JPH08210783A - 火炎溶射補修材料および火炎溶射補修方法 - Google Patents

火炎溶射補修材料および火炎溶射補修方法

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JPH08210783A
JPH08210783A JP6588595A JP6588595A JPH08210783A JP H08210783 A JPH08210783 A JP H08210783A JP 6588595 A JP6588595 A JP 6588595A JP 6588595 A JP6588595 A JP 6588595A JP H08210783 A JPH08210783 A JP H08210783A
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卓 山村
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康雅 福島
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誠治 渡邊
Masato Kumagai
正人 熊谷
Seiji Taguchi
整司 田口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 窯炉などの耐火物損傷箇所の耐火体補修層の
緻密性や接着性を向上でき、補修により耐火物を損傷さ
せることのない、経済性にも優れる火炎溶射補修材料と
火炎溶射補修方法を得る。 【構成】 易被酸化性金属粒子と耐火性酸化物粒子との
混合粉体であって、耐火性酸化物粉体の粒径範囲分布率
が 1.2未満で、耐火性酸化物粉体の積算質量分率の10%
にあたる粒径が、0.5mm 以下の粒径の易被酸化性金属粉
体の積算質量分率の20〜50%にあたる粒径の範囲にあ
り、かつ易被酸化性金属粉体の最大粒径が、耐火性酸化
物粉体の積算質量分率の90%にあたる粒径以下とする火
炎溶射補修材料と、その火炎溶射補修材料を用いて耐火
物表面温度 700℃以上で補修する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、窯炉や金属溶湯用炉
等の内張りなどの耐火物、特にシリカ質の炉壁耐火物の
補修材料として好適な火炎溶射補修材料および火炎溶射
補修方法に関するものである。
【0002】火炎溶射補修材料を用いての損傷炉壁耐火
物の補修は、修復すべき炉壁耐火物材質と略同様な組成
を有する補修用耐火性粉体に、酸化性粉体を配合した混
合粉体を火炎溶射補修材料とし、酸化性粉体を燃焼させ
たときの発熱を利用すると共に、酸化性粉体自身も耐火
性酸化物となり、耐火性粉体と一緒に耐火性補修層を形
成するものである。
【0003】
【従来の技術】これまで、火炎溶射補修技術としては、
例えば、耐火物粒子と混合した50μm以下の易被酸化性
物質粒子を酸素気流中で搬送し、熱間雰囲気中に噴射し
燃焼させて補修層(耐火物)を形成させる特公昭49-463
64号公報(耐火物の形成方法および装置)に開示されて
いる技術、あるいは、耐火性粒体と酸化性粒体の粒径と
粒径分布とを特定した特公平 5-21865号公報(耐火体成
形方法および耐火体成形用組成物)に開示されている技
術などがある。
【0004】特に、特公平 5-21865号公報の火炎溶射補
修技術では、混合物として溶射する粒体の粒度が、耐火
性粒体の80%および20%粒径の平均を酸化性粒体の80%
および20%粒径の平均よりも大きくし、耐火性粒体の粒
径範囲分布(size range spread factors) が 1.2以上に
なるようにすることを特徴とする耐火体成形方法を提供
し、形成される耐火体の気孔率の低減をはかっている。
【0005】ここで、粒径範囲分布率:f(G)は以下
の式であらわされる。 f(G)=2・(G80−G20)/(G80+G20) ただし、G80はその種類の粒体の80%粒径、G20はその
種類の粒体の20%粒径である。
【0006】しかしながら、これらの火炎溶射補修技術
においては、酸化性粒子の燃焼だけでは全体の耐火性粒
子を溶融あるいは半融状態にするには熱量が不足する。
このため、緻密で強固な付着層を得るのは困難になる。
この解決策として、熱量を多くするために酸化性粒子の
量を増加する手段が考えられるが、酸化性粒子の増量に
伴い火炎溶射補修材料の単価が上昇し、コスト低減を目
的とする炉壁耐火物の補修には不向きとなる。
【0007】また、耐火性粒子の粒径の微小な粒子量が
限定されていないため、酸化性粒子の燃焼と同時に耐火
性粒子の微小粒子が優先的に溶融し、これが未燃焼酸化
性粒子を包んでしまい、酸化性粒子が完全に燃焼されな
い場合が多々発生する。
【0008】そして、酸化性粒子が未燃焼のまま炉壁耐
火物や補修層に付着し補修層内に存在すると、この補修
層内の未燃焼酸化性粒子が酸化される時に体積変化が起
こるため、補修層と炉壁耐火物との間の膨張差が生じ、
壁炉から補修層が剥離するなどのトラブルが発生する場
合がある。
【0009】さらに、これまでの火炎溶射補修方法は、
表面が冷えた温度管理されていない炉壁耐火物表面に火
炎溶射補修材料を溶射するため、熱衝撃によって、炉壁
耐火物に亀裂などの損傷の発生あるいは亀裂の進行が生
じる場合があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】耐火性酸化物粉体と易
被酸化性金属粒子とを配合した火炎溶射補修材料を用い
る炉壁耐火物の補修における重要課題は以下の通りであ
る。 易被酸化性金属粒子の燃焼性の向上。 耐火体補修層内への未燃焼易被酸化性金属粒子の混入
防止。 コスト低減。 耐火体補修層の緻密化。 耐火体補修層の炉壁耐火物への接着性の向上。 炉壁耐火物に加わる熱衝撃の緩和。
【0011】したがって、この発明は、耐火性補修層の
緻密性の向上すなわち気孔率の低減など上記課題を有利
に解決できる経済性に優れる火炎溶射補修材料および好
適な火炎溶射補修方法を提案することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者らの実験・検討結
果にもとづく、この発明における上記課題を解決するた
めの手段を以下に記す。
【0013】 易被酸化性金属粒子の燃焼性の向上 溶射される火炎溶射補修材料が炉壁耐火物に到達するま
でに、耐火性酸化物粒子を溶融あるいは半溶融状態に
し、易被酸化性金属粒子の酸化反応を完了させておくこ
とが重要であり、そのため、易被酸化性金属粒子をより
細粒化し、かつ該金属粒子が完全に酸化反応を終了する
まで耐火性酸化物粒子に包まれないような粒度構成とす
る。かくすることにより、易被酸化性金属粒子の燃焼性
は向上し、耐火性酸化物粒子の溶融が容易になる。
【0014】 耐火体補修層内への未燃焼易被酸化性
金属粒子の混入防止 細粒化による易被酸化性金属粒子の燃焼性を向上するこ
とと耐火性酸化物粒子の微小粒子量を減少させることと
で、炉壁あるいは耐火体補修層に易被酸化性金属粒子が
到達する時には該金属粒子は燃焼を完了していて、補修
層内に未燃焼易被酸化性金属粒子が混入することがなく
なる。これにより耐火体補修層の体積変化に起因する炉
壁からの耐火体補修層の剥離は防止できる。
【0015】 コスト低減 易被酸化性金属粒子をより細粒化してその燃焼性を向上
させることで、易被酸化性金属粒子を多量に使用しなく
てもよくなる。なお、易被酸化性金属粒子の燃焼時間が
短すぎると材料を吐出するノズル等への材料の付着が生
じ歩留りが低下するため粒径が小さすぎる易被酸化性金
属粒子は除去することがよい。
【0016】 耐火体補修層の緻密化 耐火性酸化物粉体の粒径範囲分布率を 1.2未満とし、か
つ細粒化による易被酸化性金属粒子の燃焼性をよくする
ことで、耐火性酸化物粒子の溶融あるいは半溶融状態に
することが容易になり、補修層の緻密性を向上できる。
【0017】 耐火体補修層の炉壁耐火物への接着性
の向上 (4)項に記載と同様の手段により、耐火性酸化物粒子を
溶融あるいは半溶融状態にすることが容易となり、炉壁
耐火物への接着性を向上できる。
【0018】 炉壁耐火物に加わる熱衝撃の緩和 特にシリカ質れんがの熱膨脹は300 〜500 ℃の温度域で
大きく、それ以上の温度ではほとんど変化しない。した
がって、補修する炉壁耐火物表面温度を高温に管理する
ことで、熱衝撃が緩和され、炉壁耐火物の損傷や亀裂の
進行を防止でき、ひいては健全な補修層も得られる。
【0019】この発明は、以上の手段を総合し、上記し
た課題を解決するものである。すなわち、この発明の要
旨とするところは以下の通りである。
【0020】(1) 溶射して耐火物を補修する、耐火性酸
化物粉体の一種以上と燃焼して耐火性酸化物を形成する
易被酸化性金属粒子の一種以上との混合粉体からなる火
炎溶射補修材料であって、耐火性酸化物粉体の粒径範囲
分布率が 1.2未満で、耐火性酸化物粉体の積算質量分率
の10%にあたる粒径が、0.5mm 以下の粒径の易被酸化性
金属粉体の積算質量分率の20〜50%にあたる粒径の範囲
にあり、かつ易被酸化性金属粉体の最大粒径が、耐火性
酸化物粉体の積算質量分率の90%にあたる粒径以下とす
ることを特徴とする火炎溶射補修材料(第1発明)。
【0021】(2) 第1発明の火炎溶射補修材料を 700℃
以上の温度の耐火物表面へ溶射することを特徴とする火
炎溶射補修方法(第2発明)。
【0022】そして、この発明になる火炎溶射補修材料
は、気流で搬送し、易被酸化性金属粒子を燃焼させ、耐
火性酸化物粒子の表面あるいは全体を溶融または半溶融
状態にし、炉壁耐火物損傷部に吹き付けることにより炉
壁に耐火体補修層を形成させ、炉壁耐火物の損傷部を修
復する。この時、易被酸化性金属粒子自身は酸化熱を発
生すると同時に、耐火性溶融酸化物となり、溶融あるい
は半溶融状態の耐火性酸化物粒子と融合し緻密な耐火体
補修層を形成する。
【0023】ここで、粒径範囲分布率:f(G)は、下
記式であらわされる。 f(G)=2・(G80−G20)/(G80+G20) ただし、 G80:粉体の積算質量分率80%の粒径 G20:粉体の積算質量分率20%の粒径
【0024】
【作用】この発明の作用について以下に述べる。この発
明において、その火炎溶射補修材料を溶射して形成され
る耐火体補修層の気孔率を低減できるのは、使用する耐
火性酸化物粉体の粒径範囲分布率を 1.2未満とし、該粉
体の積算質量分率と、粒径が 0.5mm以下の易被酸化性金
属粉体の積算質量分率とを互いに拘束し合わせる火炎溶
射補修材料とすることにある。
【0025】火炎溶射補修材料を溶射して耐火体補修層
を形成するにあたって、易被酸化性金属粒子の粒径が大
き過ぎると燃焼しきれないまま補修層内に混入してしま
い補修層が剥離するなどのトラブルを生じたり熱エネル
ギーの損失が大きくなったりする。
【0026】また、易被酸化性金属粉体の燃焼に際し、
耐火性酸化物粉体の粒径のバラツキが大きいとこれらを
溶融あるいは半溶融状態にする時間差が大きくなり耐火
体補修層の緻密性に悪影響をおよぼし、さらに耐火性酸
化物粉体の微小粒子量を限定しないと易被酸化性金属粒
子の燃焼と同時に耐火性酸化物微小粒子が金属粒子に融
着して未燃焼金属粒子を耐火性酸化物で包んでしまい未
燃焼金属粒子が補修層内に混入し上記と同様に剥離など
の問題を生じる。
【0027】そこで、この発明においては、粒径範囲分
布率が 1.2未満の耐火性酸化物粉体の積算質量分率の10
%にあたる粒子径が、 0.5mm以下の易被酸化性金属粉体
の積算質量分率の20〜50%にあたる粒径の範囲にあり、
かつ易被酸化性金属粉体の最大粒径が、耐火性酸化物粉
体の積算質量分率の90%にあたる粒径以下とする火炎溶
射補修材料とし、上記問題を解決するものである。
【0028】すなわち、耐火性酸化物粉体の粒径範囲分
布率を 1.2未満としたのは、その粒径のバラツキを小さ
くして耐火性酸化物粒子の溶融・半融化を均一化し耐火
体補修層の緻密性を向上させるためである。
【0029】また、耐火性酸化物粉体の積算質量分率の
10%にあたる粒径が易被酸化性金属粉体の積算質量分率
の50%以下にあたる粒径と規定したのは、これより大き
い粒径の耐火性酸化物粒子ではその溶融・半融化が不十
分となり緻密な耐火体補修層が形成されなく、耐火性酸
化物粉体の積算質量分率の10%にあたる粒径が易被酸化
性金属粉体の積算質量分率の20%以上にあたる粒径と規
定したのは、これより小さい粒径の耐火性酸化物微小粒
子が多く含まれると、易被酸化性金属粒子が十分に燃焼
しないうちにそれらの耐火性酸化物微小粒子が易被酸化
性金属粒子に融着して該金属粒子を包んでしまい、未燃
焼の易被酸化性金属粒子が耐火体補修層内に混入して耐
火体補修層が剥離するなどのトラブルを生じるためであ
る。
【0030】一方、易被酸化性金属粉体の粒径を 0.5mm
以下とし、その最大粒径を耐火性酸化物粉体の積算質量
分率の90%にあたる粒径としたのは、耐火性酸化物粉体
の溶融・半融化と関連させて易被酸化性金属粉体の燃焼
性の向上をはかったものであり、易被酸化性金属粒子の
粒径が大きすぎると十分に燃焼しないままこれが耐火体
補修層に達して該補修層内に混入してしまい、上記した
ような耐火体補修層の剥離などのトラブルを生じ、また
熱的エネルギーの損失も大きくなり耐火性酸化物粒子の
溶融・半融化が不十分となり耐火体補修層の緻密性が損
なわれる。
【0031】なお、易被酸化性金属粉体において粒径の
小さすぎる微小粒子が多く含まれると、これらの微小金
属粒子は容易に溶融して吐出ノズル等へ融着し歩留りが
低下するとともに火炎溶射の作業性を損なうことがあ
る。また微小金属粒子は混合中あるいは溶射装置への搬
入中等での発火や、搬送管内での圧力低下等に起因する
逆火等の恐れがあり危険が伴う。したがって易被酸化性
金属粉体は微小金属粒子を除去しておくことが好まし
い。
【0032】以上、この発明になる火炎溶射補修材料を
用いれば、易被酸化性金属粉体の酸化・燃焼性の向上、
炉壁への接着性はもちろんのこと耐火体補修層自身の緻
密性も向上できる効果を有する。ここで、易被酸化性金
属粒子としては、Si, Mn, Al, Mg, SiMn, CaSi, FeSi,F
eMn, FeCrおよびCaC2等のうちのいずれか一種以上とす
ることでよく、また耐火性酸化物粒子としては、シリ
カ、アルミナ、ムライト、シャモット系、ジルコン、ジ
ルコニア、スピネル、マグネシアおよびマグクロ等のう
ちのいずれか一種以上とすることでよい。これらは耐火
性補修層の目標組成に合わせて易被酸化性金属粉体と耐
火性酸化物粉体とを配合することにより目的を達成でき
る。
【0033】なお、この発明においては、耐火性酸化物
粒子および易被酸化性金属粒子の性状については特に規
定するものではなく、粉体の粒度測定法に関しては常法
にしたがうことでよい。すなわち粒度測定法としては、
光学・電子顕微鏡法、ふるい分け法、重力・遠心沈降
法、光透過法、比表面積測定による吸着法等がある。
【0034】つぎに、この発明においては、補修する炉
壁耐火物の表面温度を高温に管理した状態で上記火炎溶
射補修材料を溶射し、補修する。
【0035】これまでの火炎溶射補修方法は、前記した
ように冷却された状態の炉壁耐火物表面に火炎あるいは
燃焼によって、溶融あるいは半溶融状態の粒子を付着さ
せ補修する方法であり、特に炉壁耐火物表面温度の管理
はなされていなかった。したがって、冷えた状態の炉壁
耐火物表面に火炎溶射補修材料を溶射すると、溶射によ
って炉壁耐火物表面が急激に加熱され、その熱衝撃によ
って炉壁耐火物の損傷あるいは亀裂の進行を引き起すこ
とになる。
【0036】なお、一般に、コークス炉炭化室内面の炉
壁耐火物の補修の際には、炉壁耐火物の補修面の背面は
燃焼室になっているためその背面温度は高く炉壁耐火物
の厚さ方向に温度勾配がある状態で火炎溶射補修材料が
溶射されるが、この場合においても上記と同様に熱衝撃
による炉壁耐火物の損傷あるいは亀裂の進行を引き起
す。
【0037】そこで、上記現象について、熱応力計算と
実験とを重ねた結果、れんが(炉壁耐火材)の表面温度
が 700℃未満で火炎溶射補修を行った場合には、れんが
の破壊強度を超える応力が発生し、れんがに損傷や亀裂
などの進行が生じること、逆にれんがの表面温度を 700
℃以上にして火炎溶射補修を行った場合には、れんがに
発生する応力はれんがの破壊強度以下となり、れんがに
は損傷や亀裂の進行が生じないこと、などが確認され
た。
【0038】したがって、炉壁耐火物の火炎溶射補修を
行うにあたっては、炉壁耐火物の表面温度を 700℃以上
とすることが重要で、かくすることにより、炉壁耐火物
の損傷や亀裂の進行を防止でき、ひいては健全な耐火体
補修層を得ることができる。
【0039】
【実施例】
実施例1 図1〜3に示す粒度分布のシリカ質の耐火性酸化物粉体
と、図4〜10に示す粒度分布の金属シリコンの易被酸化
性金属粉体とから選んだ各一種づつを重量比で(耐火性
酸化物粉体):(易被酸化性金属粉体)=95:5〜70:
30の範囲で混合して火炎溶射補修材料とし、これらの火
炎溶射補修材料を用い、雰囲気温度 750℃の実験炉に設
置した基体れんがに火炎溶射し付着層(耐火体補修層)
を形成させ、材料歩留り、付着層中の未燃焼金属粒子の
混入率および付着層の見かけ気孔率などを調査した。
【0040】火炎溶射補修材料の物性と調査結果を表1
にまとめて示す。
【表1】
【0041】ここで、図1は粒径範囲分布率f(G)が
1.16の耐火性酸化物粉体の粒度分布を示すグラフで、積
算質量分率の10%の粒径が 5.4μm、90%の粒径が 202
μmのシリカ質粉体、図2は粒径範囲分布率f(G)が
1.12の耐火性酸化物粉体の粒度分布を示すグラフで、積
算質量分率の10%の粒径が21μm、90%の粒径が 580μ
mのシリカ質粉体、図3は粒径範囲分布率f(G)が1.
72の耐火性酸化物粉体の粒度分布を示すグラフで、積算
質量分率の10%の粒径が 4.0μm、90%の粒径が98μm
のシリカ質粉体であり、図4は最大粒径が80μmの易被
酸化性金属粉体の粒度分布を示すグラフで、積算質量分
率の20%の粒径が 1.9μm、50%の粒径が29μmの金属
シリコン粉体、図5は最大粒径が80μmの易被酸化性金
属粉体の粒度分布を示すグラフで、積算質量分率の20%
の粒径が 4.8μm、50%の粒径が32μmの金属シリコン
粉体、図6は最大粒径が99μmの易被酸化性金属粉体の
粒度分布を示すグラフで、積算質量分率の20%の粒径が
0.54μm、50%の粒径が6μmの金属シリコン粉体、図
7は最大粒径が 450μmの易被酸化性金属粉体の粒度分
布を示すグラフで、積算質量分率の20%の粒径が 1.9μ
m、50%の粒径が 200μmの金属シリコン粉体、図8は
最大粒径が 275μmの易被酸化性金属粉体の粒度分布を
示すグラフで、積算質量分率の20%の粒径が 2.5μm、
50%の粒径が32μmの金属シリコン粉体、図9は最大粒
径が47μmの易被酸化性金属粉体の粒度分布を示すグラ
フで、積算質量分率の20%の粒径が0.22μm、50%の粒
径が0.58μmの金属シリコン粉体、図10は最大粒径が 5
50μmの易被酸化性金属粉体の粒度分布を示すグラフ
で、積算質量分率の20%の粒径が2μm、50%の粒径が
220μmの金属シリコン粉体である。
【0042】表1から明らかなように、比較例に比しこ
の発明に適合する火炎溶射補修材料を用いた適合例は、
易被酸化性金属粒子の燃焼性がよく付着層中への未燃焼
金属粒子の混入がなく、付着層の気孔率が低くその緻密
性に優れ、さらに火炎溶射補修材料の歩留りも向上して
いる。
【0043】実施例2 シリカ質の耐火性酸化物粉体:85wt%と金属シリコンの
易被酸化性金属粉体:15wt%との混合粉体からなるこの
発明に適合する火炎溶射補修材料を、背面温度を1200℃
とし表面温度を 500〜900 ℃の範囲で変化させたコーク
ス炉で使用されていた亀裂の多数存在するシリカ質れん
がに、火炎溶射処理したのち、各れんがの損傷状況とし
て亀裂の進行状況を調査した。これらの調査結果を表2
にまとめて示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2から明らかなように、れんがの表面温
度を 700℃以上として火炎溶射したこの発明の適合例に
は亀裂の進行は見られないのに対し、れんがの表面温度
を 650℃以下とした比較例には、亀裂の進行が見られ
る。
【0046】
【発明の効果】この発明は、耐火性酸化物粒子と易被酸
化性金属粒子との混合粉体からなり、かつ、粒径範囲を
特定した耐火性酸化物粉体の積算質量分率と、特定粒径
以下の易被酸化性金属粉体の積算質量分率とが互い拘束
し合う火炎溶射補修材料および火炎溶射補修方法であっ
て、この発明になる火炎溶射補修材料を用いて窯炉や金
属溶湯用炉などの内張り耐火物の損傷部を補修すれば、
易被酸化性金属粉体の燃焼性が向上することにより火炎
溶射補修用材料自身のコストが低減できるとともに接着
性に優れる緻密な耐火体補修層が形成でき、さらに炉壁
耐火物表面温度を 700℃以上で補修すれば炉壁を損傷さ
せることなく補修でき耐火物の寿命を大幅に向上でき
る。このようなことから、耐火物原単位および原単価の
低減や操業安定性にも寄与することのほか、補修作業に
おける安定性および作業性が向上し、コストも低減す
る。したがって、この発明になる火炎溶射補修材料およ
び火炎溶射補修方法は、各種炉の補修に極めて有利に適
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた粒径範囲分布が1.16の耐火性酸
化物粉体の粒度分布を示すグラフである。
【図2】実施例で用いた粒径範囲分布が1.12の耐火性酸
化物粉体の粒度分布を示すグラフである。
【図3】実施例で用いた粒径範囲分布が1.72の耐火性酸
化物粉体の粒度分布を示すグラフである。
【図4】実施例で用いた最大粒径が80μmの易被酸化性
金属粉体の粒度分布を示すグラフである。
【図5】実施例で用いた最大粒径が80μmの易被酸化性
金属粉体の粒度分布を示すグラフである。
【図6】実施例で用いた最大粒径が99μmの易被酸化性
金属粉体の粒度分布を示すグラフである。
【図7】実施例で用いた最大粒径が 450μmの易被酸化
性金属粉体の粒度分布を示すグラフである。
【図8】実施例で用いた最大粒径が 275μmの易被酸化
性金属粉体の粒度分布を示すグラフである。
【図9】実施例で用いた最大粒径が47μmの易被酸化性
金属粉体の粒度分布を示すグラフである。
【図10】実施例で用いた最大粒径が 550μmの易被酸
化性金属粉体の粒度分布を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 誠治 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 熊谷 正人 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 田口 整司 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶射して耐火物を補修する、耐火性酸化
    物粉体の一種以上と燃焼して耐火性酸化物を形成する易
    被酸化性金属粉体の一種以上との混合粉体とからなる火
    炎溶射補修材料であって、 耐火性酸化物粉体の粒径範囲分布率が 1.2未満で、耐火
    性酸化物粉体の積算質量分率の10%にあたる粒径が、0.
    5mm 以下の粒径の易被酸化性金属粉体の積算質量分率の
    20〜50%にあたる粒径の範囲にあり、かつ易被酸化性金
    属粉体の最大粒径が、耐火性酸化物粉体の積算質量分率
    の90%にあたる粒径以下とすることを特徴とする火炎溶
    射補修材料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の火炎溶射補修材料を 7
    00℃以上の温度の耐火物表面へ溶射することを特徴とす
    る火炎溶射補修方法。
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