JPH08208245A - 光学素子成形型の製造方法 - Google Patents

光学素子成形型の製造方法

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JPH08208245A
JPH08208245A JP7013365A JP1336595A JPH08208245A JP H08208245 A JPH08208245 A JP H08208245A JP 7013365 A JP7013365 A JP 7013365A JP 1336595 A JP1336595 A JP 1336595A JP H08208245 A JPH08208245 A JP H08208245A
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optical element
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film
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JP7013365A
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Kazunori Aoyanagi
和則 青柳
Masahisa Akiyama
正久 秋山
Takeharu Komiya
毅治 小宮
Hideki Takizawa
英樹 滝沢
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Original Assignee
Nikon Corp
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    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • C03B11/084Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor
    • C03B11/086Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor of coated dies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03B2215/02Press-mould materials
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    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03B2215/34Intermediate layers, e.g. graded zone of base/top material of ceramic or cermet material, e.g. diamond-like carbon

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は耐久性が有り、かつ、成形型の成形
面が十分に滑らかである成形型の製造方法を提供するこ
とを目的としている。 【構成】 本発明は、型母材の成形面に純白金膜を備え
て成る光学素子成形型の製造方法において、その型母材
の成形面側を所望の形状に研磨または研削して加工する
型母材加工工程と、型母材加工後、型母材の成形面側に
純度99.9重量%以上の純白金膜を成膜する白金成膜
工程と、白金成膜工程後、高温、高真空下で純白金膜を
硬化処理する加熱硬化処理工程と、型母材に成膜された
純白金膜の最表面部を表面粗さをRmax100Å以下
に平滑化する白金膜平滑化工程とから行うこととした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高精度プレス成形によ
って、研削、研磨を必要としない光学素子を製作する際
に用いられる成形型の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラスをプレス成形することにより光学
素子を得ようとする試みは、近年かなりの成果を上げて
きている。特に、化学的、熱的性質が多岐にわたる種々
のガラスをプレス成形するためには、成形用の型の材料
の選択がキーポイントとなる。従って、型材料の開発に
も多くの英知が結集された結果、様々な材料がプレス成
形用に使用されてきており、それなりの結果が得られて
いるようである。例えば、特開昭60−246230号
では、超硬合金の母材上に貴金属合金膜を被覆した。こ
の貴金属合金膜は白金{Pt(60〜99重量%)}
と、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、パラジ
ウム(Pd)、ロージウム(Rh)、ルテニウム(R
u)からなる群より選ばれた少なくとも一つの物質との
貴金属合金膜であるものが開示されている。また、特開
平4−83721号には、SiC母材上に、SiCの中
間層を形成し、その上に純白金膜を50Å以下の層厚で
成膜して成るものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上に挙げられたこれ
らの成形用の型はいずれも、プレス成型時におけるガラ
スと成形型との融着の対策のために開発されたものであ
り、ガラスとの濡れ性の悪い貴金属を成形面に配設する
ことによってその効果を期待したものである。しかしな
がら、特開昭60−246230号に開示されている成
型型では、母材として用いている超硬合金の中にコバル
ト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)な
どの結合剤を含んでいるため、長期間に渡って成形を繰
り返すと、これらの金属が貴金属合金の膜を通って拡散
するため、ガラスと反応しやすくなるという欠点があっ
た。
【0004】また特開平4−83721号に開示されて
いる型材料では、リンなどが含まれているガラスに対し
て、成形圧力が高い場合には、成形を繰り返すうちにや
はり融着反応を起こすことがあるという欠点があった。
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、
耐久性が有り、かつ、成形型の成形面が十分に滑らかで
ある型材料を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のような問題点を解
決するために鋭意研究した結果、型母材の成形面に純白
金膜を備えて成る光学素子成形型の製造方法において、
その型母材の成形面側を所望の形状に研磨または研削し
て加工する型母材加工工程と、型母材加工後、型母材の
成形面側に純度99.9重量%以上の純白金膜を成膜す
る白金成膜工程と、白金成膜工程後、高温、高真空下で
純白金膜を硬化処理する加熱硬化処理工程と、型母材に
成膜された純白金膜の最表面部を表面粗さをRmax1
00Å以下に平滑化する白金膜平滑化工程とから行うこ
ととした(請求項1記載の発明)。更に、本発明では母
材加工工程と白金成膜工程との間に、母材の成形面側の
面に緻密な炭化ケイ素(SiC)層を成膜する中間層成
膜工程を行うことが好ましい(請求項2記載の発明)。
【0006】また、本発明の母材加工工程においては、
炭化ケイ素(SiC)焼結体又はバインダーレス炭化タ
ングステン(WC)超硬合金である母材の加工を行うこ
とが好ましい(請求項3記載の発明)。また、本発明の
白金膜成膜工程においては、スパッタリング法又はイオ
ンプレーティング法によって純白金膜を成膜することが
好ましい(請求項4記載の発明)。更に、本発明の白金
膜成膜工程においては、500Å以上5000Å以下の
純白金膜を成膜する工程であることが好ましい(請求項
5記載の発明)。
【0007】また、本発明では白金膜平滑化工程におい
ては、純白金膜の最表面を遊離砥粒でもって研磨加工す
ることが好ましい(請求項6記載の発明)。更に、本発
明では白金膜平滑化工程において、純白金膜の最表面を
イオンビーム法により平滑化加工することが好ましい
(請求項7記載の発明)。以上のとおりの光学素子の成
形型の製造方法を行うことによって、上記問題点を解決
できることを見出し、本発明を成すに至った。
【0008】
【作用】本発明によれば、型母材として、炭化ケイ素
(SiC)焼結体と、そのSiC焼結体の成形面側の表
面に緻密なSiC層(例えばCVD法によって形成す
る)を有するセラミックス、又は、焼結して所望の形状
にした炭化タングステン(WC)超硬合金を用い、その
成形面を精研削加工、研磨加工によって所望の形状に加
工した後、スパッタリング法或いはイオンプレーティン
グ法等によって純度99.9重量%以上の純白金膜を5
00〜5000Åの厚さで成膜する。さらに、この型を
高温、高真空下で処理することにより、純白金膜を硬化
させた後、除去加工によって、最表面部をRmax10
0Å以下に仕上げる。
【0009】この様にすることによって、耐熱性と、型
としての十分な形状精度と表面粗さと、非融着性をかね
備えた、耐久性のある型を提供できるようになった。す
なわち、ガラスの成形型には高温下で大きな加重が加え
られるため、ガラス成形型として、耐熱性および耐熱衝
撃性が求められる。よって、成形用型としての耐熱性お
よび耐熱衝撃性の向上については、SiC焼結体等のセ
ラミックスまたはバインダーレスWC超硬合金を用いる
ことによって向上を図った。このバインダーレスWC超
硬合金は、この合金中にコバルトやモリブデンなどの金
属がほとんど含まれていないものである。また、成形面
の面精度については、成形用型の成形側の表面を研削加
工、研磨加工をすることによって、成形型に求められる
形状や表面粗さを得ることができる。
【0010】これらの母材は、コバルト(Co)、ニッ
ケル(Ni)そしてモリブデン(Mo)を含んでいない
ため、後工程で被覆される純白金膜中に拡散しガラスと
反応するという恐れが無くなる。母材の成形面には必要
に応じ、緻密なSiC層を成膜する。そして、成膜した
SiC層を精研削、研磨加工を施す。
【0011】この緻密なSiC層を設けるか否かは、所
望の光学素子の要求表面粗度によって選択すればよい。
また、このSiC層を設けることによって、母材と純白
金との密着性を向上する事が出来る。このSiC層を成
膜しない場合は、母材の成形面の表面を精研削、研磨加
工する。次に、99.9重量%以上の純度を有した純白
金膜の成膜を行った。SiC層の成膜を行わなかった場
合には、母材に直接成膜を行う。
【0012】ところで、純白金膜の膜厚は500〜50
00Åの範囲で行う。この膜厚については、500Å未
満になると、後加工の平滑化工程によって膜厚が薄くな
りすぎるため、ガラスをプレス成形中に、純白金が剥が
れ落ちしまい、母材がむき出しになりやすくなる。も
し、母材がむき出しになり、そのまま、続けてプレス成
形してしまうと所望の形状にガラスをプレスすることが
出来なくなってしまい、さらには、そのガラス自体に多
大なダメージを与えてしまう。また、純白金が剥がれ落
ちなくとも、ガラスのプレス成形中に母材の成分が拡散
して、ガラスと融着反応が起きてしまう恐れがある。
【0013】また、膜厚が5000Åより厚くなってし
まうと、この純白金膜を成膜した後に行う加熱工程中
に、純白金膜の粒状化が起きているため、純白金膜の表
面が粗くなる。膜厚が厚くなるにつれ、粒状化によって
出来た粒が肥大する傾向がある。よって、以上のことか
ら、粒状化した表面がこのあとに行う白金膜平滑化行程
で、純白金膜の表面粗さが解消しきれないほどの大きさ
に肥大化するのを防ぐため、5000Å以下の膜厚とし
た。また、成膜に要する時間と後加工の安定性とを考慮
した場合、1000〜2000Åの範囲ならば、より好
ましい。
【0014】ところで、この純白金膜の成膜する方法と
しては、イオンプレーティング法若しくはスパッタリン
グ法で成膜する。これらの成膜する方法は、真空蒸着法
に比べ、純白金膜と母材または母材と純白金膜との間に
成膜したSiC層との密着性が良好になる。ガラスの成
形型では、成形している途中で純白金膜が剥がれ落ちる
ことを防がなくてはならない。よって、成膜した膜と母
材との密着性の高いイオンプレーティング法またはスパ
ッタリング法を利用する。
【0015】次には、純白金膜を成膜した成形型に高温
・高真空下で純白金膜を硬化させる加熱硬化処理を行
う。この処理により、純白金膜の硬度が処理前より数段
向上する。よって、成形面の表面にキズが入りにくくな
り、成形面として十分な硬度を持たせることができる。
しかしながら、この加熱硬化処理を行うと純白金膜表面
の粗度は若干低下してしまう。よって、加熱硬化処理後
の成形型は、所望の光学素子の表面粗度が得られなくな
っている。そのために、最表面層を研磨等により除去加
工して表面粗さを滑らかにし、成形型の改善を行う。こ
の時の加工除去層は純白金膜の膜厚にもよるが、300
〜1000Å程度除去される。除去加工法としては遊離
砥粒による超微少量研磨加工、又はイオンビームによる
除去加工によって行われる。
【0016】以上の様な超微小量研磨加工、または除去
加工法を用いて、純白金膜の表面粗さは、Rmax10
0Å以下に仕上げる。成形型によりプレス成形したガラ
ス表面の粗さは、型の粗さとほぼ等しくなるため、通常
の研磨したガラス相当の粗さが型の表面にも求められ
る。透過型の光学素子は、表面粗さが粗くなることによ
って、光学素子の透過率の低下やフレアーの発生を招い
てしまう。純白金膜の表面粗さRmaxが100Åより
大きい場合、これで成形した光学素子は、以上に述べた
現象が顕著に現れ、光学特性があまり良くないものであ
った。だが、表面粗さが100Å以下のものではその光
学特性が優れた光学素子が得られた。
【0017】通常の白金の薄膜においては、その最表面
層のみを微少量除去加工することによって表面粗さを向
上させることは不可能であった。しかし、本発明では加
熱硬化処理により硬度を向上させたことと、超微少量の
研磨加工の実現及び、イオンビームによる極低速度の表
面除去加工によって、所望の加工、表面粗さ向上を達成
することができた。
【0018】又、加熱硬化処理により安定化した膜は、
プレス成型時の加熱サイクルを繰り返し受けた後も、安
定状態が保たれるため、硬度、表面粗さ共、長期間維持
される。以下に実施例によって、本発明を更に詳しく述
べるが、本発明はこれに限られるものではない。
【0019】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明の実施例1により製造した型
の断面図である。実施例1では、外径25mm、高さ3
0mmのSiC焼結体1aの成形面を粗研削加工した。
ここで行う加工法としては、タイヤ型の砥石を用い、成
形型の成形面を回転させながら、NC制御により砥石を
二次元的に駆動させて研削した。
【0020】ここでSiC焼結体を母材として使用した
のは、この材料は高精度な鏡面は得やすいという利点が
あり、かつ、融点が高く、硬度が非常に高い物質である
ためである。また、このSiC焼結体は、熱衝撃性も高
いのでガラス成形用の型母材としては得って付けの材料
である。研削後は、CVD法によりSiC膜1bを30
0μmの厚さに成膜した。成膜後は、膜表面を精研削加
工を行い、その後、弾性ポリシャを用いて、遊離砥粒に
よって研磨加工した。この時に行う精研磨加工について
は、先に述べた粗研削加工と同じ方式で行った。しか
し、使用した砥石については、粗研磨加工時に使用した
砥石より、粒度が小さいものを使用した。この時に使用
した研磨装置としては、オスカー研磨機を用いた。その
ほかには、球心揺動研磨機、NC研磨機が有るがこれら
装置を用いても構わない。この様にして、成膜したSi
C膜表面を精研削加工、研磨加工によって形状誤差0.
2μm、表面粗さRmax50Å以下に加工した。
【0021】そして、研磨加工した表面上にスパッタリ
ング法により、純白金(純度99.9重量%以上)薄膜
1cを膜厚2000Åの厚さに成膜した。成膜後、この
成形型を真空炉の中に設置し、真空度5×10-5Tor
rで成形型に加熱硬化処理を行った。その加熱スケジュ
ールを図2に示す。加熱スケジュールについては、加熱
開始からは、室温から800℃まで、徐々に15分間掛
けて加熱する。加熱開始15分後は、800℃の温度の
まま、60分間温度を保持する。そして、加熱開始から
75分後は、800℃から室温になるまで、自然に徐冷
して、室温まで下げる。この様にして、加熱硬化処理を
行った成形型を数個製作して純白金膜表面の粗さを計測
した結果、表面粗さRmax300〜500Åとなって
いた。この表面粗さでは、高性能な透過型のガラス光学
素子の成形用型として使用するには十分ではないため、
更にこの最表面を遊離砥粒により研磨加工を行った。
【0022】この研磨加工法には、砥粒として1μm以
下の粒子のダイヤモンド砥粒を用いた。そして、純水に
5重量%の濃度でダイヤモンド砥粒を撹拌させて研磨水
を作成し、その研磨水を含まして、ポリウレタンの研磨
パッドを用いて研磨加工を行った。研磨時間は15分間
行った。この様にして白金膜を平滑化する加工を行った
成形型の純白金膜の表面粗さRmaxは、100Å以下
に仕上げた。
【0023】この成形型を使用して、ガラスレンズの成
形を行った。成形したレンズの硝種はBSC7、DF
5、およびC10の3種類であったが、いずれの結果
も、1000回成形を繰り返した後でもガラスと融着す
ることがなく、また表面粗さも悪化することがなかっ
た。ところで、実施例1では、SiC焼結体の成形面を
粗研削加工した後、SiC膜を成膜した。しかしなが
ら、本実施例では、SiC焼結体の成形面を精研削加工
をし、高精度鏡面にして直に純白金膜を成膜することで
も構わない。
【0024】だが、SiC焼結体は、焼結後、ポーラス
状態となっていので、SiC焼結体に直に純白金膜を成
膜する場合は、SiC焼結体の成形面表面を十分に滑ら
かになるように精研削加工をし、高精度鏡面を得なけれ
ばならない。よって、実施例1の様に成形型を製造する
ことで、SiC焼結体の粗さを粗研削加工によりある程
度滑らかにし、そして、CVD蒸着法によりSiC層を
形成して、精研削加工を施すことで、SiC焼結体を高
精度鏡面に研削する場合より、容易に成形面の高精度鏡
面が得られる。 (実施例2)図4は本発明の実施例2により製造した成
形型の断面図である。外径25mm、高さ30mmのバ
インダーレスWC超硬合金4aを母材として用いた。こ
の母材は結合剤がほとんど含まれていないWC超硬合金
であって、特にコバルトやモリブデンなど含有量が極め
て微少である。そして、この母材の成形面側の面を、精
研削加工、研磨加工によって形状誤差0.2μm、表面
粗さRmax50Å以下に加工した。この表面にイオン
プレーティング法により、純度99.9重量%以上の純
白金膜4bを膜厚1000Åの厚さに成膜した。
【0025】次に、この成形型を真空炉の中に設置し、
真空度5×10-5Torrで加熱硬化処理を行った。加
熱加工処理の加熱スケジュールについては、実施例1と
同じなので、ここでの説明は省略する。この加熱加工処
理を行った成形型を数個製作した。これらの成形型の純
白金膜表面の粗さを計測した結果、表面粗さRmaxが
200〜400Åとなっていた。
【0026】ところで、この時点での表面粗さが、実施
例1での表面粗さより滑らかになっているのは、純白金
膜を成膜した厚さが薄いためだと考えられる。ところ
で、この表面粗さでは、高性能な透過型のガラス光学素
子の成形用型として使用するには十分でなく、さらにこ
の最表面をイオンビームを用いて除去加工を行った。イ
オンビームによる加工条件は、ビーム径がφ10のイオ
ンガンを使用し、型の表面全面を走査し、15分間加工
を施した。この様にして成形型の純白金膜表面の表面粗
さをRmax50Å以下に仕上げた。
【0027】この型を使用して、ガラスレンズの成形を
行った。成形したレンズの硝種はBSC7、F8、およ
びLAF111の3種類であるが、いずれの結果も、1
000回成形を繰り返した後でもガラスと融着すること
がなく、また表面粗さも悪化することがなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、いままで長期間使用す
ると融着が発生することが不可避であった成形用型材料
として好適な型を提供することができる。本発明により
製造した型は、ガラスのプレス成形に使用した場合、種
々のガラスに対して、融着の発生しない、かつ、表面の
安定した耐久性のある型材料として、長期間使用するこ
とができ、その結果、高性能な透過型光学素子の成形に
よる製作を、より安価に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、第1実施例の型の断面図である。
【図2】は、純白金膜の加熱硬化処理の加熱スケジュー
ルの説明図である。
【図3】は、第1実施例の型を用いた成形時の型構造の
概略断面図である。
【図4】は、第2実施例の型の断面図である。
【符号の説明】
1...成形型 1a..SiC焼結体 1b..SiC膜 1c..純白金膜 2...成形用ガラス素材 3...スリーブ 4...成形型 4a..WC超硬合金 4b..純白金膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝沢 英樹 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型母材の成形面に純白金膜を備えて成る
    光学素子成形型の製造方法において、 前記型母材の成形面側を研磨または研削し、所望の形状
    に加工する型母材加工工程と、 前記型母材加工行程後、前記型母材の成形面側に純度9
    9.9重量%以上の純白金膜を成膜する白金成膜工程
    と、 前記白金成膜工程後、高温、高真空下で前記純白金膜を
    硬化処理する加熱硬化処理工程と、 前記型母材に成膜された前記純白金膜の最表面部を表面
    粗さをRmax100Å以下に平滑化する白金膜平滑化
    工程とからなることを特徴とする光学素子成形型の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記母材加工工程と前記白金成膜工程と
    の間に、前記母材の成形面側の面に炭化ケイ素(Si
    C)層を成膜する中間層成膜工程を行うことを特徴とす
    る請求項1記載の光学素子成形型の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記母材加工工程は、炭化ケイ素(Si
    C)焼結体又はバインダーレス焼結炭化タングステン
    (WC)超硬合金である母材の加工を行うことを特徴と
    する請求項1または2記載の光学素子成形型の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記白金膜成膜工程は、スパッタリング
    法又はイオンプレーティング法によって成膜することを
    特徴とする請求項1記載の光学素子成形型の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記白金膜成膜工程は、500Å以上5
    000Å以下の純白金膜を成膜する工程であることを特
    徴とする請求項1または4記載の光学素子成形型の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記白金膜平滑化工程は、前記純白金膜
    の最表面を遊離砥粒でもって研磨加工することを特徴と
    する請求項1記載の光学素子成形型の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記白金膜平滑化工程は、前記純白金膜
    の最表面をイオンビーム法により平滑化加工することを
    特徴とする請求項1記載の光学素子成形型の製造方法。
JP7013365A 1995-01-31 1995-01-31 光学素子成形型の製造方法 Pending JPH08208245A (ja)

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JP7013365A Pending JPH08208245A (ja) 1995-01-31 1995-01-31 光学素子成形型の製造方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002255570A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Ibiden Co Ltd ガラスレンズ成形用型及びその製造方法
JP2002293552A (ja) * 2001-03-28 2002-10-09 Ibiden Co Ltd 成形用型及びその製造方法
CN107597871A (zh) * 2016-07-08 2018-01-19 Hytc株式会社 挤出模具制作方法及挤出模具研磨装置

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