JPH1154131A - 固体電解質型燃料電池の燃料電極、その成膜方法及びそれに用いる燃料電極材料 - Google Patents

固体電解質型燃料電池の燃料電極、その成膜方法及びそれに用いる燃料電極材料

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JPH1154131A
JPH1154131A JP9206400A JP20640097A JPH1154131A JP H1154131 A JPH1154131 A JP H1154131A JP 9206400 A JP9206400 A JP 9206400A JP 20640097 A JP20640097 A JP 20640097A JP H1154131 A JPH1154131 A JP H1154131A
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nickel
fuel electrode
fuel cell
particle
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Masakatsu Nagata
雅克 永田
Mikiyuki Ono
幹幸 小野
Masataka Mochizuki
正孝 望月
Tsutomu Iwazawa
力 岩澤
Namiko Kaneda
波子 兼田
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電極のニッケル粒子が成膜時に大粒子化
せず、反応場が広くて分極が少なく、特性変化がない燃
料電極が成膜できる。 【解決手段】 この発明の燃料電極は、ニッケル、ニッ
ケル合金を母粒子12とし、混合伝導体粒子を子粒子13と
して母粒子の表面に付着させた複合粒子11を素材とする
ことにより、この複合粒子11の粉末材料を基体2の表面
に塗布し、焼成することによって成膜された燃料電極3
では、ニッケル成分母粒子の表面に混合伝導体が付着し
ているために母粒子同士が互いにくっつき合って巨大粒
子に成長することがなく、材料粉末とほぼ等しい粒径の
粒子のままにとどまった組織構造をしている。したがっ
て三相界面が広く、またニッケル成分母粒子の表面の混
合伝導体の子粒子が高電子伝導性を有しているので電子
伝導パスも確保することができ、高電子伝導性、高活性
を有し、かつ特性を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体電解質型燃料電
池の燃料電極、その成膜方法及びそれに用いる燃料電極
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に固体電解質型燃料電池の一例とし
て、円筒固体電解質型燃料電池は図6に示す構造のもの
が提案されている。この固体電解質型燃料電池10で
は、外側の多孔質空気電極(カソード)1にストロンチ
ウム添加ランタンマンガナイト、緻密な固体電解質2に
イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、多孔質燃料電
極(アノード)3にニッケル・ジルコニア・サーメット
のような燃料改質の触媒機能を有する材料が使用されて
いる。また燃料電極3の内側に配置される燃料改質機能
を持つ導電性フェルト4には、主にニッケル、白金、コ
バルト、パラジウム、ルテニウムなどの高電子伝導性を
有すると共に燃料改質の触媒機能を有する物質で、フェ
ルト状にしたものが用いられている。
【0003】そして燃料供給用導電性チューブ5にはそ
の内部に供給されてくる燃料を導電性フェルト4に通過
させ、かつ改質反応の触媒機能を有すると共に伝導性を
有する物質としてSUS304、インコネル、ニッケ
ル、白金、コバルト、パラジウムあるいはニッケルジル
コニアサーメットを材料とし、多孔質のチューブ形状に
仕上げたものが用いられている。
【0004】固体電解質型燃料電池10内の発電作用に
ついて説明すると、天然ガス、メタン、石炭ガス化ガス
などの燃料ガスを水蒸気と共に燃料供給用導電性チュー
ブ5内に導入することにより、この燃料供給用導電性チ
ューブ5の多孔質の管壁を通じて燃料ガスと水蒸気が導
電性フェルト4内に均等に流れ込む。そしてこの部分に
おいて高温度条件下、通常、650℃〜1050℃の条
件下で、燃料供給用導電性チューブ5及び導電性フェル
ト4の燃料改質の触媒機能により、次式の改質反応が発
生する。
【0005】
【化1】 この改質反応で発生する水素に対して、固体電解質2を
介して対極する空気電極1と燃料電極3との部分で次の
化2式の発電反応を起こし、遊離した電子e-を集電す
ることによって発電力を得る。
【0006】
【化2】 つまり、燃料電極3においては化2(a)式に示すよう
に、改質反応で生成された供給された水素が、固体電解
質2から供給される酸素イオンO2-と反応して水蒸気と
電子を生成する。そして燃料電極3で生成された電子e
- が導電性フェルト4と燃料供給用導電性チューブ5と
を経て陰極6から外部回路に回り、陽極7を経て空気電
極1に到達すると、この空気電極1において、化2
(b)式に示すように空気中の酸素と反応して酸素イオ
ンO2-を生成し、これが固体電解質2に放出され、燃料
電極3側に到達して化2(a)式の反応に供されるので
ある。
【0007】このような発電機構において、上記の改質
反応を有効に起こさせるためには、導電性フェルト4と
燃料供給用導電性チューブ5の材料に改質触媒機能を有
するものを選択しなければならず、一般的にはニッケル
金属、あるいはニッケルを主体とする合金やセラミック
材が用いられている。
【0008】また燃料電極3は燃料ガス及び改質反応で
生じた水素と、改質触媒材であるニッケルと、酸化物イ
オン伝導体であるYSZとが同時に接触する三相界面を
多くし、かつこの燃料電極3に放出される電子の伝導性
に優れた素材として多孔質のニッケルあるいはニッケル
合金、あるいはニッケルジルコニアサーメットが用いら
れている。
【0009】そして従来、このような固体電解質型燃料
電池における燃料電極3の部分は、空気電極1と固体電
解質2とで形成されている基体の内部に燃料電極素材と
なるニッケル、 ニッケル合金あるいはニッケルジルコニ
アサーメットの粉末をスラリーコートし、焼成すること
によって成膜していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の固体電解質型燃料電池の燃料電極成膜方法では、
燃料電極3の組織構造が、図7に示すように焼成前には
微粒子として分散しているが(同図(a))、焼成後に
はニッケル粒子成分同士がくっつき合って巨大粒子に成
長していて(同図(b))、三相界面の面積が小さくな
って優れた分極特性が得られない問題点があった。
【0011】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、高電子伝導性、高活性を有する固体電
解質型燃料電池の燃料電極、その成膜方法及びそれに用
いる燃料電極材料を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の固体電
解質型燃料電池の燃料電極は、ニッケル、ニッケル合
金、コバルト若しくはコバルト合金粒子を母粒子とし、
混合伝導体粒子を子粒子として母粒子の表面に付着させ
た複合粒子を素材とするものである。
【0013】請求項2の発明の固体電解質型燃料電池の
燃料電極は、ニッケル、ニッケル合金、コバルト若しく
はコバルト合金粒子を母粒子とし、混合伝導体粒子を子
粒子として前記母粒子の表面に付着させた複合粒子と、
イットリア安定化ジルコニア単一粒子との混合物を素材
とするものである。
【0014】請求項3の発明は、請求項1または2の固
体電解質型燃料電池の燃料電極において、混合伝導体粒
子として、サマリア、ガドリアまたはイットリアをドー
プしたセリア粒子を用いたものである。
【0015】この請求項1〜3の発明の固体電解質型燃
料電池の燃料電極では、ニッケル、ニッケル合金、コバ
ルト若しくはコバルト合金粒子を母粒子とし、混合伝導
体粒子を子粒子として母粒子の表面に付着させた複合粒
子またはこれとイットリア安定化ジルコニア単一粒子と
の混合物を素材としたので、この複合粒子の粉末材料を
基体の表面に塗布し、焼成することによって成膜された
燃料電極では、ニッケルまたはコバルト成分母粒子の表
面に混合伝導体が付着しているために母粒子同士が互い
にくっつき合って巨大粒子に成長することがなく、材料
粉末とほぼ等しい粒径の粒子のままにとどまっている組
織構造をなす。したがって三相界面が広く、またニッケ
ルまたはコバルト成分母粒子の表面の混合伝導体の子粒
子が高電子伝導性を有しているので電子伝導パスも確保
することができ、高電子伝導性、高活性を有する。
【0016】請求項4の発明の固体電解質型燃料電池の
燃料電極成膜方法は、ニッケル、ニッケル合金、コバル
ト若しくはコバルト合金粒子を母粒子とし、混合伝導体
粒子を子粒子として母粒子の表面に付着させた複合粒子
の粉末を基体表面に所定厚さに塗布し、焼成するもので
ある。
【0017】請求項5の発明の固体電解質型燃料電池の
燃料電極成膜方法は、ニッケル、ニッケル合金、コバル
ト若しくはコバルト合金粒子を母粒子とし、混合伝導体
粒子を子粒子として前記母粒子の表面に付着させた複合
粒子と、イットリア安定化ジルコニア単一粒子との混合
粉末を基体表面に所定厚さに塗布し、焼成するものであ
る。
【0018】請求項6の発明は、請求項4または5の固
体電解質型燃料電池の燃料電極成膜方法において、混合
伝導体粒子として、サマリア、ガドリアまたはイットリ
アをドープしたセリア粒子を用いたものである。
【0019】請求項4〜6の発明の固体電解質型燃料電
池の燃料電極成膜方法では、ニッケルまたはコバルト成
分母粒子の表面に混合伝導体が付着しているために母粒
子同士が互いにくっつき合って巨大粒子に成長すること
がなく、材料粉末とほぼ等しい粒径の粒子のままにとど
まっている組織構造をなす燃料電極を成膜することがで
き、高電子伝導性、高活性を有する燃料電極を成膜する
ことができる。
【0020】請求項7の発明の固体電解質型燃料電池の
燃料電極材料は、ニッケル、ニッケル合金、コバルト若
しくはコバルト合金粒子を母粒子とし、混合伝導体粒子
を子粒子として母粒子の表面に付着させた複合粒子の粉
末である。
【0021】請求項8の発明の固体電解質型燃料電池の
燃料電極材料は、ニッケル、ニッケル合金、コバルト若
しくはコバルト合金粒子を母粒子とし、混合伝導体粒子
を子粒子として前記母粒子の表面に付着させた複合粒子
と、イットリア安定化ジルコニア単一粒子との混合粉末
である。
【0022】請求項9の発明は、請求項7または8の固
体電解質型燃料電池の燃料電極材料において、混合伝導
体粒子として、サマリア、ガドリアまたはイットリアを
ドープしたセリア粒子を用いたものである。
【0023】請求項7〜9の発明の固体電解質型燃料電
池の燃料電極材料では、この燃料電極粉末材料を基体表
面に所定厚さに塗布し、焼成することにより、高電子伝
導性、高活性を有する燃料電極を成膜することができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は、本発明の1つの実施の形態
の燃料電極材料であるニッケル・混合伝導体複合粒子1
1の構造を示しており、ニッケルまたは酸化ニッケルの
ようなニッケル合金、あるいはコバルトまたは酸化コバ
ルトのようなコバルト合金の粉末粒子を母粒子12と
し、表面改質処理によってその表面にサマリアをドープ
したセリア(CeO2 0.8 (SmO1.5 0.2 、ガド
リアをドープしたセリア(CeO2 0.8 (Gd
1.5 0.2 またはイットリアをドープしたセリア(C
eO2 0.8 (YO1.5 0.2 のセラミックス粉末を子
粒子13として付着させた構造である。
【0025】ニッケル母粒子12は平均粒径が3〜10
ミクロンであり、その表面に付着させる混合伝導体子粒
子13の平均粒径もニッケル母粒子12とほぼ同じか、
それよりも小さいものとする。
【0026】この燃料電極材料の複合粒子11の粉末の
製造には、ニッケル母粒子12の粉末に対して高速気流
中衝撃法によって物理的に混合伝導体子粒子13の粉末
を付着させる方法が採用される。そしてこのニッケル・
混合伝導体複合粒子11におけるニッケル母粒子12と
混合伝導体子粒子13との存在比は、重量比にしてN
i:混合伝導体=80:20である。
【0027】上記構造の燃料電極材料となる複合粒子1
1の粉末を用いて燃料電極を成膜するには、次の方法を
とる。つまり図2に示すように、複合粒子11の粉末を
バインダとしてベンゼンのような芳香族炭化水素系溶
剤、ジフェニールエーテルのようなエーテル系溶剤と重
量比で1:3程度に混合してスラリーとし、これを平板
形燃料電池であれば空気電極1と固体電解質2との平板
基体の表面に、また円筒形燃料電池であれば空気電極1
と固体電解質2との円筒基体の内周面または外周面に所
定の厚さでコートし、乾燥させた後に約1400℃の高
温で焼成し、50〜100ミクロン厚の燃料電極3を成
膜するのである。
【0028】このようにして燃料電極3を成膜した燃料
電池では、燃料電極3が図3に示すようにして燃料改
質、電子伝導作用を果たす。すなわち、混合伝導体の子
粒子13は電子e- に対しても酸化物イオンO2-に対
しても高い伝導性を示すので、固体電解質2のYSZと
ニッケルNiと燃料ガスとの接触点だけでなく、混合伝
導体子粒子13とニッケル母粒子12と燃料ガスとの接
触点も三相界面となり、三相界面のトータル面積が広く
なり、かつ混合伝導体粒子表面でも三相界面で起こる反
応が行われるので改質反応を活性化することができる。
その上、燃料電極3の焼成に際して、複合粒子11にお
いて融点の低いニッケル母粒子12が高融点のセラミッ
クスである子粒子12に覆われているために、従来のよ
うに隣接するニッケル粒子同士がくっつき合って融合
し、反応場の減少に起因する分極が増加するということ
がなく、この点でも三相界面のトータル面積を維持する
ことができ、改質反応を低下させることがない。
【0029】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。第1の実施の形態ではニッケル等の母粒子1
2に混合伝導体子粒子13を付着させて表面改質した複
合粒子11を単独に用いて燃料電極3を成膜したが、第
2の実施の形態は図4に示すように第1の実施の形態と
同様の複合粒子11の粉末とイットリア安定化ジルコニ
ア(YSZ)の単一粒子15の粉末とを適宜に混合した
混合粉末を燃料電極材料とし、これを第1の実施の形態
と同様の方法で固体電解質2の表面に成膜することを特
徴とする。混合粉末の配合比は、ニッケル母粒子:YS
Z子粒子=1〜9:9〜1の範囲で任意に調整すること
ができる。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0031】<実施例1>平均粒径5ミクロンの酸化ニ
ッケル粉末に表面改質処理材として平均粒径0.5ミク
ロンのサマリアをドープしたセリアの粉末を重量比にし
て80:20で添加して、高速気流中衝撃法によって燃
料電極用複合粒子粉末を得た。
【0032】そしてこの複合粒子粉末に、バインダを重
量比で1:2程度に混合してスラリーとし、空気電極と
固体電解質との円筒基体(外径12mm)に約50ミク
ロンの厚さでコートし、乾燥させた後に1400℃の高
温で12時間焼成し、約50ミクロン厚の燃料電極を成
膜した。
【0033】このようにして燃料電極を成膜した燃料電
池基体における燃料電極の組織構造を観察したが、図2
に示すようにニッケル母粒子12が隣接する母粒子とく
っつき合うことがなく、個々の母粒子12が混合伝導体
子粒子13によって表面を覆われた構造であった。
【0034】そしてこの燃料電池基体を用いて組み立て
た円筒固体電解質型燃料電池の発電特性を調べたとこ
ろ、従来の燃料電極のニッケル粒子が大粒子化したもの
と比べて寿命特性の点で優れていた。
【0035】<実施例2>実施例1と同じ燃料電極材料
粉末を用いて、空気電極と固体電解質との平板形基体
(厚さ600ミクロン)に約60ミクロンの厚さでスラ
リーコートし、乾燥させた後に1400℃の高温で12
時間焼成し、約50ミクロン厚の燃料電極を成膜して平
板形燃料電池基体を得た。
【0036】燃料電極の組織構造を観察したが、実施例
1と同様にニッケル母粒子が隣接する母粒子とくっつき
合うことがなく、個々の母粒子が混合伝導体子粒子によ
って表面を覆われた構造であった。
【0037】そしてこの平板形燃料電池基体を用いて組
み立てた平板形固体電解質型燃料電池の発電特性を調べ
たところ、従来の燃料電極のニッケル粒子が大粒子化し
たものと比べて寿命性能の点で優れていた。
【0038】<実施例3>実施例1と同じ複合粒子の粉
末と平均粒径5ミクロンのYSZ単一粒子の粉末とを
1:1の配合比で混合した粉末に、バインダを重量比で
1:2程度に混合してスラリーとし、空気電極と固体電
解質との円筒基体(外径12mm)に約50ミクロンの
厚さでコートし、乾燥させた後に1400℃の高温で1
2時間焼成し、約50ミクロン厚の燃料電極を成膜し
た。
【0039】このようにして燃料電極を成膜した燃料電
池基体における燃料電極の組織構造を観察したが、図5
に示すようにニッケル複合粒子11とYSZ粒子15と
がよく分散し、またニッケル粒子12が隣接する母粒子
とくっつき合うことがなく、個々のニッケル粒子12が
混合伝導体子粒子13によって表面を覆われた構造であ
った。
【0040】またこの燃料電池基体を用いて組み立てた
円筒固体電解質型燃料電池の発電特性は、従来の燃料電
極のニッケル粒子が大粒子化したものと比べて寿命特性
の点で優れていた。
【0041】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜3の発明の固
体電解質型燃料電池の燃料電極によれば、ニッケル、ニ
ッケル合金、コバルト若しくはコバルト合金粒子を母粒
子とし、混合伝導体粒子を子粒子として母粒子の表面に
付着させた複合粒子、またはこの複合粒子とYSZ単一
粒子との混合物を素材としたので、この複合粒子または
混合物の粉末材料を基体の表面に塗布し、焼成すること
によって成膜された燃料電極では、ニッケルまたはコバ
ルト成分の母粒子の表面に混合伝導体が付着しているた
めに母粒子同士が互いにくっつき合って巨大粒子に成長
することがなく、材料粉末とほぼ等しい粒径の粒子のま
まにとどまっている組織構造となり、三相界面が広く、
またニッケルまたはコバルト成分の母粒子の表面に付着
している混合伝導体の子粒子が高電子伝導性を有してい
るので電子伝導パスも確保することができ、高電子伝導
性、高活性を有する。
【0042】請求項4〜6の発明の固体電解質型燃料電
池の燃料電極成膜方法によれば、ニッケルまたはコバル
ト成分母粒子の表面に混合伝導体が付着しているために
母粒子同士が互いにくっつき合って巨大粒子に成長する
ことがなく、材料粉末とほぼ等しい粒径の粒子のままに
とどまっている組織構造をなす燃料電極を成膜すること
ができ、高電子伝導性、高活性を維持する燃料電極を成
膜することができる。
【0043】請求項7〜9の発明の固体電解質型燃料電
池の燃料電極材料によれば、この燃料電極粉末材料を基
体表面に所定厚さに塗布し、焼成することにより、高電
子伝導性、高活性を有する燃料電極を成膜することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態の燃料電極材料の構
造を示す断面図。
【図2】本発明の1つの実施の形態の燃料電極の成膜状
態を示す断面図。
【図3】本発明の1つの実施の形態の燃料電極の作用を
示す断面図。
【図4】本発明の他の実施の形態の燃料電極材料の構造
を示す断面図。
【図5】本発明の他の実施の形態の燃料電極の成膜状態
を示す断面図。
【図6】一般的な円筒固体電解質型燃料電池の断面図。
【図7】従来例の燃料電極の成膜方法を示す断面図。
【符号の説明】
2 固体電解質 3 燃料電極 11 複合粒子 12 母粒子 13 子粒子 15 YSZ単一粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩澤 力 東京都江東区木場1−5−1 株式会社フ ジクラ内 (72)発明者 兼田 波子 東京都江東区木場1−5−1 株式会社フ ジクラ内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル、ニッケル合金、コバルト若し
    くはコバルト合金粒子を母粒子とし、混合伝導体粒子を
    子粒子として前記母粒子の表面に付着させた複合粒子を
    素材とする固体電解質型燃料電池の燃料電極。
  2. 【請求項2】 ニッケル、ニッケル合金、コバルト若し
    くはコバルト合金粒子を母粒子とし、混合伝導体粒子を
    子粒子として前記母粒子の表面に付着させた複合粒子
    と、イットリア安定化ジルコニア単一粒子との混合物を
    素材とする固体電解質型燃料電池の燃料電極。
  3. 【請求項3】 前記混合伝導体粒子は、サマリア、ガド
    リアまたはイットリアをドープしたセリア粒子であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解質型
    燃料電池の燃料電極。
  4. 【請求項4】 ニッケル、ニッケル合金、コバルト若し
    くはコバルト合金粒子を母粒子とし、混合伝導体粒子を
    子粒子として前記母粒子の表面に付着させた複合粒子の
    粉末を基体表面に所定厚さに塗布し、焼成することを特
    徴とする固体電解質型燃料電池の燃料電極成膜方法。
  5. 【請求項5】 ニッケル、ニッケル合金、コバルト若し
    くはコバルト合金粒子を母粒子とし、混合伝導体粒子を
    子粒子として前記母粒子の表面に付着させた複合粒子
    と、イットリア安定化ジルコニア単一粒子との混合粉末
    を基体表面に所定厚さに塗布し、焼成することを特徴と
    する固体電解質型燃料電池の燃料電極成膜方法。
  6. 【請求項6】 前記混合伝導体粒子は、サマリア、ガド
    リアまたはイットリアをドープしたセリア粒子であるこ
    とを特徴とする請求項4または5に記載の固体電解質型
    燃料電池の燃料電極成膜方法。
  7. 【請求項7】 ニッケル、ニッケル合金、コバルト若し
    くはコバルト合金粒子を母粒子とし、混合伝導体粒子を
    子粒子として前記母粒子の表面に付着させた複合粒子の
    粉末で成る固体電解質型燃料電池の燃料電極材料。
  8. 【請求項8】 ニッケル、ニッケル合金、コバルト若し
    くはコバルト合金粒子を母粒子とし、混合伝導体粒子を
    子粒子として前記母粒子の表面に付着させた複合粒子
    と、イットリア安定化ジルコニア単一粒子との混合粉末
    で成る固体電解質型燃料電池の燃料電極材料。
  9. 【請求項9】 前記混合伝導体粒子は、サマリア、ガド
    リアまたはイットリアをドープしたセリア粒子であるこ
    とを特徴とする請求項7または8に記載の固体電解質型
    燃料電池の燃料電極材料。
JP9206400A 1997-07-31 1997-07-31 固体電解質型燃料電池の燃料電極、その成膜方法及びそれに用いる燃料電極材料 Pending JPH1154131A (ja)

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