JPH08213910A - ディジタル/アナログ変換器 - Google Patents

ディジタル/アナログ変換器

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JPH08213910A
JPH08213910A JP1615695A JP1615695A JPH08213910A JP H08213910 A JPH08213910 A JP H08213910A JP 1615695 A JP1615695 A JP 1615695A JP 1615695 A JP1615695 A JP 1615695A JP H08213910 A JPH08213910 A JP H08213910A
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pwm
bit
signal
filter
bits
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JP1615695A
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English (en)
Inventor
Yasuhide Yoshikawa
康秀 吉川
Takashi Yanada
貴 簗田
Homare Masuda
誉 増田
Shunji Ichida
俊司 市田
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Azbil Corp
Original Assignee
Azbil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイクロコンピュータに内蔵されたタイマか
ら出力される矩形波信号をフィルタに入力することでD
/A変換を行うパルス幅変調方式のディジタル/アナロ
グ変換器において、高い応答性と高精度の両方を実現す
る。 【構成】 矩形波信号は、必要な分解能を表わすビット
数(n)を上位ビット数(m)と下位ビット数(k)と
に分割して得られる上位ビットの第1信号と下位ビット
の第2信号とで構成される。第2信号は、予め設定した
プログラムにより、第1信号のビット数(m)を1ビッ
トとして下位ビット数(k)生成される。また、第1信
号と第2信号の波形成分によりフィルタの設計条件を決
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルス幅変調(PW
M)方式のディジタル/アナログ変換器(以下、D/A
コンバータという)に関する。これは、例えば、マイク
ロコンピュータ(以下、マイコンという)を内蔵した圧
力検出器において、マイコンからのディジタル出力を所
定のアナログ信号(例えば4〜20mAの電流)に変換
するために用いられるが、このような検出器のみに適用
が限られるものではない。
【0002】
【従来の技術】従来知られているPWM方式のディジタ
ル/アナログ変換(D/A変換)は、マイコンを用いた
回路で次のように行われている。すなわち、図8に示す
ように、マイコンに内蔵されたPWMタイマ1(或いは
通常のICで構成されたタイマ)から出力される矩形波
信号(ディジタル信号)を、ローパスフィルタ2に通し
て所望の出力リプル(変動幅)以下にすることにより、
直流電圧出力(アナログ信号)に変換し、この電圧出力
を電圧/電流変換器3で、後の処理に必要な電流出力
(例えば4〜20mA)に変換している。
【0003】具体的な回路構成としては、図9に示すよ
うに、ローパスフィルタ2は、基本的にRC2段のフィ
ルタ21で構成し、このRCフィルタ21に所定の基準
電圧源(Vref )22と、上記PWMタイマ1からの矩
形波信号でオン・オフ制御されるトランジスタから成る
スイッチング素子23とを接続し、スイッチング素子2
3のオン・オフに応じて基準電圧Vref 又は0(V)を
入力する。また、電圧/電流変換器3は、オペアンプ3
1とその出力でオン・オフするトランジスタ32と出力
電流が流れる抵抗33とから成る。
【0004】この方式は、PWMタイマの後段(出力
側)に接続されるローパスフィルタとして上記のような
RCフィルタを設ければよいので、構成が簡単で安価な
D/Aコンバータが実現できるという利点を有する。以
下、このPWM方式D/A変換について、より詳細に説
明する。
【0005】まず、上記タイマからのPWM信号は、一
般に必要な分解能(D/A変換のフルスケールと等価)
をn(ビット),出力比をx(%),タイマのカウント
クロック周波数をft (Hz),供給される基準電圧をV
ref (V)としたとき、 T=2n・1/ft (s:秒) …(1) を1PWM周期とし、その1周期内においてタイマカウ
ンタの出力クロック数 Cout =2n・x/100 …(2) に相当する時間 Tp =Cout・1/ft (s) …(3) の間、基準電圧Vref (V)を出力し、残りの時間 Ti =T−Tp =2n・1/ft −Cout・1/ft (s) …(4) の間は0(V)を出力する矩形波として、出力される。
【0006】後述のように、D/A変換は、この矩形波
出力がVref (V)と0(V)とで囲む面積を時間軸方
向に積分することにより、実現される。この矩形波が1
PWM周期Tで囲む面積は、 Pp =Vref・Tp =Vref・Cout・1/ft …(5) となる。
【0007】上記の矩形波出力の例を、図10に示す。
これは、n=14(ビット),x=49.80469(%),ft
= 4(MHz),Vref = 5(V)の場合であり、これら
の数値を上記式(1) 〜(4) に代入すると、 T= 214 ・ 1/4000000 =4.096 (ms) Cout = 214・49.80469/100 =8160 Tp =8160 ・ 1/4000000 =2.04(ms) Ti = 4.096−2.04=2.056 (ms) の矩形波信号となっている。
【0008】次に、D/A変換は、上記基準電圧Vref
の矩形波信号を、後段に接続したフィルタで積分するこ
とにより、実現される。上の例(図10)では、この矩
形波が完全にフィルタリング(積分)されたとすれば、
得られるアナログ電圧は、 Vout =Vref・Cout/2n = 5 ・ 8160/214 = 2.49023
4 (V) の一定電圧出力値になるはずである。しかしながら、実
際のフィルタを設計する場合は、応答時間とのトレード
オフにより、出力変動(リップル)を仕様上必要な分解
能以下に抑える点が、設計ポイントとなる。
【0009】ここで、後段のローパスフィルタにとって
最も厳しい矩形波のフィルタリング条件(すなわち、フ
ィルタの設計条件)は、周波数が最低で振幅が最大の矩
形、すなわちデューティ比50:50の矩形波である。この
デューティ比50:50の基本矩形波
【0010】
【数1】 のフーリエ級数Wx は、 Wx = 1/2+1/π・Σ1/n・{1−(-1)n}sin(n・x) …(7) (−π≦x≦π; n=1,2,3,・・・・,∞) であり、後段のフィルタリング条件は、上式においてn
=1の正弦波、すなわち Wx(n=1)= 1/2+2/π・sin(x) (−π≦x≦π) …(8) によって決定される。
【0011】前記PWM信号の条件(一PWM周期Tの
うち時間Tp の間は基準電圧Vrefを出力し、残りの時
間Ti の間は0を出力すること)に従えば、フィルタリ
ング条件を決定する正弦波は、 Wx(n=1)=Vref・{1/2+2/π・sin(n・2π・t/T)} (−T/2 ≦t≦ T/2) …(9) であり、必要な分解能はVref /2nとなるので、後段の
フィルタリング条件は、「周波数1/T,副振幅2・(V
ref・2/π)の正弦波を、副振幅Vref /2n まで減衰
させること」に相当する(「副振幅」とは振幅の2倍の
大きさである)。このフィルタの設計ポイントは、 周波数 F=1/T(Hz)において 減衰量 G=20・log{(Vref/2n) /(2・Vref・2/π)}=20・log(π/2n+2) …(10) となる。
【0012】図10の例において、デューティ比50:50
の矩形波のフーリエ級数Wf は、 Wf = 5・{ 1/2+1/π・Σ1/n・{1−(-1)n}sin(n・2π・t/T)} …(11) (−T/2 ≦t≦ T/2; n=1,2,3,・・・・,∞) となり、矩形波のフィルタリング条件は、上式において
n=1の正弦波 Wf(n=1)= 5/2+ 10/π・sin(x) …(12) (−π≦x≦π ∵x= 2π・t/T ) によって決定される。後段のフィルタは、 副振幅 VW =2・(5・2/π)≒ 6.3662 (V) 周波数 FW =1/T= 1/4.096 ≒ 244 (Hz) の正弦波を、仕様上必要な分解能以下の振幅に減衰させ
ることが、設計ポイントになる。
【0013】図10の例では、必要な分解能がn=14ビ
ット長であるので、フィルタの設計ポイントは、 周波数 FW ≒ 244(Hz)において 減衰量 GW =20・log{(5/214)/VW } ≒20・log(0.000047937) =−86.4(dB) となる。ここで、VW =5(V)とすると、フィルタの
減衰量は GW =20・log{(5/214)/5 } ≒20・log(0.000061035) =−84.3(dB) である(図11(A))。
【0014】従って、このPWM出力を使用してD/A
変換を実現するために、後段のフィルタを前述のRC2
段のローパスフィルタで構成する場合、C=0.1 μF
(固定)とすると、R= 910(kΩ)となる。このフィ
ルタ定数でのステップ応答特性は、図11(B)に示す
ように、63%応答で約 300ms、99.9%応答で約 2sと
なり、応答の遅いD/Aコンバータとなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のP
WM方式では、高分解能のD/Aコンバータを得るため
には、後段のフィルタリング条件としてフィルタ定数
を重くするか、或いは、アクティブフィルタを用いて
急峻なフィルタ特性を達成することが必要である。
【0016】の場合、上記のように、PWMタイマが
周波数ft =4MHzのPWMで、8ビットと14ビット
のPWM出力を発生するものとすると、8ビットでは、
0.25μsec ×28≒64μsec ,14ビットでは、0.25μse
c ×214 ≒ 4msec の周期で、データが出力される。つ
まり、14ビットのPWMのRCフィルタは、周期が長
くなるので、精度を高くするためには、8ビットに比べ
て指数関数的に重いフィルタ定数にしなければならな
い。このため、出力応答特性の遅れが大きくなり、高精
度と共に高い応答性が要求されるD/Aコンバータには
適用できないという問題点がある。
【0017】他方、の場合には、フィルタを構成する
オペアンプ等の回路定数部品が高価であるため、実際上
採用し難いという問題点がある。
【0018】従って、本発明の目的は、上記のように安
価なフィルタを用いるPWM方式のD/Aコンバータに
おいて、フィルタ定数を重くする(つまり、応答性を悪
くする)ことなく、高分解能を実現できるD/Aコンバ
ータを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述のPWM
信号として所定パルス幅の矩形波信号を出力するPWM
タイマと、その出力側に接続したフィルタとを備え、こ
のフィルタに上記矩形波信号を入力することによりディ
ジタル/アナログ変換を行うパルス幅変調方式のディジ
タル/アナログ変換器であって、上記矩形波信号は、必
要な分解能を表わすビット数(n)を上位ビット数
(m)と下位ビット数(k)とに分割して得られる上位
ビットの第1PWM信号と下位ビットの第2PWM信号
とで構成され、第2PWM信号は、予め設定したプログ
ラムにより、第1PWM信号のビット数(m)を1ビッ
トとして下位ビット数(k)生成されることを特徴とす
る。
【0020】上記ディジタル/アナログ変換器では、第
1PWM信号と第2PWM信号の波形成分により上記フ
ィルタ回路の設計条件が決定される。
【0021】
【作用】本発明では、PWMタイマから出力されるPW
M信号は、必要な分解能n(ビット)を上位m(ビッ
ト)と下位k(ビット)とに分割し(すなわち、n=m
+k)、mビットPWM(以下、第1PWMという)波
形と、この第1PWM出力波形の1フレーム(1周期)
を1ビットとするkビットPWM(以下、第2PWMと
いう)波形とを重ね合わせた矩形波とする。そして、m
ビットの第1PWM信号は、従来と同様マイコンに内蔵
されたタイマ(ハードウエア)で生成すると共に、その
mビットを1ビットとするkビットの第2PWM信号
を、マイコンのプログラム(ソフトウエアによるタイ
マ)により生成する。
【0022】本発明では、例えば、8ビットと14ビッ
トのPWM信号を発生するタイマの場合、8ビットのP
WM信号はそのままで、応答性の悪い14ビットのPW
M信号をマイコンのソフトウエアで処理する、すなわ
ち、8ビットのPWM信号を1ビットとみなし、マイコ
ンのプログラム上で6ビットのPWMになるように出力
することにより、高速化を図ることができる。
【0023】具体的には、14ビットPWM信号の場
合、前述のように周期は 4msec で、そのPWM出力電
圧は、一定の電圧幅(例えば0Vと5Vの電圧範囲)の
時間比例により決定されるので、その電圧変動を所定の
電圧値( 5/214≒0.3 mV)以下に抑えるために、RC
フィルタの定数は非常に大きな値になり、応答が遅くな
ってしまう。しかし、8ビットPWMは、デューティ比
が50%(2.5 V出力)の場合、周期(64μsec )の半
分(32μsec )の時間での5Vと、他の半分(32μsec
)の時間での0Vとを合わせて、その周期で(64μsec
毎に)出力することにより、8ビットの精度、すなわ
ち 5/28 ≒19.5mVの分解能を達成する。従って、14
ビットPWMと比較すると、8ビットPWMは、電圧分
解能が 26 大きく、サイクル時間が 1/26 に短くなるの
で、フィルタ定数は 1/212(=1/4096)小さく、高速化
を図ることができる。
【0024】
【効果】本発明によれば、上記のように、PWM信号の
mビットを1ビットとしてマイコンのプログラム上でk
ビットのPWM信号になるように出力することにより、
mビットの速い応答性と高い分解能を持つD/Aコンバ
ータが実現される。
【0025】
【実施例】図1に示すように、本発明のD/Aコンバー
タに用いられるマイコンは、従来のハードウエアによる
PWMタイマ1から出力される矩形波信号を、その上位
(m)ビット毎に一まとめにして下位(k)ビット数生
成する、ソフトウエアによるPWMタイマ4を備える。
これは、マイコンのプログラムで設定される。
【0026】以下、本発明によるPWM方式D/A変換
について説明する。
【0027】まず、従来の技術で説明したように、必要
な分解能(D/A変換のフルスケールと等価)をn(ビ
ット),出力比をx(%),第1PWMのタイマのカウ
ントクロック周波数をft (Hz),供給される基準電圧を
ref (V),nビット中にVref が出力されるべきカ
ウント数を Cout =2n・x/100 …(13) とする。このCout を第1PWM用上位m(ビット)
と、第2PWM用下位k(ビット)とに分割し、分割さ
れた上位m(ビット)部分のカウント数をCm ,下位k
(ビット)部分のカウント数をCk とする。すなわち、
【0028】
【数2】 ∴ Cout =Cm・2k +Ck …(15) (Cm には2k のバイアスがかかっている) 実際の矩形波出力は、次の[1] 及び[2] の作業によって
形成される。
【0029】[1] 第1PWMのクロック周波数ft にて
(Cm +1)クロックのVref (V)を出力し、残りの
{2m −(Cm +1)}クロックの0(V)を出力する
第1PWM出力波形を、第2PWMによりCk フレーム
数(周期)だけ出力する。
【0030】[2] Cm クロックのVref (V)を出力
し、残りの(2m −Cm )クロックの0(V)を出力す
る第1PWM出力波形を、第2PWMにより(2k −C
k )フレーム数(周期)だけ出力する。
【0031】ここで、第1PWMのクロック周波数はf
t ,分解能(フルスケール)はm(ビット)であるか
ら、第1PWMの周期(1フレーム時間)T1 は、 T1 =2m・1/ft (s) …(16) となる。また、上記[1] 及び[2] の作業によって1サイ
クルを形成しているので、第2PWMの周期T2 (=P
WMトータル周期Tt )は、 Tt =T2 =Ck・T1 + (2k −Ck)・T1 =(Ck +2k −Ck)・T1 =2k・(2m・1/ft )=2k+m・1/ft =2n・1/ft =T …(17) となり、前述した従来のPWM周期Tと等しい。
【0032】図2は、本発明において、従来のPWM出
力波形の例(図10)と同等の出力を生成するPWM出
力波形を示す。ここで、 Vref =5(V), n=14(ビット),m=8(ビット),k=6(ビッ
ト) Cout =8160,Cm =127 ,Ck = 32 ,2k = 64 , ft =4,000,000 (Hz), T1 = 64 (μs), Tt =T2 = 4.096(ms) である。この場合、第1PWM出力(m=8ビット)
は、Cm +1= 128(クロック)の5(V)と、2m
(Cm +1)= 128(クロック)の0(V)とを、Ck
=32(フレーム)含む波形であり、第2PWM出力(k
=6ビット)は、Cm = 127(クロック)の5(V)
と、2m −Cm = 129(クロック)の0(V)とを、2
k −Ck =32(フレーム)含む波形である。
【0033】次に、本発明によるPWM出力波形がPW
Mトータル周期Tt 内でVref (V)と0(V)とで囲
む面積をPt を求める。
【0034】まず、PWMトータル周期Tt では、上記
のように[1] 及び[2] の作業で1サイクルを形成してい
るので、上記面積Pt は、[1] の作業で囲まれる面積P
1 と[2] の作業で囲まれる面積P2 との和である。ここ
で、P1 及びP2 は、 P1 =Vref・ (Cm +1)・Ck・1/ft …(18) P2 =Vref・Cm ・(2k −Ck)・1/ft …(19) であるから、 Pt =P1 +P2 =Vref・{(Cm +1)・Ck +Cm ・(2k −Ck)}・1/ft =Vref ・(Cm・2k +Ck)・1/ft =Vref・Cout・1/ft …(20) となり、従来の矩形波が1PWM周期Tで囲む面積Pp
に等しい。
【0035】従って、本発明によるPWM出力波形を、
後段のフィルタで完全に積分したとすれば、得られるア
ナログ電圧は、従来のものと等しくなる。これは、従来
よりも速い応答性をもって同等のアナログ出力が得られ
るということである。
【0036】D/A変換は、上記のようにPWM出力波
形をローパスフィルタに通して積分することによって行
われるので、PWMの波形成分により後段のフィルタ条
件が決定される。
【0037】このフィルタ条件に関して、本発明による
PWM波形は、前述のように2つのPWM波形が重なり
合うことによって構成されているので、後段のローパス
フィルタは、2つのPWM波形に対して次の2つのフィ
ルタ条件(1),(2) を満足すればよい。
【0038】(1) 第1PWM波形に対して 第1PWM波形は、周期を除いて前述の従来方式による
矩形波と基本的に同一である。従って、第1PWM波形
を積分するフィルタ条件を決める第1項までのフーリエ
級数W1(n=1)は W1(n=1)=Vref・{1/2+2/π・sin(n・2π・t/T1)} (−T/2 ≦t< T/2) …(21) であり、必要な分解能はVref/2nとなるので、後段のフ
ィルタ条件は、「周波数1/T1 ,副振幅2・(Vref・2/
π) の正弦波を、副振幅Vref /2nまで減衰させるこ
と」に相当する。
【0039】故に、第1PWM波形に対する後段のフィ
ルタの設計ポイントは、 周波数 F1 =1/T1 =1/ (2m・1/ft)=ft /2m =ft /2n-k (∵n=m+k) =1/2-k・(ft /2n) =2k・ (ft /2n) =2k・1/T …(22) にて、減衰量 G1 =20・log{(Vref/2n)/( 2・Vref・2/π)}=20・log(π/2n+2) …(23) となる。
【0040】このフィルタ設計ポイントを、前述の従来
方式によるPWM出力のフィルタ設計ポイントの式(10)
と比較すると、後段のフィルタに必要な減衰量は同じで
あるが、その周波数は、従来方式での周波数F(=1/
T)の2k 倍も高い周波数へシフトしている。
【0041】(2) 第2PWM波形に対して 第2PWMの矩形波は多少複雑ではあるが、等価的に以
下のように考えられる。
【0042】まず、第1PWMの矩形波は完全に積分さ
れていると仮定する(実際のフィルタは、前述の第1P
WM波形のフィルタ条件を満足しているので、この仮定
で問題ない)。
【0043】第2PWM波形は、前記[1] 及び[2] の作
業により1周期を形成している。ここで、上記仮定によ
ると、第2PWM波形が上記[1] の作業時に出力してい
る電圧Vs1と、上記[2] の作業時に出力している電圧V
s2は、それぞれ Vs1=Vref・(Cm +1)/2m …(24) Vs2=Vref・Cm /2m …(25) となる。また、第2PWMの周期Tt(=T2)は Tt =2(k+m)・1/ft=2n・1/ft=T (s) …(26) であるから、結果的に第2PWM波形は、周期Tt ,副
振幅Vs =Vs1−Vs2の矩形波出力とみなすことができ
る。
【0044】図2の場合、Vref =5(V),Cm =12
7 ,2m =256 であるから、 Vs1= 5・(127 + 1)/256 =2.5 (V) Vs2= 5・ 127/256 =2.48(V) であり、第2PWM波形は、図3に示すようになる。
【0045】従って、第2PWM波形のフィルタ条件を
決めるフーリエ級数W2(n=1)(デューティ比50:50 の波
形、すなわちCk =2k/2 =2k-1 のときの波形)は、 W2(n=1)= (Vs1+Vs2)/2 +Vs・{2/πsin(n・2π・t/Tt)} =Vref・{(2・Cm+1)/2(m+1)} +{(Vs1−Vs2) ・{2/πsin(n・2π・t/Tt)} =Vref・{(2・Cm+1)/2(m+1)}+ {Vref・{(Cm +1)/2m} −Vref・ (Cm/2m) ・{2/πsin(n・2π・t/Tt)} =Vref・{(2・Cm+1)/2(m+1)} +{(Cm+1)−Cm}/2m・Vref・ {2/πsin(n・2π・t/Tt)} =Vref・{(2・Cm+1)/2(m+1)} +(1/2m) ・Vref・{ 2/πsin(n・2π・t/Tt)} …(27) (−Tt/2≦t< T/2) となる。図4は、この波形を示す。
【0046】必要な分解能はVref/2nであるから、第2
PWMのフィルタ条件は、「周波数1/Tt(=1/T) ,副
振幅 2・(1/2m)・( Vref・2/π) の正弦波を、副振幅V
ref /2n まで減衰させること」に相当する。
【0047】故に、第2PWM波形に対する後段のフィ
ルタの設計ポイントは、 周波数 F2 =1/T にて 減衰量 G2 =20・log{(Vref/2n)/(2・(1/2m)・Vref・2/π)} =20・log{(π/2n+2)/(1/2m)} =20・log{(π/2n+2)・2m)} =20・log{(π/2n+2)+20・log(2m) …(28) となる。このフィルタ設計ポイントを前述の従来方式に
よるPWM出力のフィルタ設計ポイントの式(10)と比較
すると、後段のフィルタの設計周波数は同じであるが、
その減衰量は、従来よりも20・log(2m)だけ軽減されてい
る(∵2m >1)。
【0048】上記(1),(2) の条件をフィルタの設計ポイ
ントとしてまとめると、図5(A)に示すようになる。
すなわち、図2の例の場合、 n=14(bit) ,m=8(bit),k=6(bit),ft =4,000,
000(Hz) , T=2n・1/ft(s) =4.096(ms) であるから、図11(A)に示した従来のフィルタ設計
ポイントとの対比において、本発明における第1PWM
のフィルタ設計ポイントは、 周波数 F1 =1/T1 =2k・(1/T) =26・(1/4.096・10-3) =15.625(kHz) (従来の周波数の2n=64倍へシフト) 減衰量 G1 =20・log (π/2n+2)=20・log (π/214+2) ≒20・log(0.000047937) =−86.4(dB) (従来と同一) 第2PWMのフィルタ設計ポイントは、 周波数 F2 =1/T=1/4.096(ms) ≒244(Hz) (従来と同一) 減衰量 G2 =20・log{(π/2n+2)+20・log(2m) ≒20・log(0.000047937) +20・log(256) =−86.4(dB) +48.2(dB) =−38.2(dB) (従来より48(dB) 軽減) となる。
【0049】ここで図6及び図7を参照して、本発明に
おけるPWMタイマによりPWM出力を生成する動作を
説明する。
【0050】まず、マイコン内に設定される記憶部(バ
ッファ)を次のように定義する。
【0051】 x :出力したいカウント値をセットしておくバッファ xm :xの上位mビットを保存しておくバッファ xk :xの下位kビットを保存しておくバッファ C :ソフトウエアによるPWM出力用バッファ D :ハードウエアによるPWM出力用バッファ 図6に示す基本動作では、初めのステップ1でCを0に
セットし(C=0)、次のステップ2で演算を実行す
る。そして、ステップ3で、演算の結果を出力したいカ
ウント値をxにセットして、初めに戻る。
【0052】次に、図7は、ハードウエアのPWMタイ
マに対する割り込み動作を示す。この動作では、初めの
ステップ11で“C=0?”を判定する。C=0なら
ば、次のステップ12及び13で、xの上位mビットを
m に、xの下位kビットをxk にそれぞれ格納する。
一方、ステップ11の判定でC=0でないときは、次の
ステップ14において“C≧xk ?”を判定する。これ
が“YES”ならば、ステップ15でxm をDにセット
し、“NO”ならば、ステップ16で(xm +1)をD
にセットする。そして、ステップ17でC=C+1、す
なわちバッファCの値に1を加える。次に、ステップ1
8において“C≧2k ?”を判定し、“NO”ならば、
初めに戻り、“YES”ならば、ステップ19でC=
0、すなわちCを0にセットして、初めに戻る。
【0053】本発明によれば、上記のような第1PWM
出力及び第2PWM出力を用いてD/A変換を行うの
で、PWMタイマの後段に設けられるフィルタを前述の
RC2段のローパスフィルタで構成した場合、前記と同
様にC=0.1 μFで固定したとき、抵抗値は、従来の方
式ではR= 910(kΩ) であったが、本発明ではR=68(k
Ω) となる。
【0054】この定数におけるステップ応答特性は、図
5(B)に示すように、63%応答で約 22 ms,99.9%
応答で約 200msである。従って、本発明によれば、従
来の方式(図11(B))と比較して、応答が約10倍も
速いD/Aコンバータが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示す図。
【図2】本発明におけるPWM波形の例を示す図。
【図3】図2の第1PWM波形に対する第2PWM波形
を示す図。
【図4】第2PWM波形のフィルタ条件を決めるフーリ
エ級数の波形を示す図。
【図5】本発明によるフィルタ設計ポイント及び応答特
性を示す図。
【図6】本発明の基本動作を示すフローチャート。
【図7】本発明においてPWMタイマに対する割り込み
動作を示すフローチャート。
【図8】従来のD/Aコンバータの基本構成を示す図。
【図9】図8の具体的な回路構成を示す図。
【図10】従来のPWM波形の例を示す図。
【図11】従来のフィルタ設計ポイント及び応答特性を
示す図。
【符号の説明】
1…ハードウエアによるPWMタイマ、2…ローパスフ
ィルタ、3…電圧/電流変換器、4…ソフトウエアによ
るPWMタイマ、21…RCフィルタ、22…抵抗、2
3…スイッチング素子、31…オペアンプ、32…トラ
ンジスタ、33…抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市田 俊司 神奈川県藤沢市川名1−12−2 山武ハネ ウエル株式会社藤沢工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定パルス幅の矩形波信号を出力するタイ
    マと、該タイマの出力側に接続したフィルタとを備え、
    該フィルタに前記矩形波信号を入力することによりディ
    ジタル/アナログ変換を行うパルス幅変調方式のディジ
    タル/アナログ変換器において、前記矩形波信号は、必
    要な分解能を表わすビット数(n)を上位ビット数
    (m)と下位ビット数(k)とに分割して得られる上位
    ビットの第1信号と下位ビットの第2信号とで構成さ
    れ、前記第2信号は、予め設定したプログラムにより、
    前記第1信号のビット数(m)を1ビットとして前記下
    位ビット数(k)生成されることを特徴とするディジタ
    ル/アナログ変換器。
  2. 【請求項2】請求項1記載のディジタル/アナログ変換
    器において、前記第1信号と前記第2信号の波形成分に
    より前記フィルタ回路の設計条件を決定するようにした
    ことを特徴とするディジタル/アナログ変換器。
JP1615695A 1995-02-02 1995-02-02 ディジタル/アナログ変換器 Pending JPH08213910A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6456217B1 (en) 1999-09-02 2002-09-24 Nec Corporation Digital/analog converter having delta-sigma type pulse modulation circuit
JP2016042675A (ja) * 2014-08-19 2016-03-31 アズビル株式会社 D/a変換回路

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6456217B1 (en) 1999-09-02 2002-09-24 Nec Corporation Digital/analog converter having delta-sigma type pulse modulation circuit
JP2016042675A (ja) * 2014-08-19 2016-03-31 アズビル株式会社 D/a変換回路

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