JPH08213028A - 固体電解質型燃料電池の燃料電極とその成膜方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池の燃料電極とその成膜方法

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JPH08213028A
JPH08213028A JP7041327A JP4132795A JPH08213028A JP H08213028 A JPH08213028 A JP H08213028A JP 7041327 A JP7041327 A JP 7041327A JP 4132795 A JP4132795 A JP 4132795A JP H08213028 A JPH08213028 A JP H08213028A
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JP
Japan
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fuel electrode
particles
solid electrolyte
nickel
ceria
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JP7041327A
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English (en)
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Masakatsu Nagata
雅克 永田
Mikiyuki Ono
幹幸 小野
Tsutomu Iwazawa
力 岩澤
Satoru Yamaoka
悟 山岡
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特性が向上した燃料電極を提供する。 【構成】 ジルコニアを主体とする固体電解質1を挟ん
で燃料電極2と空気電極とを設けた固体電解質型燃料電
池の燃料電極2において、ニッケルもしくは酸化ニッケ
ルの粒子4にCe O2 ,(Ce O2 1-X (Sm
2 3 X ,(Ce O21-X (La 2 3 X ,(Ce
2 1-X (Y2 3 X 等のセリア系材料のうちい
ずれか一種以上からなる粒子5が接合されてなる材料粉
末6が、前記固体電解質の表面に付着されて、所定厚さ
の多孔構造の膜に形成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、酸素イオン透過性の
ある固体電解質を介して酸化・還元反応を生じさせて起
電力を得る固体電解質型燃料電池に関し、特にその燃料
電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の燃料電池は、図6に模式的に示
すように、薄膜状の固体電解質1を挟んだ両側に、多孔
質膜である燃料電極2と空気電極3とを形成したもので
あり、燃料電極2側を流れる燃料ガス(水素ガス、一酸
化炭素ガス等)と空気電極3側を流れる酸素を含む気体
(例えば空気)中の酸素とが、固体電解質1を介して電
気化学的に反応することにより、各電極2,3を介して
起電力を得ることができる。
【0003】すなわち空気は空気電極3の内部を固体電
解質1の表面にまで拡散し、その空気に含まれる酸素が
イオン化して固体電解質1の内部を酸素イオンの濃度差
に起因して、燃料電極2側に移動する。また燃料電極2
側では、水素ガスが燃料電極2の内部を固体電解質1の
表面にまで拡散し、ここで固体電解質1を通って移動し
てきた酸素と反応する。このような水素と酸素との電気
化学的な反応により生じる起電力が各電極2,3を介し
て外部に取り出される。
【0004】上記の反応は、固体電解質1の活性度が優
れる1000℃程度の高温度で行われるので、固体電解
質1としては、酸素イオン透過性に優れることは勿論、
高温安定性に優れ、かつ導電性がないなどの特性が要求
される。そのため従来では、イットリアやカルシアで安
定化したジルコニア(YSZあるいはCSZ)が固体電
解質として使用されている。
【0005】また、空気電極3は、強い酸化性雰囲気に
置かれるから、電子伝導度および酸素イオン伝導度が高
くかつ分極を生じにくいこと、あるいは固体電解質1と
の熱膨張率の差が小さいことなどのほかに、耐酸化性に
優れていることが要求される。そこで従来では、空気電
極3をペロブスカイト型ランタン系複合酸化物によって
形成している。
【0006】さらに、燃料電極2は、起電力を外部に取
り出すための電極であるから、電子伝導度が高くかつ分
極を生じにくいことのほかに、高温の還元雰囲気に曝さ
れるから、高温での安定性が要求され、また固体電解質
1との間の熱応力やこれに起因する剥離を防止するため
に、熱膨張率が固体電解質1の熱膨張率に近いことが望
まれる。
【0007】現在、これらの諸要求を満たすために、ニ
ッケル(Ni )や酸化ニッケル(Ni O)のサーメット
や、重量割合にして4:6〜6:4のNi /YSZやN
i O/YSZのサーメットを燃料電極として採用してい
る。ここで、Ni Oは高温の還元雰囲気に曝されてNi
になることにより、導電性を有するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな固体電解質型燃料電池を長時間高温状態で使用して
いると、燃料電極2に焼結(シンタリング)が進行する
ことにより、Ni (融点約1450℃)が凝集してしま
う。
【0009】この結果、この燃料電極の多孔質構造が次
第に崩壊して、この燃料電極2の燃料ガス透過性が低下
し、また、燃料電極2の電子伝導率も低下し、かつ燃料
電極2の反応有効面積が減少し、分極抵抗が増大すると
いう様々な問題がある。そこで最近では、固体電解質型
燃料電池の燃料電極として求められる条件をより満足さ
せることができる燃料電極の開発が望まれている。
【0010】この発明は、上記の要望に応えるべくなさ
れたものであって、特性が向上した固体電解質型燃料電
池の燃料電極とその成膜方法を提供することを目的とす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載された発明は、ジルコニアを主体
とする固体電解質を挟んで燃料電極と空気電極とを設け
た固体電解質型燃料電池の燃料電極において、ニッケル
もしくは酸化ニッケルの粒子に、Ce O2 ,(Ce
2 1-X (Sm 2 3 X ,(Ce O2 1-X (La
2 3 X ,(CeO2 1-X (Y2 3 X 等のセリ
ア系材料のうちいずれか一種以上からなる粒子が結合さ
れてなる材料粉末が、前記固体電解質の表面に付着され
て、所定厚さの多孔構造の膜に形成されたことを特徴と
するものである。
【0012】このとき、請求項2に記載された発明は、
前記ニッケルもしくは酸化ニッケルの粒子に結合される
セリア系材料の粒子の量を、前記固体電解質から厚さ方
向に離れるにしたがって順次少なくして、傾斜化した多
孔構造の膜に形成されたことを特徴とするものである。
【0013】また、請求項3に記載された発明は、ジル
コニアを主体とする固体電解質を挟んで燃料電極と空気
電極とを設けた固体電解質型燃料電池の燃料電極におい
て、ニッケルもしくは酸化ニッケルの粒子に、Ce
2 ,(Ce O2 1-X (Sm 23 X ,(Ce
2 1-X (La 2 3 X ,(Ce O2 1-X (Y2
3 X 等のセリア系材料のうちいずれか一種以上から
なる粒子と前記固体電解質の材料からなる粒子とが接合
されてなる材料粉末が、前記固体電解質の表面に付着さ
れて、所定厚さの多孔構造の膜に形成されたことを特徴
とするものである。
【0014】このとき、請求項4に記載された発明は、
前記ニッケルもしくは酸化ニッケルの粒子に接合される
固体電解質の材料からなる粒子の量を、前記固体電解質
から厚さ方向に離れるにしたがって順次少なくして、傾
斜化した多孔構造の膜に形成されたことを特徴とするも
のである。
【0015】さらに、請求項5に記載された発明は、前
記セリア系材料の粒子の量を、厚さ方向の中央部分で多
くし、かつ該中央部分から厚さ方向に離れるにしたがっ
て順次少なくして、傾斜化した多孔構造の膜に形成され
たことを特徴とするものである。
【0016】また、請求項6に記載された発明は、ジル
コニアを主体とする固体電解質を挟んで燃料電極と空気
電極とを設けた固体電解質型燃料電池の燃料電極の成膜
方法において、前記固体電解質にニッケルもしくは酸化
ニッケルからなる粒子を付着させ、この粒子の外周に、
Ce O2 ,(Ce O2 1-X (Sm 2 3 X ,(Ce
2 1-X (La 2 3 X ,(Ce O2 1-X (Y2
3 X 等のセリア系材料のうちいずれか一種以上から
なる粒子を化学蒸着法(CVD法)もしくは電気化学蒸
着法(EVD法)により蒸着させて、多孔構造の薄膜を
形成することを特徴とする固体電解質型燃料電池の燃料
電極の成膜方法である。
【0017】また、請求項7に記載された発明は、ジル
コニアを主体とする固体電解質を挟んで燃料電極と空気
電極とを設けた固体電解質型燃料電池の燃料電極の成膜
方法において、前記固体電解質にニッケルもしくは酸化
ニッケルからなる粒子を付着させ、この粒子の外周に、
Ce O2 ,(Ce O2 1-X (Sm 2 3 X ,(Ce
2 1-X (La 2 3 X ,(Ce O2 1-X (Y2
3 X 等のセリア系材料のうちいずれか一種以上から
なる粒子を化学蒸着法もしくは電気化学蒸着法により蒸
着させ、その後、ニッケルもしくは酸化ニッケルからな
る粒子を付着させるとともに、上記手順を繰り返して、
所定の厚さの多孔構造の薄膜を形成することを特徴とす
る固体電解質型燃料電池の燃料電極の成膜方法である。
【0018】このとき、請求項8に記載された発明は、
前記セリア系材料の蒸着時間を、固体電解質側で長くす
るとともに、燃料電極の表面側で短くしたことを特徴と
する固体電解質型燃料電池の燃料電極の成膜方法であ
る。
【0019】また、請求項9に記載された発明は、ジル
コニアを主体とする固体電解質を挟んで燃料電極と空気
電極とを設けた固体電解質型燃料電池の燃料電極の成膜
方法において、前記固体電解質にニッケルもしくは酸化
ニッケルからなる粒子を付着させ、この粒子の外周に、
Ce O2 ,(Ce O2 1-X (Sm 2 3 X ,(Ce
2 1-X (La 2 3 X ,(Ce O2 1-X (Y2
3 X 等のセリア系材料のうちいずれか一種以上から
なる粒子を化学蒸着法(CVD法)もしくは電気化学蒸
着法(EVD法)により蒸着させ、その後、前記固体電
解質の材料からなる多孔構造の薄膜を化学蒸着法もしく
は電気化学蒸着法により蒸着させ、この薄膜にニッケル
もしくは酸化ニッケルからなる粒子を付着させるととも
に、上記手順を繰り返して、所定の厚さの多孔構造の薄
膜を形成することを特徴とする固体電解質型燃料電池の
燃料電極の成膜方法である。
【0020】このとき、請求項10に記載された発明
は、前記固体電解質の材料の蒸着時間を、固体電解質側
で長くし、かつ燃料電極の表面側で短くしたことを特徴
とする固体電解質型燃料電池の燃料電極の成膜方法であ
る。
【0021】さらに、請求項11に記載された発明は、
前記セリア系材料の蒸着時間を、固体電解質側および燃
料電極の表面側で短くし、かつ燃料電極の厚さ方向の中
央部分で長くしたことを特徴とする固体電解質型燃料電
池の燃料電極の成膜方法である。
【0022】
【作用】この発明による燃料電極では、ニッケルもしく
は酸化ニッケルの粒子とセリア系材料の粒子とが確実に
接合するよう構成されているため、この部分においても
電極反応が行われる。
【0023】具体的には、セリア系材料は、酸素イオン
透過性に優れているため、このセリア系材料とニッケル
もしくは酸化ニッケルとが接合し、かつ燃料ガスと接触
する部分においても酸化・還元反応が生じる。すなわ
ち、電極反応部分が拡大されるため、燃料電極の活性が
良好になり、分極が低減される。
【0024】このとき、ニッケルもしくは酸化ニッケル
の粒子と、融点が高いセリア系材料(例えば、Ce O2
の融点は約2600℃)の粒子とが接合しているため、
ニッケルもしくは酸化ニッケルのシンタリングが防止、
すなわち燃料電極の多孔質構造の崩壊が防止される。
【0025】特に、請求項6ないし請求項11に記載し
た発明による燃料電極では、蒸着法に特有の骨格構造が
ニッケルもしくは酸化ニッケルの粒子を保持するように
なっているため、燃料電極の多孔質構造の寿命特性がさ
らに向上する。
【0026】また、請求項1および請求項2および請求
項6ないし請求項8に記載した発明による燃料電極にお
いて、ニッケルもしくは酸化ニッケルと固体電解質材料
との間にはセリア系材料が存在している。このセリア系
材料は、その線膨張係数(例えば、Ce O2 ならば1
2.0×10-6/K)が、固体電解質材料の線膨張係数
(例えば、YSZならば10.5×10-6/K)とニッ
ケルの線膨張係数(16.0×10-6/K)との間に位
置しているため、この表面改質材料は熱的整合性が整え
られているため、燃料電極のクラックや剥離現象等が防
止される。
【0027】さらに、請求項2および請求項4および請
求項5および請求項8および請求項10および請求項1
1に記載した発明による燃料電極によれば、セリア系材
料の線膨張係数と固体電解質材料の線膨張係数とニッケ
ルの線膨張係数の関係で、固体電解質部分と電極部分と
の熱整合性が整えられ、燃料電極のクラックや剥離現象
等が防止される。
【0028】また、請求項3ないし請求項5および請求
項9ないし請求項11に記載した発明による燃料電極に
よれば、固体電解質と燃料電極との接合が、固体電解質
の材料による同種結合により行われるため、強固なもの
にされる。
【0029】
【実施例】この発明の実施例につき添付図面を参照しな
がら説明する。この燃料電極2は、一般的な固体電解質
型燃料電池の燃料電極と同様に、安定化ジルコニア(Y
SZもしくはCSZ)からなる固体電解質層の表面に多
孔構造の薄膜状に形成される。
【0030】まず、請求項1および請求項2に記載した
発明の第1実施例を図1に基づいて説明する。図1に示
す燃料電極2は、Ni を主体とする核4の外周にセリア
系材料、例えばCe O2 からなる微粒子5が接合されて
なる表面改質粉6を、固体電解質1の上にスラリー法,
溶射法等により付着させた後、電気化学蒸着法(EVD
法)もしくは化学蒸着法(CVD法)によりYSZを成
長させて固定している。そして、前記表面改質粉6の付
着およびYSZの成長を繰り返して、燃料電極2を所定
の厚さに形成している。
【0031】このとき、表面改質粉6の外周部に接合さ
れているCe O2 の微粒子5をEVD法により成長させ
ることにより、表面改質粉6におけるCe O2 の割合を
適宜変更することができる。
【0032】上記のように形成された燃料電極2では、
Ni とCe O2 とが確実に接合されているので、この部
分でも電極反応が生じ、分極が低減されるようになって
いる。また、Ni の粒子4同士の間にはCe O2 の微粒
子5および成長したYSZが存在するようになるため、
Ni の凝集は有効に防止されるようになっている。さら
に、この燃料電極2と固体電解質1との結合は、Ni −
Ce O2 −YSZとの順番で結合されているため、熱的
整合性が整えられており、燃料電極2を構成する表面改
質粉6の脱落等が防止されている。
【0033】さらに、燃料電極2を所定の厚さに形成す
るとき、EVD法によるYSZやCe O2 の成長時間を
調節すれば、燃料電極2に傾斜機能を持たせることがで
きる。例えば、固体電解質層1側において、YSZの成
長時間を長くし、燃料電極2の表面側において、YSZ
の成長時間を短くすると、固体電解質層1と燃料電極2
との熱的整合性を高め、これらの境界面での熱応力の減
少を図り、燃料電極2の剥離現象やクラックの発生が防
止される。
【0034】さらに、燃料電極2の厚さ方向での中央部
分におけるCe O2 の成長時間を長くし、固体電解質層
1側および燃料電極2の表面側においてCe O2 の成長
時間を短くすると、より熱整合性が高められる。
【0035】つぎに、請求項1および請求項2に記載し
た発明の第2実施例を図3に基づいて説明する。図3に
示す燃料電極2は、Ni の粒子4にCe O2 の粒子5を
接合して形成した造粒粉8を、固体電解質1の上にスラ
リー法,溶射法等により付着させた後、EVD法により
YSZを成長させて固定している。
【0036】したがって、図1で説明した第1実施例と
同様に、Ni の粒子4の間には、Ce O2 の粒子5なら
びにYSZが存在し、Ni の凝集は防止されている。当
然、第1実施例と同様に所定の厚さの燃料電極2にする
際、燃料電極2に傾斜機能を持たせ、燃料電極2の剥離
現象やクラックの発生を防止することができる。
【0037】つぎに、請求項3ないし請求項5に記載し
た発明の実施例(以下、第3実施例という。)を図2に
基づいて説明する。この第3実施例による燃料電極2
は、Ni を主体とする核4の外周に、Ce O2 の微粒子
5とYSZの微粒子7とが接合されてなる表面改質粉6
から構成されたものである。
【0038】この場合、表面改質粉6と固体電解質1と
の結合は、YSZ同士による同種結合になるため、燃料
電極2と固体電解質1との接合をより強固なものとする
ことができる。当然、上記説明した第1実施例および第
2実施例と同様に所定の厚さの燃料電極を形成すること
ができ、傾斜機能を持たせることもできる。
【0039】勿論、上記説明した第2実施例と同様に、
Ni の粒子にCe O2 の粒子とYSZの粒子とが接合さ
れた造粒粉により燃料電極を構成することもできる。
【0040】上記説明した燃料電極の構造は、他の方法
によっても得ることができる。例えば、固体電解質層1
の表面にまずNi の粒子4をスラリー法や溶射法等によ
り付着し、このNi の粒子4の外周部に、例えばCe O
2 の微粒子5を例えばEVD法により付着させることに
より、図1に示した燃料電極2は形成され得る。この場
合、Ni の粒子4同士の間には、Ce O2 の微粒子5が
蒸着法に特有の骨格構造で配設されるようになっている
ため、Ni の凝集が有効に防止される。
【0041】このとき、図4に示すように、上記のよう
に形成されたNi の粒子4とCe O2 の微粒子5とから
多孔構造の薄膜2aの上に、さらに、Ni の粒子4を付
着して、このNi の粒子4の外周部にCe O2 の微粒子
5を配設するように付着して、所定の厚さの燃料電極2
を構成することもできる。このように形成された燃料電
極2では、電極反応が行われる部分が厚さ方向により広
げられるため、電極の活性化が図られるとともに、分極
が低減される。
【0042】この場合、Ce O2 の微粒子5の蒸着時間
を、固体電解質側で長くするとともに、燃料電極の表面
側で短くすると、固体電解質層1と燃料電極2との熱整
合性が整えられるので、燃料電極の剥離現象等が防止さ
れる。
【0043】また、図5に示すように、固体電解質層1
の表面に形成されたNi の粒子4とCe O2 の微粒子5
とからなる多孔構造の薄膜2aの上に、YSZの粒子か
らなる多孔構造の薄膜2bをEVD法により形成してか
ら、Ni の粒子4を付着して、このNi の粒子4の外周
部にCe O2 の微粒子5をEVD法により配設、さらに
YSZからなる薄膜2bを順次形成して、所定の厚さの
燃料電極2を構成することもできる。
【0044】ここで、Ce O2 やYSZの蒸着時間を調
節すると、燃料電極2に傾斜機能を付加することができ
る。例えば、固体電解質層1側、すなわち、燃料電極2
の下層側において、YSZの蒸着時間を長くしてYSZ
からなる薄膜2bを厚く形成するとともに、燃料電極2
の上層側すなわち表面側において、YSZの蒸着時間を
短くしてYSZからなる薄膜2bを薄く形成すると、固
体電解質層1と燃料電極2との熱整合性を高めることが
でき、燃料電極2の剥離現象やクラックの発生等を防止
される。
【0045】また、燃料電極2の厚さ方向での中央部分
におけるCe O2 の蒸着時間を長くするとともに、燃料
電極2の下層側および上層側においてCe O2 の蒸着時
間を短くすることもできる。このように形成された燃料
電極2では、Ce O2 の線膨脹係数(12.0×10-6
/K)が、YSZの線膨張係数(10.5×10-6
K)とNi の線膨張係数(16×10-6/K)との間に
位置しているため、より熱整合性が高められる。
【0046】なお、上記実施例ではいずれも、Ni に代
えて酸化ニッケル(Ni O)の粒子を用いることがで
き、固体電解質材料としてYSZに代えてカルシア安定
化ジルコニア(CSZ)を使用することができ、またC
e O2 に代えて他のセリア系材料、具体的には(Ce O
2 1-X (Sm 2 3 X ,(Ce O2 1-X (La 2
3 X ,(Ce O2 1-X (Y2 3 X 等を使用す
ることができる。また、電気化学蒸着法(EVD法)に
代えて化学蒸着法(CVD法)を用いて、YSZおよび
Ce O2 を配設することもできる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による燃
料電極によれば、ニッケルもしくは酸化ニッケルとセリ
ア系材料との接合部においても電極反応が発生するた
め、電極の活性を良好にすることができ、分極も低減さ
れる。
【0048】このとき、ニッケルもしくは酸化ニッケル
の粒子は、融点が高いセリア系材料の粒子とが接合して
いるため、ニッケルもしくは酸化ニッケルの焼結・凝集
が抑制もしくは防止される。その結果、燃料電極の寿命
特性が向上、すなわち固体電解質型燃料電池の発電能力
を長期間に亘って良好に維持することができる。
【0049】特に、請求項6ないし請求項11に記載し
た発明による燃料電極では、蒸着法に特有の骨格構造が
ニッケルもしくは酸化ニッケルの粒子を保持するように
なっているため、燃料電極の多孔質構造の寿命特性がさ
らに向上する。
【0050】また、請求項1および請求項2および請求
項4ないし請求項8および請求項10および請求項11
に記載した発明による燃料電極によれば、固体電解質部
分と電極部分との熱整合性が整えられているので、燃料
電極の剥離現象やクラック等が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ニッケルの粒子をセリア系材料によって表面改
質した粉により形成された燃料電極の一例を示す断面図
である。
【図2】図1に示した表面改質粉の別の態様を示す断面
図である。
【図3】ニッケルの粒子とセリア系材料粒子とを接合さ
せた造粒粉の一例を模式的に示す断面図である。
【図4】この発明の燃料電極の一例を模式的に示す断面
図である。
【図5】図4に示した燃料電極とは別の態様の燃料電極
を模式的に示す断面図である。
【図6】固体電解質型燃料電池の原理的な構造を示す模
式的な断面図である。
【符号の説明】
1…固体電解質、 2…燃料電極、 2a…Ni の粒子
とCe O2 の粒子とからなる薄膜、 2b…YSZから
なる薄膜、 4…Ni の粒子、 5…Ce O2の粒子、
6…表面改質粉、 7…YSZの粒子、 8…造粒
粉。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山岡 悟 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニアを主体とする固体電解質を挟
    んで燃料電極と空気電極とを設けた固体電解質型燃料電
    池の燃料電極において、 ニッケルもしくは酸化ニッケルの粒子に、下記のセリア
    系材料のうちいずれか一種以上からなる粒子が結合され
    てなる材料粉末が、前記固体電解質の表面に付着され
    て、所定厚さの多孔構造の膜に形成されたことを特徴と
    する固体電解質型燃料電池の燃料電極。 セリア系材料:Ce O2 ,(Ce O2 1-X (M
    2 3 X 、ただしMは希土類元素
  2. 【請求項2】 前記ニッケルもしくは酸化ニッケルの粒
    子に結合されるセリア系材料の粒子の量を、前記固体電
    解質から厚さ方向に離れるにしたがって順次少なくし
    て、傾斜化した多孔構造の膜に形成されたことを特徴と
    する請求項1に記載の固体電解質型燃料電池の燃料電
    極。
  3. 【請求項3】 ジルコニアを主体とする固体電解質を挟
    んで燃料電極と空気電極とを設けた固体電解質型燃料電
    池の燃料電極において、 ニッケルもしくは酸化ニッケルの粒子に、下記のセリア
    系材料のうちいずれか一種以上からなる粒子と前記固体
    電解質の材料からなる粒子とが接合されてなる材料粉末
    が、前記固体電解質の表面に付着されて、所定厚さの多
    孔構造の膜に形成されたことを特徴とする固体電解質型
    燃料電池の燃料電極。 セリア系材料:Ce O2 ,(Ce O2 1-X (M
    2 3 X 、ただしMは希土類元素
  4. 【請求項4】 前記ニッケルもしくは酸化ニッケルの粒
    子に接合される固体電解質の材料からなる粒子の量を、
    前記固体電解質から厚さ方向に離れるにしたがって順次
    少なくして、傾斜化した多孔構造の膜に形成されたこと
    を特徴とする請求項3に記載の固体電解質型燃料電池の
    燃料電極。
  5. 【請求項5】 前記セリア系材料の粒子の量を、厚さ方
    向の中央部分で多くし、かつ該中央部分から厚さ方向に
    離れるにしたがって順次少なくして、傾斜化した多孔構
    造の膜に形成されたことを特徴とする請求項3に記載の
    固体電解質型燃料電池の燃料電極。
  6. 【請求項6】 ジルコニアを主体とする固体電解質を挟
    んで燃料電極と空気電極とを設けた固体電解質型燃料電
    池の燃料電極の成膜方法において、 前記固体電解質にニッケルもしくは酸化ニッケルからな
    る粒子を付着させ、この粒子の外周に下記のセリア系材
    料のうちいずれか一種以上からなる粒子を化学蒸着法も
    しくは電気化学蒸着法により蒸着させて、多孔構造の薄
    膜に形成することを特徴とする固体電解質型燃料電池の
    燃料電極の成膜方法。 セリア系材料:Ce O2 ,(Ce O2 1-X (M
    2 3 X 、ただしMは希土類元素
  7. 【請求項7】 ジルコニアを主体とする固体電解質を挟
    んで燃料電極と空気電極とを設けた固体電解質型燃料電
    池の燃料電極の成膜方法において、 前記固体電解質にニッケルもしくは酸化ニッケルからな
    る粒子を付着させ、この粒子の外周に下記のセリア系材
    料のうちいずれか一種以上からなる粒子を化学蒸着法も
    しくは電気化学蒸着法により蒸着させ、その後、ニッケ
    ルもしくは酸化ニッケルからなる粒子を付着させるとと
    もに、上記手順を繰り返して、所定の厚さの多孔構造の
    薄膜に形成することを特徴とする固体電解質型燃料電池
    の燃料電極の成膜方法。 セリア系材料:Ce O2 ,(Ce O2 1-X (M
    2 3 X 、ただしMは希土類元素
  8. 【請求項8】 前記セリア系材料の蒸着時間を、固体電
    解質側で長くするとともに、燃料電極の表面側で短くし
    たことを特徴とする請求項7に記載の固体電解質型燃料
    電池の燃料電極の成膜方法。
  9. 【請求項9】 ジルコニアを主体とする固体電解質を挟
    んで燃料電極と空気電極とを設けた固体電解質型燃料電
    池の燃料電極の成膜方法において、 前記固体電解質にニッケルもしくは酸化ニッケルからな
    る粒子を付着させ、この粒子の外周に下記のセリア系材
    料のうちいずれか一種以上からなる粒子を化学蒸着法も
    しくは電気化学蒸着法により蒸着させ、その後、前記固
    体電解質の材料からなる多孔構造の薄膜を化学蒸着法も
    しくは電気化学蒸着法により蒸着させ、この薄膜にニッ
    ケルもしくは酸化ニッケルからなる粒子を付着させると
    ともに、上記手順を繰り返して、所定の厚さの多孔構造
    の薄膜を形成することを特徴とする固体電解質型燃料電
    池の燃料電極の成膜方法。 セリア系材料:Ce O2 ,(Ce O2 1-X (M
    2 3 X 、ただしMは希土類元素
  10. 【請求項10】 前記固体電解質の材料の蒸着時間を、
    固体電解質側で長くし、かつ燃料電極の表面側で短くし
    たことを特徴とする請求項9に記載の固体電解質型燃料
    電池の燃料電極の成膜方法。
  11. 【請求項11】 前記セリア系材料の蒸着時間を、固体
    電解質側および燃料電極の表面側で短くし、かつ燃料電
    極の厚さ方向の中央部分で長くしたことを特徴とする請
    求項9に記載の固体電解質型燃料電池の燃料電極の成膜
    方法。
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