JPH08209084A - 粘着テープ及びその製造方法 - Google Patents

粘着テープ及びその製造方法

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JPH08209084A
JPH08209084A JP7019166A JP1916695A JPH08209084A JP H08209084 A JPH08209084 A JP H08209084A JP 7019166 A JP7019166 A JP 7019166A JP 1916695 A JP1916695 A JP 1916695A JP H08209084 A JPH08209084 A JP H08209084A
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JP
Japan
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pressure
adhesive tape
sensitive adhesive
fluorine
metal electrode
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Application number
JP7019166A
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English (en)
Inventor
Kenji Atsuta
健治 篤田
Motokazu Yuasa
基和 湯浅
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材フィルムの全面に設けられた粘着剤層を
任意のパターンで低粘着力化させた粘着テープ及び上記
構成の粘着テープとすることにより、製造時に広幅の長
尺体を捲重した場合でも、シワやフレアの発生がなく、
加工時に上記シワやフレア等に起因するトラブルの発生
がない任意に粘着力を制御した粘着テープの製造方法を
提供する。 【構成】 フッ素含有ガス10体積%以下と不活性ガス
90体積%以上の混合ガス雰囲気下、100〜800T
orrの圧力下で、少なくとも一つの金属電極がその表
面を固体誘電体によって被覆されている一対の金属電極
間に電圧を印加することにより発生した放電プラズマに
粘着剤層を部分的に接触させることを特徴とする粘着テ
ープの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘着テープ及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】基材フィルムに粘着剤を全面ではなく、
ゼブラ模様、格子模様ないしは水玉模様等その一部に設
け、粘着力をコントロールした粘着テープが知られてい
る。例えば、特開平2−14132号公報には、二つの
被着体を接着するに際し、両被着体の少なくともいずれ
か一方の被着体の被着面に、接着剤のコーティング部お
よび非コーティング部を所定面積比で形成する、接着強
度の制御方法が開示されている。
【0003】上記コーティング部および非コーティング
部は、厚さ25μmのふっ素樹脂フィルムの被着面に、
スクリーン印刷機を用いて同公報記載の図2及び図3に
示される如く、格子の幅(W)0.3〜1.0mm、格
子のピッチ(P)2mmの格子状のコーティングパター
ンでホットメルト接着剤がコーティングされている。
【0004】しかし、接着強度を制御するため上記の如
くスクリーン印刷機を用いて基材フィルムの一部に接着
剤を、例えば、格子状に塗布する場合、低粘度の粘着剤
では、塗布液が基材フィルム面に拡がり、塗膜を一定厚
さ以上に設けることができないという欠点がある。又、
粘着剤を塗布乾燥後、適宜幅にスリット加工や切断加工
を施す場合、コーティング部と非コーティング部の混在
により幅方向の厚さが均一でないことからシワやフレア
等の発生があり、製品化後に変形し易くなる等の問題点
を有する。
【0005】又、上記接着強度を制御するために、粘着
剤のコーティングパターンや塗布厚さを、その都度変更
しなければならず、スクリーン印刷機の印刷パターンを
彫刻した版銅ロールを上記接着強度に対応して多数準備
しなければならない等、設備費や設備コストが極めて高
価につき、且つ、その切替時の作業工数も多くを要し、
製品コストを更にアップさせる等の問題点を有するもの
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これら
の問題点を解決するために、基材フィルムの粘着剤層に
コーティング部と非コーティング部を設けることなく、
既に基材フィルムの全面に設けられた粘着剤層の粘着強
度を制御する方法について鋭意検討し、基材フィルムの
全面に設けられた粘着剤層をフッ素含有ガス及び放電プ
ラズマを利用して任意のパターンで粘着力を低下させる
方法を案出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0007】本発明の目的とするところは、基材フィル
ムの全面に設けられた粘着剤層を任意のパターンで低粘
着力化させた粘着テープ及び上記構成の粘着テープとす
ることにより、製造時に広幅の長尺体を捲重した場合で
も、シワやフレアの発生がなく、加工時に上記シワやフ
レア等に起因するトラブルの発生がない任意に粘着力を
制御した粘着テープの製造方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、粘着剤層がフッ素含有ガス雰囲気下、100〜80
0Torrの圧力下で、部分的に放電プラズマ処理され
ていることを特徴とする粘着テープをその要旨とするも
のである。
【0009】請求項2記載の本発明は、フッ素含有ガス
10体積%以下と不活性ガス90体積%以上の混合ガス
雰囲気下、100〜800Torrの圧力下で、少なく
とも一つの金属電極がその表面を固体誘電体によって被
覆されている一対の金属電極間に電圧を印加することに
より発生した放電プラズマに粘着剤層を部分的に接触さ
せることを特徴とする粘着テープの製造方法をその要旨
とするものである。
【0010】上記基材フィルムは、特に限定されるもの
ではなく、一般に粘着テープに使用されるプラスチック
フィルム、布、不織布、紙等から目的とする粘着テープ
の用途に応じて任意に選択使用される。例えば、本発明
の粘着テープを金属板やプラスチック板の表面保護フィ
ルムとする場合、基材フィルムに使用する、ポリオレフ
ィン樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン等のエチレンの重合体;エチレン−1−ブテン、エチ
レン−プロピレン共重合体のようなエチレン−αオレフ
ィン共重合体;エチレン−エチルアクリレート共重合
体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレ
ン−nブチルアクリレート共重合体等のエチレンとアク
リル酸エステルの共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重
合体;プロピレンの重合体;プロピレンと他のモノマー
とのランダムまたはブロック共重合体などが挙げられ
る。また、これらの混合物も使用できる。
【0011】上記粘着剤としては、上記基材フィルムに
適したものであれば特に限定されるものではなく、一般
に粘着テープに使用される、ゴム系粘着剤、アクリル系
粘着剤等目的とする粘着テープの用途に応じて任意に選
択使用される。例えば、前記表面保護フィルムに使用さ
れる粘着剤としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン・ブ
チレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチ
レン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合
体(SEBS)、アクリル酸エステル系共重合体、及び
これらと粘着付与樹脂との混合物が挙げられる。
【0012】基材フィルムの片面に粘着剤層を形成する
方法としては、特には限定されるものではなく、溶液状
の粘着剤を用いて、ロールコーター、コンマコーター等
の塗布装置を用いる塗工方式によってもよく、基材層と
粘着剤層を一体的に成形する共押出ラミネート方式によ
ってもよい。
【0013】次に、プラズマ処理工程について説明す
る。本発明で使用されるフッ素含有ガスとしては、例え
ば、テトラフロロメタン(CF4 )、ヘキサフロロエタ
ン(C2 6 )、ヘキサフロロプロピレン(C3 6
等のフッ化炭素ガス;モノクロロトリフロロメタン(C
ClF3)等のハロゲン化炭素ガス;ヘキサフロロサルフ
ァイド(SF6 )などが挙げられ、安全であり、かつプ
ラズマ中でフッ化水素等の有害ガスを発生しないC
4 、C2 6 、C3 6 等が特に好ましい。
【0014】本発明で使用される不活性ガスとしては、
ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガスや窒
素ガスが単独又は混合して使用されるが、準安定状態で
寿命が長いため、フッ素含有ガスを励起するのに有利な
ヘリウムがより好ましい。不活性ガスとしてヘリウム以
外のガスを使用する場合は、安定な放電プラズマを発生
させるために、アセトンやメタノール等の有機物蒸気、
メタン、エタン等の炭化水素ガスを2体積%以下の割合
で混合するのが好ましい。
【0015】フッ素含有ガスと不活性ガスとの混合割合
は、使用するガスの種類によって変わるが、フッ素含有
ガス濃度が低くなると、フッ素化の程度が不十分とな
り、高くなると電圧印加時にアーク放電が発生するの
で、フッ素含有ガス濃度は10体積%以下に限定され、
0.3〜5体積%が特に好ましい。
【0016】上記のフッ素含有ガスと不活性ガスとの混
合ガスの圧力は、100〜800Torrとされ、圧力
調整が容易で装置が簡便で済むため、常圧付近の700
〜780Torrの範囲が好ましい。
【0017】フッ素化処理に際して、基材フィルムや粘
着剤層を加熱したり、冷却したりする必要はなく、室温
で十分である。また、処理時間は、5秒〜1分で十分フ
ッ素化されており、これ以上の時間を掛けてもフッ素化
程度の著しい向上は期待できない。
【0018】以下に、プラズマ処理工程について図面に
よって説明する。図1は、本発明に使用されるプラズマ
処理装置の一例を示す説明図である。この装置は、電源
部1、処理容器2、電極先端に多数のガス噴出孔3aを
有する金属電極3及びこれと対向して配設された金属電
極4、上記金属電極4を被覆している固体誘電体5から
構成されている。
【0019】上記金属電極は、特に限定されるものでは
ないが、該金属電極は、使用中に変形することのない強
度を有するものであればよく、両金属電極は、その間隔
を均一に保たれていることが必要であり、両金属電極は
適宜懸架ないし載置する絶縁された支持具によって所定
位置に固定される。
【0020】又、上記金属電極は、図1に示される如
く、本発明において使用される前記フッ素含有ガスを供
給する配管9を兼用した電極先端に多数のガス噴出孔3
bを有する金属電極3(以下、多孔金属電極と略称す
る)であってもよい。
【0021】又、上記金属電極は、少なくとも一方が固
体誘電体によって被覆されていればよく、従って、以下
の如き電極の組み合わせが可能である。 固体誘電体で被覆された金属電極−多孔金属電極 固体誘電体で被覆された金属電極−固体誘電体で被覆
された多孔金属電極 金属電極−固体誘電体で被覆された多孔金属電極 固体誘電体で被覆された金属電極−多孔金属電極 固体誘電体で被覆された多孔金属電極−固体誘電体で
被覆された多孔金属電極
【0022】上記電極の構造としては、平行平板型の金
属電極、同軸円筒型、円筒対向平板型、球対向平板型、
双局面対平板型でも、また、複数の細線と平板からなる
ものでも構わない。電極の材質は、金属であれば、特に
限定されず、例えば、ステンレス、真鍮等の多成分系の
金属でも、銅、アルミニウム等の純金属でも良い。放電
プラズマによる表面処理部は、多孔金属電極3と対向す
る金属電極4の間の空間である。
【0023】上記金属電極4表面を被覆する固体誘電体
5は、相対する電極の対向面の全面に配設される必要が
ある。一部でも、対向面が露出しているとプラズマ処理
時にアーク放電が生じる。固体誘電体5は、図1に示す
ように、必ずしも金属電極4の上に配設される必要はな
く、前記する如く、多孔金属電極3側に配設されても構
わないし、両電極に配設されても構わない。
【0024】電源部1は、5〜100kHz台の周波数
の電源が印加可能とされるが、耐熱性の低い基材にプラ
ズマ処理するには、基材への影響が少ない10〜30k
Hzの周波数が好ましい。
【0025】放電プラズマの発生は、電極への電圧印加
によって行うが、印加電圧が低くなると、プラズマ密度
及びセルフバイアスが小さくなるので処理時間がかか
り、高くなると、誘電体が高温になりアーク放電に移行
する挙動を示すので、電界強度が5〜40kV/cm程
度になるように電圧印加するのが好ましい。
【0026】処理容器2は、上面2aと底面2bがステ
ンレス製、側面2cがガラス製であり、上面2aと多孔
金属電極3との間に絶縁体2dが配設されている。処理
容器2の材質は、これに限らず、全てがガラス製、プラ
スチック製でも構わないし、電極と絶縁がとれているな
らば、ステンレスやアルミニウム等の金属製でも構わな
い。
【0027】上記多孔金属電極3と対向する固体誘電体
5で被覆されている金属電極4の間には、被処理粘着テ
ープ6の幅に対応した固体誘電体からなる放電プラズマ
部分遮蔽シート7が固定型ないしはベルトコンベア状に
粘着テープ6の処理速度と同調随伴して移動する回転移
動型として設けられ、表面処理部が構成されている。
【0028】上記放電プラズマ部分遮蔽シート7の固定
型のものは、例えば、図2に示す如く、被処理粘着テー
プ6の移送方向に複数条(図2では5条)の長方形の孔
7aを有する前記金属電極3及び4の対向する電極面の
表面より若干大きい固体誘電体シートを例示できる。上
記放電プラズマ部分遮蔽シート7を使用して粘着テープ
6を処理すると、粘着テープ6の粘着剤層に上記長方形
の孔7aの幅で複数条(図2では5条)の低粘着力化さ
れた連続ストライプが形成される。
【0029】上記放電プラズマ部分遮蔽シート7の回転
移動型のものは、例えば、図3〜図5に示される。図3
には、移送される粘着テープ6の幅方向に複数個(図3
では3個)の正方形の孔7bが穿設されたエンドレスベ
ルトである。上記図3に示された放電プラズマ部分遮蔽
シート7を使用して粘着テープ6を処理すると、粘着テ
ープ6の粘着剤層に上記放電プラズマ部分遮蔽シート7
に穿設されている正方形の描画パターンを通して放電プ
ラズマ処理がなされ同パターンの低粘着力化部分が連続
して形成される。
【0030】図4には両側面の長手方向に繋ぎ部分を残
し、被処理粘着テープ6の幅と同等かそれより若干広幅
の横長の長方形の孔7cが一定間隔を置いて穿設された
エンドレスベルトである。上記図4に示された放電プラ
ズマ部分遮蔽シート7を使用して粘着テープ6を処理す
ると、粘着テープ6の粘着剤層に上記描画パターンが謄
写されて、横長の長方形の低粘着力化された部分が粘着
テープの幅方向全幅にわたって一定間隔を置いて形成さ
れ、捲重された粘着テープの巻き終部分が低粘着力化さ
れていると、粘着テープ捲重体から粘着テープを捲戻す
場合、極めて簡単に端部を引出すことができるので便利
である。
【0031】図5には、上記図3、図4の描画パターン
を額縁様の中抜きの長方形様7dに変更したものであ
る。いずれも図において区画を梨地で埋めた部分が穿設
されて孔になっている。上記図5に示された放電プラズ
マ部分遮蔽シート7を使用して粘着テープ6を処理する
と、粘着テープ6の粘着剤層に上記額縁様の中抜きの長
方形様の描画パターンが謄写されて同パターンの低粘着
力化部分が形成される。処理された粘着テープ6を、図
6に示される低粘着力化部分において切断線で示した部
分で打抜き加工してタックラベルとして使用すると、該
低粘着力化部分が端縁を形成しているので、剥離紙より
剥がして商品等の被着物への貼付作業が簡単になり、
又、誤って貼付した上記タックラベルを貼直す際に被着
物から剥離し易い等便利に利用できる。
【0032】固体誘電体5としては、例えば、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)やポリエチレンテレフ
タレート(PET)等のプラスチック;シリカ、アルミ
ナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の金属酸化物単体
又はそれらの金属の化合物が挙げられ、フッ素含有ガス
との反応性を考慮して選択する必要がある。固体誘電体
5の形状は、シート状でも、フィルム状でも構わない。
固体誘電体5の厚みについては、厚みが薄くなると、高
電圧印加時に絶縁破壊が起こってアーク放電が生じやす
くなり、厚くなると、放電プラズマを発生するのに高電
圧を要するので、0.05〜4mmの厚みが好ましい。
【0033】又、放電プラズマ部分遮蔽シート7として
は、上記固体誘電体5の中から適宜選択使用できるが、
被処理粘着テープ6に随伴して移動するエンドレスベル
ト方式のものは、PTFEやPET等のプラスチックシ
ートが好適に使用される。
【0034】図1の装置において、フッ素含有ガスは、
フッ素含有ガス供給管8を経て多孔金属電極3から、ま
た不活性ガスは、不活性ガス供給管9から、表面処理部
に供給される。猶、図1においては、多孔金属電極3
は、フッ素含有ガスを均一に供給するために、その内部
がガスの通路とされた、多孔性の電極とされている。こ
のように多孔金属電極3がフッ素含有ガス供給管8と電
極3を兼ね、且つ多孔構造からなると、フッ素含有ガス
を表面処理部に均一に供給し、均一な処理を行うために
好ましい。しかし、例えば、フッ素含有ガスを攪拌状態
で供給するとか、フッ素含有ガスを高速で吹き付けると
かすることにより、フッ素含有ガスを表面処理部に均一
に供給することが可能であれば、必ずしも多孔構造とす
る必要はない。
【0035】また、不活性ガスは、フッ素含有ガスと混
合してフッ素含有ガス供給管8を通り、多孔金属電極3
から導入しても構わないが、均一性よくフッ素化処理す
るためには、フッ素含有ガスを多孔金属電極3から供給
し、不活性ガスを不活性ガス供給管9から導入するのが
好ましい。又、不活性ガス供給管9の処理容器2内の先
端部は、図1には省略されているが、多数の穴の開いた
リング状とし、表面処理部の外周に巡らせ、その穴から
ガスが処理容器2内に供給される方が、均一に処理され
易いので好ましい。
【0036】又、フッ素含有ガス及び不活性ガスは、図
示しないが、マスフローコントローラーで流量制御され
て供給されるのが好ましい。
【0037】図1のプラズマ処理装置を用いて、ポリオ
レフィン樹脂からなる基材フィルムの片面に粘着剤層が
形成された粘着テープ6を、プラズマ処理し、粘着剤層
が形成された粘着テープ6の粘着剤層表面をフッ素化処
理する。その操作手順は、上記の粘着テープ6を粘着剤
層が固体誘電体5を背にして表面処理部に対向するよう
にして、電極間に導入する。次いで、フッ素含有ガス及
び不活性ガスをマスフローコントローラーで流量制御
し、10体積%以下のフッ素含有ガスと90体積%以上
の不活性ガスからなる混合ガスとして、表面処理部に供
給し、表面処理部の混合ガスの圧力を100〜800T
orrとする。次いで、金属電極間に電圧を印加し、放
電プラズマを発生させて、該プラズマを放電プラズマ部
分遮蔽シート7を介して上記の粘着テープ6の粘着剤層
表面に接触させる。
【0038】又、多孔金属電極3と金属電極4の間の距
離は、供給されるフッ素含有ガス流量、印加電圧の大き
さ、固体誘電体の材質及び厚み、並びに基材フィルム及
び粘着剤層の厚み等によって、適宜決定されるが、距離
が小さくなると未使用のフッ素含有ガスが多くなり非能
率的であり、大きくなると、電極空間のガスの均一性が
損なわれ易くなるので、1〜20mmが好ましい。
【0039】上記両電極3及び4間隙に放電プラズマ部
分遮蔽シート7が固定され電極3及び4のいずれかに被
覆された固体誘電体5との間に表面処理部が形成される
が、上記放電プラズマ部分遮蔽シート7と被処理粘着テ
ープ6の粘着剤層との間隙は20μm〜5mm程度であ
ることが好ましい。上記間隙が余り狭いと作業性が悪
く、逆に5mmを超える程度に広くなると放電プラズマ
部分遮蔽シート7の機能が悪くなり、不必要な箇所まで
フッ素化してしまう。
【0040】又、過剰のフッ素含有ガス及び不活性ガス
は、処理容器2のガス排気口10から排出する。また、
処理容器2内にフッ素含有ガス及び不活性ガスを供給す
る際に、処理容器2内に残存する空気を排気口10から
排気する。
【0041】
【作用】請求項1記載の本発明の粘着テープは、粘着剤
層がフッ素含有ガス雰囲気下、100〜800Torr
の圧力下で、放電プラズマ処理され、部分的にフッ素化
され、該フッ素化部分が低粘着性となっているので、コ
ーティング部と非コーティング部とからなる厚さの不均
一な粘着剤層を設けることなく任意の粘着力を有する粘
着テープが提供でき、又、低粘着性部分を端縁に位置す
るようにしたものや更に打抜き加工を施してタックラベ
ル等として便利に使用できる粘着テープが提供できる。
【0042】請求項2記載の本発明の粘着テープの製造
方法は、フッ素含有ガス10体積%以下と不活性ガス9
0体積%以上の混合ガス雰囲気下、100〜800To
rrの圧力下で、少なくとも一つの金属電極がその表面
を固体誘電体によって被覆されている一対の金属電極間
に電圧を印加することにより発生した放電プラズマに粘
着剤層を接触させることにより、コーティング部と非コ
ーティング部とからなる厚さの不均一な粘着剤層を設け
ることなく任意の粘着力を有する粘着テープが大気圧近
傍の圧力下で操作できるので、プラズマ処理特有のキュ
アー炉等の必要もなく極めて簡単な設備で製造でき、し
かも放電プラズマ部分遮蔽シートは、PTFEやPET
等のプラスチックシートの穿孔加工により安価にして容
易に調達できるので粘着テープのコストを大幅に低減す
ることができる。
【0043】又、本発明は、叙上の如く構成されている
ので、用いられる粘着剤に粘度等の制約がなく、広範囲
に粘着剤が選択でき、且つ、コーティング部と非コーテ
ィング部を形成するための粘着剤塗布装置や特殊加工の
治工具の取替えの必要がない。
【0044】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。 (実施例1)厚さ40μmの2軸延伸ポリプロピレンフ
ィルム(原料樹脂:住友化学工業社製、商品名「KS2
512A」)にマイヤーバー方式の塗布装置を使用し、
アクリルエマルジョンタイプの粘着剤(粘度800cp
s at 25℃)を塗布乾燥して厚さ20μmの粘着
剤層を設け、次いで、図1に示すプラズマ発生装置を使
用して上記粘着剤層をストライプ状にフッ素加工した。
【0045】上記プラズマ発生装置の金属電極4は、3
00mm×300mmの平板電極とし、該電極4表面を
厚さ1mm、350mm×350mmのPTFEシート
からなる固体誘電体を周縁部に各々25mmはみ出して
被覆した。多孔金属電極3は、上記金属電極4の直上に
これと平行して設けられた300mm×300mmの平
板電極とし、両電極間隙を8mmに正確に固定し、該間
隙に図2に示す厚さ2mm、350mm×350mmの
PTFEシートに中心線から両側に50mm間隔で10
mm×300mmの孔2aを穿設した放電プラズマ部分
遮蔽シート7を該孔7aの長軸方向を被処理粘着テープ
の移送方向に合わせて固定し、両PTFEシート間に表
面処理部を形成した。
【0046】上記表面処理部の固体誘電体5の上に、粘
着剤層が固体誘電体5に背を向け多孔金属電極3に対向
するように設置して、処理容器2内の空気を1Torr
まで油回転真空ポンプ(図示せず)で排気した。
【0047】次いで、テトラフルオロメタンガスを流量
10sccmでフッ素含有ガス供給管8から、ヘリウム
ガスを流量990sccmで不活性ガス供給管9から処
理容器2内に導入し、760Torrの大気圧とした。
その後、周波数15kHz、6.2kVの電力を印加
し、移送速度5m/分でプラズマ処理し、粘着テープ捲
重体を得た。得られた粘着テープの粘着剤層は幅10m
mの低粘着部分が50mm間隔で長手方向に連続して形
成されていた。上記粘着テープを低粘着部分の中心線で
スリットし幅50mmの粘着テープ捲重体にスリット加
工したが、加工時フレアやシワ等の発生もなく、空気の
巻き込みやズレの発生もなく美麗な粘着テープ捲重体を
得た。
【0048】(実施例2)厚さ40μmの2軸延伸ポリ
プロピレンフィルム(実施例1と同じ)に天然ゴム系の
粘着剤をコンマコーターにて塗布乾燥して厚さ20μm
の粘着剤層を設け、その後の処理は実施例1と同様にし
て粘着テープ捲重体を得た。上記粘着テープを低粘着部
分の中心線でスリットし幅50mmの粘着テープ捲重体
にスリット加工したが、加工時フレアやシワ等の発生も
なく、空気の巻き込みやズレの発生もなく美麗な粘着テ
ープ捲重体を得た。
【0049】(比較例1)プラズマ処理雰囲気をテトラ
フルオロメタンガスを流量150sccm、ヘリウムガ
スを流量850sccmに変更した以外実施例1と同様
にして粘着テープ捲重体を得た。得られた粘着テープの
粘着剤層の粘着力は変化が殆どなかった。
【0050】(比較例2)厚さ40μmの2軸延伸ポリ
プロピレンフィルム(実施例1と同じ)に実施例1と同
じアクリルエマルジョンタイプの粘着剤をグラビアコー
ターにて実施例1と同じ塗布パターンでストライプ塗工
を試みたが、塗膜厚さが15μm以上には塗布できず、
粘着テープとしての性能を得ることができなかった。
【0051】(比較例3)厚さ40μmの2軸延伸ポリ
プロピレンフィルム(実施例1と同じ)に実施例1と同
じアクリルエマルジョンタイプの粘着剤をコンマコータ
ーにて実施例1と同じ塗布パターンでストライプ塗工を
試みたが、粘度が低く拡がってしまいストライプ状には
塗工できなかった。
【0052】(比較例4)厚さ40μmの2軸延伸ポリ
プロピレンフィルム(実施例1と同じ)に実施例2と同
じ天然ゴム系の粘着剤をコンマコーターにて塗布乾燥し
て厚さ20μmの粘着剤層を設けた。この際コンマコー
ター部に10mm幅の櫛状の治具を付設したが、該治具
の付設及び取外しに3時間を要した。得られた粘着テー
プは粘着剤の塗布部と非塗布部の凹凸により、スリット
加工時のズレが多発し両端に5mmの非塗布部のある粘
着テープは得られなかった。
【0053】
【発明の効果】本発明の粘着テープは、叙上の如く構成
されているので、コーティング部と非コーティング部と
からなる厚さの不均一な粘着剤層を設けることなく任意
の粘着力を有する粘着テープが提供でき、又、低粘着性
部分を端縁に位置するようにしたものや更に打抜き加工
を施してタックラベル等として便利に使用できる粘着テ
ープが提供できる。
【0054】本発明の粘着テープの製造方法は、叙上の
如く構成されているので、コーティング部と非コーティ
ング部とからなる厚さの不均一な粘着剤層を設けること
なく任意の粘着力を有する粘着テープが形成されるので
製造時に広幅の長尺体を捲重した場合でも、シワやフレ
アの発生がなく、加工時に上記シワやフレア等に起因す
るトラブルの発生がない任意に粘着力を制御した粘着テ
ープが提供できる。又、本発明の粘着テープの製造方法
は、大気圧近傍の圧力下で極めて簡単な設備で製造でき
るので粘着テープのコストを大幅に低減することができ
る。
【0055】又、本発明は、用いられる粘着剤に粘度等
の制約がなく、広範囲に粘着力が選択でき、且つ、コー
ティング部と非コーティング部を形成するための粘着剤
塗布装置や特殊加工の治工具の取替えの必要がないので
作業性が非常によい。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマ処理装置の一例を示す説明図である。
【図2】放電プラズマ部分遮蔽シートの一例を示す正面
図である。
【図3】放電プラズマ部分遮蔽シートの他の例を示す一
部切欠正面図である。
【図4】放電プラズマ部分遮蔽シートの他の例を示す一
部切欠正面図である。
【図5】放電プラズマ部分遮蔽シートの他の例を示す一
部切欠正面図である。
【図6】図5の放電プラズマ部分遮蔽シートを用いて製
造された粘着テープの一部切欠正面図である。
【符号の説明】
1 電源部 2 処理容器 2a 上面 2b 底面 2c 側面 2d 絶縁体 3 多孔金属電極 3a ガス噴出孔 4 金属電極 5 固体誘電体 6 粘着テープ 7 放電プラズマ部分遮蔽シート 7a 長方形の孔 7b 正方形の孔 7c 横長の長方形の孔 7d 中抜き長方形様の孔 8 フッ素含有ガス供給管 9 不活性ガス供給管 10 排気口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着剤層がフッ素含有ガス雰囲気下、1
    00〜800Torrの圧力下で、部分的に放電プラズ
    マ処理されていることを特徴とする粘着テープ。
  2. 【請求項2】 フッ素含有ガス10体積%以下と不活性
    ガス90体積%以上の混合ガス雰囲気下、100〜80
    0Torrの圧力下で、少なくとも一つの金属電極がそ
    の表面を固体誘電体によって被覆されている一対の金属
    電極間に電圧を印加することにより発生した放電プラズ
    マに粘着剤層を部分的に接触させることを特徴とする粘
    着テープの製造方法。
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