JPH0820749A - 放射線硬化型粘着剤組成物および該組成物を用いてなる粘着テープもしくはシート - Google Patents

放射線硬化型粘着剤組成物および該組成物を用いてなる粘着テープもしくはシート

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JPH0820749A
JPH0820749A JP15584694A JP15584694A JPH0820749A JP H0820749 A JPH0820749 A JP H0820749A JP 15584694 A JP15584694 A JP 15584694A JP 15584694 A JP15584694 A JP 15584694A JP H0820749 A JPH0820749 A JP H0820749A
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Katsuhiko Kamiya
克彦 神谷
Yutaka Moroishi
裕 諸石
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無溶剤塗工型の粘着剤としての放射線硬化型
粘着剤であって、経時的な接着力の上昇が少なく、再剥
離が可能な粘着剤組成物、およびこの組成物を用いてな
る粘着テープもしくはシートを提供する。 【構成】 アルキル基の平均C数が1〜14の(メタ)
アクリル酸アルキルエステル50〜90重量%と、N,
N−ジ置換(メタ)アクリルアミド10〜50重量%を
必須成分として得た共重合体に、放射線官能性の不飽和
結合を分子内に1個以上有する単量体を1〜30重量%
配合して粘着剤組成物とする。この組成物の放射線硬化
層を支持体表面に形成することによって粘着テープもし
くはシートが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放射線の照射によって硬
化する放射線硬化型粘着剤組成物、およびこれを用いて
なる粘着テープもしくはシートに関し、詳しくは適度な
初期接着力を有すると共に経時的に接着力の上昇が少な
く、しかも被着体を汚染せずに再剥離が容易にできる放
射線硬化型粘着剤組成物、および粘着テープもしくはシ
ートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、環境衛生の問題や低毒性、防
災などの安全性の点で、粘着剤としては反応性単量体で
希釈して無溶剤化し、必要に応じて少量の有機溶剤の添
加で塗工することができる無溶剤塗工型の粘着剤が知ら
れている。このような無溶剤型の粘着剤の中でも、放射
線硬化型の粘着剤は他の無溶剤塗工型の粘着剤であるエ
マルジョン型やホットメルト型の粘着剤と比べて耐水性
や耐熱性に優れるものとして有用である。
【0003】ところが、無溶剤塗工をするためには粘着
剤の分子量を低く抑える必要があるが、従来の放射線硬
化型の粘着剤は、分子量を低くすると被着体から剥離し
た際に被着体表面を汚染することがある。
【0004】一方、粘着剤の用途としては再剥離の用途
がある。具体的には表面保護フィルムや塗装用のマスキ
ングテープ、粘着メモシートなどに用いられる粘着剤で
あり、被着体の表面に貼り付ける際には良好に接着する
反面、使用目的を達成したのちには被着体表面から簡単
に剥離除去できる必要がある。例えば表面保護フィルム
は、ステンレス板やアルミニウム板、カラー鋼板などの
金属板や、各種合板などの被着体表面に貼り付けた状態
で運搬、貯蔵、加工工程に供される。
【0005】しかしながら、粘着テープやシートは一般
に、被着体の表面に貼り付けると、経時的に接着力が上
昇し、使用後に剥離除去する際に簡単に剥離できず、剥
離作業に時間がかかったり、たとえ剥離できても被着体
表面に粘着剤が残存する、所謂糊残り現象を生じること
が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
無溶剤塗工型の粘着剤としての放射線硬化型の粘着剤で
あって、経時的な接着力の上昇がない再剥離可能な放射
線硬化型粘着剤組成物を提供することにある。
【0007】また、本発明の他の目的は、上記粘着剤組
成物を用いてなる粘着テープもしくはシートを提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために検討を重ねた結果、N,N−ジ置換
(メタ)アクリルアミドを共重合してなる特定のアクリ
ル系共重合体に放射線官能性不飽和結合を有する単量体
を配合することによって、経時的な接着力の上昇が少な
く、しかも被着体を汚染せずに剥離除去することが容易
に行える接着剤組成物が得られることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は(a)アルキル基の平均炭
素数が1〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル50〜90重量%と、(b)N,N−ジ置換(メ
タ)アクリルアミド10〜50重量%とを必須成分とし
て共重合してなるアクリル系共重合体100重量部に、
(c)放射線官能性不飽和結合を分子内に1個以上有す
る単量体1〜30重量部を配合してなる放射線硬化型粘
着剤組成物に関するものである。
【0010】さらに、本発明は支持体の少なくとも片面
に、請求項1記載の放射線硬化型粘着剤組成物を放射線
硬化して得られる粘着剤層を形成してなる粘着テープも
しくはシートに関するものである。
【0011】本発明の粘着剤組成物において用いる単量
体(a)は、アルキル基の平均炭素数が1〜14である
(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、好ましく
はアルキル基の炭素数が1(メチル基)〜14(テトラ
デシル基)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを一
種もしくは二種以上併用して用いる。なお、これらのア
ルキル基は直鎖アルキルでも、構造異性体としての分岐
鎖アルキルであってもよい。なお、本発明における平均
炭素数とは二種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルを用いた場合に、モル平均値を算出して得られる炭
素数を意味するものである。従って、本発明ではアルキ
ル基の炭素数が15以上の(メタ)アクリル酸アルキル
エステルの使用を除外するものではない。
【0012】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
は50〜90重量%、好ましくは55〜75重量%の範
囲で共重合する。共重合量が50重量%に満たない場合
には、粘着力や接着力などの粘着剤としての本来の接着
特性を充分に発揮できず、また、90重量%を超える
と、後述する単量体(b)の共重合量が少なくなり、経
時的な接着力の上昇を抑制するという本発明の効果を充
分に発揮できなくなる。
【0013】一方、単量体(b)としては、N,N−ジ
置換(メタ)アクリルアミドを用いる。N,N−ジ置換
(メタ)アクリルアミドは、本発明の粘着剤組成物の経
時的な接着力の上昇を防止する効果を付与するものであ
る。このような単量体(b)としては、具体的にはN,
N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)
アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリ
ン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン、N−(メ
タ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイ
ルピロリジン、N−(メタ)アクリロイル−4−ピペリ
ドンなどが挙げられ、一種もしくは二種以上併用するこ
とができる。これら単量体(b)は10〜50重量%、
好ましくは25〜45重量%の範囲で共重合する。共重
合量が10重量%に満たない場合は、本発明の効果であ
る経時的な接着力の上昇を抑えることができず、また、
50重量%を超えると適度な初期接着性を得ることがで
きなくなる。
【0014】本発明の粘着剤組成物では、上記単量体
(a)および単量体(b)を必須成分として共重合した
アクリル系共重合体を用いるが、この共重合体を得るに
際して用途に応じて接着特性を調整するために、他の共
重合性単量体(d)を10重量%以下、好ましくは7重
量%以下の範囲で共重合することもできる。このような
共重合性単量体(d)としては、具体的には(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸などの
カルボン酸基含有単量体、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシエチルアクリ
ロイルホスフェート、2−ヒドロキシプロピルアクリロ
イルホスフェートなどのスルホン酸基またはリン酸基含
有単量体、(メタ)アクリル酸グリシジルエステルなど
のグリシジル基含有単量体、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシプロピルエステルなどの水酸基含有単量体、酢酸
ビニル、スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル系
単量体を用いることができる。
【0015】上記のようにして得られたアクリル系共重
合体は、粘着剤層を形成した際の適度な接着特性や無溶
剤塗工性の付与などの点から、重量平均分子量(GPC
によるポリスチレン換算)を5〜80万、好ましくは1
0〜40万の範囲に調整することが望ましい。分子量の
調整は上記単量体の共重合時に、2−メルカプトエタノ
ールやラウリルメルカプタンなどの連鎖移動剤を添加す
ることによって行うことができる。
【0016】本発明の放射線硬化型粘着剤組成物は、上
記の単量体の混合物を共重合させて得られたアクリル系
共重合体100重量部に、単量体(c)として放射線官
能性の不飽和結合を分子内に1個以上有する単量体を、
1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部の範囲で配
合してなるものである。配合量が1重量%に満たない場
合は、放射線照射によって粘着剤層を架橋硬化しても本
発明の効果である経時的な接着力の上昇を充分に抑える
ことができない。また、30重量%を超えると初期接着
力の低下を招き、粘着テープとして使用した場合に実用
上問題を有するものとなる。
【0017】このような単量体(c)としては、具体的
には2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレ
ート、ジシクロペンチルオキシエチルアクリレート、エ
チルカルビトールアクリレート、メチルトリグリコール
アクリレート、N,N’−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド、ジエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニル
ベンゼン、(メタ)アクリル酸ビニルエステル、アジピ
ン酸ビニルエステル、N,N’−メチレンビス(メタ)
アクリルアミドなどがあげられ、これらは一種もしくは
二種以上併用して用いることができる。
【0018】さらに、本発明の粘着剤組成物には上記の
ほか必要に応じてガラス繊維やガラスビーズ、金属粉
末、無機粉末などの各種充填剤、天然樹脂類や合成樹脂
類などの粘着性付与樹脂、油脂類、界面活性剤、老化防
止剤、顔料、着色剤などの各種添加剤を任意量で配合す
ることもできる。
【0019】本発明の粘着剤組成物は無溶剤塗工型であ
るので、組成物中に有機溶剤を全く含まないか、たとえ
含ませたとしても20重量%以下の少量の有機溶剤を含
有する実質的に無溶剤型の粘着剤組成物である。
【0020】上記本発明の放射線硬化型粘着剤組成物
は、各種プラスチックフィルムやシート、紙、織布、不
織布、各種発泡体フィルムやシート、金属箔、またはこ
れらの積層体からなる支持体の少なくとも片面に、5〜
80μm程度の厚みで層状に形成して、粘着テープもし
くはシートとすることができる。形成された粘着剤層
は、α線やβ線、γ線、中性子線、電子線などの電離性
放射線や、紫外線などの活性光線を照射することによっ
て、架橋硬化される。電離性放射線の照射線量は、通常
0.5〜20Mrad程度であり、好ましくは1〜10
Mradの範囲とする。照射線量が0.5Mradに満
たない場合には充分な架橋処理が施されず、経時的に接
着力が上昇しやすくなる。一方、20Mradを超える
照射線量では充分な架橋は起こるが、粘着剤層を保持し
ている支持体が劣化するおそれがあり好ましくない。な
お、紫外線の照射によって、粘着剤層を架橋硬化させる
場合には、180〜460nmの発振波長で400〜3
000mJ/cm2 程度の照射エネルギーが好ましく、
紫外線の発生源としては水銀ランプ、メタハライドラン
プを用いる。また、紫外線硬化させる場合には、ベンゾ
インやベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ジベンジル、ベンジルジメチルケタールなどの
光反応開始剤(光増感剤)を粘着剤組成物中に予め配合
して支持体上に塗工することが好ましい。
【0021】なお、得られる本発明の粘着テープもしく
はシートは、支持体背面にシリコーン系樹脂やフッ素系
樹脂などの公知の離型剤を塗布してロール状に巻回した
り、形成された放射線硬化した粘着剤層の露出表面に公
知の離型剤を塗布したセパレータで被覆しておくことが
できる。
【0022】以上のようにして放射線が照射された粘着
剤層は充分に架橋されているので、経時的に接着力が上
昇しにくくなる。架橋された粘着剤層は有機溶剤に溶け
にくくなり、約60〜95重量%の範囲のゲル分率を有
するものとなる。この場合のゲル分率とは室温下で酢酸
エチル中に7日間浸漬した際の未溶解分の重量比率を云
う。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて、さらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
なく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形
が可能である。なお、以下の文中で部とあるのは、重量
部を意味する。
【0024】実施例1 重合反応容器内に、アクリル酸n−ブチルエステル70
部、N−アクリロイルモルホリン30部、2−メルカプ
トエタノール0.05部、2,2’−アゾビスイソブチ
ロニトリル0.2部、トルエン40部を入れ、窒素気流
中で重合を行い、重量平均分子量22万(GPCによる
ポリスチレン換算値)のアクリル系共重合体を得た。
【0025】得られたアクリル系共重合体100部に、
トリメチロールプロパントリアクリレート10部を配合
して本発明の放射線硬化型粘着剤組成物(溶剤含有量:
8重量%)を調製し、これをポリエチレンフィルム上に
塗工し、80℃で3分間乾燥後、電子線を5Mrad照
射して硬化処理を行い、厚さ10μmの粘着剤層を有す
る粘着テープを作製した。
【0026】実施例2 実施例1にて得られたアクリル系共重合体100部に、
ジエチレングリコールジメタクリレート15部を配合し
て本発明の放射線硬化型粘着剤組成物(溶剤含有量:8
重量%)を調整した以外は、実施例1と同様にして粘着
テープを作製した。
【0027】実施例3 重合反応容器内に、アクリル酸n−ブチルエステル30
部、アクリル酸エチルエステル35部、N−アクリロイ
ルピロリジン35部、2−メルカプトエタノール0.1
部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部、
トルエン40部を入れ、窒素気流中で重合を行い、重量
平均分子量16万(GPCによるポリスチレン換算値)
のアクリル系共重合体を得た。
【0028】得られたアクリル系共重合体100部に、
トリメチロールプロパントリアクリレート10部を配合
して本発明の放射線硬化型粘着剤組成物(溶剤含有量:
10重量%)を調製し、これを実施例1と同様にして粘
着テープを作製した。
【0029】比較例1 重合反応容器内に、アクリル酸n−ブチルエステル40
部、アクリル酸エチルエステル60部、2−メルカプト
エタノール0.05部、2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル0.2部、トルエン40部を入れ、窒素気流中
で重合を行い、重量平均分子量21万(GPCによるポ
リスチレン換算値)のアクリル系共重合体を得た。
【0030】得られたアクリル系共重合体100部に、
トリメチロールプロパントリアクリレート10部を配合
して放射線硬化型粘着剤組成物(溶剤含有量:10重量
%)を調製し、これを実施例3と同様にして粘着テープ
を作製した。
【0031】比較例2 重合反応容器内に、アクリル酸エチルエステル100
部、2−メルカプトエタノール0.05部、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル0.2部、トルエン40部
を入れ、窒素気流中で重合を行い、重量平均分子量23
万(GPCによるポリスチレン換算値)のアクリル系重
合体(ホモポリマー)を得た。
【0032】得られたアクリル系重合体100部に、ジ
エチレングリコールジメタクリレート15部を配合して
放射線硬化型粘着剤組成物(溶剤含有量:10重量%)
を調製し、これを実施例3と同様にして粘着テープを作
製した。
【0033】上記実施例1〜3および比較例1〜2にて
得られた粘着テープについて下記特性を測定した。その
結果を表1に示す。
【0034】<初期剥離接着力>上記各実施例および比
較例にて得た粘着テープを20mm幅×100mm長に
裁断し、これをBA仕上げしたステンレス板(SUS3
04)に、2kg荷重のローラにて1往復させる方式に
て圧着したのち23℃で20分間放置した。次いで、こ
のサンプルを23℃、65%相対湿度雰囲気下、テンシ
ロン型引張試験機を用いて300mm/分に剥離速度で
180度剥離試験を行い、ステンレス板から剥離する際
に要する力を測定した。
【0035】また、剥離後のステンレス板表面の汚染状
況を観察し、汚染なしを○、表面に曇りがある場合を×
として判定した。
【0036】<経時剥離接着力>上記初期剥離接着力試
験と同様にしてステンレス板表面に各粘着テープを圧着
したのち、60℃で100時間保存し、その後初期接着
力試験と同様の方法でステンレス板から剥離する際に要
する力を測定した。なお、剥離後のステンレス板表面の
汚染状況を上記初期剥離接着力試験と同様に判定した。
【0037】
【表1】
【0038】実施例4 重合反応容器内に、アクリル酸2−エチルヘキシルエス
テル70部、N−アクリロイルモルホリン30部、2−
メルカプトエタノール0.05部、2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル0.2部、トルエン40部を入れ、
窒素気流中で重合を行い、重量平均分子量23万(GP
Cによるポリスチレン換算値)のアクリル系共重合体を
得た。
【0039】得られたアクリル系共重合体100部に、
トリメチロールプロパントリアクリレート10部を配合
して本発明の放射線硬化型粘着剤組成物(溶剤含有量:
5重量%)を調製した以外は、実施例1と同様にして粘
着テープを作製した。
【0040】実施例5 実施例1にて得られたアクリル系共重合体100部に、
ジエチレングリコールジメタクリレート15部、および
ベンジルジメチルケタール1部を配合した得た本発明の
放射線硬化型粘着剤組成物(溶剤含有量:8重量%)を
ポリエチレンフィルム上に塗工し、80℃で3分間乾燥
後、紫外線を100mJ/cm2 照射して硬化処理を行
い、厚さ10μmの粘着剤層を有する粘着テープを作製
した。
【0041】実施例6 重合反応容器内に、アクリル酸n−ブチルエステル70
部、N−アクリロイルモルホリン30部、酢酸ビニル1
部、2−メルカプトエタノール0.05部、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル0.2部、トルエン40部
を入れ、窒素気流中で重合を行い、重量平均分子量23
万(GPCによるポリスチレン換算値)のアクリル系共
重合体を得た。
【0042】得られたアクリル系共重合体100部に、
トリメチロールプロパントリアクリレート10部を配合
して本発明の放射線硬化型粘着剤組成物(溶剤含有量:
12重量%)を調製した以外は、実施例1と同様にして
粘着テープを作製した。
【0043】比較例3 実施例2において放射線照射を施さなかった以外は、実
施例2と同様にして粘着テープを作製した。
【0044】比較例4 重合反応容器内に、アクリル酸ステアリルエステル70
部、N−アクリロイルモルホリン30部、2−メルカプ
トエタノール0.05部、2,2’−アゾビスイソブチ
ロニトリル0.2部、トルエン40部を入れ、窒素気流
中で重合を行い、重量平均分子量21万(GPCによる
ポリスチレン換算値)のアクリル系共重合体を得た。
【0045】得られたアクリル系共重合体100部に、
トリメチロールプロパントリアクリレート10部を配合
して放射線硬化型粘着剤組成物(溶剤含有量:10重量
%)を調製した以外は、実施例1と同様にして粘着テー
プを作製した。
【0046】比較例5 重合反応容器内に、アクリル酸n−ブチルエステル70
部、N−アクリロイルピロリジン30部、アクリル酸2
−ヒドロキシエチルエステル1部、2−メルカプトエタ
ノール0.05部、2,2’−アゾビスイソブチロニト
リル0.2部、トルエン40部を入れ、窒素気流中で重
合を行い、重量平均分子量21万(GPCによるポリス
チレン換算値)のアクリル系共重合体を得た。
【0047】得られたアクリル系共重合体100部に、
ジフェニルメタン−4−4’−ジイソシアネート5部を
配合して加熱硬化型粘着剤組成物(溶剤含有量:8重量
%)を調製した以外は、実施例1と同様にして粘着テー
プの作製を試みた。しかしながら、粘着剤を塗工する際
に部分的にゲルが発生して塗工が困難となり、均一な粘
着剤層を有する粘着テープを得ることができなかった。
【0048】上記実施例4〜6および比較例3〜4にて
得られた粘着テープについて前記と同様の特性を測定し
た。その結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】上記表1および表2から明らかなように、
実施例品は適度な初期接着力を有すると共に、経時保存
後の接着力の上昇が低く抑えられている。また、粘着テ
ープ剥離後の被着体表面も汚染しないという優れた特性
を有するものである。
【0051】本発明において上記初期剥離接着力や経時
剥離接着力が得られる理由は明らかではないが、単量体
(b)としてのN,N−ジ置換(メタ)アクリルアミド
中のカルボニル基に隣接する窒素原子と他の共重合成分
中の官能基との間で、水素結合などの何らかの相互作用
が生じて、このような接着特性が得られるものと推定さ
れる。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明の放射線硬化型粘着
剤組成物、およびこれを用いてなる粘着テープもしくは
シートは、無溶剤ないしは少量の有機溶剤の使用で塗工
することができる無溶剤塗工型の粘着剤の機能を充分に
果たしつつ、放射線の照射により適度な初期接着力を発
揮し、経時的に接着力が上昇することが少なく、剥離時
に被着体表面を汚染しないという効果を発揮するもので
ある。
【0053】従って、本発明の粘着テープもしくはシー
トは、表面保護フィルムや塗装用のマスキングテープ、
粘着メモなどの再剥離機能を必要とする用途や、仮止め
機能を有する用途などに適するものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アルキル基の平均炭素数が1〜1
    4である(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜9
    0重量%と、(b)N,N−ジ置換(メタ)アクリルア
    ミド10〜50重量%とを必須成分として共重合してな
    るアクリル系共重合体100重量部に、(c)放射線官
    能性不飽和結合を分子内に1個以上有する単量体1〜3
    0重量部を配合してなる放射線硬化型粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 アクリル系共重合体が、他の共重合性単
    量体(d)を10重量%以下の範囲で共重合してなる請
    求項1記載の放射線硬化型粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 放射線硬化型粘着剤組成物が無溶剤もし
    くは少量の有機溶剤が含有されている請求項1記載の放
    射線硬化型粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 支持体の少なくとも片面に、請求項1記
    載の放射線硬化型粘着剤組成物を放射線硬化して得られ
    る粘着剤層を形成してなる粘着テープもしくはシート。
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