JPH08227152A - 熱現像性感光体および同感光体を用いた画像形成方法 - Google Patents

熱現像性感光体および同感光体を用いた画像形成方法

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JPH08227152A
JPH08227152A JP3345095A JP3345095A JPH08227152A JP H08227152 A JPH08227152 A JP H08227152A JP 3345095 A JP3345095 A JP 3345095A JP 3345095 A JP3345095 A JP 3345095A JP H08227152 A JPH08227152 A JP H08227152A
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layer
light
image
photoreceptor
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JP3345095A
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Tetsuro Fukui
哲朗 福井
Takehiko Oi
毅彦 大井
Kazunori Ueno
和則 上野
Motokazu Kobayashi
本和 小林
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Original Assignee
Canon Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多階調の画像を形成し、さらに広範囲な画像
濃度領域において優れた画像を表現できる熱現像性感光
体、およびこの感光体を用いた画像形成方法を提供す
る。 【構成】 波長L1nmに分光感度のピークを有する感
光層(S1層)および波長L2nm(L1<L2)に分光感
度のピークを有する感光層(S2層)を有し、S2層がL
1nmおよびL2nmの両方の波長光に対して感度を有す
ることを特徴とする熱現像性感光体。また、この熱現像
性感光体に(L1−20)〜(L1+20)nmの波長範
囲内のいずれかの波長光、および(L2−20)〜(L2
+20)nmの波長範囲内のいずれかの波長光を露光
し、次いで加熱することにより画像を形成する画像形成
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱現像性感光体および同
感光体を用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から知られている感光性ハロゲン化
銀を用いた銀塩写真法は、感光性および階調性に優れ、
もっとも広く実用化されてきた記録技術である。しかし
この方法においては、現像、定着、水洗いなど処理工程
に湿式処理法を用いるために、処理に時間と手間がかか
り、また処理薬品による人体への影響が懸念されるなど
作業性、安全性において多くの問題点がある。
【0003】これに対して、湿式法を用いない乾式処理
写真法について多くの研究がなされている。例えば、特
公昭43−4921号公報、特公昭43−4924号公
報等に技術開示されている。これらは、感光性ハロゲン
化銀を触媒量含有し、さらに、画像形成材として作用す
る非感光性の有機銀塩を含有した熱現像性感光体を使用
することに特徴がある。この熱現像性感光体の主要成分
は、有機銀塩、還元剤、感光性ハロゲン化銀およびバイ
ンダーである。有機銀塩が画像形成材として働くのは、
以下の機構によるとされている。まず初めに、像露光に
よって感光性ハロゲン化銀から銀核が生成し、これが潜
像を形成する。次いで、生成した銀核が触媒となり、加
熱によって有機銀塩と還元剤とが酸化還元反応を起こ
し、有機銀塩が銀に還元される。この銀が像を形成す
る。
【0004】このような熱現像性感光体は、例えば、特
公昭55−50246号公報にマスクとして利用されて
いる。銀像がマスクとして用いられ、重合画像が得られ
ている。本出願人は、これよりさらに優れた感光体を特
開平3−135564号公報に開示した。この感光体
は、還元剤が酸化されて生成した光吸収性有機化合物の
光吸収性を利用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
熱現像性感光体は通常、印刷用のマスク材料として使用
されており、特性曲線においてγ(ガンマ値)が大き
く、濃度階調が多い画像を形成する場合には不適当なも
のであった。
【0006】そこで本発明の目的は、多階調の画像、特
に256階調を超える画像を表現できる熱現像性感光体
を提供することである。さらに、広範囲な画像濃度、特
に低濃度から中濃度領域においても優れた画像を表現で
きる熱現像性感光体を提供することである。また本発明
の目的は、この熱現像性感光体を用いて上記の多階調の
画像を形成する方法を提供することである。さらに、光
源としてレーザーを使用してデジタル方式による上記の
多階調の画像を形成する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため種々の検討を重ねた結果、本発明を完
成した。すなわち本発明は、有機銀塩、還元剤、感光性
ハロゲン化銀およびバインダーを主要成分とする熱現像
性感光体において、波長L1nmに分光感度のピークを
有する感光層(S1層)および波長L2nm(L1<L2)
に分光感度のピークを有する感光層(S2層)を少なく
とも有し、S2層がL1nmおよびL2nmの両方の波長
光に対して感度を有することを特徴とする熱現像性感光
体に関する。また、この熱現像性感光体に、(L1−2
0)〜(L1+20)nmの波長範囲内のいずれかの波
長光を少なくとも含む光、および(L2−20)〜(L2
+20)nmの波長範囲内のいずれかの波長光を少なく
とも含む光を露光し、次いで加熱することにより画像を
形成する画像形成方法に関する。さらに、露光光源がレ
ーザーあるいはLEDであり、好ましくはレーザーであ
る上記の画像形成方法に関する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明の熱現像性感光体は、波長L1nm
に分光感度のピークを有する感光層(S1層)および波
長L2nm(L1<L2)に分光感度のピークを有する感
光層(S2層)を少なくとも有する。波長L1nmは60
0nm以上730nm未満の範囲にあり、波長L2nm
は730以上850nm以下の範囲にあることが望まし
い。本発明の熱現像性感光体の分光特性の例を図1〜3
に示す。なお図2や図3のように、感光体の特性で分光
感度のピークがフラットでありピーク波長が判別しにく
い場合は、このフラットな波長領域の中央部にピーク波
長があるとする。
【0010】さらに本発明の熱現像性感光体は、S2層
がL1nmおよびL2nmの両方の波長光に対して感度を
有する。
【0011】図4に本発明の熱現像性感光体の感度特性
の例を示す。横軸は露光エネルギー量(E)、縦軸は光
学濃度(OD)である。曲線Fは、(L1−20)〜
(L1+20)nmの波長範囲内のいずれかの波長光、
および(L2−20)〜(L2+20)nmの波長範囲内
のいずれかの波長光で露光したのち熱現像した場合の感
度特性である。曲線f1は、(L1−20)〜(L1+2
0)nmの波長範囲内のいずれかの波長光で露光したの
ち熱現像した場合の感度特性であり、曲線f2は、(L2
−20)〜(L2+20)nmの波長範囲内のいずれか
の波長光で露光したのち熱現像した場合の感度特性であ
る。
【0012】本発明の熱現像性感光体は、曲線f1にお
いて[ODmin(カブリ濃度)+0.3]の光学濃度を
与える露光エネルギー量(E1)と、曲線f2において
[ODmin+0.3]の光学濃度を与える露光エネルギ
ー量(E2)との間に、[E1≦0.8×E2]の関係が
成立することが望ましい。
【0013】また、本発明の熱現像性感光体は、曲線f
1から得られるガンマ値(γ1)と曲線f2から得られる
ガンマ値(γ2)とが異なることが特徴であるが、γ2<
γ1となることが望ましい。なお、ガンマ値とは、上記
の感度特性曲線の直線部の傾斜角(θ)のtanθであ
る。
【0014】本発明の熱現像性感光体を現像して得られ
る最大光学濃度は、2.5以上が適当であるが、好まし
くは2.8以上である。このとき、光学濃度に対するS
1層およびS2層のそれぞれの寄与率は異なる。ここで最
大光学濃度とは、カブリ濃度が0.25以下の条件にお
いて、エネルギー量に対する感光体露光部の光学濃度の
最大値である。図4においては、エネルギー量(E)に
対して光学濃度が飽和した曲線上の点における光学濃度
である。曲線F、曲線f1および曲線f2に対する最大光
学濃度は、それぞれODmax、ODmax1およびODmax2
で示している。
【0015】また、S1層およびS2層のそれぞれの現像
された部分は、両者の色調が同じである。ここで同じで
あるという意味は、従来のカラー用写真材料のように
Y.M.C.の多層構成で見られるイエローとマゼン
タ、マゼンタとシアンのような大きな色調の差がないと
いう意味である。例えば、青みがかった黒色と赤みがか
った黒色では同じであると解釈する。
【0016】本発明の熱現像性感光体の構成は、例えば
図5のようになる。支持体(1)上に少なくとも2つの
感光層を設ける。感光層(2)は波長L2nmに分光感
度のピークを有する感光層(S2層)、感光層(4)は
波長L1nmに分光感度のピークを有する感光層(S1
層)である。さらにこれら以外の感光層を設けてもよ
く、例えばこれらの感光層の各々にアンチハレーション
層を設けてもよい。アンチハレーション層は、光源に対
して感光層の裏側(反対面)に設けられ、光の散乱を防
止する。また、S1層とS2層の位置は図中において上下
逆であってもよいし、支持体(1)を介して感光層
(2)と感光層(4)を設けてもよい。支持体(1)は
透明材料からなり、これは無色透明であっても何らかの
色に着色された有色透明であってもよい。S1層とS2層
の間には中間層(3)を設けてもよい。この中間層
(3)にはフィルター染料を含有させることができる。
熱現像性感光体の表面層には保護層(5)を設ける。保
護層(5)は2層以上の多層構造にすることもできる。
【0017】次に本発明の熱現像性感光体の成分および
材料について説明する。本発明の熱現像性感光体の主要
成分は、有機銀塩・還元剤・感光性ハロゲン化銀・バイ
ンダーであり、さらに添加助剤を混合することが望まし
い。これらの成分からなる熱現像性感光体は支持体上に
形成される。また上記の主要成分の種類および混合比
は、それぞれS1層とS2層とにおいて同じであっても異
なっていてもよい。
【0018】有機銀塩としては、炭素数が12〜24個
のものが望ましい。炭素数が12〜24個の有機銀塩
は、室内光のもとで着色等の不都合な変化を受けにく
い。好ましい有機銀塩としては、例えば、ベンゾトリア
ゾール銀、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀、パルミチン酸
銀、ミリスチン酸銀、ラウリン酸銀、オレイン酸銀、ヒ
ドロキシステアリン酸銀等を挙げることができる。これ
らのうち、特にベヘン酸銀が有効である。
【0019】還元剤は、本発明の熱現像性感光体が増露
光および熱現像されたときに、上記有機銀塩を還元して
銀を生成させるものである。このような還元剤として
は、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、
クロロハイドロキノン、メチルヒドロキシナフタレン、
N,N’−ジエチル−p−フェニレンジアミン、アミノ
フェノール、アスコルビン酸、1−フェニル−3−ピラ
ゾリドン、2,2’−メチレンビス(6−ターシャリー
ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデ
ンビス(6−ターシャリーブチル−3−メチルフェノー
ル)、4,4’−チオビス(6−ターシャリーブチル−
4−メチルフェノール)等を挙げることができる。ま
た、特開昭46−6074号公報に記載のビスナフトー
ル系還元性化合物、特公昭53−9735号公報に記載
の4−ベンゼンスルホンアミドフェノール系化合物、特
開平2−210352号公報・特開平3−135564
号公報に記載の還元性化合物等が挙げられる。
【0020】感光性ハロゲン化銀としては、例えば、塩
化銀、臭化銀、ヨウ化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、ヨ
ウ塩臭化銀等を挙げることができる。これらの感光性ハ
ロゲン化銀は、微細な粒子状のものが特に有効である。
微細な粒子状のハロゲン化銀を調整する方法としては、
臭化アンモニウム・臭化リチウム・塩化ナトリウム・N
−ブロムコハク酸イミド等のハロゲン化銀形成成分によ
って有機銀塩をハロゲン化する方法などを挙げることが
できる。
【0021】バインダーとしては、疎水性または親水性
のポリマーが望ましく、これらは透明もしくは半透明で
あることが必要である。具体的には、ポリビニルブチラ
ール、セルロースアセテートブチレート、ポリメチルメ
タクリレート、ポリビニルピロリドン、エチルセルロー
ス、酢酸セルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアル
コール、ゼラチン等を挙げることができる。これらのな
かでも疎水性のポリマーがより好ましい。
【0022】支持体の材料としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカー
ボネート、酢酸セルロース、合成紙、ガラス板、金属蒸
着膜を有する合成樹脂フィルム等を挙げることができ
る。
【0023】添加助剤は、画像の色調性や画像形成後の
安定性を改善するために用いられる。このような添加助
剤としては、有機酸、色調剤、カブリ防止剤、着色防止
剤、帯電防止剤、増感色素、現像促進剤、紫外線吸収
剤、イラジェーション防止染料、蛍光増白剤、フィルタ
ー染料等が挙げられる。
【0024】有機酸としては、前記の有機銀塩の有機酸
残基と同一または類似の脂肪酸が望ましい。これらは単
独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。こ
れらの有機酸の使用量は、有機銀塩に対して25〜20
0モル%が適当であり、好ましくは30〜120モル%
である。
【0025】色調剤としては、米国特許第308025
4号公報に記載のフタラジノンまたはその誘導体、特開
昭46−6074号公報に記載の環式イミド類、特開昭
50−32927号公報に記載のフタラジンジオン化合
物等を使用することができる。
【0026】カブリ防止剤としては、特公昭47−11
113号公報に記載の水銀化合物、特公昭55−423
75号公報に記載の1,2,4−トリアゾール化合物、
特開昭57−30828号公報に記載のテトラゾール化
合物、特開昭57−138630号公報に記載の安息香
酸類、特開昭57−147627号公報に記載のスルホ
ニルチオ基を有する化合物、特開昭58−107534
号公報に記載の二塩基酸類等を挙げることができる。特
に本発明に用いられるカブリ防止剤としては、特開昭5
8−107534号公報に記載の二塩基酸類が好まし
い。
【0027】帯電防止剤としては、例えば、含フッ素系
界面活性剤が好ましい。
【0028】増感色素は、本発明の感光体に所望の分光
・感度特性を付与するために重要な成分である。特に、
S2層がL1nmおよびL2nmの両方の波長光に対して
感度を有するために有用である。このような増感色素に
は、例えば、シアニン色素やメロシアニン色素などを用
いることができる。具体的にS1層に用いる増感色素と
しては、例えば、以下の構造式(I)〜(VI)でそれ
ぞれ表される化合物が挙げられる。
【0029】
【化1】
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】
【化6】 また、S2層に用いる増感色素としては、例えば、以下
の構造式(VII)〜(X)でそれぞれ表される化合物
が挙げられる。
【0035】
【化7】
【0036】
【化8】
【0037】
【化9】
【0038】
【化10】 この他に特開平4−182640号公報に記載のインド
レニンシアニン色素を上記色素と併用してもよい。ま
た、S2層に又はS1層に用いられる増感色素を併用して
もよい。これらの増感色素は、ハロゲン化銀1モルに対
して5×10-5〜5×10-2モルの範囲で添加すること
が望ましい。
【0039】次に本発明の画像形成方法について説明す
る。本発明の画像形成方法は、本発明の熱現像性感光体
に(L1−20)〜(L1+20)nmの波長範囲内のい
ずれかの波長光を少なくとも含む光、および(L2−2
0)〜(L2+20)nmの波長範囲内のいずれかの波
長光を少なくとも含む光を露光し、次いで加熱すること
により画像を形成する画像形成方法である。さらに、露
光光源がレーザーあるいはLEDであり、好ましくはレ
ーザーである上記の画像形成方法である。
【0040】露光する光は、好ましくは(L1−20)
〜(L1+20)nmの波長範囲内のいずれかの波長
光、および(L2−20)〜(L2+20)nmの波長範
囲内のいずれかの波長光である。より好ましくは(L1
−20)〜(L1+5)nmの波長範囲内のいずれかの
波長光を少なくとも含む光、および(L2−20)〜L2
nmの波長範囲内のいずれかの波長光を少なくとも含む
光であり、さらに好ましくは(L1−20)〜(L1+
5)nmの波長範囲内のいずれかの波長光、および(L
2−20)〜L2nmの波長範囲内のいずれかの波長光で
ある。
【0041】露光方向はどちらから行ってもよいが、S
1層に対する露光はS2層の反対側から露光することが望
ましい。すなわち、図5において保護層(5)側から露
光することが望ましい。これによりS2層に含有した増
感色素がS1層に対してアンチハレーション効果を発揮
し、S1層の解像度を向上させることができる。一方、
S2層に対する露光方向も特に制限はないが、S1層の反
対側、すなわち図5において支持体(1)側から露光す
る場合は、(L2−20)〜(L2+20)nmの波長範
囲内のいずれかの波長光を吸収するアンチハレーション
染料をS1層に添加することによって、S2層の解像度を
向上させることができる。露光方向は、ハードを考慮す
ると、S1層に対する露光もS2層に対する露光も同方向
から行うことが操作上容易である。
【0042】S1層およびS2層に対するそれぞれの露光
スポット径は、同じであっても異なっていてもよい。
【0043】露光方法は、特に限定されないが、ドラム
スキャンやポリゴンスキャン等の方法が用いられる。
【0044】光源は、レーザーに限らずLED等も用い
ることができるが、好ましくはレーザーであり、より好
ましくはHe−Neレーザー及び半導体レーザーであ
る。
【0045】上記の露光の前後において、副露光を行っ
てもよい。これにより本発明の熱現像性感光体のγ(ガ
ンマ値)の調整が行え、また分光感度を向上することが
できる。副露光は、上記の露光に用いた光源を用いて
(L1−20)〜(L1+20)nmの波長範囲内のいず
れかの波長光を少なくとも含む光、および(L2−2
0)〜(L2+20)nmの波長範囲内のいずれかの波
長光を少なくとも含む光のいずれか一方で、または両方
で行ってもよいし、別の光源、例えばハロゲンランプ・
タングステン光・キセノン光・LED・別のレーザー等
を用いて上記の波長光で行ってもよい。
【0046】加熱温度は、90℃以上160℃以下が適
当であり、好ましくは100℃以上140℃以下であ
る。ただし、サーマルヘッド等の加熱手段を用いる場合
は、瞬間的に160℃以上の高温となる場合があるが、
加熱時間を短縮することによりコントラストの良い画像
を得ることができる。加熱時間は、0.5秒〜1分が適
当であり、好ましくは1〜30秒である。加熱手段とし
ては、ホットプレート、ヒートロール、サーマルヘッド
等を使用することができる。また、通電加熱を行っても
よい。
【0047】本発明によって画像形成された感光体の断
面図を図6〜8に示す。これらは、図5の構成を有する
熱現像性感光体を用いた場合の例である。図6は(L2
−20)〜(L2+20)nmの波長範囲内のいずれか
の波長光を少なくとも含む光だけを露光した場合、図7
は(L1−20)〜(L1+20)nmの波長範囲内のい
ずれかの波長光を少なくとも含む光だけを露光した場
合、図8は(L1−20)〜(L1+20)nmの波長範
囲内のいずれかの波長光を少なくとも含む光、および
(L2−20)〜(L2+20)nmの波長範囲内のいず
れかの波長光を少なくとも含む光を露光した場合を表し
ている。図6では、S2層(2)に像(6)が形成し、
L2nmの波長光に分光感度を持たないS1層(4)には
像が形成していない。図7では、S1層(4)およびS2
層(2)に同じ像(6)が形成し、S2層の像の濃度
は、図6のS2層の像の濃度より低い。図8の熱現像性
感光体には、S1層(4)およびS2層(2)に同じ像
(6)が形成し、S2層の像の濃度は、図6のS2層の像
の濃度と同じであるか、(L1−20)〜(L1+20)
nmの波長範囲内のいずれかの波長光を少なくとも含む
光の寄与により高くなる。図7においてS2層の像の濃
度が比較的低いのは、S2層はL1nmおよびL2nmの
それぞれの波長光に対してともに分光感度を有するが、
L1nm波長光に対する分光感度は、ピーク値ではなく
比較的低い値であるためである。以上から、低濃度の画
像形成には(L2−20)〜(L2+20)nmの波長範
囲内のいずれかの波長光を少なくとも含む光を、中濃度
の画像形成には(L1−20)〜(L1+20)nmの波
長範囲内のいずれかの波長光を少なくとも含む光を、高
濃度の画像形成には(L1−20)〜(L1+20)nm
の波長範囲内のいずれかの波長光を少なくとも含む光、
および(L2−20)〜(L2+20)nmの波長範囲内
のいずれかの波長光を少なくとも含む光を露光すればよ
く、このようにして広範囲の濃度領域において優れた多
階調の画像を形成することができる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれらに限定するものではない。
【0049】実施例1 ポリビニルブチラール40重量部、ベヘン酸銀25重量
部、ベヘン酸15重量部、ホモフタル酸0.1重量部、
臭化銀2.5重量部、キシレン300重量部、n−ブタ
ノール300重量部の組成からなる分散液Aをホモミキ
サーを用いて安全光下で調製した。
【0050】上記分散液Aの68重量部にフタラジノン
0.3重量部を加温下で溶解させ、次いで2,6−ジク
ロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール0.9重
量部を加えた。この分散液に、前記構造式(VII)で
表される増感色素0.005重量部を溶解したN,N−
ジメチルホルムアミド溶液0.5重量部を加えて、S2
層用の分散液Bを調製した。
【0051】また分散液Bとは別に、分散液Aの68重
量部にフタラジノン0.35重量部を加温下で溶解さ
せ、次いで2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−
4−メチルフェノール)1.1重量部を加えて溶解し
た。この分散液に、前記構造式(III)で表される増
感色素0.002重量部を溶解したN,N−ジメチルホ
ルムアミド溶液0.5重量部を加えて、S1層用の分散
液Cを調製した。
【0052】ポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルムに分散液Bを用いて乾燥膜厚5〜6μmのS2層
を設けた。この上にポリビニルアルコールの中間層(乾
燥膜厚2〜3μm)を設けた後、分散液Cを用いて乾燥
膜厚8μmのS1層を設けた。このS1層の上にポリビニ
ルアルコール−コロイダルシリカ(混合重量比1:1)
の保護層(乾燥膜厚3〜4μm)を設け、本発明の熱現
像性感光体を作成した。
【0053】この熱現像性感光体に波長680nmの半
導体レーザーと波長780nmの半導体レーザーで露光
を行い、次いで115℃で10秒間熱現像を行ったとこ
ろ、E1は10μJ/cm2であり、E2は15μJ/c
2であった。また、分光カメラによる測定によって図
1のような分光特性曲線が得られ、感度極大は波長70
0nmと795nmにあった。
【0054】この熱現像性感光体に保護層側から露光を
行った。このとき、低濃度領域の画像形成には波長78
0nmの半導体レーザーを用い、中濃度領域の画像形成
には波長680nmの半導体レーザーを用い、高濃度領
域の画像形成には波長780nmおよび680nmの2
種の半導体レーザーを用いて450階調の画像情報を露
光した。次いで115℃で10秒間加熱し、黒色の画像
を形成した。
【0055】得られた画像は、400階調以上の濃度階
調を再現しており、特に低濃度領域の階調表現に優れる
ものであった。さらに色調も優れ漆黒調であった。
【0056】なお、得られた画像の最大光学濃度(OD
max)は3.12であり、波長780nmの半導体レー
ザーの露光による最大光学濃度(ODmax2)は1.05
であった。またガンマ値は、γ1=4.9、γ2=3.5
であった。
【0057】実施例2 実施例1と同様にして作製した熱現像性感光体に、光学
濃度がODminより0.02上昇する露光量を波長78
0nmの半導体レーザーによって均一に露光(副露光)
した後、実施例1と同様にして画像を形成した。
【0058】結果として、450階調の情報量に対して
420階調以上を再現することができた。また、このと
きγ1は4.9であったがγ2は3.2と下がっており、
低濃度から中濃度領域の階調再現性がさらに向上してい
た。
【0059】比較例1 実施例1の分散液Cを用いてPETフィルム上に乾燥膜
厚14μmの感光層を設け、その上に実施例と同様な保
護層を設けて熱現像性感光体を調製した。この熱現像性
感光体は780nmの波長光には感度を有しなかった。
感度極大は690nmであった。
【0060】この熱現像性感光体に、波長680nmの
半導体レーザーのみで256階調の画像情報を露光し、
次いで115℃で10秒間加熱して画像を形成した。
【0061】得られた画像は、180階調以下であり低
濃度領域の階調表現に劣るものであった。なお、最大光
学濃度は3.05であり、ガンマ値は5.1であった。
【0062】比較例2 実施例1の分散液Bを用いてPETフィルム上に乾燥膜
厚14μmの感光層を設け、その上に実施例1と同様の
保護層を設けて熱現像性感光体を調製した。この感光体
は795nmの波長光に感度極大を有し、また680n
mの波長光にも低いながらも感度を有した。
【0063】この熱現像性感光体に、実施例1と同様に
露光して熱現像を行った。
【0064】得られた画像は、200階調の濃度階調を
再現しているにすぎず、低濃度領域の階調表現に劣るも
のであった。なお最大光学濃度は2.59であり、ガン
マ値は4.0であった。
【0065】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、多階調の画像、特に256階調を超える画像を
表現できる熱現像性感光体を得ることができる。さら
に、広範囲な画像濃度、特に低濃度から中濃度領域にお
いても優れた画像を表現できる熱現像性感光体を得るこ
とができる。また本発明によれば、この熱現像性感光体
を用いて上記の多階調の画像を形成する方法を提供する
ことができる。さらに、光源としてレーザーを使用する
ことができるため、デジタル方式によって上記の多階調
の画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱現像性感光体の分光特性を示した図
である。
【図2】本発明の熱現像性感光体の分光特性を示した図
である。
【図3】本発明の熱現像性感光体の分光特性を示した図
である。
【図4】本発明の熱現像性感光体の感度特性を示した図
である。
【図5】画像形成前の本発明の熱現像性感光体の断面図
である。
【図6】(L2−20)〜(L2+20)nmの波長範囲
内のいずれかの波長光で画像形成を行った本発明の熱現
像性感光体の断面図である。
【図7】(L1−20)〜(L1+20)nmの波長範囲
内のいずれかの波長光で画像形成を行った本発明の熱現
像性感光体の断面図である。
【図8】(L1−20)〜(L1+20)nmの波長範囲
内のいずれかの波長光、および(L2−20)〜(L2+
20)nmの波長範囲内のいずれかの波長光で画像形成
を行った本発明の熱現像性感光体の断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 感光層(S2層) 3 中間層 4 感光層(S1層) 5 保護層 6 像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 本和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機銀塩、還元剤、感光性ハロゲン化銀
    およびバインダーを主要成分とする熱現像性感光体にお
    いて、波長L1nmに分光感度のピークを有する感光層
    (S1層)および波長L2nm(L1<L2)に分光感度の
    ピークを有する感光層(S2層)を少なくとも有し、S2
    層がL1nmおよびL2nmの両方の波長光に対して感度
    を有することを特徴とする熱現像性感光体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱現像性感光体に、(L
    1−20)〜(L1+20)nmの波長範囲内のいずれか
    の波長光を少なくとも含む光、および(L2−20)〜
    (L2+20)nmの波長範囲内のいずれかの波長光を
    少なくとも含む光を露光し、次いで加熱することにより
    画像を形成する画像形成方法。
  3. 【請求項3】 露光光源がレーザーである請求項2記載
    の画像形成方法。
JP3345095A 1995-02-22 1995-02-22 熱現像性感光体および同感光体を用いた画像形成方法 Pending JPH08227152A (ja)

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