JPH08207751A - 索道搬器の制振構造 - Google Patents

索道搬器の制振構造

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JPH08207751A
JPH08207751A JP3419395A JP3419395A JPH08207751A JP H08207751 A JPH08207751 A JP H08207751A JP 3419395 A JP3419395 A JP 3419395A JP 3419395 A JP3419395 A JP 3419395A JP H08207751 A JPH08207751 A JP H08207751A
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JP
Japan
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vibration damping
carrier
cableway
passenger car
damping device
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JP3419395A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Hiranishi
義信 平西
Ichiro Tokumura
一郎 徳村
Katsuo Mutaguchi
勝生 牟田口
Kiyoshi Kawase
浄 川瀬
Koji Tanida
宏次 谷田
Hitoshi Nakagawa
斉 中川
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IHI Corp
Nippon Cable Co Ltd
Original Assignee
IHI Corp
Nippon Cable Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 索道搬器に制振装置を設ける場合に好適な索
道搬器の制振構造の提案を目的としている。 【構成】 索条51を握索する握索機3等の懸垂手段に
懸垂ハンガー10を介して客車20を懸垂してなる索道
の搬器1において、制振装置30を、客車20の進行直
角方向に有効な姿勢に、該客車20の屋根23上方位置
であって前記懸垂ハンガー10の下部フレーム12、ま
たは客車屋根23に取付装備するように構成している。
この取付によって、搬器運行に必要な機械装置や索道線
路中の索条支持構造物と干渉なく安全に搬器の通過が可
能であると共に制振装置の制振機能も有効に作用し、ま
た美観も損なわれない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、索条に懸垂した懸垂手
段に懸垂ハンガーを介して客車を懸垂してなる搬器を運
行する索道搬器の制振構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】索条に搬器を懸垂するための懸垂手段を
用い、懸垂ハンガーを介して客車を懸垂してなる搬器を
運行して輸送を行う索道設備には、前記懸垂手段として
索条を脱着可能に、または、半永久的に握索する握索機
を用いて、該索条で搬器を支承し、かつ牽引する型式の
単線自動循環式索道、単線固定循環式索道等の一群と、
懸垂手段として索条を転走する走行機を用いて搬器を支
承し、別途の牽引手段によって搬器を曳行牽引する型式
の交走式索道、複線ないし三線循環式索道等の一群と、
がある。
【0003】これらは、索道設備として一括され何れも
索条に握索機または走行機等の懸垂手段で搬器を懸垂し
てなる点で均等であり、本願ではこれら前記何れの型式
の索道設備も含め対象としている。
【0004】これらの索道設備においては、搬器は模式
的には索条位置ないし懸垂手段の位置を懸垂支点とした
単振子と見做されるものであり、横風を受けて強風時に
は横揺れないしローリング揺動を生じ易く、これが索道
設備の弱点となっている。このような、横揺れを生ずる
と、揺動による乗車不快感や不安感を生ずるのみでな
く、危険防止のためしばしば運休を余儀なくされ、安全
上や、運休による経済上の問題とされてきた。さらに、
近時は、索道設備を従来の山岳地の観光用としてのみで
なく、地域交通用の一般交通設備としても利用が志向さ
れ、この場合には定時運行の必要から搬器の制振につい
ての希求が更に高まっている。
【0005】このような要請に対して、搬器の制振装置
ないし方法としては、搬器にジャイロを搭載する構成
や、振り子式等の受動型の吸振ないし制振装置を用いる
構成等が提案されている。
【0006】このうち前者については、例えば、特開平
5−87183号公報「制振装置」が提案されている。
しかし、この装置においてはジャイロ回転用の電動機に
電源を必要とするが、一般に索道搬器は外部に電源を求
めることが著しく困難なため実用上の問題があった。
【0007】一方、受動型の制振装置を用いるものとし
ては、例えば、本願出願人らの1名によって出願された
特願平1−163632号「構造物の制振装置」、特願
平3−10760号「構造物制振装置」等によって提案
された、単弦振動を行えるようにほぼ円弧状に形成した
軌道に沿って錘りを移動可能に支持した制振装置が既に
開示され、各種構造物において実用に供されているが、
更に本願出願人らによって平成7年1月19日に特許出
願された「揺れ止め装置」においては上方に凹にほぼ円
弧状のレールに導かれて制振体が自走しこの制振体の補
償によって制振を行おうとする受動型制振装置が提案さ
れている。
【0008】この装置は比較的簡単な構成で目的を達す
ることができるものであり、特に電源を必要としないの
で、電源の取得が困難な索道搬器には好適に用いること
ができるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、索道搬
器の、特に握索機、走行機等の懸垂手段や、懸垂ハンガ
ー等の部分は、該搬器の運行に伴って通過する停留場、
索道線路等のその地点ごとに運行に必要な機械設備、支
持構造物等が各種配設されており、搬器はこれらと干渉
せず支障なく通過できるように構成する必要がある。例
えば、単線自動循環式索道の場合に、停留場においては
握索機の加速、減速移送を行い、または、握索、放索動
作を行わせ、或いは客車扉の開閉制御等を行うための出
発到着装置が設備されている。また、索道線路中には索
条を支承するための受圧索装置や、更にこれを支承する
ための支柱アーム等の支持物等が配設されていて、搬器
はこれらの機械装置や支持構造物と当接ないし近接のお
それなく通過できることが必要である。このように、搬
器には車両限界の制約があり、前記制振装置の取付もこ
れら車両限界内に納まるようにすべき制約条件がある。
【0010】このような事情に対応して、本発明は制振
装置の制振性能を損なうことなく取付の制約条件を満足
する好適かつ有効な索道搬器の制振構造の提案を目的と
してなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して、本
発明は技術分野及び産業上の利用分野が同一であり、か
つ、同一の目的を達するための2発明より構成されてい
る。
【0012】即ち、その1は、 索条に搬器を懸垂する
ための懸垂手段に懸垂ハンガーを介して客車を懸垂して
なる搬器に制振装置を具え、前記制振装置は上方に凹の
ほぼ円弧状をなしたガイドレール面に導かれて走行体が
自走する型式の受動型制振装置を用いたものであって、
前記制振装置は、前記搬器の進行直角方向に有効な姿勢
に前記客車の屋根上方付近の位置に設けられ、前記懸垂
ハンガーによって支持されたものである索道搬器の制振
構造,として構成したものである。
【0013】また、その2は、索条に搬器を懸垂するた
めの懸垂手段に懸垂ハンガーを介して客車を懸垂してな
る搬器に制振装置を具え、前記制振装置は上方に凹のほ
ぼ円弧状をなしたガイドレール面に導かれて走行体が自
走する型式の受動型制振装置を用いたものであって、前
記制振装置は、前記搬器の進行直角方向に有効な姿勢に
前記客車の屋根上方付近の位置に設けられ、前記屋根に
よって支持されたものである索道搬器の制振構造、とし
て構成したものである。
【0014】
【作用】本発明の索道搬器の制振構造は、索条に搬器を
懸垂するための握索機または走行機等の懸垂手段に懸垂
ハンガーを介して客車を懸垂してなる索道搬器に制振装
置を具えてなるものである。制振装置は上方に凹の、ほ
ぼ弧状をなしたガイドレール面に導かれて走行体が自走
して制振を行う型式の受動型制振装置を利用している。
本発明においては、前記の制振装置は、前記搬器の進行
直角方向に有効な姿勢に前記客車の屋根上方付近の位置
に設けられ、さらに具体的には前記懸垂ハンガーによっ
て支持され、または前記客車の屋根に支持されたものと
している。
【0015】索道設備には索道搬器の運行に必要のた
め、停留場においては前記の懸垂手段の通過位置付近に
例えば出発到着装置等が配設され、また、索道線路中に
おいても前記懸垂手段や懸垂ハンガーの通過位置付近に
は索条を誘導支承するための受圧索装置や支柱アーム等
の支持構造物が配設され、搬器に付加物を設ける場合に
は、これらと当接または接近するおそれのないように車
両限界の制約があるが、本発明の客車屋根上方付近に設
けた構成のものにおいては、前記の機械装置や支持構造
物と干渉なく通過可能である。また、客車屋根上方付近
の位置に取付けられていることによって、外部から目立
ち難く、デザインや美観を害しない。
【0016】また、索条ないし懸垂手段の位置を懸垂支
点としてローリング揺動する搬器の重心は、客車内の乗
客の乗車の有無によっても若干の変動はあるが、概ね客
車の領域内にあり、かつ、客車の中心付近に所在してお
り、前記の支点とこの重心位置との間の腕の長さによっ
て該搬器の固有振動数が定まるとされている。一方、こ
の制振装置は、搬器の重心位置と一致しない位置に設け
るのが有効であるが、前記屋根上方付近の制振装置取付
位置は搬器重心位置とは一致しておらず、従って制振装
置の制振効果が有効に作用する。かつ、本発明において
利用する制振装置はそのほぼ弧状をなす軌道の曲率半径
を加減することによって、制振装置の固有振動数を容易
に選定することができる特徴を有しているので、前記取
付位置に対応した好適な制振特性を有するものを選定す
ることによって、有効な制振作用を享受することができ
る。
【0017】
【実施例】
(実施例1)本実施例は前記請求項第1項の係わるもの
で、かつ、ここでは懸垂手段2として握索機3を用いた
単線自動循環式索道50の搬器1の場合について図1,
図2,図3および図5に基づいて説明する。
【0018】搬器1は、懸垂手段2である握索機3,懸
垂ハンガー10,客車20と、及び制振装置30,30
とよりなっている。先ず、握索機3は、握索機本体部4
の先端付近に握子部5を具え、ばね(図示していない)
の弾性復元力に起因する握索力によって、握子部5で索
条51を握索するもので、ばね式握索機として既に知ら
れているものである。握索機本体部4の下方にはピン6
が固着されており、該ピン6には懸垂ハンガー10の上
端が枢着されて、勾配区間においても客車の垂直垂下姿
勢を保つようになされている。
【0019】懸垂ハンガー10は角筒状部材等よりなり
上方から下方に向かって湾曲状をなして下垂する本体部
11の下方に下部フレーム12を具えて一体的関係に形
成したものである。図3には、この下部フレーム12の
詳細が平面図で示されている。即ち、懸垂ハンガー10
の前記本体部11は一部断面図で示されその下方におい
ては左右に水平横部材13,13が固着されている。こ
の水平横部材13,13は相互に平行に左右に延出して
形成され、これらの水平横部材13,13の両端におい
てはそれぞれ水平縦部材14または14に直角に当接し
固着されている。これらの水平縦部材14、14は相互
に平行の関係位置をなしている。かつ、水平縦部材1
4,14のそれぞれの両端には各々1個の筒状部材15
または15…が固着されて具えられており、ここには後
記の懸垂ロッド17または17…を用いて客車20が懸
垂されている。
【0020】客車20は構体21で四囲を囲み上部に屋
根23を有し、下部に底板24を具えて、乗客の乗用に
供する閉鎖型客車である。かつ、通常のものと同様に窓
25,25…を有し、また乗降用の扉26,26を具え
ている。この客車20には図4の如くに屋根23の部分
に板状の懸垂連結部材22,22,22,22が固着さ
れて上方に向かって突出しておりこれによって、懸垂ハ
ンガー10の下部フレーム12と連結されている。
【0021】図4は、懸垂ハンガー10の下部フレーム
12と客車20との懸垂連結関係構造を例示したもので
ある。下部フレーム12に固着された筒状部材15はそ
の内側、中間付近において、孔15bを穿孔した支持板
15aが固着されている。懸垂ロッド17はこの孔15
bに貫挿させると共に、前記の支持板15aに支承され
たゴム等の弾性体よりなる緩衝体16を介在させて上端
付近においてナット17a,17bを螺着したものであ
る。かつ、懸垂ロッド17の下方側はフォーク状に二又
に分岐した形状で、これに客車20側の懸垂連結部材2
2を内挿し、これらを図示のごとくピン18を用いて貫
通させ連結している。4箇所の筒状部材15,15,1
5,15は何れも均等な構成とし、このようにして懸垂
ハンガー10と客車20との懸垂連結が行われている。
【0022】ここまでの記載は単線自動循環式索道の搬
器における一般的な構成であり、既に周知のものである
が、以下の記載は本発明に特有の構成である。
【0023】本発明に用いる制振装置30,30は前記
のごとく、本願出願人らによって、平成7年1月19日
に特許出願された「振れ止め装置」に記載され提案され
たものを利用している。該、振れ止め装置ないし制振装
置30は図5に示されているようにやや長尺状をなした
もので、横断面形状は角筒状をなした閉鎖型の筐体31
中に、ローラ35,35を枢着した走行体34を内蔵し
たものである。かつ、筐体31の少なくとも下縁側内面
は上方に凹のほぼ弧状をなしたガイドレール面32が形
成されており、走行体34はローラ35,35でガイド
レール面32を自由転走するように構成されたものであ
る。かつ、ガイドレール面32の曲率半径ないし傾斜を
加減して定めることによって、該制振装置30の固有振
動数を所要の値に加減して定め搬器1に所要の制振特性
を得るようにしたものである。
【0024】制振装置30の端部33,33付近の下方
位置には、後記の如く取付のための突出部材36または
36が固着されて突出しており、これに取付用の孔3
7,37または37,37が穿孔されている。
【0025】次に、図3および図5により、制振装置3
0,30の取付関係について説明する。2台の制振装置
30,30の取付構造はそれぞれ均等であるので、先
づ、一方の制振装置30の取付について説明する。前記
の如く、懸垂ハンガー10の下部フレーム12には2本
の水平縦部材14,14が平行位置に配設されている。
これらの水平縦部材14および14にはそれぞれ支持部
材27,27または27,27が固着されて内側対向方
向に突出固着されている。本実施例に例示した場合にお
いてはL字型の部材を用いて貼着した場合を示してい
る。一方、制振装置30の筐体31には端部33,33
付近に前記の如くそれぞれ突出部材36,36または3
6,36を具えている。こうして制振装置30の一方の
突出部材36,36を防振ゴム等の弾性部材よりなる緩
衝体38または38を介在させて前記一方の水平縦部材
14の支持部材27,27上に支持させ、同様に他方の
突出部材36,36も防振ゴム等の弾性部材よりなる緩
衝体38または38を介在させて前記他方の水平縦部材
14の支持部材27,27上に支持させている。緩衝体
38には上下にボルト39,40をインサートしたもの
を用いてこれらボルト39または40を突出部材36の
孔37、または支持部材27の孔28に貫挿して上下端
をナット41または42で螺着し、こうして相互間の締
結を行っている。他の端部33側の突出部材36,36
と支持部材27,27との間も同様にして締結を行って
いる。
【0026】前記は、本実施例の場合において、2台の
制振装置30,30を用いているうちの1台の制振装置
30の取付について説明したが、他の1台の制振装置3
0の取付についても全く均等の構成とし、このようにし
て、2台の制振装置30,30が水平縦部材14,14
間に渡架取付けされ、即ち、搬器10の進行直角方向の
制振に有効な方向にに装備されるのである。なお、制振
装置30は搬器重量や所要の制振条件の大小等によって
は2台を超える複数台を同様に取付装備してもよく、ま
た、単数台で足る場合にはそのような選択も可能である
ことは勿論である。
【0027】このように構成された本実施例における索
道搬器の制振装置において、次に動作ないし作用に就い
て記載する。
【0028】本実施例は、単線自動循環式索道50の場
合で懸垂手段2は握索機3である場合について例示した
ものであるが、該単線自動循環式索道50は、既によく
知られているように、図6に示した如く運行が行われ
る。即ち、両端の停留場52,52に枢設された滑車5
3,53間には索条51が無端状に捲き回されて索道線
路56中に張架されている。該索条51は索道線路56
中においては支柱57の支柱アーム58に具えた受圧索
装置59,59によって誘導支承されている。搬器1
は、握索機3を具えて停留場52においては回送軌条5
4に導かれて転走する。搬器1が停留場52を出発する
ときは握索機3で索条51を握索し、索条51の循環移
動と共にこれに牽引されて搬器運行が行われる。搬器1
が相手方の他の停留場51に到達すると握索機3の握索
が解かれ、索条51から離れて再び回送軌条54に導か
れて転向移送され、索道線路56方向に帰路の運行が行
われ、こうして複数台の搬器1,1…が次々に循環運行
される。
【0029】このような運行様式において、図7は停留
場52における回送軌条54に導かれて移送される搬器
1の状態を説明したものである。停留場52の建築物等
の支持構造物61には搬器運行に所要の出発到着装置フ
レーム55が懸架されており、この出発到着装置フレー
ム55によって回送軌条54が懸架、支持されている。
該出発到着装置フレーム55付近には、握索機3の握
索、放索を行わせる装置、加速、減速または回送移送す
るための装置、客車扉の開閉制御を行う装置その他の各
種の運行に所要の機械装置を具え、これらが、握索機
3、懸垂ハンガー10等の通過する領域を中心としてこ
れに近接した位置関係に設備されている。
【0030】しかるに、本発明の制振構造においては、
制振装置30は客車20の屋根23上部付近で、かつ懸
垂ハンガー10の下部に取り付けて具えているので、出
発到着装置フレーム55等の搬器運行に必要な機械装置
と相互に干渉することなく通過可能である。
【0031】また、図8は索道線路56中において、搬
器1が支柱57付近を通過する模様を示したものであ
る。地上に立設された支柱57の頂部付近には支柱アー
ム58が固着されて左右にそれぞれ延出している。該支
柱アーム58の先端付近には、複数の受圧索輪60,6
0…を枢着した受圧索装置59を具えており、この受圧
索輪60,60…によって索道線路56中の索条51は
移動可能に誘導、支承されている。握索機3はその握子
部5で索条51を握索し、受圧索装置59の位置では握
子部5が索条51を握索したまま受圧索輪60,60…
の周縁の部分に導かれてこれを通過する。
【0032】このとき、図8の如く握索機3および懸垂
ハンガー10の特に上部付近は支柱アーム58と接近し
た位置を通過するのであるが、本発明の制振構造におい
ては、制振装置30が客車20屋根23上部付近に具え
ているので、支柱アーム58等の搬器運行に所要の支持
構造物と接近することなく十分の安全余裕をもって通過
可能となっている。
【0033】制振装置30の取付関係については前述の
如くであるが、このような取付配設関係とした場合に
も、制振装置30の制振性能はつぎのように、十分に発
揮される。即ち、索条ないし懸垂手段の位置を懸垂支点
としてローリング揺動する搬器の重心は、客車内の乗客
の乗車の有無によっても若干の変動はあるものの、概ね
は客車の領域内で、かつ、客車の中心付近に所在してお
り、前記の支点とこの重心位置との間の腕の長さによっ
て該搬器の固有振動数が定まるとされている。一方、こ
の制振装置は、搬器の重心位置と一致しない位置に設け
ることが制振上から有効であるが、前記屋根上方付近の
制振装置取付位置は搬器重心位置とは一致しておらず、
従って制振装置の制振効果が有効に発揮される。かつ、
ここで利用している制振装置は、そのほぼ弧状をなす軌
道の曲率半径を加減することによって、制振装置の固有
振動数を任意に選定することができる特徴を有している
ので、前記取付位置に対応した好適な制振特性を有する
ものを選定することによって、有効な制振作用を享受す
ることができる。
【0034】以上の説明は、懸垂手段として索条を握索
放索する自動式握索機を用いた自動循環式索道の場合を
説明したのであるが、2条並列の索条に搬器を懸垂して
運行する複式単線自動循環式索道の場合や、半永久的に
索条を握索する固定式握索機を用いて索条の移動と共に
循環運行または交互運行を行う型式の索道設備の場合に
おいても、本実施例に説明した制振構造は同様に構成可
能であり、作用、効果も均等であることは勿論である。
【0035】(実施例2)この実施例も、前記請求項1
に係わるものであるが、ここでは懸垂手段102が走行
機103である交走式索道150の搬器101の場合に
ついて説明する。図9は、交走式索道150の搬器10
1を示したものである。搬器101は、懸垂手段102
である走行機103に懸垂ハンガー110を介して客車
120を懸垂して構成されている。走行機103は複数
の走行車輪107,107…を平衡式の走行機ビーム1
04に枢着してなるものである。この走行車輪107,
107…は静止索ないし支索である索条151に支承さ
れ、これに誘導されて転走するようになっている。一
方、走行機ビーム104の左右下方には曳索連結部10
5,105が下方に延出しており、曳索連結部105,
105において曳索152,152に連結されている。
この曳索152,152は搬器101を牽引するための
牽引手段である。懸垂ハンガー110は走行機103に
枢着されてこれを跨ぐように構成された懸垂基部110
aから下方に下垂延出した本体部111を経て更に下方
には下部フレーム112を形成し、これらを一体的固着
関係に形成した構造のものである。さらに、この懸垂ハ
ンガー110の下部には懸垂ロッド117,117…を
経て客車120が懸垂されている。その他の詳細な記載
を省略した部分の構成は基本的には前記の実施例1の場
合と同様である。
【0036】ここで、制振装置130は懸垂ハンガー1
10の下部フレーム112に取り付けられている。即
ち、下部フレーム112の水平縦部材114,114間
には制振装置130,130が前記実施例1の場合と同
様に渡架され取付されており、こうして搬器101のの
進行直角方向に有効な姿勢に前記客車101の屋根12
3の上方付近の位置に装備される。
【0037】ここでは、前記実施例1の場合の懸垂手段
2として索条51を握索する握索機3を、この実施例の
場合においては懸垂手段102として索条151に当接
しこれに導かれて転走する走行機103に置換したもの
に外ならず、従って索条51または151を懸垂支点と
して揺動する様式は両者に均等である。
【0038】よって前記の如く制振装置130、130
を装備した本実施例の索道搬器の制振構成の場合も、前
記実施例1の場合と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0039】(実施例3)本実施例は前記請求項2に係
わるものである。ここでは、前記実施例1の場合と同様
に単線自動循環式索道1に適用した場合のもので、搬器
の基本構成は図1,図2と均等であるが、相違箇所のみ
を図10に示している。また、図1,図2のものと均等
の部材等については、同一の符号を付している。
【0040】図10において客車20の屋根23には、
取付台としての支持部材27A,27Aが固着され突出
している。この支持部材27A,27Aにはそれぞれ孔
28Aまたは28Aが穿孔されている。一方、制振装置
30は実施例1に用いたものと均等のものであるが、そ
の端部33,33のそれぞれ近傍付近には突出部材36
A,36Aを固着して具えており、該突出部材36A,
36Aにはそれぞれ孔37Aまたは37Aが穿孔されて
いる。
【0041】緩衝体38も実施例1と共通のものを用い
て、該緩衝体38のボルト39は突出部材36Aの孔3
7A内を貫通してその上方においてはナット41を螺着
して締結しており、また、下方のボルト40は支持部材
27Aの孔28A内を貫通して下方においてはナット4
2を螺着して締結し、こうして制振装置30を客車20
の屋根23上部に据付、支持している。このようにして
制振装置30は屋根23上部付近に渡架取付され、即
ち、搬器10の進行直角方向の制振に有効に装備され
る。かつ、本実施例における取付構造の場合も作用効果
は実施例1に記載したものと均等である。
【0042】なお、本実施例には懸垂手段2として握索
機3を用いた場合のものであるが、実施例2の如く懸垂
手段102に走行機103を用いた型式の索道の搬器1
01の場合にも有効に利用できるものであることは勿論
である。
【0043】
【発明の効果】索条に搬器を懸垂するための懸垂手段、
即ち、握索機または走行機等を用いてこれに懸垂ハンガ
ーを介して客車を懸垂してなる搬器を運行して輸送を行
う索道設備は、他の交通輸送機関と比較して経済的に建
設できること、急勾配線路の走行も可能であること等の
各種の特徴をもっている。しかし、索道設備は模式的に
は索条ないし懸垂手段の位置を懸垂支点とした単振子と
見做されるもので、強風の場合に横揺れを生じ易いとい
う弱点があり、改善が望まれていた。
【0044】このような要請に対して、搬器にジャイロ
を搭載する方法等も提案されているが、搬器に電源の引
き込みを要するという欠点があった。
【0045】これに対して本発明は、本願出願人らによ
って先に提案された受動型の制振装置を用いて、搬器の
進行直角方向に有効な姿勢に客車の屋根上方付近の位置
において懸垂ハンガーまたは客車の屋根に支持するよう
にして、索道搬器に好適に使用できる索道搬器の制振構
造を提案したものである。
【0046】このような本発明の制振構造によれば、索
道搬器の運行に必要な運行用の機器等による車両限界に
抵触せずに安全に搬器運行が可能であり、しかも比較的
簡単に装備可能であり、しかも、搬器への電源を必要と
しない利点があり、従って、新設の索道設備に適用する
場合のみでなく、既設の索道設備に付加装備する場合に
も索道設備の大幅の改造等を必要とせず容易かつ経済的
に適用が可能である。また、客車屋根上方付近の位置に
取付けられていることによって、外部から目立ち難く、
デザインや美観を害しない。
【0047】かつ、制振性能の点からは、この制振装置
は搬器の重心位置と一致しない位置に設けるのが有効で
あるが、前記屋根上方付近の取付位置は搬器重心位置と
は一致しておらず、従って制振効果は有効に作用する。
かつ、この制振装置はそのほぼ弧状をなす軌道の曲率半
径を加減設定することによって、制振装置の固有振動数
を容易に選定することができる特徴を有しているので、
前記取付位置に対応した好適な制振特性を有するものを
設定することによって、その搬器に最適な制振作用を享
受することができ、強風時等の索道の安全運行に有効で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 索道搬器の制振構造を具えた搬器を示す正面
図である。
【図2】 索道搬器の制振構造を具えた搬器を示す側面
図である。
【図3】 懸垂ハンガーの下部フレームと制振装置との
関係を示す平面図である。
【図4】 懸垂ハンガーと客車との懸垂連結部の構成を
一部断面図で示す正面図である。
【図5】 懸垂ハンガーの下部フレームと制振装置との
関係を示す正面図である。
【図6】 単線自動循環式索道の運行様式を説明する平
面図である。
【図7】 停留場における回送軌条、出発到着装置フレ
ームと搬器との関係を示した正面図である。
【図8】 索道線路中における支持構造物と搬器との関
係を示した正面図である。
【図9】 実施例2のおける交走式索道における制振構
造を具えた搬器を示す正面図である。
【図10】 実施例3における客車屋根と制振装置との
関係を示す正面図である。
【符号の説明】
1 搬器 2 懸垂手段 3 握索機 4 握索機本体部 5 握子部 6 ピン 7 走行ローラ 10 懸垂ハンガー 11 本体部 12 下部フレーム 13 水平横部材 14 水平縦部材 15 筒状部材 15a 支持板 15b 孔 16 緩衝体 17 懸垂ロッド 17a,17b ナット 18 ピン 20 客車 21 構体 22 懸垂連結部材 23 屋根 24 底板 25 窓 26 扉 27,27A 支持部材 28,28A 孔 30 制振装置 31 筐体 32 ガイドレール面 33 端部 34 走行体 35 ローラ 36,36A 突出部材 37,37A 孔 38 緩衝体 39,40 ボルト 41,42 ナット 50 単線自動循環式索道 51 索条 52 停留場 53 滑車 54 回送軌条 55 出発到着装置フレーム 56 索道線路 57 支柱 58 支柱アーム 59 受圧索装置 60 受圧索輪 61 支持構造物 101 搬器 102 懸垂手段 103 走行機 104 走行機ビーム 105 曳索連結部 107 走行車輪 110 懸垂ハンガー 110a 懸垂基部 111 本体部 112 下部フレーム 114 水平縦部材 117 懸垂ロッド 120 客車 123 屋根 130 制振装置 131 筐体 132 ガイドレール面 134 走行体 150 交走式索道 151 索条 152 曳索 156 索道線路
フロントページの続き (72)発明者 牟田口 勝生 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業 株式会社東二テクニカルセン ター内 (72)発明者 川瀬 浄 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 石 川島播磨重工 業株式会社本社内 (72)発明者 谷田 宏次 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工 業株式会社技術研究所内 (72)発明者 中川 斉 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業 株式会社東二テクニカルセン ター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 索条51に搬器1を懸垂するための懸垂
    手段2に懸垂ハンガー10を介して客車20を懸垂して
    なる搬器1に制振装置30を具え、前記制振装置30は
    上方に凹のほぼ円弧状をなしたガイドレール面32に導
    かれて走行体24が自走する型式の制振装置を用いたも
    のであって、 前記制振装置30は、前記搬器1の進行直角方向に有効
    な姿勢に前記客車20の屋根23上方付近の位置に設け
    られ、前記懸垂ハンガー10によって支持されたもので
    ある索道搬器1の制振構造。
  2. 【請求項2】 索条51に搬器1を懸垂するための懸垂
    手段2に懸垂ハンガー10を介して客車20を懸垂して
    なる搬器1に制振装置30を具え、前記制振装置30は
    上方に凹のほぼ円弧状をなしたガイドレール面32に導
    かれて走行体24が自走する型式の制振装置を用いたも
    のであって、 前記制振装置30は、前記搬器1の進行直角方向に有効
    な姿勢に前記客車20の屋根23上方付近の位置に設け
    られ、前記屋根23によって支持されたものである索道
    搬器1の制振構造。
JP3419395A 1995-01-19 1995-01-31 索道搬器の制振構造 Pending JPH08207751A (ja)

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CA002167441A CA2167441C (en) 1995-01-19 1996-01-18 Vibration damping arrangement for cable car
KR1019960001069A KR100395789B1 (ko) 1995-01-19 1996-01-19 진동감쇠장치를구비한케이블카
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DE69602380T DE69602380T2 (de) 1995-01-19 1996-01-19 Einrichtung zur Schwingungsdämpfung für einen Seilbahnwagen
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