JPH0820326A - アンチロック制御装置 - Google Patents

アンチロック制御装置

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JPH0820326A
JPH0820326A JP15899594A JP15899594A JPH0820326A JP H0820326 A JPH0820326 A JP H0820326A JP 15899594 A JP15899594 A JP 15899594A JP 15899594 A JP15899594 A JP 15899594A JP H0820326 A JPH0820326 A JP H0820326A
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JP
Japan
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antilock control
control
power supply
antilock
supply voltage
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JP15899594A
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Harumasa Minegishi
晴正 峯岸
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アンチロック制御中に電源電圧の異常が発生
したとき、できる限り早期にアンチロック制御を終了さ
せ、かつ、その終了に伴う操縦安定性の急変に対する運
転者の対処操作の困難性を回避する。 【構成】 電源電圧異常発生時にアンチロック制御中で
なければ警告ランプの点灯により異常発生を報知し、ア
ンチロック制御禁止フラグのセットによりアンチロック
制御の開始を禁止する(S201,202,205)。
アンチロック制御中であれば、異常時アンチロック制御
終了速度まで低下したときアンチロック制御を終了させ
る(S201〜S204)。異常時アンチロック制御終
了速度は正常時の終了速度より高く設定されているた
め、不適切なアンチロック制御が早期に終了させられ、
かつ、異常時アンチロック制御終了速度以上においては
アンチロック制御が終了させられないため、運転者の対
処操作が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアンチロック制御装置に
関するものであり、特に、電源の電圧異常時の処理に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】アンチロック制御装置は、制動時に車輪
のスリップ率をほぼ適正値に制御し、車両の操縦安定性
を保つ装置である。そのため、アンチロック制御装置
は、一般に、(a)ホイールシリンダの液圧を少なくと
も増大および減少させ得る液圧制御装置と、(b)車輪
のスリップ率,スリップ量,車輪加速度(減速度)等、
車輪のスリップに関連するスリップ関連量を取得するス
リップ関連量取得手段と、(c)そのスリップ関連量取
得手段が取得したスリップ関連量に基づいて前記液圧制
御装置を制御して車輪のスリップ率をほぼ適正値に制御
するアンチロック制御手段とを含むように構成される。
【0003】このようなアンチロック制御装置が適切に
作動するためには所定の電圧が必要であるため、電源電
圧が異常に高くなり、あるいは異常に低くなって、所定
の電圧が供給されなくなれば、アンチロック制御を正常
に行うことができない。そのため、例えば、特公平4−
71740号公報に一例が記載されているように、アン
チロック制御装置に(d)電源の電圧の異常を検出する
電源電圧異常検出手段と、(e)その電源電圧異常検出
手段により検出された電源電圧の異常に対処する電源電
圧異常時対処手段とを設け、電源電圧の異常に対処する
ことが行われている。
【0004】上記公報に記載のアンチロック制御装置に
おいて電源電圧異常時対処手段は、電源電圧の異常検出
時にはアンチロック制御を通常ブレーキ制御に戻すフェ
イルセーフ手段と、電源電圧の異常が検出されたのがア
ンチロック制御中あるいは制動中であればフェイルセー
フ手段の作動を禁止する禁止手段とを含むものとされて
いる。このようにすれば、アンチロック制御が行われて
いる最中に電源電圧に異常が生じても、アンチロック制
御が直ちに終了させられることがないため、ホイールシ
リンダの液圧が急激に変化して車輪のスリップ状態、ひ
いては車両の操縦安定性が急変することがなく、運転者
を混乱させることがない。
【0005】また、上記(a)液圧制御装置,(b)ス
リップ関連量取得手段,(c)アンチロック制御手段お
よび(d)電源電圧異常検出手段に加えて、(f)電源
電圧異常検出手段により電源電圧の異常が検出されたと
き、アンチロック制御手段にアンチロック制御を終了さ
せるアンチロック制御終了手段を含むアンチロック制御
装置もある。特開平3−186466号公報に記載のア
ンチロック制御装置は、その一例である。この公報に記
載のアンチロック制御装置においてアンチロック制御終
了手段は、電源電圧の異常が検出されても必ずしもアン
チロック制御が終了させられず、液圧制御装置に供給さ
れる電圧がアンチロック制御を正常に行うことができな
い大きさであるときに終了させられるようになってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
4−71740号公報に記載されているように、アンチ
ロック制御中に電源電圧に異常が生じてもアンチロック
制御を終了条件が成立するまで行わせれば、不都合が生
ずることがある。例えば、電源が電圧の供給,遮断のみ
ならず供給電圧の高低2段階の制御が可能なものであ
り、液圧制御装置が供給電圧の高低2段階に応じて選択
的に減圧状態と保持状態とをとり得るものである場合
に、保持状態とされるべきときに電源電圧の異常により
減圧状態とされれば、ホイールシリンダの液圧が不必要
に低下させられ、制動距離が延びてしまう。電源電圧の
異常によって制動距離が延びてしまう理由は、液圧制御
装置やそれの電気的制御手段の構成や、電圧異常の発生
形態によって異なるが、いずれにしても、誤ったアンチ
ロック制御の実行により制動距離が延びてしまう場合
に、アンチロック制御中に電源異常が検出されてもその
アンチロック制御が通常通り終了するまでアンチロック
制御が継続されるようにすれば、制動距離が無用に長く
なって好ましくない。
【0007】また、制動距離が無用に長くなることはな
いまでも、後に実施例の項において詳述するように、電
源電圧の異常により、減圧モードにおいて減圧が行われ
なかったり、緩増圧モードにおいて増圧モードの保持モ
ードに対する時間比率が過大となってホイールシリンダ
圧の変化が滑らかではなくなり、適切なアンチロック制
御が行われなかったりすることもある。このような場合
には、速やかにアンチロック制御の実行を終了させると
ともに、それを運転者に報知し、運転者の制御にまかせ
る方がよい。
【0008】一方、特開平3−186466号公報に記
載のアンチロック制御装置におけるように、液圧制御装
置に供給される電圧がアンチロック制御を正常に行うこ
とができない大きさであるときは直ちにアンチロック制
御が終了させられるようにすれば、終了時にホイールシ
リンダの液圧が急激に変化して車両の操縦安定性が急変
してしまい、運転者がその変化に適切に対処することが
難しい。
【0009】しかし、ホイールシリンダ液圧の急激な変
化による車両の操縦安定性の低下度合は、車両の運動エ
ネルギの大きさによって変わる。車両の操縦安定性が確
保されるためには、車両旋回時に発生する遠心力に抗す
る横力が各タイヤで発生させられる必要がある。車両の
運動エネルギが大きくなるほど、旋回時に発生する遠心
力が大きくなるのであり、車輪のスリップ状況が同一状
況であれば、車両の運動エネルギが大きいほど、車両の
操縦安定性が低下していることになるのである。
【0010】請求項1および2の各発明は以上の事情を
背景にしてなされたものであり、その課題は、アンチロ
ック制御中に電源電圧に異常が生じたとき、途中でアン
チロック制御を終了させ、不適切なアンチロック制御が
最後まで行われることがなく、しかも操縦安定性の低下
の問題も軽減できるアンチロック制御装置を得ることで
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明において
は、上記の課題が、前記(a)液圧制御装置,(b)ス
リップ関連量取得手段,(c)アンチロック制御手段,
(d)電源電圧異常検出手段および(e)電源電圧異常
時対処手段を含むアンチロック制御装置の電源電圧異常
時対処手段に、アンチロック制御中に電源電圧異常検出
手段により電源の電圧異常が検出された場合に、運動エ
ネルギが設定値以下であれば直ちに、設定値より大きけ
れば設定値まで低下したときに、前記アンチロック制御
手段にアンチロック制御を終了させるアンチロック制御
終了手段を設けることによって解決される。なお、ここ
において「電源」なる用語は、バッテリ等の直流電源自
体から成る狭義の電源のみならず、定電圧制御装置付電
源,電圧制御装置付電源等をも包含する広義の電源を意
味する用語として使用する。定電圧制御装置付電源は、
狭義の電源とそれの電圧を一定値に制御して供給する定
電圧装置とを含むものであり、電圧制御装置付電源は、
狭義の電源の他にそれの電圧を段階的にもしくは連続的
に異なる高さに制御して供給する電圧制御装置を含む電
圧制御装置付電源等、広義の電源をも包含する用語とし
て使用する。
【0012】また、請求項2の発明においては、前記
(a)液圧制御装置,(b)スリップ関連量取得手段,
(c)アンチロック制御手段,(d)電源電圧異常検出
手段および(f)アンチロック制御終了手段を含むアン
チロック制御装置において、少なくとも運動エネルギが
設定値以上の状態ではアンチロック制御終了手段による
アンチロック制御の終了を禁止するアンチロック制御終
了禁止手段を設けることによって解決される。
【0013】
【作用】請求項1の発明に係るアンチロック制御装置に
おいては、「車両の運動エネルギの設定値」が、操縦安
定性の低下が比較的少ない範囲において、アンチロック
制御が通常のアンチロック制御終了条件の成立により終
了させられるときの速度、すなわち運動エネルギより大
きい値に設定される。そして、アンチロック制御中に電
源電圧異常検出手段により電源の電圧異常が検出された
場合に、車両の運動エネルギが設定値以下であれば直ち
に、設定値より大きければ設定値まで低下したときに、
アンチロック制御終了手段によりアンチロック制御が終
了させられる。電源電圧異常発生に応じてアンチロック
制御が終了させられるときには、車両の運動エネルギは
必ず設定値以下であって操縦安定性の低下が比較的少な
くて済むのであり、しかも、設定値は通常アンチロック
制御が終了させられる運動エネルギよりは高く設定され
ているため、不適切なアンチロック制御が最後まで行わ
れることによって制動距離が無用に延びる等の不都合が
発生することが回避される。なお、アンチロック制御終
了手段は、液圧制御装置を無条件に増圧状態に復帰させ
ることによってアンチロック制御を終了させるものとす
ることも、緩増圧によって終了させるものとすることも
可能であり、後者の場合にはアンチロック制御終了時の
操縦安定性の低下が少なくて済む。
【0014】請求項2の発明に係るアンチロック制御装
置においては、アンチロック制御中に電源電圧に異常が
生じても、車体速度が設定値以上の状態ではアンチロッ
ク制御の終了が禁止される。少なくとも対処操作が難し
い高速走行中などの車両の運動エネルギが大きいときに
はアンチロック制御終了手段によるアンチロック制御の
終了が禁止されるのであり、操縦安定性が確保される。
【0015】なお、「アンチロック制御終了の禁止」は
「運動エネルギが設定値まで低下すれば必ずアンチロッ
ク制御が終了させられること」を意味せず、「運動エネ
ルギが設定値より小さい範囲ではアンチロック制御の終
了が許容されること」を意味する。「アンチロック制御
の終了」と「アンチロック制御の終了の許容」とを分け
て考えることの実益の一つは、後者においてはアンチロ
ック制御の終了に運動エネルギ以外の条件を加味し得る
ことである。例えば、車両が直進中であればアンチロッ
ク制御の終了が許容されると同時にアンチロック制御が
終了させられ、旋回中であれば、運動エネルギがさらに
低い第二の設定値まで低下したとき、あるいは旋回終了
時に、アンチロック制御が終了させられるようにするこ
とができるのである。そして、アンチロック制御の禁止
解除後に、通常のアンチロック制御終了時より高い運動
エネルギにおいてアンチロック制御が実際に終了させら
れる場面があれば、その場面においては誤ったアンチロ
ック制御の実行時間が短縮される。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1,2のいずれの発明に係るアンチロック制御装置にお
いても、アンチロック制御が通常終了させられる時期よ
り早期に終了させられる場合があり、この場合には、誤
ったアンチロック制御の継続によって制動距離が無用に
長くなる等の不都合が発生することが回避される。ま
た、いずれの発明においても、操縦安定性が低下するよ
うな運動エネルギが大きい状態で車両が走行している状
態においてアンチロック制御が終了させられることはな
いため、運転者の混乱が回避される。
【0017】その上、請求項2の発明においては、電源
電圧の異常時にアンチロック制御を終了させるべきか否
かを、運動エネルギの大小のみならず、前述の車両直
進,旋回の別、あるいは後に実施例の項において説明す
るように、車体減速度の大小,路面の摩擦係数の大小,
マスタシリンダとホイールシリンダとの液圧差の大小
等、他の条件との組合せに基づいて決定することが可能
となる特有の効果が得られる。また、アンチロック制御
の終了形態を他の条件に応じて変えることも可能にな
る。
【0018】
【発明の望ましい実施態様】以下、本発明の望ましい実
施態様を列挙するとともに、必要に応じて関連説明を行
う。 (1)前記アンチロック制御終了手段を、電源電圧の異
常検出から、その異常検出時における車体速度と車体減
速度とに基づいて設定される設定時間の経過後に、前記
アンチロック制御手段にアンチロック制御を終了させる
ものとした請求項1に記載のアンチロック制御装置。 (2)前記設定時間を設定する時間設定手段を、電源電
圧異常発生時の車体速度が異常発生時の車体減速度で減
速するとの仮定の下に、車体速度が設定値まで低下する
に要する低下所要時間を推定し、その低下所要時間を前
記設定時間とするものとした態様1記載のアンチロック
制御装置。 電源電圧異常発生時の車体速度が異常発生時の車体減速
度で減速すると仮定すれば、低下所要時間を推定するこ
とができる。そして、その低下所要時間が設定時間とし
て設定されるようにすれば、電源電圧の異常発生後は、
時々刻々変化する車体速度等の情報を新たに取り込むこ
となく、設定時間の経過を待つのみで、車体速度がほぼ
設定速度まで低下したときアンチロック制御を終了させ
ることができる。また、設定時間と経過時間との差か
ら、車体速度がほぼ設定値に低下するまでの時間が判る
ため、車体速度が設定値に低下する前からアンチロック
制御の終了準備を開始させることも可能となる。例え
ば、ホイールシリンダの液圧を設定時間の経過前から緩
増させ、設定時間が経過した時点に完全にアンチロック
制御が終了させられるようにすることも可能である。
【0019】(3)さらに、前記アンチロック制御終了
禁止手段によりアンチロック制御終了の禁止が解除され
た後(アンチロック制御の終了が許可された後)におけ
るアンチロック制御終了の時期を車両自体または車両を
取り巻く環境の状態に応じて決定するアンチロック制御
終了時期決定手段を含む請求項2に記載のアンチロック
制御装置。請求項2に記載の発明においては、アンチロ
ック制御終了禁止手段によりアンチロック制御終了の禁
止が解除されれば、すなわち、アンチロック制御の終了
が許可されれば、必ずアンチロック制御が終了させられ
るようにすることも可能であり、この場合には請求項1
の発明と実質的に同じとなる。しかし、アンチロック制
御の終了が許可されても必ずしもアンチロック制御が終
了させられないようにすることも可能であり、この場合
には、アンチロック制御の終了時期はアンチロック制御
終了時期決定手段によって決定されることとなる。
【0020】アンチロック制御終了時期決定手段は、例
えば、車両自体の状態や車両を取り巻く環境の状態に応
じてアンチロック制御終了時期を決定するものとするこ
とができる。
【0021】(4)前記アンチロック制御終了時期決定
手段が、アンチロック制御の終了時期を車体速度に基づ
いて決定するものである態様3に記載のアンチロック制
御装置。アンチロック制御終了時期決定手段は、終了時
期をアンチロック制御の終了が許可されてからの経過時
間に基づいて決定するものとすることも可能である。し
かし、アンチロック制御の終了に伴う走行状態の変動に
対する対処操作の容易性の観点からすれば、車体速度に
基づいて決定するものとすることが望ましい。
【0022】(5)前記アンチロック制御終了時期決定
手段が、アンチロック制御の終了時期を、操舵角が大き
い場合に操舵角が小さい場合より遅い時期に決定する操
舵角対応終了時期決定手段を含む態様3または4に記載
のアンチロック制御装置。アンチロック制御の終了に伴
う操縦安定性の変動は、車両の運動エネルギが同じであ
っても、旋回半径が小さい場合、すなわち操舵角が大き
い場合には、旋回半径が大きい場合、すなわち操舵角が
小さい場合より大きく低下するのが普通である。したが
って、操舵角が大きい場合には小さい場合より車体速度
が小さくなるのを待ってアンチロック制御を終了させる
ことが望ましい。
【0023】(6)前記アンチロック制御終了時期決定
手段が、アンチロック制御の終了時期を、路面の摩擦係
数が小さい場合に大きい場合より遅い時期に決定する路
面摩擦係数対応終了時期決定手段を含む態様3ないし5
のいずれか1つに記載のアンチロック制御装置。アンチ
ロック制御の終了に伴う操縦安定性の変動は、車両の運
動エネルギが同じであっても、路面の摩擦係数が小さい
場合には大きい場合より大きくなるのが普通である。し
たがって、路面の摩擦係数が小さい場合には大きい場合
より車体速度が小さくなるのを待ってアンチロック制御
を終了させることが望ましい。
【0024】(7)前記アンチロック制御終了時期決定
手段が、アンチロック制御の終了時期を、液圧源の液圧
とホイールシリンダの液圧との差が大きい場合に差が小
さい場合より遅い時期に決定する液圧差対応終了時期決
定手段を含む態様3ないし6のいずれか1つに記載のア
ンチロック制御装置。アンチロック制御の終了に伴う操
縦安定性の変動は、車両の運動エネルギが同じであって
も、マスタシリンダ等液圧源の液圧とホイールシリンダ
の液圧との差が大きいほど大きくなるのが普通である。
したがって、液圧差が大きい場合には小さい場合より車
体速度が小さくなるのを待ってアンチロック制御を終了
させることが望ましい。
【0025】(8)さらに、前記アンチロック制御終了
禁止手段によりアンチロック制御が許可された後におけ
るアンチロック制御終了の形態を、車両自体または環境
の状態との少なくとも一方に基づいて変えるアンチロッ
ク制御終了形態変更手段を含む請求項2,態様3ないし
7のいずれか1つに記載のアンチロック制御装置。上述
のように、アンチロック制御の終了に伴う操縦安定性の
変動は車両自体または環境の状態によって変わるもので
あるから、それらの状態に応じて終了形態を変えること
は望ましいことである。操縦安定性の変動が大きい場合
には、ホイールシリンダの液圧が緩やかに増大する終了
形態とするのである。
【0026】(9)前記アンチロック制御終了形態変更
手段が、アンチロック制御の終了形態を、液圧源の液圧
とホイールシリンダの液圧との差が大きい場合には差が
小さい場合より緩やかにホイールシリンダの液圧を増大
させる終了形態に変更する液圧差対応終了形態変更手段
を含む態様8に記載のアンチロック制御装置。前述のよ
うに、アンチロック制御の終了に伴う操縦安定性の変動
は、液圧源の液圧とホイールシリンダの液圧との差が大
きいほど大きくなるのが普通であるから、液圧差が大き
い場合には小さい場合よりホイールシリンダの液圧が緩
やかに増大する終了形態とすることが望ましい。
【0027】(10)前記アンチロック制御終了手段を、
アンチロック制御中に前記電源電圧異常検出手段により
電源の電圧異常が検出された場合に、車体速度が設定値
以下であれば直ちに、設定値より大きければ設定値まで
低下したときに、前記アンチロック制御手段にアンチロ
ック制御を終了させるものとした請求項1,態様
(1),(2)のいずれか1つに記載のアンチロック制
御装置。 (11)前記アンチロック制御終了禁止手段を、少なくと
も車両の車体速度が設定値以上の状態では前記アンチロ
ック制御終了手段によるアンチロック制御の終了を禁止
するものとした請求項2,態様(3)〜(9)のいずれ
か1つに記載のアンチロック制御装置。
【0028】ホイールシリンダ液圧の急激な変化に運転
者が適切に対処することの難しさは、車体速度(車両の
走行速度)によって変わる。ホイールシリンダの液圧が
急激に変わり、制動力あるいは車輪のスリップ状況が急
変すれば、運転者がその変化に対処するためにブレーキ
操作力の変更やステアリングホーイルの操作等(対処操
作と総称する)を行うことが必要であり、その対処操作
に必要な最短時間は運転者個々人についてほぼ決まって
いる。それに対し、対処操作が行われる間における車両
の走行距離、ひいては走行路に対する車両の幅方向の相
対移動量は車体速度が大きいほど大きくなる。したがっ
て、車体速度が大きいほど短時間に対処操作を行うこと
が必要となり、対処が難しくなるのであるが、態様(1
0),(11) に記載のアンチロック制御装置においてはいず
れも、電源電圧に異常が発生しても直ちにアンチロック
制御が終了させられることはなく、車体速度が運転者が
適切に対処し得る高さにおいてアンチロック制御が終了
させられ、運転者の対処操作が容易になり、運転者の混
乱が回避される。また、態様(11)に記載のアンチロック
制御装置においては、「アンチロック制御終了の禁止」
は、「車体速度が設定値まで低下すれば必ずアンチロッ
ク制御が終了させられること」を意味せず、「車体速度
が設定値より小さい範囲ではアンチロック制御の終了が
許容されること」を意味し、電源電圧の異常時にアンチ
ロック制御を終了させるべきか否かを、車体速度の大小
のみならず、車両直進,旋回の別,車体減速度の大小
等、他の条件との組合せに基づいて決定することが可能
となる。アンチロック制御の終了形態を他の条件に応じ
て変えることも可能になる。
【0029】
【実施例】以下、請求項1および2の発明に共通の実施
例を図面に基づいて詳細に説明する。図2において10
は、ブレーキペダルである。ブレーキペダル10の踏込
みによりマスタシリンダ12の2個の加圧室のうち、一
方の加圧室に発生させられた液圧は、液通路14により
左前輪16のブレーキのフロントホイールシリンダ18
に伝達され、液通路20によりプロポーショニングバル
ブ26を経て右後輪22のブレーキのリヤホイールシリ
ンダ24に伝達される。また、他方の加圧室に発生させ
られた液圧は、液通路28により右前輪30のブレーキ
のフロントホイールシリンダ32に伝達され、液通路3
4によりプロポーショニングバルブ40を経て左後輪3
6のブレーキのリヤホイールシリンダ38に伝達され
る。
【0030】左右の前輪16,30および後輪36,2
2はそれぞれ独立してアンチロック制御される。4輪の
各系統にそれぞれ設けられたアンチロック制御用の装置
の構成はいずれも同じであり、左前輪16について代表
的に説明する。液通路14には、常開の第一電磁開閉弁
50が設けられるとともに、液通路14の第一電磁開閉
弁50とフロントホイールシリンダ18との間の部分に
は、リザーバ通路52によってリザーバ54が接続され
ている。リザーバ通路52には常閉の第二電磁開閉弁5
6が設けられており、これら第一,第二電磁開閉弁5
0,56の開閉の組合わせによってホイールシリンダ圧
が変えられる。本実施例において第一,第二電磁開閉弁
50,56は、ホイールシリンダ圧が次の4つの制御モ
ードで制御されるように開閉させられる。
【0031】フロントホイールシリンダ18をマスタシ
リンダ12の加圧室に連通させ、マスタシリンダ12の
加圧室に発生した液圧(以下、マスタシリンダ圧と称す
る)の伝達によりホイールシリンダ18の液圧(以下、
ホイールシリンダ圧と称する)を増大させる増圧モード
と、フロントホイールシリンダ18をリザーバ54に連
通させ、ブレーキ液の排出によりホイールシリンダ圧を
減少させる減圧モードと、ホイールシリンダ18をマス
タシリンダ12とリザーバ54とのいずれとも連通を遮
断してホイールシリンダ圧を同じ高さに保持する保持モ
ードと、増圧モードと保持モードとの一定時間毎の切換
えによりホイールシリンダ圧を増圧モードのときより緩
やかな勾配で増大させる緩増圧モードとが得られるよう
に第一,第二電磁開閉弁50,56が開閉させられるの
である。
【0032】なお、液通路14には第一電磁開閉弁50
をバイパスするバイパス通路58が設けられるとともに
逆止弁60が設けられ、ブレーキ解除時にブレーキ液が
速やかにマスタシリンダ12に戻るようにされている。
【0033】フロントホイールシリンダ18からリザー
バ54に排出されたブレーキ液は、2個の逆止弁64を
備えたポンプ66がポンプモータ68によって駆動され
ることにより汲み上げられ、液通路14の第一電磁開閉
弁50よりマスタシリンダ12側の部分に戻される。本
実施例のアンチロック制御装置は還流式なのである。7
0は、ブレーキ液の脈動を吸収する緩衝器である。な
お、ポンプ66には図示しないリリーフ弁が設けられ、
吐出圧が設定値以上にならないようにされている。
【0034】アンチロック制御は、コンピュータを主体
とするアンチロック制御ユニット80により行われる。
左右の前輪16,30および後輪36,22の各回転速
度は、回転速度センサ82,84,86,88により検
出されてアンチロック制御ユニット80に供給され、ア
ンチロック制御ユニット80は車輪速度,車輪減速度,
車体速度および車体減速度等を演算する。アンチロック
制御ユニット80にはまた、ブレーキペダル10の踏込
みを検出するブレーキスイッチ92が接続されている。
アンチロック制御ユニット80は、第一,第二電磁開閉
弁50,56の開閉およびポンプモータ68を制御して
アンチロック制御を行う。
【0035】したがって、もしバッテリ110(図3参
照)の電圧が低過ぎ、減圧モードにおいて第二電磁開閉
弁56が開かなければ、減圧が行われない。また、もし
第二電磁開閉弁56は開いたが第一電磁弁50が閉じな
いという事態が生ずれば、マスタシリンダ12が両電磁
開閉弁50,56を経てリザーバ54に連通し、マスタ
シリンダ12のブレーキ液がリザーバ54へ流出してブ
レーキペダル10の踏込ストロークが異常に増大する。
逆に、もしバッテリ110の電圧が高過ぎれば、緩増圧
モードにおいて増圧モードの保持モードに対する時間比
率が過大となり、緩増圧の増圧勾配が予定より急になっ
て、ホイールシリンダ圧の変化が滑らかではなくなり、
適切なアンチロック制御が行われない。
【0036】このように、適切なアンチロック制御が行
われない場合にはアンチロック制御の実行を禁止すると
ともに、それを運転者に報知し、運転者の制御にまかせ
る方がよい。特に、マスタシリンダ12が両電磁開閉弁
50,56を経てリザーバ54に連通し、ブレーキペダ
ル10の踏込ストロークが異常に増大すれば、運転者を
慌てさせるため、このような事態の発生は確実に回避す
ることが望ましい。
【0037】そのため、アンチロック制御ユニット80
には電源としてのバッテリ110(図3参照)の電圧異
常を検出する電源電圧異常検出装置112の検出信号が
供給されるようになっている。バッテリ110の電圧
は、図3に示すように、イグニッションスイッチ114
がONにされることにより、レギュレータ116によっ
て一定高さの電圧に調整されてアンチロック制御ユニッ
ト80に供給される。また、バッテリ110の電圧はま
た、電圧の異常を検出するために2個のコンパレータ1
18,120に供給される。
【0038】コンパレータ118は、電源電圧が予め定
めた範囲の上限を上まわったことを検出するものであ
り、コンパレータ120は予め定めた範囲の下限を下ま
わったことを検出するものである。コンパレータ118
のプラス入力端子およびコンパレータ120のマイナス
入力端子にはそれぞれ、バッテリ110の電圧VB が抵
抗器R1,R2により分圧された電圧VBOが供給されて
いる。また、レギュレータ116の出力端子に抵抗器R
3,R4,R5が直列に接続された回路が接続されてお
り、抵抗器R3とR4との接続点からコンパレータ11
8のマイナス入力端子に基準電圧Vr1が供給され、抵
抗器R4とR5との接続点からコンパレータ120のプ
ラス入力端子に基準電圧Vr2が供給される。
【0039】基準電圧Vr1,Vr2はVr1>Vr2
となる関係にあり、コンパレータ118は電源電圧VB
を分圧した電圧VBOが基準電圧Vr1より大きいときハ
イレベル信号を出力し、コンパレータ120は電圧VBO
が基準電圧Vr2より小さいときにハイレベル信号を出
力する。コンパレータ118,120の出力信号はダイ
オードD1,D2を介して加え合わされ、抵抗器R6,
コンデンサC1により構成されるノイズ吸収用の積分回
路を介してアンチロック制御ユニット80に出力され
る。電源電圧VB が高過ぎる場合にも低過ぎる場合にも
電源電圧異常検出装置112から同じ電源電圧異常検出
信号が出力されるのである。
【0040】アンチロック制御ユニット80には、点灯
により電源電圧の異常を報知する警告ランプ124が接
続されており、電源電圧異常検出装置112からの電源
電圧異常検出信号に応じて警告ランプ124を点灯させ
る。
【0041】コンピュータのRAMには、図4に示すよ
うに、制御モードメモリ96,カウンタ98,アンチロ
ック制御中フラグ100,緩増圧モード設定用フラグ1
02およびアンチロック制御禁止フラグ104がワーキ
ングエリアと共に設けられている。制御モードメモリ9
6は、4輪の各々について設けられ、フロントおよびリ
ヤの各ホイールシリンダ18,32,24,38の液圧
の制御モードが格納される。また、アンチロック制御中
フラグ100も4輪の各々について設けられ、そのセッ
トにより、いずれの車輪についてアンチロック制御が開
始されたかがわかる。アンチロック制御禁止フラグ10
4は4輪の全系統に共通のフラグである。
【0042】コンピュータのROMには、図1にフロー
チャートで示す電源電圧異常判定ルーチン,図5にフロ
ーチャートで示すメインルーチンおよび図6にフローチ
ャートで示す制御モード設定ルーチン等、制御に必要な
種々のルーチンが格納されている。
【0043】次に作動を説明する。非制動時には、第
一,第二電磁開閉弁50,56はそれぞれ図2に示す位
置にあり、フロントおよびリヤのホイールシリンダ1
8,32,24,38にマスタシリンダ圧が伝達される
状態にある。したがって、ブレーキペダル10が踏み込
まれれば、マスタシリンダ圧はフロントおよびリヤのホ
イールシリンダ18,32,24,38に伝達され、左
右の前輪16,30および後輪22,36の各回転が抑
制される。
【0044】路面の摩擦係数に対して制動力が過大であ
り、車輪のスリップ率が適正範囲を超えて増大する場合
にはアンチロック制御が行われる。第一,第二電磁開閉
弁50,56の開閉により、ホイールシリンダ圧が増
大,緩やかな増大,減少および保持されて車輪のスリッ
プ率がほぼ適正値に保たれるのである。
【0045】アンチロック制御を図5に示すフローチャ
ートに基づいて説明する。電源投入と同時にメインルー
チンが実行され、ステップ1(以下、S1と略記する。
他のステップについても同じ。)において制御モードメ
モリ96の内容を増圧モードにセットし、カウンタ98
およびフラグ100〜104をリセットする等の初期設
定が行われる。
【0046】次いでS2が実行され、ブレーキスイッチ
92,回転速度センサ82〜88の検出信号が読み込ま
れた後、S3において車輪速度Vwおよび車輪減速度V
w′が演算される。続いてS4において車体速度VSO
推定されるとともに、車体減速度VSO′が求められる。
車体速度VSOは、4輪の各車輪速度Vwのうち、最も高
い車輪速度Vwに基づいて推定される。以下、この推定
により得られる車体速度VSOを推定車体速度VSOと称す
る。車体減速度VSO′は推定車体速度VSOを微分するこ
とにより求められる。
【0047】次にS5においてバッテリ110の電圧が
異常であるか否かの判定が行われ、S6においてアンチ
ロック制御が禁止されているか否かの判定が行われる。
アンチロック制御はバッテリ110の電圧が異常な場合
に禁止されるのであるが、これら電源電圧の異常判定お
よびアンチロック制御の禁止については後に詳述する。
【0048】今、電源電圧が異常でなく、アンチロック
制御が禁止されていないとすれば、S6の判定結果がN
OになってS7が実行され、ブレーキスイッチ92がO
Nであるか否かにより、ブレーキが作動させられたか否
かの判定が行われる。ブレーキペダル10が踏み込まれ
ておらず、ブレーキスイッチ92の検出信号がOFFで
あればS7の判定結果はNOになる。そして、S12に
おいて4輪の各ブレーキのホイールシリンダ圧の制御モ
ードがいずれも増圧モードに設定されるとともに、カウ
ンタ,フラグのリセット等が行われた後、S11におい
て第一,第二電磁開閉弁50,56の制御信号が出力さ
れる。この場合にはS12において制御モードが増圧モ
ードに設定されており、ホイールシリンダ圧が増大する
状態とすべく、第一,第二電磁開閉弁50,56をいず
れも開状態とする制御信号が出力される。
【0049】ブレーキペダル10が踏み込まれており、
S7の判定結果がYESになればS8が実行され、推定
車体速度VSOが設定値以下であるか否かの判定が行われ
る。低速走行時には車輪速度Vwの誤差が大きく、車体
速度VSOを精度良く推定することができないため、アン
チロック制御を適正に行うことができない。そのため、
S8の判定が行われ、推定車体速度VSOが設定値(本実
施例においては5km/h)以下であればS8の判定結果が
YESになってS12が実行され、アンチロック制御は
行われないようにされている。
【0050】推定車体速度VSOが設定値より大きければ
S8の判定結果がNOになってS9が実行され、制御基
準車輪速度Vsが設定される。制御基準車輪速度Vs
は、ホイールシリンダ圧の制御モードの設定に用いら
れ、推定車体速度VSOに予め設定されたスリップ率Sを
1から引いた値を掛けることにより算出される。
【0051】次いでS10が実行され、ホイールシリン
ダ圧の制御モードが図6に示す制御モード設定ルーチン
に従って設定される。なお、この制御モードの設定は、
4輪の各々について別々に行われる。まず、S101に
おいて車輪速度Vwが制御基準車輪速度Vsより小さい
か否かの判定が行われる。車輪速度Vwが制御基準車輪
速度Vs以上であればS101の判定結果はNOになっ
てS108が実行され、緩増圧モード設定用フラグ10
2がセットされているか否かの判定が行われる。緩増圧
モード設定用フラグ102はS1の初期設定においてリ
セットされており、S108の判定結果はNOになって
S114が実行され、制御モードが増圧モードに設定さ
れて制御モードメモリ96に格納され、ルーチンの実行
はメインルーチンに戻る。
【0052】車輪速度Vwが制御基準車輪速度Vsより
小さければS101の判定結果はYESになってS10
2が実行され、緩増圧モード設定用ラグ102がセット
される。次いでS103が実行され、車輪減速度Vw′
が設定減速度Gsより大きいか否かの判定が行われる。
車輪減速度Vw′が設定減速度Gsより大きければS1
04においてヒステリシスHがセットされた後、S10
5において制御モードが減圧モードに設定されて制御モ
ードメモリ96に格納され、アンチロック制御中フラグ
100がセットされてアンチロック制御が開始されたこ
とが記憶されるとともに、カウンタ98がリセットされ
る。カウンタ98については、後に説明する。なお、ヒ
ステリシスHは正の値であり、ヒステリシスHがセット
されるとは、設定減速度GsからヒステリシスHを引い
て設定減速度Gsを小さくすることである。
【0053】S104においてヒステリシスHがセット
されるため、次にS103が実行されるとき、車輪減速
度Vw′はセット前の設定減速度Gsより小さい値と比
較されることとなる。外乱等により車輪速度Vwが変動
し、車輪減速度Vw′にある程度の変動が生じても、制
御モードが変わらないようにされているのである。
【0054】車輪速度Vwは制御基準車輪速度Vsより
小さいが、車輪減速度Vw′は設定減速度Gs以下であ
る場合、あるいは減圧により車輪減速度Vw′が設定減
速度Gs以下になった場合には、S103の判定結果が
NOになる。そして、S106においてヒステリシスH
がリセットされた後、S107において制御モードが保
持モードに設定され、アンチロック制御中フラグ100
がセットされるとともに、カウンタ98がリセットされ
る。アンチロック制御が保持モードから開始されること
があり、この場合にはS107のアンチロック制御中フ
ラグ100のセットによってアンチロック制御の開始が
記憶される。
【0055】アンチロック制御開始後に車輪速度Vwが
基準車輪速度Vs以上になればS101の判定結果がN
OになるとともにS108の判定結果がYESになり、
S109が実行されてヒステリシスHがリセットされた
後、S110において緩増圧モードが所定時間以上継続
したか否かの判定が行われる。
【0056】緩増圧モードの実行時間はカウンタ98に
よって計測され、S110の判定は、カウンタ98のカ
ウント値Cが設定値CA 以上であるか否かによって行わ
れる。設定値CA は、緩増圧モードを実行すべき時間を
ルーチンの1サイクルの実行時間で除した値である。カ
ウンタ98はS1の初期設定においてリセットされてい
るため、S110の判定結果は当初NOになってS11
1が実行され、カウンタ98のカウント値Cが1増加さ
せられた後、S112において制御モードが緩増圧モー
ドに設定されて制御モードメモリ96に格納される。
【0057】緩増圧モードの設定が所定時間以上継続す
るまで、S101,S108〜S112が繰り返し実行
される。この間、車輪速度Vwが基準車輪速度Vsより
低くなれば、減圧あるいは保持が行われ、S105,S
107においてカウンタ98がリセットされる。
【0058】それに対し、緩増圧が所定時間継続して行
われればS110の判定結果がYESになり、S113
において緩増圧モード設定用フラグ102およびカウン
タ98がリセットされた後、S114において制御モー
ドが増圧モードに設定される。増圧モードに設定される
のは、アンチロック制御中に路面の摩擦係数が増大した
場合等、特別の場合であり、通常は緩増圧の実行中に車
輪速度Vwが基準車輪速度Vsより低くなって減圧ある
いは保持が行われ、ホイールシリンダ圧が滑らかに制御
される。
【0059】このように制御モードが設定されたならば
次にS11が実行され、4個のホイールシリンダについ
てそれぞれ設定された制御モードに従って、4輪の各系
統に設けられた第一,第二電磁開閉弁50,56にそれ
ぞれ、それらを開閉させるための制御信号が出力され、
ホイールシリンダ圧が設定された制御モードで制御され
る。
【0060】前記S5の電源電圧の異常判定について説
明する。電源電圧の異常判定は図1に示す電源電圧異常
判定ルーチンに従って行われる。まず、S201におい
て電源電圧異常検出装置112の検出信号に基づいてバ
ッテリ110の電圧が異常であるか、すなわち上限値よ
り高く、あるいは下限値より低いか否かの判定が行われ
る。電圧が上限値と下限値との間であればバッテリ11
0は異常ではなく、S201の判定結果はNOになり、
S206においてアンチロック制御禁止フラグ104が
リセットされるとともに、警告ランプ124が消灯され
てルーチンの実行はメインルーチンに戻る。
【0061】バッテリ110の電圧が異常であればS2
01の判定結果はYESになってS202が実行され、
4個のアンチロック制御中フラグ100のいずれかがセ
ットされているか否かによりアンチロック制御中である
か否かの判定が行われる。アンチロック制御中でなけれ
ばS202の判定結果はNOになり、S205が実行さ
れて警告ランプ124が点灯されるとともに、アンチロ
ック制御禁止フラグ104がセットされる。
【0062】そのため、次にメインルーチンのS6が実
行されるとき、S6の判定結果はNOになり、S7〜S
10およびS12がスキップされてS11が実行され
る。この場合には、アンチロック制御が開始されておら
ず、制御モードは増圧モードに設定されているため、S
11においては第一,第二電磁開閉弁50,56をいず
れも開状態とする制御信号が出力される。アンチロック
制御が実行されていない状態でバッテリ110の電圧異
常が検出された場合には、電源電圧異常判定ルーチンの
S205においてアンチロック制御禁止フラグ104が
セットされ、メインルーチンのS6がYESになるた
め、アンチロック制御が開始されることはないのであ
る。
【0063】アンチロック制御中であればS202の判
定結果がYESになり、S203が実行され、推定車体
速度VSOが設定値以下であるか否かの判定が行われる。
この設定値はS8における設定値、すなわち電源電圧正
常時にアンチロック制御を終了させる正常時制御終了速
度とは異なり、電源電圧の異常発生時にアンチロック制
御を終了するための異常時制御終了速度であり、本実施
例においては正常時制御終了速度である5km/hより高い
20km/hに設定されている。S203の実行当初に車体
速度が設定値より大きければ、S203の判定結果はN
Oになり、ルーチンの実行はメインルーチンに戻る。こ
の場合にはアンチロック制御禁止フラグ104がセット
されないため、次にS6の判定が行われるとき、判定結
果はNOになり、S7〜S10が実行されてアンチロッ
ク制御が行われる。
【0064】このように、電源電圧の異常が検出された
時に車体速度が異常時制御終了速度より大きかった場合
には、異常時制御終了速度以下になるまでS2〜S4,
S201〜S203,S6〜S11が繰り返し実行され
る。この間、ブレーキペダル10の踏込みが解除されれ
ばS7の判定結果がNOになり、S12が実行されてア
ンチロック制御が解除される。そして、電源電圧が異常
な間、S201の判定結果がYES、S202の判定結
果がNOになり、S205が実行される。
【0065】ブレーキペダル10の踏込みが解除される
ことなく、車体速度が異常時制御終了速度以下になれば
S203の判定結果がYESになり、S204が実行さ
れ、警告ランプ124が点灯されるとともに、アンチロ
ック制御が解除される。すなわち、制御モードが増圧モ
ードに設定され、カウンタ98,アンチロック制御フラ
グ100および緩増圧モード設定用フラグ102がリセ
ットされるのである。また、アンチロック制御禁止フラ
グ104がセットされる。そのため、次にS6が実行さ
れるとき、その判定結果はYESになり、アンチロック
制御は行われない。
【0066】電源電圧の異常が検出された時に車体速度
が既に異常時制御終了速度より小さかった場合には、直
ちにS204が実行され、警告ランプ124が点灯され
るとともに、アンチロック制御禁止フラグ104がセッ
トされる。したがって、次にS6が実行されるとき、そ
の判定結果はYESになり、アンチロック制御は行われ
ない。
【0067】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、第一,第二電磁開閉弁50,56により構
成される電磁弁装置が液圧制御装置を構成し、アンチロ
ック制御装置は、マスタシリンダにより構成される液圧
源と、リザーバと、ホイールシリンダとの間に設けら
れ、ホイールシリンダの液圧を増大,保持,減少させる
電磁弁装置と、その電磁弁装置の切換えを制御して車輪
のスリップ率を適正範囲に保つアンチロック制御手段と
を有し、ホイールシリンダからリザーバへ排出されたブ
レーキ液がマスタシリンダに戻される還流式のアンチロ
ック制御装置である。また、電源電圧異常検出装置11
2が電源電圧異常検出手段を構成し、コンピュータのR
OMのS101,S103を記憶する部分およびCPU
のそれらステップを実行する部分がスリップ関連量取得
手段を構成し、ROMのS1〜S4,S7〜S12を記
憶する部分(S101,S103を記憶する部分は除
く)ならびにCPUのそれらステップを実行する部分が
アンチロック制御手段を構成し、ROMのS201〜S
205およびS6を記憶する部分ならびにCPUのそれ
らステップを実行する部分が電源電圧異常時対処手段を
構成し、ROMのS203およびS204を記憶する部
分ならびにCPUのそれらステップを実行する部分がア
ンチロック制御終了手段を構成している。本実施例は、
請求項1の発明の実施例である。
【0068】さらに、本実施例においては、車輪速度お
よび車輪減速度に基づいて車体速度が推定されるととも
に車体減速度が取得されるようになっており、回転速度
センサ82〜88およびコンピュータの回転速度センサ
82〜88の検出結果に基づいて車輪速度の演算,車体
速度の推定および車体減速度の演算を行う部分が車体減
速度関連量取得手段を構成している。
【0069】請求項1の発明の別の実施例を図7および
図8に示す。本実施例は、電源電圧異常発生時の推定車
体速度および車体減速度に基づいて車体速度が設定値以
下に低下すると推定される時間の経過後にアンチロック
制御を終了させるものであり、態様1および2の実施例
でもある。
【0070】本実施例のアンチロック制御装置を備えた
液圧ブレーキ装置の構成は前記実施例と同じであり、ア
ンチロック制御ユニット80のコンピュータのRAMに
は、図8に示すように、前記制御モードメモリ96,カ
ウンタ98,アンチロック制御中フラグ100,緩増圧
モード設定用フラグ102およびアンチロック制御禁止
フラグ104に加えて、制御続行時間メモリ130,別
のカウンタ132(このカウンタ132を第二カウンタ
132,先のカウンタ98を第一カウンタ98と称して
区別する)および時間設定フラグ134が設けられてい
る。また、ROMには、図1に示す電源電圧異常判定ル
ーチンに代えて図7に示す電源電圧異常判定ルーチンが
格納されるとともに、図5に示すメインルーチンおよび
図6に示す制御モード設定ルーチンが格納されている。
【0071】電源電圧異常判定ルーチンのS301,S
302,S309およびS310は、前記S201,S
202,S205,S206と同様に実行され、電源電
圧が異常でなければアンチロック制御禁止フラグ104
がリセットされるとともに、警告ランプ124が消灯さ
れ、電源電圧が異常であり、アンチロック制御中でなけ
れば、警告ランプ124が点灯されるとともにアンチロ
ック制御禁止フラグ104がセットされる。S309お
よびS310においてはまた、制御続行時間メモリ13
0がクリアされ、設定時間フラグ134,第二カウンタ
132がリセットされる。
【0072】アンチロック制御中に電源電圧に異常が発
生すればS303が実行され、時間設定フラグ134が
セットされているか否かの判定が行われる。時間設定フ
ラグ134は初期設定においてリセットされているため
S303の判定結果はNOになり、S304が実行され
て時間設定フラグ134がセットされる。次いでS30
5が実行され、推定車体速度VSOおよび車体減速度
SO′に基づいて、推定車体速度VSOが異常時制御終了
速度まで低下するのに要する時間が演算される。車体速
度が異常発生時の減速度で異常時制御終了速度まで低下
するものとして演算されるのであり、得られた時間はル
ーチンの1サイクルの実行時間で除され、設定値CA
して制御続行時間メモリ130に格納される。
【0073】次いでS306において第二カウンタ13
2のカウント値C2 が1増加させられた後、S307に
おいてカウント値C2 が設定値CA 以上であるか否かの
判定が行われるが、この判定結果は当初はNOであり、
ルーチンの実行はメインルーチンに戻る。
【0074】電源電圧異常発生後、設定値CA に対応す
る時間が経過するまで、S301〜S303,S30
6,S307が繰り返し実行され、時間経過後、S30
7の判定結果がYESになる。そして、S308が実行
され、アンチロック制御解除、制御続行時間メモリ13
0のクリア,第二カウンタ132および時間設定フラグ
134のリセット等の処理が行われる。電源電圧異常発
生後、異常発生時の車体速度および車体減速度に基づい
て、車体速度が設定値以下になったと推定される時間の
経過後、アンチロック制御が終了させられるのである。
【0075】本実施例においては、コンピュータのRO
MのS301〜S309を記憶する部分およびCPUの
それらステップを実行する部分が電源電圧異常時対処手
段を構成し、ROMのS303〜S308を記憶する部
分およびCPUのそれらステップを実行する部分がアン
チロック制御終了手段を構成している。
【0076】請求項1の発明のさらに別の実施例を図9
に示す。本実施例のアンチロック制御装置を備えた液圧
ブレーキ装置の構成は図1〜図6に示す実施例と同じで
あり、アンチロック制御ユニット80のコンピュータの
RAMは、図7および図8に示すアンチロック制御装置
と同様に構成されている。また、コンピュータのROM
には、図9に示す電源電圧異常判定ルーチン,図5に示
すメインルーチンおよび図6に示す制御モード設定ルー
チンが格納されている。
【0077】電源電圧異常判定ルーチンにおいて、S4
01〜S404,S414およびS415は前記S30
1〜S304,S309,S310と同様に実行され
る。電源電圧が異常であれば、時間設定フラグ134の
セットの後、S405が実行され、路面摩擦係数が取得
される。ここでは路面摩擦係数は車体減速度により間接
的に取得される。不適切なアンチロック制御が行われて
いる場合には、適切なアンチロック制御が行われている
場合ほどではないが、路面摩擦係数と車体減速度とがあ
る程度は対応しているため、車体減速度が大きいほど路
面摩擦係数が大きいと見なすことができる。そのためS
405では車体減速度が読み込まれる。
【0078】そして、S406においては、車体減速度
が第一基準値以上である否かにより、路面摩擦係数が高
いか否かの判定が行われる。車体減速度が第一基準値よ
り大きければS406の判定結果はYESになり、S4
07が実行され、電源電圧異常発生後、アンチロック制
御を続行する時間が設定される。第一基準値は、路面摩
擦係数が0.4μ以上であるときに車体減速度が第一基
準値より高くなり、路面摩擦係数が高いと判定される値
に設定されている。S407においては、路面摩擦係数
が高いと判定される減速度の範囲の中間の減速度に基づ
いて、路面摩擦係数が高いと判定されたときの車体速度
が予め設定された異常時制御終了速度(例えば20km/
h)まで低下するのに要する時間が算出され、その時間
が、前記実施例のS305におけると同様にルーチンの
1サイクルの実行時間で除され、設定値CA として制御
続行時間メモリ130に格納される。
【0079】車体減速度が第一基準値より小さければS
406の判定結果はNOになり、S408において第一
基準値より小さい第二基準値以上であるか否かによっ
て、路面摩擦係数が中ぐらいであるか否かの判定が行わ
れる。第二基準値は、路面摩擦係数が0.2μ〜0.4
μのときに車体減速度が第二基準値より高くなり、路面
摩擦係数が中ぐらいであると判定される値に設定されて
いる。車体減速度が第二基準値以上であればS408の
判定結果はYESになり、S409が実行され、制御続
行時間が設定される。ここでは、路面摩擦係数が中ぐら
いであると判定される減速度の範囲の中間の減速度に基
づいて、路面摩擦係数が中ぐらいであると判定されたと
きの車体速度が予め設定された異常時制御終了速度まで
低下するのに要する時間が算出され、その時間がルーチ
ンの1サイクルの実行時間で除され、設定値CA として
制御続行時間メモリ130に格納される。また、車体減
速度が第二基準値より小さければS408の判定結果は
NOになり、S410において制御続行時間が設定され
る。路面摩擦係数が低いと判定される減速度の範囲の中
間の減速度に基づいて制御続行時間CA が設定される。
【0080】制御続行時間の設定後、S411におい
て、第二カウンタ132のカウント値C2 が1増加させ
られた後、S412においてカウント値C2 が設定値C
A 以上であるか否かの判定が行われる。S412の判定
結果は当初はNOであり、ルーチンの実行はメインルー
チンに戻る。S412の判定結果がYESになるまで、
S401〜S403,S411およびS412が繰り返
し実行され、制御続行時間の経過後、S413がS30
8と同様に実行され、アンチロック制御が終了させられ
るとともに、以後、アンチロック制御が実行されないよ
うにされる。
【0081】本実施例においては、コンピュータのRO
MのS413を記憶する部分およびCPUのS403〜
S413を実行する部分がアンチロック制御終了手段を
構成している。また、アンチロック制御中の車体減速度
に基づいて路面摩擦係数が推定されるようになってお
り、回転速度センサ82〜88およびCPUの回転速度
センサ82〜88の検出結果に基づいて車輪速度を演算
し、車体速度を推定するとともに車体減速度を演算する
部分が路面摩擦係数関連量取得手段を構成している。
【0082】請求項2の発明の実施例を図10に示す。
本実施例は、アンチロック制御中に電源電圧に異常が発
生したとき、車体速度が第一車体速度設定値以下で操舵
角が小さいときにアンチロック制御を終了し、車体速度
が第一車体速度設定値より小さい第二車体速度設定値以
下であれば操舵角が大きくてもアンチロック制御を終了
するようにしたものである。そのため、図示は省略する
が、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角セ
ンサが設けられている。
【0083】電源電圧に異常が発生したときにアンチロ
ック制御中であれば、S501,S502の判定結果が
いずれもYESになり、S503において車体速度が第
一車体速度設定値(本実施例においては30km/h)以下
であるか否かの判定が行われる。第一車体速度設定値以
下でなければアンチロック制御は終了させられず、ルー
チンの実行は終了する。
【0084】車体速度が第一車体速度設定値以下であれ
ばS504において操舵角が小さいか否かの判定が行わ
れる。この判定は、ステアリングホイールの正方向ある
いは逆方向の操舵角の各絶対値が予め設定された値より
小さいか否かにより行われる。操舵角が小さければS5
04の判定結果はYESになり、S506が実行されて
アンチロック制御が終了させられる。
【0085】操舵角が大きければS504の判定結果は
NOになり、S505において車体速度が第二車体速度
設定値(本実施例においては15km/h)以下であるか否
かの判定が行われ、第二車体速度設定値より大きいけれ
ばアンチロック制御は終了させられず、第二車体速度設
定値以下であればアンチロック制御が終了させられる。
【0086】本実施例においては、車体速度が第一車体
速度設定値以下、すなわち車両の運動エネルギが設定値
以下であれば必ずアンチロック制御が終了させられるわ
けではなく、操舵角が小さい、あるいは車体速度が第二
車体速度設定値より低いというさらに別の条件も満たさ
れた場合に始めて終了させられる。換言すれば、車体速
度が第一車体速度設定値より大きい状態ではアンチロッ
ク制御の終了が禁止され、第一車体速度設定値以下にな
れば終了が許可されるのである。終了が許可された上で
別の付加的な条件が満たされれば実際にアンチロック制
御が終了させられるのである。
【0087】アンチロック制御が行われるのは車輪のス
リップが大きく、車両の操縦安定性が低下し易いときで
あり、その上ステアリングホイールが大きく操舵されて
いれば車輪に作用する横方向の力が大きく、操縦安定性
が一層不安定になり易い。このような場合に、アンチロ
ック制御が終了させられてホーイルシリンダ圧が急増さ
せられれば、操縦安定性の変動が大きくなり、対処操作
が困難になる可能性が高いため、電源電圧が異常であっ
ても、アンチロック制御が終了させられず、車体速度が
更に小さくなって対処操作が容易になってから終了させ
られるようにされているのである。
【0088】車体速度が第一車体速度設定値より大きい
状態ではアンチロック制御の終了が禁止され、第一車体
速度設定値以下の状態では許可されるのであるが、許可
されて直ちにアンチロック制御が終了させられるとは限
らず、操舵角が小さい、あるいは車体速度が第一車体速
度設定値より低い第二車体速度設定値以下であるときに
終了させられるのである。
【0089】本実施例においては、コンピュータのRO
MのS503を記憶する部分およびCPUのS503を
実行する部分がアンチロック制御終了禁止手段を構成
し、ROMのS504,S505を記憶する部分および
CPUのそれらステップを実行する部分がアンチロック
制御終了時期決定手段の一種である操舵角対応終了時期
決定手段を構成し、ROMのS506を記憶する部分お
よびCPUのS506を実行する部分がアンチロック制
御終了手段を構成している。本実施例は、態様(3),
(4),(5)の実施例でもある。
【0090】請求項2の発明の別の実施例を図11に示
す。本実施例は、操舵角に代えて路面摩擦係数が大きい
か否かによってアンチロック制御の終了時期を変えるよ
うにしたものである。路面摩擦係数は、図9に示す実施
例におけると同様に車体減速度により間接的に取得され
る。
【0091】電源電圧に異常が発生したときにアンチロ
ック制御中であり、車体速度が第一車体速度設定値以下
であれば路面摩擦係数が予め設定された値より大きいか
否かの判定が行われる(S604)。路面摩擦係数が大
きければS606が実行されてアンチロック制御が終了
させられ、路面摩擦係数が小さければS605において
車体速度が第二車体速度設定値以下であるか否かの判定
が行われ、第二車体速度設定値以下であればS606が
実行されてアンチロック制御が終了させられる。
【0092】路面摩擦係数が小さい場合には、アンチロ
ック制御の終了に伴ってホーイルシリダ圧が急増した場
合の操縦安定性の変動が、路面の摩擦係数が大きい場合
に比較して大きい傾向があるため、電源電圧が異常であ
ってもアンチロック制御を継続した方がよい可能性が高
いからである。車体速度が第二車体速度設定値以下であ
れば、路面摩擦係数が低くても運転者の対処操作が容易
であり、アンチロック制御が終了させられる。
【0093】見方を変えれば、車体速度が第一車体速度
設定値より大きい状態ではアンチロック制御の終了が禁
止され、第一車体速度設定値以下の状態では許可される
のであって、本実施例においては、コンピュータのRO
MのS603を記憶する部分およびCPUのS603を
実行する部分がアンチロック制御終了禁止手段を構成
し、ROMのS604,S605を記憶する部分および
CPUのそれらステップを実行する部分がアンチロック
制御終了時期決定手段の一種である路面摩擦係数対応終
了時期決定手段を構成し、ROMのS606を記憶する
部分およびCPUのS606を実行する部分がアンチロ
ック制御終了手段を構成している。本実施例は、態様
(3),(4),(6)の実施例でもある。
【0094】なお、図10および図11に示す実施例に
おいてはそれぞれ、アンチロック制御を終了させるか否
かを決定するために、操舵角および路面摩擦係数の大小
2段階に応じて車体速度の設定値が2個設定されていた
が、操舵角および路面摩擦係数をそれぞれ3段階以上に
分割し、それに応じて車体速度の設定値を3個以上設定
することも可能である。また、操舵角や摩擦係数の連続
的な変化に応じて、車体速度の設定値を連続的に変化さ
せることも可能である。
【0095】請求項2の発明の更に別の実施例を図12
に示す。本実施例は、アンチロック制御の終了が許可さ
れた後、操舵角や路面摩擦係数に代えて、マスタシリン
ダ圧とホイールシリンダ圧との差に基づいて実際の終了
時期を変えるようにしたものである。そのため、図示は
省略するが、マスタシリンダ圧を検出するマスタシリン
ダ圧センサおよびホイールシリンダ圧を検出するホイー
ルシリンダ圧センサが設けられている。
【0096】電源電圧異常発生時にアンチロック制御中
であって車体速度が第一車体速度設定値以下であると
き、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差が大
きければ、車体速度が第一車体速度設定値より小さい第
二車体速度設定値以下でなければアンチロック制御は終
了させられない(S701〜S705)。
【0097】マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧と
の差が大であっても、車体速度が第二車体速度設定値以
下であれば、ホイールシリンダ圧を緩やかに増大させる
緩増圧指示が出力される(S706)。液圧差が大きい
状態でアンチロック制御が終了させられれば、マスタシ
リンダの高い液圧がフロントホイールシリンダに供給さ
れて車輪のスリップ状況が急変する恐れがあるからであ
る。この緩増圧の実行時間は液圧差が大きいほど長く設
定され、設定時間の緩増圧の実行後、アンチロック制御
が終了させられる。
【0098】液圧差が大きくなければS707において
液圧差が中程度であるか否かの判定が行われ、中程度で
あればS708が実行されてホイールシリンダ圧を緩や
かに増大させる緩増圧指示が出力される。この場合にも
緩増圧の実行時間は液圧差に応じて設定される。液圧差
が中程度であれば、第一車体速度設定値において緩やか
にホイールシリンダ圧を増大させてアンチロック制御を
終了させても差し支えないのである。また、液圧差が小
さければS709においてホイールシリンダが急増圧状
態とされ、アンチロック制御が終了させられる。
【0099】本実施例においても、車体速度が第一車体
速度設定値より大きい間はアンチロック制御の終了が禁
止され、第一車体速度設定値以下では許可されるのであ
って、終了許可後に、マスタシリンダ圧とホイールシリ
ンダ圧との差の大小に応じて終了時期が変えられ、か
つ、終了形態も変えられるのである。
【0100】本実施例においては、コンピュータのRO
MのS703を記憶する部分およびCPUのS703を
実行する部分がアンチロック制御終了禁止手段を構成
し、ROMのS704,S705,S707を記憶する
部分およびCPUのそれらステップを実行する部分がア
ンチロック制御終了時期決定手段の一種である液圧差対
応終了時期決定手段を構成し、ROMのS706,S7
08,S709を記憶する部分およびCPUのそれらス
テップを実行する部分がアンチロック制御終了手段を構
成し、ROMのS704〜S709を記憶する部分およ
びCPUのそれらステップを実行する部分がアンチロッ
ク制御終了形態変更手段の一種である液圧差対応終了形
態変更手段を構成している。本実施例は、態様(3),
(4),(7),(8),(9)の実施態様でもある。
【0101】請求項1および2の発明に共通の実施例を
図13に示す。本実施例においては、アンチロック制御
のための液圧源140がマスタシリンダ12とは別に設
けられている。この液圧源140は、リザーバ141か
らブレーキ液を汲み上げるポンプ142と汲み上げられ
たブレーキ液を加圧下に蓄えるアキュムレータ144と
を含んでいる。液圧源140は、方向制御弁146,1
48によって、マスタシリンダ12と択一的にホイール
シリンダ18,24,32,38に連通させられるよう
になっており、アンチロック制御中のホイールシリンダ
圧の増圧は液圧源140から供給される液圧によって行
われる。
【0102】そのため、万一電源電圧の異常によって第
一,第二電磁開閉弁50,56等の開閉が適切に行われ
なくなれば、ホーイルシリンダ18等の液圧がマスタシ
リンダ12の液圧より高いアキュレータ144の液圧ま
で増大させられ、左前車輪16等のスリップが著しく大
きくなる恐れがある。したがって、本実施例において
は、電源異常の発生時に不適切なアンチロック制御を速
やかに終了させる必要性が前記図2の実施例におけるよ
り大きい。本実施例におけるアンチロック制御自体はよ
く知られたものであるので説明を省略する。また、アン
チロック制御を終了させるための制御としては、前述の
実施例のいずれの制御も採用可能である。
【0103】上記各実施例においてバッテリ110の電
圧の異常は、上限値より高い場合と下限値より低い場合
との両方により検出されるようになっていたが、下限値
より低いことのみにより異常を検出してもよい。また、
電源電圧(バッテリ110の電圧)はアンチロック制御
中も非アンチロック制御中も同じ上限値および下限値と
比較されるようになっていたが、アンチロック制御中に
は電源電圧が一時的に低下することがあるため、上限値
と下限値との少なくとも一方を変更することも可能であ
る。例えば、アンチロック制御ユニット80から、アン
チロック制御中と非アンチロック制御中とで異なる電圧
が電源電圧異常検出装置112に供給され、それに基づ
いてコンパレータ120に供給される基準電圧Vr2が
変えられるようにするのである。それによって、アンチ
ロック制御中における電源電圧の一時的低下量が一定限
度以内であれば電源電圧の異常とはされないようにする
ことができる。
【0104】また、上記各実施例においてはバッテリ1
10が電源を構成していたが、バッテリの電圧を一定の
電圧に調整するレギュレータも電源の一部と見なし、レ
ギュレータの出力電圧の異常を検出して異常発生時に
は、上記各実施例におけると同様にアンチロック制御の
終了処理を行ってもよい。この場合には、例えば、レギ
ュレータの電圧が異常であるか否かを検出するために、
別の電池により基準電圧を作り、基準電圧との比較によ
り異常であるか否かを検出する。
【0105】さらに、上記各実施例においてはアンチロ
ック制御を行うにあたり、スリップ率が取得されるよう
になっていたが、スリップ量を取得してアンチロック制
御を行うようにしてもよい。
【0106】また、車体減速度は、車輪速度に基づいて
算出する他に、例えば、ドップラ式の対地車速センサを
設けて車体速度を検出することにより求めることがで
き、あるいはホイールシリンダ圧に基づいて間接的に求
めることもできる。ホイールシリンダ圧と車体減速度と
は比例関係にあり、ホイールシリンダ圧がわかれば車体
減速度がわかるからであり、この場合、車体減速度関連
量取得手段は、車体減速度と関連する車体減速度関連量
であるホイールシリンダ圧を検出するものとされる。
【0107】さらに、路面摩擦係数は、特願平5−24
2630号の明細書に記載されているように、車輪の挙
動に基づいて直接取得することもできる。この場合に
は、路面摩擦係数関連量取得手段は車輪の挙動を取得す
るものとされる。車輪の挙動に基づいて路面摩擦係数が
得られる場合にはアンチロック制御が行われなくても路
面摩擦係数を取得することが可能である。
【0108】また、上記各実施例のアンチロック制御装
置は、マスタシリンダを液圧源とする還流式のアンチロ
ック制御装置とされていたが、本発明は、液圧源がマス
タシリンダではなく、ポンプおよびアキュムレータある
いはポンプにより構成されるアンチロック制御装置、電
磁弁装置が増圧状態,保持状態および減圧状態の3つの
状態に切り換えられる三位置の電磁方向切換弁により構
成されるアンチロック制御装置、電磁弁装置がスプール
式の電磁比例制御弁であるアンチロック制御装置、容積
式のアンチロック制御装置を備えた液圧ブレーキ装置等
の制動力制御装置にも適用することができる。
【0109】容積式のアンチロック制御装置は、アンチ
ロック制御時にホイールシリンダをマスタシリンダから
遮断する電磁開閉弁等の遮断手段を備え、その遮断手段
よりホイールシリンダ側に設けた可変容積室の容積を変
えることによりホイールシリンダ圧を制御する。容積式
アンチロック制御装置においては、可変容積室とそれの
容積を変える容積変更手段とが液圧制御装置を構成する
こととなるが、容積変更手段としては可変容積室の可動
壁を構成するピストンを電動モータによって移動させる
ものや、ピストンを間に挟んで可変容積室と反対側に形
成された制御液圧室の液圧を電磁弁装置により制御する
もの等を採用することができる。
【0110】さらに、本発明は、上記各実施例の構成要
素の組合わせを変えた態様で実施することができる。そ
の他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知
識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を
実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の実施例であるアンチロック制
御装置のコンピュータのROMに格納された電源電圧異
常判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図2】上記アンチロック制御装置を備えた液圧ブレー
キ装置を示す系統図である。
【図3】上記液圧ブレーキ装置を備えた車両の電源電圧
の異常を検出する電源電圧異常検出装置の回路図であ
る。
【図4】上記コンピュータのRAMの構成を示す図であ
る。
【図5】上記ROMに格納されたメインルーチンを示す
フローチャートである。
【図6】上記ROMに格納された制御モード設定ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図7】請求項1の発明の別の実施例であるアンチロッ
ク制御装置のコンピュータのROMに格納された電源電
圧異常判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図7に示すアンチロック制御装置のコンピュー
タのRAMの構成を示す図である。
【図9】請求項1の発明の更に別の実施例であるアンチ
ロック制御装置のコンピュータのROMに格納された電
源電圧異常判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】請求項2の発明の実施例であるアンチロック
制御装置のコンピュータのROMに格納された電源電圧
異常判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】請求項2の発明の別の実施例であるアンチロ
ック制御装置のコンピュータのROMに格納された電源
電圧異常判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】請求項2の発明の更に別の実施例であるアン
チロック制御装置のコンピュータのROMに格納された
電源電圧異常判定ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図13】請求項1および2の発明が適用される別のア
ンチロック制御装置を備えた液圧ブレーキ装置を示す系
統図である。
【符号の説明】
16 左前輪 18 フロントホイールシリンダ 22 右後輪 24 リヤホイールシリンダ 30 右前輪 32 フロントホイールシリンダ 36 左後輪 38 リヤホイールシリンダ 50 第一電磁開閉弁 56 第二電磁開閉弁 80 アンチロック制御ユニット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホイールシリンダの液圧を少なくとも増
    大および減少させ得る液圧制御装置と、 車輪のスリップに関連するスリップ関連量を取得するス
    リップ関連量取得手段と、 そのスリップ関連量取得手段が取得したスリップ関連量
    に基づいて前記液圧制御装置を制御して車輪のスリップ
    率をほぼ適正値に制御するアンチロック制御手段と、 電源の電圧の異常を検出する電源電圧異常検出手段と、 その電源電圧異常検出手段により検出された電源電圧の
    異常に対処する電源電圧異常時対処手段とを含むアンチ
    ロック制御装置において、 前記電源電圧異常時対処手段に、アンチロック制御中に
    前記電源電圧異常検出手段により電源の電圧異常が検出
    された場合に、車両の運動エネルギが設定値以下であれ
    ば直ちに、設定値より大きければ設定値まで低下したと
    きに、前記アンチロック制御手段にアンチロック制御を
    終了させるアンチロック制御終了手段を設けたことを特
    徴とするアンチロック制御装置。
  2. 【請求項2】 ホイールシリンダの液圧を少なくとも増
    大および減少させ得る液圧制御装置と、 車輪のスリップに関連するスリップ関連量を取得するス
    リップ関連量取得手段と、 そのスリップ関連量取得手段が取得したスリップ関連量
    に基づいて前記液圧制御装置を制御して車輪のスリップ
    率をほぼ適正値に制御するアンチロック制御手段と、 電源の電圧の異常を検出する電源電圧異常検出手段と、 その電源電圧異常検出手段により電源電圧の異常が検出
    されたとき、前記アンチロック制御手段にアンチロック
    制御を終了させるアンチロック制御終了手段とを含むア
    ンチロック制御装置において、 少なくとも車両の運動エネルギが設定値以上の状態では
    前記アンチロック制御終了手段によるアンチロック制御
    の終了を禁止するアンチロック制御終了禁止手段を設け
    たことを特徴とするアンチロック制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7668636B2 (en) 2007-08-31 2010-02-23 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha. Control system of vehicle

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7668636B2 (en) 2007-08-31 2010-02-23 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha. Control system of vehicle

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