JPH08225091A - 自動二，三輪車の補機類取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺物の収納が容易であり、乗降性を損なう
ことなくバッテリ，タンク容量を拡大でき、さらには後
輪回りのデザインを簡素化できる自動二，三輪車の補機
類取付構造を提供する。 【解決手段】 メインパイプ３の後部に、上方に延びる
１本のシートポスト５を固着し、該シートポスト５の上
部と後輪支持部材６ａとを左，右一対のバックステー６
で接続して車体フレーム２を形成し、上記シートポスト
５の上端に鞍型シート２０を装着した自動二，三輪車の
補機類取付構造において、上記シートポスト５と後輪１
２との間に補機類（キャリアバスケット）２１を配置す
るとともに、該補機類２１をシートポスト５に着脱可能
に取り付け、該補機類２１の上端部を上記左，右のバッ
クステー６の間を通って該バックステー６より上方に位
置させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動二，三輪車に
キャリアバスケット，燃料タンク，バッテリケース等の
補機類を取付けるための構造に関する。本発明は、特に
メインパイプにシートポストを立設し、該シートポスト
の上端に鞍型シートを備えるとともに、後輪に円弧状の
後フェンダを装着した自動二輪車に最適であるので、以
下、主としてこのようなタイプの自動二輪車の一例とし
てペダル付き自動二輪車を例にとって説明する。

【０００２】

【従来の技術】メインパイプとシートポストとからなる
車体フレームを備えた自動二，三輪車において、荷物を
収容するキャリアバスケットを設ける場合は、操向ハン
ドルの前側，あるいは後フェンダの上方に配設するのが
一般的である。また燃料タンクやバッテリ等について
は、上記メインパイプとシートポストで形成されるＶ字
状の領域あるいは後フェンダの上方に搭載するのが一般
的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで上記キャリア
バスケットを備えた自動二，三輪車において、例えばゴ
ルフクラブ，傘等の長尺物は、キャリアバスケットが上
下方向にそれほど長くは形成されていないことから、そ
のまま収納するのは困難であり、ゴムバンド等で固定す
る必要がある。

【０００４】また、上述のＶ字状領域を有するＶ型フレ
ームを備えた自動二，三輪車では、後輪廻りを簡素化し
て軽快なイメージを得たいというデザイン上の要請があ
るが、上記後フェンダ上にキャリアバスケット，燃料タ
ンク等を配設した場合にはこのようなデザイン上の要請
には応えられない。

【０００５】さらにまた、上記Ｖ字状の領域に燃料タン
クやバッテリを配設する場合は、容量をあまり大きくす
ると乗り降りの邪魔になり易いことから、容量の拡大は
困難であるという問題がある。

【０００６】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、長尺物の収容が容易であり、あるいは乗降性を損な
うことなくタンク，バッテリ容量を拡大でき、しかも後
輪廻りを簡素化するというデザイン上の要請にも応えら
れる自動二，三輪車の補機類取付構造を提供することを
目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、メイ
ンパイプの後部に、上方に延びる１本のシートポストを
固着し、該シートポストの上部と後輪支持部材とを左，
右一対のバックステーで接続して車体フレームを形成
し、上記シートポストの上端に鞍型シートを装着した自
動二，三輪車の補機類取付構造において、上記シートポ
ストと後輪との間に補機類を配置するとともに、該補機
類を上記シートポストに着脱可能に取り付け、該補機類
の上端部を上記左，右のバックステーの間を通って該バ
ックステーより上方に位置させたことを特徴としてい
る。

【０００８】請求項２の発明は、請求項１において、上
記補機類が、バッテリを収容するバッテリケースである
ことを特徴としている。

【０００９】ここで本発明における補機類は、請求項２
の発明におけるバッテリケースに限定されないことは勿
論であり、例えばキャリアバスケット，燃料タンク，潤
滑油タンク，冷却水タンク等の自動二，三輪車に搭載さ
れる全ての補機類が含まれる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図１ないし図４は請求項１の
発明の第１実施形態によるペダル付き自動二輪車のキャ
リアバスケット取付け構造を説明するための図である。

【００１１】図において、１はペダル付き自動二輪車で
あり、該自動二輪車１の車体フレーム２は、丸形鋼管製
のメインパイプ３の前端部に操舵軸筒４を固着し、後端
部に上方に延びる丸形鋼管製のシートポスト５を立設
し、該シートポスト５の上部に斜め下方に延びる左，右
一対のバックステー６，６の上端を固着し、該各バック
ステー６の下端をリヤアーム６ａの後端に固着して構成
されている。

【００１２】また、上記操舵軸筒４に回動自在に支持さ
れた前フォーク７の下端には前輪８が、上端には操向ハ
ンドル９がそれぞれ装着されている。また、上記リヤア
ーム６ａには後輪１２が回転自在に支持されており、こ
の後輪１２，前輪８の上部は円弧状の後フェンダ１２
ａ，前フェンダ８ａによって覆われている。

【００１３】さらにまた上記メインパイプ３の後部下方
にはエンジン１０が吊設され、該エンジン１０のクラン
クケース１０ａには上記リヤアーム６ａの前端が固着さ
れ、これにより上記後輪１２を支持するリヤフレームが
構成されている。また、上記クランクケース１０ａには
左右一対の足踏ペダル１１が接続され、該ペダル１１の
回転軸は上記リヤアーム６ａ内の駆動シャフトと連結さ
れている。なお、１０ｂは排気管，１０ｃは気化器であ
る。

【００１４】そして、上記シートポスト５の上端には鞍
型シート２０が装着され、またメインパイプ３とシート
ポスト５との接続部はＶ字状になっており、該領域には
燃料タンク１３が配置され、その前壁，後壁がメインパ
イプ３，シートポスト５に固定されている。この燃料タ
ンク１３は鋼板製で潤滑油収容部を内蔵する形式のもの
である。

【００１５】上記メインパイプ３内には補助電源を収容
するためのケース１４が挿入されている。該ケース１４
は樹脂製円形パイプからなるもので、該ケース１４に一
体形成されたリブ１４ａがメインパイプ３内に突設され
た位置決め突起３ａに係合し、メインパイプ３の上側に
偏心している。該偏心により上記ケース１４の下面とメ
インパイプ３との間の空間は配線スペースとなってい
る。該空間内にワイヤハーネス１５ａ，操作ケーブル１
５ｂが配線されている。

【００１６】また、上記ケース１４内には補助電源とし
ての多数の乾電池１６が収容されており、またメインパ
イプ３の後端には開閉蓋１７ａが螺着され、該開閉蓋１
７ａと上記後端の乾電池１６との間には導電用スプリン
グ１７ｂが該乾電池１６を前端側に付勢するように介設
されている。また、上記メインパイプ３のケース１４前
方には切換スイッチ１８が配設されており、この切換ス
イッチ１８は前照灯１９をオン，オフするためのもので
ある。

【００１７】そして、上記シートポスト５と上記後フェ
ンダ１２ａとの間は上方に長い空間となっており、この
空間には補機類としてのキャリアバスケット２１が配設
されている。該バスケット２１の上端部は左, 右バック
ステー６の間から上方に突出し、かつ後フェンダ１２ａ
の最上縁部と略同じ高さに位置している。

【００１８】上記バスケット２１は小径の丸棒を所定形
状に折り曲げ、相互に溶接接合してなる横断面矩形状の
ものであり、上記空間形状に沿って上方に長い龍状にな
っている。そして上端には開口２１ａが形成され、底面
にはトレイ２１ｂが挿入固定されている。また前面の
上，下２箇所には取付けブラケット２１ｃが固着され、
このブラケット２１ｃはシートポスト５の背面に形成さ
れた支持ブラケット５ａにボルト締め固着されている。

【００１９】次に本実施形態の作用効果について説明す
る。本実施形態の取付け構造では、シートポスト５と後
フェンダ１２ａとの間の比較的上下に長い空間にキャリ
アバスケット２１を配設し、また上端の物品出し入れ用
の開口２１ａを左右のバックステー６より上方に位置さ
せたので、このバスケット２１を上下方向に長い形状に
することができ、ゴルフクラブ２２等の長尺物でも容易
に積載できる。またこの場合、上下方向に起立状態で収
容できるので従来構造における場合のようなゴムバンド
等で固定する必要はない。

【００２０】またキャリアバスケット２１の上端開口２
１ａを後フェンダ１２ａの最上縁部と略同じ高さに位置
させたので、該バスケット２１の容量を確保しながら物
品の出し入れ操作を容易に行うことができる。例えば、
バスケット２１の上端位置をさらに高くすると物品出し
入れ時にシート２０との干渉が生じ、物品の出し入れ操
作性が低下する。一方、上端位置をあまり低くすると容
量が小さくなる。また、上端開口位置を後フェンダ１２
ａの最上縁部付近の高さに位置させたので後フェンダが
邪魔にならず広い空間を使用でき、重い物の出し入れ性
も良好である。

【００２１】またキャリアバスケット２１自体の取り付
け，取り外しにあたっては、該バスケット２１を左右の
バックステー６の間を通って上下に出し入れ可能であ
り、該バスケット２１の脱着作業が容易である。

【００２２】またキャリアバスケット２１をシート荷重
を支える関係から本来剛性の高いシートポスト５に取り
付けたので、重量物を収容する場合も支障なく支持でき
る。またキャリアバスケット２１は前，後がシートポス
ト５，後輪１２により、左，右がバックステー６により
囲まれており、これらの部材が例えば転倒時には保護部
材として機能し、キャリアバスケット６の損傷を回避で
きる。

【００２３】本実施形態では、上記空間にキャリアバス
ケット２１を配置するとともに、メインパイプ３とシー
トポスト５との接続部に燃料タンク１３を搭載したの
で、後フェンダ１２ａの上方にこれらのタンク等を配置
する必要はなくなり、それだけこの後輪１２廻りが簡素
化され、軽快なイメージのデザインが実現できる。

【００２４】また、補助電源を収容する場合は、従来、
後輪側面，キャリアバスケットの下方等に専用スペース
を別途に確保していたが、本実施例ではメインパイプ３
内に樹脂製ケース１４を挿入してこれを収容スペースと
したので、乾電池の収容のための専用スペースを別途に
確保する必要はなく、またこのケース１４を偏心させた
ので、ワイヤハーネス１５ａ等の配線スペースも同時に
確保でき、さらに上記ケース１４内への雨水の侵入を防
止でき、耐久性を向上できる。

【００２５】図５ないし図７は請求項１の発明の第２実
施形態を示し、本実施形態は補機類が燃料タンクである
場合の例である。

【００２６】図において、図１と同一符号は同一又は相
当部分を示す。２３は燃料タンクであり、これはシート
ポスト５と、後フェンダ１２ａ，左, 右のバックステー
６とで囲まれた空間に配設され、該燃料タンク２３の上
端部はバックステー６の間から上方に突出し、かつ後輪
１２の最上縁部と略同じ高さに位置している。

【００２７】上記燃料タンク２３は左半部２３ａと右半
部２３ｂとをそれぞれの接続フランジ部２３ｃを溶接接
合してなる。この接続フランジ部２３ｃの前側の上下２
箇所がシートポスト５の支持ブラケット５ａに、後側の
下１箇所が後フェンダ１２ａの支持ブラケット１２ｂに
ボルト締め固定されている。

【００２８】本実施形態では、燃料タンク２３を上記上
下に長い空間に配置したので、タンク容量を容易に拡大
できる。そしてこの場合、従来のようなメインパイプと
シートポストとの接続部に配置した構造ではないから、
タンク容量の拡大によって乗降性が損なわれることもな
い。

【００２９】また本実施形態の燃料タンク２３は高剛性
のシートポスト５によって主として支持されており、タ
ンク容量の増大により重量が増加しても支障なく支持で
きま。また燃料タンク２３は前，後をシートポスト５，
後輪１２により保護され、左，右をバックステー６，６
で支持されているので、例えば転倒した場合の損傷を回
避できる。

【００３０】次に、請求項１，２の発明にかかる第３実
施形態によるペダル付き自動二輪車の補機類取付け構造
を説明する。本実施形態は、電動モータにより後輪を補
助駆動するタイプのペダル付き電動自動二輪車におい
て、補機類としてのバッテリケースを取り付ける場合の
例である。なお、本自動二輪車の車体フレームの基本的
構造は、上述した図１及び図５の車体フレームと同一で
あるので、両図に基づいて説明する。

【００３１】本実施形態では、上述のエンジン１０の代
わりに電動モータを配設し、該モータの駆動源であるバ
ッテリを収容するバッテリケースを上記キャリアバスケ
ット２１又は燃料タンク２３の代わりに取り付けてお
り、人力とモータからの補助駆動力とによって走行する
ようになっている。

【００３２】上記バッテリは、上端に挿入開口を有する
有底直方体状のバッテリケース内に出し入れ可能に収容
されている。このバッテリケースは、上記シートポスト
５，後フェンダ１２ａ，及び左, 右のバックステー６，
６で囲まれた上下に長い空間内に配設されており、該バ
ッテリケースの上端部は左, 右バックステー６の間から
上方に突出し、かつ後フェンダ１２ａの最上縁部と略同
じ高さに位置している。

【００３３】また上記バッテリケースは、これの前壁が
シートポスト５の支持ブラケット５ａ，５ａに、底壁が
後フェンダ１２ａの支持ブラケット１２ｂにそれぞれ着
脱可能にボルト締め固定されている。ここで、バッテリ
重量に対する支持強度をさらに向上させるために、上記
バッテリケースの上部を左, 右バックステー６に支持ブ
ラケットを介して固定してもよい。

【００３４】本実施形態では、バッテリケースをシート
ポスト５の後側で、かつ左, 右バックステー６間の上下
に長い空間に配置したので、乗降性を損なうことなく、
容量，重量の大きなバッテリが搭載可能となる。即ち、
モータの電源用バッテリはその用途からして容量，重量
とも大型化し易い。本実施形態ではバッテリケースを高
剛性のシートポスト５に取付けたので、大型，大重量の
バッテリであっても支障なく支持できるとともに、車体
重心の近くに配置でき、走行安定性を向上できる。

【００３５】また、上記バッテリケースを、シートポス
ト５，後輪１２，左, 右バックステー６，６で囲まれた
空間に配置したので、これらの部材が転倒した場合には
保護部材として機能し、バッテリ，電気部品等の損傷を
回避できる。

【００３６】なお、上記各実施形態では、ペダル付き自
動二輪車について説明したが、本発明は他の型式の自動
二輪車，あるいは前１輪，後２輪の自動三輪車にも適用
できる。

【００３７】

【発明の効果】以上のように本発明に係る自動二，三輪
車の補機類取付構造によれば、補機類を、シートポスト
と後輪との間の上下に長い空間に、かつ上端部が左右バ
ックステーの間から上方に突出するよう取付けたので、
乗降性を損なうことなく容量を増大でき、また高剛性の
シートポストで支持するようにしたので大重量のもので
も容易に支持できる効果があり、また補機類の前，後，
左，右がシートポスト，後輪，バックステーで囲まれて
いることから、該部材が転倒時には保護部材として機能
し、補機類の損傷を回避できる効果があり、さらにまた
後輪廻りを簡素化でき、外観を向上できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１の発明の第１実施形態によるキャリア
バスケット取付け構造を備えたペダル付き自動二輪車の
側面図である。

【図２】上記キャリアバスケットの分解斜視図である。

【図３】上記キャリアバスケットの断面平面図である。

【図４】上記自動二輪車の補助電源収納部を示す図であ
る。

【図５】請求項１の発明の第２実施形態による燃料タン
ク取付け構造を説明するための側面図である。

【図６】上記燃料タンクの平面図である。

【図７】上記燃料タンクの断面平面図である。

【符号の説明】

１ ペダル付き自動二輪車 ３ メインパイプ ５ シートポスト １２ 後輪 １２ａ 後フェンダ ２０ シート ２１ キャリアバスケット（補機類） ２３ 燃料タンク（補機類）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 メインパイプの後部に、上方に延びる１
   本のシートポストを固着し、該シートポストの上部と後
   輪支持部材とを左，右一対のバックステーで接続して車
   体フレームを形成し、上記シートポストの上端に鞍型シ
   ートを装着した自動二，三輪車の補機類取付構造におい
   て、上記シートポストと後輪との間に補機類を配置する
   とともに、該補機類を上記シートポストに着脱可能に取
   り付け、該補機類の上端部を上記左，右のバックステー
   の間を通って該バックステーより上方に位置させたこと
   を特徴とする自動二，三輪車の補機類取付構造。
2. 【請求項２】 請求項１において、上記補機類が、バッ
   テリを収容するバッテリケースであることを特徴とする
   自動二，三輪車の補機類取付構造。