JPH08217833A - 耐水性向上剤 - Google Patents

耐水性向上剤

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JPH08217833A
JPH08217833A JP2484095A JP2484095A JPH08217833A JP H08217833 A JPH08217833 A JP H08217833A JP 2484095 A JP2484095 A JP 2484095A JP 2484095 A JP2484095 A JP 2484095A JP H08217833 A JPH08217833 A JP H08217833A
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water resistance
weight
methacrolein
copolymer
resistance improver
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JP2484095A
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Jiro Iriguchi
治郎 入口
Hiroyuki Takagi
浩之 高木
Tomoyuki Kuwamoto
知幸 桑本
Junichi Josa
淳一 帖佐
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 毒性もなく、金属を含有していないため金属
成分が流出して環境汚染の原因となることもなく、ポリ
ビニルアルコール類等を含有した物品の耐水性あるいは
耐熱水性等を向上させる効果に優れた耐水性向上剤を提
供することを目的とする。 【構成】 メタクロレイン単位10〜60重量%および
(メタ)アクリル酸単位40〜90重量%からなる共重
合体を含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐水性向上剤に関する
ものであり、さらに詳しくは、ポリビニルアルコール類
を含有する物品等の耐水性を向上させるための耐水性向
上剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール類は水に溶ける特
異な合成樹脂であり、強い接着力や乳化力を有し、強力
な皮膜を生成することなどから各種用途に広く利用され
ている。例えば、ビニロン繊維、フィルム、接着剤、繊
維糊剤、織物加工剤、製紙薬剤、乳化分散剤等が挙げら
れる。
【0003】しかしながら、ポリビニルアルコール類を
主成分とする成形品や、ポリビニルアルコール類を部分
的に使用した製品は、ポリビニルアルコール類が水溶性
であるために、耐水性、耐熱水性等に劣ることが欠点と
なっている。なかでもポリビニルアルコール類を保護コ
ロイドに用いた乳化物、特に酢酸ビニル樹脂エマルショ
ンは、塗料、接着剤、モルタルバインダー等の成形物等
が屋外に曝される様な土木、建築分野での使用が多く、
耐水性の問題は深刻である。
【0004】従来よりポリビニルアルコール類を含有し
た物品の耐水性、耐熱水性等の欠点を改善するために、
種々の耐水性向上剤を用いる方法が検討されており、例
えばグリオキザール等の低分子アルデヒド化合物を用い
る方法では、ポットライフが短いうえ、耐熱水性が十分
でなく、またユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹
脂などを用いる方法では、100℃以上の加熱処理を必
要とすることや遊離ホルマリン等が問題となっている。
また、イソシアネート化合物を疎水性有機溶剤と共に水
中に分散せしめた水性ビニルウレタンを用いて耐水化す
る方法(特公昭51−30576号公報)が報告されて
いるが、30℃を超える条件下での使用においてポット
ライフが極端に短いことや、毒性が高い等の問題が残さ
れている。さらに塩化アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、硝酸クロム、塩化亜鉛、硝酸ジルコニウム等の金属
塩を添加する方法もあるが、この方法で処理した材を廃
棄した場合、該金属塩に由来する金属成分が流出し環境
汚染の原因となる欠点がある。この様に従来の方法は種
々の問題を抱えており、実用的に満足の出来るものでは
なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な現状
に鑑み、従来の耐水性向上剤が抱えている諸問題を解決
し、優れた耐水化能力を持つ耐水性向上剤を提供するこ
とを目的としてなされたものである。特に本発明は、ポ
リビニルアルコール類を用いてなる物品の耐水性あるい
は耐熱水性等を向上させることに優れた耐水性向上剤を
提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の耐水性向上剤の課
題は、メタクロレイン単位(A)10〜60重量%を含
有する共重合体を含有する耐水性向上剤によって解決さ
れる。
【0007】すなわち本発明は、メタクロレイン単位
(A)10〜60重量%およびその他ビニル系単量体単
位(B)40〜90重量%(ただし、(A)+(B)=
100重量%)からなる共重合体を含有することを特徴
とする耐水性向上剤である。
【0008】特に前記ビニル系単量体単位(B)が、
(メタ)アクリル酸単位を含有する単量体単位であるこ
とが好ましい。
【0009】
【作用】本発明における共重合体は、アクロレイン単位
を含有してもよいが、アクロレイン単位からなる共重合
体より耐水化能がすぐれており、さらに共重合体の製造
も容易である。特に(メタ)アクリル酸との共重合に際
してアクロレインを用いた場合には、過剰の過酸化水素
を必要とし過剰の過酸化水素によってアルデヒド基が酸
化されてカルボン酸基となり重合体中のアルデヒド基が
減少するという問題があるが、本発明のごとくメタクロ
レインを用いた場合には、過剰の過酸化水素を必要とせ
ず、前記のような問題が生じることがない。また、水分
散体を製造する場合にも、アクロレインを用いるとアク
ロレインは水溶性が高いので有機溶剤中で重合した後に
水に分散させる必要があるが、本発明のごとくメタクロ
レインを用いる場合では、一般の乳化重合の手法を用い
て水分散体を製造することが可能である。
【0010】本発明における共重合体中のメタクロレイ
ン単位(A)の含有量は、通常10〜60重量%であ
り、10重量%未満では得られる共重合体の性能が満足
できるものではなく、60重量%より多いと重合の際に
溶液の粘度が高くなり均一な共重合体を得ることが困難
となる。得られる共重合体の性能的には共重合体中のメ
タクロレイン単位の含有量が多い方が良く、好ましくは
15重量%以上、より好ましくは20重量%以上であ
る。また、重合の際の反応液は共重合体中のメタクロレ
イン単位の含有量が少ない方が粘度が低く安定であり、
好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%
以下である。
【0011】本発明におけるビニル系単量体単位(B)
としては、特に限定されるものではなく、(メタ)アク
リル酸およびその塩;(メタ)アクリル酸のエステル
類;(メタ)アクリルアミド及びその誘導体;スチレン
及びその誘導体;(メタ)アクリロニトリル;塩化ビニ
リデンや塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル
等のビニルエステル類;マレイン酸のエステル類;複素
環式ビニル化合物等の単量体単位を挙げることが出来、
これらの中から用途に応じて適宜少なくとも1種以上を
選択することが可能である。これらの中でも、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸のエステル類、スチレ
ン及びそれらの誘導体の単量体単位を含有することが共
重合体の耐水化性能がすぐれているので好ましく、特に
(メタ)アクリル酸の単量体単位を含有するとポバール
水溶液への溶解性が向上し耐水化性能も向上するのでよ
り好ましい。なお(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸
および/またはメタクリル酸を意味し、これらのどちら
か1種あるいは混合物を用いても何ら問題はない。
【0012】前記ビニル系単量体単位(B)の共重合体
中の含有量は通常40〜90重量%であり、40重量%
より少ないか90重量%より多いと得られる共重合体の
性能が満足できるものではない。特に前記ビニル系単量
体単位(B)中に(メタ)アクリル酸の単量体単位を6
0重量%以上含有することが、得られた共重合体の耐水
化性能が最も優れているので好ましい。
【0013】本発明における共重合体の分子量は特に限
定されるものではなく、通常、数平均分子量で3000
〜100000、好ましくは4000〜50000であ
る。重合開始剤の使用量や重合性成分の溶液中の濃度や
連鎖移動剤の使用等によって分子量の調節が可能であ
る。
【0014】共重合の様式は特に限定されるものではな
く、ラジカル重合、レドックス重合等の手法を適宜使用
することが可能であり、ラジカル開始剤、例えば、アゾ
系の開始剤や有機過酸化物、無機過酸化物の使用が推奨
される。これらを具体的に例示するならば、アゾ系の開
始剤としては、アゾビス(イソブチロニトリル)、アゾ
ビス(ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(シクロプ
ロピルプロピオニトリル)、アゾビス(メトキシ−ジメ
チルバレロニトリル)、アゾビス(シクロヘキサンカル
ボニトリル)、アゾビス(メチルプロピオニトリル)な
どを挙げることが出来、有機過酸化物としては、メチル
エチルケトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイ
ド;ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサ
イドなどのジアシルパーオキサイド;クメンハイドロパ
ーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなど
のヒドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、ジ
ーt−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキ
サイド;パーオキシケタール;アルキルパーエステル;
パーカーボネートなどを挙げることが出来、また、無機
過酸化物としては過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素などを挙げること出来る。これらの中で
も、無機過酸化物が単量体の転化率が高く、安価である
ので好ましい。これら重合開始剤の使用量も限定される
ものではないが、全単量体に対して0.1〜5重量%が
好ましい。
【0015】共重合の温度は通常30〜100℃であ
り、30℃より低いと重合が遅く、100℃より高いと
加圧の反応容器が必要な場合があり経済的に好ましくな
い。より好ましくは50〜80℃である。また、重合時
間は通常2〜10時間である。
【0016】共重合を行う際に使用する溶媒としては特
に限定されるものではないが、有機溶剤、水、水と有機
溶剤の混合物などを使用することが出来る。有機溶剤を
単独で使用すると重合操作中に反応液がゲル化する場合
があり、水単独または水と有機溶剤の混合物が好まし
い。特に水溶性のビニル系単量体と共重合する際には、
メタクロレインは水に対する溶解度が常温で約5%と低
く、水単独では均一な共重合を行えない場合があり、水
と有機溶剤の混合物の使用が好ましい。
【0017】有機溶剤単独で溶媒とする場合に使用可能
な有機溶剤を例示するならばヘキサン、ヘプタン、オク
タン等の脂肪族炭化水素類:ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸メチル、
酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジメトキ
シエタン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタ
ン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類な
どを挙げることが出来、これらの中から少なくとも1種
以上を選択して使用することが出来る。
【0018】水と有機溶剤の混合物を用いる場合には、
使用する有機溶剤及びその混合比率は、常温で均一な混
合液となれば特に制限されるものではないが、有機溶剤
を例示するならば、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類;ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン等のエーテル類;メタノール、エタノール、プ
ロパノール類、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール類、ブタンジオール類、ジエチレングリコール等の
アルコール類を挙げることが出来、これらの1種或は混
合物を用いても何ら差し支えない。これらの中でも、共
重合体の溶解度が高い点で、アルコール類が好ましく、
メタノール、エタノール、プロパノール類が沸点が低く
重合後の除去が容易であるのでより好ましい。水と有機
溶剤の混合比を例示するならば、通常、両者の合計に対
し有機溶剤が10〜80重量%、好ましくは20〜60
重量%である。これらの、有機溶剤、混合比率を適宜選
択して重合媒体として使用することが可能であるが、好
ましくは水と有機溶剤の混合液に対するメタクロレイン
の溶解度が常温で10重量%以上、より好ましくは、1
5重量%以上となる様に選択する。
【0019】重合時の媒体の使用量は特に限定されるも
のではないが、全ての重合性単量体成分に対して0.3
〜10重量倍が推奨される。0.3重量倍より少ないと
重合終了時の溶液の粘度が高くなる為に特殊な装置が必
要であり、10重量倍より多くても経済的な負荷が増加
するだけである。好ましくは、0.5〜5重量倍であ
る。また、使用した有機溶剤を重合後に回収し、再利用
することも可能である。さらに、共重合体の用途によっ
ては、有機溶剤の混入が好ましくない場合があるが、そ
の場合には、重合後に蒸留等の手段によって除去するこ
とも可能である。
【0020】本発明の耐水性向上剤は、ポリビニルアル
コール類を含有する物品全般に適用できる。対象となる
ポリビニルアルコール類としては、エチレン共重合ポリ
ビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、
部分ケン化ポリビニルアルコール、さらにカルボキシ変
性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアル
コール等の各種変性ポリビニルアルコール等が挙げら
れ、それらの組成、ケン化度、重合度等については特に
制限はない。
【0021】またポリビニルアルコール類を含有する物
品についても、特に制限はなく、例えばポリビニルアル
コール類の単体又は2種類以上の混合物、ポリビニルア
ルコール類を保護コロイドに用いた乳化物、さらにそれ
らを用いて製造した塗膜、バインダー樹脂、成形品など
が挙げられる。
【0022】本発明の耐水性向上剤は、ポリビニルアル
コール類に対し任意の割合で混合可能であるが、ポリビ
ニルアルコール類単味の固形分に対して1〜50重量%
の添加が好ましく、より好ましくは3〜30重量%であ
る。ポリビニルアルコール類を保護コロイドとする乳化
物の場合は、固形分換算で、乳化物中の固形分に対して
0.5〜20重量%の添加が好ましく、より好ましくは
2〜10重量%である。特に本発明の耐水性向上剤は、
本発明者らによる先出願(特願平6−118226)の
実施例に記載の水性樹脂分散液と異なり、ポリビニルア
ルコールとの相溶性に優れておりポリビニルアルコール
水溶液に均一に溶解する。また、耐水性の向上も顕著で
ある。
【0023】さらに、酸触媒を併用することにより、ポ
リビニルアルコール類と本発明の耐水性向上剤との架橋
反応を促進することができ、架橋温度の低温化や架橋時
間の短縮が可能である。使用できる酸触媒は、パラトル
エンスルホン酸やメタンスルホン酸等の有機酸類、或は
塩酸や硫酸、リン酸等の無機酸類、さらに硫酸ニッケ
ル、酢酸亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属塩類が挙げら
れ、これらの中から少なくとも1種以上を選択して使用
することが出来る。酸触媒の使用量は特に限定されるも
のではないが、本添加剤に対して固形分換算で1〜30
重量%の添加が推奨される。
【0024】
【発明の効果】本発明の耐水性向上剤は、毒性もなく、
金属を含有していないため金属成分が流出して環境汚染
の原因となることもなく、ポリビニルアルコール類を含
有した物品の耐水性、耐熱水性等を向上させる優れた効
果を奏するものである。
【0025】また本発明の耐水性向上剤は、含有するア
ルデヒド基がポリビニルアルコール類と架橋反応するこ
とにより、ポリビニルアルコール類の耐水性が向上する
ものであるが、本発明の耐水性向上剤をポリビニルアル
コール類の水性液もしくはポリビニルアルコールを保護
コロイドとする乳化物に添加した場合には、添加した段
階では架橋はおこらず長時間安定であり、乾燥後初めて
効果が発現するものである。そのため本発明の耐水性向
上剤を添加したポリビニルアルコール類の水性液もしく
はポリビニルアルコール類を保護コロイドとする乳化物
は、保存安定性及び作業性においても優れたものであ
る。なおそのときの乾燥条件については室温付近でも十
分効果が発現するが、さらに50℃〜200℃で処理す
ることによりその効果は促進される。酸触媒を併用する
ことも有効な手段であり、架橋温度の低温化や架橋時間
の短縮が可能である。
【0026】さらに本発明の耐水性向上剤の具体的な効
果としては、ポリビニルアルコール類を含有する物品、
特にポリビニルアルコール類をフィルムあるいは塗膜と
した場合、その乾燥後のフィルムあるいは塗膜につい
て、水浸漬時の溶出率および膨潤率が低下すると共に機
械的強度が優れていることが挙げられ、従来からポリビ
ニルアルコール類が用いられていた用途に好適に用いる
事が可能である。特に、ポリビニルアルコール類を含有
する物品が、紙、木材等の水酸基を有する材の接着剤や
処理剤として使用される場合に本発明の耐水性向上剤を
添加すれば、本発明の耐水性向上剤に含有するアルデヒ
ド基と、紙、木材等のセルロース類の水酸基との架橋反
応によって接着力および耐久力が増大する効果を奏する
ものである。
【0027】さらに、本発明の耐水性向上剤は、アルデ
ヒド基を含有している為に、アルデヒド基由来の抗菌性
や防カビ性等の機能を同時に付与できるものである。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0029】(A)ゲルパーミエイションクロマトグラ
フィー(以下GPCと略す)の測定には以下のTOSO
H社製装置および溶媒を用いて行った。
【0030】装置:HLC−8020型 検知部:RI−8020 カラム:HXL−L、G3000、G2000を連結 展開溶媒:テトラヒドロフラン 分子量は分子量既知のポリスチレンを標準試料に用いて
検量線を作製し、これを基に算出した。
【0031】(B)重合性単量体の定量は、以下の島津
製作所製のガスクロマトグラフィー装置(以下GC装置
と略す)およびカラムを用い、内部標準法により行っ
た。
【0032】GC装置本体:GC−7A カラム担体:OV−17 (製造例−1)冷却管および攪拌装置付きの500ml
フラスコに、イオン交換水73gとエタノール88gを
仕込み、窒素置換後、液温が75℃になるまで加熱し
た。液温が75℃に到達後、メタクロレイン8gとアク
リル酸24gおよび0.025重量%過硫酸カリウム水
溶液16gを一括添加し、75℃で1時間反応させた。
その後、液温を75℃に保持したままアクリル酸36g
を1時間、メタクロレイン32gを2時間かけて別個に
滴下し、メタクロレインの滴下終了後、0.025重量
%過硫酸カリウム水溶液16gを添加して、75℃で2
時間熟成した。反応開始時からメタクロレイン滴下終了
まで反応溶液は均一であり、層分離や固体が析出する等
の現象は見られなかった。その後、液温が80℃になる
まで加熱し、80℃に到達後、0.025重量%過硫酸
カリウム水溶液8gを添加して1時間さらに熟成を行っ
た。熟成終了後の反応溶液は白色固体を含む懸濁液であ
った。この懸濁液の一部を分取してテトラヒドロフラン
を加えて均一溶液とし、液中のメタクロレインとアクリ
ル酸を定量したところ、メタクロレインの転化率は52
%、アクリル酸の転化率は73%であった。
【0033】次に、この懸濁液を液温が100℃になる
まで加熱して、エタノールと残存しているメタクロレイ
ン、アクリル酸および水の一部を留去して懸濁液(I)
を得た。この共重合体中の組成比を単量体の転化率から
求めるとメタクロレイン:アクリル酸=32:68(重
量比)であった。懸濁液(I)の一部を採取してテトラ
ヒドロフランを加えて均一溶液とし、GPCで分子量を
測定した所、数平均分子量は50000であった。
【0034】(製造例−2)冷却管および攪拌装置付き
の500mlフラスコに、イオン交換水100gとメタ
ノール100gを仕込み、窒素置換後、液温が75℃に
なるまで加熱した。液温が75℃に到達後、メタクロレ
イン4.6g、スチレン0.4g、アクリル酸30gお
よび0.025重量%過硫酸カリウム水溶液16gを一
括添加し、75℃で1時間反応させた。その後、液温を
75℃に保持したまま、アクリル酸45gを1時間、メ
タクロレイン18.4gとスチレン1.6gの混合液を
2時間かけて別個に滴下し、メタクロレインとスチレン
の混合モノマーを滴下終了後、0.025重量%過硫酸
カリウム水溶液16gを添加して75℃で2時間熟成し
た。反応開始時からメタクロレイン滴下終了まで、反応
溶液は均一であり、層分離したり固体が析出する様な現
象は見られなかった。その後液温が80℃になるまで加
熱し、80℃に到達後、0.025重量%過硫酸カリウ
ム水溶液8gを添加して、さらに1時間熟成を行った。
熟成終了後の反応液は白色固体を含む懸濁液であった。
この懸濁液の一部を分取し、テトラヒドロフランを加え
て均一溶液とし、液中のメタクロレイン、アクリル酸、
スチレンを定量したところ、メタクロレインの転化率は
79%、アクリル酸は44%、スチレンは100%であ
った。
【0035】次に、この懸濁液の液温が100℃になる
まで加熱して、メタノールと残存しているメタクロレイ
ン、アクリル酸およびイオン交換水の一部を留去して懸
濁液(II)を得た。この共重合体中の組成比を単量体の
転化率から求めるとメタクロレイン:スチレン:アクリ
ル酸=34:5:61(重量比)であった。懸濁液(I
I)の一部を採取してテトラヒドロフランを加えて均一
溶液とし、GPCで分子量を測定した所、数平均分子量
は40000であった。
【0036】(実施例−1〜2)市販のポリビニルアル
コールPVA−117(クラレ株式会社製、98.5%
ケン化物、重合度1700)をイオン交換水に溶解させ
て、固形分濃度が10重量%の水溶液とし、これに製造
例−1〜2で得られた懸濁液(I)〜(II)をそれぞれ
単独で、ポリビニルアルコールの固形分に対して固形分
換算で5または10重量%になる様に添加混合した。次
に、得られた調製液をテフロン板上に塗布して、25℃
で3日及び7日乾燥し、厚さ0.1mmの均一なフィル
ムを作成した。得られたフィルムを幅15mm長さ40
mmに裁断し、25℃のイオン交換水に3時間浸漬して
溶出率と膨潤率を測定した。その結果を表1に示す。な
お溶出率と膨潤率の計算は全て、表1の下欄の式(1)
と(2)を用いて行った。
【0037】(比較例−1)懸濁液(I)の代わりに、
グリオキザール(和光純薬(株)製、化学用40重量
%)を用いて実施例−1と同様な操作を繰り返した。結
果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果から明かな様に、本発明の耐水
性向上剤を添加したフィルムは溶出率、膨潤率ともに低
い値を示し、本発明の耐水性向上剤が優れた耐水化能を
有していることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 133/02 PFW C09D 133/02 PFW (72)発明者 帖佐 淳一 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒機能開発研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクロレイン単位(A)10〜60重
    量%およびその他ビニル系単量体単位(B)40〜90
    重量%(ただし、(A)+(B)=100重量%)から
    なる共重合体を含有することを特徴とする耐水性向上
    剤。
  2. 【請求項2】 前記ビニル系単量体単位(B)が、(メ
    タ)アクリル酸単位を含有するものである請求項1に記
    載の耐水性向上剤。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコール類を含有する物品
    の耐水性を向上させることを特徴とする請求項1または
    2に記載の耐水性向上剤。
JP2484095A 1995-02-14 1995-02-14 耐水性向上剤 Pending JPH08217833A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2484095A JPH08217833A (ja) 1995-02-14 1995-02-14 耐水性向上剤

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JP2484095A Pending JPH08217833A (ja) 1995-02-14 1995-02-14 耐水性向上剤

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JP (1) JPH08217833A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006274198A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Toyo Seikan Kaisha Ltd アルデヒド基含有共重合体の製造方法
JP2006274199A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Toyo Seikan Kaisha Ltd ガスバリア性樹脂、これを用いて成るガスバリア材、コーティング液、包装材及びガスバリア材の製造方法

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