JPH0822520B2 - 裁断刃の研磨量制御装置および方法 - Google Patents

裁断刃の研磨量制御装置および方法

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JPH0822520B2
JPH0822520B2 JP29104293A JP29104293A JPH0822520B2 JP H0822520 B2 JPH0822520 B2 JP H0822520B2 JP 29104293 A JP29104293 A JP 29104293A JP 29104293 A JP29104293 A JP 29104293A JP H0822520 B2 JPH0822520 B2 JP H0822520B2
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polishing
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cutting
blade
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、布帛などのシート材料
をコンピュータ制御によって自動的に裁断するととも
に、適宜裁断刃の研磨を行う裁断機における裁断刃の研
磨量制御装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、布帛などの織地、編地、紙、
プラスチック、レザーなどのような可撓性のシート材料
を裁断するために、コンピュータ制御によって自動的に
裁断を行う裁断機が用いられている。シート材料を裁断
する裁断刃は、裁断を継続すると、切れ味が悪くなり、
良好な裁断結果が得られなくなるので、頻繁に研磨を行
う必要がある。このため、裁断機には裁断刃の研磨装置
を備えて、研磨を行いながら裁断する必要がある。
【0003】研磨装置を備える裁断機の典型的な先行技
術は、たとえば特公昭57−14957号や特開昭57
−194865号公報に開示されている。これらの先行
技術では、裁断刃の近傍に研磨機構を設け、裁断動作の
合間に、または裁断動作中にも研磨が可能なように構成
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の先行技術では、
裁断刃を研磨するための機構は開示されているけれど
も、研磨による裁断刃の摩耗量である研磨量を制御する
という考え方は示されていない。しかしながら、研磨量
が不足すると、裁断刃の切れ味が回復しないまま裁断を
行うことになり、良好な裁断結果が得られない。研磨量
が過多になると、裁断刃や砥石の消耗が早まり、その寿
命が短くなる。
【0005】図12は、裁断刃の研磨回数と研磨量との
関係についての実験結果の一例を示す。条件を一定にし
て研磨を繰返して行うと、研磨回数に対する研磨量の関
係は、2点鎖線で示すような直線関係ではなく、実線で
示すような概略的に上に凸の曲線となる。研磨回数を2
000回よりも多くすれば、研磨量は、2点鎖線で表さ
れる直線よりも小さくなってゆくことが推定される。こ
のような研磨量の変化は、研磨用砥石の目詰まりや摩耗
などによる性能低下が原因で生じると考えられる。
【0006】前述の先行技術のように裁断機に研磨機構
を備える場合は、自動的に研磨を行う際に、砥石の性能
低下を見込んで、余裕を見て多い目に研磨するようにし
ているのが一般的である。このため、裁断刃と砥石の消
耗は早まり、寿命が低下している。また砥石の研磨性能
の低下も正確には把握できないので、砥石の交換や点検
の時期は、作業者の勘に頼る場合が多く、裁断刃を切れ
味が良い状態で安定してしかも長寿命に使用することが
困難となる。
【0007】図13は、一般的な研磨時間と研磨量との
関係を示す。図13(A)は、砥石の積算的な研磨時間
と研磨量との関係を示し、図13(B)は、個々の裁断
刃に対する研磨時間と研磨量との関係を示す。図13
(A)に示すように、砥石の累積した研磨時間が増大す
ると、実線で示される研磨量は、2点鎖線で示される直
線からずれてくる。このため、t0からt1までの期間
での砥石の初期状態では、図13(B)の直線Laに示
すような研磨性能が得られるけれども、t2〜t3で示
される期間での砥石の末期状態では、Lbで示される研
磨性能となる。研磨性能がLbの直線で表されるとき
は、研磨性能がLaのときよりも裁断刃に対して同一の
研磨量を与えるのに長時間を要するようになり、効率が
悪く、砥石の寿命と判断される。すなわち1つの砥石に
ついては研磨量がAになれば寿命である。1つの裁断刃
に対しての寿命である研磨量がBとなる時間は、砥石の
寿命を判断する時間に比べればずっと短い時間である。
このように、砥石の研磨性能は、砥石の積算した研磨時
間に従って大きく変化し、砥石の研磨性能に従って裁断
刃の研磨量も変化する。
【0008】本発明の目的は、裁断刃の研磨動作に対す
る実際の研磨量を自動測定し、研磨量を最適に制御する
ことができる裁断刃の研磨量制御装置および方法を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、裁断機の稼働
中に、予め定める条件に従って繰返して研磨される裁断
刃の研磨量制御装置であって、予め定める期間毎に、裁
断刃の研磨量を測定する測定手段と、測定手段からの出
力に応答して、測定された研磨量を予め定める適正研磨
量と比較し、研磨過多のときは次回の研磨における研磨
量を減少させ、研磨不足のときは次回の研磨における研
磨量を増加させて、次回の研磨における研磨量を適正研
磨量に近づける制御手段とを含むことを特徴とする裁断
刃の研磨量制御装置である。
【0010】また本発明の前記測定手段は、裁断刃の刃
幅を測定して研磨量を測定することを特徴とする。
【0011】また本発明の前記制御手段は、1回の研磨
における研磨時間を減少または増加させることによっ
て、研磨量を減少または増加させることを特徴とする。
【0012】さらに本発明は、裁断機の稼働中に、予め
定める条件に従って繰返して研磨される裁断刃の研磨量
制御方法であって、予め定める期間毎に、裁断刃の研磨
量を測定し、測定された研磨量を予め定める適正研磨量
と比較し、研磨過多のときは次回の研磨における研磨量
を減少させ、研磨不足のときは次回の研磨における研磨
量を増加させて、次回の研磨における研磨量が適正研磨
量に近づくように制御することを特徴とする裁断刃の研
磨量制御方法である。
【0013】
【作用】本発明に従えば、測定手段は、予め定めらる期
間毎に裁断刃の研磨量を測定する。制御手段は、測定手
段によって測定された研磨量を予め定める適正研磨量と
比較し、研磨過多のときは次回の研磨における研磨量を
減少させ、研磨不足のときは次回の研磨における研磨量
を増加させる。これによって、測定された研磨量が次回
の研磨量を適正研磨量に近づけつための制御にフィード
バックされ、研磨の過不足が防止される。裁断刃の研磨
量が適正なものとなるので、裁断刃や研磨のための砥石
などの寿命を延ばすことができる。また不必要な研磨の
ための無駄時間を減少させることができ、裁断刃の切れ
味を安定させて裁断トラブルを減少させることができ
る。
【0014】また本発明に従えば、測定手段は、裁断刃
の刃幅を測定して研磨量を測定する。研磨を行えば、研
磨量に対応して刃幅が減少する。したがって刃幅を測定
することによって、研磨量を容易に測定することができ
る。
【0015】また本発明に従えば、制御手段は、1回の
研磨における研磨時間を減少または増加させて、研磨量
を減少または増加させる。研磨量は、他の条件が一定で
あれば、研磨時間に比例する。したがって、研磨時間を
減少または増加させれば、研磨量を減少または増加させ
る制御を容易に行うことができる。
【0016】さらに本発明に従えば、裁断刃の研磨量を
測定して、予め定める適正研磨量と比較し、研磨量をフ
ィードバック制御することができる。これによって研磨
量の過多や不足を防ぐことができ、裁断刃および砥石の
寿命を延ばし、研磨の無駄時間を減少させ、裁断刃の切
れ味を安定化させることができる。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の裁断装置に備え
られる裁断ヘッド1の基本的構成を示す簡略化した斜視
図である。多数の剛毛ブラシ4によって構成される平坦
な支持面5上には、衣服などの生地である複数のシート
材料3が積重して載置される。これらのシート材料3を
所定の形状に裁断するための裁断装置の裁断ヘッド1
は、基本的に、裁断刃6と、裁断刃6を前記支持面5に
垂直なZ軸方向に裁断刃振動用モータによって往復振動
させるヘッドブロック9と、ヘッドブロック9をZ軸方
向に昇降変位させる空気圧シリンダ11と、裁断刃6の
刃先がシート材料3の表面7から予め定める間隔L1を
有するように、前記空気圧シリンダ11をZ軸方向に移
動させる移動手段13と、裁断刃6の周縁部で支持面5
上に載置されたシート材料3を押さえる押さえ部材であ
るフットプレッサ14と、前記フットプレッサ14のZ
軸方向の位置を検出する位置検出手段16と、この位置
検出手段16からの出力に応答して、前記移動手段13
を制御する制御手段17とを含む。
【0018】前記ヘッドブロック9には、図示しないク
ランク機構が内蔵され、このクランク機構によって前記
裁断刃6がZ軸に沿って往復振動される。Z軸を中心に
裁断刃6を角変位させるためのR軸手段15も設けら
れ、予めプログラミングされた裁断方向に刃先を向けな
がら裁断動作を行うように構成される。このようなヘッ
ドブロック9は、一対の平行な案内軸49a,49bに
沿って前記空気圧シリンダ11によって裁断刃6ととも
に上下に変位駆動される。裁断開始位置あるいは大きな
角度で裁断方向を変換する位置などにおいて、空気圧シ
リンダ11のピストン棒18が縮退して裁断刃6がシー
ト材料3を突き刺す。裁断終了位置にくるとピストン棒
18が伸長して裁断刃6がシート材料3から抜取られ
る。このようにして、裁断刃6がシート材料3から抜取
られた状態の非裁断位置では、その裁断刃6の先端6a
が前記予め定める間隔L1を有するように設定されてい
る。空気圧シリンダ11は、摺動板10に固定される。
ヘッドブロック9が下降するときの下限は、ストッパに
よって規定され、裁断刃6の裁断位置は固定される。
【0019】前記ヘッドブロック9は、Z軸に沿って往
復振動する出力軸50を有し、この出力軸50には前記
裁断刃6が角変位および着脱自在に設けられる。裁断刃
6は、大略的に直円筒状のR軸本体15aおよび作動リ
ング51内を挿通する。作動リング51は、R軸本体1
5aの内周側に設けられモータ52からタイミングベル
ト52aを介して上部の歯車51aに回転力が伝達され
ることによって、Z軸まわりに矢符A1,A2方向に回
動され、裁断刃6の刃先が裁断プログラムに従った裁断
方向に向けられる。R軸本体15aは、摺動板10に固
定される。
【0020】作動リング51内には、裁断刃6を挟んで
上下に各対を成す研磨ローラ53a,54a;53b,
54bが設けられる。これらは研磨用の砥石であり、裁
断時には、裁断刃6と非接触状態である。前記作動リン
グ51に同軸にかつ相互に回転自在に設けられる内歯歯
車55によって各研磨ローラ53a,54a;53b,
54bは回転駆動される。研磨時には、前記内歯歯車5
5の下方に同軸に設けられるカムリング57を外部から
拘束する。このとき、作動リング51の回転方向に従っ
て、一方対の研磨ローラ53a,54aまたは他方対の
研磨ローラ53b,54bのいずれかが交互に裁断刃6
の刃面に接触するように変位される。裁断刃6のZ軸に
垂直な断面形状は、刃先を通る直線に関して大略的に対
称であり、両側の刃面は刃先において鋭角的に交わる。
両側の刃面を交互に研磨すれば、両側の刃面の摩耗量に
対応して、裁断刃6の刃幅が減少する。前記内歯歯車5
5は、モータ58からタイミングベルト59を介する動
力によって回転駆動される。
【0021】前記移動手段13は、摺動板10に固定さ
れたナット部材10aに螺合するねじ棒19と、ねじ棒
19の上端部に固定されたプーリ20と、ねじ棒19を
双方向A1,A2に回転駆動するためのZ軸リフトモー
タ21と、Z軸リフトモータ21の出力軸23に固定さ
れるプーリ24と、各プーリ20,24間にわたって巻
掛けられて張架されるタイミングベルト25と、前記ナ
ット部材10aの上限位置と下限位置とを検出する一対
のリミットスイッチ26a,26bとを有する。
【0022】空気圧シリンダ11を伸長させて裁断刃6
が前記移動手段13によって設定される非裁断位置に引
上げられたときは、各研磨ローラ53a,54a;53
b,54bが刃先を研磨した後、刃幅を測定する。刃幅
検出手段60の作動ピン61を前進させて検出ピン62
を押圧した後、退避させて、たとえば、移動量と押圧力
の変化とから前記裁断刃6の刃面の摩耗量に対応する刃
先の位置を検出することもできる。すなわち、検出ピン
62を前進させて刃先に接触するときに押圧力が検出さ
れ、検出ピン62を退避させて押圧力が消失するときに
刃先の位置が示される。裁断刃6が摩耗すれば、刃先の
位置が検出ピン62の前進側に変化する。
【0023】図2は、刃幅検出手段60および検出ピン
62に関連する構成を示す。作動リング51の上部に
は、原点カム56が取付けられ、裁断刃6の刃先の向
き、すなわちR軸8まわりの基準方向の検出のために使
用される。刃幅の測定は、刃先が一定の方向に向いてい
るときに可能となる。刃幅を測定して研磨量をフィード
バック制御するために、制御手段2が設けられている。
【0024】前記裁断ヘッド1には、裁断刃6がシート
材料3から引抜かれた測定位置(図2に示される状態)
を検出する近接スイッチなどである測定位置検出手段3
0等が設けられる。測定位置検出手段30からの出力に
基づいて、検出ピン62を裁断刃6の刃先66よりも退
避した退避位置から前記刃先66に近接する方向に前進
させて当接させた後、刃先66から離反する方向に前記
退避位置まで後退させて、前記検出ピン62の前進時に
おける退避位置から刃先66までの距離を算出する演算
も制御手段2によって行われる。測定位置検出手段30
は、R軸本体15aに取付けられ、摺動板10の昇降移
動に従って昇降移動する。
【0025】前記裁断刃6は、作動リング51内を上下
に変位自在に挿通し、作動リング51は、裁断刃旋回用
駆動モータ52によって、予め定める裁断方向に刃先が
向くようにR軸8まわりに旋回駆動される。この旋回用
駆動モータ52の下側方には、作動リング51の歯車部
51aがその回転を許容可能にして設けられる。研磨用
駆動モータ58の出力軸にはプーリ58aが固定され、
このプーリ58aから内歯歯車55にわたってタイミン
グベルト59が巻掛けられて張架される。内歯歯車55
には遊星歯車65が噛合し、遊星歯車65に同軸に固定
される軸75aを介する回転力が前記裁断刃6を挟む両
側に各上下対を成して設けられる研磨ローラの一方53
a,54aに伝達されて回転駆動される。これらの研磨
ローラを交互に裁断刃6に接触させて刃先66が研磨さ
れる。
【0026】図1に示すように、前記Z軸リフトモータ
21は、フレーム12に取付けられ、たとえばステッピ
ングモータが用いられる。また、前記ねじ棒19のリー
ドは3mm/rev程度に選ばれる。また、各リミット
スイッチ26a,26bは、上下に間隔L2=50mm
をあけて配置され、前記Z軸リフトモータ21のパルス
レートが1000パルス/secの場合、摺動板10を
40mm/secで昇降変位駆動することができる。各
リミットスイッチ26a,26bのいずれか一方のスイ
ッチング態様が変化すると、制御手段17は停止信号を
出力して前記Z軸リフトモータ21を停止させる。前記
摺動板10は、裁断ヘッド1のフレーム12に形成され
た案内溝(図示せず)に沿ってZ軸方向に摺動自在であ
る。
【0027】フットプレッサ14は、作動リング51に
設けられる案内軸14a,14bの下端に固定される。
案内軸14a,14bの上端にはばねが設けられ、フッ
トプレッサ14をZ軸上でシート材料3の表面7から離
反する方向に付勢する。摺動板10に固定される空気圧
シリンダ27と、空気圧シリンダ27のピストン棒28
の先端部に固定される取付片29と、この取付片29の
下端部に軸支されるローラ29aとは、フットプレッサ
14をZ軸上で表面7側に押圧する。空気圧シリンダ2
7のピストン棒28のストロークL3は、たとえば20
〜30mmに選ばれている。
【0028】シート材料3の積層厚を検出するために、
フットプレッサ14を用いることができる。空気圧シリ
ンダ27を伸長させた状態から、Z軸リフトモータ21
によって摺動板10を下降させる。下降中に、フットプ
レッサ14がシート材料3の表面7に当接したら前記Z
軸リフトモータ21を停止する。このようなフットプレ
ッサ14の当接状態は、位置検出手段16によって検出
される。
【0029】前記位置検出手段16は、フットプレッサ
14に当接するローラ29aが軸支される取付片29か
ら上方に立上がるラック33と、このラック33に噛合
するピニオン34と、ピニオン34の回転量を検出する
ロータリエンコーダ35とを含んで構成される。ロータ
リエンコーダ35は、R軸本体15aに対して固定され
る。このようなロータリエンコーダ35のカウント値の
変化が任意の設定値L4に達したら、前記Z軸リフトモ
ータ21を停止する。
【0030】図3は、図2の制御手段2によるフィード
バック制御の動作を示す。ステップa1から動作を開始
し、ステップa2では動作条件を設定する。動作条件と
しては、裁断に対する研磨を行う頻度、研磨量の測定を
行うタイミングや、1回の裁断刃の研磨動作に対しての
適正研磨量などが設定される。測定を行う頻度や適正研
磨量は、予めデフォルト値として設定されており、入力
がなければデフォルト値が自動的に付与される。また裁
断するシート材の生地やナイフ、研磨ローラの砥石の種
類をデータとして入力し、その組合わせに応じて適切な
デフォルト値を選択するようにしてもよい。研磨を行う
頻度としては、たとえば、一定時間や一定距離の裁断動
作毎に設定する。測定のタイミングとしては、たとえば
研磨動作の一定の回数を測定サイクルとして設定し、測
定を行うべき条件を設定する。
【0031】ステップa3ではシート材の裁断動作が行
われる。ステップa4では、設定された条件に従って研
磨動作が行われる。研磨動作は、頻度の条件が満たされ
た後で、たとえばシート材料3から裁断刃6を引抜い
て、裁断刃6の角度を大きく変化させるときや、裁断ヘ
ッド1が移動して別の裁断パターンに移行する途中で行
われたり、裁断終了時やシート材料3を搬送するための
アドバンス待機時に行われる。ステップa5では、研磨
動作の積算回数が設定された測定サイクルに到達してい
るか否かが判断される。たとえば100回程度に設定さ
れる測定サイクルに到達していないときには、ステップ
a3とステップa4の動作を繰返す。ステップa5で、
測定サイクルに到達していると判断しているときには、
設定されたタイミングでステップa6で研磨量を測定す
る。裁断動作中に測定を行うと余分な時間を要し、裁断
が遅れるので、1マーク分のシート材料の裁断が終了し
たときや、アドバンス待機時など、裁断刃6が休止して
いるときに測定する。この間に次の研磨が行われても、
これによる研磨量の変化は無視することができる。ステ
ップa7では測定された研磨量を適正な研磨量と比較す
る。この結果、ステップa8で、研磨過多となっている
か否かを判断する。研磨過多ではないときには、ステッ
プa9で研磨不足となっているか否かを判断する。研磨
不足と判断されるときには、ステップa10で1回あた
りの研磨時間から砥石寿命の比較を行う。ステップa1
1では、1回当たりの研磨時間がたとえば前述の図13
(A)のt3時間に相当するような砥石寿命に到達し、
研磨時間を増加させても研磨量の増加の割合が小さくな
っているか否かを判断する。砥石寿命に達していないと
きには、ステップa12で研磨量が適正量に近づくよう
に1回あたりの研磨時間を増加させる。ステップa8で
研磨過多であると判断されるときには、ステップa13
で研磨量が適正量に近づくように1回あたりの研磨時間
を減少させる。ステップa12およびステップa13が
終了すると、ステップa3以下に戻り、研磨量を適正に
するためのフィードバック制御が行われる。ステップa
11で砥石寿命であると判断されるときには、ステップ
a14でアラームを発生し、作業者に砥石の交換を促
す。研磨時間の増減は、たとえば一定時間ずつ行う。1
回のフィードバック制御で研磨量が適正にならなくて
も、繰返せば適正に近づく。また、図13のような砥石
の特性をデータとして記憶しておき、これに基づいて増
減時間を決めるようにしてもよい。
【0032】図4は、刃幅測定に関する具体的構成を示
す断面図である。本実施例の刃幅検出手段60は、作動
リング51に設けられ、前記検出ピン62を備える第1
ブロック101と、第1ブロック101よりもR軸8に
関して半径方向外方で前記R軸本体15a側に設けられ
る第2ブロック102とから成る。第1ブロック101
は、直円筒状の内周面を有するばね収納孔103が形成
され、前記作動リング51に固定される保持部材104
と、前記検出ピン62に装着された状態で、ばね収納孔
103内に収納される第1圧縮コイルばね105とを有
する。前記検出ピン62は、直円柱状の小径部106
と、小径部106の一端部に一体的に形成される直円柱
状の大径部107とを有し、小径部106の裁断刃6に
臨む端部付近には、係止リング108が装着されて、第
1圧縮コイルばね105のばね力によって検出ピン62
がばね収納孔103から離脱してしまうことを防止して
いる。
【0033】このような係止リング108によって検出
ピン62が抜止めされた状態では、この検出ピン62の
小径部106の裁断刃6に臨む先端部106aと、大径
部107の前記小径部106と反対側の端部107aと
は、保持部材104から両側に突出している。このよう
な第1ブロック101は、前記作動リング51のR軸8
まわりの回転によって回転する。
【0034】前記第2ブロック102は、前記R軸本体
15aに固定されるケーシング110と、ケーシング1
10内に収納される押圧部材111と、ケーシング11
0に固定され押圧部材111をR軸8に向けて近接/離
反変位駆動するリニアステッピングモータ63と、前記
押圧部材111の変位を検出する近接スイッチ112と
を有する。前記押圧部材111は、シリンダ113と、
シリンダ113内に変位可能に収納されるピストン11
4とを有する。シリンダ113は、小径筒部115と、
小径筒部115の軸線方向一端部に一体的に連なる大径
筒部116とから成る。大径筒部116には、前記ピス
トン114が嵌まり込むピストン室117が形成され、
また小径筒部115には、ピストン114から同軸に延
びるピストン棒118が挿入されるばね収納孔119が
形成される。ばね収納孔119内のピストン棒118に
は、第2圧縮コイルばね120が装着され、このばね1
20によってピストン114がR軸8に関して半径方向
外方、すなわち図3の左方に弾発的に付勢される。第2
圧縮コイルばね120のばね定数は、第1圧縮コイルば
ねのばね定数よりも大きくしておく。
【0035】前記ケーシング110には、シリンダ11
3の小径筒部115が挿通する挿通孔121が形成さ
れ、前記リニアステッピングモータ63の出力軸122
が図3の右方へ伸長したときにケーシング110の外部
へ突出することができる。また出力軸122が図3の左
方へ退避した状態では、前記小径筒部115の軸部12
3の先端部である作動ピン61と前記検出ピン62の大
径部107の端部107aとは間隔D1をあけて離間し
ている。また、検出ピン62の小径部106と端部10
6aと裁断刃6の刃先66とは間隔D2をあけて離間し
ている。さらにシリンダ113の大径筒部116の端面
124とピストン114の前記端面124に対向する端
面125とは間隔D3をあけて離間しており、さらに小
径筒部115の端面126とこの端面126に対向する
ピストン棒118の端面127とは間隔D4をあけて離
間している。前記間隔D1はたとえば1.5mmに選ば
れ、また前記間隔D2は7.5mmに選ばれ、さらに前
記間隔D3は1.0mmに選ばれ、前記間隔D4は1.
0mmに選ばれる。
【0036】前記シリンダ113の大径筒部116に
は、その軸線方向に延びる案内長孔128a,128b
が形成され、各案内長孔128a,128bには、前記
ピストン114に固定された案内ピン129a,129
bが移動自在に挿通される。
【0037】前記リニアステッピングモータ63は、ス
テップサイズが0.029mm/パルスであり、リード
ピッチが0.7mm/回転であり、たとえば420パル
ス/secで12mm/secの移動速度で出力軸12
2を伸長/縮退変位駆動させることができる。
【0038】またシリンダ113の大径筒部116に
は、検出ピン62の先端部106aが裁断刃6の刃先6
6に当接したことを検出するための当接位置検出スイッ
チ130が設けられ、前記近接スイッチ112がオフし
た状態、すなわちリニアステッピングモータ63の出力
軸122が伸長して押圧部材111がケーシング110
内で図3の右方へ移動した状態で、前記当接位置検出ス
イッチ130がオンすると、検出ピン62の先端部10
6aが刃先66に当接したものと判断し、前述したよう
にして刃幅を測定することができる。研磨前後の刃幅の
差から裁断刃6の研磨量を求めることができる。
【0039】図5は、図4に示す構成によって刃幅が測
定される原理を示す。W1は、間隔D1およびD3が0
のときの間隔D2に等しい。裁断刃6の刃幅をW2とす
ると、検出器具62の先端部106aから裁断刃6のリ
ッジ68までの距離W3は、刃幅検出手段60と裁断刃
6との機械的な配置関係から一定である。直接検出され
るのは、距離W1であり、刃幅W2は、W2=W3−W
1という演算によって求められる。刃幅は、レーザビー
ムなどを用いて、光学的に、非接触状態で測定すること
もできる。また研磨量は、距離W1の変化量、すなわち
刃先の位置の変化などから測定することもできる。刃先
の位置検出は、機械的に直接接触させるばかりではな
く、光学的や電気的に、接触・非接触のいずれでも行う
ことが可能である。
【0040】図6〜図8は、裁断刃6の研磨に関連する
構成を示す。図6は部分断面図。図7および図8は、図
6の切断面線VII−VIIから見た断面図をそれぞれ
示す。
【0041】モータ58からの駆動力は、プーリ58a
およびタイミングベルト59を介して、内歯歯車55の
外周側に伝達される。内歯歯車55の内周側に噛合する
遊星歯車65の回転を各研磨ローラ53a,53b;5
4a,54bに伝達するのは回転伝達手段67であり、
前記作動リング51の回転を係止し、かつその係止状態
を解除するのはロック手段69である。
【0042】作動リング51は、摺動板10に対して固
定されるR軸本体15aに上下一対の軸受71,72を
介して回転自在に軸支される。作動リング51の上方に
は原点カム56が取付けられる。原点カム56の周縁部
に近接して、原点検出器73が設けられる。原点カム5
6の突起部が原点検出器73の位置にあるときを、裁断
刃6の刃先の向きの基準とする。
【0043】回転伝達手段67では、遊星歯車65は軸
75aに固定される。この軸75aの近傍には、軸75
aと平行にもう1つの軸75bが配置され、各軸75
a,75bには、相互に噛合する歯車76a,76bが
それぞれ固定され、前記遊星歯車65の回転力は、一方
の歯車76aを介して他方の歯車76bに伝達され、こ
の歯車76bが固定される軸75bに伝達される。一方
の軸75aにはまた、軸線方向に間隔をあけて一対のプ
ーリ77a,78aが固定される。他方の軸75bにつ
いても同様である。これらのプーリ対間には、揺動部材
79a,79bの一端部が揺動自在に装着される。各揺
動部材79a,79bの他端部には、軸80a,80b
が挿通され、各軸80a,80bの各両端部には前記研
磨ローラ53a,54a;53b,54bが回転自在に
装着される。
【0044】R軸本体15aには取付片81が固定さ
れ、取付片81には前記ロック手段69が設けられる。
ロック手段69は、前記取付片81に固定される空気圧
シリンダ82と、空気圧シリンダ82のピストン棒の先
端部に固着される当接片83とを有し、この当接片83
はカムリング57の歯付部57aの外周面に当接/離反
して、カムリング57の回転を係止し/解除することが
できる。
【0045】図8に示すように、カムリング57には、
その内周面から半径方向外方に凸となるカム溝84a,
84bと、当接部85の両側に周方向に延びる2つの透
孔86a,86bとが形成される。前記カム溝84a,
84bには、前記揺動部材79a,79bに一体的に形
成されるホロア87a,87bが嵌まり込み、カム面に
沿って案内される。各揺動部材79a,79bには、引
張コイルばね88の両端部がそれぞれ係止され、研磨ロ
ーラ53a,54a;53b,54bが相互に近接する
方向に付勢される。これによって各ホロア87a,87
bが半径方向外方、すなわち各ホロア87a,87bが
各カム溝84a,84bに臨んだときに、各カム面に弾
発的に当接する方向にばね付勢される。
【0046】前記裁断刃6は、作動リング51内に立設
される案内部材89の案内溝内に嵌まり込んで案内さ
れ、案内部材89には取付片90が固定される。取付片
90には、2つの揺動アーム91a,91bがピン92
a,92bによって揺動自在に連結され、各揺動アーム
91a,91bの遊端部93a,93bは前記透孔86
a,86b内に嵌まり込む。各揺動アーム91a,91
bは、引張コイルばね94によって各遊端部93a,9
3bが相互に近接する方向にばね付勢される。カムリン
グ57の歯付部57aから当接片83が離反していると
きには、カムリング57と作動リング51とは一体で回
転し、ホロア87a,87bは両カム溝84a,84b
の中央に留まる。
【0047】この状態で、空気圧シリンダ82に圧縮空
気が供給されると、そのピストン棒が伸長して当接片8
3が歯付部57aの外周面に当接し、これによってカム
リング57の回転が阻止される。R軸駆動用のモータ5
2が回転駆動されると、作動リング51が一方向Cに僅
かに回転し、一方のホロア87aがカム溝84a内に嵌
まり込み、また一方の揺動アーム91bの遊端部93b
が当接部85に当接した状態で、引張コイルばね94の
ばね力に抗して、他方の揺動アーム91aから離反する
方向に角変位して拡げられる。この状態においては、遊
星歯車65の公転動作が拘束され、前記内歯歯車55の
回転が遊星歯車65、各軸75a,75b、各歯車76
a,76bに、各プーリおよびベルト95,95bを介
して各研磨ローラ53a,54a;53b,54bに伝
達されて回転駆動される。これらの研磨ローラ53a,
54a;53b,54bの回転数は、4500〜800
0rpm程度に選ばれ、研磨ローラ54a側で裁断刃6
の刃先を研磨する。
【0048】また、R軸駆動用のモータ52が逆方向に
回転駆動を開始すると、その回転は上述のようにして各
研磨ローラ53a,54a;53b,54bに伝達され
るとともに、作動リング51は、前記回転方向Cとは逆
方向に回転されて、他方のホロア87bがカム溝84b
内に嵌まり込み、これによって研磨ローラ54b側によ
って裁断刃6の他側面が研磨される。このような裁断刃
6の研磨時において、各研磨ローラ53a,54a;5
3b,54bの裁断刃6への当接圧力は、前記引張コイ
ルばね88のばね力によって調整することができる。ま
た研磨量は、各カム溝84a,84bの内周面96から
の深さdによって設定することができる。このようにし
て、裁断刃6がどのような回転位置にあっても、ロック
手段69によってカムリング57の回転を停止させた状
態で、研磨ローラ53a,54a;53b,54bを裁
断刃6に接触させて研磨することができる。
【0049】図9は、裁断刃6の研磨動作を説明するた
めのフローチャートである。まず、ステップs1で、研
磨動作が開始され、ステップs2で裁断中であった裁断
刃6が上昇してシート材料3から引抜かれ、ステップs
3で内歯歯車駆動用モータ58を作動させて、4500
〜8000rpmで回転させる。
【0050】ステップs4で、R軸モータ52を停止し
て、ロック手段69を作動させて、当接片83を摺動環
であるカムリング57の歯付部57aの外周面に当接さ
せ、カムリング57の回転を係止する。これによって、
ステップs5で回動筒体である作動リング51をカムリ
ング57に対して矢符C方向へ−15°回転して、裁断
刃6の片面に研磨ローラ53a,54aが押しあてられ
て、設定された研磨時間、たとえば0.2〜3秒程度研
磨する。
【0051】次に、ステップs6で、R軸モータ52の
回転方向を逆方向に切換えて、作動リング51を+30
°回転させ、研磨ローラ53b,54bによって裁断刃
6の他方の片面を研磨し、ステップs7でR軸モータ5
2を反転させて、各研磨ローラ53a,54a;53
b,54bを裁断刃6に接触しない初期位置に復帰させ
る。その後、ステップs8で当接片83を歯付部57a
の外周面から退避させるとともに、ステップs9で内歯
歯車駆動用モータ58を停止して、ステップs10で研
磨動作が終了し、次の裁断動作に移る。
【0052】このようにして、他の裁断パターンに移る
ためなどに裁断刃6がシート材料3から引抜かれて裁断
動作が中断したとき、裁断刃をその向きにかかわらず、
均一にかつ迅速に研磨することができる。
【0053】図10は、図2に示す制御手段2に関連す
る電気的構成を示す。制御手段2には、処理回路41、
入力装置42、記憶装置43、メモリ44およびカウン
タ45などが含まれる。処理回路41はマイクロコンピ
ュータなどを含んで実現される。入力装置42からは、
裁断や研磨のためのコマンドや条件が入力される。記憶
装置43では、フロッピーディスクなどの記憶媒体に、
裁断データや研磨および測定に関するデフォルト値や、
砥石の寿命に関するデータなどが記憶されている。メモ
リ44には、前回の刃幅測定値など、各種データが記憶
される。カウンタ45は、研磨回数の計数に使用され
る。X軸モータ46およびY軸モータ47は、裁断ヘッ
ド1を、図1に示すX方向およびY方向に移動させると
きにそれぞれ駆動される。
【0054】図11は、本発明の他の実施例の研磨のた
めの構成を示す断面図である。本実施例のカムリング1
57には、その内周面から半径方向内方に突出する2つ
の案内突部184a,184bが周方向に間隔をあけて
形成され、これらのカム面197a,197bには、カ
ムリング157に対して相対的な作動リングの正/逆方
向の回転動作に応じて各ローラ187a,187bが案
内される。各ローラ187a,187bは、各軸75
a,75bに角変位自在に連結されたアーム193a,
193bの各遊端部に軸支される。これらのアーム19
3a,193bの各遊端部と各揺動部材179a,17
9bとの間には、圧縮コイルばね168a,168bが
それぞれ介在される。カム面197a,197bによっ
て半径方向内方に押し上げられたローラ187a,18
7bの変位によって、各揺動部材179a,179bを
相互に近接する方向に押圧する。これによって、研磨ロ
ーラ53a,54a;53b,54bを裁断刃6に押し
付けることができる。また、各揺動部材179a,17
9bには、引張コイルばね188a,188bの各一端
部が係止され、引張コイルばね188a,188bの各
他端部は、作動リング51に係止される。これらの引張
コイルばね188a,188bによって、各揺動部材1
79a,179bおよび研磨ローラ53a,54a;5
3b,54bを相互に離反する方向に付勢して、研磨動
作が終了した後、復帰させることができる。
【0055】本実施例では、研磨ローラ53a,54
a;53b,54bの押しあて量を、案内突起184
a,184bの高さや、圧縮コイルばね168a,16
8bの強さによって、容易に調整することができる。ま
た、作動リング51の相対的な角変位量に対応して、押
しあて量を調整することができる。
【0056】研磨量の制御は、研磨時間の調整と押しあ
て量の調整ばかりではなく、内歯歯車駆動用モータ58
の回転数を調整することによっても可能である。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、裁断刃の
研磨量が適正な研磨量となるようにフィードバック制御
することができるので、予め研磨性能の低下を見込んで
余裕のある研磨量を設定する必要がなく、研磨過多を防
止することができる。これによって裁断刃や研磨のため
の砥石などの寿命を延ばすことができる。また研磨過多
を防止することができるので、不必要な研磨に要する研
磨の無駄時間を減少することができる。また、研磨に使
用する砥石などは、研磨を行った積算時間が大きくなる
とともに研磨性能が徐々に低下するので、研磨不足にな
り、裁断刃の切れ味が劣化するおそれがあるけれども、
適正な研磨量にフィードバック制御されるので、研磨不
足を防止することができる。これによって裁断刃の切れ
味が安定し、裁断トラブルを減少させることができる。
さらに、研磨に使用する砥石の研磨性能の低下を把握す
ることができるので、砥石の交換時期や目詰まり除去の
ためのクリーニング時期などを明確に知ることができ
る。このため、従来のように一定期間毎に砥石を交換し
て、未だ使用可能な砥石を除去したり、作業者の勘に頼
って不安定な状態で砥石を交換する必要がなくなる。こ
のように砥石などの交換時期が明確になり、その点検回
数を減らすことができる。
【0058】また本発明によれば、裁断刃の刃幅を測定
して研磨量を測定するので、研磨量を容易かつ迅速に測
定することができ、裁断作業の効率を低下させないで正
確な研磨量を測定することができる。
【0059】また本発明によれば、1回の研磨における
研磨時間を減少または増加させて研磨量を減少または増
加させる。研磨時間の制御は容易に行うことができるの
で、研磨量の制御も容易となる。
【0060】さらに本発明によれば、研磨量を測定しな
がらフィードバック制御するので、研磨用の砥石などの
性能が変化しても安定した研磨を行うことができ、研磨
過多や研磨不足を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の裁断刃研磨制御装置を備え
る裁断機の主要部分を簡略化して示す斜視図である。
【図2】図1の実施例の刃幅測定のための構成を示す簡
略化した断面図である。
【図3】図1の実施例の動作を示すフローチャートであ
る。
【図4】図1の実施例の刃幅測定のための具体的構成を
示す部分的な断面図である。
【図5】図1の実施例で刃幅の算出手順を説明するため
の図である。
【図6】図1の実施例で研磨装置に関連する構成を示す
断面図である。
【図7】図6の切断面線VII−VIIから見た拡大断
面図である。
【図8】図6の切断面線VII−VIIから見た拡大断
面図である。
【図9】図1の実施例の裁断刃6の研磨動作を示すフロ
ーチャートである。
【図10】図1の実施例の制御手段2の電気的構成を示
すブロック図である。
【図11】本発明の他の実施例の断面図である。
【図12】裁断刃研磨用砥石の研磨回数と研磨量との関
係を示すグラフである。
【図13】一般的な砥石と裁断刃の研磨時間に対する研
磨量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 裁断ヘッド 2 制御手段 3 シート材料 4 裁断刃 8 R軸 9 ヘッドブロック 15a R軸本体 30 測定位置検出手段 51 作動リング 52,58 モータ 53a,54a;53b,54b 研磨ローラ 55 内歯歯車 57,157 カムリング 60 刃幅検出手段 61 作動ピン 62 検出ピン 63 リニアステッピングモータ 65 遊星歯車 66 刃先 67 回転伝達手段 68 リッジ 69 ロック手段 71,72 軸受 79a,79b;179a,179b 揺動部材 82 空気圧シリンダ 83 当接片 84a,84b カム溝 87a,87b ホロア 88;188a,188b 引張コイルばね 89 案内部材 112 近接スイッチ 130 当接位置検出スイッチ 184a,184b 案内突起 187a,187b ローラ 193a,193b アーム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裁断機の稼働中に、予め定める条件に従
    って繰返して研磨される裁断刃の研磨量制御装置であっ
    て、 予め定める期間毎に、裁断刃の研磨量を測定する測定手
    段と、 測定手段からの出力に応答して、測定された研磨量を予
    め定める適正研磨量と比較し、研磨過多のときは次回の
    研磨における研磨量を減少させ、研磨不足のときは次回
    の研磨における研磨量を増加させて、次回の研磨におけ
    る研磨量を適正研磨量に近づける制御手段とを含むこと
    を特徴とする裁断刃の研磨量制御装置。
  2. 【請求項2】 前記測定手段は、裁断刃の刃幅を測定し
    て研磨量を測定することを特徴とする請求項1記載の裁
    断刃の研磨量制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、1回の研磨における研
    磨時間を減少または増加させることによって、研磨量を
    減少または増加させることを特徴とする請求項1または
    2記載の裁断刃の研磨量制御装置。
  4. 【請求項4】 裁断機の稼働中に、予め定める条件に従
    って繰返して研磨される裁断刃の研磨量制御方法であっ
    て、 予め定める期間毎に、裁断刃の研磨量を測定し、 測定された研磨量を予め定める適正研磨量と比較し、研
    磨過多のときは次回の研磨における研磨量を減少させ、
    研磨不足のときは次回の研磨における研磨量を増加させ
    て、次回の研磨における研磨量が適正研磨量に近づくよ
    うに制御することを特徴とする裁断刃の研磨量制御方
    法。
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