JPH08208902A - 熱可塑性樹脂改質用マスターバッチペレットの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂改質用マスターバッチペレットの製造方法

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JPH08208902A
JPH08208902A JP27763395A JP27763395A JPH08208902A JP H08208902 A JPH08208902 A JP H08208902A JP 27763395 A JP27763395 A JP 27763395A JP 27763395 A JP27763395 A JP 27763395A JP H08208902 A JPH08208902 A JP H08208902A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面のベタツキが少なく、マスターバッチ効
率が高く、成形温度が低いマスターバッチペレットの製
造方法を提供する。 【構成】 (A)MgとTiを含む固体成分と有機アル
ミニウム化合物からなる触媒の存在下、エチレンとC3-
12α−オレフィンを共重合させて得られる(I)MI0.
01-100g/10min 、(II)密度0.860-0.910g/cm3、(III)
DSCの最大ピークTm温度が 100℃以上、(IV)沸騰n
−ヘキサン不溶分が10重量%以上、の性状を有するエチ
レン・α−オレフィン共重合体30〜95重量部、および
(B)Mn300-4000のポリブテン5〜70重量部を含有する
ものを、上記Tmないし Tm-45℃の温度範囲で混練し押出
す事を特徴とする熱可塑性樹脂改質用マスターバッチペ
レットの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はベタツキが少なく、作業
性の良好な熱可塑性樹脂改質用マスターバッチ組成物を
用いたペレットの製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、エチンレンとα−オレフ
ィンを共重合させて得られる特定の性状のエチレン・α
−オレフィン共重合体およびポリブテンからなるマスタ
ーバッチ組成物を用いたペレットの製造方法に関するも
のであり、特に、ベタツキが少なく、長期間の貯蔵にお
いてもブリードの発生がなく、ブロッキング、ブリッジ
ングなどの欠点のない作業性の良好な熱可塑性樹脂改質
用マスターバッチペレットを提供するものである。
【0003】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を射出成形、押出成形、ブ
ロー成形、インフレーション成形などの方法で成形する
ことにより各種の成形体、シート、フィルムなどが製造
されている。一般に、そのような熱可塑性樹脂には、そ
れぞれの用途に要求される特性を付与するために、液状
または固体粉末状などの各種改質剤、例えば可塑剤、充
てん材、染料、顔料、滑剤、酸化防止剤などが配合され
ている。これらの改質剤は、あらかじめ熱可塑性樹脂に
配合しペレット化して使用するか、あるいはあらかじめ
改質剤の含有量を多くしたマスターバッチペレットを製
造し、成形時にベース樹脂にドライブレンドして使用さ
れる。特に、改質剤が液状であるときは、あらかじめマ
スターバッチペレットを製造し、ドライブレンドして使
用する方法が広く採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記改質剤としてポリ
ブテンを用いる場合は、ポリブテンの含有量の多いマス
ターバッチペレットを製造する必要がある。しかしなが
ら、ポリブテンは他のポリオレフィン系樹脂との相溶性
が良くないので、以下のような問題があった。
【0005】つまり、製造直後あるいは数日後にはペレ
ット表面にポリブテンがブリードしベタツキが多くな
り、ペレット同志のブロッキングやドライブレンド時に
ホッパー内でブリッジングを起こし、所定量配合できな
かったり、不均一なものとなってしまうなど作業性が著
しく困難になるなどの問題点である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの課
題を解決するために鋭意検討した結果、特定の性状を有
するエチレン・α−オレフィン共重合体とポリブテンを
当該分野ではとうてい考えられないような低い温度範囲
で混練し、押出成形することにより、ポリブテンのブリ
ードによるベタツキも極めて少なく、ドライブレンド時
のブロッキングや、ホッパー内でのブリッジングなどの
作業性が著しく改良され、長期間の貯蔵においてもブリ
ード現象が認められず、安定性の良いマスターバッチペ
レットの優れた製造方法を見出した。
【0007】すなわち、本発明は(A)少なくともマグ
ネシウムとチタンとを含有する固体成分および有機アル
ミニウム化合物からなる触媒の存在下に、エチレンと炭
素数3〜12のα−オレフィンとを共重合させて得られ
る下記(I)〜(IV) (I)メルトインデックス 0.01〜100g/1
0min、 (II)密度 0.860〜0.910
g/cm3 、 (III)示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク
(Tm)温度が100℃以上、 (IV)沸騰n−ヘキサン不溶分が10重量%以上、の性
状を有するエチレン・α−オレフィン共重合体30〜9
5重量部、および (B)数平均分子量が300〜4000のポリブテン5
〜70重量部を含有するものを上記エチレン・α−オレ
フィン共重合体の示差走査熱量測定法(DSC)による
最大ピーク(Tm)温度ないし(Tm−45)℃の温度
範囲で混練し押出す事を特徴とする熱可塑性樹脂改質用
マスターバッチペレットの製造方法に関するものであ
る。
【0008】以下、本発明を詳述する。
【0009】(1)エチレン・α−オレフィン共重合体
(A) 本発明において使用するエチレン・α−オレフィン共重
合体は少なくともマグネシウムおよびチタンを含有する
固体成分および有機アルミニウム化合物からなる触媒の
存在下、エチレンとα−オレフィンを共重合して得られ
る。α−オレフィンとしては炭素数3〜12のものが使
用できる。具体的には、プロピレン、ブテン−1、4−
メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デ
セン−1、ドデセン−1などを挙げることができる。こ
れらのうち特に好ましいのは、炭素数が3〜6であるプ
ロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1および
ヘキセン−1である。また、さらに本発明の目的を逸脱
しない限りコモノマーとしてジエン類、例えばブタジエ
ン、1,4−ヘキサジエンなどを併用することもでき
る。エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフ
ィン含有量は5〜40モル%であることが好ましい。
【0010】使用する触媒は、少なくともマグネシウム
とチタンとを含有する固体触媒成分に、有機アルミニウ
ム化合物を組み合わせたものである。該固体触媒成分と
しては、例えば金属マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネ
シウムなどのマグネシウム塩、ケイ素、アルミニウム、
カルシウムから選ばれる金属とマグネシウム原子とを含
有する複塩、複酸化物、炭酸塩、塩化物あるいは水酸化
物など、さらにはこれらの無機質固体化合物を含酸素化
合物、含硫黄化合物、芳香族炭化水素、ハロゲン含有物
質で処理または反応させたもの等のマグネシウムを含む
無機質固体化合物にチタン化合物を公知の方法により担
持させたものが挙げられる。
【0011】上記の含酸素化合物としては、例えば水、
アルコール、フェノール、ケトン、アルデヒド、カルボ
ン酸、エステル、アルコキシシラン、ポリシロキサン、
酸アミド等の有機含酸素化合物、金属アルコキシド、金
属のオキシ塩化物等の無機含酸素化合物を例示すること
ができる。含硫黄化合物としては、チオール、チオエー
テルのような有機含硫黄化合物、二酸化硫黄、三酸化硫
黄、硫黄のような無機硫黄化合物を例示することができ
る。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、アントラセン、フェナンスレンのような各種の
単環および多環の芳香族炭化水素化合物を例示すること
ができる。ハロゲン含有物質としては、塩素、塩化水
素、金属塩化物、有機ハロゲン化物のような化合物を例
示することができる。
【0012】一方、マグネシウムを含む有機質固体化合
物に担持させるチタン化合物としては、チタンのハロゲ
ン化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、ハロ
ゲン化酸化物等を挙げることができる。チタン化合物と
しては4価のチタン化合物と3価のチタン化合物が好適
であり、4価のチタン化合物としては具体的には一般式
Ti(OR)n4-1 (ここでRは炭素数1〜20のア
ルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、Xは
ハロゲン原子を示し、nは0≦n≦4の整数である)で
示されるものが好ましく、具体的には四塩化チタン、四
臭化チタン、四ヨウ化チタン、モノメトキシトリクロロ
チタン、ジメトキシジクロロチタン、トリメトキシモノ
クロロチタン、テトラメトキシチタン、モノエトキシト
リクロロチタン、ジエトキシジクロロチタン、トリエト
キシモノクロロチタン、テトラエトキシチタン、モノイ
ソプロポキシトリクロロチタン、ジイソプロポキシジク
ロロチタン、トリイソプロポキシモノクロロチタン、テ
トライソプロポキシチタン、モノブトキシトリクロロチ
タン、ジブトキシジクロロチタン、モノペントキシトリ
クロロチタン、モノフェノキシトリクロロチタン、ジフ
ェノキシジクロロチタン、トリフェノキシモノクロロチ
タン、テトラフェノキシチタン等を挙げることができ
る。三価のチタン化合物としては、三塩化チタン等の三
ハロゲン化チタンが好ましい。これらのチタン化合物の
うち、四価のチタン化合物が好ましく、特に四塩化チタ
ンが好ましい。
【0013】他の触媒系の例としては固体触媒成分とし
て、いわゆるグリニヤール化合物などの有機マグネシウ
ム化合物をチタン化合物との反応生成物を用い、これに
有機アルミニウム化合物を組み合わせた触媒系を例示す
ることができる。有機マグネシウム化合物としては、例
えば、一般式RMgX、R2 Mg、RMg(OR)など
の有機マグネシウム化合物(ここで、Rは炭素数1〜2
0の有機残基、Xはハロゲン原子を示す)およびこれら
のエーテル錯合体、またはこれらの有機マグネシウム化
合物をさらに他の有機金属化合物、例えば有機ナトリウ
ム、有機リチウム、有機カリウム、有機ホウ素、有機カ
ルシウム、有機亜鉛などの各種化合物を加えて変性した
ものを用いることができる。
【0014】また、他の触媒系の例としては固体触媒成
分として、SiO2 、Al23 などの無機酸化物と前
記の少なくともマグネシウムおよびチタンを含有する固
体触媒成分を接触させて得られる固体物質を用い、これ
に有機アルミニウム化合物を組み合わせたものを例示す
ることができる。無機酸化物としては、SiO2 、Al
23 の他にCaO、B23 、SnO2 等を挙げるこ
とができ、またこれらの酸化物の複酸化物もなんら支障
なく使用できる。これら各種の無機酸化物とマグネシウ
ムおよびチタンを含有する固体触媒成分を接触させる方
法としては公知の方法を採用することができる。すなわ
ち、不活性溶媒の存在下または不存在下に、温度20〜
400℃、好ましくは50〜300℃で通常5分〜20
時間反応させる方法、共粉砕処理による方法、あるいは
これらの方法を適宜組み合わせることにより反応させて
もよい。
【0015】これらの触媒系において、チタン化合物を
有機カルボン酸エステルとの付加物として使用すること
もでき、また前記したマグネシウムを含む無機固体化合
物を有機カルボン酸エステルと接触処理させたのち使用
することもできる。また、有機アルミニウム化合物を有
機カルボン酸エステル、有機ケイ素化合物との付加物と
して使用しても何ら支障がない。
【0016】上記した固体触媒成分と組み合わせるべき
有機アルミニウム化合物の具体的な例としては、一般式
3 Al、R2 AlX、RAlX2 、R2 AlOR、R
Al(OR)X、R3 Al23 の有機アルミニウム化
合物(ここではRは炭素数1〜20のアルキル基、アリ
ール基またはアラルキル基、Xはハロゲン原子を示し、
Rは同一でもまた異なってもよい)で示される化合物が
好ましく、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチ
ルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニウムセスキ
クロリド、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0017】有機アルミニウム化合物の使用量は特に制
限されないが、通常チタン化合物に対して0.1〜10
00モル倍使用することができる。
【0018】また、前記の触媒系をα−オレフィンと接
触させたのち重合反応に用いることによって、その重合
活性を大幅に向上させ、未処理の場合よりも一層安定に
運転することもできる。
【0019】重合反応は、通常のチグラー型触媒による
オレフィンの重合反応と同様にして行われる。すなわ
ち、反応は全て実質的に酸素、水などを絶った状態で、
気相、または不活性溶媒の存在下、またはモノマー自体
を溶媒として行われる。
【0020】オレフィンの重合条件は温度20〜300
℃、好ましくは40〜200℃であり、圧力は常圧ない
し70kg/cm2 ・G、好ましくは2kg/cm2
Gないし60kg/cm2 ・Gである。分子量の調節は
重合温度、触媒のモル比などの重合条件を変えることに
よってもある程度調節できるが、重合系中に水素を添加
することにより効果的に行われる。もちろん、水素濃
度、重合濃度などの重合条件の異なった2段階ないしそ
れ以上の多段階の重合反応も何ら支障なく実施できる。
【0021】以上の方法により、本発明の特定性状を有
するエチレン・α−オレフィン共重合体(A)を製造す
る。
【0022】すなわち本発明において用いるエチレン・
α−オレフィン共重合体(A)のメルトインデックス
(MI)(JIS K6760準拠、190℃、2.1
6kg荷重)は、0.01〜100g/min、好まし
くは0.1〜50g/10min、さらに好ましくは
0.1〜20g/10minである。密度(JISK6
760による)は0.860〜0.910g/cm3
好ましくは0.870〜0.905g/cm3 、さらに
好ましくは0.870〜0.900g/cm3 である。
示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温度
(Tm)は100℃以上、好ましくは110℃〜130
℃、さらに好ましくは115℃〜125℃である。沸騰
n−ヘキサン不溶分は10重量%以上、好ましくは20
〜95重量%、さらに好ましくは20〜90重量%であ
る。
【0023】エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
のMIが0.01g/10min未満では、MIが小さ
すぎて流動性が悪くなる。また、MIが100g/10
minを越えるとマスターバッチペレットが軟質になり
すぎ表面のベタツキが発生する。また、密度が0.86
0g/cm3 未満では、やはり表面のベタツキが発生
し、密度が0.910g/cm3 を越えると長時間の貯
蔵時にブリードが発生し不安定なものとなる。DSCに
よる最大ピーク温度が100℃未満では、マスターバッ
チペレットにベタツキが発生する。沸騰nーヘキサン不
溶分が10重量%よりも少ないと、やはりマスターバッ
チペレット表面のベタツキがあり好ましくない。
【0024】また、これらのエチレン・α−オレフィン
共重合体(A)は粉末状または顆粒状のものが好まし
い。
【0025】(2)ポリブテン(B) 本発明に用いるポリブテン(B)はその用途によって広
い範囲から選択でき、例えば、工業的に通常得られると
ころの、ナフサクラッキングの際に得られるC 4 留分よ
りブタジエンを除いたブタン−ブテン留分を塩化アルミ
ニウム、シリカアルミナ、陽イオン交換樹脂のような酸
性触媒、特にフリーデルクラフツ型触媒の存在下で重合
して得られる粘稠ポリマーが挙げられる。これらのポリ
ブテンは通常、数平均分子量が300〜4000、好ま
しくは400〜3000のものが使用される。数平均分
子量がこの範囲より小さいものは引火点が低くなり好ま
しくなく、また長期間貯蔵した場合、一部揮散するおそ
れがある。数平均分子量がこの範囲より大きいものは、
粘度が高すぎて取扱いが困難となる。
【0026】(3)組成割合 本発明の熱可塑性樹脂改質用マスターバッチペレット中
に占めるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)、ポ
リブテン(B)の組成割合は、エチレン・α−オレフィ
ン(A)が30〜95重量部、好ましくは40〜90重
量部、さらに好ましくは、45〜90重量部、ポリブテ
ン(B)が5〜70重量部、好ましくは10〜60重量
部、さらに好ましくは10〜55重量部である。
【0027】ポリブテン含有量が5重量部より小さい場
合にはマスターバッチの使用量が多くなりすぎ効率も悪
くなる。またポリブテン含有量が70重量部より大きい
場合は得られるマスターバッチペレットのベタツキが発
生して好ましくない。
【0028】(4)熱可塑性樹脂改質用マスターバッチ
ペレットの製造 本発明の熱可塑性樹脂改質用マスターバッチペレット
は、前記のエチレン・α−オレフィン共重合体およびポ
リブテンを所定の組成割合となるよう均一に混練したの
ち押出して、ペレット化することにより得られる。これ
らの混練、押出しには、任意の公知技術が使用できる。
代表的な例として、一軸押出機あるいは二軸押出機など
を用いた混練、押出し方法が挙げられる。このときの混
練、押出温度は前記エチレン・α−オレフィンの共重合
体のDSCによる最大ピーク温度Tmないし(Tm−4
5)℃の温度範囲、好ましくは(Tm−5)℃ないし
(Tm−40)℃、さらに好ましくは(Tm−10)℃
ないし(Tm−30)℃である。混練・押出温度がTm
より高いと、得られるペレット表面にブリードが発生
し、ベタツキも多くなり好ましくない。また、混練・押
出温度が(Tm−45)℃より低いと、ペレット自身の
強度が低下してしまうか、あるいはストランド状に押出
すことができず、ペレット化することが困難である。ま
た、エチレン・α−オレフィン共重合体とポリブテンと
は、混練前に予め機械的に混合しておいてもよく、また
混練時に同時にあるいはそれぞれ別々に加えてもよい。
なお、予め機械的に混合する場合においてTmを超える
温度で行うと本発明のマスターバッチペレットは得られ
ないことはいうまでもない。
【0029】本発明におけるペレット化工程もまた任意
の公知技術が使用できる。代表的な例としては、コール
ドカット法、すなわち、上記条件で押出された樹脂を水
冷あるいは空冷などにより冷却したのち、ペレタイザに
より切断する方法、あるいは、ホットカット法などがあ
げられる。
【0030】なお、従来公知の可塑剤、充てん剤、染
料、顔料、滑剤、酸化防止剤などのほか、脂肪族系、芳
香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、テルペン樹脂、ロ
ジンおよびその誘導体などの粘着付与樹脂類を予めこれ
らのペレットに配合しておいてもよい。
【0031】本発明の上記製造方法により得られる熱可
塑性樹脂改質用マスターバッチペレットは、前述したよ
うな優れた特徴を有していることから、応用範囲は極め
て広い。本発明の該マスターバッチペレットの用途例と
しては、例えば、 (イ)各種包装用フィルム類(ラップフィルム、ストレ
ッチフィルム、農業用フィルム) (ロ)各種シート (ハ)被覆用材料 (ニ)遮音材料、制振材、シール材、防水材 (ホ)履物類 (ヘ)ホース、パッキン材 などの各種の分野で使用される熱可塑性樹脂の改質剤な
どが挙げられる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
【0033】物性の測定法法: (1)示差走査熱量測定法(DSC) 熱プレス成形した厚さ100μmのフィルムを試料と
し、170℃にて昇温してその温度で15min保持し
た後、降温速度25℃/minで0℃まで冷却する。次
に、この状態から昇温速度10℃/minで170℃ま
で昇温して測定を行う。0℃から170℃に昇温する間
に現れたピークの最大ピークの頂点の位置をもって最大
ピーク温度(Tm)とする。
【0034】(2)沸騰n−ヘキサン不溶分の測定法 熱プレスを用いて、厚さ200μmのシートを成形し、
そこから縦横それぞれ20mm×30mmのシートを3
枚切り取り、二重管式ソックスレー抽出器を用いて、沸
騰n−ヘキサンで5時間抽出を行う。n−ヘキサン不溶
分を取り出し、真空乾燥(7時間、真空下、50℃)
後、次式により沸騰n−ヘキサン不溶分(C6 不溶分)
を算出する。
【0035】沸騰n−ヘキサン不溶分(重量%)=[抽
出済シート重量/未抽出シート重量]×100(重量
%)。
【0036】(3)ペレットのベタツキ 長さ50mm程度のストランドを2枚の透明なポリエス
テルフィルム(38μm)の間にはさみ、指先でかるく
押え、ポリエステルフィルム上に残ったストランドのあ
とを次の基準で判定した。
【0037】◎:ベタツキなし(全く跡が残らない) ○:ほとんどなし(わずかに跡が残る) △:やゝあり (かなり跡が残る) ×:あり (全面に残る)。
【0038】エチレン・α−オレフィン共重合体試料の
製造:実施例および比較例で使用したエチレン・α−オ
レフィン共重合体成分(成分(A−1)、(A−2)、
(A−3))について以下に記す。
【0039】(1)成分(A−1)および(A−2)の
製造 実質的に無水の塩化マグネシウム、1,2−ジクロルエ
タンおよび四塩化チタンから得られた固体触媒成分とト
リエチルアルミニウムからなる触媒を用いてエチレンと
ブテン−1とを共重合させてエチレン−ブテン−1共重
合体(A−1)および(A−2)を得た。
【0040】(2)成分(A−3)の製造 実質的に無水の塩化マグネシウム、アントラセンおよび
四塩化チタンから得られた固体触媒成分とトリエチルア
ルミニウムからなる触媒を用いてエチレンとプロピレン
を共重合してエチレン−プロピレン共重合体(A−3)
を得た。
【0041】これらのエチレン・α−オレフィン共重合
体成分の性状は表1に示した。
【0042】実施例1〜9 表2に示す組成になるように、顆粒状エチレン・α−オ
レフィン共重合体を、また80℃に加温したポリブテン
をポンプによりそれぞれホッパー口より、表2に示され
る押出温度に予熱した一軸押出機(スクリュー径20m
mφ、L/D=20、ダイス2mmφ)に供給した後、
回転数70rpmで混練押出しストランドを得た。つい
で得られたストランドを水冷したのちペレタイザーによ
りペレット化した。
【0043】実施例1〜9においては、いずれも連続的
にストランド状に押出しができ、ペレタイザーにより何
ら問題なくペレット化可能であった。また、ベタツキも
極めて少ないものが得られた。これらの実施例における
物性評価結果を表2に併記した。
【0044】比較例1および比較例2 表2に示す組成および押出温度で、前記実施例と同様に
押出し試験を行った。その結果、比較例1では何とかス
トランド状に押出し可能であったもののストランドのベ
タツキが多く物性が劣っていた。また、比較例2では押
出しの際、ボソボソとなってしまい、連続的にストラン
ド状に成形できなかった。これらの物性評価結果を表2
に併記した。
【0045】比較例3および比較例4 顆粒状エチレン・α−オレフィン共重合体を用いるかわ
りに市販の低密度ポリエチレン(LDPE)を用い、表
2に示す組成および押出温度で実施例と同様に行なっ
た。その結果、比較例3のようにLDPEを用いた際の
一般的な押出温度で成形した場合、なんとかストランド
状に押出し可能であったが、得られたストランドはベタ
ツキが極めて多いものであった。また、比較例4のよう
に本発明と同様な押出温度で成形しようとしても、押出
し不可能であった。これらの比較例の物性評価結果を表
2に併記した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明で得られる熱可塑性樹脂改質用マ
スターバッチペレットは下記のような特徴を有してい
る。
【0049】(イ)ペレット表面のベタツキが少ないの
で、ペレット同志のブロッキングが少なく、ドライブレ
ンド時の均一分散性が良く、ホッパー内でブリッジング
が防止でき安定した量の供給が可能となる。
【0050】(ロ)改質剤としてのポリブテン含有量を
多くすることができるので、マスターバッチの効率を高
くすることができる。
【0051】(ハ)ペレット成形温度が低いため、成形
が簡単であり、成形時の熱によるペレットの変質が生じ
難い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)少なくともマグネシウムとチタン
    とを含有する固体成分および有機アルミニウム化合物か
    らなる触媒の存在下に、エチレンと炭素数3〜12のα
    −オレフィンとを共重合させて得られる下記(I)〜
    (IV) (I)メルトインデックス 0.01〜100g/1
    0min、 (II)密度 0.860〜0.910
    g/cm3 、 (III)示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク
    (Tm)温度が100℃以上、 (IV)沸騰n−ヘキサン不溶分が10重量%以上、の性
    状を有するエチレン・α−オレフィン共重合体30〜9
    5重量部、および (B)数平均分子量が300〜4000のポリブテン5
    〜70重量部を含有するものを上記エチレン・α−オレ
    フィン共重合体の示差走査熱量測定法(DSC)による
    最大ピーク(Tm)温度ないし(Tm−45)℃の温度
    範囲で混練し押出す事を特徴とする熱可塑性樹脂改質用
    マスターバッチペレットの製造方法。
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