JPH08218608A - 木質暖房床材とその施工方法 - Google Patents

木質暖房床材とその施工方法

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JPH08218608A
JPH08218608A JP4488795A JP4488795A JPH08218608A JP H08218608 A JPH08218608 A JP H08218608A JP 4488795 A JP4488795 A JP 4488795A JP 4488795 A JP4488795 A JP 4488795A JP H08218608 A JPH08218608 A JP H08218608A
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JP
Japan
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floor
heating
wood
heating element
base plate
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JP4488795A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Okawa
力 大川
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Domusu Sekkei Jimusho Kk
Original Assignee
Domusu Sekkei Jimusho Kk
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 木質暖房床材とその施工方法に関する。 【構成】 最下層に任意の断熱・緩衝板が貼着された下
地板上に、中間シートを積層し、その上面に電気抵抗面
状発熱体を、最上層の木質床化粧板で挟持一体化し、前
記下地板の実部に、前記電気抵抗面状発熱体の電極に通
じる継手端子を装着したことを特徴とする木質暖房床
材、および前記木質暖房床材の雄実部に装着した継手端
子を、その木質暖房床材の雌実部に嵌合することによっ
て、電気的に縦方向短辺直列、あるいは横方向長辺並列
に接続し、その床材の貼り始め端、または貼り終い端の
いずれか一端の、各継手端子をそれぞれの室内電源に接
続したことを特徴とする木質暖房床の施工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建造物の床基台上あ
るいは床基台上の木造下地上に、直貼りでも敷設するこ
とができる木質暖房床材とその施工方法に係るものであ
り、さらに詳しくは、木質床材に予め組み込まれた電気
抵抗面状発熱体の電極に、リード線で接続された継手端
子を、その床材の実部に装着した木質暖房床材とその施
工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来において木質暖房床として提供され
たものは、図1に示すように床基台(20)上に設置された
根太(11)などの横架材間に密嵌された断熱材(12)上に、
たとえばパッケージ型電気抵抗発熱体(A')を定置し、予
め電気配線などの電気工事を施したのち、根太(11)間に
床下地板(13)を敷設した木造床下地(G) の上面に、床化
粧板(4')を敷設する現場組み立て式の木質暖房床が一般
的であった。またごく最近においては、薄型大版の電気
抵抗発熱体が開発されたことにより、床への敷き込みが
試みられているが、これも現場で組み立ててゆく方式の
ものである。すなわち床基台(20)上の床下地板(13)上
に、大版の電気抵抗発熱体を敷設し、電気配線を施した
のち、最上層に木質床化粧板を下面の電気抵抗発熱体を
釘などで傷つけないように配慮しながら、現場で組み立
てるものであって、これとても前述の従来から行われて
きた暖房床工事に等しい方式であり、以下に述べるこの
発明のように床基台(20)上か、床基台(20)上の木造床下
地(G) 上に、前記したような大掛かりな電気配線工事を
一切要せずして、直接、直貼りで木質暖房床を形成する
ものではなかった。なお(21)は壁基台である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記したような従来の
技術では、その木質暖房床の施工に際しては、床材一枚
毎への電気配線工事が終了するまでは、上部の木工事や
床工事に着手できず、それは職種や工数あるいはコスト
などの増加となり、そのために床暖房がなかなか一般に
普及しない原因となっていた。この発明ではそのような
従来の問題点を是正し、前記従来の床材一枚毎に電気配
線を施すことの労を排し、通常使用される木質床の施工
と同様に、簡易にそして効率的に形成することができる
木質暖房床を得るものであり、それを短工期で、廉価に
提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】最下層に任意の断熱・緩
衝板が貼着された下地板上に、中間シートを積層し、そ
の上面に電気抵抗面状発熱体を、最上層の木質床化粧板
で挟持一体化し、前記下地板の実部に前記電気抵抗面状
発熱体の電極に通じる継手端子を装着したことを特徴と
する木質暖房床材、下地板に貫通切溝あるいは半貫通切
溝を切刻したことを特徴とする前記記載の木質暖房床
材、下地板の短辺あるいは長辺に設けた雄実部に装着し
た継手端子間に、絶縁孔を刻設したことを特徴とする前
記記載の木質暖房床材、下地板の短辺おるいは長辺の雄
実部基部に、防湿手段を施したことを特徴とする前記記
載の木質暖房床材、および木質暖房床材の雄実部に装着
した継手端子を、その床材の雌実部に嵌合することによ
って、電気的に縦方向短辺直列、あるいは横方向長辺並
列に接続し、その床材の貼り始め端、または貼り終い端
のいずれか一端の、各継手端子をそれぞれの室内電源に
接続したことを特徴とする前記記載の木質暖房床の施工
方法の構成。
【0005】
【作用】この発明は木質暖房床の施工後、電気抵抗面状
発熱体(A) に通電した場合、最上層の木質床化粧板(4)
が直接、加熱されるので電気効率が良く、熱に無駄がな
く、温まり易くそして発熱体(16)下面の中間シート(3)
と、下地板(2) および最下層の断熱・緩衝板(1) の断熱
作用で熱が下面へ放散し難い。床基台(20)上の木造床下
地(G) に断熱材(12)を挿入しておけば、保温状況はさら
に良好である。木質暖房床材(F) が広幅タイプの場合に
は、加熱により反り変形が生じ易いので、下地板(2) に
貫通切溝(18)あるいは半貫通切溝(18') を切刻しておく
ことにより、反り変形を少なくすることができる。この
発明の木質暖房床は薄型一体化に構成することができる
ので、床基台(20)上あるいは床基台(20)上の木造床下地
(G)上に直接、直貼りすることも可能となり、このため
床の厚さの増加を最小限に押さえることができる。ま
た、中間シート(3) は木質暖房床使用時の振動から、発
熱体(16)を保護するとともに、下地板(2) を中間シート
(3) と最下層の断熱・緩衝板(1) で挟持しているので、
従来の暖房床より床衝撃音の防止作用が良好であり、と
くに下地板(2) に貫通切溝(18)、半貫通切溝(18') を切
刻した場合には、下地板(2) の共振による振動増幅が減
少するので、床衝撃音の防止作用が一層顕著となる。さ
らに木質暖房床材(F) の雄実部(5),雌実部(5')に装着さ
れた継手端子(7),(7')の作用で、これらの雄実部(5),雌
実部(5')を嵌合するだけで電気結線が完了し、木質暖房
床材(F) の施工に際し、電気配線(D) の工事を著しく省
力化することができる。
【0006】
【実施例】この発明の木質暖房床材(F) は、厚さの薄い
電気抵抗面状発熱体(A) を、予め木質床材に組み込んだ
うえ、その短辺あるいは長辺の雄実部(5) および雌実部
(5')に、電気抵抗面状発熱体(A) の電極(6) に接続され
た[雄型]継手端子(7),[雌型]継手端子(7')を装着す
るものとする。木質床材の施工時には雄実部(5) 、雌実
部(5')を相互に嵌合するだけで、継手端子(7),(7')が接
続され、したがって電気抵抗面発熱体(A) の電極(6) が
後述するように各々直列あるいは並列に接続される。こ
の工程を床面の縦方向あるいは横方向に繰り返し、木質
暖房床材(F)を形成敷設してゆくことで、とくに木質暖
房床材(F) の一枚毎に電気配線を施すことなく、木質暖
房床が容易に形成でき、その後は室内電源(B) に電流調
節器[コントローラー](C) および必要に応じて温度ヒ
ューズを介して接続するだけでよい。このとき電気抵抗
面状発熱体(A) の発熱温度が、木質床材の表面で約20
〜30度C以上に上昇しないように構成すれば、電流調
節器(C) 無しに室内電源(B) と接続することは可能であ
る。
【0007】この発明の実施例をさらに詳細に説明す
る。図2(a)、(b)[図5(a)参照]に示すよう
に、この発明に係る木質暖房床材(F) の最上層は、厚さ
約2〜10mmの木質床化粧板(4) で、その表面に銘木つ
き板単板をねり付け貼着した合板からなり、その他、中
硬質繊維板(MDF)、むく板、寄せ木材、集成材など
も使用できる。この下層には両面を一層あるいは二層の
ペットフィルムなどの合成樹脂製絶縁フィルム(14)で挟
持した電気抵抗面状発熱体(A) があり、さらにその下層
には下地板(2) があり、そして前述の床基台(20)などに
対する断熱作用と、木質暖房床使用時の振動から発熱体
(16)を保護するために、中間シート(3) として厚さ約
0.3〜10.0mmの軟質合成樹脂製あるいは発泡合成
樹脂製のシートが、積層、貼着されている。中間シート
(3) の材質は上記の他、ラテックスゴム、軟質ゴム、発
泡ゴムなどであり、これらに遮音材として重比重物質を
混入したもの、あるいはまた繊維シートにライニングあ
るいは裏打ちしたものなどが使用される。
【0008】もし中間シート(3) が無い場合には、木質
暖房床材(F) の下層に対する断熱性能が低下するのは勿
論のこと、床使用時の振動によって発熱体(16)に破損が
生ずることも予想され、中間シート(3) は木質暖房床材
(F) の構成にとっては不可欠である。電気抵抗面状発熱
体(A) を挟持する絶縁フィルム(14)のうち、下面の絶縁
フィルム(14') を分厚い軟質合成樹脂フィルムとした場
合には、下地板(2) や床基台(20)に対する断熱効果と、
発熱体(16)に対する緩衝効果が認められるので、中間シ
ート(3) を省くこともできる。中間シート(3) の下面は
厚さ約3〜20mmの下地板(2) であって、合板、中硬質
繊維板(MDF)、パーティクルボードなどが使用され
る。木質暖房床材(F) の形状寸法が大型になったり、反
り変形が発生する恐れがある場合、下地板(2) に切溝を
切刻する。切溝としては貫通切溝(18)の他、下地板(2)
の表面あるいは裏面からの半貫通切溝(18') があり、溝
幅は約1〜3mmで、それらの断面形状は図6(b)に示
されるように、平行型(イ)〜(ハ) 、斜め平行型(ニ) 、ア
ール付き平行型(ヘ) 、V字型(ホ) などでとくに形状を問
わず、下地板(2) の短辺方向に約10〜300mmの等間
隔あるいは不等間隔で切刻される。貫通切溝(18), 半貫
通切溝(18') は必要により長辺方向にも切刻可能であ
る。貫通切溝(18), 半貫通切溝(18') は中間シート(3)
と断熱・緩衝板(1) に挟持された下地板(2) の共振の増
幅を低減するため、床衝撃音の軽減にも効果がある。最
下層には任意の断熱・緩衝板(1) として、たとえば厚さ
約1〜30mmの軟質板あるいは繊維板が貼着されてい
る。軟質板は軟質ゴム、発泡ゴムの他、軟質合成樹脂あ
るいは発泡合成樹脂からなるもので、繊維板は合成樹脂
または天然素材を使用した織布、不織布で、これらのう
ち二種類以上の複合も可能である。
【0009】木質暖房床材(F) の内部に組み込む電気抵
抗面状発熱体(A) は、図5(a)あるいは図6(a)に
示すように、カーボン線、カーボン不織布、金属線など
からなる電気抵抗線かあるいはカーボン微粒子と合成樹
脂ポリマーの電気抵抗により発熱する発熱体(16)からな
り、この短辺もしくは長辺の対向する辺に、それぞれ銅
あるいはアルミニウムなどの金属シートあるいは金属箔
製の帯状の電極(6) を有し、表裏面を合成樹脂製の絶縁
フィルム(14)で絶縁したもので、発熱体(16)の温度分布
を均一にするため、アルミニウムなどの金属シート製ま
たは金属箔製の均熱板(15)を積層してもよい。電気抵抗
面状発熱体(A) の形状寸法は、木質床化粧板(4) と同等
かそれよりやや小さめの細長片を用い、厚さは約0.3
〜5mm程度で、図2(a)および図2(b)に示すよう
に、平面的に木質暖房床材(F) の全面あるいは一部分に
装着されている。電気抵抗面状発熱体(A) の装着に際し
ては、表裏面あるいは裏面を全面接着するか、部分接着
するかの固定方法は材質によって適宜、選択できる。一
方、継手端子(7),(7')は図3(a)のように、銅、アル
ミニウムなどの金属シートの小裁片を木質暖房床材(F)
の雄実部(5),雌実部(5')の断面形状に合致するように、
ほぼコ型か、図3(b)のようにほぼL型に折り曲げて
加工したものを、電気抵抗面状発熱体(A) の電極(6) と
リード線(10)で接続したうえ、木質暖房床材(F) の短辺
あるいは長辺の電極(6) 端付近の雄実部(5),雌実部(5')
に装着する。継手端子(7),(7')の横幅は約5〜50mm程
度で、その他の形状寸法は各実部に緊密に装着されるよ
うに形成する。継手端子(7),(7')の数は通常、短辺また
は長辺の雄実部(5),雌実部(5')に各一個づつあるいは二
個づつ装着する。コ型の継手端子(7),(7')には、雌実部
(5')と雄実部(5) の嵌合による継手端子(7),(7')の接触
を一層確実にするため、図3(a)、(b)に示すよう
に、[雌型]継手端子(7')と[雄型]継手端子(7) の先
端上部に小凸起(17),(17')を設けて、これら小凸起(1
7),(17')相互がそれぞれ噛み合うまで各雄実部(5),雌実
部(5')を押し込むと、木質暖房床の使用時に緩み難くな
り、電気接続系統の安全性も向上する。継手端子(7),
(7')としては、上記の他、図3(c)のようなプラグ(1
8)、ジャック(18') などの差込み式端子の使用も可能で
ある。
【0010】図4(a)、(b)において、木質暖房床
材(F) の下地板(2) の短辺あるいは長辺の雄実部(5),雌
実部(5')の電極(6) 端付近に、接続孔(9) が木質床化粧
板(4) に貫通しないように切刻されており、また雄実部
(5) の継手端子(7) 間には絶縁孔(8) が切刻されてい
る。前者の接続孔(9) は電極(6) にリード線(10)を接続
するためのもので、電極(6) と継手端子(7),(7')を接続
するために使用する。また後者の絶縁孔(8) は継手端子
(7),(7')を装着する際の隙間(b) やコーキング(f) と相
俟って、床使用時に床材継目から侵入する水分や、不純
物による継手端子(7),(7')の電気的短絡を防止するため
のものである。
【0011】図5(a)は細幅タイプの木質暖房床材
(F) の斜視図であって、表面から順に木質床化粧板(4)
、電気抵抗面状発熱体(A) 、中間シート(3) 、下地板
(2) 、そして最下層に断熱・緩衝板(1) が積層され一体
化されている。図5(a)の場合、発熱体(16)の電極
(6) は長辺方向の対向する二辺に設けられているため、
木質暖房床材(F) の短辺に達する電極(6) 端付近に刻設
された接続孔(9) から、リード線(10)をもって電極(6)
と継手端子(7) を繋ぎ、これを隙間(b) をあけるように
して雄実部(5),雌実部(5')に装着する。雄実部(5) 基部
の隙間(b) には、電気絶縁性を高めるための紐状のコー
キング(f) が施されている。紐状コーキング(f) は軟質
合成樹脂系の他、軟質ゴム系が使用され、施工時に現場
で塗布することもできる。短辺の雄実部(5) の継手端子
間には絶縁孔(8) が刻設されている。電気抵抗面状発熱
体(A) の幅が細かったり、厚さが分厚い場合には、図5
(b)に示すように木質床化粧板(4) の裏面の縁辺に凸
起(a) を設けて、木質床化粧板(4) を平滑に調整するこ
とも可能である。
【0012】図6(a)は広幅タイプの木質暖房床材
(F) の斜視図であって、前述のように図6(b)および
図6(c)は、下地板(2) に貫通切溝(18), 半貫通切溝
(18')を切刻した場合の態様を示したものである。一般
に木質床材は幅が広かったり長さが長かったりすると、
材料の乾燥収縮などで反りによる変形が発生し易い。と
くに木質床材内部に発熱体を組み込んだ場合には、発熱
体の加熱によって木質床材の変形が促進され易い。貫通
切溝(18), 半貫通切溝(18') の一つの役目は木質床材の
反り防止のために下地板(2) に切刻されるものである。
とくに下地板(2)の表面側に半貫通切溝(18') を切刻し
た場合には、発熱体(16)の加熱時において木質床化粧板
(4) と下地板(2) の反り方向が逆となり、変形が相殺さ
れ木質暖房床材(F) 全体の反り変形の発生を微小なもの
とすることができる。
【0013】前記図6(a)においても、表面から順に
木質床化粧板(4) 、電気抵抗面状発熱体(A) 、中間シー
ト(3) 、貫通切溝(18)および半貫通切溝(18') を切刻し
た下地板(2) 、断熱・緩衝板(1) が積層一体化されてい
る。図6(a)の場合、発熱体(16)の電極(6) は、短辺
方向の対向する二辺に装着されているため、長辺に達す
る電極(6) 端付近に設けられた接続孔(9) からリード線
(10)で電極(6) と継手端子(7) を繋ぎ、これを隙間(b)
をあけるようにして雄実部(5),雌実部(5')に装着する。
雄実部(5) の隙間(b) には、紐状コーキング(f) が施さ
れている。紐状コーキング(f) は施工時に現場で塗布す
ることもできる。そして長辺の雄実部(5) の継手端子
(7) 間には絶縁孔(8) が刻設されている。
【0014】この発明の木質暖房床材(F) は通常、部屋
全体に敷設するが、たとえば、壁基台(21)の壁際、敷居
際などの部屋周辺を除く部屋の中央部分のみにも用いる
ことができる。この場合、周辺部分は発熱体(6) が装着
されていない通常の木質床材(E) を使用する。周辺部分
に使用する木質床材(E) の裏面には、電気配線のための
凹部(19)を短辺方向あるいは長辺方向に設けておく。部
屋中央部分の木質暖房床材(F) の施工にあたっては、床
材の雄実部(5),雌実部(5')を嵌合しつつ、敷設してゆく
ことで雌実部(5')および雄実部(5) に装着された継手端
子(7),(7')が電気的に接続される。そして中央部分の木
質暖房床の施工が終了した時点で、貼り始めまたは貼り
終い側の継手端子(7),(7')に、室内電源(B) からの電気
配線(D)を接続し、木質床材(E) の裏面の凹部(19)に通
線しながら、床面全体を貼りあげる。これを図示すると
図7は、各木質暖房床材(F) の短辺の継手端子(7),(7')
を嵌合し、電気的に接続してゆく短辺直列接続方式を平
面的に図示したもので、この場合には室内電源コンセン
ト(B) の位置によって、X通り側あるいはまたX’通り
側の各継手端子(7) あるいは継手端子(7')に、室内電源
コンセント(B) からの電気配線(D) を接続する。図8は
図7の横断面図である。図9は各木質暖房床材(F) の長
辺の継手端子(7),(7')を嵌合し、電気的に接続してゆく
長辺並列接続方式を平面的に図示したもので、Y通り側
あるいはまたY’通り側の各継手端子(7) 、継手端子
(7')に、室内電源コンセント(B) から電気配線(D) を接
続する。図10は図9の横断面図である。
【0015】細幅タイプの木質暖房床材(F) の施工例と
して、前記図5(a)において木質暖房床材(F) の全体
形状寸法は、幅150mm、長さ900mm、厚さ約16mm
で、対向する辺にはそれぞれ雌実部(5')および雄実部
(5) が切刻されている。最上層の木質床化粧板(4) は、
表面に厚さ0.5mm程度の楢材のつき板単板をねり付け
した厚さ3.3mm合板で、その下面に順に厚さ1mmのや
や硬質の電気抵抗面状発熱体(A) 、 厚さ1mmの両面に軟
質発泡ラテックスゴムをライニングした繊維シートと、
さらに厚さ8.7mm合板製の下地板(2) 、最下層に厚さ
2mmの軟質発泡塩化ビニールシート製の断熱・緩衝板
(1) がそれぞれ積層され、予め接着剤で圧着一体化され
ている。電気抵抗面状発熱体(A) の発熱体(16)は、炭素
微粒子と合成樹脂ポリマーからなり、長辺に一対の銅箔
製の電極(6) を有するもので、これを合成樹脂の絶縁フ
ィルム(14)で挟持し、表面側に均熱板(15)としてアルミ
ニウム箔を貼着したうえ、さらに全体を合成樹脂絶縁フ
ィルム(14)で挟持一体化してなるものである。木質床化
粧板(4) の裏面の周辺縁辺部には凸起(a) が形成されて
おり、電気抵抗面状発熱体(A) の幅が細いため、厚さの
不陸がでるのでこれで調整し、凸起(a) の下面で下層に
接着する。この凸起(a) には木製薄板、合成樹脂シート
などを使用することもできる。電気抵抗面状発熱体(A)
は裏面のみ全面が接着されている。この表裏を挟持して
いる絶縁フィルム(14)のうち、下面の絶縁フィルム(1
4') のみを、厚手の軟質合成樹脂絶縁フィルムとすれ
ば、中間シート(3) を省略することも可能である。以上
のように構成された木質暖房床材(F) を鉄筋コンクリー
ト床基台(20)上に、先ず部屋中央部から一列づつ接着剤
を用いて短辺の雄実部(5),雌実部(5')を嵌合しながら敷
設する。
【0016】木質暖房床材(F) の短辺の雌実部(5')およ
び雄実部(5) には、それぞれ[雌型]継手端子(7')およ
び[雄型]継手端子(7) が装着されている[図2
(a)、(b)参照]。これらの継手端子(7),(7')はほ
ぼコ型形状で、電気抵抗面状発熱体(A) の長辺方向に配
置された電極(6) にリード線(10)で接続されており、床
材施工時に各実部を嵌合するだけで、各継手端子(7),
(7')が電気的に短辺直列接続され、このときとくに手数
のかかる電気配線工事は不用である。そして短辺の雄実
部(5) に装着された継手端子(7) 間には、絶縁孔(8) が
刻設されている。そして床基台(20)上に接着剤を塗布し
ながら、部屋の床中央部分にこの発明の木質暖房床材
(F) を雄実部(5),雌実部(5')を嵌合しつつ敷設する。こ
のつぎに図7および図8に示すように、床材貼り始めの
短辺端部であるX通りの各継手端子(7) に、室内電源
(B) から電流調節器(C) を介して電気配線(D) を施した
うえ、部屋周辺部に発熱体(16)の入っていない同厚の木
質床材(E) の裏面に設けられた電気配線(D) 用の凹部(1
9)に通線しながら、床面全体を貼りあげる。なお雄実部
(5) 基部の隙間(b) [図2(a)、(b)および図5
(a)参照]には、電気絶縁性を高めるため紐状コーキ
ング(f) が施されている。このようにして施工された木
質暖房床材(F) に、施工後3日を経て通電した場合、通
電後約30分で木質床表面が加温され始め、約1時間後
に木質床表面温度が約25度C前後で恒温状態となっ
た。その後も、きしみ音や反り変形の発生もなく良好に
加温状態を持続した。
【0017】広幅タイプの木質暖房床材(F) の施工例と
しては、図6(a)において木質暖房床材(F) の全体形
状寸法は、幅300mm、長さ90mm、厚さ約18mmで、
対向する辺にはそれぞれ雌実部(5')および雄実部(5) が
切刻されている。最上層の木質床化粧板(4) は表面に厚
さ1mm程度の楢材のつき板単板をねり付けした厚さ5.
5mm合板で、この下面に中間シート(3) の代わりに、厚
さ1mmの軟質合成樹脂製絶縁フィルム(14') で絶縁され
た、やや軟質の電気抵抗面状発熱体(A) が表裏面とも全
面接着で装着され、さらにその下面に、短辺方向に貫通
切溝(18)が50mm間隔で切刻され、長辺方向には表面側
から半貫通切溝(18') が切刻された厚さ6.5mm合板製
の下地板(2) と、最下層に厚さ5mmの硬質不織布製の断
熱・遮音緩衝板(1) が貼着され、積層一体化されてい
る。電気抵抗面状発熱体(A) の発熱体(16)は、炭素繊維
製細線を面状に並設し、短辺に一対の銅箔製の電極(6)
を有する発熱体(16)で、電極(6) にはリード線(10)が接
続されている。この発熱体(16)は上面の軟質合成樹脂製
の絶縁フィルム(14)と下面を厚手の軟質合成樹脂製絶縁
フィルム(14') で挟持されている。この電気抵抗面状発
熱体(A) の下面の絶縁フィルム(14') は、前記施工例に
おける下地板(2) 上の中間シート(3) としての作用を有
するものである。以上のように構成された木質暖房床材
(F) を床基台(20)上に架設された木造床下地(G) 上に、
雄実部(5) からの斜め釘打ちと接着剤を併用し、雄実部
(5),雌実部(5')を嵌合しながら部屋中央部に敷設する。
このとき木質暖房床材(F) の長辺の雌実部(5')および雄
実部(5) には、電気抵抗面状発熱体(A) の短辺方向に配
置された電極(6) に臨設する接続孔(9) において、リー
ド線(10)で接続されたほぼL型形状の継手端子(7),(7')
が各一対づつ装着されている。このため床材施工時に雄
実部(5),雌実部(5')を嵌合するだけで、各継手端子(7),
(7')が電気的に長辺並列接続されるので、床材一枚毎に
電気配線を施す必要はない。そして長辺の雄実部(5) に
装着された継手端子(7) 間には絶縁孔(8) が刻設されて
いる。そして床基台(20)上の木造下地(G) に釘打ちと接
着剤を併用して、部屋中央部分にこの発明の木質暖房床
材(F) を雄実部(5),雌実部(5')を嵌合しつつ敷設する。
このつぎに図9および図10に示すように、床材貼り始
めの長辺端部であるY通りの各継手端子(7),(7')に室内
電源(B) からの電流調節器(C)を介して電気配線(D) を
したうえ、部屋周辺部に発熱体(16)の入っていない同厚
の木質床材(E) の裏面に設けられた電気配線(D) 用の凹
部(19)に通線しながら、床面全体を貼りあげる。なお雄
実部(5) 基部の隙間(b) 部には、電気絶縁性を高めるた
め紐状コーキング(f) が施されている。このようにして
施工された木質暖房床材(F) に、施工後3日を経て通電
した場合、通電後約30分で木質床表面が加温され始
め、約1時間後に床表面温度が約25度C前後で恒温状
態となった。その後も、きしみ音や反り変形の発生もな
く良好に加温状態を持続した。
【0018】
【発明の効果】この発明は木質床材内に、予め薄型の電
気抵抗面状発熱体を組み込むようになし、その下面に床
使用時の振動からその電気抵抗面状発熱体を保護するた
めの、中間シートを挿入することによって、薄型一体化
された木質暖房床材を始めて完成したものであり、さら
に前記、中間シートの下層の下地板に、貫通切溝あるい
は半貫通切溝を切刻することにより、床材を反らせる力
を分散させ、それによって木質暖房床材を薄型に、そし
て大型化することを可能とし、同時にこれらの切溝は前
記下地板の共振による振動、増幅を低減させ、床衝撃音
も軽減させることとなる。また施工に際しては、この発
明の木質暖房床材の各実部には、予め電気抵抗面状発熱
体の電極に、リード線で接続された継手端子が、絶縁の
ための隙間を残して装着されること、また絶縁孔を有す
る床材の各実部を相互に嵌合することによって、木質暖
房床材の電気接続状態が即座に完了し、その後は室内電
源との接続を行うのみで、簡潔で安全な木質暖房床とな
り、これによって従来の暖房床に不可欠で厄介な、過度
の電気配線と、そのための手間を省くこととができるも
のである。このようにしてこの発明の木質暖房床材によ
って、電気を使用する木質暖房床の薄型化と施工の簡潔
化が可能となり、それは住宅や事務所の木質暖房床の新
築はもとより、小規模なリフォームや改造工事において
も、短工期、廉価で、しかも防音効果を完備し、静穏効
果にすぐれた電気効率の良い木質暖房床を提供すること
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の暖房床を示す断面図。
【図2】この発明の木質暖房床材の断面図。
【図3】この発明の木質暖房床材の継手端子の要部断面
図。
【図4】この発明の下地板の説明図。
【図5】この発明の木質暖房床材の実施例の斜視図およ
び木質床化粧板の裏面図。
【図6】この発明の木質暖房床材の切溝を切刻した実施
例の斜視図および下地板の説明図。
【図7】この発明の木質暖房床材の短辺直列接続方式を
示す図。
【図8】図7の横断面図。
【図9】この発明の木質暖房床材の長辺並列接続方式を
示す図。
【図10】図9の横断面図。
【符号の説明】
(A) 電気抵抗面状発熱体 (1) 断熱・緩衝板 (2) 下地板 (3) 中間シート (4) 木質床化粧板 (5) 雄実部 (5') 雌実部 (6) 電極 (7),(7') 継手端子 (8) 絶縁孔 (16) 発熱体 (18) 貫通切溝 (18') 半貫通切溝

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最下層に任意の断熱・緩衝板が貼着され
    た下地板上に、中間シートを積層し、その上面に電気抵
    抗面状発熱体を、最上層の木質床化粧板で挟持一体化
    し、前記下地板の実部に、前記電気抵抗面状発熱体の電
    極に通じる継手端子を装着したことを特徴とする木質暖
    房床材。
  2. 【請求項2】 下地板に貫通切溝あるいは半貫通切溝を
    切刻したことを特徴とする請求項1記載の木質暖房床
    材。
  3. 【請求項3】 下地板の短辺あるいは長辺に設けた雄実
    部に装着した継手端子間に、絶縁孔を刻設したことを特
    徴とする請求項1記載の木質暖房床材。
  4. 【請求項4】 下地板の短辺おるいは長辺の雄実部基部
    に、防湿手段を施したことを特徴とする請求項3記載の
    木質暖房床材。
  5. 【請求項5】 木質暖房床材の雄実部に装着した継手端
    子を、その木質暖房床材の雌実部に嵌合することによっ
    て、電気的に縦方向短辺直列、あるいは横方向長辺並列
    に接続し、その床材の貼り始め端、または貼り終い端の
    いずれか一端の、各継手端子をそれぞれの室内電源に接
    続したことを特徴とする請求項1記載の木質暖房床の施
    工方法。
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