JPH08220745A - 感光・感熱性記録材料 - Google Patents

感光・感熱性記録材料

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JPH08220745A
JPH08220745A JP2543495A JP2543495A JPH08220745A JP H08220745 A JPH08220745 A JP H08220745A JP 2543495 A JP2543495 A JP 2543495A JP 2543495 A JP2543495 A JP 2543495A JP H08220745 A JPH08220745 A JP H08220745A
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JP
Japan
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recording material
electron
photosensitive
sensitive
acid
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Application number
JP2543495A
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English (en)
Inventor
Takami Onaka
貴美 大仲
Kunihiko Oga
邦彦 大賀
Shintaro Washisu
信太郎 鷲巣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08220745A publication Critical patent/JPH08220745A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不要な廃棄物の発生がなく、現像液等を使用
する必要のない完全ドライの単色もしくはカラーの感光
・感熱性記録材料であつて、特に、生保存性のよい感光
・感熱性記録材料を提供する。 【構成】 露光によりマイクロカプセル外にある光硬化
性組成物に潛像が形成され、加熱により電子受容性化合
物がその潛像に応じて記録材料内で移動してマイクロカ
プセル内の電子供与性無色染料を発色させ画像を形成す
る感光・感熱層を少なくとも2層有し、該感光・感熱層
の間に紫外線吸収剤を含有する中間層を設けた感光・感
熱性記録材料において、該中間層の少なくとも1つの層
に紫外線吸収剤を内包するカプセルが内包されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーもしくは白黒の
プルーフ、第二原図、コピア、ファックス等の用途に用
いる事のできる感光・感熱性記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、便宜上カラープルーフを例に挙げ
て従来技術の説明を行うが、使用目的が異なるのみで、
他の分野に関してもほぼ同様の事が言える。カラープル
ーフの代表的な方式の一つとして、オーバーレイ方式が
ある。この方式は、各色の画像を有するフィルムを重ね
合わせて多色画像を再現させる方式で、フィルムを通し
て画像を見る事が不可避であり、画質が悪くなる。
【0003】他に、一枚のシート上に多色画像を得る方
式としてサープリント方式がある。この方式では、一枚
の支持体上に各色の画像を順次重ね合わせて多色画像を
得る。例えば、クロマリン(Dupont社)、マッチ
プリント(3M社)、カラーアート(富士写真フィル
ム)等が知られているが、何れも、各色に対応する4枚
の感光フィルムが必要で、廃棄物が発生する。
【0004】更に、一枚の感光シート上にカラー画像を
形成する方法としてカラーペーパー方式が知られてい
る。この方式は、カラーペーパーにフィルム原稿を密着
し各色フィルターを使用して露光し、ウエット現像をし
てカラー画像を得る方式であり、ファインチェッカー
(富士写真フィルム)、コンセンサス(コニカ)が知ら
れている。この方式では、カラーペーパーの感光域が可
視域であるため、取扱いに暗室もしくは暗室を備えた露
光装置が必要であり、また、現像液の保守管理が必要で
ある。
【0005】これらの方法は、複数のシートが必要、転
写シート、トナー等の廃棄物が発生する、明室での取扱
いが困難である、現像液を使う現像システムが必要であ
る等の、何れかの欠点があり改善が求められている。
【0006】これらの欠点のない方式として以下の方式
が提案されている。即ち、露光により光硬化性組成物に
潜像が形成され、加熱により発色もしくは消色に関わる
成分がその潜像に応じて記録材料内で移動して色画像を
形成することを特徴とする感光・感熱性記録材料を用
い、画像原稿を通し前記感光記録材料に露光し、露光部
において光硬化をおこさせて潜像を形成させ、その後、
前記記録材料を加熱することにより、未硬化部分の発色
もしくは消色に関わる部分を移動させ、可視画像を形成
することを特徴とする色画像作成方法を用いることによ
り廃棄物の発生がない、完全ドライシステムが実現でき
る。
【0007】この方式に用いる記録材料は具体的にはい
くつかの種類があり、白黒画像の記録方式としても特徴
のある方式ではあるが、とくに、カラーの記録材料とし
て用いる場合に有用な方式である。具体的な記録材料と
しては、例えば、特開昭52−89915号公報に開示
されている記録材料が知られている。これは、二成分型
感熱発色記録材料の2つの成分、たとえば、電子受容性
化合物と電子供与性の無色染料を、光硬化性組成物を含
有するマイクロカプセルの内と外または両側に分離して
配置した記録材料である。しかし、この記録材料の場
合、マイクロカプセル内の光硬化性組成物を十分に硬化
させても硬化部の発色を十分には抑制できないため非画
像部がやや着色してしまい、コントラストが悪くなる傾
向がある。
【0008】この非画像部の着色の無い、より好ましい
記録材料としては、たとえば、特開昭61−12383
8号公報に開示されているごとく、酸性基を有するビニ
ルモノマーと光重合開始剤からなる光重合性組成物を含
有する層と隔離層と電子供与性の無色染料からなる層を
積層した記録材料が知られている。この記録材料の場
合、非画像部すなわち光重合部により硬化した部分の酸
性基の熱拡散性がほぼ無くなるため非画像部の着色は無
くなるが、発色濃度がやや低い。
【0009】同様の方式でネガ画像を得る方法として
は、たとえば、特開昭60−119552号公報に開示
されている方法がある。色素を漂白するモノマーまたは
プレポリマーと光重合開始剤からなる光重合性組成物と
モノマーもしくはプレポリマーにより漂白される色素を
隔離して存在させる記録材料を用いる方法である。この
記録材料も前述の記録材料と同様の欠点がある。
【0010】この非画像部の着色と低画像濃度を克服し
た最も好ましい記録材料としては、本出願人の出願にな
る特開平3−87827号に記載の記録材料がある。こ
の記録材料は二成分型感熱発色記録材料の2つの成分の
一方をマイクロカプセルに内包させ、他方の成分を光硬
化性組成物の硬化性化合物として、もしくは、他方の成
分を光硬化性組成物と共にマイクロカプセル外に配置し
た記録材料である。同様の考え方を用いたネガ画像用の
記録材料としては、本出願人の特願平2−19710号
記載の記録材料がある。マイクロカプセル外に電子受容
性化合物、重合性のビニルモノマーと光重合開始剤を含
有する光硬化性組成物を配置し、電子供与性の無色染料
を内包するマイクロカプセルとを含有する層を塗設した
記録材料である。
【0011】これらの感光記録材料でカラー記録をする
には、基本的には、互いに感光波長と発色色相の異なる
複数の感光層を有する記録材料を用いればよい。より好
ましい多色記録材料の例として特開平3−87827
号、特願平2−19710号に記載の記録材料を挙げる
ことができる。たとえば、異なる波長の光に感光し異な
る色相に発色する複数の感光層を有し、かつ、露光光源
側から記録材料の支持体側に向かっての層構成として、
中心波長λ1の光に感光する第1の感光層、中心波長λ
1の光を吸収する中間層、中心波長λ2の光に感光し第
1の感光層と異なる色に発色する第2の感光層、・・・
・、中心波長λi−1の光を吸収する中間層、中心波長
λiの光に感光し第1、第2、・・・、及び第i−1番
目の感光層と異なる色に発色する第i番目の感光層の順
に少なくとも2層以上の感光層が支持体上に積層されて
おり、かつ、中心波長λ1<λ2<・・・<λiである
ことを特徴とする多色記録媒を挙げることができる。こ
こで、iは2以上の整数である。
【0012】これらの記録材料は様々な用途に適用でき
るが、一枚のシート上に光で画像の潜像形成を行い、熱
現像により画像を可視化するいわゆるモノシート記録材
料である。この記録材料は、画像形成後保存されるが、
長時間光に曝されるような場合、光により着色してくる
という欠点が見出された。この記録材料は、その用途か
ら光着色のない材料が必要であり、その改良が求められ
ていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、不要
な廃棄物の発生がなく、現像液等を使用する必要のない
完全ドライの単色もしくはカラーの感光・感熱性記録材
料であつて、特に、生保存性のよい感光・感熱性記録材
料を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は鋭意
研究の結果、該感光・感熱性記録材料の光着色の主原因
が、使用している有機系紫外線吸収剤の光分解物による
ことをつきとめ、上記目的を達成するため、露光により
マイクロカプセル外にある光硬化性組成物に潛像が形成
され、加熱により電子受容性化合物がその潛像に応じて
記録材料内で移動してマイクロカプセル内の電子供与性
無色染料を発色させ画像を形成する感光・感熱層を少な
くとも2層有し、該感光・感熱層の間に紫外線吸収剤を
含有する中間層を設けた感光・感熱性記録材料におい
て、該中間層の少なくとも1つの層が紫外線吸収剤を内
包するカプセルを含有することを特徴とする感光・感熱
性記録材料により達成される事を見いだし、本発明を成
すに至った。
【0015】この本発明に係わる記録材料の具体的な例
としては、特開平3−87827号明細書に記載されて
いるマイクロカプセル外に電子受容性部と重合性のビニ
ルモノマー部を同一分子内に有する化合物と光重合開始
剤を含有する光硬化性組成物と電子供与性の無色染料を
内包するマイクロカプセルとを含有する層を塗設した記
録材料を挙げることができる。この記録材料を露光する
とマイクロカプセル外にある光硬化性組成物の露光され
た部位が重合して潛像が形成され、その後、加熱すると
電子受容性化合物がその潛像に応じて記録材料内で移動
してマイクロカプセル内の電子供与性の無色染料を発色
させ良好なコントラストのポジ色画像を形成することが
できる。
【0016】更に、同様の本発明の記録材料に係わる方
法を用いてネガ画像を形成することができる。この方法
の具体的な例としては、特願平2−19710号明細書
中に記載されているマイクロカプセル外に電子受容性化
合物と重合性のビニルモノマーと光重合開始剤を含有す
る光硬化性組成物と電子供与性の無色染料を内包するマ
イクロカプセルとを含有する層を塗設した記録材料を挙
げることができる。この記録材料を露光するとマイクロ
カプセル外にある光硬化性組成物の露光された部位が重
合して潛像が形成され、その後、加熱すると重合部の電
子受容性化合物がその潛像に応じて記録材料内で移動し
てマイクロカプセル内の電子供与性の無色染料を発色さ
せ良好なコントラストのネガ画像を形成することができ
る。
【0017】以上述べたごとく、様々な方法を用いて、
本発明の記録材料である「露光により光硬化性組成物に
潛像が形成され、加熱により発色もしくは消色に関わる
成分がその潛像に応じて記録材料内で移動して色画像を
形成する感光・感熱性記録材料」を作成することができ
る。これらの記録材料に用いる感光・感熱層は上述の構
成に限定されるものではなく、目的に応じて様々な構成
をとることができる。また、本発明に用いる記録材料は
単色の所謂B/Wの記録材料であっても、多色の記録材
料であってもよい。多色の記録材料の場合は、例えば、
異なる色相に発色する電子供与性無色染料を含有するマ
イクロカプセルと異なる波長の光に感光する光硬化性組
成物を各層に含む多層の記録材料の構成を用いることが
できる。例えば、シアンに発色する電子供与性無色染料
を含有するマイクロカプセルと波長λ1に感光する光硬
化性組成物を含有した層を支持体上に設け、その上にマ
ゼンタに発色する電子供与性無色染料を含有するマイク
ロカプセルと波長λ2に感光する光硬化性組成物を含有
した層を設け、その上にイエローに発色する電子供与性
無色染料を含有するマイクロカプセルと波長λ3に感光
する光硬化性組成物を含有した層を設けた構成、更に各
層の間に中間層を設けた構成、更にこの中間層中に紫外
線吸収剤を含有する構成等を用いることができる。
【0018】多色の記録材料の場合、中間層中に紫外線
吸収剤を含有する構成が特に好ましい。その構成として
は、例えば、シアンに発色する電子供与性無色染料を含
有するマイクロカプセルと波長λ1に感光する光硬化性
組成物とを含有した層を支持体上に設け、その上に波長
λ1より短波の光を吸収する紫外線吸収剤を含有する中
間層を設け、その上にマゼンタに発色する電子供与性無
色染料を含有するマイクロカプセルと波長λ2に感光す
る光硬化性組成物とを含有した層を設け、その上に波長
λ2より短波の光を吸収する紫外線吸収剤を含有する中
間層を設け、その上にイエローに発色する電子供与性無
色染料を含有するマイクロカプセルと波長λ3に感光す
る光硬化性組成物とを含有した層を設け、更にその上に
保護層を設けた構成がある。
【0019】本発明に用いる主にポジ型記録材料で用い
られる電子受容性でかつ重合性のビニルモノマーとして
は分子中に電子受容性基とビニル基とを含有する化合物
であればよい。このような化合物としては、例えば特開
昭63−173682号に記載されているヒドロキシ基
を有する安息香酸のメタアクリロキシエチルエステルや
同様の合成法で合成できるアクリロキシエチルエステル
や同59−83693号、同60−141587号、同
62−99190号に記載されているヒドロキシ基を有
する安息香酸とヒドロキシメチルスチレンとのエステル
や欧州特許29323号に記載されているヒドロキシス
チレンや特開昭62−167077号、同62−167
08号に記載されているハロゲン化亜鉛のN−ビニルイ
ミダゾール錯体や同63−317558号に記載されて
いる顕色剤モノマー等を参考にして合成できる様々な化
合物が使用できる。
【0020】具体例としては、スチレンスルホニルアミ
ノサリチル酸、ビニルベンジルオキシフタル酸、β−メ
タクリロキシエトキシサリチル酸亜鉛、β−アクリロキ
シエトキシサリチル酸亜鉛、ビニロキシエチルオキシ安
息香酸、β−メタクリロキシエチルオルセリネート、β
−アクリロキシエチルオルセリネート、β−メタクリロ
キシエトキシフェノール、β−アクリロキシエトキシフ
ェノール、β−メタクリロキシエチル−β−レゾルシネ
ート、β−アクリロキシエチル−β−レゾルシネート、
ヒドロキシスチレンスルホン酸−N−エチルアミド、β
−メタクリロキシプロピル−p−ヒドロキシベンゾエー
ト、β−アクリロキシプロピル−p−ヒドロキシベンゾ
エート、メタクリロキシメチルフェノール、アクリロキ
シメチルフェノール、メタクリルアミドプロパンスルホ
ン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、β−メタク
リロキシエトキシ−ジヒドロキシベンゼン、β−アクリ
ロキシエトキシ−ジヒドロキシベンゼン、γ−スチレン
スルホニルオキシ−β−メタクリロキシプロパンカルボ
ン酸、γ−アクリロキシプロピル−α−ヒドロキシエチ
ルオキシサリチル酸、β−ヒドロキシエトキシカルボニ
ルフェノール、β−メタクリロキシエチル−p−ヒドロ
キシシンナメート、β−アクリロキシエチル−p−ヒド
ロキシシンナメート、3,5ジスチレンスルホン酸アミ
ドフェノール、メタクリロキシエトキシフタル酸、アク
リロキシエトキシフタル酸、メタクリル酸、アクリル
酸、メタクリロキシエトキシヒドロキシナフトエ酸、ア
クリロキシエトキシヒドロキシナフトエ酸、3−β−ヒ
ドロキシエトキシフェノール、β−メタクリロキシエチ
ル−p−ヒドロキシベンゾエート、β−アクリロキシエ
チル−p−ヒドロキシベンゾエート、β’−メタクリロ
キシエチル−β−レゾルシネート、β−メタクリロキシ
エチルオキシカルボニルヒドロキシ安息香酸、β−アク
リロキシエチルオキシカルボニルヒドロキシ安息香酸、
N,N’−ジ−β−メタクリロキシエチルアミノサリチ
ル酸、N,N’−ジ−β−アクリロキシエチルアミノサ
リチル酸、N,N’−ジ−β−メタクリロキシエチルア
ミノスルホニルサリチル酸、N,N’−ジ−β−アクリ
ロキシエチルアミノスルホニルサリチル酸などやこれら
の金属塩例えば亜鉛塩を好ましく用いる事ができる。
【0021】本発明の記録材料に好適に用いられる光重
合開始剤としては、前記のビニルモノマーの光重合を開
始し得る化合物のなかから1種または2種以上の化合物
を組み合わせて選ぶことができる。光重合開始剤の好ま
しい具体例として、次の化合物を挙げることができる。
【0022】芳香族ケトン類:ベンゾフェノン、4,
4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メ
トキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,
4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ
ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、
ベンジル、アントラキノン、2−tert−ブチルアン
トラキノン、2−メチルアントラキノン、キサントン、
チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−
ジエチルチオキサントン、フルオレノン、アクリドン;
【0023】ベンゾインおよびベンゾインエーテル類:
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェ
ニルエーテル;
【0024】2,4,5−トリアリールイミダゾール二
量体:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニ
ルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−
4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量
体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニ
ルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)
−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−
メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール
二量体;
【0025】ポリハロゲン化合物:四臭化炭素、フェニ
ルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチ
ルケトンおよび特開昭53−133428号、特公昭5
7−1819号、特公昭57−6096号、米国特許第
3615455号の各明細書中に記載の化合物、特開昭
58−29803号記載のトリハロゲン置換メチル基を
有するS−トリアジン誘導体:例えば、2,4,6−ト
リス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−メト
キシ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリア
ジン、2−アミノ−4,6−ビス(トリクロロメチル)
−S−トリアジン、2−(P−メトキシスチリル)−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン等
の化合物;
【0026】例えば特開昭59−189340号記載の
有機過酸化物:メチルエチルケトンパーオキサイド、シ
クロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオ
キサイド、ジターシャリーブチルジパーオキシイソフタ
レート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパ
ーオキシ)ヘキサン、ターシャリーブチルパーオキシベ
ンゾエート、α,α’−ビス(ターシャリーブチルパー
オキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイ
ド、3,3’,4,4’−テトラ−(ターシャリイブチ
ルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の化合物;
【0027】例えば米国特許第4743530号に記載
のアジニウム塩化合物;
【0028】例えばヨーロッパ特許第0223587号
に記載の有機ホウ素化合物:トリフェニールブチールボ
レートのテトラメチルアンモニウム塩、トリフェニール
ブチールボレートのテトラブチルアンモニウム塩、トリ
(P−メトキシフェニール)ブチールボレートのテトラ
メチルアンモニウム塩等;その他ジアリールヨードニウ
ム塩類や鉄アレン錯体;等当業界周知の光重合開始剤等
が有用に使用できる。
【0029】また光重合開始剤系として、二種またはそ
れ以上の化合物の組合せが知られておりそれらの組合せ
も本発明の記録材料に使用する事ができる。二種または
それ以上の化合物の組合せの例としては、2,4,5−
トリアリールイミダゾール二量体とメルカプトベンズオ
キサゾール等との組合せ、米国特許第3427161号
明細書に記載の4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベン
ゾフェノンとベンゾフェノンまたはベンゾインメチルエ
ーテルとの組合せ、米国特許第4239850号明細書
に記載のベンゾイル−N−メチルナフトチアゾリンと
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4’−メト
キシフェニル)−トリアゾールの組合せ、また特開昭5
7−23602号明細書に記載のジアルキルアミノ安息
香酸エステルとジメチルチオキサントンの組合せ、また
特開昭59−78339号明細書の4,4’−ビス(ジ
メチルアミノ)ベンゾフェノンとベンゾフェノンとポリ
ハロゲン化メチル化合物の三種組合せを挙げることがで
きる。より好ましい例として4,4’−ビス(ジエチル
アミノ)ベンゾフェノンとベンゾフェノンの組合せ、
2,4−ジエチルチオキサントンと4−ジメチルアミノ
安息香酸エチルの組合せ、4,4’−ビス(ジエチルア
ミノ)ベンゾフェノンと2,4,5−トリアリールイミ
ダゾール二量体の組合せが挙げられる。
【0030】これらの光重合開始剤の中で特に好ましい
化合物としてはベンゾインエーテル類、トリハロゲン置
換メチル基を有するS−トリアジン誘導体、有機過酸化
物、アジニウム塩化合物および有機ホウ素化合物を挙げ
ることができる。光重合開始剤の含有量は、光硬化性組
成物の全重量基準で、好ましくは0.01〜20重量
%、より好ましくは0.2〜15重量%であり、最も好
ましい含有量は1〜10重量%である。0.01重量%
未満では感度が不足し、10重量%を越えると感度の増
加は期待できない。
【0031】本発明の記録材料の光硬化性組成物には重
合性のビニルモノマーおよび光重合開始剤のほかにその
感光波長を調整するための分光増感色素を含有してもよ
い。分光増感色素としては当業界公知の様々な化合物を
使用することができる。分光増感色素の例は上述した光
重合開始剤に関する特許や、Research Dis
closure,Vol.200,1980年12月,
Item20036や「増感剤」(徳丸克巳・大河原信
/編 講談社 1987年)の160−163ページ等
を参考にできる。
【0032】具体的な分光増感色素の例としては、特開
昭58−15503号公報には3−ケトクマリン化合物
が、特開昭58−40302号公報にはチオピリリウム
塩が、特公昭59−28328号、同60−53300
号にはナフトチアゾールメロシアニン化合物が、特公昭
61−9621号、同62−3842号、特開昭59−
89303号、同60−60104号各公報にはそれぞ
れメロシアニン化合物が開示されている。これらの分光
増感剤によって光重合開始剤の分光感度は可視域までも
伸ばすことができる。上述の例では光重合開始剤として
トリハロメチル−S−トリアジン化合物を取上げている
が他の光重合開始剤と組合せても良い。分光増感色素と
しては、ケト色素であるクマリン(ケトクマリン又はス
ルホノクマリンも含まれる)色素、メロスチリル色素、
オキソノール色素及びヘミオキソノール色素、非ケト色
素である非ケトポリメチン色素、アントラセン色素、ロ
ーダミン色素、アクリジン色素、アニリン色素及びアゾ
色素、非ケトポリメチン色素としてのシアニン、ヘミシ
アニン及びスチリル色素等が含まれる。
【0033】本発明の記録材料の光硬化性組成物には、
更に重合を促進するための助剤として、還元剤例えば酸
素除去剤(oxygen scavenger)及び
活性水素ドナーの連鎖移動剤、更に連鎖移動的に重合を
促進するその他の化合物を添加することもできる。有用
であることの見い出されている酸素除去剤はホスフイ
ン、ホスホネート、ホスフアイト、第1錫塩及び酸素に
より容易に酸化されるその他の化合物である。例えばN
−フエニルグリシン、トリメチルバルビツール酸、N,
N−ジメチル−2,6−ジイソプロピルアニリン、N,
N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリン等である。
さらに以下に示すようなチオール類、チオケトン類、ト
リハロメチル化合物、ロフインダイマー化合物、ヨード
ニウム塩類、スルホニウム塩類、アジニウム塩類、有機
過酸化物等も重合促進剤として有用である。
【0034】本発明に用いるネガの記録材料の光硬化性
組成物には電子受容性化合物を用いることが好ましい。
ポジの記録材料中の光硬化性組成物中にも、必要に応じ
てこの電子受容性化合物を添加することができ、この添
加により発色濃度が向上する。電子受容性化合物として
は、フエノ−ル誘導体、サリチル酸誘導体、芳香属カル
ボン酸の金属塩、酸性白土、ベントナイト、ノボラック
樹脂、金属処理ノボラック樹脂、金属錯体などが挙げら
れる。これらの例は特公昭40−9309号、特公昭4
5−14039号、特開昭52−140483号、特開
昭48−51510号、特開昭57−210886号、
特開昭58−87089号、特開昭59−11286
号、特開昭60−176795号、特開昭61−959
88号等に記載されている。これらの一部を例示すれ
ば、フェノール性化合物としては、2,2’−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、4−t−ブチルフェ
ノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフ
ェノキシド、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス
(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−エチル
ブタン、4,4’−sec−イソオクチリデンジフェノ
ール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4
−tert−オクチルフェノール、4−p−メチルフェ
ニルフェノール、4,4’−メチルシクロヘキシリデン
フェノール、4,4’−イソペンチリデンフェノール、
p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル等がある。サリチル酸
誘導体としては4−ペンタデシルサリチル酸、3,5−
ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ(t
ert−オクチル)サリチル酸、5−オクタデシルサリ
チル酸、5−α−(p−α−メチルベンジルフェニル)
エチルサリチル酸、3−α−メチルベンジル−5−te
rt−オクチルサリチル酸、5−テトラデシルサリチル
酸、4−ヘキシルオキシサリチル酸、4−シクロヘキシ
ルオキシサリチル酸、4−デシルオキシサリチル酸、4
−ドデシルオキシサリチル酸、4−ペンタデシルオキシ
サリチル酸、4−オクタデシルオキシサリチル酸等、及
びこれらの亜鉛、アルミニウム、カルシウム、銅、鉛塩
がある。これらの電子受容性化合物を併用する場合は電
子供与性無色染料の5〜1000重量%使用することが
好ましい。
【0035】本発明に用いるネガ記録材料の光硬化性組
成物には分子内に少なくとも1個のビニル基を有するモ
ノマーを使用する事が出来る。例えばアクリル酸及びそ
の塩、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類;メタ
クリル酸及びその塩、メタクリル酸エステル類、メタク
リルアミド類;無水マレイン酸、マレイン酸エステル
類;イタコン酸、イタコン酸エステル類;スチレン類;
ビニルエーテル類;ビニルエステル類;N−ビニル複素
環類;アリールエーテル類;アリルエステル類等を用い
ることができる。これらの中で特に分子内に複数のビニ
ル基を有するモノマーが好ましく、例えば、トリメチロ
ールプロパンやペンタエリスリトール等のような多価ア
ルコールのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステ
ル;レゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノー
ル等の多価フエノール類やビスフエノール類のアクリル
酸エステルやメタクリル酸エステル、およびアクリレー
トまたはメタクリレート末端エポキシ樹脂、アクリレー
トまたはメタクリレート末端ポリエステル等がある。特
に好ましい化合物の具体例としては、例えばエチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエ
リスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ヘキサン
ジオール−1,6−ジメタクリレートおよびジエチレン
グリコールジメタクリレート等である。多官能モノマー
の分子量については、約100〜約5000が好まし
く、より好ましくは、約300〜約2000である。
【0036】これらの化合物の他に、光架橋性組成物と
して例えばポリケイ皮酸ビニル、ポリシンナミリデン酢
酸ビニル、α−フェニルマレイミド基をもつ光硬化性組
成物等を添加することができる。また、これらの光架橋
性組成物を光硬化性成分として用いてもよい。
【0037】更に、これらの化合物の他に、光硬化性組
成物の中には熱重合禁止剤を必要に応じて添加する事が
できる。熱重合禁止剤は、光硬化性組成物の熱的な重合
や経時的な重合を防止するために添加するもので、これ
により光硬化性組成物の調製時や保存時の化学的な安定
性を高めることができる。熱重合禁止剤の例として、p
−メトキシフェノール、ハイドロキノン、t−ブチルカ
テコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノ
ン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩
化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミ
ン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリ
ン酸、p−トルイジン等が挙げられる。熱重合禁止剤の
好ましい添加量は、光硬化性組成物の全重量基準で0.
001〜5重量%であり、より好ましくは、0.01〜
1重量%である。0.001重量%未満では熱安定性が
劣り、5重量%を越えると感度が低下する。
【0038】本発明の記録材料の光硬化性組成物は乳化
分散して用いるのが好ましいが、必要に応じて固体分散
やバインダー中への溶解又はマイクロカプセルに内包し
て使用してもよい。例えばヨーロッパ特許第02235
87号や上記特許を参考にマイクロカプセルに内包させ
ることができる。
【0039】本発明に係わる光硬化性組成物に含まれる
重合性の電子受容性化合物は、後述の電子供与性無色染
料に対して、1〜100倍モル量で用いるのが好まし
い。それ未満であると十分な発色濃度が得られず、それ
を越えると記録材料層の膜厚が増すだけでメリツトが少
ない。
【0040】本発明の記録材料に係わる電子供与性無色
染料は従来より公知のトリフエニルメタンフタリド系化
合物、フルオラン系化合物、フエノチアジン系化合物、
インドリルフタリド系化合物、ロイコオ−ラミン系化合
物、ロ−ダミンラクタム系化合物、トリフエニルメタン
系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合
物、フルオレン系化合物など各種の化合物を使用でき
る。フタリド類の具体例は米国再発行特許明細書第2
3,024号、米国特許明細書第3,491,111
号、同第3,491,112号、同第3,491,11
6号および同第3,509,174号、フルオラン類の
具体例は米国特許明細書第3,624,107号、同第
3,627,787号、同第3,641,011号、同
第3,462,828号、同第3,681,390号、
同第3,920,510号、同第3,959,571
号、スピロジピラン類の具体例は米国特許明細書第3,
971,808号、ピリジン系およびピラジン系化合物
類は米国特許明細書第3,775,424号、同第3,
853,869号、同第4,246,318号、フルオ
レン系化合物の具体例は特開昭63−94878号等に
記載されている.
【0041】これらの一部を開示すれば、トリアリール
メタン系化合物としては、3,3−ビス(p−ジメチル
アミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,
3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3
−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,3−ジ
メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール
−3−イル)フタリド、等があり、ジフェニルメタン系
化合物としては、4,4’−ビス−ジメチルアミノベン
ズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイ
コオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロ
イコオーラミン等があり、キサンテン系化合物として
は、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−
(p−ニトリノ)ラクタム、2−(ジベンジルアミノ)
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ
ブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−シクロ
ヘキシルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロル
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−N−エチル−N−イソブチルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−テト
ラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−ピペリジノアミノフルオラン、2−
(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−(3,4−ジクロルアニリノ)−6−ジエチル
アミノフルオラン、等があり、チアジン系化合物として
は、ベンゾイルロイコンメチレンブルー、p−ニトロベ
ンジルロイコメチレンブルー等があり、スピロ系化合物
としては3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エ
チル−スピロ−ジナフトピラン3,3’−ジクロロ−ス
ピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロ−ジナフト
ピラン、3−メチル−ナフト−(3−メトキシ−ベン
ゾ)−スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾ
ピラン等がある。特に、フルカラー記録材料に用いる場
合、シアン、マゼンタ、イエロー用の電子供与性無色染
料しては米国特許第4,800,149号等を、イエロ
ー発色タイプとしては米国特許第4,800,148号
等を、シアン発色タイプとしては特開昭63−5354
2号等を参考にできる。
【0042】本発明の記録材料の電子供与性無色染料の
マイクロカプセル化及び紫外線吸収剤のマイクロカプセ
ル化は当業界公知の方法を用いる事ができる。例えば米
国特許第2800457号、同28000458号に見
られるような親水性壁形成材料のコアセルベーシヨンを
利用した方法、米国特許第3287154号、英国特許
第990443号、特公昭38−19574号、同42
−446号、同42−771号に見られるような界面重
合法、米国特許第3418250号、同3660304
号に見られるポリマーの析出による方法、米国特許第3
796669号に見られるイソシアネートポリオール壁
材料を用いる方法、米国特許第3914511号に見ら
れるイソシアネート壁材料を用いる方法、米国特許第4
001140号、同4087376号、同408980
2号に見られる尿素−ホルムアルデヒド系、尿素ホルム
アルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方
法、米国特許第4025455号に見られるメラミン−
ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース
等の壁形成材料を用いる方法、特公昭36−9168
号、特開昭51−9079号に見られるモノマーの重合
によるインシツ(insitu)法、英国特許第952
807号、同965074号に見られる電解分散冷却
法、米国特許第3111407号、英国特許第9304
22号に見られるスプレードライング法等がある。これ
らに限定されるものではないが、芯物質を乳化した後マ
イクロカプセル壁として高分子膜を形成することが好ま
しい。
【0043】本発明の記録材料のマイクロカプセル壁の
作り方としては特に油滴内部からのリアクタントの重合
によるマイクロカプセル化法を使用する場合、その効果
が大きい。即ち、短時間内に、均一な粒径を持ち、生保
存性にすぐれた記録材料として好ましいカプセルを得る
ことができる。例えばポリウレタンをカプセル壁材とし
て用いる場合には多価イソシアネート及び必要に応じて
それと反応しカプセル壁を形成する第2の物質(例えば
ポリオール、ポリアミン)をカプセル化すべき油性液体
中に混合し水中に乳化分散し次に温度を上昇することに
より、油滴界面で高分子形成反応を起こして、マイクロ
カプセル壁を形成する。このとき油性液体中に低沸点の
溶解力の強い補助溶剤を用いることができる。この場合
に、用いる多価イソシアネート及びそれと反応する相手
のポリオール、ポリアミンについては米国特許第328
1383号、同3773695号、同3793268
号、特公昭48−4034号、同49−24159号、
特開昭48−80191号、同48−84086号に開
示されており、それらを使用することもできる。
【0044】多価イソシアネートとしては、例えば、m
−フエニレンジイソシアネート、p−フエニレンジイソ
シアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,
4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−
ジイソシアネート、ジフエニルメタン−4,4’−ジイ
ソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフ
エニル−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフエ
ニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン
−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフエニルプ
ロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−
1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソ
シアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネ
ート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等
のジイソシアネート、4,4’,4−トリフエニルメタ
ントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイ
ソシアネートのごときトリイソシアネート、4,4’−
ジメチルジフエニルメタン−2,2’,5,5’−テト
ライソシアネートのごときテトライソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパン
の付加物、2,4−トリレンジイソシアネートとトリメ
チロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネー
トとトリメチロールプロパンの付加物、トリレンジイソ
シアネートとヘキサントリオールの付加物のごときイソ
シアネートプレポリマーがある。
【0045】ポリオールとしては、脂肪族、芳香族の多
価アルコール、ヒドロキシポリエステル、ヒドキシポリ
アルキレンエーテルのごときものがある。特開昭60−
49991号に記載された下記のポリオールも用いられ
る。エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、プロピレングリコー
ル、2,3−ジヒドロキシブタン、1,2−ジヒドロキ
シブタン、1,3−ジヒドロキシブタン、2,2−ジメ
チル−1,3−プロパンジオール、2,4−ペンタンジ
オール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリ
コール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、2−フ
エニルプロピレングリコール、1,1,1−トリメチロ
ールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリト
ール、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加
物、グリセリンエチレンオキサイド付加物、グリセリ
ン、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
レゾルシノールジヒドロキシエチルエーテル等の芳香族
多価アルコールとアルキレンオキサイドとの縮合生成
物、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコ
ール、α,α’−ジヒドロキシ−p−ジイソプロピルベ
ンゼン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフエニルメタン、
2−(p,p’−ジヒドロキシジフエニルメチル)ベン
ジルアルコール、ビスフエノールAにエチレンオキサイ
ドの付加物、ビスフエノールAにプロピレンオキサイド
の付加物等が挙げられる。ポリオールはイソシアネート
基1モルに対して、水酸基の割合が0.02〜2モルで
使用するのが好ましい。
【0046】ポリアミンとしてはエチレンジアミン、ト
リメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フエ
ニレンジアミン、m−フエニレンジアミン、ピペラジ
ン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジ
ン、2−ヒドロキシトリメチレンジアミン、ジエチレン
トリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラエチレ
ンペンタミン、エポキシ化合物のアミン付加物等が挙げ
られる。多価イソシアネートは水と反応して高分子物質
を形成することもできる。
【0047】マイクロカプセルを作るときに、水溶性高
分子を用いることができるが水溶性高分子は水溶性のア
ニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子のいず
れでも良い。アニオン性高分子としては、天然のもので
も合成のものでも用いることができ、例えば−COO
−、−SO2 −基等を有するものが挙げられる。具体的
なアニオン性の天然高分子としてはアラビヤゴム、アル
ギン酸、ペクチン等があり、半合成品としてはカルボキ
シメチルセルローズ、フタル化ゼラチンのごときゼラチ
ン誘導体、硫酸化デンプン、硫酸化セルローズ、リグニ
ンスルホン酸等がある。また、合成品としては無水マレ
イン酸系(加水分解したものも含む)共重合体、アクリ
ル酸系(メタクリル酸系も含む)重合体及び共重合体、
ビニルベンゼンスルホン酸系重合体及び共重合体、カル
ボキシ変性ポリビニルアルコール等がある。ノニオン性
高分子としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエ
チルセルロース、メチルセルロース等がある。両性の化
合物としてはゼラチン等がある。これらの中では、ゼラ
チン、ゼラチン誘導体、ポリビニルアルコールが好まし
い。これらの水溶性高分子は0.01〜10重量%の水
溶液として用いられる。
【0048】本発明の記録材料に用いるカプセルの平均
粒子径は20μm以下であり、特に解像度の点から5μ
m以下が好ましいが、電子供与性無色染料のカプセルの
場合には0.1μm以下にする必要はなく、更に支持体
が紙の場合には、紙の繊維の中へマイクロカプセルが潜
り込み発色濃度が低下するため、0.1μm以上が望ま
しい。一方、紫外線吸収剤のマイクロカプセルの場合に
は、カプセルの平均粒径が小さいほど散乱光が減ること
により透明性が上がり、シャープなスペクトルの紫外線
吸収効果が得られるため0.5μm以下が望ましい。
【0049】本発明の記録材料に係る、電子供与性無色
染料及び紫外線吸収剤はマイクロカプセル中に溶液状態
で存在してもよく、また、固体の状態で存在してもよ
い。溶液状態で電子供与性無色染料または紫外線吸収剤
を存在させる場合は電子供与性無色染料または紫外線吸
収剤を溶媒に溶解した状態でカプセル化すればよい。こ
の時の溶媒の量は電子供与性無色染料あるいは紫外線吸
収剤100重量部に対して1〜500重量部の割合が好
ましい。
【0050】カプセル化の時に用いる溶媒としては天然
油または合成油を併用することができる。これら溶媒の
例としては、綿実油、灯油、脂肪族ケトン、脂肪族エス
テル、パラフイン、ナフテン油、アルキル化ビフエニ
ル、アルキル化ターフエニル、塩素化パラフイン、アル
キル化ナフタレン及び1−フエニル−1−キシリルエタ
ン、1−フエニル−1−p−エチルフエニルエタン、
1,1’−ジトリルエタン等のごときジアリールエタ
ン。フタール酸アルキルエステル(ジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレー
ト等)、リン酸エステル(ジフエニルホスフエート、ト
リフエニルホスフエート、トリクレジルホスフエート、
ジオクチルブチルホスフエート)、クエン酸エステル
(例えばアセチルクエン酸トリブチル)、安息香酸エス
テル(安息香酸オクチル)、アルキルアミド(例えばジ
エチルラウリルアミド)、脂肪酸エステル類(例えばジ
ブトキシエチルサクシネート、ジオクチルアセレー
ト)、トリメシン酸エステル類(例えばトリメシン酸ト
リブチル)、酢酸エチル、酢酸ブチルのごとき低級アル
キルアセテート、プロピオン酸エチル、二級ブチルアル
コール、メチルイソブチルケトン、β−エトキシエチル
アセテート、メチルセロソルブアセテート、シクロヘキ
サノン等がある。
【0051】また、マイクロカプセル化の時、電子供与
性無色染料及び紫外線吸収剤を溶解するための補助溶剤
として揮発性の溶媒を他の溶媒と併用してもよい。この
種の溶媒としては例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、
酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレンクロライド等
があげられる。
【0052】本発明の記録材料では保護層中にマット剤
を添加する事が好ましい。マット剤としては例えばシリ
カ、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸ストロンチ
ウム、ハロゲン化銀などの無機化合物及びポリメチルメ
タクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレンの
ごときポリマー粒子や、カルボキシ澱粉、コーン澱粉、
カルボキシニトロフェニル澱粉などの澱粉粒子などがあ
り、粒子径が1ー20μmのものが好ましい。これらの
マット剤のなかではポリメチルメタクリレート粒子とシ
リカ粒子が特に好ましい。シリカ粒子としては例えばF
UJI−DEVISON CHEMICAL LTD.
製のサイロイドAL−1、65、72、79、74、4
04、620、308、978、161、162、24
4、255、266、150等が好ましい。マット剤の
添加量としては2〜500mg/m2が好ましく、特に
好ましくは5〜100mg/m2である。
【0053】本発明の記録材料では感光・感熱層、中間
層、保護層等本発明の記録材料の各層に硬化剤を併用す
ることが好ましい。特に保護層中に硬化剤を併用し、保
護層の粘着性を低減する事が好ましい。硬化剤としては
例えば、写真感光材料の製造に用いられる「ゼラチン硬
化剤」が有用であり、例えばホルムアルデヒド、グルタ
ルアルデヒドのごときアルデヒド系の化合物、米国特許
第3635718号その他に記載されている反応性のハ
ロゲンを有する化合物、米国特許第3635718号そ
の他に記載されている反応性のエチレン性不飽和結合を
もつ化合物、米国特許第3017280号その他に記載
されているアジリジン系化合物、米国特許第30915
37号その他に記載されているエポキシ系化合物、ムコ
クロル酸のようなハロゲノカルボキシアルデヒド類、ジ
ヒドロキシジオキサン、ジクロロジオキサン等ジオキサ
ン類あるいは米国特許第3642486号や米国特許第
3687707号に記載されているビニルスルホン類、
米国特許第3841872号に記載されているビニルス
ルホンプレカーサー類、米国特許第3640720号に
記載されているケトビニル類、あるいは又、無機硬化剤
としてクロム明ばん、硫酸ジルコニウム、硼酸等を用い
ることができる。これらの硬化剤のなかで特に好ましい
化合物は1,3,5−トリアクロイル−ヘキサヒドロ−
s−トリアジンや1,2−ビスビニルスルホニルメタ
ン、1,3−ビス(ビニルスルホニルメチル)プロパノ
ール−2、ビス(α−ビニルスルホニルアセトアミド)
エタン、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリ
アジン・ナトリウム塩、2,4,6−トリエチレニミノ
−s−トリアジンや硼酸等の化合物である。添加量とし
てはバインダーに対して0.5ー5重量%が好ましい。
【0054】このほか、保護層にはその粘着性を低下さ
せるためにコロイダルシリカを添加してもよい。コロイ
ダルシリカとしては例えば、日産化学製のスノーテック
ス20、スノーテックス30、スノーテックスC、スノ
ーテックスO、スノーテックスN等が好ましい。添加量
としてはバインダーに対して5ー80重量%が好まし
い。また保護層には本発明に用いる記録材料の記録材料
の白色度をあげるための蛍光増白剤やブルーイング剤と
しての青色染料を添加してもよい。
【0055】本発明の記録材料を多色記録材料とする場
合には、例えば、異なる色相に発色する電子供与性無色
染料を含有するマイクロカプセルと異なる波長の光に感
光する光硬化性組成物を各層に含む多層の記録材料の構
成を用い、かつ、感光・感熱層の間に紫外線吸収剤を含
有する中間層を設ける事が好ましい。中間層は主に紫外
線吸収剤を内包するマイクロカプセルとバインダーより
成り、必要に応じて硬化剤やポリマーラテックス等の添
加剤を含有することができる。
【0056】また、これらのマイクロカプセルは中間層
の他に、必要に応じて保護層や感光・感熱層、アンチハ
レーション層等に添加してもよい。
【0057】本発明に用いる紫外線吸収剤としては、有
機系紫外線吸収剤を使用する。紫外線吸収剤としてはベ
ンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸エステル系化合物、
アミノアルキン系化合物、アミノアリリデンマロンニト
リル系化合物、ベンゾフェノン系化合物等業界公知の化
合物を使用できる。
【0058】本発明の記録材料において、光硬化性組成
物の分散や電子供与性無色染料の分散およびカプセル化
は好ましくは水溶性ポリマー中で行われるが、本発明の
記録材料で好ましく用いることのできる水溶性ポリマー
としては、25℃の水に対して5重量%以上溶解する化
合物が好ましく、具体的には、ゼラチン、ゼラチン誘導
体、アルブミン、カゼイン等の蛋白質、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導
体、アルギン酸ソーダ、デンプン類(変性デンプンを含
む)等の糖誘導体、アラビアゴムやポリビニルアルコー
ル、スチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、カ
ルボキシ変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミ
ド、酢酸ビニル−ポリアクリル酸共重合体の鹸化物、ポ
リスチレンスルホン酸塩等の合成高分子があげられる。
これらの中ではゼラチンおよびポリビニルアルコールが
好ましい。
【0059】本発明の記録材料において保護層、感光・
感熱層、中間層等本記録材料の各層のバインダーとして
は上記水溶性高分子およびポリスチレン、ポリビニルホ
ルマール、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂:例え
ばポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、
ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート
やそれらの共重合体、フェノール樹脂、スチレン−ブタ
ジエン樹脂、エチルセルロース、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂、等の溶剤可溶性高分子あるいはこれらの高分子
ラテックスを用いることができる。
【0060】本発明の感光・感熱性記録材料の各層には
塗布助剤、帯電防止、スベリ性改良、乳化分散、接着防
止等種々の目的で、種々の界面活性剤を用いてもよい。
界面活性剤としては例えば非イオン性界面活性剤である
サポニン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンオキ
サイドのアルキルエーテル等ポリエチレンオキサイド誘
導体やアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫
酸エステル、N−アシル−N−アルキルタウリン類、ス
ルホコハク酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエ
チレナルキルフェニルエーテル類等のアニオン性界面活
性剤、アルキルベタイン類、アルキルスルホベタイン類
等の両性界面活性剤、脂肪属あるいは芳香属第4級アン
モニウム塩類等のカチオン性界面活性剤を必要に応じ用
いる事ができる。
【0061】本発明の記録材料には、これまで述べた添
加剤を含め必要に応じて様々な添加剤を添加することが
できる。例えば、イラジエーションやハレーションを防
止する染剤、紫外線吸収剤、可塑剤、蛍光増白剤、マッ
ト剤、塗布助剤、硬化剤、帯電防止剤や滑り性改良剤等
の代表例はResearch Disclosure,
Vol.176,1978年12月,Item 176
43、および同 Vol.187,1979年11月,
Item 18716 に記載されている。
【0062】本発明の記録材料の感光・感熱層用塗布液
や前述の各層用の塗布液は必要に応じて溶媒中に溶解せ
しめ、所望の支持体上に塗布し、乾燥することにより本
発明の記録材料が得られる。その場合に使用される溶媒
としては、水、アルコール:例えばメタノール、エタノ
ール,n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、sec−ブタノール、メチルセロソルブ、1−
メトキシ−2−プロパノール;ハロゲン系の溶剤:例え
ばメチレンクロライド、エチレンクロライド;ケトン:
例えばアセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケト
ン;エステル:例えば、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エ
チル、酢酸メチル;トルエン、キシレン等の単独物及び
それらの2種以上の混合物が例として挙げられる。これ
らの中では水が特に好ましい。
【0063】各層用の塗布液を支持体上に塗布するに
は、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコータ
ー、ロールドクターコーター、リバースロールコータ
ー、トランスファーロールコーター、グラビアコータ
ー、キスロールコーター、カーテンコーター、エクスト
ルージョンコーター等を用いることができる。塗布方法
としてはResearch Disclosure,V
ol.200,1980年12月,Item 2003
6 XV項を参考にできる。記録層の厚みとしては、
0.1μmから50μmが適当である。
【0064】本発明の記録材料は様々な用途に利用でき
る。例えばコピアやファックス、プリンター、ラベル、
カラープルーフ、第2原図等の用途に本発明の記録材料
を用いることができる。
【0065】本発明の記録材料に適する支持体として
は、紙、コーテイツドペーパー、ラミネート紙、合成紙
等、ポリエチレンテレフタレートフイルム、3酢酸セル
ローズフイルムネ、ポリエチレンフイルム、ポリスチレ
ンフイルム、ポリカーボネートフイルム等のフイルム、
アルミニウム、亜鉛、銅等の金属板、これらの支持体表
面に表面処理・下塗・金属蒸着処理等の各種処理を施し
たものを挙げることができる。更に、Research
Disclosure,Vol.200,1980年
12月、Item 20036 XVII項の支持体も
参考にできる。また、必要に応じて表面にアンチハレー
シヨン層、裏面にスベリ層、アンチスタチツク層、カー
ル防止層、粘着剤層等、目的に応じた層を設けることが
できる。
【0066】本発明の記録材料は、紫外光から可視光ま
での幅広い領域の光により高感度で記録できる。光源と
しては水銀灯、超高圧水銀灯、無電極放電型水銀灯、キ
セノンランプ、タングステンランプ、メタルハライドラ
ンプ、アルゴンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、半
導体レーザー等の各種レーザー、LED、蛍光灯等幅広
い光源を使用できる。
【0067】画像記録方法としては、リスフィルムなど
の原稿の密着露光、スライドや液晶画像等の拡大露光、
原稿の反射光を利用した反射露光等の様々な露光方法を
利用できる。多色記録を行なう場合は波長の異なる光を
用いて一回露光もしくは多重回画像記録を行なってもよ
い。波長の異なる光は光源の変更もしくは光フィルター
の変更により得られる。
【0068】本発明の記録材料は上記像様露光と同時ま
たは像様露光後に熱現像処理を行なう。この熱現像処理
における加熱方法としては従来公知の様々な方法を用い
ることができる。加熱温度は一般に80℃ないし200
℃、好ましくは100℃ないし160℃である。加熱時
間は1秒ないし5分、好ましくは3秒ないし1分であ
る。
【0069】本発明の記録材料は熱現像処理後に全面露
光を行ない非硬化部分も光硬化させる事が好ましい。全
面露光により地肌部の発色反応と発色部の消色反応とが
抑制されるため画像の保存性が向上する。以下に、本発
明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0070】
【実施例】
1.[電子供与性無色染料カプセルの調製] 1−a.電子供与性無色染料(1)カプセルの調製 電子供与性無色染料(1)8.9gを酢酸エチル16.
9gに溶解し、タケネートD−110N(武田薬品工業
株式会社製)20gとミリオネートMR200(日本ポ
リウレタン工業株式会社製)2gを添加した。この溶液
を、8%のフタル化ゼラチン42gと10% のドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液1.4gの混合液
に添加し、20℃で乳化分散し乳化液を得た。得られた
乳化液に水14gと2.9%のテトラエチレンペンタミ
ン水溶液72gを加え、攪拌しながら60℃に加温し、
2時間後に電子供与性無色染料(1)を芯に含有した、
平均粒径0.5μmのカプセル液を得た。
【0071】1−b.電子供与性無色染料(2)カプセ
ルの調製 1−a.の電子供与性無色染料(1)を電子供与性無色
染料(2)に変更した以外は1−a.と同じ方法により
平均粒径0.5μmの電子供与性無色染料(2)を内包
したカプセルを得た。
【0072】1−c.電子供与性無色染料(3)カプセ
ルの調製 1−a.の電子供与性無色染料(1)を電子供与性無色
染料(3)に変更した以外は1−a.と同じ方法により
平均粒径0.5μmの電子供与性無色染料(3)を内包
したカプセルを得た。以下に、電子供与性無色染料
(1)、(2)及び(3)の化学構造式を示す。
【0073】
【化1】
【0074】2.[光硬化性組成物の乳化液の調製] 2−a.光硬化性組成物(1)の乳化液の調製 光重合開始剤(1)0.13gと分光増感色素(1)
0.1gと重合を促進するための助剤(1)0.2gの
酢酸イソプロピル3gの混合溶液に重合性の電子受容性
化合物(1)5gを添加した。この溶液を、13%ゼラ
チン水溶液13gと2%界面活性剤(1)水溶液0.8
gと2%界面活性剤(2)水溶液0.8gとの混合溶液
中に添加しホモジナイザー(日本精機株式会社製)にて
10000回転で5分間乳化し、光硬化性組成物(1)
の乳化液を得た。
【0075】2−b.光硬化性組成物(2)の乳化液の
調製 2−a.の光重合開始剤(1)0.13gと分光増感色
素(1)0.1gを光重合開始剤(2)0.2gに変更
した以外は2−a.と同じ方法により光硬化性組成物
(2)の乳化液を得た。
【0076】2−c.光硬化性組成物(3)の乳化液の
調製 2−a.の光重合開始剤(1)0.13gと分光増感色
素(1)0.1gを光重合開始剤(3)0.2gに変更
した以外は2−a.と同じ方法により光硬化性組成物
(3)の乳化液を得た。
【0077】2−d.光硬化性組成物(4)の乳化液の
調製 光重合開始剤(1)0.2gと分光増感色素(1)0.
2gと重合を促進するための助剤としてN−フェニルグ
リシンエチルエステル0.2gの酢酸エチル4g溶液に
電子受容性化合物であるレゾルシン酸(1−メチル−2
−フェノキシ)エチル10gとトリメチロールプロパン
トリアクリレートモノマー8gを添加した。この溶液
を、15%ゼラチン水溶液19.2gと水4.8gと2
%界面活性剤(1)水溶液0.8gと2%界面活性剤
(2)水溶液0.8gとの混合溶液中に添加しホモジナ
イザー(日本精機株式会社製)にて10000回転で5
分間乳化し、光硬化性組成物(4)の乳化液を得た。以
下に、光重合開始剤(1)、(2)、(3)及び分光増
感色素(1)の化学構造式を示す。
【0078】
【化2】
【0079】以下に、重合性の電子受容性化合物(1)
の化学構造式を示す。
【0080】
【化3】
【0081】以下に、重合を促進するため助剤(1)の
化学構造式を示す。
【0082】
【化4】
【0083】3.[紫外線吸収剤液の調製] 3−a.紫外線吸収剤内包カプセル液(1)の調製 紫外線吸収剤(1)3.5gと紫外線吸収剤(2)1.
5gを酢酸エチル12.9gに溶解し、バーノックD−
750(大日本インキ化学工業(株)製)15gを添加
した。この溶液を6%フタル化ゼラチン50gと10%
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの混合液に添加
し、30℃10000回転で乳化分散して乳化液を得
た。得られた乳化液に水90gを加え、攪拌しながら6
5℃に加温し、3時間後に紫外線吸収剤(1)と紫外線
吸収剤(2)を芯に含有した平均粒径0.25μmのマ
イクロカプセル液を得た。以下に、紫外線吸収剤
(1)、(2)の化学構造式を示す。
【0084】
【化5】
【0085】3−b.紫外線吸収剤内包カプセル液
(2)の調製 紫外線吸収剤(3)3.5gと紫外線吸収剤(2)1.
5gを酢酸エチル12.9gに溶解し、バーノックD−
750(大日本インキ化学工業(株)製)15gを添加
した。この溶液を6%フタル化ゼラチン50gと10%
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの混合液に添加
し、30℃10000回転で乳化分散して乳化液を得
た。得られた乳化液に水90gを加え、攪拌しながら6
5℃に加温し、3時間後に紫外線吸収剤(3)と紫外線
吸収剤(2)を芯に含有した平均粒径0.25μmのマ
イクロカプセル液を得た。以下に、紫外線吸収剤(3)
の化学構造式を示す。
【0086】
【化6】
【0087】3−c.紫外線吸収剤内包カプセル液
(3)の調製 紫外線吸収剤(1)3.5gと紫外線吸収剤(2)1.
5gを酢酸エチル12.9gに溶解し、バーノックD−
750(大日本インキ化学工業(株)製)15gを添加
した。この溶液を6%フタル化ゼラチン50gと10%
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの混合液に添加
し、30℃6000回転で乳化分散して乳化液を得た。
得られた乳化液に水90gを加え、攪拌しながら65℃
に加温し、3時間後に紫外線吸収剤(1)と紫外線吸収
剤(2)を芯に含有した平均粒径0.7μmのマイクロ
カプセル液を得た。
【0088】3−d.紫外線吸収剤内包カプセル液
(4)の調製 紫外線吸収剤(3)3.5gと紫外線吸収剤(2)1.
5gを酢酸エチル12.9gに溶解し、バーノックD−
750(大日本インキ化学工業(株)製)15gを添加
した。この溶液を6%フタル化ゼラチン50gと10%
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの混合液に添加
し、30℃6000回転で乳化分散して乳化液を得た。
得られた乳化液に水90gを加え、攪拌しながら65℃
に加温し、3時間後に紫外線吸収剤(3)と紫外線吸収
剤(2)を芯に含有した平均粒径0.7μmのマイクロ
カプセル液を得た。
【0089】3−e.紫外線吸収剤の乳化液(5)の調
製 紫外線吸収剤(1)7.5gと紫外線吸収剤(2)2.
4gを酢酸エチル17.5gに溶解した溶液を、15%
ゼラチン水溶液62gと62%ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム水溶液1gとの混合液に添加し、ホモジ
ナイザー(日本精機(株)製)にて10000回転で5
分間乳化分散し、紫外線吸収剤の乳化液(5)を得た。
【0090】3−f.紫外線吸収剤の乳化液(6)の調
製 紫外線吸収剤(3)7.5gと紫外線吸収剤(2)2.
4gを酢酸エチル17.5gに溶解した溶液を、15%
ゼラチン水溶液62gと62%ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム水溶液1gとの混合液に添加し、ホモジ
ナイザー(日本精機(株)製)にて10000回転で5
分間乳化分散し、紫外線吸収剤の乳化液(6)を得た。
【0091】4.[感光・感熱層用塗布液の調製] 4−a.感光・感熱層(1)用塗布液の調製 電子供与性無色染料(1)カプセル4gと光硬化性組成
物(1)の乳化液12gと15%ゼラチン水溶液12g
とを混合し感光・感熱層(1)用塗布液を調製した。
【0092】4−b.感光・感熱層(2)用塗布液の調
製 電子供与性無色染料(2)カプセル4gと光硬化性組成
物(2)の乳化液12gと15%ゼラチン水溶液12g
とを混合し感光・感熱層(2)用塗布液を調製した。
【0093】4−c.感光・感熱層(3)用塗布液の調
製 電子供与性無色染料(3)カプセル4gと光硬化性組成
物(3)の乳化液12gと15%ゼラチン水溶液12g
とを混合し感光・感熱層(3)用塗布液を調製した。
【0094】4−d.感光・感熱層(4)用塗布液の調
製 電子供与性無色染料(1)カプセル1gと光硬化性組成
物(4)の乳化液10gとを混合し感光・感熱層(4)
用塗布液を調製した。
【0095】4−e.感光・感熱層(5)用塗布液の調
製 電子供与性無色染料(1)カプセル4gと光硬化性組成
物(1)の乳化液120gと15%ゼラチン水溶液12
gとを混合し感光・感熱層(5)用塗布液を調製した。
【0096】4−f.感光・感熱層(6)用塗布液の調
製 電子供与性無色染料(1)カプセル120gと光硬化性
組成物(1)の乳化液12gと15%ゼラチン水溶液1
2gとを混合し感光・感熱層(6)用塗布液を調製し
た。
【0097】5.[中間層用塗布液の調製] 5−a.中間層(1)用塗布液の調製 蒸留水9gと紫外線吸収剤内包カプセル(1)5gと1
5%ゼラチン液7gを混合し、中間層(1)用塗布液を
調製した。
【0098】5−b.中間層(2)用塗布液の調製 蒸留水9gと紫外線吸収剤内包カプセル(2)5gと1
5%ゼラチン液7gを混合し、中間層(2)用塗布液を
調製した。
【0099】6.[保護層用塗布液の調製] 6−a.保護層(1)用塗布液の調製 10%ゼラチン水溶液4.5gと蒸留水4.5gと2%
界面活性剤(3)水溶液0.5gと2%界面活性剤
(4)水溶液0.3gと2%硬膜剤(1)水溶液0.5
gとサイロイド72(FUJI−DEVISON CH
EMICAL LTD.製)を塗布量が50mg/m2
となるだけの量とスノーテックスN1gとを混合し保護
層(1)用塗布液を調製した。以下に、硬膜剤(1)及
び界面活性剤(1)、(2)、(3)及び(4)の化学
構造式を示す。
【0100】
【化7】
【0101】7.[支持体] 両面下塗ポリエチレンテレフタレート系合成紙E68L
(東レ(株)製)を使用した。
【0102】実施例1 ポジ型多色感光・感熱性記録材
料の作成と評価 支持体上に、感光・感熱層用塗布液(1)を、コーティ
ングバーを用いて塗布層の乾燥重量が8g/m2になる
ように塗布し、30℃で10分間乾燥した。この層の上
に、中間層(1)を乾燥重量が2g/m2になるように
塗布乾燥し、次に、感光・感熱層用塗布液(2)を乾燥
重量が8g/m2になるように塗布乾燥し、次に、中間
層(2)を乾燥重量が5g/m2になるように塗布乾燥
し、感光・感熱層用塗布液(3)を乾燥重量が8g/m
2になるように塗布乾燥し、更にその上 に保護層(1)
用塗布液をコーティングバーを用いて塗布層の乾燥重量
が2g/m2になるように塗布し、30℃で10分間乾
燥して実施例1のサンプルを得た。
【0103】実施例2 中間層(1)の紫外線吸収剤内包カプセル液(1)を紫
外線吸収剤内包カプセル液(3)に代え、中間層(2)
の紫外線吸収剤内包カプセル液(2)を紫外線吸収剤内
包カプセル液(4)に代えた以外は実施例1と同様にし
て実施例2のサンプルを得た。
【0104】比較例1 中間層(1)の紫外線吸収剤内包カプセル液(1)を、
紫外線吸収剤の乳化物(5)に代え、中間層(5)の紫
外線吸収剤内包カプセル液(2)を紫外線吸収剤の乳化
物(6)に代えた以外は実施例1と同様にして比較例1
のサンプルを得た。
【0105】得られた感光・感熱性記録材料と、そのサ
ンプルを45℃75%の環境下に1日放置したもの各々
にイエロー用の画像を現像したリスフィルムと410n
m以下の光を遮断する光学フィルター(SC−41フィ
ルター:富士写真フィルム株式会社製)を通して200
0W高周波点灯型超高圧水銀灯(大日本スクリーン社製
プリンター P627GA)からの紫外光で露光した。
次にマゼンタ用の画像を現像したリスフィルムと365
nm〜400nmの光だけを透過する干渉フィルターを
通し水銀灯の光で露光し、更に、シアン用の画像を現像
したリスフィルムと340nm〜365nmの光だけを
透過する干渉フィルターを通し水銀灯の光で露光して潛
像を得た。その後、120℃の熱板で5秒加熱したとこ
ろ、実施例1、実施例2及び比較例1とも多色画像が得
られた。
【0106】この実施例1、実施例2及び比較例1の多
色画像のイエロー、マゼンタ、シアン濃度を、マクベス
社製 RD918型濃度計を用いて測定した。さらに、
地肌濃度をもっとも小さくするのに必要であった各波長
の最低露光秒数の合計を求めた。結果を表1に示す。
【0107】 表1:評価結果 ────────────────────────────────── イエロー濃度 マセ゛ンタ濃度 シアン濃度 露光秒数 経時のないサンフ゜ル 実施例1 1.6 1.9 1.9 100 実施例2 1.4 1.6 1.9 100 比較例1 1.3 1.4 1.4 400 45℃75%1日経時サンフ゜ル 実施例1 1.5 1.8 1.8 105 実施例2 1.3 1.5 1.6 105 比較例1 0.6 0.8 0.6 1000 ──────────────────────────────────
【0108】表1から、本発明の記録材料は明らかに、
短時間の露光で高濃度かつ鮮明な画像を与え、生保存性
も優れていることが判る。更に、紫外線吸収剤内包マイ
クロカプセルの粒径を0.5μm以下にすることにより
発色濃度が向上することが判る。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば高発色濃度を実現でき、
且つ、生保存性に優れた感光・感熱性記録材料を得るこ
とができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光によりマイクロカプセル外にある光
    硬化性組成物に潛像が形成され、加熱により電子受容性
    化合物がその潛像に応じて記録材料内で移動してマイク
    ロカプセル内の電子供与性無色染料を発色させ画像を形
    成する感光・感熱層を少なくとも2層有し、該感光・感
    熱層の間に紫外線吸収剤を含有する中間層を設けた感光
    ・感熱性記録材料において、該中間層の少なくとも1つ
    の層が紫外線吸収剤を内包するマイクロカプセルを含有
    することを特徴とする感光・感熱性記録材料。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該紫外線吸収剤を内
    包するマイクロカプセルの平均粒径が0.5μm以下で
    あることを特徴とする感光・感熱性記録材料。
  3. 【請求項3】 請求項1において、該中間層のバインダ
    ーが水溶性高分子であることを特徴とする感光・感熱性
    記録材料。
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EP3617681A4 (en) * 2017-04-27 2020-05-13 FUJIFILM Corporation STIMULI-SENSITIVE MAGNETIC PARTICLES AND THEIR MANUFACTURING METHOD

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3617681A4 (en) * 2017-04-27 2020-05-13 FUJIFILM Corporation STIMULI-SENSITIVE MAGNETIC PARTICLES AND THEIR MANUFACTURING METHOD

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