JP3696259B2 - 制動力制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両において、制動時の車輪のスリップを防止するアンチスキッドブレーキ装置等の、車輪の制動力を制御する制動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両には、制動時の車輪のスリップを防止するアンチスキッドブレーキ装置が開発されている。これらの装置においては、車輪の回転する速度と基準速度を比較して制動力を演算し制御している。基準速度は推定車体速度から演算する。ここで、駆動輪が空転している場合には、推定車体速度が実際の車体速度よりも多めになってしまうことがある。これを防止するために、特公平3−70658号公報に開示された技術においては、車輪速度が推定車体速度に所定値を加えた値よりも越えた状態が設定時間以上続いたとき車輪が空転と判断している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車輪の制動力を制御中は、車輪速度が推定車体速度から求める基準速度を越えた場合には制動力を増加させるので、車輪速度が減少する。このため、制動力制御を行っている車輪においては、車輪の空転が起こっていても、車輪速度がハンチングを起こして車輪速度が一向に下がっていかない状況があり得る。この状況の時、車輪速度は推定車体速度の付近を上下しているので、上記技術においては、充分空転を検出できないおそれがある。
【0004】
そこで、本発明においては、車輪の制動力を調整している際、車輪に制動力と駆動力が同時に働いていることによって車輪速度がハンチングしても、車両の制動を行うようにすることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては、ブレーキによる制動時に車輪の制動力を制御する制動力制御装置において、前記制動力制御装置は、前記車輪の速度を検出する車輪速度検出手段と、前記車輪の速度から車体の推定車体速度を求め、この推定車体速度から基準速度を算出する基準速度算出手段と、制動力の制御開始時にその時の前記車輪の速度を基準にして設定され且つ所定の減速度で減速する空転判定車速を求め、該空転判定車速を前記車輪速度が越えた時、車輪の空転と判断する空転判断手段と、前記車輪速度検出手段、前記基準速度算出手段及び前記空転判断手段の出力を受け、前記車輪の速度と前記基準速度を比較し、前記車輪の制動力を決定するとともに、前記空転判断手段が車輪の空転と判断した際、前記車輪の制動力を増加する制動力調整手段とを備えるよう構成している。
【0006】
【作用】
上記構成によれば、基準速度算出手段は車体の推定車体速度を求め、この推定車体速度から基準速度を算出する。制動力調整手段はこの基準速度と車輪速度を比較し、車輪の制動力を決定する。これにより、車輪は推定車体速度に準じて制動され、車輪が推定車体速度からかけ離れることがなくなり、車輪のスリップが防止できる。
【0007】
ここで、例えば、アクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏んだとき等、車輪制動力と駆動力が同時に働く場合には、制動力を解除すると急激に車輪速度が上昇して基準速度を上回る。これに応じて、制動力が増加され、車輪速度が減少する。車輪速度が充分下がると、再び制動力が弱まり、急激に車輪速度が上昇する。このため、車輪速度はハンチングを起こすだけで、車両の減速が働かなくなる場合がある。一方、空転判断手段は、制動力の制御開始時にその時の車輪の速度を基準にして設定され且つ所定の減速度で減速する空転判定車速を求め、、該該空転判定車速を車輪速度が越えた時、車輪の空転と判断する。よって、車輪速度がハンチングを起こして下がらない場合には、車輪速度が空転判定車速を超える状態が必ず到来して車輪の空転と判断され、制動力調整手段が車輪の制動力を増加する。これにより、車輪の空転時にも車両の減速が充分に行える。
【0008】
【実施例】
本発明は図1に示すように、ブレーキによる制動時に車輪の制動力を制御する制動力制御装置20において、車輪21の速度Vwを検出する車輪速度検出手段22と、車輪速度Vwから車体の推定車体速度Vsを求め、この推定車体速度Vsから基準速度A1を算出する基準速度算出手段23と、制動力の制御開始時にその時の車輪速度Vwを基準にして設定され且つ所定の減速度で減速する空転判定車速Vs1を求め、該空転判定車速Vs1を車輪速度Vwが越えた時、車輪の空転と判断する空転判断手段24と、前記車輪速度検出手段22、前記基準速度算出手段23及び前記空転判断手段24の出力を受け、前記車輪21の速度Vwと前記基準速度A1を比較し、前記車輪21の制動力を決定するとともに、前記空転判断手段24が車輪の空転と判断した際、車輪21の制動力を増加する制動力調整手段25とを備えるよう構成している。
【0009】
これを更に具体的に示したものが図2〜6に示す本発明の第1実施例である。
【0010】
図2はブレーキペダル40の踏込みに応じて各輪に設けられたホイールシリンダ31,32,33,34の油圧を上昇させ制動力を加える油圧式の制動力制御装置30を示している。
【0011】
マスターシリンダ39はブレーキペダル40の踏込み量に応じて油圧配管41,42の油圧を上昇させる。電磁弁52および電磁弁53は常開弁であり、それぞれ油圧配管41と油圧配管43の間および油圧配管41と油圧配管44の間に介装されている。油圧配管43は前右輪35のホイールシリンダ31と連通する。油圧配管44は前左輪36のホイールシリンダ32と連通する。電磁弁55および電磁弁56は常閉弁であり、それぞれ油圧配管43とリザーバ58の間および油圧配管44とリザーバ58の間に介装されている。リザーバ58は加圧されたとき内部に油を蓄える。カット弁46が油圧配管41と油圧配管43の間に介装され、油圧配管43から油圧配管41への油の流通のみを許容する。カット弁47が油圧配管41と油圧配管44の間に介装され、油圧配管44から油圧配管41への油の流通のみを許容する。カット弁49が油圧配管41とリザーバ58の間に介装され、リザーバ58から油圧配管41への油の流通のみを許容する。
【0012】
電磁弁54は常開弁であり、油圧配管42と油圧配管45の間に介装されている。油圧配管45は後右輪37のホイールシリンダ33及び後左輪38のホイールシリンダ34と連通する。電磁弁57は常閉弁であり、油圧配管45とリザーバ59の間に介装されている。リザーバ59は加圧されたとき内部に油を蓄える。
【0013】
カット弁48が油圧配管42と油圧配管45の間に介装され、油圧配管45から油圧配管42への油の流通のみを許容する。カット弁50が油圧配管42とリザーバ59の間に介装され、リザーバ59から油圧配管42への油の流通のみを許容する。2連のポンプ51がそれぞれリザーバ58と油圧配管41の間およびリザーバ59と油圧配管42の間に介装されており、モータ51aの回転によりそれぞれリザーバ58から油圧配管41へおよびリザーバ59から油圧配管42へ油を送出する。6個の電磁弁52,53,54,55,56,57およびモータ51aは制御回路64に接続されており、制御回路64からの信号により駆動される。各輪35,36,37,38には、それぞれ車輪の回転速度を検出する車輪速センサ60,61,62,63が車輪近傍に設置されており、それぞれの検出信号は制御回路64に送られる。
【0014】
制御回路64の回路構成を図3に示す。車輪速センサ60,61,62,63はそれぞれ入力インターフェース回路66,67,68,69を介してマイクロコンピュータ71の入力ポートに接続されている。モータ51aは出力インターフェース72を介してマイクロコンピュータ71の出力ポートに接続されている。前右輪増圧ソレノイド52a,前右輪減圧ソレノイド55a,前左輪増圧ソレノイド53a,前左輪減圧ソレノイド56a,後輪増圧ソレノイド54aおよび後輪減圧ソレノイド57aはそれぞれ図2の前右輪増圧用の電磁弁52,前右輪減圧用の電磁弁55,前左輪増圧用の電磁弁53,前左輪減圧用の電磁弁56,後輪増圧用の電磁弁54および後輪減圧用の電磁弁57を駆動するものであり、それぞれ出力インターフェース73,74,75,76,77,78を介してマイクロコンピュータ71の出力ポートに接続されている。
【0015】
図4はマイクロコンピュータ71のメインルーチンのフローチャートである。
【0016】
マイクロコンピュータ71が図示しない電源スイッチのオンにより作動を開始すると、まずステップ80にて初期化が行われる。ここでは、入出力ポートの設定や内部のメモリの初期設定が行われる。ここで、空転状態フラグを設定し、この空転状態フラグはオフ状態を示す「0」に設定される。また、各輪の車輪速度Vw,推定車体速度Vs,空転判定車速Vs1をそれぞれ0Km/hに設定する。
【0017】
更に、各輪の車輪加速度DVwを0Gに設定する。次にステップ81において各輪の車輪速度Vwを演算する。ここでは、各輪の車輪速度センサ60〜63の出力を受けてそれぞれの輪の回転速度を演算している。次にステップ82において各輪の車輪加速度DVwを演算する。ここでは、各輪毎に、車輪速度Vwを受けて、車輪速度Vwを微分して車輪加速度DVwを演算している。次に、ステップ83にて制御開始条件が成立したか否かを判断し、制御開始条件が成立しているときステップ84のブレーキ液圧制御を実行する。制御開始条件は、車輪がロックしたとき、またはロックしかかったときに成立するものとする。具体的には、ブレーキペダルが踏まれた状態において、車輪速度Vwが許容範囲を越え、車輪加速度DVwが許容範囲を越えて増加したときに制御開始とする。制御開始後は車輪のロックが完全に解消するまでブレーキ液圧制御を続ける。次にステップ85にて推定車体速度Vsを演算する。推定車体速度Vsの設定方法は、多々あるが、ここでは、4輪の最大値を基準に演算する。通常は4輪の最大値を推定車体速度Vsとし、単位時間に推定車体速度が−1G/秒を越える減速を起こした時には前回の推定車体速度から1G×単位時間を引いた値を改めて推定車体速度Vsとする。ここで、いずれか1輪に後述する空転判定が行われた場合には、推定車体速度が実際の車体速度からずれてしまうので、空転した輪を除いた3輪の最大値を基準に演算する。いずれか2輪以上に空転判定が行われた場合も同様に空転していない輪から推定車体速度を演算する。推定車体速度Vsの演算が終わると、次にステップ86にて空転判定車速Vs1を演算する。空転判定車速Vs1は車輪の空転を判断するためのもので、演算方法は後述する。次に、ステップ87にてフェイルセーフを行いステップ81に戻る。フェイルセーフは装置の各部分の故障を自己判断し、故障による危険状態が発生しないよう制御を変更したり、中止したりするものである。
【0018】
図5はステップ84のブレーキ液圧制御の詳細を示すフローチャートである。
【0019】
まずステップ90〜95で空転状態を判定する。ステップ90では空転状態フラグが「1」であればステップ96へ、「0」であればステップ91へ飛ぶ。ステップ91では車輪速度Vwが空転判定車速Vs1未満であれば空転判定カウンタCsを0とし、車輪速度Vwが空転判定車速Vs1以上であればステップ92へ飛ぶ。ステップ92では空転判定カウンタCsの値が所定値Kb以下であれば空転判定カウンタCsをインクリメント(+1)し、空転判定カウンタCsの値が所定値Kbを越えるとステップ95にて空転判定フラグを「1」にセットする。
【0020】
次に、ステップ96にて路面の状態を判定する。ここでは路面の摩擦係数μを推定し、ステップ97〜100にてμに応じて基準速度A1演算用の変数Kaを設定する。路面μが高μ,中μ,低μのとき、変数Kaは、それぞれ定数Kh,Km,Ksに設定される。この定数は予め設定された値であり、例えば、Khは90%に、Kmは93%に、Ks95%に設定されている。
【0021】
次に、ステップ101にて基準速度A1を設定する。基準速度A1は、推定車体速度Vsに変数Kaを掛けた値と推定車体速度Vsから5Km/hを引いた値のいずれか低い方を選ぶ。また、ステップ102にて基準加速度B1を設定する。基準加速度B1は固定値−1.5Gとしている。
【0022】
次に、ステップ103〜109にて出力の状態を切り換える。ステップ103では、車輪速度Vwが基準速度A1以上であれば、ステップ107のパルス増出力を行い、車輪速度Vwが基準速度A1未満であればステップ104へ飛ぶ。ステップ104では、車輪加速度DVwが基準加速度B1以上であればステップ105へ飛び、車輪加速度DVwが基準加速度B1未満であればステップ106へ飛ぶ。ステップ105では、空転判定フラグが「1」であればステップ107のパルス増出力を行い、空転判定フラグが「0」であればステップ108の保持出力を行う。ステップ106では、空転判定フラグが「1」であればステップ108の保持出力を行い、空転判定フラグが「0」であればステップ109の減圧を行う。ステップ107のパルス増出力は、電磁弁52〜57のうち対象となる輪の電磁弁を選択し、減圧側の電磁弁を閉じ、増圧側の電磁弁をパルス的に開閉する。例えば、前左輪35の場合には、電磁弁55を閉じ、電磁弁52を定期的に開閉する。ステップ108の保持出力は、電磁弁52〜57のうち対象となる輪の電磁弁を選択し、増圧側,減圧側共電磁弁を閉じる。例えば、前左輪35の場合には、電磁弁52及び55を閉じる。ステップ109の減圧出力は、電磁弁52〜57のうち対象となる輪の電磁弁を選択し、増圧側の電磁弁を閉じ、減圧側の電磁弁を開く。例えば、前左輪35の場合には、電磁弁52を閉じ電磁弁5555を開ける。増圧側の電磁弁を開閉すると、マスターシリンダからの圧力がホイールシリンダに加わりホイールシリンダが加圧され車輪の制動力が増加する。
【0023】
また、減圧側の電磁弁を開くとホイールシリンダからリザーバへ油が流れ、制動力が減少する。増圧側,減圧側両方を閉じるとホイールシリンダが密閉され制動力は保持される。
【0024】
図6は図4のステップ86の空転判定車速Vs1演算の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップ110で制御開始タイミングであれば、ステップ112にて空転判定車速Vs1を推定車体速度Vsに変数Kaを加えた値に設定する。制御開始タイミングはブレーキペダルを踏んだときブレーキペダルを踏んだことを検出する図示しないスイッチの出力に応じて判断する。またステップ111にて制御中でなければ、推定車体速度Vs1は0Km/hに設定されている。
【0025】
制御中であれば、ステップ114にて前回演算時の空転車体速度Vs1から演算周期時間tに定数Gaを掛けた値を引いて改めて空転車体速度Vs1とする。この定数Gaは空転車体速度Vs1の加速度が−0.08Gとなるように設定している。これは、氷上にて車両が制動したときにスリップせずに止まれる時の加速度が−0.1G程度になることから、余裕をみて設定している。
【0026】
上記第1実施例の作用を図7のタイムチャートを参照して説明する。ブレーキペダルを踏んでいない状態(図示1の状態)では、出力は増圧になっており、マスターシリンダ39と各輪のホイールシリンダ31〜34が連通しており、何時でも制動に入ることが可能になっている。ここでブレーキペダル40を踏むと、各輪のホイールシリンダ31〜34のブレーキ液圧が高まり車輪速度Vwが減少する(図示2の状態)。また、空転判定車速Vs1が推定車体速度Vs+変数Kaに設定される。尚、この時点の推定車体速度Vsと車輪速度Vwはほぼ同じと考えて、空転判定車速Vs1は車輪速度Vw+変数Kaとしてもよい。推定車体速度Vsも車輪速度Vwを基に演算されるので、いずれにしても、空転判定車速Vs1は車輪速度Vwを基準にして設定される。ここで、制御開始条件条件が成立すると、制御中になり、減圧出力される。これによりブレーキ液圧は減少し、制動力が弱まる(図示3の状態)。空転判定車速Vs1は定数Gaにより定まる減速度で減少していく。ここで、車輪加速度DVwが基準加速度B1以上になると、保持出力に切り替わり、ブレーキ液圧は保持される(図示4の状態)。その後、車輪速度Vwが基準速度A1を上回るとパルス的に増圧が行われ、ブレーキ液圧が段階的に増加していく(図示5の状態)。通常は、減圧,保持,増圧が適宜変更され、車輪がスリップしない程度に制動力が調整されて制動が行われる。
【0027】
ここで、運転者が何らかの状況でパニックに陥りブレーキペダルとアクセルペダルを同時に踏んでしまった場合、減圧または保持を行うと車輪速度の上昇が激しく、路面の状態によっては、図示6〜13に示すように車輪速度がある範囲でハンチングを起こし、一向に減速されない状況が起こる。しかし、空転判定車速Vs1は時間とともに減少しているので、上記状況が発生しても、車輪速度Vwが空転判定車速Vs1を上回る状況が必ず発生する(図示14の状態)。このとき、空転判定カウンタCsがカウントアップを開始し、所定回数Kbを越えると空転状態フラグが「1」となる(図示14の状態)。このとき、推定車体速度Vsは他の輪の車輪速度に応じて演算され、基準速度A1も変更される。この後、車輪加速度DVwが基準加速度B1未満になっても減圧出力は行われず保持出力となり、(図示17の状態)、通常は保持出力になるところがパルス増出力となる(図示16の状態)。このように空転が検出されると制動力の増加傾向が強まり、車輪速度が落ちていき、ハンチングが解消される。
【0028】
図8,9は本発明の第2実施例を示す。第2実施例は第1実施例の1部を変更したものである。図8において、Gセンサ65及びこの入力インターフェース70が追加される。Gセンサ65は車両に働く加速度を測定するものであり、通常は車両のほぼ中央に置かれる。図9において第1実施例のステップ111とステップ114の間にステップ115〜118が挿入されいてる。ステップ114の定数Gaが変数に変更されており、ステップ116〜118でGaの値が設定される。ステップ115では、Gセンサ65により測定した車両の減速度Gに応じて、Gaの値を変更する。減速度Gが高Gのとき、ステップ116にて変数Gaは予め求められた値Ghに設定される。減速度Gが中Gのとき、ステップ117にて変数Gaは予め求められた値Gmに設定される。減速度Gが低Gのとき、ステップ118にて変数Gaは予め求められた値Gsに設定される。高Gとは路面がドライアスファルトまたはウェットの場合の制御中の減速度の場合に対応するものであり、値Ghは−0.3G程度に設定する。中Gとは圧雪路の場合の制御中の減速度の場合に対応するものであり、値Gmは−0.15G程度に設定する。低Gとは氷上の場合の制御中の減速度の場合に対応するものであり、値Gsは−0.08G程度に設定する。各値は車両の重量やタイヤの形状等により変わってくるので、車両毎に最適な値を設定するとよい。
【0029】
第2実施例においては、車両に実際に働く減速度に応じて空転判定車速Vs1を設定しているので、空転の判定が速やかに行えるという利点がある。
【0030】
第2実施例において、推定車体速度VsもGセンサ65の出力に応じて調整するようにしてもよい。
【0031】
上記実施例においては、油圧を増減させて制動力を調整する油圧式の制動力制御装置を示したが、油圧以外の方式で制動力を調整するようにしてもよい。
【0032】
以上説明したように、本実施例においては、ブレーキによる制動時に車輪35〜38の制動力を制御する制動力制御装置30において、前記車輪の速度を検出する車輪速度検出手段である車輪速センサ60〜63および車輪速度Vw演算ステップ82と、車輪速度Vwから車体の推定車体速度Vsを求め、この推定車体速度Vsから基準速度A1を算出する基準速度算出手段である推定車体速度Vs演算ステップ85及び基準速度A1設定ステップ101と、制動力の制御開始時にその時の車輪速度Vwまたは推定車体速度Vsを基準にして設定され且つ所定の減速度Gaで減速する空転判定車速Vs1を求め、該空転判定車速Vs1を車輪速度Vwが超えた時、車輪の空転と判断する空転判断手段である空転判定車速Vs1演算ステップ86、110〜114及びステップ90〜95と、前記車輪速度検出手段、前記基準速度算出手段及び前記空転判断手段の出力を受け、前記車輪速度Vwと前記基準速度A1を比較し、前記車輪の制動力を決定するとともに、前記空転判断手段が車輪の空転と判断した際、前記車輪の制動力を増加する制動力調整手段であるステップ103〜109とを備えている。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、制動時の車輪のスリップを防止できると共に、駆動力と制動力が同時に働くような、例えばブレーキペダルとアクセルペダルが同時に踏まれたような状態においても、車輪の空転を確実に止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制動力制御装置のブロック図
【図2】本発明の第1実施例の油圧回路図
【図3】本発明の第1実施例の制御回路の回路図
【図4】本発明の第1実施例のマイクロコンピュータのメインルーチンのフローチャート
【図5】図4のブレーキ液圧制御ルーチンのフローチャート
【図6】図4の空転判定車速Vs1演算ルーチンのフローチャート
【図7】本発明の第1実施例のタイムチャート
【図8】本発明の第2実施例の制御回路の回路図
【図9】本発明の第2実施例の空転判定車速Vs1演算ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
20,30 制動力制御装置
21 車輪
22 車輪速度検出手段
23 基準速度算出手段
24 空転判断手段
25 制動力調整手段
31,32,33,34 ホイールシリンダ
35 前右輪 36 前左輪
37 後右輪 38 後左輪
39 マスターシリンダ 40 ブレーキペダル
41,42,43,44,45 油圧配管
46,47,48,49,50 カット弁
51 ポンプ 51a モータ
52,53,54,55,56,57 電磁弁
52a 前右輪増圧ソレノイド 55a 前右輪減圧ソレノイド
53a 前左輪増圧ソレノイド 56a 前左輪減圧ソレノイド
54a 後輪増圧ソレノイド 57a 後輪減圧ソレノイド
58,59 リザーバ
60,61,62,63 車輪速センサ
64 制御回路 65 Gセンサ
66,67,68,69,70 入力インターフェース回路
71 マイクロコンピュータ
72,73,74,75,76,77,78 出力インターフェース
A1 基準速度 B1 基準加速度
Cs 空転判定カウンタ DVw 車輪加速度
Vs 推定車体速度 Vs1 空転判定車速
Vw 車輪速度

Claims (1)

  1. ブレーキによる制動時に車輪の制動力を制御する制動力制御装置において、
    前記制動力制御装置は、前記車輪の速度を検出する車輪速度検出手段と、
    前記車輪の速度から車体の推定車体速度を求め、この推定車体速度から基準速度を算出する基準速度算出手段と、
    制動力の制御開始時にその時の前記車輪の速度を基準にして設定され且つ所定の減速度で減速する空転判定車速を求め、該空転判定車速を前記車輪速度が越えた時、車輪の空転と判断する空転判断手段と、
    前記車輪速度検出手段、前記基準速度算出手段及び前記空転判断手段の出力を受け、前記車輪の速度と前記基準速度を比較し、前記車輪の制動力を決定するとともに、前記空転判断手段が車輪の空転と判断した際、前記車輪の制動力を増加する制動力調整手段と、
    を備えたことを特徴とする制動力制御装置。
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