JPH08219323A - 温水回収弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気的な制御を用いずに温水のみを選択的に
効率良く回収できる温水回収弁を提供する。 【構成】 排水管に接続される流入口３と冷水流出口４
及び温水管に接続される温水流出口５を有すると共に、
流入口と冷水流出口及び温水流出口を連通する連通路６
〜１２を有する本体１と、連通路７に配され排水の温度
によって変形する形状記憶合金２２と、形状記憶合金の
変形に連動して排水温度が低温のときに冷水流出口を開
口する冷水用弁部材２４と、形状記憶合金の変形に連動
して排水温度が高温のときに温水流出口を開口する温水
用弁部材とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、排水源から排出される
排水から比較的高温の温水のみを回収するための温水回
収弁に関する。多量に排出される排水から温水のみを選
択して効率良く回収することは、熱エネルギ―の有効利
用の観点から極めて重要なことである。

【０００２】

【従来の技術】従来の温水のみを選択的に回収する技術
としては、排水管に排水管から分岐した温水管を連結
し、分岐部に切替え弁を配し、切替え弁の上流側の排水
の温度を検出する温度センサを設けると共に、温度セン
サの検出温度に基づいて切替え弁を制御するコントロ―
ラを設けたものがある。

【０００３】排水管を流下する排水温度が温度センサで
検出され、検出温度値がコントロ―ラの設定温度以下で
あれば、温水管への流路を閉止し排水管下流側への流路
を開口するように切替え弁が制御される。温度センサで
の検出温度値がコントロ―ラの設定温度以上であれば、
温水管への流路を開口し排水管下流側への流路を閉止す
るように切替え弁が制御される。これによって、設定温
度以上の温水のみが選択的に温水管へ流下せしめられ回
収されることとなる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のものは、排水管下流側と温水管への流路の切替えを
電気的に制御するものであるので、防爆域においては適
用できず、また停電時には動作しないという問題点があ
った。また、温度センサやコントロ―ラを用いた構成は
高価になる問題点もあった。

【０００５】従って本発明の技術的課題は、電気的な制
御を用いずに温水のみを選択的に効率良く回収できる温
水回収弁を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決する為の手段】上記の技術的課題を解決す
るために講じた本発明の技術的手段は、排水管に接続さ
れる流入口と冷水流出口及び温水管に接続される温水流
出口を有すると共に、流入口と冷水流出口及び温水流出
口を連通する連通路を有する弁ケ―シングと、連通路に
配され排水の温度によって変形する温度応動部材と、温
度応動部材に連結され温度応動部材に連動して温水流出
口を開閉する温水用弁部材と、温度応動部材に連結され
温度応動部材に連動して温水流出口の開閉とは逆に冷水
流出口を開閉する冷水用弁部材とを具備することを特徴
とする温水回収弁にある。

【０００７】

【作用】上記の技術的手段の作用は下記の通りである。
温水流出口の開閉を司る温水用弁部材及び冷水流出口の
開閉を司る冷水用弁部材を排水の温度に従って変形する
温度応動部材に連動させ、温水流出口の開閉及び温水流
出口の開閉とは逆に冷水流出口の開閉を行うようにした
ものであるので、電気制御される部材を用いずに、温水
のみを選択的に効率良く回収することが可能となる。

【０００８】

【実施例】上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説
明する（図１参照）。本体１に蓋２をねじ結合して弁ケ
―シングを形成する。本体１に排水管に接続する流入口
３と冷水流出口４及び温水管に接続する温水流出口５を
形成する。流入口３は本体１の上部に、冷水流出口４は
本体１の下部に、温水流出口５は冷水流出口４の上に形
成している。流入口３は連通路６，７，８を介して温水
流出口５に連通すると共に、連通路６，７，９，１０，
１１，１２を介して冷水流出口４に連通する。

【０００９】連通路７と連通路８の間に温水用弁口１３
を形成し、連通路１１と連通路１２の間に冷水用弁口１
４を形成する。連通路７内に流入口３から流入する流体
中の異物を補足するスクリ―ン１５を配置する。温水用
弁口１３に対向して連通路７内に温水用弁部材１６を配
置する。温水用弁部材１６の下端部には一体に温水用弁
口１３を開閉する温水用弁体部１７を形成する。温水用
弁部材１６の上端部は蓋２に形成した嵌合孔１８に変位
自在に嵌合する。嵌合孔１８は温水用弁口１３及び冷水
用弁口１４と同一軸上に形成している。

【００１０】温水用弁部材１６にスナップリング１９を
取り付け、スナップリング１９の上下に夫々保持板２
０，２１を配置する。下側の保持板２１の下面と連通路
７の底壁の間に温度応動部材としてのコイル状の形状記
憶合金２２を配置する。蓋２の下端面と上側の保持板２
０の上面の間に復帰ばね２３を配置する。

【００１１】温水用弁体部１７の下面に上端が当接し、
下端が冷水用弁口１４に対向して連通路１１内に位置す
る冷水用弁部材２４を連通路８と連通路９間の壁を貫通
して配置する。冷水用弁部材２４の下端部には一体に冷
水用弁口１４を開閉する冷水用弁体部２５を形成する。
冷水用弁部材２４の下面とプラグ２６の間に復帰ばね２
７を配置する。

【００１２】排水は流入口３から連通路６及びスクリ―
ン１５を介して連通路７に流下する。排水の温度が高い
場合は、図１に示すように、連通路７に配した形状記憶
合金２２は伸長し、復帰ばね２３に抗して温水用弁部材
１６を持上げ、温水用弁体部１７が温水用弁口１３を開
口している。一方、冷水用弁部材２４は復帰ばね２７に
よって持上げられて、冷水用弁体部２５が冷水用弁口１
４を閉止している。これによって、温水は連通路８を介
して温水流出口５から流出する。

【００１３】排水の温度が低い場合は、連通路７に配し
た形状記憶合金２２は縮小し、復帰ばね２３によって温
水用弁部材１６が押し下げられ、温水用弁体部１７が温
水用弁口１３を閉止する。一方、冷水用弁部材２４は復
帰ばね２７に抗して押し下げられ、冷水用弁体部２５が
冷水用弁口１４を開口する。これによって、冷水は連通
路９，１０，１１，１２を介して冷水流出口４から流出
する。

【００１４】

【発明の効果】本発明は下記の特有の効果を生じる。上
記のように本発明によれば、温度応動部材によって温水
流出口と冷水流出口とを逆に開閉することにより、電気
制御される部材を用いずに、温水のみを選択的に効率良
く回収することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の温度回収弁の断面図。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 蓋 ３ 流入口 ４ 冷水流出口 ５ 温水流出口 ６〜１２ 連通路 １６ 温水用弁部材 ２２ 形状記憶合金 ２４ 冷水用弁部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排水管に接続される流入口と冷水流出口
   及び温水管に接続される温水流出口を有すると共に、流
   入口と冷水流出口及び温水流出口を連通する連通路を有
   する弁ケ―シングと、連通路に配され排水の温度によっ
   て変形する温度応動部材と、温度応動部材に連結され温
   度応動部材に連動して温水流出口を開閉する温水用弁部
   材と、温度応動部材に連結され温度応動部材に連動して
   温水流出口の開閉とは逆に冷水流出口を開閉する冷水用
   弁部材とを具備することを特徴とする温水回収弁。