JP2002072408A - カラーフォトサーモグラフ要素 - Google Patents

カラーフォトサーモグラフ要素

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JP2002072408A
JP2002072408A JP2001176866A JP2001176866A JP2002072408A JP 2002072408 A JP2002072408 A JP 2002072408A JP 2001176866 A JP2001176866 A JP 2001176866A JP 2001176866 A JP2001176866 A JP 2001176866A JP 2002072408 A JP2002072408 A JP 2002072408A
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マリー アービング リン
Zbyslaw Roman Owczarczyk
ローマン オークザークジク ズバイスロー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 すぐれた識別力及び低いカブリを示す同時
に、すぐれたアンブロッキング反応速度を示すブロック
ト現像主薬写真材料を含むフォトサーモグラフ要素を提
供する。 【解決手段】 下記の構造Iにより表される少なくとも1
種のブロックト現像主薬を含んでなるカラーフォトサー
モグラフ要素: 【化1】 (式中、DEV、LINK、TIME、n、t、C*、p、q、w、w、
R12、T、D、X、及びWは明細書中に定義する置換基で
る)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保護された現像主
薬(以下、「ブロックト現像主薬」という)を含んでな
るカラーフォトサーモグラフ要素及びこのような要素を
現像する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカラー写真では、感光性ハロゲン
化銀乳剤を含有するフィルムが手で保持されるカメラに
おいて使用される。露光すると、フィルムは適当な処理
後にのみ明らかにされる潜像を担持する。これらの要素
は、歴史的には、フィルム中の成分と共同して画像を形
成する作用をする現像主薬を有する現像液によりカメラ
で露光したフィルムを少なくとも処理することによっ
て、処理されている。普通に使用されている現像主薬
は、還元剤、例えば、p−アミノフェノール又はp−フェ
ニレンジアミンである。
【0003】典型的には、現像液中に存在する現像主薬
(また、ディベロッパーと呼ぶ)を処理時に露光された
写真フィルム要素と反応的に関連させる。現像主薬及び
フィルム要素の分離は必要であった。なぜなら、増感写
真要素の中への現像主薬の直接的組込みはハロゲン化銀
乳剤の減感及び望ましくないカブリに導くことがあるか
らである。しかし、有害な減感又はカブリ作用なしに、
ハロゲン化銀乳剤要素の中に導入することができる、有
効なブロックト現像主薬(また、ブロックトデベロッパ
ーと呼ぶ)を製造することに、かなりの努力が向けられ
ている。従って、前もって選択した条件下でアンブロッ
クし、次いでこのような現像主薬が像形成(色素又は銀
金属形成)反応に自由に参加する、ブロックト現像主薬
が探求されている。
【0004】米国特許第3,342,599号(Reeves)には、
シッフ塩基の現像主薬前駆体の使用が開示されている。
Schleigh及びFaul、リサーチディスクロージャー(Rese
archDisclosure, 129(1975)pp. 27−20)は、発色現
像主薬の第四級ブロッキング及びp−フェニレンジアミ
ンのアセトアミドブロッキングを記載している。(本明
細書において言及するすべてのリサーチディスクロージ
ャーは下記の会社により発表されている:Kenneth Mas
on Publications,Ltd.、Dubley Annex、12a North
Street、Emswarth、Hampshire P010 7DQ、Englan
d。)引き続いて、米国特許第4,157,915号(Hamaoka
他)及び米国特許第4,060,418号(Waxman及びMouring)
には、カラー拡散転写のための受像シートにおけるブロ
ックトフェニレンジアミンの製造及び使用が記載されて
いる。
【0005】これらのアプローチのすべては、下記の問
題の1つ又はそれ以上のために、実際的製品用途におい
て失敗した。即ち、増感ハロゲン化銀の減感;許容され
得ない程度に遅いアンブロッキング反応速度;貯蔵後に
カブリを増加させ、そして/又はDmaxを減少させるブロ
ックト現像主薬の不安定性;ブロックト現像主薬を放出
する簡単な方法が無いこと;不適切な又は劣った像形
成;及び他の問題である。特にフォトサーモグラフカラ
ーフィルムの領域において、他の潜在的問題にはは劣っ
た識別力及び劣った色素形成活性が含まれる。前述の米
国特許第4,157,915号明細書に加えて、脱ブロック時に
β脱離反応を必要とするブロックト現像主薬が欧州特許
出願第393523号及び特願昭57-076453、特願平02-131253
号及び特開昭63-123046号(最後は特に、その写真要素
の記述において記載)に記載されている。
【0006】ブロッキング及びスイッチング試薬におけ
る最近の発展は、p−フェニレンジアミンを含めた比較
的すぐれた性能を有する、ブロックト現像主薬に導い
た。特に、「β−ケトエステル」型ブロッキング基(厳
格には、β−ケトアシルブロッキング基)を有する化合
物は米国特許第5,019,492号に記載されている。β−ケ
トエステルブロッキング試薬の出現により、現像に必要
となったときにのみ活性となる形態でフィルム系の中に
フェニレンジアミン現像主薬を組込むことが可能となっ
た。β−ケトアシルブロックト現像主薬は、それらが組
込まれているフィルム層から、二求核性試薬、例えば、
ヒドロキシルアミンを含有するアルカリ性現像液により
放出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】すぐれた識別力及び低
いカブリを示す同時に、すぐれたアンブロッキング反応
速度を示す、フォトサーモグラフ要素において有用なブ
ロックト現像主薬が要求されている。すぐれた識別力及
び低いカブリは、ハロゲン化銀及びブロックト現像主薬
を含有する要素を加熱するとき、特に魅力的である。本
発明の目的は、すぐれた色素形成活性を提供すると同時
に、現像時にカブリほとんど、あるいは全く増加させな
い、ブロックト現像主薬を含有するフォトサーモグラフ
要素又はフィルムを提供することである。処理溶液の適
用を必要としない、乾式カラーフォトサーモグラフ系に
おいて有用なブロックト現像主薬が特に要求されてい
る。、現像時(通常、塩基の存在において)に、制限さ
れた量ではあるが、多少の水溶液を使用する系における
よりも、これらのブロックト現像主薬は通常高い温度に
おいて現像される。
【0008】フォトサーモグラフカラー要素の現像主薬
に関すると、現像まで安定であり、しかもいったん処理
が開始されると、要素を加熱することによって、そして
/又は処理溶液、例えば、塩基もしくは酸の溶液又は純
粋な水を要素に適用することによって、急速にかつ容易
に現像することができる形態で現像主薬を含有するフォ
トサーモグラフ画像形成要素が必要とされ続けている。
完全に乾式又は見た目に乾式のプロセスが最も望まし
い。このようなプロセスの存在は、フォト処理キオスク
において簡単に、かつ効率よく処理できるフィルムの極
端な迅速処理を可能とする。このようなキオスクは(数
が多く、利便性有する)、相対的に言って、任意の時間
及び任意の場所においてハロゲン化銀フィルムの現像を
可能とするであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱活性化時に
分解(すなわち、アンブロック)して現像主薬を放出す
るブロックト現像主薬を含んでなるカラーフォトサーモ
グラフ要素に関する。熱活性化とは、少なくとも60℃、
好ましくは少なくとも80℃、より好ましくは少なくとも
100℃の温度に、0.5〜60秒間、好ましくは1〜60秒間、
より好ましくは2〜30秒間加熱することを意味する。乾
式処理の態様では、熱活性化は約80℃〜180℃、好まし
くは100〜160℃の温度において実施することが好まし
い。完全には乾式ではない現像系において、熱活性化は
添加した酸、塩基及び/又は水の存在下に約60〜140℃
の温度において実施することが好ましい。本発明の1つ
の好ましい態様では、フォトサーモグラフ要素は有効量
の熱溶媒を含んでなる。本発明の他の好ましい態様で
は、フォトサーモグラフ要素は有機銀塩(錯体を包含す
る)の混合物を含んでなり、それらの少なくとも1種が
銀ドナーである。
【0010】本発明は、さらに、像様露光された写真要
素を熱現像する工程を含む像形成法に関する。像様露光
された写真要素は、熱活性化時に分解して現像主薬を放
出して現像された像を形成するブロックト現像主薬を有
する。本発明の1つの態様では、前記現像された像を走
査して現像された像から第1電子像表示(又は「電子記
録」)を形成し、前記第1電子記録をディジタル化して
ディジタル像を形成し、前記ディジタル像を変更して第
2電子像表示を形成し、そして前記第2電子像表示を記
憶、伝送、プリント又は表示することによって、ポジ画
像を形成することができる。本発明は、さらに、支持体
と、熱活性化時に分解して写真的に有効な基を放出する
ブロックト現像主薬とを含んでなる感光性写真要素を有
する、1回使用のカメラに関する。本発明は、さらに、
ヒーターを有する1回使用のカメラ中の感光性写真要素
を像様露光し、そしてカメラ中の露光された要素を熱的
に処理する工程を含む、像形成法に関する。
【0011】特に、本発明は、半減期(t1/2)≦20分
(下記において決定する)を有するブロックト現像主薬
を含むフォトサーモグラフ要素に関する。さらに、具体
的な構造に関していっそう詳細に後述するように、ブロ
ックト現像主薬のブロッキング部分中のある位置におい
て活性化基を使用することによって、特定した半減期を
得ることができることが発見された。本明細書では、用
語「活性化基」とは、電子吸引性基、ヘテロ芳香族基、
又は1又はそれ以上の電子吸引性基で置換されたアリー
ル基を意味する。
【0012】さらに詳しくは、本発明のカラーフォトサ
ーモグラフ要素は、20分以下の半減期、及び少なくとも
60℃の温度において、少なくとも2.0のピーク識別力を
有する、下記の構造Iにより表されるブロックト現像主
薬を含んでなる:
【0013】
【化10】
【0014】式中、DEVは現像主薬であり、LINKは連結
基であり、TIMEはタイミング基であり、nは0、1、又は2
であり、tは0、1、又は2であり、そしてtが2でないと
き、必要な数のの水素(2−t)個が構造中に存在し、C*
は四面体(sp3混成)炭素であり、pは0又は1であり、q
は0又は1であり、wは0又は1であり、p+q=1であり、そ
してpが1であるとき、q及びwの両方は0であり、qが1で
あるとき、wは1であり、R12は水素、又は置換又は非置
換のアルキル、シクロアルキル、アリールもしくは複素
環式基であるか、あるいはR12はWと結合して環を形成す
ることができ、Tは置換又は非置換の(下記のT基に言及
する)アルキル基、シクロアルキル基、アリール、もし
くは複素環式基、無機1価電子吸引性基、又は無機2価電
子吸引性基から独立して選択され、前記無機2価電子吸
引性基は少なくとも1つのC1〜C10有機基(R13又はR13
びR14基)でキャップされており、好ましくは置換又は
非置換のアルキルもしくはアリール基でキャップされて
いるか、あるいはTはW又はR12と一緒になって環を形成
するか、あるいは2つのTは結合して環を形成することが
でき、Tが電子吸引性基、1〜7つの電子吸引性基で置換
されたアリール基、又は置換もしくは非置換のヘテロ芳
香族基であるとき、Tは活性化基である。好ましくは、T
は無機基、例えば、ハロゲン、−NO2、又は−CN;ハロ
ゲン化アルキル基、例えば、−CF3;又はR13によりもし
くはR13及びR14によりキャップされた無機電子吸引性
基、例えば、−SO2R13、−OSO2R13、−NR14(SO
2R13)、−CO2R13、−COR 13、−NR14(COR13)、等であ
る。特に好ましいT基は1〜7個の電子吸引性基で置換
されたアリール基である。
【0015】Dは置換又は非置換の(以下のD基に言及す
る)ヘテロ芳香族基もしくはアリール基又は1価電子吸
引性基から選択される第1活性化基であり、ここで当該
ヘテロ芳香族基は随意選択的にT又はR12と環を形成する
ことができる。
【0016】Xは第2活性化基であり、かつ2価電子吸引
性基である。X基は少なくとも1つのW基に接続された酸
化された炭素、硫黄、又はリン原子である。好ましく
は、X基は、窒素、酸素、硫黄又はリン原子に結合した
側鎖の基以外は、四面体炭素原子を含有しない。Xは、
例えば、−CO−、−SO2−、−SO2O−、−COO−、−SO2N
(R 15)−、−CON(R15)−、−OPO(OR15)−、−PO
(OR15)N(R16)−、等を包含し、ここでX基の主鎖中
の(C*とWとの間の直線中の)原子は水素原子に結合し
ていない。
【0017】WはW'又は下記の構造IAにより表される基
である:
【0018】
【化11】
【0019】W'は置換又は非置換の(以下のW'基に言及
する)アルキル(好ましくは1〜6個の炭素原子を含有す
る)、シクロアルキル(ビシクロアルキルを包含する
が、好ましくは4〜6個の炭素原子を含有する)、アリー
ル(例えば、フェニル又はナフチル)もしくは複素環式
基から独立して選択され、ここでW'はT又はR12と組み合
わせて環を形成することができ(構造IAの場合におい
て、W'は少なくとも1つの置換基、すなわち、構造IA中
のW'基の右に対する部分を含んでなり、前記置換基は定
義により活性化基であり、X又はDを含んでなる)、Wが
構造IAを有するか、あるいはW'が1又はそれ以上の電子
吸引性基で置換されたアルキル又はシクロアルキル基;
1〜7つの電子吸引性基で置換されたアリール基;置換も
しくは非置換のヘテロ芳香族基;又は1又はそれ以上の
電子吸引性基で置換された、非芳香族複素環式基である
とき、Wは活性化基である。より好ましくは、Wが電子吸
引性基で置換されているとき、置換基は例えば、ハロゲ
ン、−NO2、−CN、等の無機基、又はハロゲン化アルキ
ル基、例えば、−CF3、又はR1 3により(又はR13及びR14
により)キャップされた無機基、例えば、−SO2R13、−
OSO2R13、−NR13(SO2R14)、−CO2R13、−COR13、−NR
13(COR14)、等である。
【0020】R13、R14、R15、及びR16は、置換又はは非
置換の、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する、アルキ
ル、アリール、もしくは複素環式基、より好ましくはフ
ェニル又はC1〜C6アルキル基から独立して選択される。
【0021】下記の組の任意の2つのメンバー(直接的
に結合していない):R12、T、及びD又はWは一緒になっ
て環を形成することができる、ただし環の形成はブロッ
キング基の機能を妨害しない。
【0022】上に示したように、構造Iのブロックト現
像主薬のブロッキング部分中のある位置において活性化
基を使用することによって、特定した半減期を得ること
ができる。さらに詳しくは、D又はX位置に活性化基を使
用して特定した半減期を得ることができ、構造I中のT及
び/又はW位置の1つ又はそれ以上において活性化基を使
用することによって、さらに活性化して特定した半減期
を達成できることが発見された。上に示したように、活
性化基は、本明細書では、電子吸引性基、ヘテロ芳香族
基、又は1つ以上の電子吸引性基で置換されたアリール
基を意味する。本発明の1つの態様では、特定した半減
期はD又はX位置ばかりでなく、構造I中のT及び/又はW
位置における活性化基の存在により得られる。
【0023】用語「無機」は、本明細書では、炭酸塩、
シアニド、及びシアネートを除外した炭素を含有しない
基を意味する。用語「複素環式」は、本明細書では、環
の中に少なくとも1つ(好ましくは1〜3つ)のヘテロ原
子を含有する芳香族及び非芳香族の環を意味する。構造
I中の記号、例えば、Tについて列挙した基が明らかにオ
ーバーラップする場合、このような明らかなオーバーラ
ップを回避するためにのみ、より広い列挙した基からよ
り狭い列挙した基を排除する。従って、例えば、Tの定
義中のヘテロ芳香族基は本来電子吸引性であることがで
きるが、1価又は2価の電子吸引性基が本明細書において
定義されているので、それらに包含されない。
【0024】D又はX位置に活性化基を使用して特定した
活性化基を得ることができ、構造I中のT及び/又はW位
置において電子吸引性基又はヘテロ芳香族基を使用し
て、さらに活性化して特定した半減期を達成できること
がさらに発見された。用語「活性化基」は、電子吸引性
基、ヘテロ芳香族基、又は芳香族基、又は1つ以上の電
子吸引性基で置換されたアリール基を意味する。好まし
くは、活性化基は、D又はX位置に加えて、T又はWの少な
くとも1つに存在する。
【0025】本発明の他の好ましい態様では、LINKは構
造IIを有する:
【0026】
【化12】
【0027】式中、X'は炭素又は硫黄を表し、Y'は酸
素、硫黄又はN−R1を表し、ここでR1は置換もしくは非
置換のアルキル又は置換もしくは非置換のアリールであ
り、pは1又は2であり、Zは炭素、酸素又は硫黄を表し、
rは0、1又は2であり、ただしX'が炭素であるとき、p及
びrの両方は1であり、X'が硫黄であり、Y'が酸素である
とき、pは2でありかつrは0であり、#はDEVに対する結
合を意味し、$はTIME又はT(t)置換炭素への結合を意味
する。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明は、熱活性化時に1,2排除
メカニズムにより分解(すなわち、アンブロック)して
現像主薬を放出する、ブロックト現像主薬を含んでなる
フォトサーモグラフ要素に関する。熱活性化は少なくと
も60℃、好ましくは少なくとも80℃、より好ましくは少
なくとも100℃の温度に、0.5〜60秒間、好ましくは1〜6
0秒間、より好ましくは2〜30秒間加熱することを意味す
る。乾式処理の態様では、熱活性化が約80℃〜180℃、
好ましくは100〜160℃の温度において起きることが好ま
しい。完全には乾式ではない現像系において、熱活性化
は添加した酸、塩基及び/又は水の存在下に約60〜140
℃の温度において起きることが好ましい。
【0029】本発明は、さらに、下記の工程を含む像形
成方法に関する:熱活性化時に1,2排除メカニズムによ
り分解して現像主薬を放出するブロックト現像主薬を有
する、像様露光された写真要素を熱現像し、前記現像さ
れた像を走査して前記現像された像から第1電子像表示
(又は「電子記録」)を形成し、前記第1電子記録をデ
ィジタル化してディジタル像を形成し、前記ディジタル
像を変更して第2電子像表示を形成し、そして前記第2電
子像表示を記憶、伝送、プリント又は表示する。
【0030】さらに、本発明は、支持体と、熱活性化時
に1,2排除メカニズムにより分解して写真的に有効な基
を放出するブロックト現像主薬とを含んでなる感光性写
真要素を有する、1回使用のカメラに関する。本発明
は、さらに、ヒーターを有する1回使用のカメラ中の前
記感光性写真要素を像様露光し、そしてカメラ中の露光
された要素を熱的に処理する工程を含む、像形成法に関
する。
【0031】いかなる特定の理論にも拘束されないが、
本発明は、ブロッキング部分、連結基及び現像主薬又は
現像主薬前駆体現像主薬を生ずる少なくとも3つの成分
にブロックト現像主薬を分離すること、例えば、前もっ
て連結基に結合した末端不飽和を有するブロッキング
基、二酸化炭素、及び現像主薬にブロックト現像主薬を
分離することを包含する、1,2排除メカニズム工程によ
りアンブロックする、ブロックト現像主薬に関する。
【0032】特に、本発明は、半減期(t1/2)≦20分
(下記において決定する)を有するブロックト現像主薬
を含んでなるフォトサーモグラフ要素に関する。さら
に、特定した構造に関していっそう詳細に後述するよう
に、ブロックト現像主薬のブロッキング部分中のある位
置において活性化基を使用することによって、特定した
半減期を得ることができることが発見された。本明細書
では、用語「活性化基」とは、電子吸引性基、ヘテロ芳
香族基、又は1つ以上の電子吸引性基で置換されたアリ
ール基を意味する。
【0033】ブロックト現像主薬は、特定した半減期に
加えて、例において定義するように、よりすぐれたピー
ク識別力(Dp)を有する。ピーク識別力とは、プロセス
温度の関数(これは後に現像時のフォトサーモグラフ要
素の最大温度として定義される)としてのDminとDmaxと
の間の最大差を意味する。好ましくは、Dpは少なくとも
2.0、より好ましくは少なくとも3.0、より好ましくは4.
0〜10.0である。好ましくは、Dpは、0.5〜60秒間、好ま
しくは1〜60秒間、より好ましくは2〜30秒の処理時間と
共に少なくとも60℃、好ましくは80〜180℃、より好ま
しくは100〜160℃の温度おけるものである。
【0034】さらに詳しくは、本発明のカラーフォトサ
ーモグラフ要素は、20分以下の半減期、及び少なくとも
60℃の温度において、少なくとも2.0のピーク識別力を
有する、下記の構造Iにより表されるブロックト現像主
薬を含んでなる:
【0035】
【化13】
【0036】式中、DEVは現像主薬であり、LINKは連結
基であり、TIMEはタイミング基であり、nは0、1、又は2
であり、tは0、1、又は2であり、そしてtが2でないと
き、必要な数の水素(2−t)個が構造中に存在し、C*
四面体(sp3混成)炭素であり、pは0又は1であり、qは0
又は1であり、wは0又は1であり、p+q=1であり、そし
てpが1であるとき、q及びwの両方は0であり、qが1であ
るとき、wは1であり、R12は水素、又は置換又は非置換
のアルキル、シクロアルキル、アリールもしくは複素環
式基であるか、あるいはR12はWと結合して環を形成する
ことができ、Tは置換又は非置換の(以下のT基に言及す
る)アルキル基、シクロアルキル基、アリール、もしく
は複素環式基、無機1価電子吸引性基、又は無機2価電子
吸引性基から独立して選択され、前記無機2価電子吸引
性基は少なくとも1つのC1〜C10有機基(R13又はR13及び
R14基)でキャップされており、好ましくは置換もしく
は非置換のアルキル又はアリール基でキャップされてい
るか、あるいはTはW又はR12と一緒になって環を形成す
るか、あるいは2つのTは結合して環を形成することがで
き、Tが(有機又は無機の)電子吸引性基、1〜7つの電
子吸引性基で置換されたアリール基、又は置換もしくは
非置換のヘテロ芳香族基であるとき、Tは活性化基であ
る。好ましくは、Tは無機基、例えば、ハロゲン、−N
O2、−CN;ハロゲン化アルキル基、例えば、−CF3、又
はR13もしくはR13及びR14によりキャップされた無機電
子吸引性基、例えば、−SO2R13、−OSO2R13、−NR14(S
O2R13)、−CO2R1 3、−COR13、−NR14(COR13)、等で
ある。特に好ましいTは1〜7つの電子吸引性基で置換さ
れたアリール基である。
【0037】Dは置換又は非置換の(以下のD基に言及)
ヘテロ芳香族基もしくはアリール基もしくは1価電子吸
引性基から選択される第1活性化基であり、ここで当該
ヘテロ芳香族基は随意選択的にT又はR12と環を形成する
ことができる。
【0038】Xは第2活性化基であり、そして2価の電子
吸引性基である。X基は少なくとも1つのW基に接続した
酸化された炭素、硫黄、又はリン原子である。好ましく
は、X基は、窒素、酸素、硫黄又はリン原子に結合した
側鎖の基以外は、四面体炭素原子を有しない。X基は、
例えば、−CO−、−SO2−、−SO2O−、−COO−、−SO2N
(R15)−、−CON(R15)−、−OPO(OR15)−、−PO
(OR15)N(R16)−、等を包含し、ここでX基の主鎖中
の(C*とWとの間の直線中の)原子は水素原子に結合さ
れていない。
【0039】WはW'又は下記の構造IAにより表される基
である:
【0040】
【化14】
【0041】W'は置換又は非置換の(以下のW'基に言及
する)アルキル(好ましくは1〜6個の炭素原子を含有す
る)、シクロアルキル(ビシクロアルキルを包含する
が、好ましくは4〜6個の炭素原子を含有する)、アリー
ル(例えば、フェニル又はナフチル)もしくは複素環式
基から独立して選択され、ここでW'はT又はR12と組み合
わせて環を形成することができ(構造IAの場合におい
て、W'は少なくとも1つの置換基、すなわち、構造IA中
のW'基の右に対する部分を含んでなり、前記置換基は定
義により活性化基であり、X又はDを含んでなる)、Wが
構造IAを有するか、あるいはW'が1つ以上の電子吸引性
基で置換されたアルキル又はシクロアルキル基;1〜7つ
の電子吸引性基で置換されたアリール基;置換もしくは
非置換のヘテロ芳香族基;又は1つ以上の電子吸引性基
で置換された、非芳香族複素環式基であるとき、Wは活
性化基である。より好ましくは、Wが電子吸引性基で置
換されているとき、置換基は無機基、例えば、ハロゲ
ン、−NO2、もしくは−CN等の無機基、又はハロゲン化
アルキル基、例えば、−CF3、又はR 13により(又はR13
及びR14により)キャップされた無機基、例えば、−SO2
R13、−OSO2R13、−NR13(SO2R14)、−CO2R13、−COR
13、−NR13(COR14)、等である。
【0042】R13、R14、R15、及びR16は置換又は非置換
の、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する、アルキル、
アリール、もしくは複素環式基、より好ましくはフェニ
ル又はC1〜C6アルキル基から独立して選択される。
【0043】次の組の任意の2つのメンバー(直接的に
結合していない):R12、T、及びD又はWは一緒になって
環を形成することができ、ただし環の形成はブロッキン
グ基の機能を妨害しない。
【0044】本発明の1つの態様では、ブロックト現像
主薬は構造Iから選択されるが、ただしtが0であると
き、Dは−CN又は置換もしくは非置換のアリールではな
く、そしてWが置換もしくは非置換のアリール又はアル
キルであるとき、Xは−SO2−ではなく;またtが活性化
基でないとき、Xは−SO2−ではなく、Wが置換もしくは
非置換のアリールの場合である。
【0045】上に示したように、構造Iのブロックト現
像主薬のブロッキング部分中のある位置において活性化
基を使用することによって、特定した半減期を得ること
ができる。さらに詳しくは、D又はX位置に活性化基を使
用して特定した活性化基を得ることができることが発見
された。さらに、構造I中のT及び/又はW位置の1又はそ
れ以上において活性化基を使用して特定した半減期を達
成することができる。上に示したように、活性化基は、
本明細書では、電子吸引性基、ヘテロ芳香族基、又は1
又はそれ以上の電子吸引性基で置換されたアリール基を
意味する。本発明の1つの態様では、特定した半減期
は、D又はXに加えて、T又はW基の少なくとも1つにおけ
る活性化基の存在により得られる。
【0046】用語「無機」は、本明細書では、炭酸塩、
シアニド、及びシアネートを除外した炭素を含有しない
基を意味する。用語「複素環式」は、本明細書では、環
の中に少なくとも1つ(好ましくは1〜3つ)のヘテロ原
子を含有する芳香族及び非芳香族の環を意味する。構造
I中の記号、例えば、Tについて列挙した基が明らかにオ
ーバーラップする場合、このような明らかなオーバーラ
ップを回避するためにのみ、より広い列挙した基からよ
り狭い列挙した基を排除する。従って、例えば、Tの定
義中のヘテロ芳香族基は本来電子吸引性であることがで
きるが、1価又は2価の電子吸引性基が本明細書において
定義されているので、それらに包含されない。
【0047】D又はX位置において活性化基を使用して特
定した活性化基を得ることができ、構造I中のT及び/又
はW位置において電子吸引性基又はヘテロ芳香族基を使
用して、さらに活性化して必要な場合、必要な半減期を
達成できることがさらに発見された。用語「活性化基」
は、電子吸引性基、ヘテロ芳香族基、又は1又はそれ以
上の電子吸引性基で置換されたアリール基を意味する。
好ましくは、D又はXに加えて、T又はWの少なくとも1つ
は活性化基である。
【0048】電子吸引性基に関すると、これは、ハメッ
ト(Hammett)置換定数(σp、σm)(L. P. Hammet
t、Physical Organic Chemistry(McGraw−Hill Boo
k Co.、NY、1940、に記載されている)により、又はタ
フト(Taft)極性置換定数(σI)(R. W. Taft、Ste
ric Effects in Organic Chemistry(Wiley andSo
ns、NY、1956、により定義される)により示すか、ある
いは推定することができ、また、他の標準的有機教科書
に記載されている。σp及びσmパラメーターは、最初に
反応部位の電子的特質に影響を与えるベンゼン環の置換
基(パラ及びメタ位)の能力を特性決定するために使用
され、安息香酸のpKaに対するそれらの作用により本来
定量された。引き続く研究はオリジナルの概念及びデー
タを拡張し、改良し、予測及び相関の目的で、σp及び
σmの標準的組は化学文献、例えば、C. Hansch等のJ.
Med. Chem.、17、1207(1973)において広く入手可
能である。アリール基の代わりに四面体炭素に結合した
置換基について、誘導置換定数σIは本明細書において
電子的性質を特性決定するために使用される。好ましく
は、アリール環上の電子吸引性基は0より大きい、より
好ましくは0.05より大きい、最も好ましくは0.1より大
きいσp又はσmを有する。置換基がパラ位でもはメタ位
でもないとき、アリール基上の電子吸引性基を定義する
ためにσpは使用される。同様に、四面体炭素上の電子
吸引性基は0より大きい、より好ましくは0.05より大き
い、最も好ましくは0.1より大きいσIを有する。2価の
基、例えば、−SO2−の場合においてさえも、使用する
σIはメチル置換アナローグ、例えば、−SO2CH3(σI
0.59)についてである。2以上の電子吸引性基が存在で
あるとき、置換定数を合計を使用して置換基の全体の効
果を推定又は特性決定する。
【0049】ディベロッパーとして使用する現像主薬は
次の通りである:
【0050】
【化15】
【0051】式中、R20は水素、ハロゲン、アルキル又
はアルコキシであり、R21は水素又はアルキルであり、R
22は水素、アルキル、アルコキシ又はアルケンジオキシ
であり、そしてR23、R24、R25、R26及びR27は水素、ア
ルキル、ヒドロキシアルキル又はスルホアルキルであ
る。
【0052】前述したように、本発明の他の好ましい態
様では、LINKは構造IIを有する:
【0053】
【化16】
【0054】式中、X'は炭素又は硫黄を表し、Y'は酸
素、硫黄又はN−R1を表し、ここでR1は置換もしくは非
置換のアルキル又は置換もしくは非置換のアリールであ
り、pは1又は2であり、Zは炭素、酸素又は硫黄を表し、
rは0又は1であり、ただしX'が炭素であるとき、p及びr
の両方は1であり、X'が硫黄であるとき、Y'は酸素であ
り、pは2であり、かつrは0であり、#はDEVに対する結
合を意味し、$はTIME又はT(t)置換された炭素への結合
を意味する。
【0055】具体的な連結基は、例えば、下記のものを
包含する:
【化17】
【0056】TIMEはタイミング基である。このような基
はこの分野においてよく知られており、例えば、次の通
りである:(1)芳香族求核置換反応を利用する基、例
えば、米国特許第5,262,291号に開示されている;(2)
ヘミアセタールの開裂反応を利用する基(米国特許第4,
146,396号、日本国出願60−249148号、60−249149
号);(3)共役系に沿った電子移動反応を利用する基
(米国特許第4,409,323号、第4,421,845号、日本国出願
57−188035号、58−987728号、58−209736号、58−2097
38号);又は(4)分子内求核置換反応を使用する基
(米国特許第4,248,962号)。
【0057】具体的なタイミング基は式T−1〜T−4によ
り例示される。
【化18】
【0058】式中、Nuは求核基であり、Eは電子不足炭
素原子を含有する、1つ以上の炭素−又はヘテロ−芳香
族環を含んでなる求電子性基であり、LINK3はNuの求核
部位とE中の電子不足炭素原子との間の直接経路におい
て1〜5個の原子を提供する連結基であり、そしてcは1又
は1である。
【0059】このようなタイミング基は、例えば、下記
のものを包含する:
【化19】
【0060】これらのタイミング基は、米国特許第5,26
2,291号(引用することによって本明細書の一部とす
る)に詳述に記載されている。
【0061】式(T−2)により表される基の特定の例を
下に示す。
【化20】
【0062】
【化21】
【0063】式中Nu1は求核基を表し、そして酸素又は
硫黄原子を求核種の例としてを与えることができる;E1
はNu1による求核攻撃に暴露される基である求電子性基
を表す;そしてLINK4は分子内求核置換反応が起こるこ
とができるような立体化学的配置をNu1及びE1が有する
ことができるようにする連結基を表す。式(T−3)によ
り表される基の特定の例を下に示す。
【0064】
【化22】
【0065】
【化23】
【0066】V、R13、R14及びdは、それぞれ、式(T−
2)に示したのと同一の意味を有する。さらに、R13及び
R14は一緒に結合してベンゼン環又は複素環を形成する
ことができ、あるいはVはR13又はR14と結合してベンゼ
ン環又は複素環を形成することができる。Z1及びZ2の各
々は独立して炭素原子又は窒素原子を表し、そしてx及
びの各々は0又は1を表す。
【0067】式(T−4)により表される基の特定の例を
下に示す。
【化24】
【0068】
【化25】
【0069】さらに詳しくは、本発明において使用する
ブロックト現像主薬は上記構造Iの範囲内であるが、下
記のより狭い構造IIIにより表される:
【0070】
【化26】
【0071】式中、ZはOH又はNR2R3であり、ここでR2
びR3は独立して水素又は置換もしくは非置換のアルキル
基であるか、あるいはR2及びR3は結合して環を形成し、
R5、R6、R7、及びR8は独立して水素、ハロゲン、ヒドロ
キシ、アミノ、アルコキシ、カーボンアミド、スルホン
アミド、アルキルスルホンアミド又はアルキルである
か、あるいはR5はR3又はR6と結合して、そして/又はR8
はR2又はR7と結合して環を形成することができ、WはW'
又は下記の構造IIIAにより表される基であり、
【0072】
【化27】
【0073】式中、T、t、C*、R12、D、p、X、q、W'及
びwは上に定義した通りであり、上記の好ましい基を含
むが、これらに限定されない。
【0074】本発明は、構造IIIに従うブロックト現像
主薬を含んでなり、前記ブロックト現像主薬が半減期
(t1/2)≦20分(下記において決定する)を有する、フ
ォトサーモグラフ要素を包含する。
【0075】ヘテロ芳香族基又は置換基に言及する場
合、ヘテロ芳香族基は好ましくは1又はそれ以上のヘテ
ロ原子、例えば、N、O、S又はSeを含有する5又は6員環
である。好ましくは、ヘテロ芳香族基は下記のものを包
含する:置換もしくは非置換のベンズイミダゾリル、ベ
ンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチエニ
ル、ベンゾフリル、フリル、イミダゾリル、インダゾリ
ル、インドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソ
オキサゾリル、オキサゾリル、ピコリニル、プリニル、
ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミ
ジニル、ピロリル、キナルジニル、キナゾリニル、キノ
リル、キノキサリニル、テトラゾリル、チアジアゾリ
ル、チアトリアゾリル、チアゾリル、チエニル、及びト
リアゾリル基。特に好ましい基は次の通りである:2−
イミダゾリル、2−ベンズイミダゾリル、2−チアゾリ
ル、2−ベンゾチアゾリル、2−オキサゾリル、2−ベン
ズオキサゾリル、2−ピリジル、2−キノリニル、1−イ
ソキノリニル、2−ピロリル、2−インドリル、2−チオ
フェニル、2−ベンゾチオフェニル、2−フリル、2−ベ
ンゾフリル、2−、4−又は5−ピリミジニル、2−ピラジ
ニル、3−、4−又は5−ピラゾリル、3−インダゾリル、
2−及び3−チエニル、2−(1,3,4−トリアゾリル)、
4−又は5−(1,2,3−トリアゾリル)、5−(1,2,
3,4−テトラアゾリル)。複素環はさらに置換されるこ
とができる。好ましい置換基は1〜6個の炭素原子を含有
するアルキル及びアルコキシ基である。
【0076】この出願において特定の部分又は基につい
て言及するとき、「置換又は非置換」は、その部分が置
換されていないか、あるいは1又はそれ以上の置換基
(最大の可能な数まで)で置換することができること、
例えば、置換又は非置換のアルキル、置換又は非置換の
ベンゼン(5つまでの置換基)、置換又は非置換のヘテ
ロ芳香族(5つまでの置換基)、及び置換又は非置換の
複素環式(5つまでの置換基)を意味する。一般に、特
記しない限り、ここにおける分子上の使用可能な置換基
は、置換又は非置換であるかどうかにかかわらず、写真
の実用性に必要な性質を破壊しない、任意の基を包含す
る。言及した基上の置換基の例は次のものを包含するこ
とができる:既知の置換基、例えば、ハロゲン、例え
ば、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード;アルコキシ、
特に「低級アルキル」(すなわち、1〜6個の炭素原子を
有する)であるもの、例えば、メトキシ、エトキシ;置
換又は非置換のアルキル、特に低級アルキル(例えば、
メチル、トリフルオロメチル);チオアルキル(例え
ば、メチルチオ又はエチルチオ)、特に1〜6個の炭素原
子を有するもの;置換及び非置換アリール、特に6〜20
個の炭素原子を有するもの(例えば、フェニル);並び
に置換又は非置換のヘテロアリール、特にN、O又はSか
ら選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5又は6員環
を有するもの(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、
ピロリル);酸基又は酸塩基、例えば、後述するもの;
並びにこの分野において知られている他の基。アルキル
置換基は特に「低級アルキル」(すなわち、1〜6個の炭
素原子を有するもの)、例えば、メチル、エチル、等を
包含することができる。シクロアルキルは、適当なら
ば、ビシクロアルキルを包含する。さらに、アルキル基
又はアルキレン基に関しては、これらは分枝鎖状、非分
枝鎖状、又は環状であることができることが理解される
であろう。
【0077】本発明において使用するために写真的に有
用なブロックト現像主薬の代表例は次の通りである:
【0078】
【化28】
【0079】
【化29】
【0080】
【化30】
【0081】
【化31】
【0082】
【化32】
【0083】
【化33】
【0084】
【化34】
【0085】
【化35】
【0086】
【化36】
【0087】
【化37】
【0088】
【化38】
【0089】
【化39】
【0090】
【化40】
【0091】
【化41】
【0092】ブロックト現像主薬は好ましくは画像形成
要素の1層以上の画像形成像形成層の中に混和される。
ブロックト現像主薬の使用量は、それを添加する各層に
おいて、好ましくは0.01〜5g/m2、より好ましくは0.1
〜2g/m2、最も好ましくは0.3〜2g/m2である。これら
は、要素のカラー形成層又は非カラー形成層であること
ができる。ブロックト現像主薬は、処理時に写真要素と
接触する、別々の要素中に含有させることができる。
【0093】画像形成要素の像様露光後、画像形成要素
の処理時に処理溶液中の酸又は塩基の存在により、画像
形成要素の処理時に画像形成要素を加熱することによ
り、及び/又は処理時に別の要素、例えば、ラミネート
シートと接触させて画像形成要素を配置することによ
り、ブロックト現像主薬は活性化される。ラミネートシ
ートは随意選択的に追加の処理薬剤、例えば、リサーチ
ディスクロージャーのSection XIX及びXX、September
1996、Number 389、Item 38957(以下、″リサーチ
ディスクロージャーI″と呼ぶ)に開示されているもの
を包含する。本明細書において言及するすべての節は、
しないかぎりリサーチディスクロージャーIの節であ
る。このような試薬は、例えば、下記のものを包含す
る:亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、ヒドロキサム酸
等、カブリ防止剤、例えば、アルカリ金属ハロゲン化
物、窒素を含有する複素環式化合物、等、金属イオン封
鎖剤、例えば、有機酸、及び他の添加剤、例えば、緩衝
剤、スルホン化ポリスチレン、汚染減少剤、殺生物剤、
脱銀剤、安定剤等。
【0094】ブロックト化合物は任意の形態の写真系に
おいて使用することができる。本発明の実施において有
用な典型的なカラーネガフィルムの構成は、下記の要
素、SCN−1により例示される:
【0095】 要素SCN−1 SOC 表面のオーバーコート BU 青記録層単位 IL1 第1中間層 GU 緑記録層単位 IL2 第2中間層 RU 赤記録層単位 AHU ハレーション防止層単位 S 支持体 SOC 表面オーバーコート
【0096】支持体Sは反射性又は透明であることがで
き、透明が通常好ましい。反射性であるとき、支持体は
白色であり、カラープリント要素において現在使用され
ている任意の普通の支持体の形態を取ることができる。
支持体が透明であるとき、それは無色であっても、色味
を有してもよく、カラーネガティブ要素において現在使
用されている任意の普通の支持体、例えば、無色又は色
味を有する透明フィルム支持体であることができる。支
持体構成の詳細はこの分野においてよく理解されてい
る。有用な支持体の例は、ポリ(ビニルアセタール)フ
ィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ(エチレンテレフ
タレート)フィルム、ポリ(エチレンナフタレート)フ
ィルム、ポリカーボネートフィルム、及び関連するフィ
ルム及び樹脂材料、ならびに紙、クロス、ガラス、金
属、及び予想される処理条件に耐える他の支持体であ
る。要素は追加の層、例えば、フィルター層、中間層、
オーバーコート層、下塗り層、ハレーション防止層等を
含有することができる。接着を増強するために下塗り層
を包含する、透明及び反射性支持構造物は、リサーチデ
ィスクロージャー IのSection XVに開示されている。
【0097】本発明の写真要素は、また、有用には、リ
サーチディスクロージャー、Item34390、November 199
2に記載されているように磁気記録材料、又は透明磁気
記録材料、例えば、米国特許第4,279,945号及び米国特
許第4,302,523号におけるように透明支持体の下側に磁
気粒子を含有する層を含むことができる。
【0098】青、緑及び赤記録層単位BU、GU及びRUの各
々は、1又はそれより多い親水性コロイド層から形成さ
れ、少なくとも1種の輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤及
び、少なくとも1種の色素画像形成カプラーを包含す
る、カプラーを含有する。緑及び赤記録単位を少なくと
も2つの記録層サブ単位に再分割して、記録ラチチュー
ドを増加しかつ画像の粒状度を減少させることが好まし
い。最も簡単な意図する構成において、層単位又は層サ
ブ単位の各々は乳剤及びカプラーを含有する単一の親水
性コロイド層から成る。層単位又は層サブ単位の中に存
在するカプラーを乳剤含有層以外の親水性コロイド層中
にコーティングするとき、カプラー含有親水性コロイド
層は現像時に乳剤から酸化された発色現像主薬を受け取
るように配置される。通常、カプラー含有層は乳剤含有
層に対して隣接する親水性コロイド層である。
【0099】きわめてすぐれた画像の鮮鋭度を保証する
ために、増感層のすべては好ましくは支持体の共通の面
上に配置される。スプールの形態であるとき、カメラ中
で巻きほどかれて、これらの層を担持する支持体の表面
に当たる前に光が増感層のすべてに当たると要素は巻か
れる。さらに、要素上に露光された像のすぐれた鮮鋭度
を保証するために、支持体より上の層単位の全厚さをコ
ントロールするのがよい。一般に、支持体の露光面上の
増感層、中間層及び保護層の全体の厚さは35μmより薄
い。
【0100】慣用の輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤から
の任意の都合のよい選択を、層単位内に組込み、本発明
の分光吸収を得るために使用することができる。典型的
に、少量のヨウ化物を含有する高臭化物乳剤を使用す
る。より高い処理速度を実現するために、高塩化物乳剤
を使用することができる。輻射線感受性の塩化銀、臭化
銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、塩化臭化銀、臭化塩化
銀、ヨウ塩化臭化銀及びヨウ臭化塩化銀の粒子のすべて
が意図される。粒子は規則的又は不規則的(例えば、平
板状)であることができる。平板状粒子乳剤、すなわ
ち、平板状粒子が全粒子投影領域の少なくとも50(好ま
しくは少なくとも70及び最適には少なくとも90)%を構
成する乳剤、は粒状度に関して感度が増加するために特
に好都合である。平板状を考慮するために、粒子はその
等価円直径(ECD)/その厚さの比が少なくとも2である
2つの主要な平行面を必要とする。特に好ましい平板状
粒子乳剤は、少なくとも5、最適には8より大きいアスペ
クト比を有するものである。好ましい平均平板状粒子厚
さは0.3μmより薄い(最も好ましくは0.2μmより薄
い)。極薄平板状粒子乳剤、すなわち、0.07μmより薄
い平均平板状粒子厚さを有する乳剤、が特別に意図され
る。この粒子は好ましくは表面潜像を形成するので、本
発明のカラーネガティブフィルム形態では、表面ディベ
ロッパー中で処理すると、粒子はネガ像を生成する。
【0101】慣用の輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤は、
上に引用したリサーチディスクロージャー I、Emulsio
n grains and their preparation、に例示されてい
る。任意の慣用形態を取ることができる、乳剤の化学増
感は、IV節、Chemical sensitization、に例示されて
いる。化学増感剤として有用な化合物は、例えば、活性
ゼラチン、硫黄、セレン、テルル、白金、パラジウム、
イリジウム、オスミウム、ルテニウム、リン、又はそれ
らの組み合わせを包含する。化学増感は一般に5〜10のp
Agレベル、4〜8のpHレベル、及び30〜80℃の温度におい
て実施される。分光増感及び増感色素は、任意の好都合
な形態を取ることができ、V節、Spectral sensitizati
on and desensitization、に例示されている。色素は
ハロゲン化銀粒子の乳剤及び親水性コロイドに、写真要
素上に乳剤を塗布する前の任意の時間に(例えば、化学
増感の間又は後に)又はそれと同時に、添加することが
できる。色素は、例えば、水又はアルコール中の溶液と
して、又は固体粒子の分散物として添加することができ
る。また、VII節、Antifoggants and stabilizers、
に例示されているように、乳剤層は典型的には1種又は
それより多いカブリ防止剤又は安定剤を含み、これらは
任意の好都合な形態を取ることができる。
【0102】本発明において使用すべきハロゲン化銀粒
子は、この分野において知られている方法、例えば、下
記の文献に記載されている方法に従って製造することが
できる:上に引用したリサーチディスクロージャー
I、及びJames、The Theory of the Photographic
Process。これらはアンモニア乳剤法、中性又は酸性乳
剤法のような方法、及びこの分野において知られている
他の方法を包含する。これらの方法は一般に保護コロイ
ドの存在下に水溶性銀塩を水溶性ハロゲン化物塩と混合
し、沈殿によりハロゲン化銀が形成する間に温度、pA
g、pHの値、等を適当な値にコントロールすることを包
含する。
【0103】粒子の沈殿の過程において、1種又はそれ
より多いドーパント(銀及びハロゲン化物以外の粒子の
吸蔵物)を導入して粒子の性質を変更することができ
る。例えば、下記の文献に記載されている、種々の慣用
ドーパントを本発明の乳剤の中に存在させることができ
る:リサーチディスクロージャー I、Section I、Emu
lsion grains and their preparation、subsection
G、Grain modifyingconditions and adjustment
s、paragraphs(3)、(4)及び(5)。さらに、米国特
許第5,360,712号(Olm他)(その開示は引用することに
よって本明細書の一部とする)に教示されているよう
に、1種又はそれより多い有機リガンドを含有する、遷
移金属六配位錯体で粒子をドープすることが特に考えら
れる。
【0104】下記の文献において論じられているよう
に、浅い電子捕獲中心(以後においてまたSETと呼ぶ)
を形成することによって、像形成速度を増加することが
できるドーパントを粒子の面心立方結晶格子の中に組込
むことが特に考えられる:リサーチディスクロージャー
Item 36736、発行、November 1994(引用すること
によって本明細書の一部とする)。
【0105】本発明の写真要素は、典型的であるよう
に、ハロゲン化銀を乳剤の形態で提供する。一般に、写
真要素は、写真要素の層として乳剤を塗布するビヒクル
を含む。有用なビヒクルは、天然に存在する物質、例え
ば、タンパク質、タンパク質誘導体、セルロース誘導体
(例えば、セルロースエステル)、ゼラチン(例えば、
アルカリ処理ゼラチン、例えば、畜牛の骨又は獣皮、又
は酸処理ゼラチン、例えば、ブタ皮ゼラチン)、脱イオ
ンゼラチン、ゼラチン誘導体(例えば、アセチル化ゼラ
チン、フタレート化ゼラチン、等)、及びリサーチディ
スクロージャーIに記載されている他のものを包含す
る。また、親水性水透過性コロイドはビヒクル又はビヒ
クル増量剤としても有用である。これらは合成ポリマー
の解こう剤、キャリア、及び/又は結合剤、例えば、ポ
リ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルラクトン)、ア
クリルアミドポリマー、ポリビニルアセタール、アルキ
ルアクリレート及びアルキルスルホアクリレート並びに
アルキルメタクリレート及びアルキルスルホメタクリレ
ートのポリマー、ポリ酢酸ビニル加水分解物、ポリアミ
ド、ポリビニルピリジン、メタクリルアミドコポリマー
を包含する。ビヒクルは乳剤中に写真要素において有用
な任意の量で存在することができる。また、乳剤は写真
要素において有用であることが知られている任意の添加
物を含むことができる。
【0106】任意の有用な量の感光性銀、例えば、ハロ
ゲン化銀を本発明において有用な要素において使用する
ことができるが、合計量は銀量で、10g/m2より少ない
ことが好ましい。7g/m2より少ない銀量が好ましく、5g
/m2より少ない銀量はなおいっそう好ましい。より少な
い量の銀は要素の光学特性を改良し、この要素を使用し
てより鮮鋭な画像の生成を可能とする。これらのより少
ない量の銀は、要素の迅速な現像及び脱銀を可能とする
ことにおいて、さらに重要である。逆に、少なくとも2.
7logEの露光ラチチュードを実現すると同時に、引伸を
意図する画像のために適切な低粒状性の位置を維持する
ために、要素の支持体表面積1m2当たり少なくとも1.5g
の塗布銀の銀塗布所要量を必要とする。
【0107】BUは少なくとも1種のイエロー色素像形成
カプラーを含有し、GUは少なくとも1種のマゼンタ色素
像形成カプラーを含有し、そしてRUは少なくとも1種の
シアン色素像形成カプラーを含有する。慣用色素像形成
カプラーの任意の好都合な組合わせを使用することがで
きる。慣用色素像形成カプラーは、上に引用したリサー
チディスクロージャー I、X、Dye image former an
d modifiers、B. Image−dye−forming couplers、
に例示されている。写真要素はさらに他の画像変性化合
物、例えば、「現像抑制剤放出」化合物(DIR)を含有
する。本発明の要素のための有用な追加のDIRはこの分
野において知られており、そして例は下記の文献に記載
されている:米国特許第3,137,578号、同3,148,022号、
同3,148,062号、同3,227,554号、同3,384,657号、同3,3
79,529号、同3,615,506号、同3,617,291号、同3,620,74
6号、同3,701,783号、同3,733,201号、同4,049,455号、
同4,095,984号、同4,126,459号、同4,149,886号、同4,1
50,228号、同4,211,562号、同4,248,962号、同4,259,43
7号、同4,362,878号、同4,409,323号、同4,477,563号、
同4,782,012号、同4,962,018号、同4,500,634号、同4,5
79,816号、同4,607,004号、同4,618,571号、同4,678,73
9号、同4,746,600号、同4,746,601号、同4,791,049号、
同4,857,447号、同4,865,959号、同4,880,342号、同4,8
86,736号、同4,937,179号、同4,946,767号、同4,948,71
6号、同4,952,485号、同4,956,269号、同4,959,299号、
同4,966,835号、及び同4,985,336号;並びに英国特許公
報第1,560,240号、同2,007,662号、同2,032,914号、同
2,099,167号;ドイツ国特許出願公開第2,842,063号、同
2,937,127号、同3,636,824号、同3,644,416号;並びに欧
州特許出願公開公報第272,573号、同335,319号、同336,
411号、同346,899号、同362,870号、同365,252号、同36
5,346号、同373,382号、同376,212号、同377,463号、同
378,236号、同384,670号、同396,486号、同401,612号及
び同401,613号である。
【0108】また、DIR化合物は下記の文献に開示され
ている:″Developer−Inhibitor−Releasing(DIR)Co
uplers for Color Photography″、C. R. Barr、
J. R.Thirtle及びP. W. Vittum、Photographic Sci
ence and Engineering,Vol. 13、p. 174(1969)
(引用することによって本明細書の一部とする)。
【0109】単一の色素像形成剤層単位内に1、2又は3
つの別々の乳剤層を塗布することが一般に行われてい
る。高い感受性の乳剤を低い感受性の乳剤の上に塗布す
るとき、2つの乳剤をブレンドするときよりもより高い
感度が実現される。低い感受性の乳剤を高い感受性の乳
剤の上に塗布するとき、2つの乳剤をブレンドするとき
よりもより高いコントラストが実現される。最高感度の
乳剤が露光輻射線源に最も近く位置し、そして最低感度
の乳剤が支持体に最も近く位置することが好ましい。
【0110】1又はそれより多い本発明の層単位は好ま
しくは少なくとも2つ、より好ましくは3又はそれより多
いサブ単位層に再分割される。色記録単位中のすべての
感光性ハロゲン化銀乳剤は、可視スペクトルの同一領域
において分光感度を有することが好ましい。この態様で
は、単位の中に混和されたすべてのハロゲン化銀乳剤は
本発明による分光吸収を有するが、それらの間の分光吸
収特性の差は小さいことが期待される。なおより好まし
い態様では、低い感度のハロゲン化銀乳剤より上に存在
する層単位の高い感度のハロゲン化銀乳剤の光遮断作用
を引き起こすように、低い感度のハロゲン化銀乳剤の増
感を特別に調整して、露光が低いレベルから高いレベル
に変化するとき、写真記録材料による均一な像様分光レ
スポンスを提供するようにする。こうして、下に横たわ
る層の分光感度のオン・ピーク(on−peak)遮断及び幅
の広がりを引き起こすように、再分割層単位の低い感度
の乳剤の中にピーク光吸収分光増感色素が高い比率で存
在することが望ましい。
【0111】中間層IL1及びIL2は、それらの主要な機能
として色汚染の減少作用、すなわち、色素形成カプラー
と反応する前に、酸化された現像主薬が隣接する記録層
単位に移動することを防止する作用を有する親水性コロ
イド層である。中間層は、一部分、酸化された現像主薬
が移動しなくてはならない拡散経路を単に長くすること
によって、有効である。酸化された現像主薬を遮断する
中間層の有効性を増加するために、酸化された現像主薬
を混和することが普通に実施されている。汚染防止剤
(酸化された現像主薬の掃去剤)は、下記の文献に記載
されているものから選択することができる:リサーチデ
ィスクロージャー I、X、Dye image formers and
modifiers、D、Hue modifiers/stabilization、parag
raph(2)。GU及びRUでは、1種以上のハロゲン化銀乳剤
が高臭化物乳剤であり、それゆえ、青色光に対して有意
な固有感度を有するとき、イエローフィルター、例え
ば、Carey Lea銀又はイエロー処理溶液脱色性色素をIL
1の中に混和することが好ましい。好適なイエローフィ
ルター色素は、下記の文献に記載されているものから選
択することができる:リサーチディスクロージャー
I、Section VIII、Absorbing and scattering mate
rials、B、Absorbing materials。本発明の要素におい
て、マゼンタ色フィルター材料はIL2及びRUの中に存在
しない。
【0112】ハレーション防止層単位AHUは典型的な処
理溶液の除去可能又は脱色可能な光吸収材料、例えば、
顔料又は色素の1種又は組合わせを含有する。好適な材
料は下記の文献に記載されているものから選択すること
ができる:リサーチディスクロージャー I、Section
VIII、Absorbing materials、B、Absorbing material
s。AHUのための普通の選択的位置は、支持体Sとその支
持体に最も近くに塗布された記録層単位との間に存在す
る。
【0113】表面の上塗SOCは、取扱い及び処理時にカ
ラーネガティブ要素を物理的に保護する親水性コロイド
層である。各SOCは、また、カラーネガティブ要素の表
面又はその付近において最も有効である、添加物の混和
のための好都合な位置を提供する。ある場合では、表面
オーバーコートは表面層と中間層とに分割され、この中
間層は表面層中の添加物と隣接する記録層単位との間の
スペーサーとして機能する。他の普通の変形では、添加
物は表面層と中間層とに分配され、この中間層は隣接す
る記録層単位と適合性である添加物を含有する。最も典
型的には、SOCは添加物、例えば、塗布助剤、可塑剤及
び滑剤、帯電防止剤及び艶消剤、例えば、下記の文献に
例示されているものを含有する:リサーチディスクロー
ジャーI、Section IX、Coating physical property
modifying addenda。乳剤層の上に横たわるSOCは紫外
線吸収剤、例えば、下記の文献に例示されているものを
含有する:リサーチディスクロージャー I、Section
VI、UV dye/opticalbrighteners/luminescent dye
s、paragraph(1)。
【0114】要素SCN−1の層単位配列の代わりに、別の
層単位配列を使用することができ、これらはある乳剤の
選択に特に魅力的である。高塩化物乳剤及び/又は薄い
(<0.2μmの平均粒子厚さ)平板状粒子乳剤を使用し
て、マイナス青記録の青色光汚染の危険なしに、BU、GU
及びRUの位置のすべての可能な互換を実行することがで
きる。なぜなら、これらの乳剤は可視スペクトルにおい
て無視可能な固有感度を示すからである。同じ理由で、
中間層の中に青色光吸収剤を混和することは不必要であ
る。
【0115】色素像形成層単位内の乳剤層が感度におい
て異なるとき、最高感度の層の中に色素像形成カプラー
を混和する量を銀に基づいて化学量論的量より少ない量
に制限することが一般に行われている。最高感度の乳剤
層の機能は、最小濃度直上の、すなわち、層単位中の残
りの1又はそれより多い乳剤層の限界感度より下の露光
領域における、特性曲線の一部分をつくることである。
このようにして、画像形成速度を犠牲にしないで、最高
感度の乳剤層の増加した粒状性が生成した色素画像に追
加されることが最小となる。
【0116】上記検討において、プリントに使用される
カラーネガティブ要素において普通に実施されているよ
うに、青、緑及び赤の記録層単位は、それぞれ、イエロ
ー、マゼンタ及びシアンを含有するとして記載される。
本発明は、慣用のカラーネガティブに好適に適用するこ
とができる。カラードマスキングカプラーが全く存在し
ないこと以外、カラー反転フィルムの構成は同様な形態
を取ることができる;典型的な形態において、現像抑制
剤放出カプラーもまた存在しない。好ましい態様では、
カラーネガティブ要素はもっぱら3つの別々の電子色記
録を生成するために走査することが考えられる。こうし
て、生成した画像色素の実際の色相は重要ではない。必
須であるものは、単に、層単位の各々において生成され
た色素画像が残りの層単位の各々により生成されるもの
と識別可能であるということである。この識別能力を提
供するために、層単位の各々は、異なるスペクトル領域
に横たわる吸収半値幅を有する画像色素を生成するよう
に選択された、1種又はそれより多い色素像形成カプラ
ーを含有することが考えられる。層単位における画像色
素の吸収半値幅が実質的に同じでない広がりを有す波長
領域に広がる限りにおいては、青、緑又は赤の記録層単
位が、プリントにおいて使用することを意図するカラー
ネガティブ要素において普通であるように、スペクトル
の青、緑又は赤領域において吸収半値幅を有するか、あ
るいは近紫外線(300〜400nm)から可視光を通りかつ近
赤外線(700〜1200nm)を通る範囲の、スペクトルの他
の好都合な領域において吸収半値幅を有するイエロー、
マゼンタ又はシアンを形成するかどうかは重要でない。
用語「実質的に同じでない広がりを有す波長領域」と
は、各画像色素が、他の画像色素の吸収半値幅が占有し
ない少なくとも25(好ましくは50)nmのスペクトル領域
にわたって延長する吸収半値幅を示すことを意味する。
理想的には、画像色素は相互に独占的である吸収半値幅
を示す。
【0117】層単位が感度の異なる2又はそれより多い
乳剤層を含有するとき、層単位の他の乳剤層の色素画像
と異なるスペクトル領域に横たわる吸収半値幅を示す色
素画像を層単位の各乳剤層の中に形成することによっ
て、電子記録から再構成した、可視画像中の粒状度を低
下することができる。この技法は、層単位が感度の異な
るサブ単位に分割されている要素に、特によく適する。
これにより、同一分光感度の乳剤層により形成された、
異なる色素画像に対応する、多数の電子記録を各層単位
についてつくることができる。最高感度の乳剤層により
形成された色素画像を走査することによって形成された
ディジタル記録は、最小濃度直上に横たわる、可視色素
画像の部分を再構成するために使用される。より高い露
光レベルにおいて、残りの1又はそれより多い乳剤層に
より形成された、スペクトル的に識別された色素画像を
走査することによって、第2及び、随意選択的に、第3の
電子記録を形成することができる。これらのディジタル
記録はより少ないノイズ(より低い粒状度)を含有し、
そして、より低い感度の乳剤層の限界露光レベルより上
の露光範囲にわたって、可視画像を再構成するとき使用
することができる。粒状度を低下する技法は、米国特許
第5,314,794号(Sutton)(その開示は引用することに
よって本明細書の一部とする)に詳細に開示されてい
る。
【0118】本発明のカラーネガティブ要素の各層単位
は、少なくとも2.7logEの露光ラチチュードを得ること
を促進する、1.5より小さい色素画像の特性曲線ガンマ
を生成する。多色写真要素の最小の許容される露光ラチ
チュードは、写真の用途において生ずることがある最も
極端に白色(例えば、花嫁の結婚式のガウン)及び最も
極端に黒色(例えば、花婿のタキシード)の正確な記録
を可能とする露光ラチチュードである。2.6logEの露光
ラチチュードは、典型的な花嫁及び花婿の結婚式のシー
ンをちょうど収容する。少なくとも3.0logEの露光ラチ
チュードは、撮影者の露光量レベルの選定誤差を十分に
許容することができるので、好ましい。さらに大きな露
光寛容度が特に好ましい。露光量の誤差がさらに大きい
場合でも正確な画像再現を得る能力が実現されるからで
ある。プリントを目的とするのカラーネガ要素の場合、
ガンマが格別に低いとプリント後の場面の視覚的魅力が
失われることがしばしばあるが、カラーネガ要素を走査
してディジタル色素画像記録をつくりだす場合には、そ
の電子信号情報の調整によりコントラストを増大させる
ことができる。本発明の要素を反射されるビームを用い
て走査する場合には、当該ビームは層ユニットを2回通
過することになる。このため、濃度変化(ΔD)が倍加
されることによりガンマ(ΔD÷ΔLogE)は事実上
2倍になる。こうして、1.0又はさらには0.6程度に低い
ガンマが考えられ、そして約5.0 logEまで又はそれ以上
の露光ラチチュードが可能である。約0.55のガンマが好
ましい。約0.4〜0.5のガンマが特に好ましい。
【0119】色素形成カプラーを使用する代わりに、多
色画像形成において使用される慣用の混和された色素画
像形成化合物を選択的に青、緑及び赤記録層単位に混和
することができる。色素画像は露光の関数として色素の
選択的破壊、形成又は物理的除去により生成することが
できる。例えば、銀色素漂白法はよく知られており、混
和された画像色素の選択的破壊による色素画像の形成に
商業的に利用されている。銀色素漂白法は下記の文献に
例示されている:リサーチディスクロージャーI、Secti
on X、Dye image formers and modifiers、A、Sil
ver Dye bleach。
【0120】また、予備形成画像色素を青、緑及び赤記
録層単位の中に混和し、色素を最初不動であるが、酸化
された現像主薬とのレドックス反応に入る作用として、
可動部分の中に色素発色団を放出することができるよう
に選択することがよく知られている。これらの化合物は
レドックス色素放出剤(RDR)として普通に呼ばれる。
放出された可動色素を洗浄除去することによって、走査
することができる保持された色素画像がつくられる。ま
た、放出された可動色素を受容体に転移することが可能
であり、ここで放出された可動色素は媒染層の中に固定
化される。次いで画像を担持する受容体を走査すること
ができる。最初、受容体はカラーネガティブ要素の一体
的部分である。要素の一体的部分を残す受容体を用いて
走査を実施するとき、受容体は典型的には透明支持体を
含有し、媒染層を担持する色素画像は支持体のちょうど
下に存在し、そして白色反射層は媒染層のちょうど下に
存在する。色素画像の走査を促進するために受容体をカ
ラーネガティブ要素から剥離する場合、受容体支持体は
反射性となることができる。この構成は、色素画像が見
ることを意図されるか、あるいは色素画像の透過走査を
可能とするように透明であるとき、普通に選択される。
RDRならびにRDRが混和される色素画像転写系は、下記の
文献に記載されている:リサーチディスクロージャー、
Vol. 151、November 1976、Item 15162。
【0121】また、最初に可動であるが、像様現像時に
不動とされる化合物により、色素画像を提供することが
できることが認識されている。この型の画像色素を利用
する画像転写系は、前に開示された色素画像転写系にお
いて長い間使用されている。本発明の実施と適合性を有
するこれら及び他の画像転写系は、下記の文献に開示さ
れている:リサーチディスクロージャー、Vol. 176、D
ecember 1978、Item17643、XXIII、Image Transfer
systems。
【0122】リサーチディスクロージャー I、Section
XIV、に例示されているように、走査に適合するカラ
ーネガティブ要素の多数の変更が示唆されている。前述
のカラーネガティブ要素の構成と適合性である範囲ま
で、本発明の実施にこれらの系を使用することが考えら
れる。
【0123】また、本発明の画像形成要素は慣用ではな
い増感スキームで使用できることが考えられる。例え
ば、スペクトルの赤、緑及び青領域に対して増感された
画像形成層の代わりに、感光材料はシーンの輝度を記録
する1つの白色感受性層、及び2つのシーンのクロミナン
スを記録する2つの感色性層を有することができる。現
像後、米国特許第5,962,205号に記載されているよう
に、生じた画像を走査し、ディジタル的に再処理して、
原シーンの全カラーを再構成することができる。また、
画像形成要素はカラー分解露光を伴うパンクロマチック
増感乳剤を含んでなることができる。この態様では、本
発明の現像剤は着色又は中性画像を生じ、この画像は、
分解露光と組み合わせて、原シーンのカラー値の完全な
復元を可能とするであろう。このような要素において、
現像された銀濃度、1種又はそれより多い慣用カプラー
の組合わせ、又は「黒」カプラー、例えば、レゾルシノ
ールカプラーにより、画像を形成することができる。分
解露光は適当なフィルターを通して順次に、又は空間的
に離散したフィルター要素(通常「カラーフィルターア
レイ」と呼ばれる)の系を通して同時に実施することが
できる。
【0124】また、本発明の画像形成要素は黒白画像形
成材料であることができ、この材料は、例えば、パンク
ロマチック増感ハロゲン化銀乳剤及び本発明のディベロ
ッパーから構成される。この態様では、処理後に現像さ
れた銀濃度によるか、又は中性像トーンスケールを担持
するために使用できる色素を生成するカプラーにより、
画像を形成することができる。
【0125】慣用の露光されたカラー写真材料の化学現
像後に記録されたシーン露光を読み出すために、慣用の
イエロー、マゼンタ及びシアンの画像色素が形成される
場合、この要素の赤、緑及び青の色記録単位のレスポン
スを、それらの濃度を検査することによって、正確に識
別することができる。デンシトメトリーは、RGB画像色
素形成単位の像様レスポンスを、相対的に独立したチャ
ンネルに分解する、選択された着色フィルターを使用す
る試料による透過光の尺度である。光学式プリントに意
図されるカラーネガティブフィルム要素のレスポンスを
計測するステイタス(Status)Mフィルター、及び直接
透視に意図されるカラー反転フィルムのためのステイタ
スAフィルターが普通に使用されている。積算デンシト
メトリーでは、不完全な画像色素の望ましくない側及び
テイルの吸収によって、少量のチャンネル混合が生じ、
全レスポンスの一部、例えば、マゼンタチャンネルは、
中性特性曲線におけるイエロー又はシアンの記録、又は
両方のオフピーク吸収から生じることがある。このよう
な人工物はフィルムの分光感度の測定において無視でき
る。積算濃度のレスポンスの適当な数学的処理により、
これらの望ましくないオフピーク濃度の寄与を完全に補
正して解析濃度を提供することができ、ここで所定の色
記録のレスポンスは他の画像色素のスペクトル寄与に対
して独立である。解析濃度の測定は、下記の文献におい
て要約された:SPSE Handbook ofPhotographic Scie
nce and Engineering、W. Thomas、編者、John Wil
eyand Sons、New York、1973、Section 15.3、Color
Densitometry、pp. 840−848。
【0126】画像ノイズを減少することができ、ここで
露光し、処理されたカラーネガティブフィルム要素を走
査して、画像パターンの操作可能な電子記録を生成し、
次いで調節された電子記録を可視形態に再変換すること
によって、画像が得られる。層のガンマ比を狭い範囲内
にあるように設計すると同時に、他の性能の欠陥を回避
するか、あるいは最小にすることによって、画像の鮮鋭
度及び多彩さを増加することができ、ここで色記録を電
子形態に配置した後、見るべき色画像を再びつくる。プ
リント時、又は電子画像記録を操作することによって、
画像ノイズを画像情報の残部から分離することは不可能
であるが、電子画像記録を調節して、既知のプリント技
法により達成不可能であるような、全体的な特性曲線の
形状及び鮮鋭度の特性を改良するために、低いノイズを
示す(低いガンマ比を有するカラーネガティブフィルム
要素により提供されるので)ことは可能である。従っ
て、光学式プリント用途に役立つように構成された通常
のカラーネガティブ要素から同様に誘導されるものより
すぐれている、このようなカラーネガティブ要素から誘
導された電子画像記録から画像を再作成することができ
る。赤、緑及び青の色記録単位の各々についてのガンマ
比が1.2より小さいとき、記載した要素のすぐれた画像
形成特性が得られる。より好ましい態様では、赤、緑及
び青感性色生成単位の各々は1.15より低いガンマ比を示
す。なおより好ましい態様では、赤及び青感性色生成単
位の各々は1.10より低いガンマ比を示す。最も好ましい
態様では、赤、緑及び青感性色生成単位の各々は1.10よ
り低いガンマ比を示す。すべての場合において、個々の
色単位(複数可)は1.15より低いガンマ比を示すことが
好ましく、それらは1.10より低いガンマ比を示すことが
より好ましく、そしてそれらは1.05より低いガンマ比を
示すことがなおより好ましい。層単位のガンマ比が等し
いことは不要である。ガンマ比のこれらの低い値は、層
単位間の低いレベルの層間相互作用(また、インターレ
イヤーインターイメージ効果として知られている)を示
し、走査及び電子的操作後の画像の品質の改良を引き起
こすと考えられる。層単位間の化学的相互作用から生ず
る、明らかに有害な画像特性を、画像操作時に電子的に
抑制する必要はない。既知の電子的画像操作スキームを
使用して、相互作用を適切に抑制できない場合、相互作
用は面倒なことが多い。
【0127】すぐれた感光性を有する要素が、本発明の
実施において最もよく使用される。要素は少なくとも約
ISO 50の感度を有し、好ましくは少なくとも約ISO 10
0の感度を有し、より好ましくは少なくとも約ISO 200
を有する。ISO 3200又はさらにそれより高い感度を有
する要素が特別に考えられる。カラーネガ写真要素のス
ピード(即ち、感度)は、処理後のカブリ上の特定の濃
度に到達するのに必要な露光量に反比例する。各色記録
において約0.65のガンマを有するカラーネガ要素の
写真スピードが、米国規格協会(ANSI: American Natio
nal StandardsInstitute )によってANSI規格番号PH2.27
-1981(ISO(ASA スピード)として特に規定されている。
これは、カラーフィルムの緑光感光性色記録ユニットと
最も低い感光性の色記録ユニットのそれぞれの最小濃度
より0.15の濃度を生成するのに要する平均露光量レ
ベルに関する。この定義は国際標準化機構(ISO: Inter
national Standards Organization)のフィルムスピード
等級に一致する。この開示の目的のために、色単位ガン
マが0.65と異なる場合、別な方法で規定した様式で
スピードを決定する前に、ガンマ対LogE(露光量)
曲線を0.65値に対して線形的に展開又は逆展開する
ことによってASA又はISOスピードを計算する。
【0128】本発明は、また、1回使用のカメラ(又は
「レンズ付きフィルム」ユニット)としばしば呼ばれ
る、本発明の写真要素の使用を包含する。これらのカメ
ラはそれらの中に前もって装填されたフィルムとともに
販売されており、露光されたフィルムをカメラ内に残し
たままカメラ全体は現像所に戻される。本発明において
使用する1回使用のカメラは、この分野において知られ
ているいずれのものにもなることができる。これらのカ
メラは、この分野において知られているような特別の特
徴、例えば、シャッター手段、フィルム巻取り手段、フ
ィルム進行手段、防水ハウジング、単一又は複数のレン
ズ、レンズ選択手段、可変絞り、フォーカス又は焦点距
離のレンズ、ライティング条件をモニターする手段、使
用説明書に準備されたライティング条件又はユーザーに
基づいてシャッター時間又はレンズ特徴を調節する手
段、及び使用条件をフィルム上に直接記録するカメラの
手段を提供することができる。
【0129】これらの特徴には次のものを包含するが、
これらに限定されない:フィルムの進行及びシャッター
のリセットをマニュアル又は自動的に行う簡素化された
機構、Skarman、米国特許第4,226,517号に記載されてい
る;自動露光制御装置、Matterson等の米国特許第4,34
5,835号に記載されている;湿分防止機構、Fujimura等
の米国特許第4,766,451号に記載されている;内部及び
外部のフィルムケーシングの装備、Ohumra等の米国特許
第4,751,536号に記載されている;使用条件をフィルム
上に記録する手段の装備、Taniguchi等の米国特許第4,7
80,735号に記載されている;レンズ嵌合カメラの装備、
Arai等の米国特許第4,804,987号に記載されている;よ
りすぐれたカール防止特性を有するフィルム支持体の装
備、Sasaki等の米国特許第4,827,298号に記載されてい
る;ファインダーの装備、Ohmura等の米国特許第4,812,
863号に記載されている;規定された焦点距離及びレン
ズ速度を有するレンズの装備、Ushiro等の米国特許第4,
812,866号に記載されている;複数のフィルム容器の装
備、Nakayama等の米国特許第4,831,398号及びOhmura等
の米国特許第4,833,495号に記載されている;改良され
た抗摩擦特性を有するフィルムの装備、Shiba、米国特
許第4,866,469号に記載されている;巻取り機構、回転
スプール、又は弾性スリーブ、Machida、米国特許第4,8
84,087号に記載されている;軸方向に取出し可能なフィ
ルムパトローネ又はカートリッジの装備、Takei等の米
国特許第4,890,130号及び米国特許第5,063,400号に記載
されている;エレクトロニックフラッシュ手段の装備、
Ohmura等の米国特許第4,896,178号に記載されている;
露光を実施する外部から操作可能な部材の装備、Mochid
a等の米国特許第4,954,857号に記載されている;変更さ
れたスプロケット孔を有するフィルム支持体及び前記フ
ィルムを進行する手段の装備、Murakami、米国特許第5,
049,908号に記載されている;内部鏡手段の装備、Har
a、米国特許第5,084,719号に記載されている;及び緊密
に巻かれたスプール上で使用するために好適なハロゲン
化銀乳剤の装備、Yagi等の欧州特許出願0,466,417号に
記載されている。
【0130】フィルムはこの分野において知られている
任意の方法で1回使用のカメラに取付けることができる
が、押込み式(thrust)カートリッジにより露光時に巻
取られるように、1回使用のカメラの中にフィルムを取
付けることが特に好ましい。押込み式カートリッジは下
記の文献に開示されている:Kataoka等の米国特許第5,2
26,613号;Zander、米国特許第5,200,777号;Dowling等
の米国特許第5,031,852号;及びRobertson等の米国特許
第4,834,306号。このようにして押込み式カートリッジ
を使用するために適当な小さなボディの1回使用のカメ
ラは、Tobioka等の米国特許第5,692,221号に開示されて
いる。
【0131】カメラは内蔵処理能力、例えば、加熱要素
を含有することができる。像捕捉及び表示システムにお
いてそれらを使用することを含めたこのようなカメラの
設計は、米国特許出願第09/388,573号(1999年9月1日
提出、引用することによって本明細書の一部とする)に
開示されている。前記出願に開示されているような1回
使用のカメラの使用は、本発明の実施において特に好ま
しい。
【0132】本発明の写真要素は、既知の技法、例え
ば、リサーチディスクロージャー I、Section XVI、
に記載されている技法を使用して、好ましくは像様露光
される。これは典型的にはスペクトルの可視領域の光に
対して露光を包含し、典型的なこのような露光はレンズ
を通るライブ像であるが、露光はまた光放射装置(例え
ば、発光ダイオード、CRT等)により記憶像(例えば、
コンピューターに記憶させた像)に対する露光であるこ
とができる。フォトサーモグラフ要素は、また、種々の
形のエネルギー、例えば、電磁スペクトルの紫外及び赤
外領域ならびに電子ビーム及びベータ線、ガンマ線、X
線、アルファ粒子、中性子線及びレーザーにより生成さ
れる非コーヒーレント(ランダム相)又はコーヒーレン
ト(同相)な形の粒子波様輻射線エネルギーの他の形態
により露光される。露光は写真ハロゲン化銀の分光感度
に従って、モノクロマチック、オルソクロマチック又は
パンクロマチックである。
【0133】前述したように本発明の要素は、下記のプ
ロセスのいくつか又はすべてについての開始材料として
働く:捕捉画像の電子的表現を生成する画像走査、及び
その後、その画像を操作し、記憶し、伝送し、出力し、
又は電子的に表示するディジタル処理。
【0134】本発明のブロックト現像主薬は、前述の特
徴のいずれか又はすべてを有するが、別の形態の処理に
意図される写真要素において使用することができる。こ
れらの型の系を下記に詳細に説明する。
【0135】型I: 熱プロセス系(サーモグラフ及
びフォトサーモグラフ)、ここで処理は画像形成要素を
もっぱら加熱することによって開始される。
【0136】型II: 低容量プロセス系、ここでフィル
ム処理は処理溶液に対する接触により開始されるが、処
理液の容量は処理すべき画像形成層の全体積に匹敵す
る。この型の系は、非溶液処理補助因子、例えば、処理
時に適用される加熱又はラミネート層を包含することが
できる。型I及びIIをここで説明する。
【0137】型I: サーモグラフ及びフォトサーモグ
ラフ系 本発明の1つの態様によれば、ブロックト現像主薬をフ
ォトサーモグラフ要素の中に組込む。リサーチディスク
ロージャー 17029に記載されている型のフォトサーモ
グラフ要素を引用することにより本明細書の内容とす
る。フォトサーモグラフ要素は、リサーチディスクロー
ジャー Iに開示されているように型A又は型Bであるこ
とができる。型A要素は反応的関連する感光性ハロゲン
化銀、還元剤又はディベロッパー、アクチベーター、及
び塗布ビヒクル又は結合剤を含有する。これらの系で
は、現像は感光性ハロゲン化銀中の銀イオンを金属銀に
還元させることによって起こる。型B系は有機化合物と
銀イオンとの塩又は錯体に加えて型Aの要素のすべてを
含有することができる。これらの系では、この有機錯体
は現像時に還元されて金属銀を生ずる。有機銀塩は銀ド
ナーと呼ばれる。このような画像形成要素を記載する参
考文献には、例えば、米国特許第3,457,075号;第4,45
9,350号;第4,264,725号及び第4,741,992号が含まれ
る。
【0138】フォトサーモグラフ要素は、写真ハロゲン
化銀から本質的に成る感光成分を含んでなる。型Bのフ
ォトサーモグラフ材料において、ハロゲン化銀からの潜
像の銀は処理時に記載した像形成組合わせの触媒として
作用すると考えられる。これらの系において、写真ハロ
ゲン化銀の好ましい濃度は、フォトサーモグラフ材料中
のドナー1モル当たり0.01〜100モルの写真ハロゲン化
銀の範囲内である。
【0139】型Bフォトサーモグラフ要素は、有機銀塩
酸化剤を含有する酸化−還元画像形成組合わせを含んで
なる。有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露
光された光触媒(すなわち、感光性ハロゲン化銀)及び
還元剤の存在下で80℃又はそれより高い温度に加熱した
とき、銀画像の形成を補助する。
【0140】好適な有機銀塩は、カルボキシル基を有す
る有機化合物の銀塩である。その好ましい例は、脂肪族
カルボン酸の銀塩及び芳香族カルボン酸の銀塩を包含す
る。脂肪族カルボン酸の銀塩の好ましい例は、ベヘン酸
銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カ
プリル酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイ
ン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、葉酸銀、リノール酸
銀、酪酸銀及びショウノウ酸銀、それらの混合物、等を
包含する。ハロゲン原子又はヒドロキシル基で置換され
た銀塩をまた有効に使用することができる。芳香族カル
ボン酸及び他のカルボキシル基含有化合物の銀塩の好ま
しい例は、安息香酸銀、置換安息香酸銀、例えば、3,5
−ジヒドロキシ安息香酸銀、o−メチル安息香酸銀、m−
メチル安息香酸銀、p−メチル安息香酸銀、2,4−ジクロ
ロ安息香酸銀、アセトアミド安息香酸銀、p−フェニル
安息香酸銀、等、没食子酸銀、タンニン酸銀、フタル酸
銀、テレフタル酸銀、サリチル酸銀、フェニル酢酸銀、
ピロメリト酸銀、3−カルボキシメチル−4−メチル−4
−チアゾリン−2−チオンの銀塩又はその他(米国特許
第3,785,830号に記載されている)、及びチオエーテル
基を含有する脂肪族カルボン酸の銀塩(米国特許第3,33
0,663号に記載されている)を包含する。
【0141】5又は6個の環原子を含有し、それらのうち
の少なくとも1つが窒素であり、他の環原子が炭素原子
及び2個までの酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテ
ロ原子を含む、複素環式核を有するメルカプト又はチオ
ン置換化合物の銀塩が特に考えられる。典型的な好まし
い複素環式核は、トリアゾール、オキサゾール、チアゾ
ール、チアゾリン、イミダゾリン、イミダゾール、ジア
ゾール、ピリジン及びトリアジンを包含する。これらの
複素環式化合物の好ましい例は下記のものを包含する:
3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4トリアゾールの銀
塩、2−メルカプトベンズイミダゾールの銀塩、2−メル
カプト−5−アミノチアジアゾールの銀塩、2−(2−エ
チルグルコアミド)ベンゾチアゾールの銀塩、5−カル
ボキシル−1−メチル−2−フェニル−4−チオピリジン
の銀塩、メルカプトトリアジンの銀塩、2−メルカプト
ベンズオキサゾールの銀塩、米国特許第4,123,274号に
記載されている銀塩、例えば、1,2,4−メルカプトチア
ゾール誘導体の銀塩、例えば、3−アミノ−5−ベンジル
チオ−1,2,4−チアゾールの銀塩、チオン化合物の銀
塩、例えば、米国特許第3,201,678号に開示されている3
−(2−カルボキシエチル)−4−メチル−4−チアゾリ
ン−2−チオンの銀塩。複素環式核を含有しない他の有
用なメルカプト又はチオン置換化合物の例は下記により
例示される:チオグリコール酸の銀塩、例えば、S−ア
ルキルチオグリコール酸の銀塩(ここでアルキル基は12
〜22個の炭素原子を有する)日本国特許出願48-28221号
に記載されている、ジチオカルボン酸の銀塩、例えば、
ジチオ酢酸の銀塩、及びチオアミドの銀塩。
【0142】さらに、イミノ基を含有する化合物の銀塩
を使用することができる。これらの化合物の好ましい例
は下記のものを包含する:ベンゾトリアゾール及びその
誘導体の銀塩、例えば、ベンゾトリアゾール又はメチル
ベンゾトリアゾールの銀塩、等、日本国特許公開44-302
70号及び45-18146号に記載されている;ハロゲン置換ベ
ンゾトリアゾールの銀塩、例えば、5−クロロベンゾト
リアゾールの銀塩、等;1,2,4−トリアゾールの銀塩、3
−アミノ−5−メルカプトベンジル−1,2,4−トリアゾー
ルの銀塩、1H−テトラゾールの銀塩、米国特許第4,220,
709号に記載されている;イミダゾール及びイミダゾー
ル誘導体の銀塩、等。
【0143】また、商用ベヘン酸ナトリウム塩との水溶
液から沈澱することによって製造されるベヘン酸銀とベ
ヘン酸との等モルブレンド(約14.5%が銀が好ましい例
を表す)の銀半セッケンを使用することが便利であるこ
とも分かった。透明フィルムの裏引き上につくられた透
明シート材料は透明コーティングを必要とし、この目的
のために、約4又は5%以下の遊離ベヘン酸を含有し、約
25.2%の銀と分析される、ベヘン酸銀の完全なセッケン
を使用することができる。銀セッケン分散物を製造する
方法はこの分野ではよく知られており、そしてリサーチ
ディスクロージャー October 1983(23419)及び米国
特許第3,985,565号に開示されている。
【0144】また、銀塩錯体は、また、銀イオン種、例
えば、硝酸銀の水溶液、及び銀と錯化させるべき有機配
位子の溶液を混合することによって製造することができ
る。この混合プロセスは、任意の好都合な形、例えば、
ハロゲン化銀沈殿において使用される形を取ることがで
きる。安定剤を使用して銀錯体粒子の凝集を回避するこ
とができる。安定剤は写真分野において有効であること
知られている材料の任意のもの、例えば、ゼラチン、ポ
リビニルアルコール又はポリマーもしくはモノマー界面
活性剤であることができるが、これらに限定されない。
【0145】感光性ハロゲン化銀粒子及び有機銀塩は、
現像時に触媒的近接関係にあるように、塗布される。そ
れらは隣接層に塗布することができるが、好ましくは塗
布前に混合される。慣用の混合技法は下記の文献に例示
されている:上に引用したリサーチディスクロージャ
ー、Item 17029、ならびに米国特許第3,700,458号及び
公開日本国特許出願50-32928、49-13224、50-17216及び
51-42729。
【0146】ブロックト現像主薬に追加して、還元剤を
添加することができる。有機銀塩のための還元剤は、銀
イオンを金属銀に還元することができる任意の材料、好
ましくは、有機材料であることができる。通常の写真デ
ィベロッパー、例えば、3−ピラゾリジノン、ヒドロキ
ノン、p−アミノフェノール、p−フェニレンジアミン及
びカテコールが有用であるが、ヒンダードフェノール還
元剤が好ましい。還元剤は好ましくはフォトサーモグラ
フ層の5〜25%の濃度範囲で存在する。
【0147】乾式銀系において下記のものを包含する多
種多様の還元剤が開示されている:アミドキシム、例え
ば、フェニルアミドキシム、2−チエニルアミドキシム
及びp−フェノキシ−フェニルアミドキシム、アジン
(例えば、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンズアル
デヒドアジン);脂肪族カルボン酸アリールヒドラジド
及びアスコルビン酸の組合わせ、例えば、2,2'−ビス
(ヒドロキシメチル)プロピオニルベータフェニルヒド
ラジド及びアスコルビン酸の組合わせ;ポリヒドロキシ
ベンゼン及びヒドロキシルアミンの組合わせ、レダクト
ン及び/又はヒドラジン、例えば、ヒドロキノン及びビ
ス(エトキシエチル)ヒドロキシルアミンの組合わせ、
ピペリジノヘキソースレダクトン又はホルミル−4−メ
チルフェニルヒドラジン、ヒドロキサム酸、例えば、フ
ェニルヒドロキサム酸、p−ヒドロキシフェニル−ヒド
ロキサム酸、及びo−アラニンヒドロキサム酸;アジン
及びスルホンアミドフェノールの組合わせ、例えば、フ
ェノチアジン及び2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホン
アミドフェノール;α−シアノ−フェニル酢酸誘導体、
例えば、エチルα−シアノ−2−メチルフェニルアセテ
ート、エチルα−シアノ−フェニルアセテート;ビス−
β−ナフトール、例えば、2,2'−ジヒドロキシル−1−
ビナフチル、6,6'−ジブロモ−2,2'−ジヒドロキシ−1,
1'−ビナフチル、及びビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチ
ル)メタン;ビス−o−ナフトール及び1,3−ジヒドロキ
シベンゼン誘導体の組合わせ、(例えば、2,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン又は2,4−ジヒドロキシアセトフ
ェノン);5−ピラゾロン、例えば、3−メチル−1−フ
ェニル−5−ピラゾロン;レダクトン、例えば、ジメチ
ルアミノヘキソースレダクトン、アンヒドロジヒドロア
ミノヘキソースレダクトン、及びアンヒドロジヒドロ−
ピペリドン−ヘキソースレダクトン;スルファミドフェ
ノール還元剤、例えば、2,6−ジクロロ−4−ベンゼン−
スルホン−アミド−フェノール、及びp−ベンゼンスル
ホンアミドフェノール;2−フェニルインダン−1,3−ジ
オン等;クロマン、例えば、2,2−ジメチル−7−t−ブ
チル−6−ヒドロキシクロマン;1,4−ジヒドロピリジ
ン、例えば、2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ
−1,4−ジヒドロピリジン;ビスフェノール、例えば、
ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニ
ル)−メタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル
フェニル)−プロパン;4,4−エチリデン−ビス(2−t
−ブチル−6−メチルフェノール);及び2,2−ビス(3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;アス
コルビン酸誘導体、例えば、1−アスコルビル−パルミ
テート、アスコルビルステアレート並びに不飽和アルデ
ヒド及びケトン、例えば、ベンジル及びジアセチル;ピ
ラゾリン−3−オン;並びにある種のインダン−1,3−ジ
オン。
【0148】フォトサーモグラフ要素中の有機還元剤の
最適濃度は、因子、例えば、特定のフォトサーモグラフ
要素、所望の画像、処理条件、特定の有機銀塩及び特定
の酸化剤に依存して変化する。
【0149】フォトサーモグラフ要素は熱溶媒を含んで
なることができる。熱溶媒の例は、例えば、サリチルア
ニリド、フタルイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N
−カリウム−フタルイミド、スクシンイミド、N−ヒド
ロキシ−1,8−ナフタルイミド、フタラジン、1−(2H)
−フタラジノン、2−アセチルフタラジノン、ベンズア
ニリド、及びベンゼンスルホンアミドである。従来技術
の熱溶媒は、例えば、米国特許第6,013,420号(Windend
er)に開示されている。調色剤及び調色剤の例は、例え
ば、リサーチディスクロージャー、June 1978、Item
No. 17029及び米国特許第4,123,282号に記載されてい
る。
【0150】処理後の画像安定剤及び潜像保持安定剤
は、フォトサーモグラフ要素において有用である。フォ
トサーモグラフ分野において知られている安定剤のいず
れも、記載したフォトサーモグラフ要素のために有用で
ある。有用な安定剤は、例えば、米国特許第4,459,350
号に記載されている、光分解活性安定剤及び安定剤前駆
体を包含する。有用な安定剤の他の例は、アゾールチオ
エーテル及びブロックトアゾリンチオン安定剤前駆体及
びカルバモイル安定剤前駆体、例えば、米国特許第3,87
7,940号に記載されているものを包含する。
【0151】フォトサーモグラフ要素は好ましくは種々
のコロイド及びポリマーを、単独で、あるいはそれらと
ビヒクル及び結合剤との組合わせで、種々の層の中に含
有する。それらは透明又は半透明であり、そして天然に
存在する物質、例えば、ゼラチン、ゼラチン誘導体、セ
ルロース誘導体、多糖、例えば、デキストラン、アラビ
アゴム等;合成ポリマー物質、例えば、水溶性ポリビニ
ル化合物、例えば、ポリ(ビニルピロリドン)及びアク
リルアミドポリマーの両方を包含する。有用である他の
合成ポリマー化合物は、分散されたビニル化合物、例え
ば、ラテックス形態のビニル化合物及び特に写真要素の
寸法安定性を増加させるものを包含する。有効なポリマ
ーは、水不溶性アクリレート、例えば、アルキルアクリ
レート及びメタクリレート、アクリル酸、スルホアクリ
レート、及び架橋部位を有するものを包含する。好まし
い高分子量材料及び樹脂は、ポリ(ビニルブチラー
ル)、酢酸酪酸セルロース、ポリ(メチルメタクリレー
ト)、ポリ(ビニルピロリドン)、エチルセルロース、
ポリスチレン、ポリ(塩化ビニル)、塩素化ゴム、ポリ
イソブチレン、ブタジエン−スチレンコポリマー、塩化
ビニルと酢酸ビニルとのコポリマー、塩化ビニリデンと
酢酸ビニルとのコポリマー、ポリ(ビニルアルコール)
及びポリカーボネートを包含する。有機溶媒を使用して
塗布を行うとき、有機可溶性樹脂を塗布配合物の中に直
接混合することによって塗布することができる。水溶液
から塗布するとき、任意の有用な有機可溶性材料をラテ
ックス又は他の微細粒子分散物として混和することがで
きる。
【0152】記載するフォトサーモグラフ要素は、有用
な画像の形成を促進することが知られている添加物を含
有することができる。フォトサーモグラフ要素は、感度
を増加させる化合物、増感色素、硬膜剤、帯電防止剤、
可塑剤及び滑剤、塗布助剤、蛍光増白剤、吸収及びフィ
ルター色素として機能する現像改良剤、例えば、リサー
チディスクロージャー、December 1978、Item No. 1
7643及びリサーチディスクロージャー、June 1978、It
em No. 17029、に記載されているものを包含する。
【0153】フォトサーモグラフ要素の層は、写真技術
分野において知られている塗布手順、例えば、浸漬塗
布、エアナイフ塗布、カーテン塗布又はホッパーを使用
する押出塗布により、支持体上に塗布される。所望なら
ば、2又はそれより多い層を同時に塗布する。
【0154】記載するフォトサーモグラフ要素は、露光
及び処理前においてフォトサーモグラフ要素の安定化を
促進するために、熱安定剤を含むことが好ましい。この
ような熱安定剤は、貯蔵時のフォトサーモグラフ要素の
安定性を改良する。好ましい熱安定剤は、2−ブロモ−2
−アリールスルホニルアセトアミド、例えば、2−ブロ
モ−2−p−トリスルホニルアセトアミド;2−(トリブ
ロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾール;及び6−置
換−2,4−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、
例えば、6−メチル又は6−フェニル−2,4−ビス(トリ
ブロモメチル)−s−トリアジンである。
【0155】像様露光は、フォトサーモグラフ要素の中
に現像可能な潜像を生成するために十分な時間及び強度
であることが好ましい。
【0156】フォトサーモグラフ要素の像様露光後、生
ずる潜像を種々の方法で現像することができる。最も簡
単な方法は要素を熱処理温度に全体的に加熱することで
ある。この全体的加熱は、フォトサーモグラフ要素を約
90℃〜約180℃の範囲内の温度に、現像された画像が形
成されるまで、例えば、約0.5〜約60秒間、単に加熱す
ることを包含する。熱処理温度を高くするか、あるいは
低くすることによって、処理時間をより短くするか、あ
るいは長くすることは有用である。好ましい熱処理温度
は約100℃〜約160℃の範囲内である。サーモグラフ技術
分野において知られている加熱手段は、露光されたフォ
トサーモグラフ要素のために所望の処理方法を得るため
に有用である。加熱手段は、例えば、簡単なホットプレ
ート、アイロン、ローラー、加熱ドラム、マイクロ波加
熱手段、加熱された空気、蒸気、等である。
【0157】フォトサーモグラフ要素の処理装置の設計
を、要素の貯蔵及び使用に使用するカセット又はカート
リッジの設計と組合わせることが考えられる。要素の処
理条件又は走査を変更するために、フィルム又はカート
リッジ上に記憶されたデータを使用することができる。
画像形成系においてこれらの工程を達成する方法は、米
国特許出願第09/206,586号、第09/206,612号、及び第
09/206,583号、1998年12月7日提出(これらは引用する
ことによって本明細書の一部とする)に開示されてい
る。情報を要素上に書くために処理装置を使用できる装
置を使用することが、また、考えられる。これらの情報
は、処理、走査、及び画像の表示を調節するために使用
することができる。このシステムは米国特許出願第09/
206,914号、1998年12月7日提出及び第09/333,092号、1
999年6月15日提出(これらは引用することによって本明
細書の一部とする)に開示されている。
【0158】熱処理は好ましくは周囲条件下の圧力及び
湿度で実施される。通常の大気の圧力及び湿度外の条件
も有用である。
【0159】フォトサーモグラフ要素の構成要素は、所
望の画像を提供する要素中の任意の位置に存在すること
ができる。所望ならば、1つ以上の構成要素が要素の1つ
以上層の中に存在することができる。例えば、ある場合
では、一定比率の還元剤、トナー、安定剤及び/又は他
の添加物を要素のフォトサーモグラフ像記録層の上の上
塗層の中に添加することが望ましい。これは、いくつか
の場合において、要素の層中のある種の添加物の移動を
減少させる。
【0160】本発明の1つの態様によれば、ブロックト
現像主薬をサーモグラフ要素の中に混和する。サーモグ
ラフ要素では、画像は要素を像様加熱することによって
形成される。このような要素は、例えば、下記の文献に
記載されている:リサーチディスクロージャー、June
1978、Item No. 17029及び米国特許第3,080,254号、
第3,457,075号及び第3,933,508号(それらの開示は引用
することによって本明細書の一部とする)。熱エネルギ
ー源及び画像形成手段は、サーモグラフ画像形成分野に
おいて知られている、任意の熱露光源及び手段であるこ
とができる。サーモグラフ画像形成手段は、例えば、赤
外線加熱手段、レーザー、マイクロ波加熱手段又はその
他であることができる。
【0161】走査技術の分野における進歩にかんがみ
て、フォトサーモグラフカラーフィルム、例えば、EP
0762201に開示されているフィルムを走査することは普
通でありかつ実用的であるようになり、これはネガから
銀又はハロゲン化銀を除去する必要なしに達成すること
ができるが、このような走査のための特別の装置を製造
して走査の品質を改良することができる。例えば、下記
の文献を参照されたい:Simmonsの米国特許第5,391,443
号。
【0162】しかし、保持されているハロゲン化銀は光
を散乱させ、鮮鋭度を減少させ、そしてフィルムの全体
の濃度を上昇させるので走査を低下させる。さらに、保
持されているハロゲン化銀を周囲光/可視光線/走査光
に対して焼き出しして、非像様濃度とし、原シーンのノ
イズに対する信号を低下させ、そしてなおより高く濃度
を上昇させることができる。最終的に、保持されている
ハロゲン化銀及び有機銀塩は他のフィルム薬剤と反応的
に組み合わさったままとなる場合があり、記録媒体とし
て不適当にする。これらの銀源の除去又は安定化は、PT
Gフィルムを永久保存状態にするために必要である。
【0163】さらに、PTGフィルムにおいて塗布された
銀(ハロゲン化銀、銀ドナー、及び金属銀)は生成され
た色素画像に対して不必要であり、そしてこの銀は価値
があり、それを回収することが非常に望ましい。
【0164】このように、その後の処理工程において、
フィルムの1つ以上の銀含有成分を除去することが望ま
しい場合がある:ハロゲン化銀、1種又はそれより多い
銀ドナー、銀含有熱カブリ抑制剤(存在する場合)、及
び/又は金属銀。3主要源は、現像された金属銀、ハロ
ゲン化銀、及び銀ドナーである。あるいは、フォトサー
モグラフフィルム中のハロゲン化銀を安定化することが
望ましいことがある。フィルム中の銀及び/又は銀源の
全量に基づいて、銀は完全に又は部分的に安定化/除去
することができる。
【0165】ハロゲン化銀及び銀ドナーの除去は、写真
分野において知られているように、普通の定着薬剤を用
いて達成することができる。有効な薬剤の例は次の通り
である:チオエーテル、チオ尿素、チオール、チオン、
チオンアミド、アミン、第四級アミン塩、尿素、チオ硫
酸塩、チオシアネート、重亜硫酸塩、アミンオキシド、
イミノジエタノール−二酸化硫黄付加錯体、両性アミ
ン、ビス−スルホニルメタン、並びにこれらの化合物の
カルボン酸誘導体及び複素環式誘導体。これらの薬剤
は、銀イオンと可溶性錯体を形成し、銀をフィルムから
受容ビヒクルの中に移動する能力を有する。受容ビヒク
ルは、別の塗布層(ラミネート)又は通常の液体処理浴
となることができる。
【0166】ハロゲン化銀及び銀ドナーの安定化は、ま
た、普通の安定化試薬により達成することができる。前
述の銀塩除去化合物をこれに関して使用することができ
る。安定化関して、銀をフィルムから除く必要はない
が、定着主薬及び安定剤は非常によく単一試薬となるこ
とができる。安定化された銀の物理的状態は、ハロゲン
化銀及び銀ドナーの場合のように、大きい(>50nm)粒
子ではもはやないので、安定化された状態は、光散乱及
び全体的濃度がより低く、走査のために画像をいっそう
好適なものとするという利点を有する。
【0167】金属銀の除去はハロゲン化銀及び銀ドナー
の除去よりも困難である。一般に、2つの反応工程が関
係する。第1工程は金属銀を銀イオンに漂白することで
ある。第2工程は、ハロゲン化銀及び銀ドナーについて
前述した除去/安定化工程(複数可)と同一であること
ができる。金属銀はPTGフィルムの永久記録安定性を危
うくしない安定な状態である。従って、PTGフィルムの
安定化が銀の除去よりも望ましい場合、漂白工程をスキ
ップして、金属銀をフィルムの中に残してもよい。金属
銀を除去する場合、漂白及び定着工程を一緒に(ブリッ
クスと呼ぶ)又は順次に(漂白+定着)実施することが
できる。
【0168】このプロセスは工程の1又はそれより多い
シナリオ又は変更を含むことができるであろう。工程は
一方から直ちにもう一方に実施するか、あるいは時間及
び位置に関して遅延させることができる。例えば、加熱
現像及び走査を遠隔のキオスクにおいて実施し、次いで
数日後に小売写真仕上店において定着を達成することが
できる。1つの態様では、画像の走査を複数回実施す
る。例えば、初期走査を画像のソフト表示において行う
か、又は加熱処理後のより低いコストのハード表示で行
うことができ、次いで安定化後により高い品質又はより
高いコストの二次走査を、随意選択的に初期表示からの
選択に基づいて、永久記録又はプリントのために実施す
る。
【0169】例示の目的での、普通の乾式加熱現像工程
を含むフォトサーモグラフフィルムの処理の非限定的列
挙は次の通りである: 1. 加熱現像 → 走査 → 安定化(例えば、ラミネ
ートを使用する) →走査 → 変換可能な永久記録フ
ィルムを得る 2. 加熱現像 → 定着浴 → 水洗 → 乾燥 →
走査 → 変換可能な永久記録フィルムを得る 3. 加熱現像 → 走査 → 漂白定着浴 → フィル
ム中の銀のすべて又は一部分のリサイクル 4. 加熱現像 → 漂白ラミネート → 定着ラミネー
ト → 走査 → (フィルム中の銀のすべて又は一部
分のリサイクル) 5. 加熱現像 → 走査 → 漂白定着液 → 水洗
→ 定着浴 → 水洗→ 乾燥 → 変換可能な永久記
録フィルムを得る 6. 加熱現像 → 比較的急速な、低い品質の走査 7. 加熱現像 → 漂白 → 水洗 → 定着 → 水
洗 → 乾燥 → 比較的遅い、高い品質の走査
【0170】ここで型II処理に戻ると、これはフォトサ
ーモグラフ処理として定義される、小容量処理(「実質
的に乾式の」又は「見掛け上の乾式の」)と呼ばれ、こ
こで適用されたディベロッパー溶液の容量は写真要素を
膨潤させるために必要な溶液容量の約0.1〜約10倍、好
ましくは約0.5〜約10である。この処理は溶液適用、外
部層の積層、及び加熱の組合わせにより実施される。小
容量処理系は型I:フォトサーモグラフ系について前述
した要素の任意のものを含有することができる。さら
に、原フィルム要素中に潜像の形成又は安定性のために
必要でない前節において記載した構成要素は、後述する
方法を使用する、写真処理を実施する目的で露光後、任
意の時間において、フィルム要素からすべて除去しても
よく、またいつでも接触させてもよいことが特に考えら
れる。
【0171】型II写真要素について、下記の処理のいく
つか又はすべてを実施することができる: (I) 任意の手段、例えば、スプレー、インクジェッ
ト、塗布、グラビアプロセス等により、フィルム上に溶
液を直接適用する。
【0172】(II) 処理溶液を含有する溜中にフィル
ムを浸漬する。このプロセスは、また、要素を小さいカ
ートリッジに浸漬するか、又は通す形態を取ることがで
きる。
【0173】(III) 補助処理要素を画像形成要素に
積層する。積層により、処理試薬物質を提供し、使用済
み薬剤を除去し、又は画像情報を潜像記録フィルム要素
から転移させる目的を有してもよい。転移された画像
を、補助処理要素に像様方法で転移される色素、色素前
駆体、又は銀含有化合物から生成させることができる。
【0174】(IV) 任意の好都合な手段、例えば、簡
単なホットプレート、アイロン、ローラー、加熱ドラ
ム、マイクロ波加熱手段、加熱空気、蒸気、又はその他
により、要素を加熱する。先行する処理I〜IIIのいずれ
かの前、間、後、又は全体を通じて、加熱を実施するこ
とができる。加熱により、室温〜100℃の範囲の温度を
発生させることができる。
【0175】いったんイエロー、マゼンタ、及びシアン
色素の記録が本発明の処理された写真要素の中に形成さ
れると、各色記録のために画像情報を取出し、色バラン
スされた可視像を続いて創出するために記録を操作する
場合に、慣用技法を使用することができる。例えば、ス
ペクトルの青、緑及び赤の範囲内で写真要素を連続的に
走査することができる、あるいは分割し、青、緑及び赤
のフィルターに通過させた、単一走査ビーム内に青、緑
及び赤の光を組込んで、各色記録のための別々の走査ビ
ームを形成することができる。簡単な技法は、1系列の
横方向にオフセットされた走査通路に沿って写真要素を
一点一点走査することである。受け取った輻射線を電気
信号に変換するセンサーにより、走査点において要素を
通過した光の強度が記録される。最も一般的には、画像
の有用な電子記録を形成するために、この電子信号をさ
らに操作する。例えば、電気信号をアナログ−ディジタ
ル変換器にとおし、画像内のピクセル(点)の位置に必
要な位置情報と一緒にディジタルコンピューターに送ら
れる。他の態様では、この電子信号を測色情報又はトー
ン情報でコード化して電子記録を形成する。この電子記
録は、画像を可視形態、例えば、コンピューターモニタ
ー表示画像、テレビジョン画像、プリント画像、等に再
構成するために好適である。
【0176】本発明の画像形成要素の多くは、要素から
ハロゲン化銀を除去する前に走査されることが考えられ
る。残りのハロゲン化銀は濁った被膜を生じ、そして拡
散照明光学系を使用するスキャナーを使用することによ
って、このような系について走査された画像品質を改良
できることが見出された。拡散照明を生成する分野にお
いて知られている任意の技法を使用することができる。
好ましいシステムは、内壁が高度の拡散反射を生成する
ように特別に設計された拡散キャビティを使用する、反
射システム、及び光を散乱する働きをするビームの中に
配置された光学的要素を使用して、反射する光のビーム
の拡散が達成される透過システムを包含する。このよう
な要素は、所望の散乱を生成する構成要素を組込むか、
あるいは所望の散乱を促進する表面処理を有するガラス
又はプラスチックであることができる。
【0177】走査により抽出された情報から画像を生成
するとき直面する課題の1つは、見るとき入手可能な情
報ピクセルの数が匹敵する古典的写真プリントから入手
可能のもののほんの一部分であることである。従って、
画像鮮鋭度を増大しかつ異常ピクセル信号(すなわち、
ノイズ)の影響を最小とすることが、画像品質を増強す
るための共通のアプローチである。異常ピクセル信号の
影響を最小とする好都合な技法は、隣接するピクセルか
らの読みを因数分解することによって、各ピクセル濃度
の読み加重平均値に調節することであり、より近接する
ピクセルはより重く加重される。
【0178】本発明の要素は、下記の文献に記載されて
いるように、参照露光に付される、未露光写真記録材料
の一部分の1つ以上のパッチ領域から誘導される濃度較
正パッチを有することができる:Wheeler等の米国特許
第5,649,260号、Koeng等の米国特許第5,563,717号、及
びCosgrove等の米国特許第5,644,647号。
【0179】画像記録の品質を最大にする技法を包含す
る走査信号操作の例示的システムは、下記の文献に記載
されている:Bayerの米国特許第4,553,156号;Urabe等
の米国特許第4,591,923号;Sasaki等の米国特許第4,63
1,578号;Alkoferの米国特許第4,654,722号;Yamada等
の米国特許第4,670,793号;Kleesの米国特許第4,694,34
2号及び第4,962,542号;Powellの米国特許第4,805,031
号;Mayne等の米国特許第4,829,370号;Abdulwahabの米
国特許第4,839,712号;Matsunwa等の米国特許第4,841,3
61号及び第4,937,662号;Mizukoshi等の米国特許第4,89
1,713号;Petilliの米国特許第4,912,569号;Sullivan
等の米国特許第4,920,501号及び第5,070,413号;Kimoto
等の米国特許第4,929,979号;Hirosawa等の米国特許第
4,972,256号;Kaplanの米国特許第4,977,521号;Sakai
の米国特許第4,979,027号;Ngの米国特許第5,003,494
号;Katayama等の米国特許第5,008,950号;Kimuraの米
国特許第5,065,255号;Osamu等の米国特許第5,051,842
号;Lee等の米国特許第5,012,333号;Bowers等の米国特
許第5,107,346号;Telleの米国特許第5,105,266号;Mac
Donald等の米国特許第5,105,469号;及びKwon等の米国
特許第5,081,692号。走査間の色バランスを調節する技
法は下記の文献に開示されている:Moore等の米国特許
第5,049,984号及びDavisの米国特許第5,541,645号。
【0180】大部分の場合では、見るために快く色バラ
ンスされた画像を生成しかつ、種々の変換を通して、あ
るいはビデオモニターに出力するか、あるいは慣用のカ
ラープリントとしてプリントされるとき、画像を担持す
る信号のカラー忠実度を保存するように、いったん獲得
されたディジタル色記録は調節される。走査後、画像を
担持する信号を変換する好ましい技法は下記の文献に開
示されている:Giorgianni等の米国特許第5,267,030
号、その開示は引用することによって本明細書の一部と
する。カラーディジタル画像情報を管理する当業者の能
力は下記の文献にさらに例示されている:Giorgianni及
びMadden、Digital Color Management、Addison−Wes
ley、1998。
【0181】第1図は、ブロック図の形態で、本発明の
カラーネガティブ要素により提供される画像情報を使用
する方法を示す。本発明による像様露光され、写真処理
されたカラーネガティブ要素1を透過により走査するた
めに、画像スキャナー2が使用される。走査ビームは最
も好都合には白色光ビームである。この白色光ビーム
は、層単位を通過しかつフィルターを通過して分割され
て、別々の画像記録、赤記録層単位画像記録(R)、緑
記録層単位画像記録(G)、及び青記録層単位画像記録
(B)を創出する。ビームを分割する代わりに、青、緑
及び赤のフィルターが各ピクセル位置においてビームと
順次交差する配置を取ることができる。なお他の走査の
変法において、発光ダイオードの集合により生成され
た、別々の青、緑及び赤の光ビームを直接各ピクセル位
置に向けることができる。要素1は配列検出器、例え
ば、配列電荷結合素子(CCD)を使用してピクセル毎
に、あるいは線形配列検出器、例えば、線形配列CCDを
使用して線毎に走査されるので、R、G、及びB画像要素
のシーケンス信号が生成され、これらの信号をスキャナ
ーから提供される空間的位置の情報と相関させることが
できる。信号強度及び位置の情報はワークステーション
4に供給され、そして情報は電子形態R'、G'、及びB'に
変換された、これらは任意の好都合な記憶装置5に記憶
することができる。
【0182】映画画像形成産業では、通常のアプローチ
はカラーネガティブフィルムの情報をテレシネ転送装置
を使用してビデオ信号に転送することである。テレシネ
転送装置の2つのタイプが最も一般的である:(1)光電
子増倍管検出器を使用するフライングスポットスキャナ
ー又は(2)センサーとしてのCCD。これらの装置は、各
ピクセル位置でカラーネガティブフィルムを通過する走
査ビームを電圧に変換する。次いでポジテ画像にするた
めに信号処理により電気信号を反転する。次いで信号を
増幅し、変調し、陰極線管モニターに供給して画像を表
示するか、あるいは記憶のために磁気テープに記録す
る。アナログ及びディジタルの両方の画像信号の操作が
考えられるが、圧倒的に大部分のコンピューターが現在
ディジタルでありかつこれは普通のコンピューター周辺
機器、例えば、磁気テープ、磁気ディスク、又は光学デ
ィスクを用いる使用を促進するので、操作のために信号
をディジタル形態にすることが好ましい。
【0183】ビデオモニター6は、R"、G"、及びB"でし
めされるその要件のために変更されたディジタル画像情
報を受け取り、ワークステーションが受け取る画像情報
を見ることを可能にする。ビデオモニターの陰極線管に
頼る代わりに、液晶表示パネル又は任意の他の好都合な
電子画像観察装置を使用することができる。ビデオモニ
ターは一般的には画像制御装置3に頼り、この制御装置
はキーボード及びカーソルを含むことができ、これによ
りワークステーションのオペレーターは、表示されたビ
デオ画像及びディジタル画像情報から再びつくるべき画
像を変更する画像操作命令を与えることができる。
【0184】画像の変更は、ビデオ表示6上に導入され
観察することができ、記憶装置5の中に記憶される。変
更された画像情報R'''、G'''、及びB'''を出力装置7に
送って、見るための再現画像を生成することができる。
出力装置は任意の好都合な要素書込み装置、例えば、熱
色素転写、インクジェット、静電、電子写真、静電、熱
色素昇華又は他の型のプリンターであることができる。
また、増感写真印画紙へのCRT又はLEDプリントが考えら
れる。慣用のハロゲン化銀カラーペーパーの露光を制御
するために、出力装置を使用することができる。出力装
置は、見るための再現画像を担持する出力媒体8を作製
する。最終ユーザーが究極的に観察しかつノイズ(粒状
度)、鮮鋭度、コントラスト、及び色バランスについて
判定するのは、出力媒体中の画像である。ビデオ表示上
の画像は、また、インターネットコンピューターネット
ワークのワールド・ワイド・ウェブ上のパーティ間で伝
送された画像の場合と同様に、最終ユーザーにより究極
的に観察されかつノイズ、鮮鋭度、トーンスケール、色
バランス、及び色生成について判定される。
【0185】図1に示すタイプの手順を用いて、本発明
に係るカラーネガ要素に含まれる画像を、ディジタル形
態に変換し、操作し、次いで観察可能な形態に再生す
る。本発明のカラーネガ記録材料は、米国特許第5,257,
030号に記載されている好適な方法で使用できる。1つ
の好ましい態様において、Giorgianni等の開示は、透過
型スキャナーからのR、G及びBの画像保持信号を、基
準画像生成装置、例えばフィルムライターもしくはペー
パーライター、サーマルプリンター、ビデオディスプレ
イなどの三色信号に対応する画像操作及び/又は記憶計
量値に変換する方法と手段を提供する。この計量値(me
tric value)は、その装置でカラー画像を適切に再現す
るのに必要な計量値に相当する。例えば、基準画像を形
成する装置として特定のビデオディスプレイが選択さ
れ、そして中間の画像データ計量値としてその基準ビデ
オディスプレイのためのR’、G’及びB’の強度変調
信号(コード値)が選択されると、スキャナーからの
R、G及びBの画像保持信号は、基準ビデオディスプレ
イ上で入力画像を適切に再現するのに必要なものに対応
するR’、G’及びB’のコード値に変換される。R、
G及びBの画像保持信号を上記コード値に変換する数学
的変換からデータ組が生成する。適当なサンプルを選択
し、そして較正されるフィルムの有用な露光範囲をカバ
ーする露光パターンが、パターンジェネレータを露光す
ることによって形成され、次いで露光装置に送られる。
その露光装置は、三色露光部分をフィルム上に生成し、
約150個のカラーパッチからなる試験画像を生成す
る。試験画像は、その用途に適した様々な方法を使用し
て生成させることができる。これらの方法としては、感
光計などの露光装置を使用する方法;カラー画像形成装
置の出力装置を使用する方法;既知の光源によって照明
される、既知の反射率を有する試験対象の画像を記録す
る方法;又は写真技術分野で公知の方法を使用して三色
露光量値を計算する方法がある。感度の異なる入力フィ
ルムが使用される場合、これらフィルム間の感度の相対
的な差を補償するため、赤、緑及び青の全体露光量を各
フィルムについて適正に調節しなければならない。従っ
て、各フィルムは、その赤、緑及び青の感度に対して適
切な等価の露光を受ける。露光されたフィルムは化学的
に処理される。フィルムのカラーパッチが透過スキャナ
ーによって読み取られると、そのスキャナーは各カラー
パッチに対応するR、G及びBの画像保持信号を生成す
る。コード値パターンジェネレータの信号値パターンが
RGB強度変調信号を生成し、それらの信号は前記基準
ビデオディスプレイに送られる。ビデオディスプレイ試
験色がポジティブフィルムの試験色又は焼き付けられた
ネガの色とマッチしていることを計器又は人間の観測者
に相当する色合わせ装置(color matching apparatus)
が示すように、各試験色に対するR’、G’及びB’の
コード値が調節される。変換装置は、フィルムの試験色
についてのR、G及びBの画像保持信号値を、対応する
試験色のR’、G’及びB’のコード値に関係づける変
換を生じる。
【0186】R、G及びBの画像保持信号を中間データ
に変換するのに必要な数学的な操作は、マトリックス操
作とルックアップテーブル(LUT)のシーケンスで構
成されることがある。
【0187】図2を参照すると、本発明の好ましい態様
で、入力画像保持信号R、G及びBは、下記のように、
基準出力装置でカラー画像を適切に再現するのに必要な
R’、G’及びB’の出力画像保持信号に対応する中間
データ値に変換される。 (1)フィルムの求められた透過率に対応するR、G及
びBの画像保持信号を、一次元のルックアップテーブル
LUT1によって、フィルムスキャナーから信号を受信
し記憶するために使用されるコンピューターにおいて対
応する濃度に変換する。 (2)工程(1)からの濃度を、次に変換装置から得ら
れるマトリックス1を使用して変換し、中間画像保持信
号を生成させる。 (3)工程(2)の濃度を、入力フィルムのニュートラ
ルスケール濃度が基準のニュートラルスケール濃度に変
換されるように誘導された一次元ルックアップテーブル
LUT2により任意選択的に変更する。 (4)工程(3)の濃度を、一次元ルックアップテーブ
ルLUT3によって変換し、基準出力装置のための対応
するR’、G’及びB’の出力画像保持信号を生成させ
る。
【0188】個々のルックアップテーブルが、典型的に
は、各入力カラーに対して用意されることが理解される
であろう。ある態様では、3つの一次元ルックアップテ
ーブルが使用され、各一次元ルックアップテーブルが、
赤、緑及び青の色記録各々に対して1つずつ利用され
る。別の態様では、多次元ルックアップテーブルを、
D’Erricoの米国特許第4,941,039号に記載されているよ
うに利用できる。上記工程4の基準出力装置に対する出
力画像保持信号が装置に依存するコード値の形態にあっ
てもよいこと、又は前記画像保持信号が装置に特異的な
コード値になるようにさらに調節する必要があることは
明らかであろう。このような調節を、さらなるマトリッ
クス変換、もしくは一次元ルックアップテーブル変換、
又はそのような変換の組み合わせによって達成し、特定
の装置を使用して出力画像保持信号を、伝送し、記憶
し、プリント又は表示する工程のいずれの目的にも合う
出力画像保持信号を適切に生成できる。
【0189】本発明の第2の好ましい態様では、透過ス
キャナーからのR、G及びBの画像保持信号を、1つの
基準画像記録装置及び/又は媒体の大きさ又は種類に対
応し、かつ、入力媒体がその原シーンを捕獲したのと同
じ条件下でその原シーンを捕獲したならば基準装置又は
媒体により形成されたであろう三色値にすべての入力媒
体についての計量値が対応する画像操作及び/又は記憶
計量値に変換される。例えば、基準画像記録媒体として
特定のカラーネガフィルムが選択され、そして中間画像
データ計量値としてその基準フィルムの求められたRG
B濃度が選択された場合、本発明の入力カラーネガフィ
ルムに関し、スキャナーからのR、G及びBの画像保持
信号は、本発明のカラーネガ記録材料が露光されたのと
同じ条件下で露光されたならば基準カラーネガフィルム
により形成されたであろう画像のR’、G’及びB’の
濃度値に対応するR’、G’及びB’の濃度値に変換さ
れる。
【0190】較正されたフィルムの有用な露光範囲を適
切にサンプリングし、カバーするように選択される露光
パターンを、パターンジェネレータを露光することによ
って形成し、次いで露光装置に送る。その露光装置はフ
ィルム上に三色露光部分を生成して、約150個のカラ
ーパッチからなる試験画像を生成する。用途に適した様
々な方法を使用して試験画像を生成することができる。
それらの方法としては、感光計などの露光装置を使用す
る方法;カラー画像形成装置の出力装置を使用する方
法、既知の光源によって照明される既知の反射率を有す
る試験対象の画像を記録する方法;又は写真技術分野で
公知の方法を使用して三色露光値を計算する方法があ
る。感度の異なる入力フィルムが使用される場合、これ
らフィルム間の感度の相対的な差を補償するため、赤、
緑及び青の全体露光を各フィルムについて適切に調節し
なければならない。従って、各フィルムは、その赤、緑
及び青の感度に対して適切な等価の露光量を受ける。露
光されたフィルムは化学的に処理される。フィルムのカ
ラーパッチは、各カラーパッチに対応するR、G及びB
の画像保持信号を生成する透過スキャナーによって、及
び各パッチに対応するR’、G’及びB’の濃度値を生
成する透過濃度計によって読み取られる。変換装置は、
フィルムの試験カラーについてのR、G及びBの画像保
持信号値を、基準カラーネガフィルムの対応する試験カ
ラーについての求められたR’、G’及びB’濃度に関
連づける変換を生じる。別の好ましい態様では、基準画
像記録媒体として特定のカラーネガフィルムが選択さ
れ、そして中間画像データ計量値としてその基準フィル
ムの工程2の予め求められたR’、G’及びB’の中間
濃度が選択されると、本発明の入力カラーネガフィルム
に関し、スキャナーからのR、G及びBの画像保持信号
は、本発明のカラーネガ記録材料が露光されたのと同じ
条件下で露光されたならば基準カラーネガフィルムによ
り形成されたであろう画像のR’、G’及びB’の中間
濃度値に対応するR’、G’及びB’の中間濃度値に変
換される。
【0191】従って、本発明の方法に従って較正された
各入力フィルムは、基準出力装置で基準カラーネガフィ
ルムによって形成されたであろうカラー画像を適切に再
現するのに必要なR’、G’及びB’のコード値に対応
するできる限り同じ中間データ値を生成する。未較正の
フィルムも、類似のタイプのフィルムに対して誘導され
る変換で使用することができ、そしてその結果は、前述
のものと同様であろう。
【0192】R、G及びBの画像保持信号を、この好ま
しい態様の中間データ計量値に変換するのに必要な数学
的操作は、一連のマトリックス操作と一次元LUTで構
成することができる。通常、3つの入力色に対して3つ
のテーブルが用意される。このような変換は、限定する
わけではないが、行列代数、画像保持信号のうちの1つ
以上に依存する代数的表現及びn次元LUTを含む、ホ
ストコンピュータにより生成される計算工程における単
一の数学的操作又は数学的操作の組み合わせを使用する
ことにより他の態様でも達成することができる。1つの
態様では、工程2のマトリックスは3×3マトリックス
である。より好ましい態様では、工程2のマトリックス
1は3×10マトリックスである。好ましい態様では、
工程4の一次元LUT3は、中間画像保持信号をカラー
写真印画紙の特性曲線に従って変換して、正常なカラー
プリント画像のトーンスケールを再現する。別の好まし
い態様では、工程4のLUT3は、いっそう好ましい例
えばより低い画像コントラストを有する修正された眼で
見るトーンスケールに従って、中間画像保持信号を変換
する。
【0193】これらの変換の複雑さのために、R、G及
びBからR’、G’及びB’への変換は、三次元LUT
でうまく達成されることが多いことに留意すべきであ
る。このような三次元LUTは、米国特許第4,941,039
号におけるJ. D’Erricoの教示に従って作り出すことが
できる。
【0194】画像が電子形態であっても、画像の処理法
は、上記の特定の処理法に限定されないことが理解され
るべきである。画像がこの形態である場合、限定するわ
けではないが、標準シーンバランスアルゴリズム(ネガ
内の1つ以上の領域の濃度に基づいて濃度とカラーバラ
ンスの補正値を決定する);フィルムの露光不足のガン
マを高めるトーンスケール処理;コンボリューション又
はアンシャープマスキングによる非適応又は適応鮮鋭
化;赤目の低減;及び非適応又は適応粒子抑制等の追加
の画像処理法を利用できる。さらに、画像を芸術的に処
理したり、ズーミングやクロッピングを行い、そして追
加の画像を組み合わせるなど当該技術分野で公知の処理
を行ってもよい。いったん画像を修正し、そして追加の
画像処理操作を行ったならば、画像は、遠隔場所に電子
的に伝送されるか、又は限定するわけではないが、ハロ
ゲン化銀フィルムもしくはペーパーライター、感熱プリ
ンター、電子写真プリンター、インクジェットプリンタ
ー、ディスプレイモニター、CDディスク、光及び磁気
電子信号記憶装置、並びに当該技術分野で公知の他のタ
イプの記憶装置とディスプレイ装置等の各種の出力装置
で記される。
【0195】本発明のさらに他の態様では、Arakawa等
の米国特許第5,962,205号に記載されている輝度及びク
ロミナンスの増感ならびに画像抽出製品及び方法を利用
してもよい。Arakawa等の開示は、引用によりここに含
まれていることにする。
【0196】
【実施例】例1 この例は、下記の反応スキームに従い製造される本発明
において有用な、化合物D−1の製造を例示する:
【0197】
【化42】
【0198】中間体1の製造:KOH(85%)(7.3g、110
ミリモル)、K2CO3(6.8g、50ミリモル)、2−メチルベ
ンズイミダゾール(Aldrich、13.2g、100ミリモル)及
びTHF(70mL)の混合物に、10mLのTHF中の硫酸ジエチル
(11.3mL、102ミリモル)を約15℃において添加した。4
時間撹拌した後、50mLの酢酸エチルを添加し、次いで反
応混合物を濾過して固体物質を除去した。濾液を減圧下
に濃縮すると、15.5g(97%)の1が黄色油状物として生
じた。
【0199】中間体2の製造:圧力壜に化合物1(8.0g、
50ミリモル)、ホルムアルデヒド(12mL)の38%溶液、
ピリジン(6mL)及びプロパノール(20mL)を供給し、反
応混合物130℃に9時間加熱した。過剰の溶媒を減圧下に
除去し、残留物を酢酸エチルから再結晶化させると、化
合物2(14.5g、73%)が固体として得られた。1H NMR
(300MHz、CDCl3):1.40(t、3H、J=7.3Hz)、3.04
(t、2H、J=5.3Hz)、4.10〜4.20(m、5H)、7.18〜7.
34(m、3H)、7.65〜7.72(m、1H)。
【0200】D−1の製造:2(5.7g、30ミリモル)、ジ
クロロメタン(30mL)及び2滴のジブチル錫ジアセテート
の混合物に、化合物3、すなわち、4−(N,N−ジエチル
アミノ)−2−メチルフェニルイソシアネート(これは
英国特許第1,152,877号に記載されているようにして製
造した)(6.1g、30ミリモル)を添加した。室温におい
て14時間撹拌した後、反応混合物を減圧下に濃縮し、リ
グロインで希釈した。沈澱した固体物質を濾過により単
離すると、D−1(9.6g、81%)が生じた;1H NMR(300M
Hz、CDCl3):1.12(t、6H、J=7.3Hz)、1.30〜1.46
(m、3H)、2.18(s、3H)、3.20〜3.35(m、6H)、4.1
0〜4.35(m、3H)、4.60〜4.68(m、3H)、6.18(bs、1
H)、6.40〜6.55(m、2H)、7.20〜7.44(m、4H)、7.6
9〜7.75(m、1H)。
【0201】例2 この例は、下記の反応スキームに従い製造される本発明
において有用な、化合物D−12の製造を例示する:
【0202】
【化43】
【0203】D−12の製造:150mLのテトラヒドロフラン
中のジオール4(15.0g、64ミリモル)、化合物3(27.0
g、130ミリモル)及びジブチル錫ジアセテート(0.05m
L)の溶液を室温において18時間撹拌した。次いで反応混
合物をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を真空濃
縮すると、固体が得られ、これをメタノールから再結晶
化させた。D−12の収量は25.0g(40ミリモル、61%)で
あった、融点131℃。
【0204】例3 この例は、下記の反応スキームに従い製造される本発明
において有用な、化合物D−15の製造を例示する:
【0205】
【化44】
【0206】中間体7の製造:50mLのN,N−ジメチルホ
ルムアミド中のスルホン6(19.07g、100ミリモル)の溶
液を、100mLのN,N−ジメチルホルムアミド中の60%水
素化ナトリウム(6.00g、150ミリモル)の懸濁液に添加
し、この混合物を40℃において90分間撹拌し、次いで5
℃に冷却した。純粋なエチルトリフルオロアセテート
(36mL、300ミリモル)を5℃において添加し、次いで反
応混合物を室温において30分間撹拌した。この混合物を
1000mLのブラインで希釈し、エーテルで抽出し、油が得
られ、これをシリカゲル上のクロマトグラフィーにより
精製した。固体が得られ、これをヘキサン−イソプロピ
ルエーテルからの結晶化によりさらに精製した。7の収
量は18.47g(64ミリモル、64%)。
【0207】中間体8の製造:固体ホウ水素化ナトリウ
ム(1.89g、50ミリモル)を100mLのメタノール中の7(1
4.33g、50ミリモル)の溶液に少しずつ添加し、この混
合物を30分間撹拌した。次いで水(200mL)を添加し、メ
タノールを蒸留除去した。エーテルで抽出し、溶媒を除
去すると、13.75g(48ミリモル、95%)の8が得られ
た。
【0208】D−15の製造:50mLのジクロロメタン中の7
(13.75g、48ミリモル、4−(N,N−ジエチルアミノ)
−2−メチルフェニルイソシアネート(3、10.21g、50ミ
リモル)及びジブチル錫ジアセテート(0.01mL)の溶液
を室温において4日間撹拌した。溶媒を蒸留除去し、粗
生成物をヘキサンで洗浄し、乾燥した。D−15の収量は2
1.00g(43ミリモル、85%)であった、融点140−143
℃。
【0209】例4 この例は、下記の反応スキームに従い製造される本発明
において有用な、化合物D−23の製造を例示する:
【0210】
【化45】
【0211】中間体9の製造:2,5−ジクロロピリジン
(Aldrich、14.80g、100ミリモル)、2−メルカプトエ
タノール(Fluka、9.36g、120ミリモル)、炭酸カリウ
ム(19.34g、140ミリモル)、及びアセトン(200mL)か
ら成る混合物を36時間還流させ、室温に冷却し、濾過し
た。濾液を真空濃縮し、エーテル(300mL)中に溶解し、
ブライン(2×100mL)で洗浄した。有機溶液を濃縮し、
シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製
し、ヘプタン/酢酸エチルを使用した。9の収量は12.05
g(64ミリモル、64%)であった。
【0212】中間体10の製造:固体t−ブチルジメチル
シリルクロライド(Aldrich、TMDMSC1、11.34g、75ミリ
モル)をテトラヒドロフラン(160mL)中の9(11.86g、6
2.5ミリモル)及びイミダゾール(5.97g、87.5ミリモ
ル)の溶液に一度に添加し、5℃において撹拌した。添
加後、この混合物を室温において20時間撹拌し、次いで
飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びエーテルで処理した。
生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによ
り精製し、ヘプタン/酢酸エチルを使用した。10の収量
は17.69g(58ミリモル、93%)であった。
【0213】中間体11の製造:ジクロロメタン(150mL)
中のメタ−クロロ過安息香酸(mCPBA、77%、27.01g、1
20ミリモル)の溶液を、ジクロロメタン(200ミリモ
ル)中の10の溶液に30分かけて滴下し、5℃において撹
拌した。添加後、この混合物を室温において22時間撹拌
し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で急冷し、次いでジク
ロロメタンで抽出し、カラムクロマトグラフィー(シリ
カ、ヘプタン/ジクロロメタン)により精製し、これに
より11.67g(35ミリモル、87%)の11が得られた。
【0214】中間体12の製造:テトラヒドロフラン(90
mL)/水(90mL)/酢酸(270mL)中の11(10.08g、30ミリ
モル)の溶液を室温に4日間保持した。溶媒を蒸留除去
し、残留物をヘプタン/イソプロピルエーテルから再結
晶化させた。12の収量は6.41g(29ミリモル、96%)で
あった。
【0215】D−23の製造:12(4.43g、20ミリモル)及
び化合物3、すなわち、4−(N,N−ジエチルアミノ)−
2−メチルフェニルイソシアネート(これは英国特許第
1,152,877号に記載されているようにして製造した)
(4.08g、20ミリモル)、及びジブチル錫ジアセテート
(0.01mL)の溶液を35mLのテトラヒドロフラン中で室温
において24時間撹拌した。溶媒を蒸留除去し、粗製油状
生成物を50mLのイソプロピルエーテルとともに撹拌する
と、D−23の無色濃度(8.18g、19.2ミリモル、96%)が
得られた、融点84−85℃。
【0216】例5 この例は、下記の反応スキームに従い製造される本発明
において有用な、化合物D−33の製造を例示する:
【0217】
【化46】
【0218】中間体14の製造:100mLのアセトニトリル
中のt−ブチルブロモアセテート13(Aldrich、19.51g、
100ミリモル)の溶液を、炭酸カリウム(15.20g、110ミ
リモル)を含有する100mLのアセトニトリル中の2−メル
カプトエタノール(8.19g、105ミリモル)の冷却した
(5℃)溶液に30分かけて滴下した。添加後、この混合
物を室温において3時間撹拌し、濾過した。濾液を200mL
のエーテルで希釈し、ブライン(50mL)で洗浄した。エ
ーテル溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空濃縮する
と、19.24gの14(100ミリモル、100%)が得られた。
【0219】中間体15の製造:固体t−ブチルジメチル
シリルクロライド(TBDMSC1、18.09g、120ミリモル)を
250mLのテトラヒドロフラン中の14(19.24g、100ミリモ
ル)及びイミダゾール(9.55g、140ミリモル)の溶液に
一度に添加し、窒素雰囲気下に撹拌した。室温において
2時間後、この混合物を200mLの飽和重炭酸ナトリウム水
溶液で急冷し、エーテルで抽出した。粗生成物をシリカ
ゲル(エーテル/ヘプタン)を通して濾過すると、29.2
1g(95ミリモル、95%)の15が得られた。
【0220】中間体16の製造:固体N−クロロスクシン
イミド(6.68g、50ミリモル)を、5℃において撹拌した
100mLの四塩化炭素中の15(15.33g、50ミリモル)の溶
液に30分かけて少しずつ添加した。反応を2時間実施
し、濾過した。溶媒を除去すると、17.44gの16が油状物
(50ミリモル、100%)として残った。
【0221】中間体17の製造:200mLのジクロロメタン
中のm−クロロ過安息香酸(mCPBA、77%、24.75g、110
ミリモル)の溶液を、100mLのジクロロメタン中の16(1
7.44g、50ミリモル)の溶液に30分かけて滴下し、5℃に
おいて撹拌した。添加後、この混合物を5℃において2時
間撹拌し、次いで室温において1時間撹拌した。反応を
飽和重炭酸ナトリウム水溶液(250mL)で急冷し、有機層
を乾燥し、濃縮すると、18.66gの17が油(50ミリモル、
100%)として得られた。
【0222】中間体18の製造:酢酸(150mL)中の17(1
1.26g、30.2ミリモル)、無水酢酸(5mL)及びp−トルエ
ンスルホン酸一水和物(100mg)の溶液を1時間還流させ
た。この溶液を室温に冷却し、100mLの水で希釈し、2時
間撹拌した。固体を濾過し、濾液を真空濃縮すると、生
成物18が無色油として得られた。
【0223】中間体19の製造:酢酸(30mL)中の粗製18
及び酢酸ナトリウム(2.46g、30ミリモル)の溶液を15
分間撹拌し、室温に冷却し、溶媒を蒸留除去した。残留
物を水及び酢酸エチルで処理すると、5.66gの19が油状
物として得られた。
【0224】中間体20の製造:75mLのメタノール中の粗
製19及び濃塩酸(0.5mL)の溶液を室温において3日間撹
拌した。溶媒を蒸留除去すると、4.61gの20(29ミリモ
ル、17に基づいて96%)が得られた。
【0225】D−33の製造:アセトニトリル(10mL)中の
20(1.59g、10ミリモル)、3(2.25g、11ミリモル)及
びジブチル錫ジアセテート(0.02mL)の溶液を室温にお
いて栓付きフラスコの中に24時間保持した。溶媒を除去
すると、油が得られ、これをイソプロピルエーテルとと
もに撹拌したとき、これは結晶化した。固体を収集し、
イソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥した。D−33の収
量は3.03g(8.3ミリモル、83%)であった、融点96−98
℃、ESMS:ES+、m/z 363(M+1、95%)。
【0226】写真例 処理条件は例に記載されている通りである。特記しない
限り、現像後にKodakFelxicolor Fix溶液中の浸漬によ
り、ハロゲン化銀を除去した。一般に、この工程を省略
することによって、測定した濃度のほぼ0.2の増加が得
られるであろう。下記の成分を例において使用する。ま
た、関係する化学構造のすべてのリストを含める。
【0227】銀塩分散物SS−1:撹拌した反応器に、431
gの石灰処理ゼラチン及び6569gの蒸留水を供給した。21
4gのベンゾトリアゾール、2150gの蒸留水、及び790gの
2.5モルの水酸化ナトリウムを含有する溶液を調製した
(溶液B)。反応器内の混合物を、随意選択的に溶液B、
硝酸、水酸化ナトリウムの添加により、pAg7.25及びpH
8.00に調節した。
【0228】4リットルの0.54モルの硝酸銀を反応がま
に250cc/分で添加し、溶液Bの同時添加によりpAgを7.2
5に維持した。硝酸銀が消費し尽くされるまで、このプ
ロセスを続け、この時点において混合物を限外濾過によ
り濃縮した。生ずる銀塩分散物は銀ベンゾトリアゾール
の微細粒子を含有した。
【0229】乳剤E−1:97%の臭化銀及び3%のヨウ化
銀の組成を有するハロゲン化銀平板状乳剤を慣用手段に
より調製した。生じた乳剤は0.6μmの等価円直径及び
0.09μmの厚さを有した。この乳剤を色素1の添加によ
り青色光に対して分光増感し、次いで最適性能について
化学増感した。
【0230】カプラー分散物CDM−1:カプラーM-1及び
トリクレジルホスフェートを1:0.5の質量比で含有
するオイル系カプラー分散物を調製した。
【0231】
【化47】
【0232】
【化48】
【0233】
【化49】
【0234】混和されたディベロッパー:下記の処方で
ジルコニア(Zirconia)ビーズを使用して、これらの材
料を水性混合物中で4日間ボールミリングした。混和さ
れたディベロッパーの1gについて、トリ−イソプロピル
ナフタレンスルホン酸ナトリウム(0.1g)、水(10g
に)、及びビーズ(25mL)を使用した。いくつかの場合
においては、ミリング後、スラリーを加温(40℃)ゼラ
チン溶液(12.5%、10g)で希釈した後、ビーズを濾過
により除去した。濾液(添加したゼラチンを含むか、あ
るいは含まない)を使用前に冷蔵庫の中に貯蔵した。
【0235】例6 この例におけるすべての塗布物は下記表1−1に列挙する
標準フォーマットに従い調製し、混和されたディベロッ
パーを変えて変更を行った。すべての塗布物は177.8μ
m(7ミル)厚さのポリ(エチレンテレフタレート)支
持体上で調製した。
【0236】
【表1】
【0237】比較例:下記表に列挙されているようなデ
ィベロッパーのタイプを使用して標準塗布フォーマット
に従い、比較塗布物を調製した。
【0238】 本発明の例:下記表に列挙されているようなディベロッ
パーのタイプを使用して標準塗布フォーマットに従い、
本発明の塗布物を調製した。
【0239】 被膜の評価:ステップ・ウェッジを通して、デーライト
5A及びラッテン2Bフィルターを透過させた3000Kの3.04l
ogルクスの光源に対して、得られた被膜を露光した。露
光時間は1秒であった。露光後、これらの被膜を加熱さ
れたプラテンと20秒間接触させることによって、熱処理
した。最適なストリップ処理条件を得るために、多数の
ストリップを種々のプラテン温度において処理した。こ
れらのデータから、2つのパラメーターが得られた: A. 開始温度、T0: 0.5の最大濃度(Dmax)を生成す
るために必要な温度に対応する。温度が低いほど、望ま
しい、いっそう活性なディベロッパーを示す。
【0240】B. ピーク識別力、Dp: 最適プラテン温
度について、ピーク識別力は下記の値に対応する:
【0241】
【数1】
【0242】Dp値が高いほど、望ましい、ノイズに対し
て増強された信号を生成するディベロッパーを示す。上
に列挙した被膜は下記表に示すような性能を有した。
【0243】
【表2】
【0244】この表が示すように、本発明のディベロッ
パーは低い開始温度を提供すると同時に、実質的に改良
されたピーク識別力を提供する。
【0245】例7 この例の塗布物は、上記表1−1に列挙する塗布処方を使
用して調製した。ステップ・ウェッジを通して、デーラ
イト5A及びラッテン2Bフィルターを透過させた3000Kの
3.04logルクスの光源に対して、得られた被膜を露光し
た。露光時間は1秒であった。露光後、これらの被膜を
加熱されたプラテンと20秒間接触させることによって、
熱処理した。最適なストリップ処理条件を得るために、
多数のストリップを種々のプラテン温度において処理し
た。これらのデータから、例1に記載されているよう
に、パラメーターT0及びDpを得た。この例における被膜
の性能を表2−1に示す。
【0246】
【表3】
【0247】本発明のディベロッパーは、比較材料のそ
れらに類似するか、あるいはそれらより改良されたピー
ク識別力を提供することがわかる。
【0248】例8 この例におけるすべての塗布物は下記表3−1に列挙する
標準フォーマットに従い調製し、混和されたディベロッ
パーを変えて変更を行った。すべての塗布物は177.8μ
m(7ミル)厚さのポリ(エチレンテレフタレート)支
持体上で調製した。ディベロッパーを例1に記載されて
いるようにミリングし、混和した。
【0249】
【表4】
【0250】ステップ・ウェッジを通して、デーライト
5A及びラッテン2Bフィルターを透過させた3000Kの3.04l
ogルクスの光源に対して、得られた被膜を露光した。露
光時間は1秒であった。露光後、これらの被膜を加熱さ
れたプラテンと20秒間接触させることによって、熱処理
した。最適なストリップ処理条件を得るために、多数の
ストリップを種々のプラテン温度において処理した。こ
れらのデータから、例1に記載されているように、パラ
メーターT0を得た。この例における被膜の性能を表3−2
に示す。
【0251】
【表5】
【0252】表3−1が示すように、本発明のディベロッ
パーは望ましい開始温度の低下を示す。
【0253】例9 この例は、本発明によるブロックト現像主薬の半減期
(t1/2)又は熱活性を測定する方法を例示する。ヘテロ
芳香族D基が存在するブロックト現像主薬(下文参照)
以外は、下記のようにブロックト現像主薬を熱活性につ
いてテストした:ブロックト現像主薬を脱イオン水中の
33%(v/v)EtOHから成る溶液中に60℃及びpH7.87及び
イオン強度0.125で、カプラー−1(224PG、0.0004M)及
びK3Fe(CN)6(0.00036M)の存在下で約1.6×10-5Mの
濃度まで溶解した。分光光度計(例えば、Hewlett−Pac
kerd 8451A分光光度計又は同等の分光計)を用いて568
nmのところで、生成したマゼンタ色素を測定することに
よって、反応を追跡した。データを下記の方程式に当て
はめることによって、反応速度定数を得る:
【0254】
【数2】
【0255】ここでAは時間tの568nmにおける吸収であ
り、そして下添え字は時間0及び無限(∞)を表す。t
1/2=0.693/kから、半減期を計算する。
【0256】
【化50】
【0257】いくつかの比較例及び本発明のブロックト
発色現像主薬の測定からの結果を下に記載する。
【0258】
【表6】
【0259】この表から理解できるように、本発明のブ
ロックト化合物はより短い半減期を示すので、活性がよ
り高い。
【0260】比較化合物と比べると、30分又はそれより
低い半減期を示す本発明のブロックト化合物を使用し
て、より低い開始温度が実現される。好ましくは、半減
期は25分以下であり、より好ましくは20分以下である。
【0261】Dがヘテロ芳香族基である場合の構造Iのブ
ロックト現像主薬の半減期を測定するために、0.05Mの
サリチルアニリド(これをまずDMSO溶媒と混合した)の
存在下に、ジメチルスルホキシド(DMSO)から成る溶液
中に130℃において約1.6×10 -5Mの濃度までブロックト
現像主薬を溶解した。例えば、Hewlett−Packerd LC11
00 System又は同等の装置を使用して、反応混合物の高
圧液体クロマトグラフィー(HPLC)分析により、反応速
度を追跡した。D−46について測定した半減期を表4−2
に記載する。この表はこの条件下での高い反応性を明ら
かに示す。
【0262】
【表7】
【0263】好ましい態様を特に参照して本発明を詳細
に説明したが、本発明の精神及び範囲内で変化及び変更
を実施できることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要素を走査することによって得られた
像形成を処理しかつ見る装置のブロック線図である。
【図2】本発明に従い現像されたカラー要素の走査から
誘導された画像有する信号の電子信号処理を示すブロッ
ク線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 317/22 C07C 317/22 C07D 213/71 C07D 213/71 235/16 235/16 277/64 277/64 487/04 139 487/04 139 G03C 1/74 351 G03C 1/74 351 (72)発明者 シチャン ヤン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14580, ウエブスター,ノースブルック ウェイ 733 (72)発明者 マーク エドワード アービング アメリカ合衆国,ニューヨーク 14625, ペンフィールド,ペンフィールド ロード 1062 (72)発明者 デビッド ハワード レビー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14618, ロチェスター,ハンプシャー ドライブ 114 (72)発明者 ジェアド ベン ムーベリー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14622, ロチェスター,ハンティントン ヒルズ サウス 175 (72)発明者 ジェームズ ジョセフ セイファート アメリカ合衆国,ニューヨーク 14468, ヒルトン,ハムリン パーマ タウンライ ン ロード 870 (72)発明者 ジェームズ ヘンリー レイノルズ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14618, ロチェスター,ダートフォード ロード 65 (72)発明者 リン マリー アービング アメリカ合衆国,ニューヨーク 14625, ロチェスター,ペンフィールド ロード 1062 (72)発明者 ズバイスロー ローマン オークザークジ ク アメリカ合衆国,ニューヨーク 14580, ウエブスター,ジョン グレン ブールバ ード 769 (72)発明者 デビッド トーマス サウスビー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14625, ロチェスター,ハンティントン メドウズ 115 Fターム(参考) 2H123 AB00 AB03 AB23 AB28 BA00 BA01 BB00 BB02 BB39 CA35 CB00 CB03 4C050 AA01 BB06 CC05 EE04 FF01 GG02 HH01 4C055 AA01 BA02 BA47 BB08 BB17 4H006 AA01 AB76 TA02 TB36 TB37

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の構造Iにより表される少なくとも1
    種のブロックト現像主薬を含んでなるカラーフォトサー
    モグラフ要素: 【化1】 式中、 DEVは現像主薬であり、 LINKは連結基であり、 TIMEはタイミング基であり、 nは0、1、又は2であり、 tは0、1、又は2であり、そしてtが2でないとき、必要な
    数の水素が(2−t)個構造中に存在し、 C*は四面体(sp3混成)炭素であり、 pは0又は1であり、 qは0又は1であり、 wは0又は1であり、 p+q=1であり、pが1であるとき、q及びwは両方とも0で
    あり、qが1であるとき、wは1であり、 R12は水素、又は置換又は非置換のアルキル、シクロア
    ルキル、アリールもしくは複素環式基であるか、あるい
    はR12はWと結合して環を形成し、 Tは置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、
    アリールもしくは複素環式基、無機1価電子吸引性基、
    又は無機2価電子吸引性基から独立して選択され、前記
    無機2価電子吸引性基は少なくとも1つのC1〜C10有機基
    (R13又はR13及びR 14基)でキャップされており、ある
    いはTはW又はR12と一緒になって環を形成するか、ある
    いは2つのTは結合して環を形成することができ、 Dは置換又は非置換のヘテロ芳香族基もしくはアリール
    基もしくは1価電子吸引性基から選択される第1活性化基
    であり、ここで当該ヘテロ芳香族基は随意選択的にT又
    はR12と環を形成することができ、 Xは第2活性化基であり、かつ2価電子吸引性基であり、 WはW'又は下記の構造IAにより表される基であり、 【化2】 W'は置換又は非置換のアルキル、シクロアルキル、アリ
    ールもしくは複素環式基から独立して選択され、ここで
    W'はT又はR12と組み合わせて環を形成することができ、 R13、R14、R15、及びR16は、置換又は非置換のアルキ
    ル、アリール、もしくは複素環式基から独立して選択す
    ることができ、 直接的に結合していない、R12、T、及びD又はWの組の任
    意の2つのメンバーは、一緒になって環を形成すること
    ができ、ただし当該環の形成はブロッキング基の機能を
    妨害せず、 ここでT、R12、D、X及びW基は、ブロックト現像主薬が
    半減期(t1/2)≦20分であり、そして少なくとも60℃の
    温度において、少なくとも2.0のピーク識別力を有する
    ように選ばれる。
  2. 【請求項2】 Dpが3〜10であり、そしてDpが100〜160
    ℃の温度においてである、請求項1に記載のフォトサー
    モグラフ要素。
  3. 【請求項3】 Tが活性化基であり、ここでTが電子吸引
    性基、1〜7つの電子吸引性基で置換されたアリール基、
    又は置換もしくは非置換のヘテロ芳香族基である、請求
    項1に記載のフォトサーモグラフ要素。
  4. 【請求項4】 Tが、ハロゲン、−NO2、−CN、ハロゲン
    化アルキル基、又はR13により又はR13及びR14によりキ
    ャップされた無機電子吸引性基である無機基である、請
    求項3に記載のフォトサーモグラフ要素。
  5. 【請求項5】 Wが、構造IAを有する活性化基か、ある
    いはW'が1又はそれ以上の電子吸引性基で置換されたア
    ルキル又はシクロアルキル基;1〜7つの電子吸引性基で
    置換されたアリール基;置換もしくは非置換のヘテロ芳
    香族基;又は1つ以上の電子吸引性基で置換された非芳
    香族複素環式基である活性化基である、請求項1に記載
    のフォトサーモグラフ要素。
  6. 【請求項6】 W'が電子吸引性基で置換されており、当
    該置換基が、ハロゲン、−NO2、−CNである無機基、又
    はハロゲン化アルキル基、又はR13により、又はR13及び
    R14によりキャップされた無機基である、請求項5に記載
    のフォトサーモグラフ要素。
  7. 【請求項7】 ブロックト現像主薬が構造Iから選択さ
    れ、ただしtが0であるとき、Dは−CN又は置換もしくは
    非置換のアリールでなく、かつXは−SO2−でなく、その
    ときWは置換又は非置換のアリールもしくはアルキルで
    あり、そしてtが活性化基でないとき、Xは−SO2−でな
    く、そのときWは置換もしくは非置換のアリールであ
    る、請求項1に記載のフォトサーモグラフ要素。
  8. 【請求項8】 Xが−CO−、−SO2−、−SO2O−、−COO
    −、−SO2N(R15)−、−CON(R15)−、−OPO(OR15
    −、又は−PO(OR15)N(R16)−である、請求項1に記
    載のフォトサーモグラフ要素。
  9. 【請求項9】 活性化基がD又はX位置に存在し、さらに
    構造IにおけるT及び/又はW位置の1又はそれ以上におい
    て活性化基を使用することによって特定した半減期を達
    成する追加の活性を有する、請求項1に記載のフォトサ
    ーモグラフ要素。
  10. 【請求項10】 D又はX位置に加えて、構造IにおけるT
    及び/又はW位置における活性化基の存在により、特定
    した半減期を得る、請求項1に記載のフォトサーモグラ
    フ要素。
  11. 【請求項11】 現像主薬がアミノフェノール、フェニ
    レンジアミン、ヒドロキノン、ピラゾリジノン、又はヒ
    ドラジンである、請求項1に記載のフォトサーモグラフ
    要素。
  12. 【請求項12】 現像主薬がフェニレンジアミンであ
    る、請求項11に記載のフォトサーモグラフ要素。
  13. 【請求項13】 LINKが下記の構造IIにより表される、
    請求項1に記載のフォトサーモグラフ要素: 【化3】 式中、 X'は炭素又は硫黄を表し、 Y'は酸素、硫黄又はN−R1を表し、ここでR1は置換もし
    くは非置換のアルキル又は置換もしくは非置換のアリー
    ルであり、 pは1又は2であり、 Zは炭素、酸素又は硫黄を表し、 rは0又は1であり、 ただしX'が炭素であるとき、p及びrの両方は1であり、
    X'が硫黄であるとき、Y'は酸素であり、pは2でありかつ
    rは0であり、 #はDEVに対する結合を意味し、 $はTIME又はT(t)置換炭素への結合を意味する。
  14. 【請求項14】 LINKが下記の構造を有する、請求項13
    に記載のフォトサーモグラフ要素: 【化4】
  15. 【請求項15】 LINKが 【化5】 である、請求項14に記載のフォトサーモグラフ要素。
  16. 【請求項16】 TIMEが(1)芳香族求核置換反応を利
    用する基;(2)ヘミアセタールの開裂反応を利用する
    基;(3)共役系に沿った電子移動反応を利用する基;
    又は(4)分子内求核置換反応を用いる基から選択され
    るタイミング基である、請求項1に記載のフォトサーモ
    グラフ要素。
  17. 【請求項17】 構造Iの化合物が下記の構造IIIにより
    表される、請求項1に記載のフォトサーモグラフ要素: 【化6】 式中、ZはOH又はNR2R3であり、ここでR2及びR3は独立し
    て水素又は置換もしくは非置換のアルキル基であるか、
    あるいはR2及びR3は接続して環を形成し、 R5、R6、R7、及びR8は独立して水素、ハロゲン、ヒドロ
    キシ、アミノ、アルコキシ、カーボンアミド、スルホン
    アミド、アルキルスルホンアミド又はアルキルである
    か、あるいはR5はR3又はR6と接続して、及び/又はR8
    R2又はR7と接続して環を形成することができ、 WはW'又は下記の構造IIIAにより表される基であり、 【化7】 式中、T、t、C*、R12、D、p、X、q、W'及びwは請求項1
    に定義したものである。
  18. 【請求項18】 Xがスルホニル基でありそしてZがNR2R
    3である、請求項17に記載のフォトサーモグラフ要素。
  19. 【請求項19】 Tが電子吸引性基もしくはヘテロ芳香
    族基、又は1つ以上の電子吸引性基で置換されたアリー
    ルである、請求項17に記載のフォトサーモグラフ要素。
  20. 【請求項20】 Tが、置換又は非置換のアルキル、ア
    リール、又はヘテロ芳香族基でキャップされた−SO
    2−、−OSO2−、−NR14(SO2)−、−CO2−、−CCl
    2−、もしくは−NR14(C=O)−である、請求項19に記
    載のフォトサーモグラフ要素。
  21. 【請求項21】 Tがトリフルオロメチル基、2−ニトロ
    フェニル基、チエニル基又はフリル基である、請求項19
    に記載のフォトサーモグラフ要素。
  22. 【請求項22】 フォトサーモグラフ要素が、ブロック
    ト現像主薬に加えて、感光性ハロゲン化銀乳剤、及び非
    感光性銀塩酸化剤を含んでなる像形成層を有する、請求
    項1に記載のフォトサーモグラフ要素。
  23. 【請求項23】 水溶液を適用しないで乾式現像するこ
    とができる、請求項1に記載のフォトサーモグラフ要
    素。
  24. 【請求項24】 ブロックト現像主薬の溶融物形成剤を
    含んでなる、請求項1に記載のフォトサーモグラフ要
    素。
  25. 【請求項25】 少なくとも2種の有機銀塩の混合物を
    含んでなり、それらうちの少なくとも1種が非感光性銀
    塩酸化剤である、請求項1に記載のフォトサーモグラフ
    要素。
  26. 【請求項26】 ブロックト現像主薬をアンブロックす
    るための、水中でわずかに可溶性の有効量の塩基性金属
    化合物を含まない、請求項1に記載のフォトサーモグラ
    フ要素。
  27. 【請求項27】 像形成層が7より高いpHを有しない、
    請求項1に記載のフォトサーモグラフ要素。
  28. 【請求項28】 半減期(t1/2)≦20分を有し、そして
    少なくとも60℃の温度において、少なくとも2.0のピー
    ク識別力を有するブロックト現像主薬を含んでなり、前
    記ブロックト現像主薬が下記の構造Iにより表される、
    像様露光されたフォトサーモグラフ要素を現像する工程
    を含んでなる像形成方法: 【化8】 式中、 DEVは現像主薬であり、 LINKは連結基であり、 TIMEはタイミング基であり、 nは0、1、又は2であり、 tは0、1、又は2であり、そしてtが2でないとき、必要な
    数の水素が(2−t)個構造中に存在し、 C*は四面体(sp3混成)炭素であり、 pは0又は1であり、 qは0又は1であり、 wは0又は1であり、 p+q=1であり、pが1であるとき、q及びwは両方とも0で
    あり、qが1であるとき、wは1であり、 R12は水素、又は置換又は非置換のアルキル、シクロア
    ルキル、アリールもしくは複素環式基であるか、あるい
    はR12はWと結合して環を形成し、 Tは置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、
    アリールもしくは複素環式基、無機1価電子吸引性基、
    又は無機2価電子吸引性基から独立して選択され、前記
    無機2価電子吸引性基は少なくとも1つのC1〜C10有機基
    (R13又はR13及びR 14基)でキャップされており、ある
    いはTはW又はR12と一緒になって環を形成するか、ある
    いは2つのTは結合して環を形成することができ、 Dは置換又は非置換のヘテロ芳香族基もしくはアリール
    基もしくは1価電子吸引性基から選択される第1活性化基
    であり、ここで当該ヘテロ芳香族基は随意選択的にT又
    はR12と環を形成することができ、 Xは第2活性化基であり、かつ2価電子吸引性基であり、 WはW'又は下記の構造IAにより表される基であり、 【化9】 W'は置換又は非置換のアルキル、シクロアルキル、アリ
    ールもしくは複素環式基から独立して選択され、ここで
    W'はT又はR12と組み合わせて環を形成することができ、 R13、R14、R15、及びR16は置換又は非置換のアルキル、
    アリール、もしくは複素環式基から独立して選択するこ
    とができ、 直接的に結合していない、R12、T、及びD又はWの組の任
    意の2つのメンバーは、一緒になって環を形成すること
    ができ、ただし当該環の形成はブロッキング基の機能を
    妨害しない。
  29. 【請求項29】 Dpが3〜10であり、そしてDpが100〜16
    0℃の温度においてである、請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記現像が前記像様露光された要素を
    80℃〜180℃の温度において、0.5〜60秒の時間範囲で処
    理することを含む、請求項28に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記現像が、前記フォトサーモグラフ
    要素を完全に膨潤させるために必要な溶液の容量の0.1
    〜10倍の容量の処理液で前記像様露光された要素を処理
    することを含む、請求項28に記載の方法。
  32. 【請求項32】 追加の処理薬剤を含有するラミネート
    シートの適用により前記現像を達成する、請求項28に記
    載の方法。
  33. 【請求項33】 前記適用した処理液が塩基、酸、又は
    純水である、請求項28に記載の方法。
  34. 【請求項34】 像形成が、像様露光され、現像された
    画像形成要素を走査して、前記像様露光の第1電子像表
    示を形成する工程を含む、請求項28に記載の方法。
  35. 【請求項35】 像形成が、像様露光され、現像され、
    そして走査された画像形成要素から形成された第1電子
    像表示をディジタル化してディジタル像を形成する工程
    を含む、請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 像形成が、像様露光され、現像され、
    そして走査された画像形成要素から形成された第1電子
    像表示を変更して第2電子像表示を形成する工程を含
    む、請求項34に記載の方法。
  37. 【請求項37】 像様露光され、現像され、そして走査
    された画像形成要素から誘導された像の電子像表示を、
    記憶、プリント、又は表示することを含む、請求項34に
    記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記電子像表示がディジタル像であ
    る、請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記画像のプリントを電子写真、イン
    クジェット、熱色素昇華法、増感印画紙へのCRT又はLED
    プリント、のプリント技法のいずれかにより達成する、
    請求項37に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記フォトサーモグラフ要素が、ブロ
    ックト現像主薬に加えて、感光性ハロゲン化銀乳剤、及
    び非感光性銀塩酸化剤を含んでなる像形成層を有する、
    請求項37に記載の方法。
  41. 【請求項41】 水溶液を適用しないで乾燥状態で前記
    現像を達成する、請求項28に記載の方法。
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