JPH08204198A - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法

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JPH08204198A
JPH08204198A JP24873494A JP24873494A JPH08204198A JP H08204198 A JPH08204198 A JP H08204198A JP 24873494 A JP24873494 A JP 24873494A JP 24873494 A JP24873494 A JP 24873494A JP H08204198 A JPH08204198 A JP H08204198A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄膜トランジスタにおいて、ドレイン・ソー
ス電流が最小となるゲート電圧のばらつきを小さくす
る。 【構成】 絶縁基板1の上面に下地絶縁層2を堆積し、
さらにその上面に水素化アモルファスシリコン薄膜半導
体層3を堆積する。この薄膜半導体層3の上面に酸化シ
リコンの保護膜4を堆積し、その上面にフォトレジスト
膜5をパターン形成し、このフォトレジスト膜をマスク
としてソース及びドレインとなる領域3aに不純物を注
入し、注入した不純物の活性化処理を行なった後、該薄
膜半導体層3の水素化処理を行い、その後に該薄膜半導
体層3の上面にゲート絶縁膜6を形成する。その結果、
ドレイン・ソース電流が最小となるゲート電圧のばらつ
きを小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、薄膜トランジスタの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の薄膜トランジスタの製造方法に
は、ガラス基板等からなる絶縁基板上に実質的に水素を
含有しないアモルファスシリコン薄膜を形成し、このア
モルファスシリコン薄膜にエキシマレーザを照射するこ
とにより該アモルファスシリコン薄膜を多結晶化してポ
リシリコン薄膜とした後、このポリシリコン薄膜上にプ
ラズマCVDにより絶縁膜を堆積すると同時に前記ポリ
シリコン薄膜を水素化してそのダングリングボンドを減
らすようにしたものがある。この場合に、ポリシリコン
薄膜上にプラズマCVDにより絶縁膜を堆積すると同時
にポリシリコン薄膜を水素化してそのダングリングボン
ドを減らすようにして、絶縁膜の堆積とポリシリコン薄
膜の水素化を一度のプラズマCVDで同時に行うことに
より、独自の水素化工程を省略して製造工程数を少なく
していた。また、このような製造方法により、エキシマ
レーザ照射による多結晶化は液相成長であるので、ポリ
シリコン薄膜の結晶構造を良くできる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の薄膜トランジスタの製造方法は、以下の問題点があっ
た。図14及び図15は従来の製造方法による薄膜トラ
ンジスタの特性を示し、図14はnMOSトランジスタ
のゲート電圧VGSに対するドレイン電流IDSの特性を示
す図であり、図15はpMOSトランジスタのゲート電
圧VGSに対するドレイン・ソース電流IDSの特性を示す
図である。これらの図から明らかなように、ゲート電圧
GSが0vのときにドレイン・ソース電流IDSが最小と
ならず、大きくずれているため、動作時におけるゲート
電圧の設定が煩雑である。また、そのずれ量にばらつき
があるため、再現性が悪く量産品の均一性が得られな
い。この発明はかかる従来の問題を解決するためのもの
であり、ドレイン・ソース電流が最小となるゲート電圧
のばらつきを小さくすることができる薄膜トランジスタ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために、絶縁基板上の薄膜半導体層に注入した不
純物の活性化処理を行なった後、該薄膜半導体層の水素
化処理を行い、その後に該薄膜半導体層の上面にパッシ
ベーション膜を形成する。
【0005】
【作用】したがってこの発明によれば、不純物の活性化
処理後に水素化処理を行なう製造方法を採ることによ
り、ドレイン・ソース電流が最小となるゲート電圧のば
らつきを小さくすることができ、その結果、動作時にお
けるゲート電圧の設定が容易で、かつ再現性の優れた薄
膜トランジスタを得ることができる。
【0006】
【実施例】図1ないし図11は、この発明の薄膜トラン
ジスタの製造工程を示す断面図である。これらの図を順
に参照しながら、薄膜トランジスタの製造方法について
説明する。
【0007】まず、図1に示すように、ガラス基板等か
らなる絶縁基板1を洗浄した後、スパッタ装置により、
絶縁基板1の上面に酸化シリコン(SiO2)等の下地
絶縁膜2をスパッタリング法により約1000Åの膜厚
となるように堆積(デポジット)する。下地絶縁膜2の
堆積後、図2に示すように、水素化アモルファスシリコ
ン(a−Si)薄膜の半導体層3をプラズマCVDによ
り約500Åの膜厚となるように堆積する。この場合、
絶縁基板1の温度を200〜350℃程度望ましくは2
50℃程度とし、10〜20SCCM程度のモノシラン
(SiH4)とその10倍程度の水素(H2)との混合ガ
スを用いて、半導体層3の膜厚が400〜1000Å程
度望ましくは500Å程度となるようにする。すると、
水素化アモルファスシリコン薄膜の半導体層3の水素含
有量は10〜20atomic%程度に増加する。従っ
て、後の工程でエキシマレーザ照射により高エネルギー
を与えたとき水素が突沸して欠陥が生じるのを回避する
ために、前もって脱水素処理を行う。この場合、窒素
(N2)雰囲気中において450℃程度の温度で1時間
程度の熱処理を行い、水素含有量が3atomic%以
下望ましくは1atomic%以下となるようにする。
【0008】次に、図3に示すように、脱水素処理後の
アモルファスシリコン薄膜の半導体層3に、520mJ
/cm2及び275mJ/cm2のエネルギー密度でエキ
シマレーザをそれぞれ1回ずつ照射し、多結晶化してポ
リシリコン薄膜の半導体層3を形成する。その後図4に
示すように、ポリシリコン薄膜の半導体層3の上面に酸
化シリコンの保護膜4をスパッタリングにより約200
Åの膜厚で堆積する。さらに図5に示すように、半導体
層3のソース・ドレイン形成領域以外の領域に対応する
部分の上面にフォトレジスト膜5をパターン形成する。
次に、このフォトレジスト膜5をマスクとして、半導体
層3のソース・ドレイン形成領域にリンイオンやボロン
イオン等の不純物をイオンドーピングにより注入して不
純物注入領域3aを形成する。イオンドーピングの条件
としては、n型半導体の場合には、1%のホスフィン
(PH3)と99%の水素との混合ガスを用い、リンイ
オンを加速エネルギー20keV、ドーズ量2×105
/cm2で注入する。また、p型半導体の場合には、1
%のジボラン(B26)及び99%の水素との混合ガス
を用い、ボロンイオンを加速エネルギー20keV、ド
ーズ量2×105/cm2で注入する。その後、フォトレ
ジスト膜5及び保護膜4を除去する。
【0009】次に、図6に示すようにエキシマレーザを
エネルギー密度270mJ/cm2程度で5回照射し
て、半導体膜3の不純物注入領域3aを活性化する。そ
の活性化の後に、半導体膜3の格子欠陥を囲む原子群が
もつ不飽和結合であるダングリングボンドを低減させる
ために、4%の水素及び96%の窒素の雰囲気中におい
て、約350℃で90分の水素化処理(水素原子との共
有結合)を行なう。なお、他の方法としてプラズマ水素
化を行なっても良い。プラズマ水素化処理の場合には、
プラズマ中で水素原子を励起させるので容易に共有結合
を図ることができる。
【0010】次に、図7に示すように、素子分離によ
り、不要な部分の半導体膜3を除去する。この状態で
は、半導体膜3の中央部はチャネル領域3bとされ、そ
の両側は活性化不純物領域3aからなるソース・ドレイ
ン領域とされている。その後、図8に示すように、全表
面に酸化シリコン膜と窒化シリコン(Si34)膜とか
らなるゲート絶縁膜6(これをパッシベーション膜と称
している)を形成する。すなわち、この発明の特徴は、
不純物注入領域3aを活性化した後、パッシベーション
膜としてのゲート絶縁膜6の形成前に水素化処理を行な
う点にある。ゲート絶縁膜6の形成の方法は、まず全表
面にスパッタリングにより酸化シリコン膜を堆積し、次
いでこの酸化シリコン膜の表面にモノシランとアンモニ
ア(NH3)と窒素とからなる混合ガスを用いたプラズ
マCVDにより、窒化シリコン膜を堆積する。その後、
チャネル領域3bに対応する部分のゲート絶縁膜7の上
面にCrからなるゲート電極7をパターン形成する。
【0011】次に、図9に示すように、全表面に窒化シ
リコン等からなる層間絶縁膜8を形成する。次に、ソー
ス・ドレイン領域である不純物領域3aに対応する部分
の層間絶縁膜8及びゲート絶縁膜6にコンタクトホール
9を形成する。次に、図10に示すように、コンタクト
ホール9を介してソース・ドレイン領域と接続されるア
ルミニウム(Al)等からなる導体でソース・ドレイン
電極10を層間絶縁膜8の上面にパターン形成する。か
くして得られた薄膜トランジスタは、以下に記述するよ
うにゲート電圧が0vのときにドレイン・ソース電流が
最小となる。
【0012】図12及び図13にこの実施例の製造方法
による薄膜トランジスタの特性を示し、図12はnMO
Sトランジスタのゲート電圧VGSに対するドレイン・ソ
ース電流IDSの特性を示す図であり、図13はpMOS
トランジスタのゲート電圧VGSに対するドレイン・ソー
ス電流IDSの特性を示す図である。これらの図から明ら
かなように、nMOSトランジスタもpMOSトランジ
スタも共にゲート電圧VGSが0vのときにドレイン・ソ
ース電流IDSが最小となる。したがって、動作時におけ
るゲート電圧の設定が容易で、かつ再現性に優れた効果
が得られる。さらに、nMOSトランジスタ及びpMO
Sトランジスタの電気的特性に対称性があるので、CM
OSトランジスタを構成する場合にゲート電圧の設定が
容易となり、優れたスイッチング特性をもつという効果
も得られる。
【0013】なお、上記実施例では、この発明を通常の
MOS構造の薄膜トランジスタに適用した場合について
説明したが、他の実施例として、通常のMOS構造の薄
膜トランジスタと比較して、耐圧の向上等を図って高信
頼化したLDD構造の薄膜トランジスタにも適用するこ
とができる。例えば、図11(図10と同一名称部分に
は同一の符号を付した)に示すLDD構造の薄膜トラン
ジスタにこの発明を適用した断面図では、半導体膜3の
中央部をチャネル領域3bとし、その両側を不純物濃度
の低いソース・ドレイン領域3cとし、さらにその両側
を不純物濃度の高いソース・ドレイン領域3dとした構
造となっている。このLDD構造の薄膜トランジスタを
製造する場合には、不純物濃度の低いソース・ドレイン
領域3cおよび不純物濃度の高いソース・ドレイン領域
3dを形成すべき部分に低濃度の不純物を注入し、次い
でフォトレジスト膜を除去し、次いで不純物濃度の高い
ソース・ドレイン領域3dを形成すべき部分以外の部分
の上面に別のフォトレジスト膜を形成し、この別のフォ
トレジスト膜をマスクとして不純物濃度の高いソース・
ドレイン領域3dを形成すべき部分に高濃度の不純物を
注入するようにすればよい。
【0014】さらに、上記実施例では、この発明をトッ
プゲート型のコプラナ構造の薄膜トランジスタに適用し
た場合について説明したが、スタガ構造やバックゲート
型の構造の薄膜トランジスタにも適用し得ることはもち
ろんである。バックゲート型の場合、絶縁基板の上面に
ゲート電極およびゲート絶縁膜を形成し、その上にアモ
ルファスシリコン薄膜の半導体層を堆積し、このアモル
ファスシリコン薄膜を多結晶化してポリシリコン薄膜の
半導体層とし、リンイオンやボロンイオン等の不純物を
注入する。この場合にも、注入した不純物の活性化の後
に、ポリシリコン薄膜の水素化処理を行ない、その後ポ
リシリコン薄膜上にパッシベーション膜をプラズマCV
Dにより堆積する。
【0015】
【発明の効果】この発明によれば、絶縁基板上の薄膜半
導体層に注入した不純物の活性化処理を行なった後、該
薄膜半導体層の水素化処理を行い、その後に該薄膜半導
体層の上面にパッシベーション膜を形成することによ
り、ドレイン・ソース電流が最小となるゲート電圧のば
らつきを小さくできるので、動作時におけるゲート電圧
の設定が容易で、かつ再現性に優れた薄膜トランジスタ
を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】絶縁基板1の上面に下地絶縁膜2をスパッタリ
ングにより堆積する工程を示す断面図。
【図2】薄膜の半導体層3をプラズマCVDにより堆積
する工程を示す断面図。
【図3】薄膜の半導体層3にエキシマレーザを照射して
多結晶化する工程を示す断面図。
【図4】半導体層3の上面に酸化シリコンの保護膜4を
スパッタリングにより堆積する工程を示す断面図。
【図5】半導体層3のソース・ドレイン形成領域以外の
領域に対応する部分の上面にフォトレジスト膜5をパタ
ーン形成する工程を示す断面図。
【図6】エキシマレーザを照射して半導体膜3の不純物
注入領域3aを活性化する工程を示す断面図。
【図7】不要な部分の半導体膜3を除去する工程を示す
断面図。
【図8】全表面に酸化シリコン膜と窒化シリコン膜とか
らなるゲート絶縁膜6を形成する工程を示す断面図。
【図9】全表面に窒化シリコン等からなる層間絶縁膜8
を形成する工程を示す断面図。
【図10】コンタクトホール9を介してソース・ドレイ
ン領域と接続されるソース・ドレイン電極10を層間絶
縁膜8の上面にパターン形成する工程を示す断面図。
【図11】LDD構造の薄膜トランジスタの製造方法に
この発明を適用した断面図。
【図12】この発明によるnMOSトランジスタのゲー
ト電圧VGSに対するドレイン電流IDSの特性を示す図。
【図13】この発明によるpMOSトランジスタのゲー
ト電圧VGSに対するドレイン・ソース電流IDSの特性を
示す図。
【図14】従来のnMOSトランジスタのゲート電圧V
GSに対するドレイン電流IDSの特性を示す図。
【図15】従来のpMOSトランジスタのゲート電圧V
GSに対するドレイン・ソース電流IDSの特性を示す図。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 下地絶縁膜 3 半導体層 3a 不純物注入領域 3b チャネル領域 4 保護膜 5 フォトレジスト膜 6 ゲート絶縁膜 7 ゲート電極 8 層間絶縁膜 9 コンタクトホール 10 ソース・ドレイン電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/265 21/268 Z H01L 29/78 616 A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上の薄膜半導体層に注入した不純
    物の活性化処理を行なった後、該薄膜半導体層の水素化
    処理を行い、その後に該薄膜半導体層の上面にパッシベ
    ーション膜を形成することを特徴とする薄膜トランジス
    タの製造方法。
  2. 【請求項2】前記絶縁基板上の薄膜半導体層に注入した
    不純物の活性化処理は該薄膜半導体層を多結晶化した後
    に行なうことを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジ
    スタの製造方法。
  3. 【請求項3】前記薄膜トランジスタはトップゲート型の
    構造であることを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜
    トランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】前記薄膜トランジスタはスタガ構造である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜トランジス
    タの製造方法。
  5. 【請求項5】前記薄膜トランジスタはバックゲート型の
    構造であることを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜
    トランジスタの製造方法。
  6. 【請求項6】不純物濃度の高い領域と不純物濃度の低い
    領域とを前記薄膜半導体層に有するLDD構造のトラン
    ジスタに適用することを特徴とする請求項1又は2記載
    の薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 【請求項7】前記水素化処理はプラズマ水素化処理であ
    ることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに
    記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 【請求項8】前記薄膜トランジスタはCMOSトランジ
    スタを構成することを特徴とする請求項1ないし7のい
    ずれか1つに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007148446A (ja) * 1996-09-26 2007-06-14 Seiko Epson Corp 表示装置
JP2011124596A (ja) * 2011-02-01 2011-06-23 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置の製造方法

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