JPH07100777B2 - 光又は電子線架橋型水系被覆剤 - Google Patents

光又は電子線架橋型水系被覆剤

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JPH07100777B2
JPH07100777B2 JP217286A JP217286A JPH07100777B2 JP H07100777 B2 JPH07100777 B2 JP H07100777B2 JP 217286 A JP217286 A JP 217286A JP 217286 A JP217286 A JP 217286A JP H07100777 B2 JPH07100777 B2 JP H07100777B2
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正爾 稲垣
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規にして有用なる光又は電子線架橋型樹脂組
成物に関する。さらに詳しくは水に可溶で、光又は電子
線照射により耐水性および耐油性に優れた高強度の皮膜
を形成する樹脂を主要成分として水系媒体中に含有して
なるいわゆる水系組成物たる水系被覆剤に関する。
(従来の技術) 近年、光又は電子線硬化は熱硬化と比較して、省エネル
ギー、高生産性、低温硬化が可能等の利点により家具建
具等の木工製品、ポリ塩化ビニル床材、金属缶鋼板等の
塗装剤、プラスチックのコーティング剤等に多用される
ようになった。又不織布用バインダー、フロック加工
(電気植毛)用バインダー、顔料捺染用バインダー、光
ファイバーのコーティング剤、磁気テープ用のバインダ
ー、感圧接着剤等への応用も検討されている。
しかしここで用いられる光又は電子線硬化樹脂組成物に
は一般にオリゴマー(又はプレポリマー)、モノマーを
主成分として、光硬化では更に、光重合開始剤、増感剤
を加えて構成される100%液状型あるいは有機溶剤溶液
型の樹脂組成物が適用されているが、モノマーや溶剤の
使用に起因する臭気による作業環境の悪化、モノマー、
溶剤への引火による火災の危険性、毒性等の安全衛生上
の問題点が多く、しかもオリゴマー、プレポリマーを使
用するためコストが高いという問題点もあり、この様な
問題点のない水系の光又は電子線架橋型樹脂組成物の開
発が望まれている。水系の光又は電子線架橋型樹脂組成
物としては、以前から印刷製版、フォトエッチング、フ
ォトミリング等のレジストに用いられる感光性樹脂が実
用化されている。ここで用いる感光性樹脂としては、例
えばポリビニルアルコールに光二量化型感光性残基とし
てα−フェニルマレイミド基〔市村、渡辺、上野、越
智、日化,846(1980)、市村、渡辺、越智、鈴木、高
論、37,197(1980)〕、アリリデンアセトフェノン残基
(特開昭58−25303号公報)、桂皮酸残基〔中西、伊
藤、市村、藤重、加藤、日化第45春季年会講演予稿集I
I,1154(1982)〕、スチリルピリジニウム基又はキノリ
ニウム基〔K.Ichimura and S.Watanabe,J.Polym.Sci.,P
olym.Chem.Ed.,18,891(1980)、K.Ichimura and S.Wat
anabe,J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,20,1419(198
2)〕、オキシスチリルピリジニウム基又はキノリニウ
ム基〔K.Ichimura,J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,20,14
11(1982)、特開昭59−17550号公報〕を有する感光性
高分子、あるいはポリアクリルアミド又はポリアクリル
酸に光二量化型感光性残基としてマレイミジル基(特開
昭58−210912号公報)を含む第4級アンモニウム塩を有
する感光性高分子等が知られている。
これらはいずれも感光基二重結合の光二量化反応による
光架橋を意図するものであり、レジスト用途に要求され
る高感度を目的として設計されているため、その他の用
途に用いるには耐水性、耐油性、強度等の物性が劣ると
いう欠点がある。
この欠点を解消するためには、一般に感光基の導入率
(結合率)を高め、高度の架橋を行なわしめることが有
効であるが、これらの感光性樹脂が側鎖に導入している
二量化型感光基は上記のように分子量が大きいため、導
入率を高めると、樹脂の水溶性が低下したり、これを溶
解した水溶液の粘度が増大する等の問題が生じ、実用的
な感光性樹脂組成物が得られない。
したがって、これを解決するためには更に親水性の強い
基を導入する必要があるが、上記例にみられるように構
造は複雑となり、コスト高は免ぬがれない。
そこで本発明者等は、上記のような欠点を有する従来の
水系の光架橋型樹脂組成物に代わるべき、汎用性の高い
水系の光又は電子線架橋樹脂組成物を得るために鋭意研
究を行なった結果、ポリビニルアルコール系樹脂又はポ
リ(メタ)アクリルアミド系樹脂に、側鎖として光又は
電子線活性基である(メタ)アクリルアミド基をグリオ
キザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒ
ド、グルタルジアルデヒド、テレフタルジアルデヒド、
ソジウム 5−スルホイソフタルジアルデヒド等のジア
ルデヒド化合物を介して結合させると、側鎖に付いてい
るアミド基、水酸基が強力な親水基として機能するため
に、水溶性の低下や粘度の増大を生じることなく、架橋
に寄与する活性基の導入率を予想以上に高くすることが
可能となり、これによって得られた樹脂を水に溶解し、
必要に応じて光重合開始剤等の添加剤や他の水系樹脂を
加えたいわゆる水系組成物たる水系被覆剤(本明細書に
おいては便宜的に、「樹脂組成物」又は「水系樹脂組成
物」とも呼ぶ)が、高度に架橋するため強度、耐水性、
耐油性等の物性が大幅に向上することを見い出し、本発
明を完成するに至った。
すなわち本発明は、 式(I)、(II)、(III)、 (式中、R1は単なる結合、炭素数1〜6のアルキレン基
又は炭素数1〜2のアルキル基、スルホン酸基、カルボ
キシル基を置換基として有してもよいフェニレン基を示
し、R2は水素原子又はメチル基を示す。) で表される構造単位の1種又は2種以上を分子内に有
し、側鎖にジアルデヒド化合物を介して(メタ)アクリ
ルアミド基を有する樹脂(以下、光又は電子線架橋型水
溶性樹脂と称す)を水系媒体中に含有してなることを特
徴とする光又は電子線架橋型水系被覆剤を提供するもの
である。
本発明で用いる光又は電子線架橋型水溶性樹脂として
は、ポリビニルアルコール系樹脂および/又はポリ(メ
タ)アクリルアミド系樹脂を基幹ポリマーとしてなり、
上記式(I)、(II)、(III)で表わされる構造単位
の1種又は2種以上を分子内に有するものであればよ
く、なかでもC−Cを1単位として数えた場合の式
(I)、(II)、(III)で表わされる構造単位の数の
含有率が25%〜100%、特に50〜100%であるものが、強
度、耐水性、耐油性等の物性および粘度の点で好まし
い。
式(I)、(II)、(III)で表わされる構造単位とし
ては、式中のR1が単なる結合、メチレン基、エチレン
基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシ
レン基、フェニレン基、トルイレン基、スルホフェニレ
ン基、カロボキシフェニレン基を示し、かつR2が水素原
子又はメチル基を示すものが挙げられ、なかでもR1が単
なる結合、メチレン基、エチレン基、1,4−プロピレン
基、1,3−プロピレン基、1,2−プロピレン基又はスルホ
フェニレン基である場合が物性および水溶性の点で好ま
しい。
ここで基幹ポリマーとして用いるポリビニルアルコール
系樹脂およびポリ(メタ)アクリルアミド系樹脂として
は、ビニルアルコール、(メタ)アクリルアミドの単独
重合体、および共重合体、更にはこれら重合体の誘導体
が挙げられる。この基幹ポリマーの重合度としては、通
常6〜10,000、好ましくは100〜5,000のものを用いる
が、特に1,300〜3,000のものが物性および粘度の点で好
ましい。
ここで共重合成分として用いる共重合モノマーとして
は、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン等のビニルハロ
ゲン化物;(メタ)アクリロニトリル等のα,β−不飽
和ニトリル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸等のα,β−不飽和酸;メチルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエ
チルメタクリレートおよびその4級塩、ジエチルアミノ
エチルメタクリレートおよびその4級塩等のα,β−不
飽和酸エステルおよびその塩;ビニルアセテート;ビニ
ルピリジン、ビニルピロリドン等の複素環式ビニル化合
物等が挙げられ、これらは得られる共重合体の水溶性を
損なわない範囲で使用する。
また誘導体としては、例えば部分アルキルアセタール化
ポリビニルアルコール、部分ホルマール化ポリビニルア
ルコール、部分ポリオキシエチレン化ポリビニルアルコ
ール、部分シアノエチル化ポリビニルアルコール、部分
3級アミン低級アルキル化ポリ(メタ)アクリルアミ
ド、部分メチロール化ポリ(メタ)アクリルアミドの部
分3級アミン低級アルキル化物等が挙げられる。
光又は電子線架橋型水溶性樹脂を製造する方法として
は、特に限定はないが、例えば基幹ポリマーとなるポリ
ビニルアルコール系樹脂および/又はポリ(メタ)アク
リルアミド系樹脂を酸又は塩基触媒の存在下に水溶媒中
で、側鎖を形成する式(IV) (式中、R1およびR2は前記と同じ)で表わされるアルデ
ヒド中間体、又は式(V) (式中、R1およびR2は前記と同じであり、R3は水素原
子、メチル基又はエチル基を示し、R4はメチル基又はエ
チル基を示す。)で表わされるジアセタール中間体と反
応させる製法が挙げられ、なかでもコストが低く、入手
が容易で、しかも式(I)、(II)、(III)の構造単
位の導入がいずれの場合にも容易である点で、式(IV)
のアルデヒド中間体を用いる方法が好ましい。
ここで前記式(I)および/又は(III)の構造単位を
主として含有し、更に式(II)の構造単位を含有し、あ
るいは含有しない樹脂を製造するには、水酸化ナトリウ
ム、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン等の塩基触媒を用いるこ
とが好ましく、また前記(II)の構造単位を主として含
有し、更に式(I)および/又は(III)の構造単位を
含有し、あるいは含有しない樹脂を製造するには、リン
酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン
酸、酢酸等の酸触媒を用いることが好ましい。
反応は水に溶解した式(IV)のアルデヒド中間体又は式
(V)のジアセタール中間体をポリビニルアルコール系
樹脂又はポリ(メタ)アクリルアミド系樹脂の水溶液中
に滴下し、酸触媒下ではpH3以下、塩基触媒ではpH9以上
になるように調整して、通常常温から50℃の温度で、1
時間から3日間程度撹拌又は振盪することにより進行す
る。
又、例えば式(IV)で表わされるアルデヒド中間体は、
公知の種々の方法で製造されるが、水溶媒中で塩基触媒
の存在下でグリオキザール、マロンジアルデヒド、スク
シンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、テレフタル
ジアルデヒド、ソジウム−スルホイソフタルジアルデヒ
ド等のジアルデヒド化合物と(メタ)アクリルアミドを
反応させることによって製造される。反応は前記付加反
応と同様、例えば水酸化ナトリウム、トリエタノールア
ミン、トリイソプロパノールアミン等の塩基触媒を用い
て、ジアルデヒド1モル量の水溶液中にアルカリ条件下
で、通常常温から40℃の温度で、1モル量の(メタ)ア
クリルアミドの水溶液を徐々に添加し、数時間から1日
間程度撹拌又は振盪することによって進行する。
なお上記反応に用いる溶媒には、原料および生成ポリマ
ーの溶解性を高めるために、水と共に少量の親水性溶
剤、例えばイソプロパノール、メタノール、エタノー
ル、メチルセロソルブを併用することも可能である。
以上のようにして製造される光又は電子線架橋型水溶性
樹脂の水溶液は、必要に応じて光重合開始剤等の添加剤
や他の水系樹脂を加えた後、公知のラジカル的架橋法、
例えば高周波加熱、マイクロ波加熱、赤外線加熱等によ
る熱エネルギーあるいは紫外線、可視光線、電子線、γ
線等の放射エネルギーによって架橋されるが、なかでも
紫外線又は電子線による照射がより効果的である。これ
らの照射による架橋は光重合開始剤なしでも生起する
が、紫外線照射の場合には適切な光重合開始剤の添加に
より架橋効率が増進される、光重合開始剤としては、ア
ゾビスシアノ吉草酸、2−(カルバモイルアゾ)−イソ
ブチロニトリル等のアゾ化合物;3−カルボエトキシ−7
−メチルチオキサントン等の置換チオキサントン;2−メ
チル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モル
ホリノ−プロパン−1、1−(4′−ドデシルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン
等が挙げられ、なかでもアゾビスシアノ吉草酸が好まし
い。これら光重合開始剤の添加量は、樹脂100重量部に
対して一般に0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重
量部の範囲である。
紫外線照射源としては、水銀アーク灯、低圧水銀灯、中
圧水銀灯、高圧水銀灯あるいは高圧水銀灯等が挙げられ
る。電子線の場合には線量は一般に0.1〜100Mradの範囲
であるが、好ましくは0.3〜30Mradの範囲である。
本発明の樹脂組成物は、必要ならば汎用の他の水系樹
脂、例えばポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ポリアクリル酸、カゼイン、ゼラチン、デンプ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよび
これらの誘導体等の水溶性樹脂;スチレン−ブタジエン
共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等
の水分散型樹脂を添加することも可能であり、さらに架
橋効率を高めるため、例えばN,N′−メチンレンビスア
クリルアミド、1,2−ジ(メタ)アクリルアミドエチレ
ングリコール、N,N′−オキシメチレンビスアクリルア
ミド、(メタ)アクリルアミドのような1〜5個の活性
基を有する低分子量体を含有させることもできる。
又、本発明の樹脂組成物には、各種の機能を付与するた
めに、必要に応じて、光増感剤,着色剤,体質顔料,滑
剤,可塑剤,安定剤,難燃剤,消泡剤,酸化防止剤,殺
菌剤,導電材料,磁性材料等の添加物を含有させること
ができる。
(発明の効果) 本発明で用いる光又は紫外線架橋型水溶性樹脂は、基幹
ポリマーが高分子量のポリマーであり、かつ活性基の導
入率が高いにも拘らず、極めて良好な水溶解性を有し、
低粘度である。そのため、これを含有してなる本発明の
水系被覆剤は、作業適性が優れており、又高度な架橋が
可能で、優れた皮膜強度と耐水性、耐油性を示し、従来
の100%液状あるいは有機溶剤溶液型光硬化樹脂組成物
に代用可能な実用特性を有しており、オフセット印刷イ
ンキ、グラビヤ印刷インキ、レジスト用インキ;紙、木
工製品、プラスチック、床材のコーティング材;紙、繊
維の処理剤;缶、鋼板等金属のコーティング剤;不織
布、織物、フロック加工、捺染用のバインダー;天然皮
革、合成皮革の仕上剤;フォトレジスト用バインダー;
感圧接着剤、感熱記録紙、磁気テープ用のバインダー;
光ファイバー用バインダー等に有用であり、かつ安価で
あることから、極めて実用的価値の高い優れた架橋型水
系被覆剤である。
(実施例) 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、も
ちろん本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお例中の部および%の表示は全て重量基準であ
る。
参考例1〜4〔一般式(IV)で表わされるアルデヒド中
間体の製造〕 撹拌機、温度計、滴下ロートを付した4ツ口フラスコ
に、表−1に示す量の水およびジアルデヒド化合物(40
%グリオキザール水溶液、20%マロンジアルデヒド水溶
液、15%グルタルジアルデヒド水溶液および15%ソジウ
ム−スルホイソフタルジアルデヒド水溶液)を入れ、1N
水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.5〜8.0に調整した。次
に、あらかじめヒドロキノンモノメチルエーテル0.002
部を加え、1N水酸化ナトリウム水溶液でpHを10〜11に調
整した表−1に示す量の50%アクリルアミド水溶液又は
20%メタクリルアミド水溶液を滴下ロートにより撹拌下
に30分間を要して徐々に注入した。注入後、次第に温度
を上げ、30℃で5時間撹拌した後、1N水酸化ナトリウム
水溶液でpHを7.5〜8.0に調整して表−1に示す量および
固形分濃度のアルデヒド中間体(IV)水溶液を得た。以
下、これらアルデヒド中間体(IV)水溶液を(A−
1)、(A−2)、(A−3)、(A−4)および(A
−5)と略記する。
実施例1〜8 撹拌機、温度計、滴下ロートを付した4ツ口フラスコに
表−2に示す量の基幹ポリマー水溶液〔15%ポリビニル
アルコール(重合度1100,1700,2400)水溶液〕を入れ、
さらにヒドロキノンモノメチルエーテル0.01部を加えた
後、1N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを10〜11に調
整した、次いで撹拌しながら表−2に示す量のアルデヒ
ド中間体(IV)水溶液〔(A−1)、(A−2)、(A
−3)、(A−4)および(A−5)を注入し、徐々に
温度を上げ、40℃で6時間撹拌した後水を追加して、式
(I)の構造単位を主構造単位として含有する樹脂を水
に溶解させた本発明の光又は電子線架橋型水系樹脂組成
物を得た。以下、これらの樹脂組成物を(B−1)、
(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B−5)、
(B−6)、(B−7)および(B−8)と略記する。
これらの樹脂組成物はいずれも粘度が低く、取り扱い易
いものであった。尚、これらの樹脂組成物の固形分濃
度、粘度等を表−2に示す。
次いでこれらの樹脂組成物を1N水酸化ナトリウム水溶液
でpH8に調整した後、その固形分100部に対して0.2部の
割合でアゾビスシアノ吉草酸を添加、混合し、シリコン
系離型剤を塗布した100×150mmのガラス枠板上に乾燥後
の厚みが0.2mmになる様に流し込み、40℃で2時間放置
した後、400Wの高圧水銀灯を用いて紫外線を10cmの距離
から2分間照射して硬化させ、剥がして硬化フィルムを
得、それぞれの硬化フィルムの引張り強度(JIS K−711
3)および鉛筆硬度(JIS K−5401)を測定すると共に、
耐水性、耐油性を以下の試験により評価した。結果を表
−2に示す。
耐水性 上記で得られた硬化フィルムを40℃の温水に1時間浸漬
して、浸漬後の塗膜状態を次の4段階で評価した。
◎ 外観、形状および指触のいずれも変化がない。
○ 若干白化する。
△ 形状は変化しないが白化膨潤が著しい。
× 形状が変化する。
耐油性 上記で得られた硬化フィルムをヒマシ油に1時間浸漬し
て、浸漬後の塗膜状態を次の4段階で評価した。
◎ 外観、形状および指触のいずれも変化がない。
○ 若干膨潤する。
△ 形状は変化しないが、膨潤が著しい。
× 形状が変化する。
実施例9 撹拌機、温度計、滴下ロートを付した4ツ口フラスコに
表−2に示す量の基幹ポリマー水溶液〔15%ポリビニル
アルコール(重合度1700)水溶液〕を入れ、さらにヒド
ロキノンモノメチルエーテル0.01部を加えた後、30%リ
ン酸水溶液を用いてpHを1〜2に調整した。次いで撹拌
しながら、あらかじめ30%リン酸水溶液でpH2.5〜3.0、
固形分濃度35%に調整した表−2に示す量のアルデヒド
中間体(IV)水溶液(A−1)′を注入し、徐々に温度
を上げ、40℃で6時間撹拌した後、水を追加して、式
(II)の構造単位を主構造単位として含有する樹脂を水
に溶解させた本発明の光又は電子線架橋型樹脂組成物を
得た。次いで実施例1と同様にして物性を測定した。以
下、この樹脂組成物を(B−9)と略記する。この樹脂
組成物(B−9)は上記実施例1〜8の樹脂組成物と同
様、粘度が低く、取り扱いが容易で、硬化皮膜は強度耐
水性、耐油性に優れたものであった。結果を表−2に示
す。
実施例10および11 撹拌機、温度計、滴下ロートを付した4ツ口フラスコに
表−2に示す量の基幹ポリマー水溶液〔20%ポリアクリ
ルアミド(重合度1200,1800)水溶液〕を入れ、さらに
ヒドロキノンモノメチルエーテル0.01部を加えた後、1N
水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを10〜11に調整し
た。次いで撹拌しながら表−2に示す量のアルデヒド中
間体(IV)水溶液(A−1)を注入し、徐々に温度を上
げ40℃6時間撹拌した後、水を追加して、式(III)の
構造単位を主構造単位とする樹脂を水に溶解させた本発
明の樹脂組成物を得、次いで実施例1と同様にして物性
を測定した。以下これらの樹脂組成物を(B−10)およ
び(B−11)と略記する。これらの樹脂組成物は、上記
実施例1〜9の樹脂組成物と同様、粘度が低く、取り扱
いが容易で、硬化皮膜は強度、耐水性、耐油性に優れた
ものであった。結果を表−2に示す。
実施例12 実施例3および9で得られた樹脂組成物(B−3)200
部と(B−9)200部を混合し、次いで実施例1と同様
にして物性を測定した。この樹脂組成物は上記実施例1
〜11の樹脂組成物と同様、粘度が低く、取り扱いが容易
で、硬化皮膜は強度、耐水性、耐油性に優れるものであ
った。結果を表−2に示す。
比較例1 撹拌機、温度計、冷却管を付した4ツ口フラスコに15%
ポリビニルアルコール(重合度1700)水溶液400.0部を
入れさらにヒドロキノンモノメチルエーテル0.01部を加
えた後、撹拌しながらN−(クロルメチル)マレイミド
〔以下、これを(a−1)と略記する〕9.0部を添加
し、徐々に温度を上げ、60℃で1時間、次いで80℃にて
24時間撹拌した後、水を追加して比較対照用の樹脂組成
物(b−1)を得、次いで実施例1と同様にして物性を
測定した。この樹脂組成物(b−1)は上記実施例1〜
12の本発明の樹脂組成物と比較して、粘度が高く、取扱
いにくい上に、物性面とくに耐油性が極端に劣ってい
た。結果を表−2に示す。
比較例2 撹拌機、温度計を付した4ツ口フラスコに15%ポリビニ
ルアルコール(重合度1700)水溶液400.0部に入れ、さ
らにヒドロキノンモノメチルエーテル0.01部を加えた
後、撹拌しながら1−メチル−4−(p−ホルミルスチ
リル)ピリジニウムメト硫酸塩〔以下、これを(a−
2)と略記する〕2.3部を添加し、40℃で24時間撹拌し
た後、水を追加して比較対照用の樹脂組成物(b−2)
を得、次いで実施例1と同様にして物性を測定した。こ
の樹脂組成物(b−2)は上記比較例1の樹脂組成物
(b−1)と同様、粘度が高く取扱いにくく、物性も劣
っていた。結果を表−2に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)、(II)、(III)、 (式中、R1は単なる結合、炭素数1〜6のアルキレン基
    又は炭素数1〜2のアルキル基、スルホン酸基、カルボ
    キシル基を置換基として有してもよいフェニレン基を示
    し、R2は水素原子又はメチル基を示す。) で表される構造単位の1種又は2種以上を分子内に有
    し、側鎖にジアルデヒド化合物を介して(メタ)アクリ
    ルアミド基を有することを特徴とする光又は電子線架橋
    型樹脂を主要成分として水系媒体中に含有してなる水系
    被覆剤。
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