JPH08210665A - 空気調和装置用室外機 - Google Patents

空気調和装置用室外機

Info

Publication number
JPH08210665A
JPH08210665A JP4871695A JP4871695A JPH08210665A JP H08210665 A JPH08210665 A JP H08210665A JP 4871695 A JP4871695 A JP 4871695A JP 4871695 A JP4871695 A JP 4871695A JP H08210665 A JPH08210665 A JP H08210665A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
impeller
outdoor unit
flow
air conditioner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4871695A
Other languages
English (en)
Inventor
Kanjiro Kinoshita
歓治郎 木下
Seiji Sato
誠司 佐藤
Tadashi Onishi
正 大西
Shimei Tei
志明 鄭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP4871695A priority Critical patent/JPH08210665A/ja
Publication of JPH08210665A publication Critical patent/JPH08210665A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Air-Conditioning Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸流送風機による吹出空気流を半径方向に2
分することにより、空気吹出グリルの通過風速分布を改
善し、もって通過騒音の低減を図る。 【構成】 軸流送風機1と、該軸流送風機1の吸込側に
配設された熱交換器2と、上記軸流送風機1の吹出側に
おいて該軸流送風機1の羽根車6の羽根後縁9に対向し
て配設され且つ該羽根車6の外径より大きな通路面積を
有する空気吹出グリル3(例えば、平行に並ぶ多数の平
行桟10,10・・により構成されたもの)と、上記羽
根車6の外周を囲繞するファンガイド4とを備えた空気
調和装置用室外機において、上記羽根車6の出口と上記
空気吹出グリル3との間に、上記羽根車6の羽根後縁9
において吹出空気流を内周側と外周側とに2分する流れ
制御部材14を配設している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、先の出願である特願
平6−302443号を基礎とする特許法第42条の2
第1項の規定に基くものであり、同出願と同様の空気調
和装置用室外機に関し、さらに詳しくは特に空気吹出グ
リル部で発生する騒音の低減を可能とした空気調和装置
用室外機の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から良く知られている空気調和装置
用室外機は、例えば図16および図17に示すように、
軸流送風機1を備え、該軸流送風機1の空気吸込側およ
び空気吹出側に熱交換器2および空気吹出グリル3をそ
れぞれ配設し、且つ該軸流送風機1の羽根車6の外周を
ファンガイド4で囲繞して構成されている。そして、該
最近の空気調和装置用室外機は、エクステリア性向上の
見地から空気吹出グリル3として格子状のグリル構造が
採用されるケースが増えている。
【0003】このような構成の空気調和装置用室外機の
場合、従来から運転騒音の低減が重要な課題とされてい
る。
【0004】該空気調和装置用室外機における運転騒音
は、上記軸流送風機1自体の発生騒音と吹出空気流が上
記空気吹出グリル3を通過する際に生ずる騒音とに大別
されるが、従来から少くとも軸流送風機1自体の発生騒
音の低減については種々の工夫が凝らされてきており、
一応軸流送風機1自体の発生騒音は相当に低減されるよ
うになってきている。
【0005】ところが、一方、そのように軸流送風機1
自体の発生騒音が低減されるようになった結果、騒音源
として上記空気吹出グリル3を通過する際に発生する騒
音が支配的となってきており、当該空気吹出グリル部の
騒音の低減を図ることが新な課題となってきている。
【0006】特に、空気吹出グリル3として、上記のよ
うな格子状のグリル構造を採用した場合に該問題は顕著
となる。
【0007】このような事情から、例えば上記空気吹出
グリル3の構造を改善し、格子状グリルにおける水平桟
10,10・・・を空気流上流側の半楕円部が空気流下
流側の半楕円部よりも大きくなるように、同空気流上流
側と下流側とに二分された断面楕円形状のものとなすこ
とにより、吹出空気流と空気吹出グリル3との干渉音並
びに剥離音をそれぞれ低減し得るようにしたものが既に
提案されている(例えば、特開平5ー202898号公
報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公知例
におけるように、空気吹出グリルの水平桟10,10・
・・の形状に工夫を凝らしたとしても、上記空気吹出グ
リル3を通過する際に生ずる騒音の低減には、以下に述
べるような理由により限界がある。
【0009】即ち、空気調和装置用室外機における吹出
空気流Wは、上記軸流送風機(プロペラファン)1により
発生されるものなので、どうしても噴流状の流れとなら
ざるを得ない。そして、この噴流状の流れが上記のよう
な格子状の空気吹出グリル3を通過するため、通過風速
が大きくなり、発生騒音が大きくなる。
【0010】例えば、今小風量高機内抵抗で運転されて
いる場合には、例えば図16に示すように、軸流送風機
1における羽根8の後縁9のチップ側端部9b域に偏っ
て大きな風速を有する吹出風速分布F′が生ずる結果、
上記空気吹出グリル3を通過する空気流の通過風速分布
Fにおいて図示の如く局部的に風速が大きくなる偏流部
が生ずる。このような偏流部ができると、騒音が風速の
6乗に比例するため、大きな騒音発生となる。
【0011】一方、大風量低機内抵抗で運転されている
場合には、図17に示すように上記軸流送風機1におけ
る羽根8の後縁9の中間部側(ハブ側)端部9a寄りに偏
って大きな風速を有する吹出風速分布F′が生ずる結
果、上記空気吹出グリル3を通過する空気流の通過風速
分布Fにおいて局部的に風速が大きくなる偏流部が生ず
る。このような偏流部ができると、やはり騒音が風速の
6乗に比例するため、大きな騒音発生となる。特に、図
2のように空気吹出グリル3が多数の平行桟10,10
・・10,10・・により構成されている場合に、上記
軸流送風機1の吹出空気流が非対称流れとなるところか
ら上記騒音が大きくなる。
【0012】上記のような通過風速分布Fにおける各偏
流部の発生を抑制することができれば、空気吹出グリル
3を通過する際に発生する騒音を大幅に低減できること
になる。
【0013】本願発明は、上記のような事情に鑑みてな
されたもので、軸流送風機による吹出空気流を半径方向
に2分することにより、空気吹出グリル部の通過風速分
布を改善し、もって可能な限り上述のような通過風騒音
の低減を図るようにした空気調和装置用室外機を提供す
ることを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1〜11各
項記載の発明は、上記の目的を達成するために、それぞ
れ次のような有効な課題解決手段を備えて構成されてい
る。
【0015】(1) 請求項1記載の発明の課題解決手段 該発明は、例えば図1〜図8に示すように軸流送風機1
と、該軸流送風機1の空気吸込側に配設された熱交換器
2と、上記軸流送風機1の空気吹出側において同軸流送
風機1の羽根車6の羽根後縁9に対向して配設され且つ
該羽根車6の外径より大きな通路面積を有する空気吹出
グリル(例えば、平行に並ぶ多数の平行桟10,10・・
・により構成された格子状のもの)と、上記羽根車6の
外周を囲繞するファンガイド4とを備えた空気調和装置
用室外機において、上記羽根車6の出口と上記空気吹出
グリル3との間に、上記羽根車6の羽根後縁9において
吹出空気流を内周側と外周側とに2分する流れ制御部材
14を配設して構成している。
【0016】(2) 請求項2記載の発明の課題解決手段 該発明は、例えば図1に示すように、上記請求項1記載
の発明の構成において、上記流れ制御部材14を、上記
羽根車6の羽根8に固着して構成している。
【0017】(3) 請求項3記載の発明の課題解決手段 該発明は、例えば図4に示すように、上記請求項1記載
の発明の構成において、上記流れ制御部材14を上記空
気吹出グリル3の内面に固着して構成している。
【0018】(4) 請求項4記載の発明の課題解決手段 該発明は、例えば図5〜図7に示すように、上記請求項
1,2又は3記載の各発明の構成において、上記羽根車
6における羽根後縁9を、ハブ側端部9aからチップ側
端部9bに向かって上流側に傾斜させることによって、
上記流れ制御部材14により半径方向外側へ分流させる
流れを効果的に促進し得るように構成している。
【0019】(5) 請求項5記載の発明の課題解決手段 該発明は、例えば図7に示すように、上記請求項4記載
の発明の構成において、上記ファンガイド4における羽
根ガイド部12の下流端を、上記羽根後縁9におけるチ
ップ側端部9bと対向する位置に設定することによっ
て、上記空気吹出グリル3との間に半径方向への吹出空
気流入用の大きな空間Sを確保し、空気吹出グリル3部
分の通過風速分布を改善するように構成している。
【0020】(6) 請求項6記載の発明の課題解決手段 該発明は、例えば図1〜図7に示すように、上記請求項
1,2,3,4又は5記載の各発明の構成において、上記
空気吹出グリル3を平行に並ぶ多数の平行桟10,10
・・・によって構成している。
【0021】(7) 請求項7記載の発明の課題解決手段 該発明は、例えば図8〜図15に示すように、軸流送風
機1と、該軸流送風機1の空気吸込側に配設された熱交
換器2と、上記軸流送風機1の空気吹出側において同軸
流送風機1の羽根車6の羽根後縁9に対向して配設され
且つ該羽根車6の外径よりも大きな通路面積を有する空
気吹出グリル3と、上記羽根車6の外周を囲繞する上流
側から下流側にかけて径が小さくなるように湾曲したフ
ァンガイド4とを備えた空気調和装置用室外機におい
て、上記ファンガイド4の湾曲終了点を上記羽根車6の
ハブ7後面側端部よりも上流側に設定するとともに当該
湾曲終了点から下流側の空気吹出通路面積を上記空気吹
出グリル3の通路面積と略等しくなるように急に拡大し
て構成している。
【0022】(8) 請求項8記載の発明の課題解決手段 該発明は、例えば図8に示すように、上記請求項7記載
の発明の構成において、上記羽根車6の羽根後縁9を、
ハブ7後面側端部から半径方向同一面上に延設して構成
されている。
【0023】(9) 請求項9記載の発明の課題解決手段 該発明は、上記請求項7記載の発明の構成において、上
記羽根車6における羽根後縁9を、ハブ後面側端部9a
からチップ側端部9bに向かって上流側に傾斜させ、フ
ァンガイド4の湾曲終了点に対応せしめて構成されてい
る。
【0024】(10) 請求項10記載の発明の課題解決
手段 該発明は、軸流送風機1と、該軸流送風機1の空気吸込
側に配設された熱交換器2と、上記軸流送風機1の空気
吹出側において同軸流送風機1の羽根車6の羽根後縁9
に対向して配設され且つ該羽根車6の外径よりも大きな
通路面積を有する空気吹出グリル3と、上記羽根車6の
外周を囲繞する上流側から下流側にかけて径が小さくな
るように湾曲したファンガイド4とを備えた空気調和装
置用室外機において、上記ファンガイド4の湾曲終了点
を上記羽根車6のハブ後面側端部9aよりも上流側に設
定するとともに当該湾曲終了点から下流側ハブ後面半径
方向延長線位置までの空気吹出通路面積を徐々に上記空
気吹出グリル3の通路面積と略等しくなるように緩かに
拡大して構成されている。
【0025】(11) 請求項11記載の発明の課題解決
手段 該発明は、上記請求項10記載の発明の構成において、
上記羽根車6の羽根後縁9を、ハブ後面側端部9aから
チップ側端部9bに向かって上流側に傾斜させ、ファン
ガイド4の湾曲終了点に対応せしめて構成されいてる。
【0026】
【作用】本願の請求項1〜11各項記載の発明の構成で
は、上記各課題解決手段に対応して各々次のような作用
が得られる。
【0027】(1) 請求項1記載の発明の作用 該発明の構成では、軸流送風機1から吹き出される吹出
空気流が上記流れ制御部材14により半径方向に二分さ
れた分散状態で空気吹出グリル3に向かって流れるよう
になるため、空気吹出グリル3を通過する空気流の通過
風速分布に偏流部が生じることがなくなり、全体として
の吹出風量の低下を伴うことなく通過風速の低減作用が
得られる。
【0028】その結果、空気吹出グリル3部分通過時に
おける発生騒音が低下する。
【0029】(2) 請求項2記載の発明の作用 該発明の構成では、上記流れ制御部材14が上記羽根車
6の羽根8に固着されていることから、該羽根車6に固
着されて羽根車6と一緒に回転する流れ制御部材14に
よって、羽根車6出口部における吹出空気流がスムーズ
に半径方向外側に2分される。
【0030】(3) 請求項3記載の発明の作用 該発明の構成では、上記流れ制御部材14が上記空気吹
出グリル3の内面に固着されていることから、上記羽根
車6に固着されている場合に比べて羽根車6の成形が容
易になるとともに該空気吹出グリル3と一体かつ連続す
る流れ制御部材14によって、羽根車6の出口部におけ
る吹出空気流がスムーズに半径方向外側に2分される。
【0031】(4) 請求項4記載の発明の作用 該発明の構成では、上記請求項1記載の発明の構成にお
いて、羽根車6における羽根後縁9を、ハブ側端部9a
からチップ側端部9bに向かって上流側に傾斜させてい
るので、羽根車6の出口側における半径方向外向きへの
流れが有効に促進されることになり、流れ制御部材14
により半径方向外側へ分散される流れをより促進するこ
とができる。
【0032】(5) 請求項5記載の発明の作用 該発明の構成では、上記請求項1記載の発明における上
記ファンガイド4における羽根ガイド部12の下流端、
すなわち湾曲部終了点を、上記羽根後縁9におけるチッ
プ側端部9bと対向する位置になるように構成している
ので、羽根車6出口側における半径方向外向きへの流れ
がより有効に促進されるようになり、上記流れ制御部材
14により半径方向に2分される吹出流の分散効果も一
層高くなる。
【0033】(6) 請求項6記載の発明の作用 該発明の構成では、上記請求項1記載の発明の構成にお
ける上記空気吹出グリル3を、平行に並ぶ多数の平行桟
10,10・・・により構成している。
【0034】前述のように空気吹出グリル3を格子状に
構成すると、エクステリア性が向上し、見映えの良いも
のとなる。
【0035】ところが、従来の構成のままでは、羽根車
6からの吹出空気流が噴流となるので、偏流を生じて、
当該グリル3部での騒音が大きくなっていた。しかし、
上述のように上記請求項1記載の発明の構成では、当該
グリル3部での吹出空気流を半径方向に2分して偏流を
防止できるので、多数の平行桟10,10・・・を備え
た格子状のグリルを採用しても騒音を低く抑えることが
できる。従って、格子状グリル採用によるエクステリア
性向上効果を有効に発揮させ得ることになる。
【0036】(7) 請求項7記載の発明の作用 該発明の構成では、上記のように、軸流送風機1と、該
軸流送風機1の空気吸込側に配設された熱交換器2と、
上記軸流送風機1の空気吹出側において同軸流送風機1
の羽根車6の羽根後縁9に対向して配設され且つ該羽根
車6の外径よりも大きな通路面積を有する空気吹出グリ
ル3と、上記羽根車6の外周を囲繞する上流側から下流
側にかけて径が小さくなるように湾曲したファンガイド
4とを備えた空気調和装置用室外機において、上記ファ
ンガイド4の湾曲終了点を上記羽根車6のハブ7後面側
端部よりも上流側に設定するとともに当該湾曲終了点か
ら下流側の空気吹出通路面積を上記空気吹出グリル3の
通路面積と略等しくなるように急に拡大して構成してい
る。
【0037】このように構成すると、上記空気吹出グリ
ル3の半径方向外周部側に大きく拡大して空気流が流れ
得る所定前後幅かつ大径の空気吹出流拡大空間Sが確保
されるようになり、しかも、上記ファンガイド4の下流
端が羽根8のハブ後端よりも相当に上流側にあることに
なって上記空気吹出流拡大空間S内へ羽根8のチップ部
付近からの空気流が半径方向に大きく広がりながら効果
的に導入されるようになる。
【0038】したがって、今上記軸流送風機1が駆動さ
れると、該軸流送風機1から吹き出される吹出空気流W
が、上記羽根8本来の外周寄り位置の空気流と羽根8外
周側半径方向外方への拡大流とに分流され、結局半径方
向に2分された2層の分流状態で空気吹出グリル3に向
かって流れることになる。そのため、上記空気吹出グリ
ル3を通過する吹出空気流Wの通過風速分布F′には偏
流部が生じることがなくなり、全体としての吹出風量を
低下させることなく通過風速の低減作用が得られる。そ
の結果、空気吹出グリル3を通過する際に発生する騒音
の低減が可能となり、室外機の運転騒音の低減に寄与す
ることができるようになる。
【0039】(8) 請求項8記載の発明の作用 該発明の構成では、上記のように、上記請求項7記載の
発明の構成において、上記羽根車6の羽根後縁9を、ハ
ブ7後面側端部から半径方向同一面上に延設して構成さ
れている。
【0040】このような構成にすると、上記同様空気吹
出グリル3の半径方向外周部側に大きく拡大して空気流
が流れ得る所定前後幅かつ大径の空気吹出流拡大空間S
が確保されるようになり、しかも、上記ファンガイド4
の下流端が、羽根8の後縁9のチップ側端部9bよりも
相当に上流側にあることになって上記空気吹出流拡大空
間S内へ羽根8のチップ部付近からの空気流が半径方向
に大きく広がりながら効果的に導入されるようになる。
【0041】したがって、今上記軸流送風機1が駆動さ
れると、該軸流送風機1から吹き出される吹出空気流W
が、上記羽根8本来の外周寄り位置の空気流と羽根8外
周側半径方向外方への拡大流とに効果的に分流され、結
局半径方向に2分された2層の分流状態で空気吹出グリ
ル3に向かって流れることになる。そのため、上記空気
吹出グリル3を通過する吹出空気流Wの通過風速分布
F′には偏流部が生じることがなくなり、全体としての
吹出風量を低下させることなく通過風速の低減作用が得
られる。その結果、空気吹出グリル3を通過する際に発
生する騒音の低減が可能となり、室外機の運転騒音の低
減に寄与することができるようになる。
【0042】(9) 請求項9記載の発明の作用 該発明の構成では、上記のように上記請求項7記載の発
明の構成において、上記羽根車6における羽根後縁9
を、ハブ後面側端部9aからチップ側端部9bに向かって
上流側に傾斜させ、それによって上記ファンガイド4の
湾曲終了点に対応せしめて構成されている。
【0043】したがって、該構成によると、上記羽根車
6本来の羽根チップ部寄りの噴流度が低下する一方、上
記空気吹出流拡大空間Sの実質的な拡大を図ることがで
き、より半径方向外方への吹出空気流の分流作用を高く
することができるようになる。
【0044】(10) 請求項10記載の発明の作用 該発明の構成では、上記のように、軸流送風機1と、該
軸流送風機1の空気吸込側に配設された熱交換器2と、
上記軸流送風機1の空気吹出側において同軸流送風機1
の羽根車6の羽根後縁9に対向して配設され且つ該羽根
車6の外径よりも大きな通路面積を有する空気吹出グリ
ル3と、上記羽根車6の外周を囲繞する上流側から下流
側にかけて径が小さくなるように湾曲したファンガイド
4とを備えた空気調和装置用室外機において、上記ファ
ンガイド4の湾曲終了点を上記羽根車6のハブ後面側端
部9aよりも上流側に設定するとともに当該湾曲終了点
から下流側ハブ後面半径方向延長線位置までの空気吹出
通路面積を徐々に上記空気吹出グリル3の通路面積と略
等しくなるように緩かに拡大して構成されている。
【0045】このように構成すると、上記空気吹出グリ
ル3の半径方向外周部側に大きく拡大して空気流が流れ
得る所定前後幅かつ大径の空気吹出流拡大空間Sが確保
されるようになり、しかも、上記ファンガイド4の下流
端が羽根8のハブ後端よりも相当に上流側にあることに
なって上記空気吹出流拡大空間S内へ羽根8のチップ部
付近からの空気流が、上記ファンガイド4の下流端以後
の部分で剥離渦を形成することなく、よりスムーズな状
態で半径方向に大きく広がりながら効果的に導入される
ようになる。
【0046】したがって、今上記軸流送風機1が駆動さ
れると、該軸流送風機1から吹き出される吹出空気流W
が、上記羽根8本来の外周寄り位置の空気流と羽根8外
周側半径方向外方への拡大流とに分流され、結局半径方
向に2分された2層の分流状態で空気吹出グリル3に向
かって流れることになる。そのため、上記空気吹出グリ
ル3を通過する吹出空気流Wの通過風速分布F′には偏
流部が生じることがなくなり、全体としての吹出風量を
低下させることなく通過風速の低減作用が得られる。そ
の結果、空気吹出グリル3を通過する際に発生する騒音
の低減が可能となり、室外機の運転騒音の低減に寄与す
ることができるようになる。
【0047】(11) 請求項11記載の発明の作用 該発明の構成では、上記のように、上記請求項10記載
の発明の構成において、上記羽根車6の羽根後縁9を、
ハブ後面側端部9aからチップ側端部9bに向かって上流
側に傾斜させ、ファンガイド4の湾曲終了点に対応せし
めて構成されいてる。
【0048】したがって、該構成によると、上記羽根車
6本来の羽根チップ部寄りの噴流度が低下する一方、上
記空気吹出流拡大空間Sの実質的な拡大を図ることがで
き、より半径方向外方への吹出空気流の分流作用を高く
することができるようになる。
【0049】
【発明の効果】以上の結果、本願発明の空気調和装置用
室外機によれば、軸流送風機1から吹き出される吹出空
気流が流れ制御部材の構造又はファンガイド出口部の構
造により、それぞれ半径方向に2分された分散状態で空
気吹出グリルに向かってスムーズに流れるようになり、
空気吹出グリル部を通過する空気流の通過風速分布に偏
流部が生じなくなる。従って、全体としての吹出風量を
減少させることなく通過風速の低減作用が得られること
になり、従来空気吹出グリル部を通過する際に発生して
いたような騒音は生じなくなる。そのため、室外機の運
転騒音の低減に寄与することができることになる。
【0050】
【実施例】以下、添付の図面を参照して、本願発明の各
実施例について詳細に説明する。
【0051】(実施例1)先ず図1および図2には、本願
発明の実施例1にかかる空気調和装置用室外機の構成が
示されている。
【0052】本実施例の空気調和装置用室外機は、軸流
送風機1と、該軸流送風機1の空気吸込側に配設された
熱交換器2と、上記軸流送風機1の空気吹出側に配設さ
れた空気吹出グリル3と、上記軸流送風機1の羽根車出
口側外周囲を囲繞するファンガイド4と、該ファンガイ
ド4の側部に設けられた機械室16とを備えて構成され
ている。そして、上記機械室16内には圧縮機等が配設
されている。
【0053】上記軸流送風機1は、駆動源となるファン
モータ5と、該ファンモータ5により回転駆動される羽
根車(プロペラファン)6とからなっており、該羽根車6
は、上記ファンモータ5の回転軸5aに枢支されたハブ
7と該ハブ7の外周に対して所定のピッチで放射状に取
り付けられた複数枚(例えば5枚)の羽根(プロペラ)8,
8・・とにより構成されている。本実施例の場合、上記
各羽根8の後縁9は、上記ハブ側端部9aからチップ側
端部9bにかけて半径方向にハブ7の後面と略同一面を
なしてストレートに延びた構成とされている。
【0054】上記熱交換器2は、上記軸流送風機1にお
ける空気吸込側において上記ファンモータ4と対向する
全域とその一側側面側後方部とに跨がって配設された横
断面L字状形に形成されている。
【0055】上記空気吹出グリル3は、例えば図2に示
すように上記羽根車6における上記羽根8の後縁9に対
向して配設され、且つ互いに平行な多数の垂直な平行桟
10,10・・と、該平行桟10,10・・を連結する横
方向の複数の連結部材11,11・・とによって格子状
に構成されており、上記羽根車6の外径よりも所定寸法
大きな大径の通路面積を有している。
【0056】上記ファンガイド4は、上流側から下流側
にかけて次第に通路面積を小さくするように湾曲されて
上記羽根車6の外周側を囲繞する環状の羽根ガイド部1
2と、該羽根ガイド部12の下流位置外周側から所定長
さ空気吹出方向に延び、上記空気吹出グリル3の外周側
を支持する上記空気吹出グリル3の外形状に等しい内形
状の枠部13とによって構成されており、また上記羽根
ガイド部12の湾曲終了点より下流側には、半径方向外
方に所定のテーパ角をもって広がる所定幅の傾斜ガイド
部12aが形成されている。なお、該傾斜ガイド部12
aの下流端半径方向面は、上記羽根8の後縁9のチップ
側端部9bと略同一面状に対応する縦壁面とされてい
る。
【0057】本実施例では、このように構成したことに
より、上記空気吹出グリル3の外周部内面側に半径方向
外方に空気流が流れ得る所定前後幅の十分な吹出流拡大
空間Sが確保され、しかも、上記傾斜ガイド部12aに
よって上記吹出流拡大空間S内へ羽根8からの空気流が
効果的に誘導されるようになる。
【0058】そして、さらに上記羽根車6の羽根8にお
ける後縁9には、当該吹出空気流Wを半径方向内周側と
外周側との2層状態に積極的に分流させる流れ制御部材
14が取り付けられている。該流れ制御部材14は、図
示のように空気流下流側に向かうにしたがって半径方向
に次第に広がったホーン形の環状体からなっており、そ
の上流側端部は、上記羽根8の後縁9の中間部位置より
チップ側端部9bに寄った位置に形成された嵌合溝15
に嵌合して固着されている。
【0059】以上のように構成された空気調和装置用室
外機では、次のような作用が得られる。
【0060】すなわち、今軸流送風機1が駆動される
と、該軸流送風機1から吹き出される吹出空気流Wが、
当該軸流送風機1の羽根車6と一緒に回転する上記ホー
ン形の流れ制御部材14により半径方向に2分された2
層の分流状態で吹出流拡大空間Sを空気吹出グリル3に
向かって特にスムーズに流れることになるため、空気吹
出グリル3を通過する吹出空気流Wの通過風速分布F′
には従来のような極端な偏流部が生じることがなくな
り、全体としての吹出風量を低下させることなく通過風
速の低減作用が得られる。従って、空気吹出グリル3を
通過する際に発生する騒音の低減が可能となり、室外機
の運転騒音の低減に寄与することができるようになる。
【0061】因みに、本実施例と従来例とにおける発生
騒音(軸流送風機の発生騒音と空気吹出グリル通過音と
の合計値)を比較したところ、例えば図3に示すよう
に、本実施例のもの(実線図示)が従来例のもの(点線図
示)に比べて発生騒音が十分に低減するという結果が得
られた。この実験結果からも、上記本実施例の流れ制御
部材14による流れ分流(分散)効果が十分に確認され
る。
【0062】(実施例2)次に図4には、本願発明の実施
例2にかかる空気調和装置用室外機の構成が示されてい
る。
【0063】本実施例の場合、上記吹出空気の分流作用
を果たす流れ制御部材14が羽根車6側ではなく、上記
と同様の空気吹出グリル3(具体的には、連結部材1
1)の内面部(空気流上流面部)に対してビス等の止着子
(図示省略)を利用して一体的に取り付けられているこ
とを特徴としている。また、上記流れ制御部材14の上
流側周端は、上記羽根車6の羽根8の後縁9において、
その半径方向中間部位置よりチップ側端部9bによった
位置に対して対向せしめられている。なお、その他の部
分の構成および作用効果は実施例1と同様なので重複を
避けて説明を省略する。
【0064】該構成においても、上記実施例1のように
羽根8に対して流れ制御部材14を取り付けた場合と全
く同様に、軸流送風機1から吹き出される吹出空気流W
が、ホーン形の流れ制御部材14により半径方向に2分
された2層の分流状態で空気吹出グリル3に向って流れ
ることになるため、空気吹出グリル3を通過する吹出空
気流Wの通過風速分布F′には偏流部が生じることがな
くなり、全体として吹出風量を低下させることなく通過
風速の低減作用が得られる。従って、従来に比べて空気
吹出グリル3を通過する際に発生する騒音の低減が可能
となり、室外機の運転騒音の低減に寄与することができ
る。特に該場合には、上記流れ制御部材14が静翼であ
るので、相対的に有利である。
【0065】しかも、該構成では、羽根車6の羽根8自
体に流れ制御部材14を固定する場合と違って、羽根8
の成形加工や流れ制御部材14の取付作業自体が遥かに
楽になる。また、羽根車6の重量が軽減されるので、フ
ァンモータ5の回転駆動負荷が低減され、動力ロスも小
さくなる利点がある。
【0066】(実施例3)図5には、本願発明の実施例3
にかかる空気調和装置用室外機の構成が示されている。
【0067】本実施例の場合、上述の実施例1における
羽根車6における羽根8の後縁9が、当該羽根車6のハ
ブ7側端部9aからチップ側端部9b方向に向かって空
気流上流側に所定角傾斜せしめられており、同チップ側
端部9bは、ファンガイド4における羽根ガイド部12
下流端側の上記傾斜ガイド部12aの上流端エッジ部
(湾曲部終端)と対向した位置に後退させて位置せしめら
れている。
【0068】このように構成したことにより、上記羽根
車6の空気流出口側における半径方向外向きへの流れが
より効果的に促進されることとなり、その分噴流度が低
下して上記流れ制御部材14により半径方向外側へ2層
分流される流れの分流度が促進される。
【0069】なお、その他の構成および作用効果は上記
実施例1と同様なので重複を避けて説明を省略する。
【0070】(実施例4)次に図6には、本願発明の実施
例4にかかる空気調和装置用室外機の構成が示されてい
る。
【0071】本実施例の場合、上記実施例1における羽
根車6における羽根8の後縁9が、上記実施例3と同様
にハブ7側端部9aからチップ側端部9bに向かって上
流側に後退傾斜せしめられており、同チップ側端部9b
がファンガイド4の羽根ガイド部12下流端側における
傾斜ガイド部12aの上流端エッジ部に対応されている
一方、当該傾斜ガイド部12aの傾斜面が上記枠部13
の上流端にまで連続して形成されていることを特徴とし
ている。
【0072】このように構成した場合、上記実施例1,
3の作用に関して上記羽根車6の外周側から空気吹出グ
リル3の外周側への空気流入路である吹出流拡大空間S
を可及的に大きくすることができるため、上記流れ制御
部材14により半径方向外方側へ分流される流れが更に
促進されるようになる。従って、偏流防止作用がより一
層向上する。なお、この場合において、上記流れ制御部
材14を空気吹出グリル3の内面に固着する場合もあ
る。その他の構成および作用効果は上記実施例1,3と
同様なので重複を避けて説明を省略する。
【0073】(実施例5)図7には、本願発明の実施例5
にかかる空気調和装置用室外機の構成が示されている。
【0074】本実施例の場合、上記実施例3と同様に上
記羽根車6における羽根8の後縁9が、ハブ側端部9a
からチップ側端部9bに向かって上流側に傾斜せしめら
れいるが、他方上記ファンガイド4の羽根ガイド部12
下流端側における傾斜ガイド部12aは完全に省略さ
れ、上記羽根8の後縁9におけるチップ側端部9bは、
当該ファンガイド4における羽根ガイド部12の下流端
(湾曲部終端)と対向した縦壁面の延長線上の位置に対応
して位置せしめられている。
【0075】このように構成した場合、上記羽根車6の
外周側から空気吹出グリル3の外周側への空気流入路で
ある吹出流拡大空間Sが上記実施例4以上に大きくでき
るため、流れ制御部材14により半径方向外側へ分流さ
れる流れが更に大きく促進される。従って、偏流防止作
用がより高くなる。なお、該場合において、上記流れ制
御部材14を上記空気吹出グリル3の内面に固着する場
合もある。その他の構成および作用効果は上記実施例
1,3と同様なので重複を避けて説明を省略する。
【0076】ところで、以上の実施例1〜5の構成で
は、その何れにあっても羽根車6の空気吹出部側に吹出
流を半径方向に2分するホーン形の流れ制御部材14を
設けることによって空気吹出グリル部通過風の風速分布
の偏流を防止するようにした。
【0077】しかし、そのような構成にした場合、別部
材としての流れ制御部材14が必要であり、構造が複雑
化し、その成形、取付け等の作業にも手間がかかる問題
がある。
【0078】しかるに、ファンの騒音特性が良好である
ということにより設定される、図16のような小風量高
機内抵抗のフローパターンでは、すでに上記実施例4,
5でも説明したように、上記ファンガイド4の羽根ガイ
ド部12下流端側枠部13部分での吹出流拡大空間部を
大きく取ることによっても相当な半径方向外方への吹出
流分流作用を実現できることが判明している。従って、
上記羽根車6の羽根8との関連で、該吹出流拡大空間を
適切に設定すると、略上記実施例1〜5と同様の作用効
果を得ることができることが予想される。
【0079】以下の実施例6〜8は、このような観点か
ら構成されたものである。
【0080】(実施例6)先ず図8および図9には、本願
発明の実施例6にかかる空気調和装置用室外機の構成お
よび効果が示されている。
【0081】すなわち、本実施例の空気調和装置用室外
機は、例えば図8に示すように、軸流送風機1と、該軸
流送風機1の空気吸込口側に配設された熱交換器2と、
上記軸流送風機1の空気吹出口側に配設された空気吹出
グリル3と、上記軸流送風機1の羽根車出口側外周囲を
囲繞するファンガイド4と、該ファンガイド4の側部に
設けられた機械室16とを備えて構成されている。そし
て、上記機械室16内には圧縮機等が配設されている。
【0082】上記軸流送風機1は、駆動源となるファン
モータ5と、該ファンモータ5により回転駆動される羽
根車(プロペラファン)6とからなっており、該羽根車6
は、上記ファンモータ5の回転軸5aに枢支されたハブ
7と該ハブ7の外周に対して所定のピッチで放射状に取
り付けられた複数枚(例えば5枚)の羽根(プロペラ)8,
8・・とにより構成されている。本実施例の場合、上記
各羽根8の後縁9は、上記ハブ7側端部9aからチップ
側端部9bにかけて半径方向にストレートに延びた形状
とされている。
【0083】上記熱交換器2は、上記軸流送風機1にお
ける空気吸込口側において上記ファンモータ4と対向す
る全域にのみ配設されている。
【0084】この結果、本実施例の場合、羽根車6の上
流側空気流入空間は、上述の実施例1〜5の場合よりも
若干拡大されている。
【0085】上記空気吹出グリル3は、上述の図2に示
すように上記羽根車6における上記羽根8の後縁9に対
向して配設され、且つ互いに平行な多数の垂直な平行桟
10,10・・と、該平行桟10,10・・を連結する横
方向の複数の連結部材11,11・・とによって格子状
に構成されており、上記羽根車6の外径よりも所定寸法
大きな通路面積を有している。
【0086】上記ファンガイド4は、上流側上記空気流
入空間部から下流側にかけて次第に径が小さくなるよう
に、湾曲させて形成されていて上記羽根車6の外周側を
囲繞する環状の羽根ガイド部12と、該羽根ガイド部1
2の湾曲部終了点であるガイド面下流端エッジ部から上
記空気吹出グリル3の外形状と等しい半径方向位置まで
上記ハブ7の後端面と半径方向に対応する縦壁面12b
を介して内径を急に拡大され、該内径拡大端から所定長
さ空気吹出方向に延びて、上記空気吹出グリル3の外周
側を外部が同一面状態となるようにして支持する枠部1
3とによって構成されており、該枠部13によって上記
羽根ガイド部12のガイド面下流側には、半径方向外方
に空気吹出グリル3の外径(外形状)に等しい内径(範囲)
で広がる十分に大きな空気吹出流拡大空間Sが形成され
ている。そして、上記羽根ガイド部12の湾曲部終了点
である下流端エッジ部は、上記羽根8の後縁9のチップ
側端部9bよりも所定距離上流側に寄った外縁部に対向
するようになっている。
【0087】本実施例では、このように構成したことに
より、上記空気吹出グリル3の半径方向外周部側に大き
く拡大して空気流が流れ得る所定前後幅かつ大径の空気
吹出流拡大空間Sが確保され、しかも、上記羽根ガイド
部12の下流端側エッジ部が羽根8の後縁9のチップ側
端部9bよりも相当に上流側にあることによって上記空
気吹出流拡大空間S内へ羽根8のチップ部付近からの空
気流が半径方向に大きく広がりながら効果的に誘導され
るようになる。
【0088】従って、今軸流送風機1が駆動されると、
該軸流送風機1から吹き出される吹出空気流Wが、上記
羽根8本来の外周寄り位置の空気流と羽根8外周側半径
方向の拡大流とに分流され、結局半径方向に2分された
2層の分流状態で空気吹出グリル3に向かって流れるこ
とになる。そのため、上記空気吹出グリル3を通過する
吹出空気流Wの通過風速分布F′には偏流部が生じるこ
とがなくなり、全体としての吹出風量を低下させること
なく通過風速の低減作用が得られる。従って、上述の実
施例1〜5の場合と同様に空気吹出グリル3を通過する
際に発生する騒音の低減が可能となり、室外機の運転騒
音の低減に寄与することができるようになる。
【0089】因みに、本実施例と従来例とにおける発生
騒音(軸流送風機の発生騒音と空気吹出グリル通過音と
の合計値)を比較したところ、例えば図9に示すよう
に、本実施例のもの(実線図示)が従来例のもの(点線図
示)に比べて発生騒音が十分に低減するという前述の実
施例1と略同様の結果が得られた。この結果、該実施例
の構成によっても、略上記実施例1〜5と同様の騒音低
減効果を実現できることが理解される。
【0090】(実施例7)図10および図11には、本願
発明の実施例7にかかる空気調和装置用室外機の構成が
示されている。
【0091】本実施例の場合、上述した実施例6の羽根
車6における羽根8の後縁9が、当該羽根車6のハブ7
側端部9aからチップ側端部9b方向に向かって空気流
上流側に所定角傾斜せしめられており、同チップ側端部
9bは、上記ファンガイド4における羽根ガイド部12
下流端側の湾曲部終了点であるエッジ部と対向した位置
に後退させて位置せしめられている。
【0092】このように構成したことにより、上記羽根
車6の空気流出口側における半径方向外向きへの流れが
より効果的に促進されることとなり、その分噴流度が低
下して半径方向外側へ2層分流される流れの分流度が促
進される。
【0093】なお、その他の構成および作用効果は上記
実施例6と同様なので重複を避けて説明を省略する。
【0094】今、該本実施例の構成の室外機の各部の寸
法を例えば図11のように設定し、従来の構成の室外機
の各部の寸法を図12のように設定して、各々吹出側と
吸込側との風量−騒音データを測定すると、図13およ
び図14のようになった。このデータを見ると、何れの
場合においても本実施例の構成が、騒音低減に有効であ
ることが明らかである。
【0095】(実施例8)次に図15には、本願発明の
実施例8にかかる空気調和装置用室外機の構成が示され
ている。
【0096】本実施例の場合、上記実施例6の羽根車6
における羽根8の後縁9が、上記実施例7と同様にハブ
7側端部9aからチップ側端部9bに向かって上流側に
後退傾斜せしめられている一方、上述の実施例4の場合
と同様に傾斜ガイド部12aを設け、上記チップ側端部
9bが上記ファンガイド4の羽根ガイド部12下流端(湾
曲部終了点)側における上記傾斜ガイド部12aの上流
端エッジ部に対応されている一方、当該傾斜ガイド部1
2aの傾斜面が上記ハブ7後面の半径方向延長線上の位
置まで連続して形成されていることを特徴としている。
【0097】このように構成した場合、上記実施例6,
7の作用に関して上記羽根車6の外周側から空気吹出グ
リル3の外周側への空気流入路である吹出流拡大空間S
を剥離渦を生じさせることなく可及的に大きくすること
ができるため、上記半径方向外方側へ分流される流れが
更にスムーズに促進されるようになる。従って、偏流防
止作用がより一層向上する。なお、その他の構成および
作用効果は上記実施例6,7と同様なので重複を避けて
説明を省略する。
【0098】ところで、上記1〜11の各実施例におい
ては、上記空気吹出グリル3における平行桟10,10
・・を例えば図2に示されるように各々垂直方向のもの
としているが、もちろん該平行桟10,10・・・を水
平方向のものとしたものに対しても本願発明は適用可能
であることは言うまでもない。
【0099】さらに、本願発明は、上記各実施例の構成
に限定されるものではなく、本来の発明の要旨を逸脱し
ない範囲において適宜任意に設計変更が可能なことは勿
論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例1にかかる空気調和装置用室
外機の横断平面図である。
【図2】本願発明の実施例1にかかる空気調和装置用室
外機の正面図である。
【図3】本願発明の実施例1に係る空気調和装置用室外
機と従来例に係る同室外機との騒音レベルとを比較した
風量ー発生騒音特性図である。
【図4】本願発明の実施例2にかかる空気調和装置用室
外機の横断面図である。
【図5】本願発明の実施例3にかかる空気調和装置用室
外機の横断面図である。
【図6】本願発明の実施例4にかかる空気調和装置用室
外機の横断面図である。
【図7】本願発明の実施例5にかかる空気調和装置用室
外機の横断面図である。
【図8】本願発明の実施例6にかかる空気調和装置用室
外機の横断面図である。
【図9】本願発明の実施例6に係る空気調和装置用室外
機と従来例の同室外機とを比較した風量−騒音特性図で
ある。
【図10】本願発明の実施例7にかかる空気調和装置用
室外機の横断面図である。
【図11】本願発明の実施例7にかかる空気調和装置用
室外機の製作例を示す要部の寸法入り断面図である。
【図12】従来の空気調和装置用室外機の製作例を示す
要部の寸法入りの断面図である。
【図13】本願発明の実施例7に係る図11の空気調和
装置用室外機と従来例に係る図12の同室外機との空気
吹出口側における騒音レベルを対比して示す風量−騒音
データを示すグラフである。
【図14】本願発明の実施例7に係る図11の空気調和
装置用室外機と従来例に係る図12の同室外機との空気
吸込口側における騒音レベルを対比して示す風量−騒音
データを示すグラフである。
【図15】本願発明の実施例8にかかる空気調和装置用
室外機の横断面図である。
【図16】従来の空気調和装置用室外機における小風量
高機内抵抗運転時の吹出空気流の速度分布を説明するた
めの横断面図である。
【図17】従来の空気調和装置用室外機における大風量
低機内抵抗運転時の吹出空気流の速度分布を説明するた
めの横断面図である。
【符号の説明】
1は軸流送風機、2は熱交換器、3は空気吹出グリル、
4はファンガイド、6は羽根車、7はハブ、8は羽根、
9は後縁、9aはハブ側端部、9bはチップ側端部、1
0は平行桟、12はガイド部、14は流れ制御部材、S
は吹出流拡大空間である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 正 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 鄭 志明 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸流送風機(1)と、該軸流送風機(1)の
    空気吸込側に配設された熱交換器(2)と、上記軸流送風
    機(1)の空気吹出側において同軸流送風機(1)の羽根車
    (6)の羽根後縁(9)に対向して配設され且つ該羽根車
    (6)の外径よりも大きな通路面積を有する空気吹出グリ
    ル(3)と、上記羽根車(6)の外周を囲繞するファンガイ
    ド(4)とを備えた空気調和装置用室外機において、上記
    羽根車(6)の出口と上記空気吹出グリル(3)との間に
    は、上記羽根車(6)の羽根後縁(9)において吹出空気流
    を内周側と外周側とに2分する流れ制御部材(14)を配
    設したことを特徴とする空気調和装置用室外機。
  2. 【請求項2】 流れ制御部材(14)を、上記羽根車(6)
    の羽根(8)に固着したことを特徴とする請求項1記載の
    空気調和装置用室外機。
  3. 【請求項3】 流れ制御部材(14)を、上記空気吹出グ
    リル(3)の内面に固着したことを特徴とする請求項1記
    載の空気調和装置用室外機。
  4. 【請求項4】 羽根車(6)における羽根後縁(9)を、ハ
    ブ側端部(9a)からチップ側端部(9b)に向かって上流側
    に傾斜させたことを特徴とする請求項1,2又は3記載
    の空気調和装置用室外機。
  5. 【請求項5】 ファンガイド(4)における羽根ガイド部
    (12)の下流端を、羽根後縁(9)におけるチップ側端部
    (9b)と対向する位置としたことを特徴とする請求項4
    記載の空気調和装置用室外機。
  6. 【請求項6】 空気吹出グリル(3)を、平行に並ぶ多数
    の平行桟(10),(10)・・・により構成したことを特
    徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の空気調和装置
    用室外機。
  7. 【請求項7】 軸流送風機(1)と、該軸流送風機(1)の
    空気吸込側に配設された熱交換器(2)と、上記軸流送風
    機(1)の空気吹出側において同軸流送風機(1)の羽根車
    (6)の羽根後縁(9)に対向して配設され且つ該羽根車
    (6)の外径よりも大きな通路面積を有する空気吹出グリ
    ル(3)と、上記羽根車(6)の外周を囲繞する上流側から
    下流側にかけて径が小さくなるように湾曲したファンガ
    イド(4)とを備えた空気調和装置用室外機において、上
    記ファンガイド(4)の湾曲終了点を上記羽根車(6)のハ
    ブ(7)後面側端部よりも上流側に設定するとともに当該
    湾曲終了点から下流側の空気吹出通路面積を上記空気吹
    出グリル(3)の通路面積と略等しくなるように急に拡大
    したとを特徴とする空気調和装置用室外機。
  8. 【請求項8】 羽根車(6)の羽根後縁(9)を、ハブ(7)
    後面側端部から半径方向同一面上に延設したことを特徴
    とする請求項7記載の空気調和装置用室外機。
  9. 【請求項9】 羽根車(6)における羽根後縁(9)を、ハ
    ブ後面側端部(9a)からチップ側端部(9b)に向かって上
    流側に傾斜させ、ファンガイド(4)の湾曲終了点に対応
    せしめたことを特徴とする請求項7記載の空気調和装置
    用室外機。
  10. 【請求項10】 軸流送風機(1)と、該軸流送風機(1)
    の空気吸込側に配設された熱交換器(2)と、上記軸流送
    風機(1)の空気吹出側において同軸流送風機(1)の羽根
    車(6)の羽根後縁(9)に対向して配設され且つ該羽根車
    (6)の外径よりも大きな通路面積を有する空気吹出グリ
    ル(3)と、上記羽根車(6)の外周を囲繞する上流側から
    下流側にかけて径が小さくなるように湾曲したファンガ
    イド(4)とを備えた空気調和装置用室外機において、上
    記ファンガイド(4)の湾曲終了点を上記羽根車(6)のハ
    ブ後面側端部(9a)よりも上流側に設定するとともに当
    該湾曲終了点から下流側ハブ後面半径方向延長線位置ま
    での空気吹出通路面積を徐々に上記空気吹出グリル(3)
    の通路面積と略等しくなるように緩かに拡大したとを特
    徴とする空気調和装置用室外機。
  11. 【請求項11】 羽根車(6)の羽根後縁(9)を、ハブ後
    面側端部(9a)からチップ側端部(9b)に向かって上流側
    に傾斜させ、ファンガイド(4)の湾曲終了点に対応せし
    めたことを特徴とする請求項10記載の空気調和装置用
    室外機。
JP4871695A 1994-12-06 1995-03-08 空気調和装置用室外機 Pending JPH08210665A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4871695A JPH08210665A (ja) 1994-12-06 1995-03-08 空気調和装置用室外機

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30244394 1994-12-06
JP6-302443 1994-12-06
JP4871695A JPH08210665A (ja) 1994-12-06 1995-03-08 空気調和装置用室外機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08210665A true JPH08210665A (ja) 1996-08-20

Family

ID=26389019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4871695A Pending JPH08210665A (ja) 1994-12-06 1995-03-08 空気調和装置用室外機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08210665A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015148819A1 (en) * 2014-03-27 2015-10-01 Trane International Inc. Diffuser collar
JPWO2018016012A1 (ja) * 2016-07-19 2019-02-28 三菱電機株式会社 熱源機及び冷凍サイクル装置
CN114320957A (zh) * 2020-10-10 2022-04-12 广东美的暖通设备有限公司 风机装置以及空调室外机

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015148819A1 (en) * 2014-03-27 2015-10-01 Trane International Inc. Diffuser collar
GB2539131A (en) * 2014-03-27 2016-12-07 Trane Int Inc Diffuser collar
US9945391B2 (en) 2014-03-27 2018-04-17 Trane International Inc. Diffuser collar
GB2539131B (en) * 2014-03-27 2018-11-28 Trane Int Inc Diffuser collar for a condenser fan in an HVAC system
JPWO2018016012A1 (ja) * 2016-07-19 2019-02-28 三菱電機株式会社 熱源機及び冷凍サイクル装置
US10648681B2 (en) 2016-07-19 2020-05-12 Mitsubishi Electric Corporation Heat source unit and refrigeration cycle apparatus
CN114320957A (zh) * 2020-10-10 2022-04-12 广东美的暖通设备有限公司 风机装置以及空调室外机
CN114320957B (zh) * 2020-10-10 2024-03-22 广东美的暖通设备有限公司 风机装置以及空调室外机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5645596B2 (ja) 多翼遠心ファンおよびそれを用いた空気調和機
JP5230805B2 (ja) 多翼送風機
JP3507758B2 (ja) 多翼ファン
EP2472118B1 (en) Cross flow fan and air conditioner
WO2010053037A1 (ja) 送風機及びこの送風機を用いたヒートポンプ装置
US8197217B2 (en) Axial flow fan
JP5689538B2 (ja) 車両用空気調和装置の室外冷却ユニット
KR20100134011A (ko) 원심 송풍기
WO2012086147A1 (ja) 貫流ファン及び空気調和機の室内機
JP2006233886A (ja) プロペラファン
JP3812537B2 (ja) 遠心式送風機
JP4482952B2 (ja) 多翼送風機
JP5769960B2 (ja) 遠心式ファン
JPH102299A (ja) 遠心送風機
JPH08210665A (ja) 空気調和装置用室外機
JP2001140798A (ja) 送風機
JP2003013892A (ja) 送風機及び該送風機を備えた空気調和機
WO2020115872A1 (ja) 遠心送風機
JPH10197014A (ja) 空気調和機の室外機
JP2002276598A (ja) シュラウド付き軸流ファン
JPH11201095A (ja) 送風機
JPH10141291A (ja) 遠心式送風機
JPH05296495A (ja) 空気調和装置用室外機
KR100390418B1 (ko) 축류팬용 쉬라우드
JPH03253798A (ja) 多翼送風機