JPH0814075A - 加速スリップ制御装置 - Google Patents

加速スリップ制御装置

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JPH0814075A
JPH0814075A JP6147840A JP14784094A JPH0814075A JP H0814075 A JPH0814075 A JP H0814075A JP 6147840 A JP6147840 A JP 6147840A JP 14784094 A JP14784094 A JP 14784094A JP H0814075 A JPH0814075 A JP H0814075A
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drive
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動トルク抑制制御によっても車両が良好に
発進,加速しない場合に、迅速に駆動トルク抑制制御を
緩和し得る加速スリップ制御装置を得る。 【構成】 アクセルペダルが踏み込まれ、かつ、車体速
度VSOが設定値V2 より低いとき(S301,30
2)、左右各々の駆動輪と非駆動輪との回転数差の累積
値のうち大きい方が設定値を超えれば駆動トルク抑制制
御を禁止する(S303,304)。累積値が設定値を
超えれば直ちに禁止されるため、駆動輪が深雪,ぬかる
み等から脱出し得なくなる前に駆動輪に十分な駆動力が
与えられ、脱出が可能になる。また、累積値は、駆動ト
ルク抑制制御により車両が良好に発進,加速する場合に
回転数差の累積値が設定値を超える時間よりは短い一定
時間の回転数差が積算されたものであり、駆動トルク抑
制制御により車両が良好に発進,加速しているのに駆動
トルク抑制制御が禁止されてしまう過ちが回避される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加速スリップ制御装置に
関するものであり、特に、駆動トルクの抑制の緩和に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】加速スリップ制御は、車両の加速時に駆
動輪のスリップが過大となることを防止するために行わ
れる。そのため、加速スリップ制御装置は、(a)駆動
輪の駆動トルクを制御する駆動トルク抑制装置と、
(b)その駆動トルク抑制装置を制御して駆動輪のスリ
ップ率をほぼ適正値に保つ駆動トルク抑制装置制御手段
とを含むように構成される。
【0003】駆動輪,路面間の摩擦係数(以下、単に路
面の摩擦係数と称する)は、駆動輪のスリップ率の増大
に伴って増大するが、スリップ率が一定値を超えると減
少に転ずる。この一定値は、駆動輪のタイヤや路面の種
類により異なるが、上記傾向は一般的に存在し、車両の
加速性を良好にするためには路面の摩擦係数を最大限に
利用することが望ましい。そのため、加速スリップ制御
装置を備えた車両においては、スリップ率がほぼ上記一
定値(これが適正値である)となるように駆動輪の駆動
トルクが駆動トルク抑制装置により制御される。駆動輪
の駆動トルクが路面の摩擦係数との関係において過大と
なることにより、駆動輪のスリップ率が上記適正値を超
え、あるいは超えそうになったとき、エンジン等駆動源
の出力の低減により、駆動源から動力伝達機構を介して
駆動輪に与えられる駆動トルク(以下、駆動源の駆動ト
ルクと称する)自体が抑制され、あるいは駆動輪に制動
トルクを加えることにより駆動源の駆動トルクが減殺さ
れることによって、駆動輪の駆動トルクが抑制され、逆
にスリップ率が適正値より小さくなり、あるいは小さく
なりそうになったとき、駆動源の駆動トルクが増大させ
られ、あるいは制動トルクが軽減されて、駆動輪の駆動
トルクが増大させられ、スリップ率がほぼ適正値に保た
れるのである。
【0004】ただし、現実には、スリップ率の代わりに
スリップ量自体をほぼ適正値に制御しても、また、車輪
の回転加速度,減速度に基づいて駆動輪の駆動トルクを
制御しても同様の効果が得られるため、直接スリップ率
自体に基づいて駆動輪の駆動トルクを制御することは不
可欠ではない。実際にこれら種々のスリップ関連量の組
合せに基づいて駆動トルクの制御が行われている。
【0005】加速スリップ制御装置は一般的には上記の
ように車両の加速性を向上させるのであるが、加速スリ
ップ制御装置を作動させない方がよい場合がある。例え
ば、長い登坂路においては、駆動輪のスリップ率が大き
いときに加速スリップ制御を行って駆動輪の駆動トルク
を抑制すると、車輪の転がり抵抗や路面勾配による負荷
トルクの方が駆動トルクより大きくなって、走行速度が
徐々に低下していくことがある。このような場合には、
加速スリップ制御装置の作動を停止させて駆動輪の駆動
トルクを増大させた方が車両を良好に走行させることが
できる。また、うっすらと新雪が積もった雪路において
は、駆動輪をスリップさせて雪をはね飛ばし、あるいは
溶かし、路面を露出させることにより駆動力を得て車両
を発進,加速させることができるため、駆動トルクの抑
制制御を行わず、駆動輪の駆動トルクを抑制しない方が
よい。さらに、駆動輪が深い雪(深雪と称する),砂
地,ぬかるみ等にはまり込んだ場合にも、加速スリップ
制御装置の作動を禁止し、駆動輪に十分な駆動トルクを
与えた方が良好に脱出できることが多い。
【0006】そのため、特開平1−145242号公報
に記載の加速スリップ制御装置においては、予め設定さ
れた条件が満たされた場合に駆動トルクの抑制制御を禁
止することが行われている。駆動輪のスリップ率が大き
く、アクセルペダルの踏込み量が設定量以上であり、か
つ、車体速度が設定値以下の状態が2秒間継続したとき
に駆動トルクの抑制制御が禁止されるようになっている
のである。このようにすれば、例えば、新雪が薄く積も
った雪路において駆動輪を大きくスリップさせ、新雪を
はね飛ばし、あるいは溶かして車両を良好に発進,加速
させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
報に記載の加速スリップ制御装置においては、駆動トル
クの抑制制御を禁止してもなお車両を良好に発進,加速
させることができない場合がある。この加速スリップ制
御装置においては、上記のように、駆動輪のスリップ率
が大きく、アクセルペダルの踏込み量が設定量以上であ
る状態が設定時間継続した場合に駆動トルクの抑制が禁
止されるのであるが、それでは駆動トルクの抑制制御が
禁止されたときには既に路面の状況が悪化し過ぎてい
て、手遅れになることがある。
【0008】例えば、深雪,砂地,ぬかるみのように、
駆動輪のスリップが累積するにつれてくぼみが深くな
り、駆動輪がそのくぼみから脱出するために必要な摩擦
力(駆動力)が増大して、駆動トルクの抑制制御が禁止
されたときには既に脱出が不可能になっている場合があ
るのである。さらに、ある程度踏み固められた雪路にお
いては、スリップの累積につれて車輪と路面との間の摩
擦係数がどんどん低下し、設定時間が経過したときに
は、既に摩擦係数が低下し過ぎていて、駆動トルクの抑
制制御を禁止しても十分な駆動力を得ることができない
状態になっていることもある。本発明は、このような不
都合を回避し得る加速スリップ制御装置を提供すること
を課題として為されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、前記(a)駆動トルク抑制装置および
(b)駆動トルク抑制装置制御手段を備えた加速スリッ
プ制御装置において、(c)アクセル操作部材の操作を
検出するアクセル操作検出手段と、(d)車体速度を検
出する車体速度検出手段と、(e)少なくとも、アクセ
ル操作検出手段によりアクセル操作部材の操作が検出さ
れ、かつ、車体速度が設定速度以下の状態において、駆
動輪のスリップ量とスリップ率との少なくとも一方の累
積値が設定値を超えたときに駆動トルク抑制装置制御手
段に駆動トルクの抑制を緩和させる駆動トルク抑制緩和
手段とを設けたことを要旨とする。ただし、ここにおい
てスリップ率の累積値とは、一定時間間隔の各時点にお
けるスリップ率の加算値を意味するものとする。スリッ
プ量の累積値についても同様でよいが、駆動輪の回転量
(回転角度と車輪半径との積の累積値)と車両走行距離
との差でもよい。また、駆動トルクの抑制緩和は、文字
通りの緩和のみならず完全な解除をも含むものとする。
【0010】
【作用】車両の発進時に駆動輪のスリップが大きく、駆
動トルク抑制制御開始条件が満たされれば駆動トルクの
抑制制御が行われ、通常は車両が良好に発進,加速し、
車体速度が増大する。しかし、駆動トルクの抑制制御が
行われても十分な加速度が得られない特殊な事情の下で
は、アクセル操作部材の操作に対して車体速度が正常に
増大せず、設定速度以下の状態が続く。この状態にある
間に駆動輪のスリップ率とスリップ量との少なくとも一
方の累積値が設定値を超えたときに、駆動トルクの抑制
を緩和する方がよい状況にあるとして、駆動輪の駆動ト
ルクの抑制が緩和される。
【0011】駆動トルクの抑制制御により車両が良好に
発進,加速させられる通常の場合でも、駆動輪にはスリ
ップがあり、スリップ率およびスリップ量の累積値はい
ずれも増大する。しかし、発進,加速が良好である場合
には、スリップ率やスリップ量の累積値が設定を超える
前に車体速度が設定速度を超える。それに対して、駆動
トルクの抑制制御が行われても発進,加速が良好ではな
い特殊な場合には、スリップ率やスリップ量の累積値が
設定値を超える時点においても車体速度が設定速度を超
えない。したがって、車体速度が設定速度以下である状
態においてスリップ量等の累積値が設定値を超えるか否
かで、駆動トルクの抑制を緩和した方がよい特殊な状況
にあるか否かを判定することができるのである。
【0012】前記特開平1−145242号公報に記載
の加速スリップ制御装置におけるように、特定の条件を
満たす状態が設定時間継続したか否かにより判定を行う
場合には、設定時間が経過するまでは駆動トルクの抑制
を緩和した方がよいことが判らないために、前述のよう
に手遅れになることがあるのに対し、本発明において
は、スリップ量等の累積値が設定値を超えれば直ちに駆
動トルクの抑制の緩和が決定され実行されるため、スリ
ップ量あるいはスリップ率が大きいほど短時間で緩和が
実行され、手遅れになることが確実に回避される。
【0013】また、車両が長い登坂路を走行している際
に、スリップが過大となって駆動トルクの抑制制御が開
始され、それによって駆動輪の駆動トルクが負荷トルク
より小さくなり、走行速度が設定速度以下になった場合
には、アクセル操作部材が操作されているため前記条件
が満たされて、スリップ量等の累積値が設定値を超える
か否かの判定が行われる。この累積値としては、前記条
件が満たされてからの累積値を用いるのが原則である
が、実施例の項において後述するように、便宜的に条件
が満たされたときまでの累積値を用いることも可能であ
る。そして、上記判定の結果がYESになれば、駆動輪
の駆動トルクの抑制が緩和され、走行速度が増大させら
れる。
【0014】以上の説明から明らかなように、本発明の
基本概念は、停車状態においてアクセル操作部材の操作
が開始されてからの駆動輪のスリップ量の累積値が設定
値を超えたにもかかわらず、車体速度は設定速度を超え
ていない場合には、駆動トルクの抑制の実行にもかかわ
らず車両は適切に発進,加速していないとして、また、
車体速度が設定速度以下である(設定速度より大きい状
態から設定速度以下に低下した場合を含む)という条件
とアクセル操作部材が操作されているという条件とが共
に満たされてからのスリップ量の累積値が設定値を超え
た場合には、駆動トルクの抑制制御の実行により車両速
度が低下してしまったとして、加速スリップ制御による
駆動輪の駆動トルクの抑制を緩和するというものであ
る。
【0015】したがって、基本的にはスリップ量の累積
値が設定値を超えるか否かが判定されるようにすればよ
いのであるが、スリップ量の累積値が大きい場合にはス
リップ率の累積値も大きくなるものであるため、スリッ
プ量の累積値に代えてスリップ率の累積値を使用するこ
とも可能である。また、スリップ率が大きい状態が続く
ということは駆動トルクの抑制制御の効果が十分に得ら
れていないことを意味し、スリップ率の大きさはその効
果の不十分さの程度を表すと考えることができるため、
スリップ率の累積値が設定値を超えるか否かの判定はそ
れ自体意味のあることである。よって、スリップ量とス
リップ率との両方の累積値がそれぞれ対応する累積値を
超えるか否かが判定されるようにすることは望ましいこ
とである。
【0016】なお、車体速度が設定速度以下であるとい
う条件とアクセル操作部材が操作されているという条件
とスリップ率あるいはスリップ量の累積値が設定値を超
えるという条件との他に、例えば、スリップ率あるいは
スリップ量が設定値以上であるという条件を付加すれ
ば、比較的小さいスリップ量が比較的長い時間積算され
ることによって「累積値が設定値を超える」という条件
が満たされる場合を排除することができ、一層確実に
「駆動トルクの抑制制御の効果が十分に得られていな
い」ことを検出することができる。
【0017】
【発明の効果】このように本発明によれば、駆動トルク
の抑制制御による駆動輪の駆動トルクの抑制を遅れなく
緩和し、深雪,砂地,ぬかるみ等の特殊な状況下におい
ても手遅れになる前に駆動トルクを増大させて車両を良
好に発進,加速させることができる。また、登坂路上に
おける発進時に駆動輪の駆動トルクが抑制されることに
より負荷トルクに近くなり、あるいは負荷トルクの方が
大きくなって、車両が良好に発進しない場合や、長い登
坂路上を走行中に駆動輪の駆動トルクが低く抑えられる
ことによって負荷トルクより小さくなり、走行速度が著
しく低下してしまった場合にも、駆動輪の駆動トルクの
抑制が緩和され、車両が良好に発進あるいは走行させら
れる。
【0018】
【発明の望ましい実施態様】以下、本発明の望ましい実
施態様を列挙するとともに、必要に応じて関連説明を行
う。 (1)前記駆動トルク抑制緩和手段が、車体速度と駆動
輪速度との速度差の累積値が設定値を超えたときに駆動
トルク抑制装置制御手段による駆動トルクの抑制を緩和
させるものである請求項1に記載の加速スリップ制御装
置。
【0019】(2)当該加速スリップ制御装置が駆動輪
と非駆動輪とを有する車両に設けられ、前記駆動トルク
抑制緩和手段が、非駆動輪の回転数を車体速度として使
用する態様1の加速スリップ制御装置。
【0020】車体速度は車輪の回転速度から求めること
ができる。特に、複数の車輪のうちの一部が駆動輪であ
り、残りが非駆動輪である車両においては、非駆動輪の
回転速度が車体速度に良好に対応するため、非駆動輪の
回転検出に基づいて車体速度を検出する手段が好適であ
る。それに対して、全部の車輪が駆動輪であって非駆動
輪がない車両においては、車体速度が、車輪の回転検出
に基づかない検出手段、例えばドップラ式対地車速セン
サにより検出されることが望ましい。この場合、車体速
度に対する速度差が検出される駆動輪は、当該加速スリ
ップ制御装置が設けられる車両が2輪車である場合に
は、前後両方の駆動輪でもよく、前後いずれかの駆動輪
に決めておいてもよく、回転速度の大きい方の駆動輪で
もよく、前後の駆動輪の平均値について車体速度との速
度差が求められるようにしてもよい。車両が4輪以上の
駆動輪を有するものである場合には、車体速度との速度
差が求められる駆動輪はそれら駆動輪の全部でもよく、
それら駆動輪のうち予め決められた1個以上でもよく、
複数の駆動輪の各速度の平均値と車体速度との速度差を
求めることにしてもよく、あるいは前後あるい左右の複
数個ずつの駆動輪の各速度の平均値のうち大きい方とし
てもよく、あるいは前後あるいは左右の複数個ずつの駆
動輪の平均速度のいずれについて車体速度との差を求め
るかを決めておいてもよい。
【0021】(3)当該加速スリップ制御装置が、左右
それぞれに駆動輪と非駆動輪とを有する車両に設けら
れ、前記駆動トルク抑制緩和手段が、左右それぞれにお
ける駆動輪と非駆動輪との回転数差の累積値のうち、大
きい方が設定値を超えたときに前記駆動トルク抑制装置
制御手段による駆動トルクの抑制を緩和させる左右スリ
ップ勘案型駆動トルク抑制緩和手段である態様2に記載
の加速スリップ制御装置。
【0022】車両走行時には、左右の駆動輪のスリップ
量が異なる事態が生ずることがある。例えば、車両旋回
時には遠心力により車両に荷重移動が生じ、旋回内側で
あって荷重が小さい方の駆動輪が滑り易く、旋回外側で
あって荷重が大きい方の駆動輪は滑り難い。また、路面
が左右で摩擦係数が異なるまたぎ路である場合には、路
面の摩擦係数が小さい方の部分を走行する駆動輪の方が
摩擦係数が大きい方の部分を走行する駆動輪より滑り易
く、さらに、一方の駆動輪がぬかるみ等にはまり込んだ
ときには、そのはまり込んだ方の駆動輪の滑りが大きく
なる。いずれにしても滑りが大きく、スリップ量の大き
い方が駆動トルクの抑制制御を行っても効果がない状態
に近く、駆動輪と非駆動輪との回転数差の累積値が大き
い方が設定値を超えたときに駆動トルクの抑制を緩和す
れば、車両全体について駆動力を良好に得ることができ
る。
【0023】例えば、左右の回転数差の累積値の大きさ
に関係なく、駆動トルクの抑制を緩和すれば、累積値が
大きい方の駆動輪については駆動トルクの抑制緩和が遅
れて十分な駆動力(駆動輪,路面間の摩擦力)が得られ
ず、車両全体として駆動力が低下するのに対し、大きい
方の累積値が設定値を超えたときに駆動トルクの抑制を
緩和すれば、手遅れになることを回避することができ
る。
【0024】(4)前記駆動トルク抑制緩和手段が、前
記スリップ率とスリップ量との少なくとも一方の累積値
が設定値を超えたのが設定時間内においてであった場合
に前記駆動トルク抑制装置制御手段による駆動トルクの
抑制を緩和させるものである請求項1,態様1〜3のい
ずれか1つに記載の加速スリップ制御装置。
【0025】駆動輪は駆動トルクの抑制制御により駆動
トルクが抑制されている間にもスリップしており、非駆
動輪との回転数差の累積値が増大するため、設定値の大
きさによっては、駆動トルクの抑制制御が有効に行われ
ている場合でも累積値が設定値を超えることがある。例
えば、駆動トルクの抑制制御が有効に行われた場合に
は、スリップ率とスリップ量との少なくとも一方の累積
値が超えることがあり得ない大きさに設定値を設定すれ
ば、駆動トルクの抑制制御の効果が得られないときに累
積値が設定値を超える時期に遅れが生じ、駆動トルクの
抑制緩和に遅れが生ずる。逆に、駆動トルクの抑制緩和
時期を遅れなく検出するために設定値を小さく設定すれ
ば、例えば摩擦係数が特に小さい路面上等において、駆
動トルクの抑制制御が有効に行われていても累積値が設
定値を超えることがあり得る。この場合に、誤って駆動
トルクの抑制の緩和が行われないようにするためには、
累積値が設定値を超える時間に制限を設け、累積値が設
定値を超えたのが設定時間内であった場合にのみ、駆動
トルクの抑制の緩和が行われるようにすることが有効で
ある。この場合でも、設定時間が経過して後始めて累積
値が設定値を超えるか否かが判定されるわけではなく、
累積値が設定値を超えたのが設定時間内においてであっ
たか否かが判定されるのであるため、前記特開平1−1
45242号公報に記載の加速スリップ制御装置におけ
るような駆動トルク抑制緩和遅れの問題は生じない。
【0026】設定時間は、駆動トルクの抑制制御が有効
であるときに累積値が設定値を超えるには不十分である
が、駆動トルクの抑制制御が有効でないときに累積値が
設定値を超えるには十分な大きさに設定される。設定時
間と比較される経過時間の起算点は、スリップ量等の累
積値の起算点と同じでもよく、別でもよい。前者の場合
には、アクセル操作部材が操作されていることと、車体
速度が設定速度以下であることとの両方の条件が始めて
満たされた時点であり、時間の計測は両条件が満たされ
ている間行われるのが原則である。ただし、これら両条
件が満たされた後は、車体速度が設定値を超えるまでは
アクセル操作部材の操作が解除された後も行われるよう
にすることも可能であり、それにより、運転者がアクセ
ル操作部材の操作,解除を繰り返す場合にも、駆動トル
ク抑制緩和判定を支障なく行うことができる。後者の場
合には、アクセルペダルの踏込み開始後であればいつで
もよく、実施例の項において述べるように、スリップ量
等のサンプリング時間毎あるいは上記設定時間毎にずら
してもよい。下記実施態様におけるように、駆動トルク
抑制開始時を起算点とし、スリップの抑制緩和の有無を
1回のみ判定してもよく、それにより、駆動トルクの抑
制制御の効果が得られていないことをより確実に検出す
ることができる。また、駆動トルクの抑制が緩和された
ときを起算点として累積値を求め、スリップの抑制緩和
を継続するか否かを常時判定するようにしてもよい。
【0027】(5)前記駆動トルク抑制緩和手段が、駆
動輪のスリップ率とスリップ量との少なくとも一方の累
積値が設定値を超えたのが前記駆動トルク抑制装置制御
手段による駆動輪の駆動トルク抑制制御開始から設定時
間内においてであった場合に前記駆動トルク抑制装置制
御手段による駆動トルクの抑制を緩和させる駆動トルク
抑制制御開始時基準駆動トルク抑制緩和手段である態様
4に記載の加速スリップ制御装置。
【0028】この態様においては、スリップ量等の累積
値が設定値を超えるか否かの判定は、スリップ抑制開始
から設定時間内においてのみ行われるが、スリップが抑
制緩和が必要なほど大きくなるのは駆動トルク抑制時で
あり、また、スリップ抑制の効果が得られないときには
駆動トルク抑制制御の開始当初からスリップ抑制の効果
が得られないことが多いため、この態様は妥当である。
【0029】(6)前記駆動トルク抑制緩和手段が、前
記駆動トルク抑制装置制御手段による駆動トルクの抑制
制御を禁止する駆動トルク抑制制御禁止手段である請求
項1,態様1〜5のいずれか1つに記載の加速スリップ
制御装置。この態様においては、駆動トルクの抑制制御
が有効でない場合には駆動トルクの抑制が禁止される。
既に駆動トルクの抑制制御が開始されていれば解除さ
れ、まだ開始されていなければ駆動トルクの抑制制御が
開始されないようにされるのである。
【0030】(7)前記駆動トルク抑制装置が、駆動輪
の回転を抑制するブレーキを含む請求項1,態様1〜6
のいずれか1つに記載の加速スリップ制御装置。 (8)前記スリップ抑制装置が、エンジンのスロットル
バルブの開度の調節により駆動輪の駆動トルクを抑制す
るスロットル開度調節装置を含む請求項1,態様1〜7
のいずれか1つに記載の加速スリップ制御装置。
【0031】駆動輪の駆動トルクの抑制制御は駆動源た
るエンジンの駆動トルクを抑制することによっても、駆
動輪にブレーキにより制動トルクを加えることによって
駆動源の駆動トルクを減殺することによっても行うこと
ができる。駆動源の駆動トルクを制動トルクで減殺する
場合にはエネルギの無駄が生ずるため、省エネルギの観
点からは駆動源の駆動トルクを抑制することが望ましい
が、ブレーキによる駆動トルクの抑制制御は、スロット
ルバルブによるエンジンの駆動トルクの抑制より敏感で
あるのが普通であるため、制御遅れ防止の観点からはブ
レーキの使用が望ましい。これらのいずれか一方のみに
より駆動輪の駆動トルクを抑制することも可能である
が、両者を組み合わせて採用することも可能である。例
えば、後述の実施例におけるように、原則的には合理的
なスロットルバルブによるエンジン駆動トルクの抑制制
御を行い、抑制の当初は敏感なブレーキを補助的に使用
するのである。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図2に示す加速スリップ制御装置は、前輪
が非駆動の操舵輪であり、後輪が駆動輪である車両に設
けられたものであり、かつ、駆動輪の駆動トルクを抑制
するためにエンジンの出力を低減させる手段と液圧ブレ
ーキ装置とを併用したものである。
【0033】図中、10はエンジンの吸気マニホールド
である。吸気マニホールド10には主スロットルバルブ
14と副スロットルバルブ16とが直列に設けられてお
り、これらの開閉によってエンジンの出力が調節される
ようになっている。主スロットルバルブ14はアクセル
ペダル18の操作によって開閉され、そのアクセルペダ
ル18の踏込みがアクセルスイッチ20によって検出さ
れる。
【0034】主スロットルバルブ14の開度は主スロッ
トルセンサ22によって検出される。アクセルペダル1
8の踏込み角度と主スロットルバルブ14の開度とは1
対1に対応しており、主スロットルセンサ22の検出結
果からアクセルペダル18の踏込み角度がわかる。ま
た、副スロットルバルブ16は副スロットル制御モータ
24によって開閉され、その開度は副スロットルセンサ
26によって検出される。
【0035】図2の下方に、左右の前輪28,30と左
右の後輪32,34とが示されている。後輪32,34
が図示を省略する動力伝達機構を介してエンジンに連結
されており、これによって駆動される。前輪28,30
が非駆動輪,後輪32,34が駆動輪なのである。各車
輪28ないし34にはそれぞれ液圧ブレーキが設けられ
ており、各液圧ブレーキのホイールシリンダ36ないし
42にマスタシリンダ44からブレーキ液が供給される
ことにより、液圧ブレーキが作動させられる。
【0036】マスタシリンダ44は、ブレーキペダル4
6の踏込み操作によって2つの独立した加圧室に等しい
高さの液圧を発生させるものであり、一方の加圧室に発
生した液圧は液通路48を経て左右の前輪28,30の
液圧ブレーキのホイールシリンダ36,38に伝達さ
れ、他方の加圧室に発生した液圧は液通路50を経て左
右の後輪32,34の液圧ブレーキのホイールシリンダ
40,42に伝達される。この液圧ブレーキ装置は前後
2系統式なのである。
【0037】液通路50の途中には電磁開閉弁54が設
けられており、マスタシリンダ44から後輪32,34
のホイールシリンダ40,42へのブレーキ液の供給を
許容,遮断する。液通路50の電磁開閉弁54が設けら
れた部分とホイールシリンダ40,42との間の部分に
は、液通路56によって駆動トルク制御用液圧源58が
接続されている。
【0038】駆動トルク制御用液圧源58は、マスタシ
リンダ44にブレーキ液を供給するリザーバ60からブ
レーキ液を汲み上げるポンプ62と、その汲み上げられ
たブレーキ液を加圧下に蓄えるアキュムレータ64とを
備えている。ポンプ62を駆動するポンプモータ66
は、圧力スイッチ68の出力信号に基づいて駆動トルク
制御ユニット70により制御され、アキュムレータ64
には常に一定範囲内の液圧でブレーキ液が蓄えられるよ
うになっている。72はリリーフ弁であり、上記制御が
正常に行われない場合にアキュムレータ64の蓄液圧が
過大となることを防止するために設けられている。
【0039】上記液通路56には常閉の電磁開閉弁76
が設けられている。また、液通路56の電磁開閉弁76
と後輪32,34のホイールシリンダ40,42との間
の部分は、液通路78によってリザーバ60に接続され
るとともに、液通路78には常閉の電磁開閉弁80が設
けられている。これら電磁開閉弁76,80は、ホイー
ルシリンダ40,42の液圧が次の3つの制御モードで
制御されるように開閉させられる。
【0040】ホイールシリンダ40,42をアキュムレ
ータ64に連通させ、アキュムレータ64の液圧の伝達
によりリヤホイールシリンダ圧を増大させる増圧モード
と、ホイールシリンダ40,42をリザーバ60に連通
させ、ブレーキ液の排出によりホイールシリンダ圧を減
少させる減圧モードと、ホイールシリンダ40,42を
アキュムレータ64とリザーバ60とのいずれとも連通
を遮断してホイールシリンダ圧を同じ高さに保持する保
持モードとが得られるように電磁開閉弁76,80が開
閉させられるのである。
【0041】左右の前輪28,30および後輪32,3
4の各回転速度は、回転速度センサ84,86,88,
90により検出されて駆動トルク制御ユニット70に供
給される。駆動トルク制御ユニット70はコンピュータ
を主体とするものであり、車輪速度,車輪減速度,車体
速度等を演算する。駆動トルク制御ユニット70は、演
算した車輪速度,車輪減速度,車体速度、アクセルスイ
ッチ20からのアクセル操作情報、および主スロットル
センサ22,副スロットルセンサ26からの主スロット
ルバルブ14,副スロットルバルブ16の各開度情報に
基づいて、電磁開閉弁54,76,80の開閉および副
スロット制御モータ24の駆動を制御して駆動トルクの
抑制を行う。
【0042】駆動トルク制御ユニット70のコンピュー
タのRAMには、図3に示すように、左車輪回転数差累
積値メモリ100,右車輪回転数差累積値メモリ10
2,駆動トルク抑制制御フラグ112,駆動トルク抑制
制御禁止フラグ114がワーキングエリアと共に設けら
れている。また、コンピュータのROMには、図1に示
す駆動トルク抑制制御禁止判定ルーチン、図4にフロー
チャートで示すメインルーチン、図5にフローチャート
で示す車輪回転数差累積値演算ルーチン、図6にフロー
チャートで示す駆動トルク抑制制御ルーチン等、種々の
制御プログラムが格納されている。
【0043】以下、これらフローチャートに基づいて駆
動トルクの抑制制御を説明する。なお、説明をわかり易
くするために、以下、左右の前輪28,30を非駆動輪
28,30、左右の後輪32,34を駆動輪32,34
と称する。電源投入と同時に図4のメインルーチンが実
行され、ステップ1(以下、S1と略記する。他のステ
ップについても同じ。)において各種メモリ100,1
02のクリア、ならびに駆動トルク抑制制御フラグ11
12および駆動トルク抑制制御禁止フラグ114のリセ
ット等の初期設定が行われる。
【0044】次いでS2が実行され、回転速度センサ8
4〜90の検出信号が読み込まれた後、S3において車
輪速度Vwおよび車輪減速度Vw′が演算される。続い
てS4において車体速度VSOが非駆動輪28,30の各
車輪速度Vwの平均値に基づいて推定される。
【0045】次にS5において図5に示す車輪回転数差
累積値演算ルーチンが実行される。まず、S101にお
いて左右それぞれについて、駆動輪32,34と非駆動
輪28,30との回転数差DnL,DnRが演算される。
【0046】次いでS102が実行され、左右それぞれ
の駆動輪32,34と非駆動輪28,30との回転数差
の累積値NnLnRが(1),(2)式に従って演算さ
れる。 NnL=a・N(n-1)L+DnL・・・・(1) NnR=a・N(n-1)R+DnR・・・・(2)
【0047】Nn-1 は前回S102が実行されたときに
得られた累積値,Dn は今回のS101の実行により得
られた駆動輪32,34と非駆動輪28,30との回転
数差であり、係数aは0より大きいが1より小さい値で
ある。古い回転数差ほど掛けられる係数aのべき乗が多
くなるように積算されるのであり、係数aは1より小さ
い値であるため、古い回転数差ほど掛けられる係数が小
さくなって、あまり古い回転数差は実質的に加算されな
いに等しくなる。係数aを大きくすれば実質的な累積時
間を長くし得、小さくすれば短くし得るのである。本実
施例においては、係数aが、駆動トルクの抑制制御の効
果が十分に得られるときには設定値を越えず、十分に得
られないときには超える累積値が得られる大きさに設定
される。左右車輪についてそれぞれ演算された回転数差
の累積値NnL,NnRは、左車輪回転数差累積値メモリ1
00,右車輪回転数差累積値メモリ102に格納され、
ルーチンの実行はメインルーチンに戻る。
【0048】次にメインルーチンのS6が実行され、駆
動トルク抑制制御禁止判定ルーチンが実行された後、S
7において駆動トルク抑制制御が行われる。駆動トルク
抑制制御禁止判定ルーチンは後に説明することとし、駆
動トルク抑制制御を図6に示すルーチンに従って先に説
明する。
【0049】まず、S201において駆動トルク抑制制
御禁止フラグ114がセットされているか否かの判定が
行われる。駆動トルク抑制制御禁止フラグ114は初期
設定においてリセットされており、駆動トルクの抑制制
御が禁止されていないため、最初のS201の判定結果
はNOになる。したがって、S202〜S204におい
て駆動トルク抑制制御開始条件が満たされているか否か
の判定が行われる。
【0050】駆動トルク抑制制御開始条件は、アクセル
ペダル18が踏み込まれていること、車体速度VSOが駆
動トルク抑制制御実行判定用設定速度V1 (例えば40
km/h)より小さいこと、および駆動輪32,34のスリ
ップ率Sが設定値S1 より大きいことであり、これらが
すべて満たされているときに駆動トルクの抑制制御が行
われる。
【0051】アクセルペダル18が踏み込まれているか
否かの判定はアクセルスイッチ20の検出信号に基づい
て行われ、車体速度VSOが駆動トルク抑制制御実行判定
用設定速度V1 より小さいか否かは、メインルーチンの
S4において演算された車体速度VSOを予めROMに格
納された駆動トルク抑制制御実行判定用設定速度V1
比較することにより判定される。駆動輪32,34のス
リップ率SはメインルーチンのS3において演算された
駆動輪32,34および非駆動輪28,30の各車輪速
度Vwに基づいて算出され、予めコンピュータのROM
に格納された設定値S1 と比較される。スリップ率は駆
動輪32,34のそれぞれについて算出されるととも
に、各々設定値S1 と比較され、いずれか一方でも設定
値S1 を超えていればS204の判定結果はYESにな
る。
【0052】駆動トルク抑制制御開始条件がすべて満た
されていればS202〜S204の各判定結果がいずれ
もYESになってS205が実行され、駆動トルク抑制
制御フラグ112がセットされるとともに、エンジンの
出力抑制や液圧ブレーキの作動による駆動輪の駆動トル
ク抑制制御が行われる。スリップ率が上記設定値S1
り大きい設定値S2 より大きい場合にはエンジンの出力
抑制と液圧ブレーキの作動との両方が実行され、設定値
2 より小さくなればエンジンの出力抑制のみが行わ
れ、スリップ率がほぼ設定値S1 となるようにされるの
である。
【0053】エンジンの出力抑制は、副スロットルバル
ブ16の開度の調節により行われる。副スロットルバル
ブ16は駆動トルクの抑制制御を行わないときには全開
とされ、エンジンの出力はアクセルペダル18の踏込み
角度によって決まるが、駆動トルクの抑制制御時には、
主スロットルバルブ14の開度,トランスミッションの
変速段,駆動輪32,34のスリップ率等に基づいて副
スロットルバルブ16の開度が決められ、副スロットル
制御モータ24により副スロットバルブ16が設定され
た開度に閉じられてエンジンの出力が抑制される。
【0054】液圧ブレーキの作動による駆動輪の駆動ト
ルクの抑制制御時には、電磁開閉弁54が閉じられてホ
イールシリンダ40,42とマスタシリンダ44との連
通が遮断され、この状態で電磁開閉弁76,80が駆動
輪32,34のスリップ率等に基づいて設定された制御
モードで開閉させられ、ホイールシリンダ40,42の
液圧が制御され、駆動輪32,34の回転が抑制され
る。電磁開閉弁76,80の制御モードは、駆動輪3
2,34の車輪速度Vwおよび車輪減速度Vw′によっ
て決められ、車輪の回転が抑制されてスリップが緩和さ
れる。
【0055】これらエンジンの出力制御および液圧ブレ
ーキ装置の作動による駆動トルクの抑制制御制御はよく
知られたものであり、詳細な説明は省略するが、本実施
例においては、前記スリップ率の設定値S1 ,S2 が路
面の摩擦係数が大きいほど小さい値に修正されるように
なっている。前述のように、最大の摩擦力が得られるス
リップ率は路面の摩擦係数が小さいほど大きくなる傾向
があり、かつ、駆動トルクの抑制制御が開始された後に
は、駆動トルク抑制制御中における車体加速度が路面の
摩擦係数に1対1に対応することを利用して車体加速度
から路面の摩擦係数を推定することができるからであ
る。ただし、駆動トルク抑制制御開始時には路面の摩擦
係数が不明であるため、設定値S1 ,S2 として、小さ
い路面摩擦係数を想定して予め定められた値が用いら
れ、駆動トルク抑制制御中に、推定された路面摩擦係数
に応じて設定値S1 ,S2 が修正される。
【0056】S202とS203とのいずれか1つの判
定結果がNOになればS206が実行される。S206
においては、未だ駆動トルクの抑制制御が行われていな
ければ非制御状態が維持され、既に行われていれば制御
が終了させられる。駆動トルク抑制制御フラグ112が
リセットされるとともに、副スロットルバルブ16が全
開させられ、電磁開閉弁54が開かれれるとともに電磁
開閉弁76,80が閉じられ、ホイールシリンダ40,
42がマスタシリンダ44に連通させられて液圧ブレー
キが非作用状態にされるのである。また、S204の判
定結果がNOになった場合には、S207において駆動
トルク抑制制御フラグ112がセットされているか否か
が判定され、セットされていればS205が、セットさ
れていなければS206がそれぞれ実行される。S20
2とS203との判定結果がNOになることは駆動トル
クの抑制制御の終了条件であるが、S204の判定結果
がNOになることは終了条件ではなく、一旦駆動トルク
の抑制制御が開始された後は、駆動輪32,34のスリ
ップ率が設定値S1 より小さくなってもS205におい
て駆動トルクの抑制制御が継続されるのである。
【0057】次に、図1に示すフローチャートに基づい
て駆動トルクの抑制制御の禁止判定について説明する。
まず、S301においてアクセルペダル18の踏込操作
が行われているか否かの判定が行われる。アクセルペダ
ル18の踏込操作はアクセルスイッチ20の信号からわ
かり、アクセルペダル18が踏み込まれていなければS
301の判定結果はNOになり、S305において駆動
トルク抑制制御禁止フラグ114がリセットされてルー
チンの実行はメインルーチンに戻る。
【0058】アクセルペダル18が踏み込まれていれば
S301の判定結果はYESになり、S302において
車体速度VSOが駆動トルク抑制制御禁止判定用設定速度
2より小さいか否かの判定が行われる。駆動トルク抑
制制御禁止判定用設定速度V 2 は予めコンピュータのR
OMに格納されており、例えば2km/hとされる。車体速
度VSOが駆動トルク抑制制御禁止判定用設定速度V2
上であれば、車両は走行しているのであり、S302の
判定結果はNOになって駆動トルクの抑制制御は禁止さ
れない。
【0059】車体速度VSOが駆動トルク抑制制御禁止判
定用設定速度V2 より低ければ、S302の判定結果は
YESになってS303が実行され、先にS102にお
いて求められた左右の各駆動輪32,34と非駆動輪2
8,30との回転数差の累積値NnL,NnRのうち大きい
方の累積値がしきい値N1 以上であるか否かの判定が行
われる。このしきい値N1 は、駆動トルクの抑制制御の
目標スリップ率である設定値S 1 の、路面の摩擦係数が
低い場合における値を考慮して決定される。駆動トルク
の抑制制御が通常禁止されるべき深雪,砂地,ぬかるみ
等の摩擦係数は小さいからである。
【0060】なお、長い登坂路においては、路面の摩擦
係数が大きくても、前述のように駆動トルクの抑制制御
を禁止する必要が生じることがあり、かつ、本実施例に
おいては、前述のように、路面の摩擦係数が大きいほど
駆動トルクの抑制制御の目標スリップ率である設定値S
1 が小さい値に修正されるのであるが、登坂路において
は、傾斜度が大きいことと、摩擦係数が小さいことと
が、駆動輪のスリップに対して同じ影響を与え、駆動ト
ルクの抑制制御中の車体加速度を小さくするため、いず
れの場合にも路面の摩擦係数が小さい場合の設定値S
1 ,S2 で駆動トルクの抑制制御が行われる。したがっ
て、長い登坂路上で駆動トルクの抑制制御を禁止した方
がよい状況となる場合には、実際には路面の摩擦係数が
大きくても小さいものとして、比較的大きいスリップ率
を目標に駆動トルクの抑制制御が行われているはずであ
り、上記しきい値N1 が路面の摩擦係数が低い場合を想
定して決定されることは適切なことである。
【0061】前記S303の判定結果は当初NOであ
り、S305で駆動トルク抑制制御禁止フラグ114が
リセットされて、ルーチンの実行はメインルーチンに戻
る。駆動輪32,34のスリップが大きく、回転数差の
累積値NnL,NnRのうち、大きい方が設定値N1 以上に
なればS303の判定結果がYESになり、S304が
実行されて駆動トルク抑制制御禁止フラグ114がセッ
トされる。
【0062】S303の判定結果がYESとなるのは、
アクセルペダル18が踏み込まれており、かつ、車体速
度VSOが設定速度V2 より小さい状態で、累積値NnL
nRが設定値N1 を超えたときであって、このような結
果が生ずるのは、駆動トルクの抑制制御を禁止した方が
よい場合なのである。また、回転数差の累積値NnL,N
nRを演算するための係数aは、前述のように、スリップ
抑制効果があるときには設定値N1 を超えるほどの累積
値NnL,NnRが得られず、効果がないときには設定値を
超える累積値が得られる値に設定されている。そのた
め、累積値が設定値N1 以上になるということは、駆動
トルクの抑制制御の効果がないということであり、駆動
トルクの抑制制御の効果が得られているのに、誤って駆
動トルクの抑制制御が禁止されることが良好に回避され
る。
【0063】なお、本実施例において、S301および
S302の判定結果が共にYESになって始めて設定値
1 と比較される回転数差の累積値NnL,NnRは、判定
結果がYESになるまでの一定時間内における累積値で
あるから、厳密にはアクセルペダル18が踏み込まれ、
かつ、車体速度VSOが設定速度V2 以下であるという条
件が満たされてからの累積値ではない。しかし、車両発
進時には車体速度VSOが設定速度V2 以下であるという
条件は当然満たされているが、駆動輪32,34に実質
的なスリップが生ずるのはアクセルペダル18が踏み込
まれてからであるので、アクセルペダル18の踏込開始
時の累積値NnL,NnRは殆ど0であって、実質的にはア
クセルペダル18の踏込開始と同時に回転数差の累積値
の演算が開始され、その演算結果が設定値N1 と比較さ
れるに等しいから問題はない。また、登坂路上において
駆動トルクの抑制制御が行われ、駆動トルクが不足して
車体速度VSOが設定速度V2 より小さくなって始めて回
転数差の累積値NnL,NnRが設定値N1 と比較される際
には、既に駆動輪32,34に大きなスリップが生じて
いるから、条件が満たされる前の累積値NnL,NnRに基
づいて駆動トルクの抑制制御が禁止されることがある。
しかし、この場合には、条件が満たされる前の累積値N
nL,NnRと満たされた後のそれとに大差はないのが普通
であるから、やはり問題はない。
【0064】前述のように駆動トルク抑制制御フラグ1
12がセットされれば、次に駆動トルク抑制制御ルーチ
ンが実行されるとき、S201の判定結果がYESにな
り、S206が実行され、駆動トルクの抑制制御が解除
される。
【0065】以上のような駆動トルクの抑制制御の禁止
により、例えば、深雪,砂地,ぬかるみ等に駆動輪がは
まり込んだ場合に、駆動輪に十分な駆動トルクが与えら
れ、脱出が可能になる。また、長い登坂路を走行中に駆
動トルクの抑制制御により駆動輪32,34の駆動トル
クが負荷トルク以下まで抑制され、車体速度VSOが設定
速度V2 より小さくなった場合に、それ以降の累積値N
nL,NnRが設定値N1 を超えたとき駆動トルクの抑制制
御が禁止され、駆動トルクが増されて車両が加速され
る。そして、車体速度VSOが設定速度V2 より大きくな
ればS302の判定結果がNOとなり、S305におい
て駆動トルク抑制制御禁止フラグ114がリセットされ
て、駆動トルクの抑制制御が許容される。
【0066】本実施例においては、駆動トルク抑制制御
ルーチンの1回の実行毎に回転数差の累積値が設定値を
超えるか否かの判定が行われるため、駆動トルクの抑制
制御を遅れなく禁止することができる。その上、累積値
は、前回の累積値と今回の回転数差とを用いるのみで、
過去の一定時間内の複数個の回転数差を加算したのにほ
ぼ等しい値を得ることができ、少ない記憶容量で累積値
を求めることができる。実際に最新の複数個の回転数差
を加算する場合にはそれら複数の回転数差を記憶してお
くために複数の記憶領域を必要とするのに対し、記憶領
域が前回の累積値を記憶しておくための1つで済むから
である。
【0067】また、前記特開平1−145242号公報
に記載の加速スリップ制御装置においては、駆動トルク
の抑制制御が禁止されるべき場合に禁止されないことが
あったのに対し、本実施例ではそれを回避し得る。上記
公報記載の装置においては、駆動輪のスリップ率が大き
く、アクセルペダルの踏込み量が設定量以上であり、か
つ、車体速度が設定値以下の状態が設定時間(例えば2
秒間)継続したときに駆動トルクの抑制制御が禁止され
るようになっている。しかし、駆動輪32,34が深
雪,砂地,ぬかるみ等にはまり込んだ場合には、運転者
がアクセルペダル18の踏込み,解除、あるいは踏込量
の増減を繰り返すことがしばしばあり、この場合には
「アクセルペダルの踏込み量が設定量以上である状態が
設定時間継続」という条件が満たされず、加速スりップ
制御の禁止が行われない。それに対し、本実施例におい
ては、一定時間内における回転数差の累積値NnL,NnR
の演算がアクセルペダル18の操作状況とは無関係に継
続して行われており、アクセルペダル18が操作され、
かつ、車体速度VSOが設定速度V2 より小さいという条
件が満たされた瞬間に、累積値NnL,NnRの大きい方が
設定値N1を超えていれば駆動トルクの抑制制御が禁止
されるため、アクセルペダル18の踏込み,解除等が繰
り返されても、差し支えないのである。
【0068】なお、累積値NnL,NnRが演算される一定
時間を、アクセルペダル18の踏込み,解除等が繰り返
される場合の1回の踏込み時間より短くし、その間の累
積値NnL,NnRが超え得る大きさに設定値N1 を設定し
ておくことも可能であり、それによっても、駆動トルク
の抑制制御が禁止されるべき場合に禁止されないという
事態の発生を回避することができる。
【0069】また、本実施例においては、駆動トルクの
抑制制御の禁止が駆動輪32,34と非駆動輪28,3
0との回転数差の累積値NnL,NnRが設定値N1 を超え
たときに行われるようになっている。すなわち、駆動輪
32あるいは34のスリップ量の積算値が所定量に達し
たときに行われるようになっているため、設定値N
1を、駆動輪32,34の深雪,砂地,ぬかるみ等への
埋まり込みが脱出不可能な深さになる前のスリップ量積
算値に対応した値に設定しておけば、手遅れになること
を確実に回避することができる。
【0070】さらに、回転数差の累積値NnL,NnRが左
右それぞれにおいて独立に演算されるようになっている
ため、左右の駆動輪32,34の一方のみがぬかるみ等
にはまり込んだ場合に、手遅れになることを一層良好に
回避することができる。例えば、駆動輪と非駆動輪との
回転数差を、駆動輪と非駆動輪とのそれぞれについて、
左右の駆動輪の回転数の平均値の累積値と、左右の非駆
動輪の回転数の平均値の累積値との差によって求めるこ
とも可能であるが、この場合には、左右いずれか一方の
駆動輪のスリップが大きくなっても、駆動輪の回転数が
平均されるため、駆動輪と非駆動輪との回転数差が設定
値より大きくなるためには、ぬかるみ等にはまり込んだ
駆動輪が左右それぞれにおいて独立に演算される場合の
2倍程度スリップすることが必要である。したがって、
駆動トルクの抑制制御が禁止されたときには既に手遅れ
になっている事態が生じ易いのであるが、本実施例にお
いてはそれを回避することができるのである。
【0071】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、副スロットルバルブ16,主スロットルセ
ンサ22,副スロットル制御モータ24,副スロットル
センサ26がスロットル開度調節装置を構成し、電磁開
閉弁76,80により構成される電磁弁装置,駆動トル
ク制御用液圧源58,電磁開閉弁54および後輪32,
34の液圧ブレーキにより構成される車輪回転抑制装置
と共に駆動トルク抑制装置を構成している。また、コン
ピュータのROMのS202〜S207を記憶する部分
およびCPUのそれらステップを実行する部分が駆動ト
ルク抑制装置制御手段を構成し、アクセルスイッチ20
がアクセル操作検出手段を構成し、ROMのS4を記憶
する部分およびCPUのS4を実行する部分が車体速度
検出手段を構成し、左車輪回転数差累積値メモリ10
0,右車輪回転数差累積値メモリ102,駆動トルク抑
制制御禁止フラグ114,ROMのS201,S301
〜S305を記憶する部分およびCPUのそれらステッ
プを実行する部分が、駆動トルク抑制制御禁止手段ない
し加速スリップ制御禁止手段であり、かつ左右スリップ
勘案型駆動トルク抑制緩和手段ないし左右スリップ勘案
型加速スリップ制御緩和手段である駆動トルク抑制緩和
手段ないし加速スリップ制御緩和手段を構成している。
本実施例は態様2〜4および6〜8の一例である。
【0072】なお、上記実施例において駆動輪の回転数
差の累積値は、回転数差の前回の累積値と今回の回転数
差との2個の値を用いて演算されるようになっていた
が、一定時間(例えば、メインルーチンの1回の実行サ
イクルタイム)毎に検出される回転数差を設定時間分積
算することにより算出してもよい。この場合には、累積
を行う時間を一定時間で除した数の記憶領域を有する累
積値演算用メモリがRAMに設けられ、新たに回転数差
が算出され、記憶される毎に、最も古い回転数差が消去
され、記憶された全部の回転数差を加算して累積値が求
められる。このようにしても設定時間内の累積値が一定
時間毎に算出され、スリップ抑制緩和の判定が一定時間
毎に繰り返し行われる。
【0073】駆動輪と非駆動輪との回転数差の累積値
は、設定時間ごとにクリアして新たに求めるようにして
もよい。例えば、図8に示すフローチャートに従って車
輪回転数差の累積値が演算され、図9に示すフローチャ
ートに従って駆動トルクの抑制制御の禁止判定が行われ
るようにするのである。この場合、RAMは図7に示す
ように構成される。
【0074】車輪回転数差累積値演算ルーチンにおいて
は、S401において左右の駆動輪32,34と非駆動
輪28,30との各回転数差が演算された後、S402
において各回転数差の累積値が演算されるとともに、左
車輪回転数差累積値メモリ124,右車輪回転数差累積
値メモリ126にそれぞれ格納される。累積値の演算は
S404において算出された回転数差を左車輪回転数差
累積値メモリ124,右車輪回転数差累積値メモリ12
6にそれぞれ格納された累積値に加えることにより行わ
れる。S402が1回目に行われるときにはメモリ12
4,126はクリアされており、S401において演算
された値がメモリ124,126に格納される。
【0075】駆動トルク抑制制御禁止判定ルーチンのS
501〜S503は前記実施例の靴道トルク抑制禁止判
定ルーチンのS301〜S303と同様に実行される。
S503の判定結果は当初はNOであり、S506にお
いてカウンタ136のカウント値Cが設定値C1 以上で
あるか否かにより、回転数差が累積され始めてから設定
時間が経過したか否かの判定が行われる。この設定時間
は、駆動トルクの抑制制御により車両が良好に発進,加
速する場合に駆動輪と非駆動輪との回転数差の累積値が
設定値N1 に達するのに要する時間よりは短い時間であ
り、設定値C1はこの設定時間をメインルーチンの1サ
イクルの実行時間で除することにより得られる。
【0076】カウンタ136は初期設定においてリセッ
トされており、S506の判定結果はNOになってS5
07が実行され、カウント値Cが1増加させられてルー
チンの実行は終了する。カウント値C1 で表される時間
が経過する前に左右の各駆動輪と非駆動輪との回転数差
の累積値が設定値を超えればS503の判定結果がYE
Sになり、S504において駆動トルク抑制制御禁止フ
ラグ134がセットされるとともに、左車輪回転数差累
積値メモリ124,右車輪回転数差累積値メモリ126
がクリアされるとともに、回転数差演算フラグ132お
よびカウンタ136がリセットされる。
【0077】駆動トルク抑制制御禁止フラグ134がセ
ットされることにより、駆動トルクの抑制制御が解除さ
れる。また、各種メモリ124,126等のクリア、駆
動トルク抑制制御フラグ130,駆動トルク抑制制御禁
止フラグ132およびカウンタ136のリセットによ
り、再び回転数差の積算が0から開始され、アクセルペ
ダル18が踏み込まれ、車体速度VSOが設定速度V2
り小さく、かつ、累積値が設定値を超えたのがカウント
値C1 で表される設定時間内である限り、駆動トルクの
抑制制御が禁止され続ける。アクセルペダル18が解除
され、あるいは車体速度VSOが設定速度V2 以上となっ
て、S501,S502のいずれかの判定結果がYES
になれば、S505が実行され、各種メモリ124,1
26等のクリア,フラグ134およびカウンタ136等
のリセットにより、駆動トルクの抑制制御の実行が許容
されるとともに、駆動トルクの抑制制御の禁止判定が行
われる状態となる。
【0078】それに対し、回転数差が小さく、回転数差
の累積値が設定値を超えないうちにカウント値C1 で表
される設定時間が経過すれば、S506の判定結果がY
ESになってS505が実行され、駆動トルクの抑制制
御は禁止されない。この状態でも駆動トルクの抑制制御
を禁止するか否かの判定は行われ続け、条件が満たされ
れば禁止される。
【0079】本実施例においては、左車輪回転数差累積
値メモリ124,右車輪回転数差累積値メモリ126,
駆動トルク抑制制御禁止フラグ134,カウンタ13
6,ROMのS501,S502,S504〜S507
を記憶する部分およびCPUのそれらステップを実行す
る部分が左右スリップ勘案型駆動トルク抑制緩和手段で
ありかつ駆動トルク抑制禁止手段である駆動トルク抑制
緩和手段を構成している。本実施例は、態様2〜4,6
〜8の一例である。
【0080】上記各実施例においては、アクセルペダル
18が踏み込まれている間中、駆動トルクの抑制制御を
禁止するか否かの判定が行われるようになっていたが、
駆動トルクの抑制制御の開始から設定時間内においての
み、駆動トルクの抑制を禁止するか否かの判定が行われ
るようにしてもよい。
【0081】本実施例において、左右の駆動輪と非駆動
輪との回転数差の累積値演算は図1〜図6に示す実施例
におけると同様に行われ、RAMは図10に示すように
構成され、駆動トルクの抑制制御の禁止の判定は図11
に示すフローチャートに従って行われる。
【0082】S601においては駆動トルク抑制制御禁
止フラグ148がセットされているか否かにより、駆動
抑制制御が禁止されているか否かの判定が行われる。禁
止されていなければS601の判定結果はNOになり、
S602において駆動トルク抑制制御フラグ150がセ
ットされているか否かにより駆動トルク抑制制御が行わ
れているか否かの判定が行われる。駆動トルクの抑制制
御が行われておらず、駆動トルク抑制制御フラグ150
がリセットされていればS602の判定結果はNOにな
り、S610において各種メモリ140,142等のク
リア、駆動トルク抑制制御禁止フラグ148,カウンタ
152等のリセットが行われる。
【0083】駆動トルク抑制制御が行われており、駆動
トルク抑制制御フラグ150がセットされていればS6
02の判定結果はYESになってS603が実行され、
カウンタ152のカウント値Cが設定値C2 以上である
か否かにより、駆動トルク抑制制御の開始から設定時間
が経過したか否かの判定が行われる。設定時間は、駆動
トルクの抑制制御より車両が良好に発進,加速する場合
に駆動輪と非駆動輪との回転数差の累積値が設定値を超
えるのに要する時間より短い時間であり、設定値C2
設定時間をルーチンの1サイクルの実行時間で除した値
である。
【0084】S603の判定結果は当初はNOであり、
S604においてカウント値Cが1増加させられた後、
S605〜S609が前記S301〜S305と同様に
実行され、駆動トルク抑制制御を禁止するか否かの判定
が行われる。駆動トルクの抑制制御が禁止されることな
く設定時間が経過すればS601の判定結果がNO,S
602,S603の判定結果がYESになり、ルーチン
の実行は終了する。駆動トルク抑制制御が禁止されるこ
となく設定時間が経過すれば、以後は駆動トルク抑制制
御を禁止するか否かの判定が行われないのである。
【0085】それに対し、駆動トルク抑制制御が実行さ
れていて設定時間が経過する前にS605〜S607の
判定結果がいずれもYESになれば、S608において
駆動トルク抑制制御禁止フラグ148がセットされると
ともにカウンタ152がリセットされ、駆動トルク抑制
制御が解除されるようにされる。そして、次にS601
の判定が行われるとき、その判定結果はYESになって
S605〜S607が実行され、駆動トルク抑制制御の
禁止を解除してもよいか否かの判定が行われる。S60
5〜S607のいずか1つがNOになるまで駆動トルク
抑制制御が禁止され続け、駆動トルクの抑制制御の禁止
が解除されれば、再び駆動トルク抑制制御を実行するか
否かの判定が行われることとなる。
【0086】本実施例においては、左車輪用回転数差累
積値メモリ140,右車輪用回転数差累積値メモリ14
2,駆動トルク抑制制御禁止フラグ148,駆動トルク
抑制制御フラグ150,カウンタ152,ROMのS6
01〜S609を記憶する部分およびCPUのそれらス
テップを実行する部分が駆動トルク抑制制御開始時基準
駆動トルク抑制緩和手段を構成しているのである。本実
施例は、態様2,3,5〜8の一例である。
【0087】以上の実施例においては、スリップ量等の
累積値が演算される時間が制限されており、アクセル操
作部材が操作され、かつ、車体速度が設定速度より低い
という条件のもとで、累積値が設定値を超えたのが、設
定時間内においてであった場合に駆動トルク抑制制御が
禁止されるようになっていた。しかし、単純に、アクセ
ル操作部材が操作されており、かつ、車体速度が設定速
度より低いという条件が満たされている限り、スリップ
量等の累積値が演算され、演算値が設定値を超えれば駆
動トルク抑制制御が禁止されるようにすることも可能で
ある。
【0088】その一例を図12,図13に示す。この実
施例は、スリップ量の積算時間に制限が付されていない
点を除いて図1〜6の実施例と同じである。すなわち、
図4のフローチャートにおいては、アクセルペダル18
や車体速度VSOの状態いかんを問わず、S5において非
駆動輪28,30と駆動輪32,34との回転数差がほ
ぼ一定時間分積算されるようになっていたが、図12の
フローチャートにおいてはこのS5が省略されており、
代わりに、図13のフローチャートのS803において
回転数差の積算が行われるようになっている。すなわ
ち、本実施例においては、アクセルペダル18が操作さ
れており、かつ、車体速度VSOが設定速度V2 より低く
てS801およびS802の判定結果がYESである
間、S803において非駆動輪28,30と駆動輪3
2,34との回転数差が左右の車輪各々について積算さ
れるようになっているのである。
【0089】そして、S804において、演算された左
右の累積値NnL,NnRのうち大きい方が設定値N1 を超
えるか否かの判定が行われる。この判定の結果がYES
であれば、S805において駆動トルク抑制制御禁止フ
ラグ114がセットされるが、NOであればS805,
S806がバイパスされ、駆動トルク抑制制御禁止フラ
グ114のセットもリセットも行われることなく、1回
の駆動トルク抑制制御禁止判定ルーチンの実行が終了す
る。駆動トルク抑制制御禁止フラグ114のリセットは
S801,S802のいずれかの判定結果がNOになっ
た場合にS806で行われる。
【0090】本実施例においては、左車輪用回転数差累
積値メモリ100,右車輪用回転数差累積値メモリ10
2,駆動トルク抑制制御禁止フラグ114,ROMのS
801〜S806を記憶する部分およびCPUのそれら
ステップを実行する部分が駆動トルク抑制緩和手段の一
種である駆動トルク抑制禁止手段を構成している。本実
施例は、態様2,3,6〜8の一例である。
【0091】なお、上記各実施例においては駆動輪のス
リップが大きいときには駆動トルク抑制制御が禁止され
るようになっていたが、駆動輪の駆動トルク抑制量を減
少させるようにしてもよい。例えば、副スロットルバル
ブ16の開度を大きめに設定し、あるいは液圧ブレーキ
のホイールシリンダの制御モードを設定されたモードよ
り減圧側に変更するのである。例えば増圧モードに設定
されていれば保持モードに変更し、保持モードに設定さ
れていれば減圧モードに変更するのである。
【0092】さらに、上記各実施例において、駆動トル
ク抑制を緩和する必要があるか否かは、左右の駆動輪の
一方について判定され、緩和すると判定された場合には
左右の駆動輪の両方について駆動トルク抑制制御が緩和
されるようになっていたが、左右の車輪について別々に
駆動トルク抑制を緩和するか否かを判定し、別々に抑制
を緩和してもよい。
【0093】例えば、駆動トルク抑制装置が液圧ブレー
キを備えた駆動輪制動装置を含む場合には、左右の駆動
輪について別々に液圧ブレーキのホイールシリンダの制
御モードを設定し、別々に駆動トルク抑制を緩和するこ
とができる。
【0094】また、アクセルペダルが踏み込まれている
か否かによって駆動トルク抑制制御のスリップ抑制緩和
の判定が行われるようになっていたが、アクセルペダル
の踏込み量が設定量以上であるときにのみ駆動トルク抑
制緩和の判定が行われるようにすることも可能である。
【0095】さらに、上記各実施例においてエンジンの
出力は、スロットル開度調節装置により制御されるよう
になっていたが、例えば、フューエルカット装置を用い
てガソリンの供給量を減らしたり、点火時期制御装置に
より点火時期を調節して出力を調節してもよい。その場
合には、これらフュールカット装置や点火時期制御装置
が駆動トルク抑制装置を構成することとなる。
【0096】また、上記各実施例において駆動輪制動装
置の一構成要素であり、ホイールシリンダ圧を制御する
液圧制御装置としての電磁弁装置は、ホイールシリンダ
圧を増圧,保持,減圧の3つのモードで制御するように
なっていたが、増圧および減圧のみによって制御するも
のでもよく、あるいは緩,急2段階の勾配で増大,減少
させるものでもよい。
【0097】さらに、電磁弁装置は、2個の電磁開閉弁
により構成されていたが、ホイールシリンダを駆動トル
ク制御用液圧源とリザーバとに択一的に連通させる状態
とに切り換える電磁方向切換弁や、更にホイールシリン
ダをいずれにも連通させない状態にも切り換え可能な電
磁方向切換弁により構成してもよい。
【0098】また、図7〜図9に示す実施例におけるよ
うに回転数差の累積値を求める場合でも、駆動トルク抑
制制御の開始から設定時間内のみに駆動トルク抑制制御
の禁止を判定するようにしてもよい。
【0099】また、本発明は、アンチロック制御装置を
備えた車両の加速スリップ制御装置にも適用することが
できる。アンチロック制御装置は、液圧源と、その液圧
源の液圧を制御してホイールシリンダに供給する液圧制
御装置と、その液圧制御装置を制御し、車輪のスリップ
を適正範囲に保つ制御手段とを有するため、この液圧制
御装置を利用して駆動トルク抑制制御時にホイールシリ
ンダ圧を制御することができ、装置を安価に構成するこ
とができる。特に、液圧源がマスタシリンダとは別に設
けられた液圧源である場合には、液圧源も共用すること
ができ、更に安価に構成することができる。
【0100】さらに、駆動トルク抑制装置を構成するブ
レーキは、液圧ブレーキに限らず、電気エネルギの供給
を受けて車輪の回転を抑制する電気ブレーキでもよい。
電気ブレーキとしては、例えば、電動モータと、互に螺
合されていずれか一方が電動モータによって回転させら
れる雄ねじ部材およびナットと、それら雄ねじ部材およ
びナットのうち、電動モータによって回転させられる側
ではなく、回転不能かつ移動可能に支持された部材に取
り付けられた摩擦部材とを有し、ブレーキ操作部材の操
作量に応じて摩擦部材が移動させられて車輪の回転を抑
制するものが使用可能である。
【0101】また、ブレーキは、車輪の回転を直接抑制
するものでもよく、車軸の回転を抑制するものでもよ
い。さらに、本発明は四輪駆動車,四輪操舵車,二輪車
に設けられた加速スリップ制御装置にも適用することが
できる。また、本発明は、上記各実施例の構成要素の組
合わせを変えた態様で実施することができる。その他、
特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基
づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である加速スリップ制御装置
の駆動トルク制御ユニットの主要構成要素であるコンピ
ュータのROMに格納された駆動トルク抑制制御禁止判
定ルーチンを示すフローチャートである。
【図2】上記加速スリップ制御装置を液圧ブレーキ装置
と共に示す系統図である。
【図3】上記コンピュータのRAMの本発明に関連の深
い部分を取り出して概念的に示す図である。
【図4】上記コンピュータのROMに格納されたメイン
ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】上記コンピュータのROMに格納された車輪回
転数差累積値演算ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図6】上記コンピュータのROMに格納された駆動ト
ルク抑制制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】本発明の別の実施例である加速スリップ制御装
置の駆動トルク制御ユニットの主要構成要素であるコン
ピュータのRAMの、本発明に関連の深い部分を取り出
して概念的に示す図である。
【図8】図7に示すRAMを有するコンピュータのRO
Mに格納された車輪回転数差累積値演算ルーチンを示す
フローチャートである。
【図9】図7に示すRAMを有するコンピュータのRO
Mに格納された駆動トルク抑制制御禁止判定ルーチンを
示すフローチャートである。
【図10】本発明の更に別の実施例である駆動トルク抑
制制御装置の駆動トルク制御ユニットの主要構成要素で
あるコンピュータのRAMの本発明に関連の深い部分を
取り出して概念的に示す図である。
【図11】図10のRAMを有するコンピュータのRO
Mに格納された駆動トルク抑制制御禁止判定ルーチンを
示すフローチャートである。
【図12】本発明の更に別の実施例である加速スリップ
制御装置の駆動トルク制御ユニットの主要構成要素であ
るコンピュータのROMに格納されたメインルーチンを
示すフローチャートである。
【図13】図12のR0Mに格納された駆動トルク抑制
制御禁止判定ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
16 副スロットルバルブ 18 アクセルペダル 22 主スロットルセンサ 24 副スロットル制御モード 26 副スロットルセンサ 28,30 前輪 32,34 後輪 54 電磁開閉弁 58 駆動トルク制御用液圧源 70 駆動トルク制御ユニット 76,80 電磁開閉弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動輪の駆動トルクを制御する駆動トル
    ク抑制装置と、 その駆動トルク抑制装置を制御して駆動輪のスリップ率
    をほぼ適正値に保つ駆動トルク抑制装置制御手段とを含
    む加速スリップ制御装置において、 アクセル操作部材の操作を検出するアクセル操作検出手
    段と、 車体速度を検出する車体速度検出手段と、 少なくとも、前記アクセル操作検出手段により前記アク
    セル操作部材の操作が検出され、かつ、車体速度が設定
    速度以下の状態において、駆動輪のスリップ量とスリッ
    プ率との少なくとも一方の累積値が設定値を超えたとき
    に前記駆動トルク抑制装置制御手段に駆動トルクの抑制
    を緩和させる駆動トルク抑制緩和手段とを設けたことを
    特徴とする加速スリップ制御装置。
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