JPH082105A - 感熱記録媒体 - Google Patents

感熱記録媒体

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JPH082105A
JPH082105A JP6164578A JP16457894A JPH082105A JP H082105 A JPH082105 A JP H082105A JP 6164578 A JP6164578 A JP 6164578A JP 16457894 A JP16457894 A JP 16457894A JP H082105 A JPH082105 A JP H082105A
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Japan
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layer
heat
resin
protective layer
thermal
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JP6164578A
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Yasushi Muto
泰志 武藤
Kazuhiro Nakajima
和広 中島
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Toppan Infomedia Co Ltd
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Tokyo Magnetic Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サーマルヘッドが接触する構成の感熱記録媒
体において、サーマルヘッドによる媒体表面の損傷を防
ぐ。 【構成】 基体の少なくとも一方の面上に感熱記録層を
有し、感熱記録層上に樹脂製の中間層を有し、中間層上
に樹脂製の保護層を有する感熱記録媒体において、15
0℃における弾性率をE150 としたとき、中間層のE
150 が保護層のE150 よりも小さくなるようにし、かつ
中間層のE150 を2〜200MPa とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録媒体は、加熱により可視情報を
記録する媒体であり、例えば、感熱記録紙がファクシミ
リやプリンタなどに利用されている。感熱記録紙は、色
素と顕色剤とをバインダ中に分散させて基紙の表面に塗
工したものであり、サーマルヘッド等で加熱することに
よってバインダが溶融して色素と顕色剤とが反応し、発
色する。
【0003】このように色素を用いる感熱記録媒体の
他、近年、金属薄膜破壊型の感熱記録媒体が提案されて
いる。例えば、特開昭59−199284号公報では、
磁気記録層上にTeやSn等の低融点金属などからなる
非磁性薄膜層を設けた感熱磁気記録媒体が開示されてい
る。この媒体における感熱記録は、以下のようにして行
なわれる。まず、サーマルヘッドなどによって非磁性薄
膜層を所定のパターンに加熱する。加熱部の低融点金属
は溶融して粒状に凝集し、加熱部から退縮する。これに
より加熱部はほぼ透明となり、下地として設ける着色層
などが透けて見えるため、可視情報が記録されることに
なる。この感熱磁気記録媒体は、キャッシュカードや乗
車券、定期券などに適用される。この提案における感熱
磁気記録媒体の最上層には、通常、樹脂製の保護層が設
けられる。感熱記録媒体では、サーマルヘッドが媒体表
面に接触し、また、感熱磁気記録媒体では、磁気ヘッド
も媒体表面で摺動する。従って、これらのヘッドは保護
層表面を摺動することになる。同公報には、保護層形成
方法として、合成樹脂フィルムのラミネートや樹脂を塗
布する方法などが開示されている。
【0004】金属薄膜破壊型の感熱記録媒体では、一度
印字した領域には二度と印字できないが、印字スペース
やカードのリサイクルの問題から、繰り返し書き換え可
能な感熱記録媒体が要求されている。そこで、最近、可
逆感熱記録媒体の開発が盛んとなっており、例えば、有
機低分子物質を用いた媒体、ロイコ染料を用いた媒体、
高分子液晶を用いた媒体などが提案されている。
【0005】例えば、特開昭63−39376号公報、
特開平1−133781号公報、特開平2−566号公
報、特開平2−86491号公報、特開平3−2247
84号公報、特開平4−189586号公報、特開平4
−299180号公報、特開平5−85052号公報な
どには、樹脂母材中に有機低分子物質を分散した構成の
感熱体を有する可逆性感熱記録材料が開示されている。
【0006】また、特開平2−188293号公報、Y.
Yokota,M.Ikeda,S.Hiraishi,Proceedings of the IS &
T's 9th International Congress on Advances in Non-
Impact Printing Technologies,413(1993)では、ロイコ
染料を用いた可逆性感熱記録媒体が開示されている。こ
れらでは、顕色作用と消色作用とを合わせ持つ材料を染
料前駆体と共に用いて、記録および消去を実現してい
る。
【0007】特開平2−16082号公報記載の消去可
能型熱記録方式では、高分子ネマティック液晶を記録層
に用いている。
【0008】特開平4−174415号公報では、高分
子コレステリック液晶を記録層に用いて、コレステリッ
ク相と非コレステリック相との間の相転移を利用した可
逆性感熱記録媒体が開示されている。
【0009】サーマルヘッドを接触させて記録を行なう
感熱記録媒体では、通常、サーマルヘッド接触面に保護
層が設けられる。理想的には、サーマルヘッドで印字す
る際に保護層に損傷が生じないことが望ましい。保護層
の改良に関しては、例えば以下のような提案がなされて
いる。前記した特開平5−85052号公報では、表面
保護層中に平均粒径100nm以下の酸化物超微粒子を含
有させる提案がなされている。また、前記した特開平2
−86491号公報では、感熱層の上に、ポリシロキサ
ンを10〜40重量%含むシリコーン系グラフトポリマ
ーを主成分とする耐熱潤滑被覆層を設ける提案がなされ
ている。また、前記した特開平2−566号公報では、
感熱層の上に、紫外線硬化性樹脂または電子線硬化性樹
脂を主成分とするオーバーコート層を設ける提案がなさ
れている。また、前記した特開平4−299180号公
報では、記録層の上に、耐熱性、耐摩耗性に優れたポリ
イミド樹脂の保護層を設ける提案がなされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、サー
マルヘッドが接触する構成の感熱記録媒体において、サ
ーマルヘッドによる媒体表面の損傷を防ぐことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)の構成により達成される。 (1)基体の少なくとも一方の面上に感熱記録層を有
し、感熱記録層上に樹脂製の中間層を有し、中間層上に
樹脂製の保護層を有する感熱記録媒体であって、150
℃における弾性率をE150 としたとき、中間層のE150
が、保護層のE150 よりも小さく、中間層のE150 が2
〜200MPa であることを特徴とする感熱記録媒体。
【0012】
【作用および効果】記録時にサーマルヘッドが接触する
感熱記録媒体では、感熱記録層の上に樹脂製の保護層が
設けられるが、サーマルヘッドから印加されるエネルギ
ーが大きいと、熱および圧力により保護層に傷、剥れ、
しわ、クラック等の破損が発生してしまう。特に、書き
換えが可能な感熱記録媒体では、サーマルヘッドによる
加熱が繰り返されるので、印加エネルギーが比較的低い
場合でも破損が生じやすい。
【0013】一般に、樹脂の耐熱性の評価基準として
は、ガラス転移温度や熱分解温度を挙げる場合が多い。
しかし、感熱記録媒体の樹脂製保護層では、サーマルヘ
ッドにより熱と同時に圧力も加えられるため、ガラス転
移温度や熱分解温度ではサーマルヘッドに対する耐性を
評価することはできない。本発明者らは、サーマルヘッ
ドに対する耐性が高温における弾性率に密接に関係して
いることを知見した。具体的には、感熱記録時に、保護
層の弾性率に対し感熱記録層の弾性率が著しく小さくな
ることが保護層の破損の主要な原因であることを見いだ
した。すなわち、ロイコ染料を用いた感熱記録層、有機
低分子物質を分散した感熱記録層、高分子液晶を用いた
感熱記録層のいずれにおいても、サーマルヘッドにより
加熱すると弾性率が著しく低下する。サーマルヘッドに
より保護層が圧迫されると、サーマルヘッド直下の感熱
記録材料は弾性率が低下しているため圧迫部の周囲に移
動してしまう。このため、保護層が大きく歪むことにな
り、保護層に破損が発生するのである。なお、金属薄膜
破壊型の感熱記録層は薄いため、実際には感熱記録層の
下側に存在する層や基体の弾性率が関係することになる
が、これらの高温における弾性率は一般に保護層よりも
低いため、やはり保護層に破損が発生することになる。
【0014】このような知見に基づいて、本発明では、
感熱記録層と保護層との間に、150℃における弾性率
150 が保護層よりも小さく、一般に感熱記録層よりも
大きい中間層を設ける構成とした。このようなE150
有する中間層は、感熱記録時に緩衝材としてはたらくた
め、保護層の損傷防止に有効である。
【0015】なお、前記した特開平1−133781号
公報では、耐熱性樹脂を主成分とするオーバーコート層
と感熱層との間に、樹脂を主成分とする中間層を設ける
提案がなされている。この中間層は、感熱層とオーバー
コート層との間の接着性を向上させ、また、感熱層を有
機溶剤やモノマーから保護するためのものである。中間
層材料としては、感熱層に用いる樹脂母材や、各種の熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられている。しかし、
同公報ではオーバーコート層と感熱層との間の接着性向
上以外には注目しておらず、同公報には中間層やオーバ
ーコート層の高温における弾性率についての開示はな
い。
【0016】また、前記した特開平2−566号公報に
は、サーマルヘッド等の加熱手段の熱や圧力から感熱層
を保護するために、耐熱性が高く機械的強度が優れた紫
外線硬化性樹脂または電子線硬化性樹脂からなるオーバ
ーコート層を設け、さらに、感熱層とオーバーコート層
との間に、感熱層を保護するための樹脂中間層を設ける
ことができる旨の記述がある。樹脂中間層材料として挙
げられている樹脂は、上記特開平1−133781号公
報記載のものと同様である。しかし、同公報には中間層
やオーバーコート層の高温における弾性率についての開
示はない。
【0017】また、前記した特開平4−189586号
公報では、感熱層と保護層との間に、ゴム弾性を有する
樹脂を主成分とする中間層を設ける提案がなされてい
る。同公報においてゴム弾性を有する樹脂とは、伸びが
100%以上の樹脂である。しかし、同公報には中間層
やオーバーコート層の高温における弾性率についての開
示はない。
【0018】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0019】本発明の感熱記録媒体は、基体の少なくと
も一方の面上に感熱記録層を有し、感熱記録層上に樹脂
製の中間層を有し、中間層上に樹脂製の保護層を有す
る。
【0020】本発明では、150℃における弾性率をE
150 としたとき、中間層のE150 が、保護層のE150
りも小さい。中間層のE150 が保護層のE150 以上であ
ると、保護層の損傷を防ぐ効果がほとんどなくなる。な
お、中間層のE150 は、感熱記録層のE150 よりも大き
いことが好ましい。
【0021】中間層のE150 は、2〜200MPa 、好ま
しくは3〜10MPa である。中間層のE150 が感熱記録
層のE150 よりも大きくても、中間層のE150 が小さす
ぎると保護層損傷防止効果がほとんどなくなる。また、
中間層のE150 が保護層のE150 よりも小さくても、中
間層のE150 が大きすぎると、やはり保護層損傷防止効
果がほとんどなくなる。
【0022】保護層のE150 は、好ましくは10MPa 以
上、より好ましくは50MPa 以上である。保護層のE
150 が小さすぎると、保護層にしわや変形が生じやす
い。また、保護層のE150 は、好ましくは500MPa 以
下、より好ましくは200MPa 以下、さらに好ましくは
100MPa 以下である。保護層のE150 が大きすぎる
と、保護層にひび割れが生じやすい。
【0023】感熱記録層のE150 が10MPa 以下、特に
4MPa 以下、さらには2MPa 以下であるとき、本発明は
特に有効である。
【0024】なお、各層のE150 は、TMA(熱機械測
定)により測定することができる。弾性率は、層の弾性
をその断面積で除した値であり、E150 は層の厚さには
依存しない。
【0025】次に、各層について詳細に説明する。
【0026】<保護層>保護層に用いる樹脂は特に限定
されず、例えば、熱可塑型樹脂、熱硬化型樹脂、紫外線
硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂等のいずれを主成分とし
てもよい。
【0027】保護層中には、各種添加剤が含まれていて
もよい。例えば、スティッキング防止のために潤滑剤を
添加してもよい。潤滑剤としては、例えば、各種ワック
スや、ステアリン酸亜鉛のような脂肪酸金属塩が挙げら
れる。また、サーマルヘッドのクリーニングのために各
種粒子を添加してもよい。このような粒子としては、例
えば、タルク、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウムなど
の各種顔料が挙げられる。
【0028】保護層の厚さは特に限定されず、保護層と
して機能する厚さであればよいが、通常、0.5〜5μ
m 程度、好ましくは1〜2μm 程度とする。また、保護
層の形成方法は特に限定されないが、通常、塗布により
形成する。
【0029】上述したE150 以外に保護層の各種特性に
は特に制限はないが、通常、60℃程度以上のガラス転
移温度を有する樹脂を用いることが好ましい。
【0030】保護層表面には、必要に応じてあらかじめ
情報が印刷されていてもよいが、サーマルヘッドや磁気
ヘッドが摺動する領域への印刷は避けることが好まし
い。
【0031】<中間層>中間層に用いる樹脂は特に限定
されず、例えば、熱可塑型樹脂、熱硬化型樹脂、紫外線
硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂等のいずれを主成分とし
てもよく、E15 0 が前述した関係を満足するように適宜
選択すればよい。ただし、感熱記録層に用いる樹脂およ
び保護層に用いる樹脂に対する接着性が良好な樹脂を用
いることが好ましい。具体的には、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリエス
テル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、セルロース樹脂の少なくとも1種を用いる
ことが好ましい。
【0032】感熱記録層が有機溶剤可溶性である場合、
水溶性樹脂または水分散型エマルション樹脂を用いるこ
とが好ましい。これらには、必要に応じ架橋剤を添加し
て架橋を行なってもよい。水溶性樹脂または水分散型エ
マルション樹脂を用いて中間層を形成すれば、保護層形
成に有機溶剤を用いても感熱記録層が影響を受けること
がなくなる。水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニル
アルコール、水溶性アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポ
リエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン等が挙げら
れ、水分散型エマルション樹脂としては、アクリルエマ
ルション、スチレン−アクリル共重合体エマルション、
ウレタンエマルション、スチレン−ブタジエン共重合体
等が挙げられる。
【0033】上記した各樹脂のE150 を所定の範囲内と
するためには、例えば重合度や共重合比等の各種重合条
件などを適宜選択すればよい。なお、中間層は2種以上
の樹脂を含んでいてもよい。
【0034】中間層中には、各種添加剤が含まれていて
もよい。例えば、中間層の流動性を抑えるための各種無
機フィラーや有機フィラーなどである。
【0035】中間層の厚さは、好ましくは0.5〜5μ
m 、より好ましくは0.5〜2μmである。前述したよ
うに中間層のE150 は中間層の厚さには依存しないが、
厚さに依存して層全体の弾性は変化するため、中間層が
薄すぎると保護層損傷防止効果が不十分となる。一方、
中間層が厚すぎると感熱記録層への熱の伝導が不十分に
なるので、感熱層を十分に加熱するためにサーマルヘッ
ドから与えるエネルギーを大きくしなければならず、保
護層が損傷しやすくなる。
【0036】上述したE150 以外に中間層の各種特性に
は特に制限はなく、例えばガラス転移温度が室温以下で
あったりガラス転移温度が存在しない樹脂を用いてもよ
い。
【0037】<感熱記録層>本発明は、記録時に保護層
がサーマルヘッドと接触する感熱記録媒体であって、一
般に感熱記録層のE150 が保護層のE150 よりも小さい
ものであれば適用でき、感熱記録材料については特に限
定されない。例えば、ロイコ染料を用いた感熱記録層、
金属薄膜破壊型の感熱記録層、有機低分子物質を分散し
た感熱記録層、高分子液晶を用いた感熱記録層のいずれ
であってもよく、これら以外の感熱記録層であってもよ
い。
【0038】ロイコ染料を用いた感熱記録層としては、
通常の不可逆記録型のものであってもよく、例えば前述
した特開平2−188293号公報、Y.Yokota,M.Iked
a,S.Hiraishi,Proceedings of the IS & T's 9th Inter
national Congress on Advances in Non-Impact Printi
ng Technologies,413(1993)などに記載されている書き
換え可能型のものであってもよい。不可逆記録型の感熱
記録層は、染料前駆体と顕色剤とを熱可塑型樹脂等のバ
インダ樹脂中に分散したものであり、書き換え可能型の
感熱記録層は、顕色作用と消色作用とを合わせ持つ材料
と染料前駆体とを、熱可塑型樹脂や熱硬化型樹脂等のバ
インダ樹脂中に分散したものである。これらの感熱記録
層は記録時の加熱によりE150 が著しく低下するため、
本発明が極めて有効である。ロイコ染料を用いた感熱記
録層は、通常、塗布法により形成され、厚さは、通常、
1〜10μm 程度とされる。
【0039】金属薄膜破壊型の感熱記録層は、例えば前
述した特開昭59−199284号公報などに記載され
ており、比較的融点が低い金属、通常、150〜250
℃程度の融点の金属を含む。このような金属としては、
Sn、Te、In、Al、Bi、Pb、Zn等や、これ
らの合金、あるいはTe−カーバイドのような前記元素
の化合物などが挙げられる。このような感熱記録層は、
通常、真空蒸着法や、スパッタ法、めっき法等の薄膜形
成法により形成され、厚さは、通常、50〜500nm程
度とされる。金属薄膜破壊型の感熱記録層は薄いため、
前述したように保護層の損傷に関しては感熱記録層の下
側に隣接する層のE150 の影響が大きい。感熱記録層が
基体上に直接形成されているときは、基体のE150 の影
響が大きくなる。したがって、金属薄膜破壊型の感熱記
録層の場合には、中間層のE150が感熱記録層に隣接す
る層または基体のE150 よりも高いことが好ましく、感
熱記録層に隣接する層または基体のE150 が10MPa 以
下、特に4MPa 以下、さらには2MPa 以下であるとき、
本発明は特に有効である。
【0040】有機低分子物質を分散した感熱記録層は、
例えば前述した特開昭63−39376号公報、特開平
1−133781号公報、特開平2−566号公報、特
開平2−86491号公報、特開平3−224784号
公報、特開平4−189586号公報、特開平4−29
9180号公報、特開平5−85052号公報などに記
載されており、樹脂母材中に有機低分子物質を分散した
ものである。樹脂母材としては、通常、各種熱可塑型樹
脂や熱硬化型樹脂が用いられる。このような感熱記録層
の厚さは、通常、1〜50μm 程度とされる。有機低分
子物質を分散した感熱記録層は、記録時の加熱によりE
150 が著しく低下するため、本発明が極めて有効であ
る。
【0041】高分子液晶を用いた感熱記録層は、例え
ば、特開平2−16082号公報に記載されている高分
子ネマティック液晶を用いた書き換え可能型のものや、
特開平4−174415号公報に記載されている高分子
コレステリック液晶を用いた書き換え可能型のものなど
が挙げられる。このような感熱記録層の厚さは、通常、
0.5〜30μm 程度とされる。これらの高分子液晶を
含む感熱記録層は、記録時の加熱によりE150 が著しく
低下するため、本発明が極めて有効である。
【0042】本発明は、サーマルヘッドから高いエネル
ギーを加える必要のある金属薄膜破壊型の感熱記録媒体
に適用した場合に特に効果が高い。なお、サーマルヘッ
ドから加えられるエネルギーに対し実際に媒体に伝達さ
れるエネルギーの割合は、サーマルヘッドの構成や記録
時のパルス幅などの各種条件によって異なるが、同じサ
ーマルヘッドを用い、同じ条件で記録を行なった場合、
金属薄膜破壊型の感熱記録媒体では、ロイコ染料等の感
熱色素を用いる媒体に比べ、通常、約1.5倍以上の記
録エネルギーが必要とされる。
【0043】<基体>基体は、可撓性を有するシート状
であっても剛性を有する板状であってもよい。また、主
面形状は、通常、長方形であるが、用途に応じて適宜決
定すればよい。基体の構成材料は特に限定されず、ポリ
エチレンテレフタレート等の各種樹脂やアルミニウム等
の各種金属、あるいは紙などから適宜選択すればよい。
基体の厚さは特に限定されないが、通常、5μm 〜5mm
程度とする。
【0044】<他の構成>本発明の感熱記録媒体には、
上記各層の他、磁性層、着色層、隠蔽層等を必要に応じ
て設けてもよい。磁性層は、磁気情報を記録するために
設けられ、また、感熱記録層の下地として設けた場合に
は、可視パターンのコントラスト向上に利用することも
できる。着色層は感熱記録層の下地として設けられ、可
視パターンのコントラスト向上に利用される。隠蔽層
は、例えば感熱記録層とその下地である磁性層との間に
設けられ、明度の低い磁性層を隠蔽して可視パターンの
コントラストを向上させる。隠蔽層は、ロイコ染料を用
いる感熱記録媒体や有機低分子物質を用いる感熱記録層
などにおいて、必要に応じて設ける。隠蔽層は、アルミ
ニウム等の比較的高反射率の金属の蒸着や粉末塗布によ
り形成する。なお、これらの他、各層の接着性向上のた
めのアンカー層などを必要に応じて設けてもよい。
【0045】なお、感熱記録層、中間層および保護層
は、基体の片面だけに設けてもよく、両面に設けてもよ
い。
【0046】本発明は、文字情報や図形情報などの可視
パターンを感熱記録する媒体に好適であり、また、感熱
記録に加え磁気情報も記録する感熱磁気記録媒体にも好
適である。具体的には、クレジットカード、プリペイド
カード、乗車券、定期券等の各種情報媒体に適用でき
る。
【0047】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0048】厚さ188μm のポリエチレンテレフタレ
ート基体上に、無色染料前駆体としてTG−11(日本
化薬製)40%分散液を1重量部、顕色剤としてTG−
SA(日本化薬製)40%分散液を4重量部、バインダ
としてモビニール8020(アクリル−スチレン共重合
体エマルション樹脂、固形分43%、ヘキスト合成製)
を4重量部含む塗料をバーコーターで塗布して乾燥し、
厚さ6μm の感熱記録層を形成した。次に、表1に示す
ポリエステル−ウレタンエマルション樹脂(大日本イン
キ化学工業製)を感熱記録層上に塗布して乾燥し、厚さ
1.5μm の中間層とした。次いで、アクリル系紫外線
硬化型樹脂UV−3700(東亜合成化学製)をエタノ
ールで希釈して中間層上に塗布し、紫外線照射により硬
化して厚さ3μm の保護層とし、感熱記録媒体サンプル
を得た。
【0049】これらのサンプルの感熱記録層、中間層お
よび保護層について、TMAによりE150 を測定した。
また、中間層に用いたポリエステル−ウレタンについ
て、Tg(ガラス転移温度)をTMAにより測定し、T
d(熱分解温度)をTG−DTA(熱重量−示差熱分
析)により測定した。結果を表1に示す。なお、これら
の測定は、樹脂基体上に各層を独立して形成した後に剥
離したものについて行なった。
【0050】これらのサンプルの保護層にサーマルヘッ
ドを接触させて印字を行なった。サーマルヘッドから印
加するエネルギーを徐々に増加させ、保護層の印字領域
付近に破損(傷、しわ、クラックの少なくとも1種)が
発生しない最高印加エネルギーを調べ、これを耐サーマ
ルヘッド性として表1に示した。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示されるように、(保護層のE
150 )>(中間層のE150 )>(感熱記録層のE150
であって、かつ中間層のE150 が2〜200MPa の範囲
にあるサンプルNo. 2〜4では、良好な耐サーマルヘッ
ド性が得られている。これに対し、中間層のE150 が2
MPa 未満であるサンプルNo. 1では、耐サーマルヘッド
性が不十分である。そして、各サンプルの中間層のTg
およびTdの比較から、中間層のTgおよびTdは耐サ
ーマルヘッド性と相関しないことがわかる。
【0053】以上の実施例から、本発明の効果が明らか
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の少なくとも一方の面上に感熱記録
    層を有し、感熱記録層上に樹脂製の中間層を有し、中間
    層上に樹脂製の保護層を有する感熱記録媒体であって、 150℃における弾性率をE150 としたとき、中間層の
    150 が、保護層のE150 よりも小さく、中間層のE
    150 が2〜200MPa であることを特徴とする感熱記録
    媒体。
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