JPH08206454A - 光反応性有害物除去材 - Google Patents

光反応性有害物除去材

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JPH08206454A
JPH08206454A JP842595A JP842595A JPH08206454A JP H08206454 A JPH08206454 A JP H08206454A JP 842595 A JP842595 A JP 842595A JP 842595 A JP842595 A JP 842595A JP H08206454 A JPH08206454 A JP H08206454A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光反応性半導体の光触媒的分解反応を利用し
た優れた光反応性有害物除去能力を有する光反応性有害
物除去材に関し、有害物除去性に優れることは勿論、粉
体の保持性や耐光劣化性に優れ、空気中だけではなく水
中に於ても有害物除去能を急激に損なうことなく長期間
使用できる光反応性有害物除去材を提供する。 【構成】 少なくとも光反応性半導体、担体、及び微細
繊維を含有する複合凝集体水性液を、少なくとも熱可塑
性樹脂からなる支持体に塗設するか、熱可塑性樹脂繊維
と共に抄造して一体化した光反応性有害物除去材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光反応性半導体の光反
応を利用し、有害物質を分解することのできる光反応性
有害物除去材に関するものであり、更に詳しくは有害物
質の分解作用のある光反応性半導体が光反応性有害物除
去材にあって効果的に配置され、強固に保持された光反
応性有害物除去材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する関心の高まりに
伴い、工業排気及び排水等工業レベルでの低濃度有害物
質の除去だけでなく、日常生活の中に於ても悪臭除去の
要求が増加している。そして、従来このような低濃度有
害物の除去には、特に日常生活に於ける悪臭除去材とし
ては一般的に活性炭やシリカ、アルミナ、及び金属酸化
物等の複合化された無機吸着剤等が使用されている。こ
のような吸着剤は粉体のまま使用したり、特開昭49−
16056号公報のようにシート状に加工して使用する
ことが提案されている。
【0003】ところが、このような吸着剤を用いた除去
方法では、吸着剤に有害物が吸着されるに従い、次第に
吸収能力が低下して行く。そこで、実用的吸着能力を喪
失した場合には、吸着材を取り替える必要があった。ま
たそれがため、吸着能力が有効に働く期間を見極める必
要があるなど、使用上の数々の問題点があった。
【0004】そこで、近年光触媒を用いた有害物の除去
方法が注目を集めている。例えば、Cundallら
は、J.Oil.Chem.Assoc.1978,6
1,351に於て、酸化チタンを用いて紫外光を照射し
た場合、水とアルコールの混合系でアルコールが分解さ
れることを述べている。また特開昭61−135669
号公報には、酸化亜鉛等の光反応性半導体に紫外光を照
射して、悪臭物質である硫黄化合物を分解する方法が述
べられてる。
【0005】更に、特公平2−62297号公報には、
酸化チタンと活性炭混合物により低濃度窒素酸化物を除
去する方法が記載されている。酸化チタンや酸化亜鉛等
の光反応性半導体による悪臭物質の分解は、これらの活
性線励起による接触悪臭物質の光触媒的酸化作用による
ため、光反応性半導体は悪臭物質の分解で消費及び劣化
を被らず、その能力は光曝露されている限り基本的に低
下しないため、吸着剤のみを使用する場合に比べて大き
な利点を有する。
【0006】これら光反応性半導体による分解能は、分
解しようとする有害物質との接触の機会が多い程向上す
るから、最も効果的使用形態は有害物質との接触する反
応面積の減ずることのない粉体の状態で使用することで
ある。しかしながら、実際には粉体を粉体のまま使用す
る訳にはゆかず、これを取り扱うためには何らかの加工
が必要である。
【0007】そこで、特開平3−233100号公報に
は、ガラス管の外周壁面に接着剤を塗布し、その上にサ
ブミクロンオーダーに粉砕した酸化チタン粉、活性炭、
及び酸化第二鉄粉の混合粉をまぶすようにして付着させ
て構成した、自動車道トンネルの有害ガスを除去する設
備が記載されてる。しかしながら、このような設備で
は、光反応性半導体である酸化チタンが接着剤でガラス
管に固定されているために、有害ガスと直接接触する露
出表面が減少してしまうという問題があった。また、支
持体がガラスでは成形しずらいこと、支持体自身の重量
が重くハンドリングが悪いこと、更には破損の危険性が
あるという問題もあった。
【0008】別の光反応性半導体の担持体への担持方法
として、特開平3−94814号公報には、波板状のア
ルミナシリカ質繊維のセラミック紙にチタニアゾルを含
浸させた後、400℃から700℃で熱処理して、酸化
チタンを担持させた波板を用いて脱臭する方法が記載さ
れている。この方法に於ても、焼成時間によっては酸化
チタンが造粒して有効な表面積を減少させたり、セラミ
ック紙の繊維表面積が有効な光反応性半導体の表面積を
決定するために充分な光反応性半導体量を付着できない
などの問題があった。同様に、無機担体に焼結により固
定化する方法が特開平5−253544号公報に記載さ
れている。この方法では、タイルの上に光反応性半導体
粉体が一部表面に露出するように保持されているとあ
り、やはり光反応性半導体の埋没部分は有効に働かない
ことは勿論、有効に働く光反応性半導体量自体を充分に
担持できないという問題があった。
【0009】また、特開平3−75062号公報では、
光反応性半導体を最低造膜温度が60℃以下であるラテ
ックスで担持させる光反応半導体担持シートの製造方法
が記載されているが、この場合も光反応性半導体はフィ
ルム化したポリマー中に埋込まれ、光反応性半導体の有
効な表面積が減少してしまうという問題があった。更に
特開平4−256755号公報では、大きさが1から3
0mm程度の表面に凹凸を有する粒状パルプに光反応性
半導体を担持させる方法が記載されている。粒状パルプ
からの光反応性半導体の脱離を防止するため、本報では
金属アルコキシドとラテックスを用いており、やはり光
反応性半導体の有効な表面積が減少してしまうという問
題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、光反
応性半導体の光触媒的分解反応を利用した優れた光反応
性有害物除去能力を有する光反応性有害物除去材に関
し、有害物除去性に優れることは勿論、粉体の保持性や
経時安定性(耐光劣化性)、後加工性にも優れ、空気中
だけではなく水中に於ても有害物除去能を急激に損なう
ことなく長期間使用できる光反応性有害物除去材を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく検討した結果、少なくとも光反応性半導体、担
体、及び微細繊維を含有する複合凝集体水性液を、少な
くとも熱可塑性樹脂からなる支持体に塗設するか、熱可
塑性樹脂繊維と共に抄造して一体化した光反応性有害物
除去材により上記問題を解決した。光反応性半導体はこ
れに接触する有害物質と同様に付着して熱可塑性樹脂も
分解するので、光反応性半導体を担体等と複合凝集体と
して熱可塑性樹脂に塗設または樹脂繊維と共に抄造する
ことで、光反応性半導体と熱可塑性樹脂の直接的接触を
低下させ、もって光反応性有害物除去材の光反応性半導
体による光劣化を抑止することが出来る。
【0012】更に、本発明の光反応性有害物除去材を上
記構成にすることによって、光反応性半導体や担体を均
一にしかも大面積に展開・強固に保持できるばかりか、
任意の形に折り加工できる。このため、本発明の光反応
性有害物除去材を空気清浄用のフィルター材として好適
に用いることができる他、水処理用に使用することもで
きる。
【0013】以下に本発明の光反応性有害物除去材に係
わる構成要素及びその作製方法を詳細に説明する。本発
明の光反応性有害物除去材は、少なくとも光反応性半導
体、担体、微細繊維、及び熱可塑性樹脂によって構成さ
れる。本発明に係わる光反応性半導体とは、0.5〜5
eV、好ましくは1〜4eVの禁止帯幅を有する光触媒
作用を有する半導体である。本発明に係わるこのような
光反応性半導体としては、酸化亜鉛、酸化タングステ
ン、酸化チタン、及び酸化セリウム等が挙げられるが、
分けても酸化チタンは構造安定性や光反応性半導体能
力、更には取扱い上の安全性等から生活空間にて使用す
るには最も適しており、本発明に係わる光反応性半導体
として有利に用いられる。
【0014】本発明に係わる光反応性半導体は、何れも
その有害物除去特性と比表面積が関係し、一般に比表面
積が小さいと光反応性半導体の能力が急速に低下するの
で、その比表面積は50m2/g以上が好ましく、光反応
性半導体製造時に比表面積を調整することが好ましい。
比表面積の調整方法として、例えば酸化チタンに於て
は、四塩化チタンをアルカリ水溶液中で中和し含水酸化
チタンを経て作製した酸化チタンは含水酸化チタンの構
造を残すため、その比表面積は大きくなり、200m2/
g以上のものも得ることができる。また、含水酸化チタ
ンを経る酸化チタンは、加熱処理によりアナターゼ結晶
の部分が成長し、例えば500℃以上に加熱すると、そ
の比表面積は50m2/gより小さくなため、少なくとも
これより低温で熱処理したものが好ましい。本発明に利
用される酸化チタンは、特開平6−293519号公報
に記載のものが好適である。
【0015】本発明の光反応性有害物除去材に於ける光
反応性半導体の含有量は、0.5から30重量%が好ま
しく、更には2から20重量%が好適である。光反応性
半導体の含有量が1重量%を下回ると、実質的に有害物
の分解効果が期待できず、逆にその含有量が30重量%
を上回ると、光反応性半導体が光反応性有害物除去材マ
トリクス中に強固に保持することができなくなり、粉落
ちの原因となる。光反応性半導体の絶対量は、傾向的に
は高い程有害物の分解効果が期待できるから、ハンドリ
ング性等のその他特性を満足する範囲で光反応性半導体
含有量を増加させることが望ましい。
【0016】本発明に係わる担体としては、上記光反応
性半導体を担持させるのに好適な公知のものは何れも使
用できる。担体それ自体が有害物吸着能を有する場合に
は、吸着性と光反応性半導体の有害物の分解性の双方が
利用できる。担体としては粒子状の種々の素材を用いる
ことができる。本発明に係わる担体としては、活性炭
や、活性白土、天然及び合成ゼオライト、セピオライ
ト、シリカ−アルミナ−酸化亜鉛複合物、シリカ−酸化
亜鉛複合物、シリカ−酸化マグネシウム複合物、及び酸
化マグネシウム−酸化亜鉛複合物等の無機化合物等が挙
げられる。これらの担体の粒径は、活性炭の場合は30
μm以下で、好ましくは0.05から10μm程度のも
のが好適に用いられ、その他無機化合物の場合では0.
05から50μm程度、好ましくは0.1から10μm
程度のものが好適である。
【0017】本発明に係わる担体は、光反応性有害物除
去材マトリクス中に非常に細かな光反応性半導体を保持
する際に、光反応性半導体を含有するより大きな凝集状
態を形成して、これらが湿式抄造時に漏散することを抑
止する効果を有する。更に担体は、本発明の光反応性有
害物除去材の構成要素であって光反応性半導体によって
分解を被る可能性のある微細繊維や熱可塑性樹脂繊維に
直接付着する率を低下させることができ、もって光反応
性半導体による除去材の劣化を抑制する作用を有する。
【0018】本発明の光反応性有害物除去材に於ける担
体の含有量は、1から20重量%程度が良いが、更に好
ましくは光反応性半導体と担体の混合比によって決定す
る。すなわち、本発明に係わる光反応性半導体と担体の
混合比は1:30から40:1、より好ましくは1:1
0から10:1程度で用いられる。光反応性半導体の混
合比が低すくぎると、結果として本発明の光反応性有害
物除去材に於ける光反応性半導体の含有量が低くなって
有害物の分解除去性が乏しくなるし、逆に混合比が高す
ぎると、上述したように光反応性有害物除去材の劣化が
促進され、経時での粉落ちの原因となる。
【0019】本発明に係わる微細繊維とは、その1本の
繊維が部分的に、もしくは全体的に径1μm以下にフィ
ブリル化された繊維である。本発明に係わる微細繊維
は、以下の各種方法で得られる繊維等を挙げることがで
きる。 1)合成高分子液をこの高分子に対し貧溶媒となる溶媒
中に剪断力をかけながら流下させ、繊維状フィブリルを
沈澱させる方法(フィブリッド法、特公昭35−118
51号公報)。 2)合成モノマーを重合させながら剪断をかけフィブリ
ルを析出させる方法(重合剪断法、特公昭47−218
98号公報)。 3)二種以上の非相溶性高分子を混合し、溶融押出しま
たは紡糸し、切断後機械的な手段で繊維状にフィブリル
化する方法(スブリット法、特公昭35−9651号公
報)。 4)二種以上の非相溶性高分子を混合し、溶融押出しま
たは紡糸し、切断後溶剤に浸漬して一方の高分子を溶解
し、繊維状にフィブリル化する方法(ポリマーブレンド
溶解法、米国特許第3,382,305号明細書)。 5)合成高分子を溶媒の沸点以上でかつ高圧側から低圧
側へ爆発的に噴出させた後、繊維状にフィブリル化する
方法(フラッシュ紡糸法、特公昭36−16460号公
報)。 6)ポリエステル系高分子に該ポリエステルに非相溶の
アルカリ可溶性成分をブレンドし、成形後アルカリによ
り減量加工後叩解し、繊維状にフィブリル化する方法
(アルカリ減量叩解法、特開昭56−315号公報)。 7)セルロース繊維、ケブラー繊維等の高結晶性、高配
向性繊維を適当な繊維長に切断後、水中に分散させ、ホ
モジナイザー、叩解機、サンドミル等を用いて、フィブ
リル化する方法(特開昭56−100801号、同59
−92011号公報、米国特許第4,761,203号
明細書)。
【0020】本発明に係わる微細繊維の具体例として
は、セルロース繊維を均質化装置でフィブリル化したも
の(セリッシュ−100、ダイセル製)、同じくケブラ
ー繊維をフィブリル化したもの(セリッシュ−400、
ダイセル製)、アクリロニトリルホモポリマーから成る
フィブリル繊維(カシミロンFCA、旭化成工業社製)
をリファイナー等により叩解したもの、アルカリ減量叩
解法によって得られたポリエステルパイプ等が挙げられ
る。
【0021】本発明に係わる微細繊維としては、更にバ
クテリアセルロース離解物も使用できる。バクテリアセ
ルロース離解物とは、微生物により生産されるセルロー
ス及び/或いはセルロースを主鎖としたヘテロ多糖を含
むもの及び/或いはβ−1,3、β−1,2等のグルカ
ンを含むものを機械的に解繊して得られるもので、これ
らの詳細は特公平6−72394号公報に記載されてお
り、利用できる。
【0022】本発明に係わる微細繊維は、通常の繊維に
比べて繊維径が非常に細く、このために比表面積が著し
く増大して、光反応性半導体や担体の保持力を高めてい
る。更に、この微細繊維は径が1μm以下、すなわちサ
ブミクロンのオーダー程度にまで解繊されているので、
この大きさと同程度以上の粒子径をもつ担体が光反応性
半導体と凝集する過程で繊維が凝集内に取り込まれる
と、強く相互作用して大きくかつ安定なフロックを形成
することができる。これらの凝集体は光反応性有害物除
去材マトリクス中に捕獲され、良好な風合いを発現しつ
つ高い光反応性有害物除去を有する除去材を形成するこ
とができる。
【0023】本発明に係わる微細繊維は、光反応性有害
物除去材全量に対し0.1から10重量%程度が良く、
更に好ましくは光反応性半導体及び担体と微細繊維との
混合比によって決定する。すなわち、光反応性半導体と
担体との総量に対する微細繊維の使用量は、0.2から
100重量%程度が好ましく、更には0.5から10重
量%程度が好適である。微細繊維は、上述したように光
反応性半導体を除去材マトリクスに保持させる効果を有
するものの、光反応性半導体と直接接触していると分解
劣化を被るから、光反応性半導体及びまたは担体が光反
応性有害物除去材から離脱(粉落ち)しない範囲の最少
量の併用が好ましい。
【0024】上記微細繊維中バクテリアセルロース離解
物は、最も揃って解繊されているため、光反応性半導体
及び担体等の粉体の保持量を高めることができる。しか
しながら、バクテリアセルロース離解物を包含するセル
ロース繊維は、ケブラー等に比して光反応性半導体によ
り劣化を被り易く、光反応性有害物除去材としての形態
を永続的に保持できなくなり、少なくともセルロース系
微細繊維含有量は10重量%以下が好ましい。光反応性
半導体保持量を微細繊維によって向上させる場合は、ケ
ブラーの使用が好適である。
【0025】本発明に係わる熱可塑性樹脂としては、ポ
リエチレン及びポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、
デクロン等のポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ス
チレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ナイロン等のポリアミ
ド系樹脂、ポリアクリロニトリル、アクリラン、オーロ
ン、ダイネル及びベレン等のアクリル系樹脂、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニ
ルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリビ
ニルアルコール系樹脂、ジエン系樹脂、ポリウレタン系
樹脂等が挙げられる。
【0026】これらの熱可塑性樹脂は、必要に応じて2
種以上混合して使用することもできる。また、これらの
熱可塑性樹脂が繊維形態であれば、その断面形状も特に
制限はなく、円形のみならず楕円形、三角形、星型、T
型、Y型、及び葉状等のいわゆる異型断面形状のもので
も良い。更に繊維表面に空隙を持つもの、枝分かれした
構造、及び芯鞘構造を有するものも使用できる。
【0027】これらの熱可塑性樹脂中、光反応性有害物
除去材とした際の繊維間結合強度及び腰を適度に制御で
きる点で芯鞘構造を有するものが好適である。芯鞘構造
を有する熱可塑性樹脂繊維とは、芯部分がポリエステ
ル、鞘部分がポリエステル共重合体からなる繊維や、芯
部分がポリエステル、鞘部分がポリオレフィンからなる
繊維等がある。繊維径は0.5から5デニール程度、繊
維長は0.5mmから50mm程度が好ましく、更には
1から15mmのものが好適である。芯鞘構造の特徴は
芯部分と鞘部分でその軟化点が異なることにあるが、芯
部分の軟化点(融解吸熱ピーク温度)は230℃以上、
鞘部分が90から120℃程度で構成された繊維が好ま
しい。
【0028】芯鞘構造を有する熱可塑性樹脂繊維の芯部
分は、シートの乾燥時や折り加工時の熱処理に於て、繊
維の形状を保持する必要から230℃以上の軟化点を有
することが好ましく、これ以下の軟化点では上記熱処理
時に繊維全体が溶融し、光反応性半導体等の反応表面を
被覆してしまいその効果を減ずる。また、鞘部分は光反
応性有害物除去材作製時の熱処理工程で、繊維自身が互
いに熱接着し充分な結合を形成する必要から、軟化点は
120℃以下が好ましい。このように芯鞘構造の繊維を
用いると、高温熱処理加工を行わずとも強度を保持でき
る。しかしながら、鞘部分の軟化点が50℃以下では経
時で光反応性有害物除去材同士の融着が誘発する可能性
があり、好ましくない。
【0029】本発明に係わる熱可塑性樹脂は、光反応性
有害物除去材としての強度を保つ必要から、光反応性有
害物除去材全量の少なくとも20重量%以上の使用が必
要であるが、使用比率が高くなると光反応性半導体の含
有量が低下することになるばかりか、光反応性半導体の
反応表面を被覆してしまうために好ましくなく、その使
用量は60重量%以下が望ましい。熱可塑性樹脂を光反
応性有害物除去材の構成の要素として用いると、一体製
造後に容易に成形加工がしやすいなどの大きな利点を有
する。
【0030】本発明の光反応性有害物除去材を構成する
成分としては、これまで述べてきた構成要素の他に、木
材パルプ、麻パルプ、エスパルト、及び木綿繊維等の天
然繊維、レーヨン繊維及びアセテート繊維等の再生及び
半合成繊維、活性炭繊維、ガラス繊維、及びアルミナ繊
維等の無機繊維等が挙げられる。
【0031】活性炭繊維では繊維長が0.5から50m
m程度、繊維径は1から100μm程度で特に10μm
程度のものが好ましい。活性炭繊維長が3mmより短い
場合ではシートからの脱離が起き易く、15mmより長
い場合ではシートの均一性が失われるので、3mm以上
15mm以下がより好ましい。活性炭素繊維は粉体活性
炭の代替えとして利用できるが、一般的に吸着速度が粉
体状のもより100から1000倍程度も速く、特にフ
ィルター材としては適した材料である。この場合に於て
も、光反応性半導体に有効な光を照射することにより、
活性炭繊維に吸着した有害物質を分解し、活性炭繊維に
於ける吸着能を再生することができる。
【0032】次に、本発明の光反応性有害物除去材の作
製方法について述べる。まず、光反応性半導体及び担体
を水を主成分とする水性液中に分散させ、液中で担体に
光反応性半導体を吸着担持させる。更にこの液に微細繊
維を添加し、必要に応じ少量の凝集剤を添加し複合凝集
体の形成を行う。この際使用する凝集剤は塩基性水酸化
アルミニウム重合物等の無機化合物、ポリアクリルアミ
ド及びポリアクリル酸等の有機高分子等が利用できる。
【0033】一方、実質的に光反応性有害物除去材に於
ける光反応性半導体の支持体を構成する熱可塑性樹脂
は、予めエクストルージョン法、インフレーション法、
及び延伸法等により溶融成形したシート状のものや、公
知の不織布製造法により抄造された不織布としたものに
上記の複合凝集体を塗設するか、複合凝集体水性液と熱
可塑性樹脂からなる繊維とを混合抄紙して一体化する。
【0034】本発明でいう塗設とは、複合凝集体水性液
への熱可塑性樹脂シートの浸漬による含浸及びコーター
による塗布を意味する。本発明に用いられる含浸及び塗
布する装置としては、コンベンショナルサイズプレス、
ゲートロールサイズプレス、及びフィルムトランファー
方式のサイズプレス等や、ロールコーター、エアドクタ
ーコター、ロッド(バー)コーター、ブレードコータ
ー、スプレーコーター、及びカーテンコーター等が挙げ
られる。特にコーターによって複合凝集体水性液を塗布
するのであれば、熱可塑性樹脂シートの一方の面だけで
も差支えない。
【0035】以上のように作製された光反応性有害物除
去材は、更に別の不織布や、熱可塑性樹脂、セラミッ
ク、及び金属等のフィルムまたはシート等と張り合わ
せ、或いは抄合わせにより、光反応性半導体を含有しな
い1層以上との多層構造を有する複合材としても利用で
きる。抄合わせとは堆積したシート構成物の2種以上を
乾燥工程以前に重ね合わせ、繊維の絡み合いを残して一
体化してシート材する方法である。張合わせとは、2種
以上のシートを熱により融着させたり、接着剤を用いて
複合化する方法である。張合わせによる複合化の場合で
は、接着部はシート間のみに限定し、光反応性半導体の
有効な反応表面積を減じないように留意しなければなら
ない。
【0036】
【作用】本発明の光反応性有害物除去材は、少なくとも
光反応性半導体、担体、微細繊維、及び熱可塑性樹脂か
らなる一体化シートであって、光反応性半導体が感応す
る光を照射すると、空気中や水中の有害物を分解するこ
とができる。また、担体に吸着能力がある場合には、光
のあたらない場所に放置しておいても、有害物質は担体
に吸着されて除去される。この有害物質を吸着した光反
応性有害物除去材を光のあたる場所に放置しておくと、
担体に吸着された有害物質を光反応性半導体の作用で分
解することができ、担体の吸着能を再生することができ
る。
【0037】作製された光反応性有害物除去材は、光反
応性半導体と担体が凝集過程によって接触しているの
で、その有効な表面を減ずることなく使用できて、更に
シート面に均一に分散されおり光に対しても一様に反応
きるので、その有害物の除去力にばらつきがない。ま
た、光反応性半導体は担体及び微細繊維の少なくとも何
れか一方に担持され、更に少なくとも微細繊維を介して
熱可塑性樹脂に強固に保持されて一体化シートを構成す
るので、熱可塑性樹脂と光反応性半導体との直接的接触
を抑制しつつ、反応性半導体は光反応性有害物除去材に
強固に保持される。更に、熱可塑性樹脂を繊維形態のま
ま使用する不織布複合凝集体塗設法や複合凝集体混合抄
造法によって作製された光反応性有害物除去材に於て
は、特に通気性やシートの空隙等が均一で、フィルター
として充分に利用できる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により更に本発明を詳細に説明
するが、本発明はその主旨を越えない限りこれらに限定
されるものではない。
【0039】実施例1 光反応性半導体である酸化チタン(日本アエロジル製;
P25S6)10重量部、担体である活性炭粉末(和光
製、平均粒径5μm)10重量部、及び微細繊維(ダイ
セル化学工業製;セリッシュ KY-100S、固形分4
%)50重量部を水中でミキサーで機械的に混合し、更
に凝集剤として硫酸アルミニウム0.02重量部を添加
して複合凝集体を形成させた。
【0040】一方、0.5デニール×5mmの熱可塑性
樹脂繊維(帝人製;ポリエステル繊維)38重量部と2
デニール×5mmの芯鞘構造を有する熱可塑性樹脂繊維
(ユニチカ製;メルティー#4080)40重量部とに
分散剤(日本アクリル化学製;プライマールー850)
を少量添加し、熱可塑性樹脂繊維分散液を作製した。
【0041】この2つの分散液を攪拌しながら混合し、
アニオン変性ポリアクリルアミドを添加して液系が安定
した後、丸網型抄造機にて目付け量100g/m2の光反
応性有害物除去材Aを抄造し、100℃で乾燥した。
【0042】この光反応性有害物除去材Aを12cm×
20cmの大きさに裁断し、5.6リットルの密閉でき
る二つの容器に入れ、一方だけ6wのブラックランプを
約5cmの距離から照射できるようにした。この容器に
アセトアルデヒドの飽和空気を4ml注入し、一定時間
毎に容器内のアセトアルデヒドの濃度をFID検出器付
きのガスクロマトグラフィーで測定した。1時間及び2
時間後同様にアセトアルデヒドの飽和気体を注入し、経
時による容器内のアセトアルデヒドの濃度を測定した。
得られた結果を図1に示す。
【0043】アセトアルデヒドは活性炭に吸着されるか
ら、光照射に関係なくアセトアルデヒド濃度は減衰する
ものの、図1からも明かなように、光を照射しない場合
はアセトアルデヒドの再注入により次第にその濃度が上
昇しているが、光を照射している容器では、光反応性半
導体の効果により再注入によってもアセトアルデヒドの
濃度の上昇は観察されなかった。それ故、この光反応性
有害物除去材Aは、活性炭による吸着能の他に、有害物
光除去能も有していることが確認された。
【0044】また、この光反応性有害物除去材Aに10
wのブラックランプを用いて10日間光照射を行った
が、容器内には粉体等の脱離は観察されなかった。更
に、この除去材Aの表面を指で擦ったが、白色粉体が指
に付着することなく、良好な状態を維持できた。
【0045】実施例2 光反応性半導体はそのままに、担体を複合フィロケイ酸
顔料(水沢化学製;ミズカナイトAP、平均粒径2μ
m)に、微細繊維をセリッシュ KY-400(ダイセル
化学工業製)に、凝集剤をポリ塩化アルミニウム(水沢
化学製;PAC)に変更した他は実施例1と同様の方法
で、同目付け量の光反応性有害物除去材Bを作製した。
この光反応性有害物除去材Bのアセトアルデヒド濃度変
化を実施例1と同様に測定した。得られた結果を図2に
示す。
【0046】図2からも明らかなように、光を照射した
場合、アセトアルデヒドは光反応性半導体によって光分
解され、容器内のアセトアルデヒドは減少した。しかし
ながら、光を照射しない場合はアセトアルデヒドの減少
は殆どなかった。これら結果より、この光反応性有害物
除去材Bに於ても有害物光除去能を有していることが確
認された。また、この光反応性有害物除去材Bに10w
のブラックランプを用いて10日間光照射を行ったが、
容器内に粉体等の脱落がないことは勿論、この表面を指
で擦っても白色粉体が転着することなく、良好な状態を
維持できた。
【0047】比較例1 実施例1に於て、光反応性半導体である酸化チタンを使
用しなかった他は実施例1と同様に微細繊維(ダイセル
化学工業製;セリッシュ KY-100S、固形分4%)
50重量部及び活性炭粉末(和光製、平均粒径5μm)
10重量部を水中でミキサーで機械的に混合し、更に凝
集剤として硫酸アルミニウム0.02重量部を添加して
複合凝集体を形成させた。
【0048】この複合凝集体水性液と実施例1で作製し
た熱可塑性樹脂繊維分散液と実施例1と同一混合比で攪
拌混合し、実施例1と同様の方法で同目付け量の有害物
除去材Cを作製した。この性有害物除去材Cを実施例1
と同様な方法でアセトアルデヒドの除去能力を測定し
た。得られた結果を図3に示す。
【0049】アセトアルデヒドは活性炭に吸着されるか
ら、光照射に関係なくアセトアルデヒド濃度は減衰する
ものの、繰り返しアセトアルデヒドを注入するに従い、
容器内のアセトアルデヒド濃度は上昇した。この結果、
この有害物除去材Cには、少なくとも有害物光除去能を
有さないことが確認された。
【0050】比較例2 担体を併用せず、微細繊維(ダイセル化学工業製;セリ
ッシュ KY−100S、固形分4%)50重量部、光
反応性半導体である酸化チタン粉末(石原産業製;ST
−31、平均粒径20nm、比表面積220m2/g)1
0重量部を水中でミキサーで機械的に混合し、更にアル
ミン酸ナトリウム0.1重量部を添加して複合凝集体を
構成した。
【0051】この複合凝集体水性液と実施例1で作製し
た熱可塑性樹脂繊維分散液と実施例1と同一混合比で攪
拌混合し、実施例1と同様の方法で同目付け量の有害物
除去材Dを作製した。この性有害物除去材Dを実施例1
と同様な方法でアセトアルデヒドの除去能力を測定し
た。得られた結果を図4に示す。この結果、光を照射し
ている容器内ではアセトアルデヒド濃度は減少し、この
光反応性有害物除去材Dには有害物光除去能を有してい
ることが観察された。
【0052】しかしながら、この光反応性有害物除去材
Dに10wのブラックランプを用いて10日間光照射を
行ったところ、容器内には粉体等の脱離は観察されなか
ったが、この除去材Dの表面を指で擦ったところ、白色
粉体が指に付着し、除去材Dが光劣化を被っていること
が確認された。
【0053】比較例3 実施例1で用いた0.5デニール×5mmの熱可塑性樹
脂繊維(帝人製;ポリエステル繊維)38重量部と2デ
ニール×5mmの芯鞘構造を有する熱可塑性樹脂繊維
(ユニチカ製;メルティー#4080)40重量部とに
1−オクタノールを少量添加した熱可塑性樹脂繊維分散
液に、更に光反応性半導体である酸化チタン(日本アエ
ロジル製;P25S6)10重量部を添加して攪拌し
た。この分散液にアニオン変性ポリアクリルアミドを添
加して液系が安定した後、丸網型抄造機にて目付け量1
00g/m2の不織布を抄造し、100℃で乾燥させた。
【0054】一方、担体である活性炭粉末(和光製、平
均粒径5μm)10重量部及び微細繊維(ダイセル化学
工業製;セリッシュ KY-100S、固形分4%)50
重量部を水中でミキサーで機械的に混合し、更に凝集剤
としてポリ塩化アルミニウム(水沢化学製;PAC)
0.02重量部を添加して、光反応性半導体を含有しな
い凝集体を形成させた。この凝集体水性液中に上記で作
製した不織布を浸漬して凝集体を含浸させ、100℃で
乾燥して光反応性有害物除去材Eを作製した。
【0055】この光反応性有害物除去材Eを実施例1と
同様にそのアセトアルデヒドの除去能力を測定した。得
られた結果を図5に示す。この光反応性有害物除去材E
に於ては、粒子径の大きな活性炭は不織布中に閉じ込め
られてその効果を発現し、アセトアルデヒドの吸着特性
は観察できた。しかしながら、粒子径が非常に小さくま
た使用熱可塑性樹脂繊維と化学的相互作用の乏しい酸化
チタンは不織布中に殆ど保持されていないためか、光の
照射による効果はほんの僅かで、この除去材Eには有害
物光除去能があるとはいいがたい。
【0056】実施例3 実施例1に於て、光反応性半導体である酸化チタン粉体
を同量の超粒子酸化亜鉛(三菱マテリアル製;F60、
比表面積60m2/g)に変更した他は、実施例1と同様
の材料及び方法で複合凝集体を形成させた。この複合凝
集体に実施例1で作製した熱可塑性樹脂繊維分散液を攪
拌しながら混合し、アニオン変性ポリアクリルアミドを
添加して液系が安定した後、実施例1と同様の方法で目
付け量100g/m2の光反応性有害物除去材Fを抄造
し、100℃で乾燥した。
【0057】この光反応性有害物除去材Fによるアセト
アルデヒド濃度変化を実施例1と同様に測定した。得ら
れた結果を図6に示す。図6からも明らかなように、光
を照射した場合、アセトアルデヒドは光反応性半導体に
よって光分解され、容器内のアセトアルデヒドは減少し
た。しかしながら、光を照射しない場合はアセトアルデ
ヒドの減少は殆どなかった。これら及び実施例1の同様
の結果より、光反応性有害物除去材Aに比較すると有害
物光除去能に劣るものの、光反応性有害物除去材Fに於
ても充分に有害物光除去能を有していることが確認され
た。また、この光反応性有害物除去材Fに10wのブラ
ックランプを用いて10日間光照射を行ったが、実施例
1と同様に容器内に粉体等の脱落がないことは勿論、こ
の表面を指で擦っても粉体が転着することなく、良好な
状態を維持できた。
【0058】実施例4 光反応性半導体としてメタチタン酸(トーケムプロダク
ツ製)固形分換算で10重量部を水に分散させ、水酸化
ナトリウム水溶液にて中和した。この分散に担体として
炭酸マグネシウム10重量部及び実施例1で用いた微細
繊維50重量部添加して、同様の方法で複合凝集体を形
成させた。
【0059】一方、0.5デニール×5mmの熱可塑性
樹脂繊維(帝人製;ポリエステル繊維)23重量部、2
デニール×5mmの熱可塑性樹脂繊維(帝人製;ポリエ
ステル繊維)30重量部、及び2デニール×5mmの芯
鞘構造を有する熱可塑性樹脂繊維(ユニチカ製;メルテ
ィー#4080)25重量部を水に投入し、これに分散
剤(日本アクリル化学製;プライマール−850)を少
量添加して、熱可塑性樹脂繊維分散液を作製した。
【0060】この2つの分散液を攪拌しながら混合し、
アニオン変性ポリアクリルアミドを添加して液系が安定
した後、 丸網型抄造機にて目付け量100g/m2の光
反応性有害物除去材Gを抄造し、130℃で乾燥した。
この光反応性有害物除去材Gのアセトアルデヒド濃度変
化を実施例1と同様に測定した。結果を図7に示す。
【0061】図7からも明らかなように、光を照射した
場合、アセトアルデヒドは光反応性半導体によって光分
解され、容器内のアセトアルデヒドは減少した。しかし
ながら、光を照射しない場合はアセトアルデヒドの減少
は殆どなかった。これら結果より、この光反応性有害物
除去材Gに於ても有害物光除去能を有していることが確
認された。また、この光反応性有害物除去材Gに10w
のブラックランプを用いて10日間光照射を行ったが、
容器内に粉体等の脱落がないことは勿論、この表面を指
で擦っても白色粉体が転着することなく、良好な状態を
維持できた。
【0062】実施例5 実施例4で調製した3種の熱可塑性樹脂繊維及び分散剤
からなる熱可塑性樹脂繊維分散液にアニオン変性ポリア
クリルアミドを添加して液系が安定した後、丸網型抄造
機にて目付け量78g/m2の熱可塑性樹脂繊維シート
Hを抄造した。
【0063】一方、酸化チタン(日本エアロジル製;P
25S6)10重量部、担体として炭酸マグネシウム1
0重量部、及び微細繊維(ダイセル化学工業製;セリッ
シュKY-100S、固形分4%)50重量部用い、実
施例1と同様の方法で複合凝集体分散液を形成させた。
【0064】この複合凝集体分散液を固形分塗布量が1
1g/m2 となるよう熱可塑性樹脂繊維シートHの一方
の面に塗布して乾燥し、光反応性有害物除去材Hを得
た。この光反応性有害物除去材Hの複合凝集体塗布面に
実施例1と同条件で光照射し、アセトアルデヒド濃度変
化を実施例1と同様に測定した。結果を図8に示す。
【0065】図8からも明らかなように、光を照射した
場合、アセトアルデヒドは光反応性半導体によって光分
解され、容器内のアセトアルデヒドは減少した。しかし
ながら、光を照射しない場合はアセトアルデヒドの減少
は殆どなかった。これら結果より、この光反応性有害物
除去材Hに於ても有害物光除去能を有していることが確
認された。また、この光反応性有害物除去材Hの複合凝
集体塗布面に10wのブラックランプを用いて10日間
光照射を行ったが、容器内に粉体等の脱落がないことは
勿論、この表面を指で擦っても白色粉体が転着すること
なく、良好な状態を維持できた。
【0066】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、優
れた有害物光除去能を有する光反応性有害物除去材を得
ることができる。この光反応性有害物除去材は光反応性
半導体の有効な表面積を減ずることなくこの粉落ちを防
止でき、熱可塑性樹脂繊維を用いているので空気中だけ
でなく水中でもフィルターとして利用でき、また優れた
加工性を有する。更に、担体と微細繊維とを併用してあ
るので、光反応性半導体が脱離することが防止される。
この光反応性有害物除去材は、フィルター材の他に各種
厚みのシート材やボード材としても利用できる。
【0067】本発明の光反応性有害物除去材は、例えば
自動車や列車等に取り付けて脱臭シートに利用できる。
この場合、太陽光が差し込むところであれば、特別な光
照射器は必要ではない。このような場所での使い方とし
ては、フロントボード材、壁材、サンシェード等の内装
材や、折り加工をして脱臭器として取り付けることもで
きる。家庭用では靴箱、ハンガー、冷蔵庫、ロッカー、
タンス等に折り加工を施して設置したり、トイレや台
所、風呂場、脱衣所の壁紙や床材、カーテン材として、
またペット用トイレの入れ物にも利用できる。更に蛍光
灯には微弱ではあるが用いられている光反応性半導体が
感ずる光成分も含まれているので、この周辺にも応用で
きる。
【0068】その他、病院等では病室のシーツ材やカー
テン材として、更に廊下や処置室の壁材や床材等にも利
用できる。更に家庭用のエアコン空調、オフイスの空
調、掃除機や生ゴミ乾燥機等にフィルター材として利用
できる。これらは専用の光源設備を付帯しても良いが、
間欠的に光を照射しても脱臭特性が再生するので、日中
に太陽光が当たるような設備に於ても有用に利用でき
る。
【0069】水中での利用方法としては、フィルター材
として下水、上水等の水質改善、河川湖の浄化、工場排
水の最終処理段階や、プールや風呂の水の浄化等にも利
用できる。また水面上にて浮遊材として使用すれば光源
として太陽光も利用でき、一層効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係わる光反応性有害物除去
材Aによるアセトアルデヒド減衰図。
【図2】本発明の実施例2に係わる光反応性有害物除去
材Bによるアセトアルデヒド減衰図。
【図3】本発明の比較例1に係わる有害物除去材Cによ
るアセトアルデヒド減衰図。
【図4】本発明の比較例2に係わる光反応性有害物除去
材Dによるアセトアルデヒド減衰図。
【図5】本発明の比較例3に係わる光反応性有害物除去
材Eによるアセトアルデヒド減衰図。
【図6】本発明の実施例3に係わる光反応性有害物除去
材Fによるアセトアルデヒド減衰図。
【図7】本発明の実施例4に係わる光反応性有害物除去
材Gによるアセトアルデヒド減衰図。
【図8】本発明の実施例5に係わる光反応性有害物除去
材Hによるアセトアルデヒド減衰図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 海老原 功 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱 製紙株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光反応性半導体、担体、及び
    微細繊維を含有する複合凝集体水性液を少なくとも熱可
    塑性樹脂からなる支持体に塗設してなることを特徴とす
    る光反応性有害物除去材。
  2. 【請求項2】 少なくとも光反応性半導体、担体、及び
    微細繊維を含有する複合凝集体水性液に熱可塑性樹脂繊
    維を加えて抄造してなることを特徴とする光反応性有害
    物除去材。
  3. 【請求項3】 微細繊維がその一部分または全部が径1
    μm以下にフィブリル化された繊維である請求項1また
    は2記載の光反応性有害物除去材。
  4. 【請求項4】 光反応性半導体が、比表面積50m2/g
    以上の酸化チタンである請求項1または2記載の光反応
    性有害物除去材。
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