−F,−Cl,−H又は−CF3
であり、Aは−SO3M,−COOM又は−PO3M(M
は水素、アルカリ金属又は加水分解によりこれら
の基に転化する基を表す)、Yは、次のものから
選ばれるが、そこで、Z,Z′は−F又は炭素数1
〜10のパーフルオロアルキル基であり、x,y,
zは1〜10の整数を表わす。 −(CF2)―x,―0―(CF2)―x
【式】
【式】 なお、上記重合体を形成する(イ)/(ロ)の組成比
(モル比)は、含フツ素重合体が上記イオン交換
容量を形成するように選ばれる。 上記含フツ素重合体は、好ましくはパーフルオ
ロ重合体が適切であり、その好ましい例は、CF2
=CF2とCF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2F
との共重合体、CF2=CF2とCF2=CFO(CF23〜5
SO2Fとの共重合体、CF2=CF2とCF2=CFO
(CF21〜5COOCH3との共重合体、更にはCF2
CF2とCF2=CF−6CF2CF(CF3
OCF2CF2COOCH3との共重合体が例示される。 本発明において、第二の層中に挿入される多孔
性基材は重要であり、その厚み及び第二の層中に
おける位置は、膜性能に大きく影響することが見
出された。即ち、第二の層を形成する含フツ素重
合体フイルムを補強、支持する為の多孔性基材
は、厚みが第二の層の1/1.5〜1/5、特に好
ましくは1/2〜1/5であり、且つ、20〜
120μm、特には30〜100μmをもつことが必要であ
る。過度に小さい厚みは、膜の補強、支持効果が
小さくなり、また大きい厚みは、第二の層から、
特に陽極側面に露出することになり、その結果、
槽電圧及び電流効率を阻害することになる。 多孔性基材は、その陽極側端部が、第二の層中
で、その陽極側の表面に露出することなしに、第
二の層の表面下40μm以内に存在させるようにす
ることが、特に本発明が、例えば35重量%以上の
高濃度の水酸化アルカリの製造において、電流密
度を変えたシフト運転で、電流密度を低下させ、
電解温度が低下した場合も、膜性能をほとんど低
下させることがないことが見い出された。多孔性
基材の陽極側端部が、第二の層の表面から露出し
た場合には、露出した多孔性基材に、極で発生し
たガスや極液中の微細物がこれに付着し、槽電圧
を上げるので好ましくない。一方、多孔性基材の
陽極側端部は、第二の層中で、陽極側の表面のな
るべく近傍にあるのが好ましいが、第二の層を形
成する膜におけるピンホールの発生等を防止する
為、それは好ましくは、5〜30μmにあるように
せしめられる。多孔性基材の陽極側端部が、第二
の層の表面下40μm以内に存在しない場合には、
低電流密度下における低温度での運転の場合に、
電流効率が低下し、同時に膜抵抗が増大してしま
う。 本発明で使用される多孔性基材は、好ましく
は、空隙率が、好ましくは、30〜90%、特には40
〜80%のものが適当である。ここにおける空隙率
は、含フツ素重合体の多孔性基材の平面開口率に
よつて定義され、電解下で溶解する所謂犠牲糸を
用いた場合には、犠牲糸を除いた開口率を意味す
る。 多孔性基材としては、膜状の織布、織布又は不
織布が使用され、材質としては電解用という観点
から寸法安定性及び機械的強度を維持するため
に、耐酸性及び耐熱性を有することが好ましい。
好ましい例としては、ポリ四フツ化エチレン、四
フツ化エチレン―エチルンのコポリマー、フツ化
ビニリデン等の含フツ素重合体、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのオレフイン重合体及び炭素
繊維が使用される。 多孔性基材とては、織布又は編布を使用する場
合、糸はモノフイラメント、マルチフイラメン
ト、又はヤーン(撚り糸)などで、好ましくは50
〜300デニール、特には50〜200デニールが使用さ
れ、織り方も平編り、からみ織り等が使用され
る。多孔性基材は、場合により、含フツ素重合体
の糸と、電解下に溶解性を有する所謂犠牲糸と呼
ばれる、レーヨン、ポリエチレンテレフタレー
ト、セルロース等の糸との混織布が使用される。
これらの織布又は不織布は場合により、米国特許
4437951号に示されるように、断面を篇平化し、
篇平比を1.5〜10にした所謂篇平な多孔性基材が
使用される。 上記第一の層〜第三の層、そして第二の層中に
挿入される多孔性基材から、本発明のイオン交換
膜を製造する場合、通常、第一の層、必要に応じ
て、第三の層、そして第二の層、次いで、多孔性
基材をこの順序で重ねあわせて、各層の重合体の
軟化点温度以上、好ましくは溶融点以上の温度、
例えば100〜250℃にて、加熱、圧着せしめる。或
いは、第二の層を分割して構成せしめ、上記で第
二の層としては、所望とする一部の厚みの第二の
層を使用し、上記積層により、多孔性基材を埋め
込んだ上に、残りの第二の層を重ね合わせて、加
熱圧着せしめる。かくすることにより、多孔性基
材の第二の層中での位置をより正確に制御するこ
とができる。なお、本発明において、上記第一の
層及び第二の層は、必ずしも別個の重合体から形
成する必要はなく、例えば特開昭52−24176号等
に示されるように、スルホン酸基の一部をカルボ
ン酸基に変えるなど化学反応により形成すること
ができる。 本発明のイオン交換膜は、その陽極側又は、そ
の陽極側又は陰極側の表面又は両面に必要に応じ
て、ガス及び液透過性の電極活性を有しない粒子
を含む多孔質層(特開昭56−75583号及び特開昭
57−39185号公報)或いは、ガス及び液透過性の
電極活性を有する粒子を含む多孔質層(特開昭54
−112398号公報)を設けて、電解下における槽電
圧を更に改良することができる。 本発明の複層隔膜を使用して塩化アルカリ水溶
液の電解を行なうプロセス条件としては、上記し
た特開昭54−112398号公報におけるような既知の
条件が採用できる。例えば、陽極室には好ましく
は2.5〜5.0規定(N)の塩化アルカリ水溶液を供
給し、陰極室には水又は稀釈水酸化アルカリを供
給し、好ましくは50℃〜120℃、電流密度10〜
100A/dm2で電解される。かかる場合、塩化ア
ルカリ水溶液中のカルシウム及びマグネシウムな
どの重金属イオンは、イオン交換膜の劣化を招く
ので、可及的に小さくせしめるのが好ましい。ま
た、陽極における酸素の発生を極力防止するため
に塩酸などの酸を塩化アルカリ水溶液に転化する
ことができる。 本発明で、特徴的なことは、本発明のイオン交
換膜は、上記したように、所謂シフト運転におい
て、電流密度或は温度を変化させても膜の性能、
即ち、電流効率及び槽電圧が悪影響を受けること
がない。例えば、実施に見られるように、本発明
の場合には、低電解温度においても、電流効率は
高い値を保持することができる。 本発明において電解槽は、上記構成を有する限
りにおいて単極型でも複極型でもよい。また電解
槽を構成する材料は、例えば、塩化アルカリ水溶
液の電解の場合には陽極室の場合には、塩化アル
カリ水溶液及び塩素に耐性があるもの、例えば弁
金属、チタンが使用され、陰極室の場合には水酸
化アルカリ及び水素に耐性がある鉄、ステンレス
又はニツケルなどの使用される。 本発明において電極を配置する場合、電極は複
層膜に接触して配置しても、また適宜の間隔にお
いて配置してもよいが、特に本発明の場合、隔膜
に電極を接触して配置した場合、支障を伴なうこ
となく低い膜抵抗に伴なう、有利な槽電圧が達成
できる。 以上は、主に塩化アルカリ水溶液の電解を例に
ついて本発明の隔膜を使用したが、水、ハロゲン
酸(塩酸、臭化水素酸)、炭酸アルカリの電解に
対しても同様に適用できることはもちろんであ
る。 次に本発明を実施例により説明する。 実施例 1 C2F4とCF2=CFO(CF23COOCH3を共重合し
て各々イオン交換容量1.25(ミリ当量/グラム乾
燥樹脂、以下meq/g)および1.44meq/gを得
た共重合体を230℃でプレス製膜して、各々厚さ
30μの第一の層及び種々の厚みの第二の層のフイ
ルムとした。該二種のフイルムを室温で積層した
後、75デニールのポリテトラフルオロエチレン糸
(27本/インチ)と30デニールのポリエステル糸
(54本/インチ)とを平織りした厚み70μの篇平
平織布(篇平比=1.5)からなる多孔性基材をイ
オン交換容量1.44meq/g層(第二の層)の上に
のせ、200℃で加熱、圧入して、織布の端部が第
二―A層の表面に一致する補強布入り膜を作成し
た。さらに、イオン交換容量1.44meq/gを有
し、厚みを種々変化させたフイルム(第二―B
層)を作成して、第二のA層と第二のB層の合計
厚みがトータルで150μになるようにして、表―
1に示すように織布が埋め込まれた膜を作成し
た。 一方、粒径5μの酸化ジルコニウム粉末10部、
メチルセルロース(2%水溶液の粘度1500センチ
ポイズ)0.4部、水19部、シクロヘキサノール2
部およびシクロヘキサノン1部を含む混合物を混
練してペーストを得た。該ペーストをメツシユ数
200、厚さ7μのテトロン製スクリーン、その下に
厚さ30μのスクリーンマスクを施した印刷物及び
ポリウレタンスキージを用いて、前記積層して作
成したイオン交換膜の第二の層側の面にスクリー
ン印刷した。膜面に得られた付着層を空気中で乾
燥した。 一方、かくして得られた多孔質層を有する膜の
他方面の面である第一の層側に同様にして、平均
粒径0.3μのβ―炭化ケイ素粒子を付着させた。し
かる後、温度140℃、圧力30Kg/cm2の条件で各膜
面の粒子層をイオン交換膜面に圧着することによ
り、膜の陽極側面及び陰極側面には、酸化ジルコ
ニウム粒子及び炭化ケイ素粒子が、それぞれ膜面
1cm2当りそれぞれ1.0mg、0.7mg付着したイオン交
換膜を作成した。 次いで、イオン交換膜は70℃、25重量%の苛性
ソーダ水溶液中に16時間浸漬して、膜を加水分解
した。かくして得られた膜の第二に層の側に、チ
タンのパンチドメタル(短径4mm、長径8mm)に
酸化ルテニウムと酸化イリジウムと酸化チタンの
固溶体を被覆した低い塩素過電圧を有する陽極
を、また第一の層の側には、SUS304製パンチド
メタル(短径4mm、長径8mm)にルテニウム入り
ラネーニツケルを電着して低い水素過電圧を有す
るようにした陰極を、各々、加圧接触させ、陽極
室に5規定の塩化ナトリウム水溶液を、陰極室に
水を供給しつつ、陽極室の塩化ナトリウム濃度を
3.5規定に、また陰極室の苛性ソーダ濃度を35重
量%に保ちつつ、電流密度30A/dm2、温度90℃
で電解後、さらに電流密度30A/dm2、温度75℃
で電解を続けた。 なお、表―1の中でtと示してあるのは、光学
顕微鏡で、膜断面を観察した場合、第二の層の陽
極側表面から多孔性基材の陽極側端部までの厚み
を示すものである。
【表】 実施例 2 実施例1において第二の層であるイオン交換容
量1.44meq/gを用いる代りに、C2F4
【式】を共重合 して、イオン交換容量0.93meq/gを用いた以外
は、実施例1に記載したと同様な手段でイオン膜
を製造した。次いでイオン交換膜は30%のジメチ
ルスルホキシドおよび11%のKOHを含有する水
溶液中において90℃で20分間浸漬して、加水分解
した。かくして得られた膜を、実施例1と同様な
条件で電解を行ない、表―2に示す結果を得た。
【表】 比較例 1 実施例1において、厚さ30μの第一の層と150μ
の第二の層を積層した後、実施例1と同様の織布
を同様の方法で加熱・圧入し、織布が陽極側表面
からその厚みの平均10μの部分が露出したイオン
交換膜を作成した。 次に、実施例1と同様の方法で、膜の陽極側表
面及び陰極側表面にそれぞれ酸化ジルコニウム粒
子0.9mg/cm2及び炭化ケイ素粒子0.7mg/cm2を付着
させ、加水分解後この膜を使用して実施例1と同
様にして電解を行つた。結果を以下に示す。
【表】 かかる結果は、実施例1の織布が露出していな
いイオン交換膜を用いた場合に比べ、槽電圧が
60mV上昇した。 比較例 2 C2F4
【式】 を共重合して、イオン交換容量0.93meq/gを用
いた以外は、比較例1に記載したのと同様にし
て、織布が陽極側表面からその厚みの平均10μの
部分が露出したイオン交換膜を作成した。次いで
イオン交換膜は30%のジメチルスルホキシドおよ
び11%のKOHを含有する水溶液中において90℃
で20分間浸漬し、加水分解した。かくして得られ
た膜を、実施例1と同様にして電解を行い、以下
に示す結果を得た。
【表】 かかる結果は、実施例2の織布が露出していな
いイオン交換膜を用いた場合に比べ、槽電圧が
50mV上昇した。 実施例 3 実施例1において、第二―B層の代りに、実施
例―2に記載した C2F4
【式】を共重合 して得た、イオン交換容量0.93meq/gか、厚さ
10μのフイルムを用い、さらに、この第二―B層
と第二―A層との間に第二―B層と第二―A層を
形成する共重合体を1:1にブレンドして製膜し
た厚さ10μの第三の層を用いた以外は、実施例1
と全く同様な条件で、製膜および電解を行ない、
以下の結果を得た。なお、該膜のtは10μであつ
た。 槽電圧(V) [電解温度90℃] 3.00 電流効率(%) [電解温度90℃] 96.0 [電解温度75℃] 96.5 実施例 4 実施例1において、用いた混織平織布の代り
に、PTFEよりなる10デニールのモノフイラメン
ト6本を引きそろえ撚つたデニール数60のマルチ
フイラメントをたて糸とし、同一のモノフイラメ
ント10本を引きそろえて撚つたデニール数100の
マルチフイラメントをよこ糸とし、たて、糸密度
50本/インチ、よこ糸密度25/インチにてからみ
織りした厚み60μの篇平織布(篇平比=2.0)の多
孔性基材を用いた以外は、実施例1と同様な条件
で、製膜および電解を行ない、以下の結果を得
た。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 カルボン酸基をイオン交換基として有する含
    フツ素重合体からなる第一の層と、多孔性基材で
    補強された陽イオン交換基を有する含フツ素重合
    体からなり、上記第一の層の陽極側に位置し、且
    つ電気抵抗(Ω・cm)が小さく、厚みの大きい75
    〜220μmを有する第二の層とを有する含フツ素イ
    オン交換膜であつて、上記多孔性基材の厚みが、
    第二の層の厚みの1/1.5〜1/5の20〜120μm
    を有し、且つ多孔性基材の陽極側の端部が、第二
    の層の陽極側の表面に露出することなく、その表
    面下40μm以内にあるようにしたことを特徴とす
    る電解用含フツ素イオン交換膜。 2 多孔性基材が、含フツ素重合体の織布又は含
    フツ素重合及び電解使用下に溶解する重合体の混
    織布である特許請求の範囲1のイオン交換膜。 3 第二の層が、カルボン酸基又はスルホン酸基
    を有する含フツ素重合体からなる特許請求の範囲
    1又は2のイオン交換膜。 4 第二の層が、カルボン酸基を有する含フツ素
    重合体の陰極側層とスルホン酸基を有する含フツ
    素重合体の陽極側層からなる特許請求の範囲1又
    は2のイオン交換膜。 5 カルボン酸基を有する含フツ素重合体層とス
    ルホン酸基を有する含フツ素重合体層との間に、
    カルボン酸基を有する含フツ素重合体とスルホン
    酸基を有する含フツ素重合体とのブレンドからな
    る第三の層を有する特許請求の範囲1〜4のイオ
    ン交換膜。
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JP5119046B2 (ja) * 2008-05-27 2013-01-16 トヨタ自動車株式会社 高分子電解質膜の製造方法、及び固体高分子型燃料電池

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