JPH08208609A - フルオロピリジン類の製造方法 - Google Patents

フルオロピリジン類の製造方法

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JPH08208609A
JPH08208609A JP4240295A JP4240295A JPH08208609A JP H08208609 A JPH08208609 A JP H08208609A JP 4240295 A JP4240295 A JP 4240295A JP 4240295 A JP4240295 A JP 4240295A JP H08208609 A JPH08208609 A JP H08208609A
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iodide
halogenopyridinium
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fluoropyridines
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JP4240295A
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Yukio Iida
幸生 飯田
Yukiko Ikeda
由紀子 池田
Shinichi Tai
慎一 田井
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温和な条件で容易に、しかも高収率でフルオ
ロピリジン類を製造する。 【構成】 フルオロピリジン類の製造方法は、下記の一
般式(2)で示されるハロゲノピリジン類と下記の一般
式(3)で示される有機ハロゲン化物とから下記の一般
式(1)で示される1−置換ハロゲノピリジニウムハラ
イド類を合成し、前記1−置換ハロゲノピリジニウムハ
ライド類をアルカリ金属フルオリドによりフッ素化する
ことを特徴とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルオロピリジン類の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フルオロピリジン類は、医薬あるいは農
薬の中間体として利用されている。従来、このようなフ
ルオロピリジン類は、例えば、次の方法により製造され
ている。 ハロゲノピリジン類を、常圧下、0〜200℃で無水
フッ酸と反応させる方法(特開平4−124176
号)。 ベンゾニトリル中で、相間移動触媒を用いてハロゲノ
ピリジン類をフッ化カリウム等のアルカリ金属フルオリ
ドと150〜350℃で反応させる方法(特開平4−1
64068号)。 アミノピリジン類のジアゾニウム塩分解を経由するシ
ーマン反応による方法。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の製造方法は、
無水フッ酸の腐食性が高いため、取扱いが容易でなく、
また、例えばテフロン製等の特殊な反応器が必要とな
る。の製造方法は、無水フッ酸に比べて反応性が小さ
なアルカリ金属フルオリドをフッ素化剤として用いてい
るために、通常加圧下において約200℃以上の高温
で、しかも長時間の反応が必要であり、必ずしも温和な
条件での製造方法とは云えない。また、タールが生成し
易い等の問題があり、反応条件の改善が必要になる。さ
らに、の製造方法は、反応制御が困難であり、爆発の
危険性が高い。
【0004】本発明の目的は、温和な条件で容易に、し
かも高収率でフルオロピリジン類を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成するために鋭意検討した結果、ピリジン環の窒素原
子に置換基を持つ1−置換ハロゲノピリジニウムハライ
ド類をアルカリ金属フルオリドによりフッ素化すると、
ピリジン環に結合しているハロゲンが容易にフッ素によ
って置換され、同時にピリジン環の窒素原子上の置換基
が脱離して、容易にフルオロピリジン類が得られること
を見出し本発明に到達した。即ち、本発明に係るフルオ
ロピリジン類の製造方法は、下記の一般式(1)で示さ
れる1−置換ハロゲノピリジニウムハライド類をアルカ
リ金属フルオリドによりフッ素化することを特徴とす
る。
【0006】
【化6】
【0007】式中、R1 は、炭素数が1〜6の直鎖また
は分岐のアルキル基またはアラルキル基を、R2 は、水
素原子、炭素数が1〜6の直鎖または分岐のアルキル
基、アリール基またはアラルキル基を、Xは、Clまた
はBrを、Yは、Cl、BrまたはIを、nは、1また
は2をそれぞれ示している。
【0008】前記1−置換ハロゲノピリジニウムハライ
ド類の製造方法は、特に限定されるものではないが、通
常、ハロゲノピリジン類と有機ハロゲン化物とを反応さ
せる方法が好ましく用いられる。即ち、本発明に係るフ
ルオロピリジン類の他の製造方法は、下記の一般式
(2)で示されるハロゲノピリジン類と下記の一般式
(3)で示される有機ハロゲン化物とから上述の一般式
(1)で示される1−置換ハロゲノピリジニウムハライ
ド類を合成し、前記1−置換ハロゲノピリジニウムハラ
イド類をアルカリ金属フルオリドによりフッ素化するこ
とを特徴とする。なお、一般式(2)および(3)にお
いて、R1 、R2 、X、Yおよびnは、一般式(1)の
場合と同じである。
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】これらの製造方法において、アルカリ金属
フルオリドとしては、例えばフッ化カリウムが用いられ
る。また、フッ素化工程は、例えば、常圧下において6
0〜200℃で行われる。さらに、本発明に係るフルオ
ロピリジン類の製造方法によれば、例えば、下記の一般
式(4)で示されるフルオロピリジン類が製造される。
【0012】
【化9】
【0013】式中、R2 は、水素原子、炭素数が1〜6
の直鎖または分岐のアルキル基、アリール基またはアラ
ルキル基を、mは、1または2をそれぞれ示している。1−置換ハロゲノピリジニウムハライド類 本発明で用いられる1−置換ハロゲノピリジニウムハラ
イド類は、下記の一般式(1)で示される、ハロゲノピ
リジンの4級塩である。ここで、1−置換ハロゲノピリ
ジニウムハライド類は、フッ素化反応工程において、溶
媒およびアルカリ金属フルオリドと反応しない置換基R
2 を有していてもよい。
【0014】
【化10】
【0015】式中、R1 は、炭素数が1〜6の直鎖また
は分岐のアルキル基またはアラルキル基を、R2 は、水
素原子、炭素数が1〜6の直鎖または分岐のアルキル
基、アリール基またはアラルキル基を、Xは、Clまた
はBrを、Yは、Cl、BrまたはIを、nは、1また
は2をそれぞれ示している。ここで、炭素数が1〜6の
直鎖または分岐のアルキル基としては、例えば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が、ア
リール基としては、フェニル基、4−トルイル基等が、
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が
それぞれ挙げられる。
【0016】この種の1−置換ハロゲノピリジニウムハ
ライド類は、前述のように、例えば、ハロゲノピリジン
類と有機ハロゲン化物とから合成される。具体的には、
ハロゲノピリジン類と有機ハロゲン化物とを撹拌しなが
ら数時間加熱還流させる方法、または両者を室温あるい
は0℃で数日間放置する方法により合成される。
【0017】前記1−置換ハロゲノピリジニウムハライ
ド類の合成に用いられるハロゲノピリジン類は、ピリジ
ン環上に少なくとも1つのハロゲン、好ましくは塩素原
子または臭素原子を有するものである。なお、この種の
ハロゲノピリジン類は、前述のようにフッ素化反応工程
において、溶媒およびアルカリ金属フルオリドと反応し
ない置換基を有していてもよい。このような置換基の具
体例は、前記R2 として例示したものと同様である。ハ
ロゲノピリジン類を一般式で示すと、下記の式(2)の
通りである。なお、式中、R2 およびnは、一般式
(1)の場合と同様である。
【0018】
【化11】
【0019】ハロゲノピリジン類の具体例としては、2
−クロロピリジン、3−クロロピリジン、4−クロロピ
リジン、2−ブロモピリジン、3−ブロモピリジン、4
−ブロモピリジン、2,3−ジクロロピリジン、2,4
−ジクロロピリジン、2,5−ジクロロピリジン、2,
6−ジクロロピリジン、3,4−ジクロロピリジン、
3,5−ジクロロピリジン、3,6−ジクロロピリジ
ン、2,3−ジブロモピリジン、2,4−ジブロモピリ
ジン、2,5−ジブロモピリジン、2,6−ジブロモピ
リジン、3,4−ジブロモピリジン、3,5−ジブロモ
ピリジン、3,6−ジブロモピリジン、2−クロロ−3
−ブロモピリジン、2−クロロ−4−ブロモピリジン、
2−クロロ−5−ブロモピリジン、2−クロロ−6−ブ
ロモピリジン、3−クロロ−4−ブロモピリジン、3−
クロロ−5−ブロモピリジン、3−クロロ−6−ブロモ
ピリジン、2−クロロ−β−ピコリン、4−クロロ−β
−ピコリン、5−クロロ−β−ピコリン、6−クロロ−
β−ピコリン、2−ブロモ−γ−ピコリン、6−ブロモ
−2,4−ジメチルピリジン、4−ベンジル−2−クロ
ロピリジン等が挙げられる。
【0020】これらのうち、2−クロロピリジン、3−
クロロピリジン、4−クロロピリジン、2−ブロモピリ
ジン、3−ブロモピリジン、4−ブロモピリジン、2,
4−ジクロロピリジン、2,6−ジクロロピリジン、
2,4−ジブロモピリジンが特に好ましい。
【0021】一方、1−置換ハロゲノピリジニウムハラ
イド類の合成で用いられる有機ハロゲン化物は、特に限
定されるものではないが、一般に、炭素数が1〜6個の
直鎖または分岐のアルキル基やアラルキル基を有し、ハ
ロゲンとして、塩素、臭素またはヨウ素のいずれかを有
するものが好ましく用いられる。
【0022】ここで、有機ハロゲン化物を一般式で示す
と、下記の式(3)の通りである。なお、式中、R1
よびYは、一般式(1)の場合と同様である。
【0023】
【化12】
【0024】このような有機ハロゲン化物の具体例とし
ては、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エ
チル、臭化エチル、ヨウ化エチル、塩化n−プロピル、
臭化n−プロピル、ヨウ化n−プロピル、塩化i−プロ
ピル、臭化i−プロピル、ヨウ化i−プロピル、塩化n
−ブチル、臭化n−ブチル、ヨウ化n−ブチル、塩化s
ec−ブチル、臭化sec−ブチル、ヨウ化sec−ブ
チル、塩化ter−ブチル、臭化ter−ブチル、ヨウ
化ter−ブチル、塩化ペンチル、臭化ペンチル、ヨウ
化ペンチル、塩化ヘキシル、臭化ヘキシル、ヨウ化ヘキ
シル等のアルキルハライド類、および塩化ベンジル、臭
化ベンジル、ヨウ化ベンジル、フェネチルクロライド、
フェネチルブロマイド、フェネチルヨーダイド等のアラ
ルキルハライド類が挙げられる。
【0025】これらのうち、塩化メチル、臭化メチル、
ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチ
ル、塩化n−プロピル、臭化n−プロピル、ヨウ化n−
プロピル、塩化n−ブチル、臭化n−ブチル、ヨウ化n
−ブチル、塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジ
ルが特に好ましい。
【0026】上述のハロゲノピリジン類と有機ハロゲン
化物とから合成される1−置換ハロゲノピリジニウムハ
ライド類の具体例としては、1−メチル−2−クロロピ
リジニウムヨーダイド、1−メチル−3−クロロピリジ
ニウムヨーダイド、1−メチル−4−クロロピリジニウ
ムヨーダイド、1−メチル−2,4−ジクロロピリジニ
ウムヨーダイド、1−メチル−2−ブロモピリジニウム
ヨーダイド、1−メチル−3−ブロモピリジニウムヨー
ダイド、1−メチル−4−ブロモピリジニウムヨーダイ
ド、1−エチル−2−クロロピリジニウムヨーダイド、
1−エチル−3−クロロピリジニウムヨーダイド、1−
エチル−4−クロロピリジニウムヨーダイド、1−エチ
ル−2,6−ジクロロピリジニウムブロマイド、1−エ
チル−2−ブロモピリジニウムブロマイド、1−エチル
−3−ブロモピリジニウムブロマイド、1−エチル−4
−ブロモピリジニウムブロマイド、1−(n−プロピ
ル)−2−クロロピリジニウムヨーダイド、1−(n−
プロピル)−3−クロロピリジニウムヨーダイド、1−
(n−プロピル)−4−クロロピリジニウムヨーダイ
ド、1−(n−プロピル)−2−ブロモピリジニウムヨ
ーダイド、1−(n−プロピル)−3−ブロモピリジニ
ウムヨーダイド、1−(n−プロピル)−4−ブロモピ
リジニウムヨーダイド、1−(n−ブチル)−2−クロ
ロピリジニウムヨーダイド、1−(n−ブチル)−3−
クロロピリジニウムヨーダイド、1−(n−ブチル)−
4−クロロピリジニウムヨーダイド、1−(n−ブチ
ル)−2−ブロモピリジニウムヨーダイド、1−(n−
ブチル)−3−ブロモピリジニウムヨーダイド、1−
(n−ブチル)−4−ブロモピリジニウムヨーダイド、
1−ベンジル−2−クロロピリジニウムヨーダイド、1
−ベンジル−3−クロロピリジニウムヨーダイド、1−
ベンジル−4−クロロピリジニウムヨーダイド、1−ベ
ンジル−2−ブロモピリジニウムヨーダイド、1−ベン
ジル−3−ブロモピリジニウムヨーダイド、1−ベンジ
ル−4−ブロモピリジニウムヨーダイド、1−ベンジル
−2−クロロピリジニウムブロマイド、1−ベンジル−
3−クロロピリジニウムブロマイド、1−ベンジル−4
−クロロピリジニウムブロマイド、1−ベンジル−2−
ブロモピリジニウムブロマイド、1−ベンジル−3−ブ
ロモピリジニウムブロマイド、1−ベンジル−4−ブロ
モピリジニウムブロマイド、1−ベンジル−2,4−ジ
ブロモピリジニウムブロマイド、1−ベンジル−2−ブ
ロモ−γ−ピコリニウムクロライド、1−ベンジル−4
−クロロ−β−ピコリニウムヨーダイド、1−ベンジル
−6−クロロ−β−ピコリニウムブロマイド、1−エチ
ル−6−クロロ−2,4−ジメチルピリジニウムクロラ
イド、1−(n−プロピル)−6−ブロモ−2,4−ジ
メチルピリジニウムクロライド等が挙げられる。
【0027】なお、1−置換ハロゲノピリジニウムハラ
イド類としては、上述の合成方法以外の方法により製造
されたものが用いられてもよい。
【0028】アルカリ金属フルオリド 本発明で用いられるフッ素化剤は、アルカリ金属フルオ
リドである。アルカリ金属フルオリドとしては、フッ化
カリウム、フッ化ナトリウム等が挙げられるが、入手や
取扱いの容易さの点でフッ化カリウムが好ましい。
【0029】フッ素化工程 この工程は、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては、
1−置換ハロゲノピリジニウムハライド類およびアルカ
リ金属フルオリドと反応しないものであれば、どのよう
なものでも利用することができる。但し、アルカリ金属
フルオリドを用いる一般的なフッ素化反応の場合と同様
に、非プロトン性極性溶媒を用いるのが好ましい。好ま
しい溶媒の具体例としては、DMF、DMSO、クロロ
ベンゼン、o−ジクロロベンゼン、スルホラン、1−ク
ロロナフタレン、ベンゾニトリル等が挙げられる。特に
好ましくは、DMSO、o−ジクロロベンゼン、スルホ
ランが挙げられる。
【0030】また、1−置換ハロゲノピリジニウムハラ
イド類とアルカリ金属フルオリドとの使用割合は、1−
置換ハロゲノピリジニウムハライド類に対してアルカリ
金属フルオリドを1〜10当量、好ましくは1.5〜5
当量に設定する。アルカリ金属フルオリドの使用量が1
0当量を超える場合は、フッ素化反応が使用量に比例し
て進行せず、未反応のアルカリ金属フルオリドが多く残
存することになるため、経済的でない。逆に、使用量が
1当量未満の場合は、アルカリ金属フルオリド、特にフ
ッ化カリウムの溶解度が小さいために反応の進行が著し
く遅くなり、非効率的である。
【0031】フッ素化工程では、反応温度を60〜20
0℃、好ましくは80〜170℃に設定する。反応温度
が60℃未満の場合は、反応の進行が著しく遅く、効率
的でない。逆に、200℃を超えると、原料の1−置換
ハロゲノピリジニウムハライド類の分解が進行し、目的
とするフルオロピリジン類を高収率で得ることが困難に
なる。
【0032】反応時間は、使用する原料により異なる
が、通常は2〜20時間である。なお、原料の大部分
は、5〜10時間でフッ化物に転化する。フルオロピリジン類 本発明の製造方法により得られるフルオロピリジン類
は、例えば下記の一般式(4)で示される。
【0033】
【化13】
【0034】式中、R2 は、水素原子、炭素数が1〜6
の直鎖または分岐のアルキル基、アリール基またはアラ
ルキル基を、mは、1または2をそれぞれ示している。
ここで、炭素数が1〜6の直鎖または分岐のアルキル基
としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−ブチル基等が、アリール基としては、フェニル
基、4−トルイル基等が、アラルキル基としては、ベン
ジル基、フェネチル基等がそれぞれ挙げられる。
【0035】このようなフルオロピリジン類の具体例と
しては、2−フルオロピリジン、3−フルオロピリジ
ン、4−フルオロピリジン、2,3−ジフルオロピリジ
ン、2,4−ジフルオロピリジン、2,5−ジフルオロ
ピリジン、2,6−ジフルオロピリジン、3,4−ジフ
ルオロピリジン、3,5−ジフルオロピリジン、3,6
−ジフルオロピリジン、2−フルオロ−β−ピコリン、
2−フルオロ−γ−ピコリン、4−フルオロ−β−ピコ
リン、6−フルオロ−β−ピコリン、6−フルオロ−
2,4−ジメチルピリジンが挙げられる。本発明の方法
により得られたフルオロピリジン類は、例えば、医薬用
あるいは農薬用の中間体として用いられる。
【0036】
【実施例】実施例1 300mlの4つ口反応器に4−クロロ−β−ピコリン
を63.8g(0.5モル)および2−プロパノール5
9gを室温で仕込み、撹拌しながらヨウ化ベンジル10
9.0g(0.5モル)を添加した。これを還流温度ま
で昇温して8時間反応後に析出した固体を濾別、乾燥
し、1−ベンジル−4−クロロ−β−ピコリニウムヨー
ダイド115.7gを得た。次に、得られた1−ベンジ
ル−4−クロロ−β−ピコリニウムヨーダイド17.3
g(0.05モル)、フッ化カリウム8.8g(0.1
5モル)およびDMSO60.0gを反応器に仕込み、
撹拌しながら160℃で7時間反応させたところ、4−
フルオロ−β−ピコリンが5.2g(収率93%)得ら
れた。
【0037】実施例2 ハロゲノピリジン類として3−ブロモピリジン79.0
g(0.5モル)、有機ハロゲン化物としてヨウ化エチ
ル78.0g(0.5モル)、および溶媒として2−プ
ロパノールを60.0g用い、実施例1の場合と同様に
して1−エチル−3−ブロモピリジニウムヨーダイド1
02.0gを得た。得られた1−エチル−3−ブロモピ
リジニウムヨーダイド15.7g(0.05モル)、フ
ッ化カリウム8.8g(0.15モル)およびスルホラ
ン60gを反応器に仕込み、撹拌しながら100℃で5
時間反応させたところ、3−フルオロピリジンが4.2
g(収率87%)得られた。
【0038】実施例3 ハロゲノピリジン類として2−クロロピリジン56.8
g(0.5モル)、有機ハロゲン化物としてヨウ化メチ
ル71.0g(0.5モル)、および溶媒として2−プ
ロパノールを60.0g用い、実施例1の場合と同様に
して1−メチル−2−クロロピリジニウムヨーダイド9
2.0gを得た。得られた1−メチル−2−クロロピリ
ジニウムヨーダイド13.1g(0.05モル)、フッ
化カリウム8.8g(0.15モル)およびo−ジクロ
ロベンゼン60.0gを反応器に仕込み、撹拌しながら
160℃で5時間反応させたところ、2−フルオロピリ
ジンが4.4g(収率91%)得られた。
【0039】実施例4〜9 表1および表2に示した1−置換ハロゲノピリジニウム
ハライド類とフッ化カリウムとを出発原料とし、表1お
よび表2に示した条件で実施例1と同様にフッ素化反応
を行った。得られたフルオロピリジン類およびその収率
は、表1および表2に示す通りである。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、原料として用いる1−
置換ハロゲノピリジニウムハライド類の反応性が高いた
めに、取扱いの容易なアルカリ金属フルオリドを利用し
て温和な条件で容易に、しかも高収率でフルオロピリジ
ン類を製造することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(1)で示される1−置換ハ
    ロゲノピリジニウムハライド類をアルカリ金属フルオリ
    ドによりフッ素化することを特徴とするフルオロピリジ
    ン類の製造方法。 【化1】 (式中、R1 は、炭素数が1〜6の直鎖または分岐のア
    ルキル基またはアラルキル基;R2 は、水素原子、炭素
    数が1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、アリール基
    またはアラルキル基;Xは、ClまたはBr;Yは、C
    l、BrまたはI;nは、1または2;をそれぞれ示
    す。)
  2. 【請求項2】下記の一般式(2)で示されるハロゲノピ
    リジン類と下記の一般式(3)で示される有機ハロゲン
    化物とから下記の一般式(1)で示される1−置換ハロ
    ゲノピリジニウムハライド類を合成し、 前記1−置換ハロゲノピリジニウムハライド類をアルカ
    リ金属フルオリドによりフッ素化することを特徴とす
    る、フルオロピリジン類の製造方法。 【化2】 【化3】 【化4】 (式中、R1 は、炭素数が1〜6の直鎖または分岐のア
    ルキル基またはアラルキル基;R2 は、水素原子、炭素
    数が1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、アリール基
    またはアラルキル基;Xは、ClまたはBr;Yは、C
    l、BrまたはI;nは、1または2;をそれぞれ示
    す。)
  3. 【請求項3】前記アルカリ金属フルオリドがフッ化カリ
    ウムである、請求項1または2に記載のフルオロピリジ
    ン類の製造方法。
  4. 【請求項4】前記フッ素化工程を、常圧下、60〜20
    0℃で行う、請求項1、2または3に記載のフルオロピ
    リジン類の製造方法。
  5. 【請求項5】前記フルオロピリジン類が下記の一般式
    (4)で示される、請求項1、2、3または4に記載の
    フルオロピリジン類の製造方法。 【化5】 (式中、R2 は、水素原子、炭素数が1〜6の直鎖また
    は分岐のアルキル基、アリール基またはアラルキル基;
    mは、1または2;をそれぞれ示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006022105A (ja) * 2004-07-08 2006-01-26 Lanxess Deutschland Gmbh 含フッ素環芳香環の改善された製造方法
US20150322072A1 (en) * 2012-12-17 2015-11-12 Sun Pharmaceutical Industries Limited Process for the preparation of tofacitinib and intermediates thereof

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