JPH08202917A - 硬貨選別装置 - Google Patents

硬貨選別装置

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JPH08202917A
JPH08202917A JP7046088A JP4608895A JPH08202917A JP H08202917 A JPH08202917 A JP H08202917A JP 7046088 A JP7046088 A JP 7046088A JP 4608895 A JP4608895 A JP 4608895A JP H08202917 A JPH08202917 A JP H08202917A
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coil
coin
frequency
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sorting device
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Shigeki Takayama
茂樹 高山
Hiroshi Otomo
博 大友
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    • G07DHANDLING OF COINS OR VALUABLE PAPERS, e.g. TESTING, SORTING BY DENOMINATIONS, COUNTING, DISPENSING, CHANGING OR DEPOSITING
    • G07D5/00Testing specially adapted to determine the identity or genuineness of coins, e.g. for segregating coins which are unacceptable or alien to a currency
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    • GPHYSICS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複数のコイルが同時に硬貨の判定を行えるよう
にすることにより硬貨選別装置の小型化を図り、また、
シンプルな発振回路を用いて相異なる周波数を発振させ
ることにより低価格で性能のよい硬貨選別装置を提供す
る。 【構成】 左右一対の各検出コイルが内側コイルと外側
コイルから構成され、一方の内側コイルと他方の内側コ
イルの接続と一方の外側コイルと他方の外側コイルの接
続のうち、何れか一方が和動接続されたときに他方が差
動接続されるとともに、何れか一方の発振周波数が他方
の発振周波数の2倍以上の関係に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の自動販売機、両
替機およびゲーム機などのように、投入された硬貨によ
って作動させられる様々な機器に組み込まれる硬貨選別
装置に関し、特に電子的に硬貨の寸法や材質などを検出
して硬貨を選別する硬貨選別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまでの硬貨選別装置として、硬貨選
別コイルが発生する磁束を投入された硬貨がさえぎると
きの回路のインピーダンスの変化に基づき、その投入さ
れた硬貨を受け入れるべきかどうかを判断する形式のも
のが知られている。
【0003】第1の従来技術 そのような硬貨選別装置として、たとえば、米国特許第
3,870,137号公報に記載された装置(以下、本
明細書において「第1の従来技術」という。)がある。
第1の従来技術の場合は、米国の10セントや25セン
ト硬貨などのように、それぞれ材質の異なる薄片を重ね
て形成された硬貨(laminated coins)
を選別することを主目的としている。このようにラミネ
ートされた硬貨(本明細書において「ラミネート硬貨」
という。)を選別するためには、硬貨内部の材質とそれ
を覆う硬貨表皮の材質の双方を検出する必要がある。
【0004】そこで、第1の従来技術は、比較的低い周
波数により発生する磁束は硬貨の内部まで透過するが、
比較的高い周波数により発生する磁束は硬貨の表皮しか
透過しないという性質を利用している。すなわち、第1
の従来技術は、複数の発振装置のそれぞれに比較的低い
周波数と比較的高い周波数を発振させ、これらにより硬
貨内部の材質と硬貨表皮の材質を検出している。そし
て、発振装置を構成する発振コイルが硬貨通路に沿って
並べられ、これらが、硬貨が通過するのに伴い低い周波
数による磁束とそれに遅れて高い周波数による磁束を通
過硬貨に与えている。
【0005】第2の従来技術 次に、特開平3−180992号公報に記載された装置
(以下、本明細書において「第2の従来技術」とい
う。)が知られている。第2の従来技術は、送信コイル
と受信コイルと発振器とからおおむね構成されている。
この送信コイルは、硬貨通路を挟んで受信コイルと対向
して設けられ、発振器は、送信コイルに異なる周波数の
電流を交互に印加するように構成されている。第2の従
来技術も、第1の従来技術と同様に、印加する電流の周
波数を高くすると磁束が硬貨を透過しなくなるという傾
向に着目し、その改善を図ったものである(同公報左上
段第16〜17行目)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した先行
技術には、次のような問題点があった。第1の従来技術の問題点 第1の従来技術の場合は、硬貨通路に沿って発振コイル
が複数個並べられているので、移動硬貨が最初の発振コ
イルを通過した後最後の発振コイルを通過するまで硬貨
を受け入れるべきかどうかの判定できない。また、その
分だけ硬貨通路を硬貨の移動方向に長くしなければなら
ない。したがって、前者の場合は、硬貨が投入されてか
ら判定結果が出されるまでの時間、すなわち、判定期間
が比較的長いものとなってしまう。この結果として、受
け入れの決定から受け入れゲート等の受入機構を作動さ
せるまでの時間が十分にとれない場合があり、この時間
を十分にとるためには、発振コイルから受入機構までの
距離を長くする必要があった。このために、硬貨選別装
置全体が大型化してしまうという問題が生じた。さら
に、後者の場合も、硬貨通路が長くなるために、硬貨選
別装置の大型化という問題の原因となっていた。
【0007】第2の従来技術の問題点 第2の従来技術の場合は、一対の発振コイルと受信コイ
ルにより硬貨の選別を行っているので、第1の従来技術
にあるような装置の大型化の問題点は解消され得る。し
かし、送信コイルに異なる周波数の電流を交互に印加す
るように構成された発振器は、構造が複雑で高価なた
め、改良が望まれていた。
【0008】本発明の解決しようとする技術的課題は、
上述した従来技術の問題点を解決しようとするものであ
って、判定時間を必要最小限のものとすること、すなわ
ち、複数のコイルが同時に硬貨の判定を行えるようにす
ることにより硬貨選別装置の小型化を図り、また、シン
プルな発振回路を用いて相異なる周波数を発振させるこ
とにより低価格で性能のよい硬貨選別装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の問題
点を解決するために発明者は、複数のコイルを重ねて種
々の実験を行ってみた。すなわち、複数のコイルを硬貨
通路に沿って並べるのではなく、コイルを直径の小さい
内側コイルと、その内側コイルを取り囲む直径を持つ外
側コイルに分け、これらを重ね合わせた上で内側コイル
同士または外側コイル同士の接続方法を変え、さらに、
各々のコイルに低い周波数(LF)と高い周波数(H
F)からなる相異なる周波数の電流を印加し、その様子
を詳細に観察した。
【0010】まず、接続方法について観察したところ、
発明者は次のような結果を得た。内側コイル同士と外側
コイル同士をそれぞれ同一の方法で接続した場合、すな
わち前者を和動接続(差動接続)した時に後者も和動接
続(差動接続)した場合は、両コイルに印加する周波数
にかかわらず、波形が乱れてしまい、硬貨が通過した時
のインピーダンスの変化を正確に読み取ることができな
かった。なお、本明細書において「和動接続」とは一方
のコイルの作る磁束と他方のコイルが作る磁束が相加わ
るような接続のことをいい、また、「差動接続」とは一
方のコイルの作る磁束と他方のコイルの作る磁束が互い
に相殺するような接続のことをいう。
【0011】一方、図4の(1)に示すように内側コイ
ル同士を差動接続するとともに同図の(2)に示すよう
に外側コイル同士を内側コイル同士と異なる和動接続し
た場合は図10に示すように、インピーダンスの変化を
良好に読み取ることができた。また、これとは逆に、前
者を和動接続すると共に、後者を差動接続した場合も同
様に良好に読み取ることができた(図示せず)。なお、
図4に示す矢印は、磁力線の流れを示している。
【0012】次に、LFとHFの関係に着目した発明者
は、両者をどの程度まで近づけることができるか両周波
数の組み合わせを変えながら実験した。その結果、LF
とHFを2倍以内(2LF<HF)とした場合は、両者
が相互に干渉してインピーダンスの変化を良好に読み取
ることができなないことを確認した。図9に示すのはL
Fとして100KをHFとして140Kを使用した
ときの様子である。一方、LFとHFが2倍以上(2L
F<HF)に設定すれば問題ないが、好ましくは、LF
として60KHzを、また、HFとして120KHz以
上を使用すれば、両者間に干渉が生ずることはなく硬貨
の選別を良好に行い得ることを確認した。そこで、発明
者は、上述した課題を解決するための技術的手段とし
て、以下のような構成を採用した。
【0013】請求項1記載の硬貨選別装置の特徴 硬貨投入口3と、当該硬貨投入口3から投入された硬貨
が転がり動く硬貨通路4と、当該硬貨通路4を転がり動
く硬貨面に臨む検出コイル6と、当該検出コイル6の磁
界に硬貨が与える影響を検出して投入硬貨の選別を行う
判定手段15が設けられた硬貨選別装置において、当該
検出コイル6には、当該硬貨通路4の一側に設けられた
一方のコイル6aと、当該硬貨通路4を挟んで当該一方
のコイル6aと対向配置された他方のコイル6bが含ま
れ、当該一方のコイル6aには、第1の内側コイル6a
と当該第1の内側コイル6aを囲む第1の外側コイ
ル6aが含まれ、当該他方のコイル6bには、第2の
内側コイル6bと当該第2の内側コイル6bを囲む
第2の外側コイル6bが含まれている。当該第1の内
側コイル6aと当該第2の内側コイル6bが接続さ
れるとともに、当該第1の外側コイル6aと当該第2
の外側コイル6bが接続され、当該第1の内側コイル
6aと当該第2の内側コイル6bが和動接続されて
いる場合は当該第1の外側コイル6aと当該第2の外
側コイル6bが差動接続され、当該第1の内側コイル
6aと当該第2の内側コイル6bが差動接続されて
いる場合は当該第1の外側コイル6aと当該第2の外
側コイル6bが和動接続されている。当該第1の内側
コイル6aおよび当該第2の内側コイル6bが含ま
れる発振回路の周波数が第1の周波数とされ、当該第1
の外側コイル6aおよび当該第2の外側コイル6b
が含まれる発振回路の周波数が第2の周波数とされた場
合、当該第1の周波数と当該第2の周波数の何れか一方
の周波数が他方の周波数の2倍以上の関係に設定されて
いる。
【0014】請求項2に記載の硬貨選別装置の特徴 請求項1記載の硬貨選別装置において、当該第1の内側
コイル6aと当該第1の外側コイル6aが、または
/および当該第2の内側コイル6bと当該第2の外側
コイル6bが、単一のコアの中に巻かれている。
【0015】請求項3記載の硬貨選別装置の特徴 請求項1記載の硬貨選別装置において、当該第1の内側
コイル6aと当該第1の外側コイル6aが、または
/および当該第2の内側コイル6bと当該第2の外側
コイル6bが、同心円である。
【0016】請求項4記載の硬貨選別装置の特徴 請求項1記載の硬貨選別装置において、当該第1の内側
コイル6aと当該第1の外側コイル6aが、または
/および当該第2の内側コイル6bと当該第2の外側
コイル6bが、互いに相似形である。
【0017】請求項5記載の硬貨選別装置の特徴 硬貨投入口1と、当該硬貨投入口1から投入された硬貨
が転がり動く硬貨通路4と、当該硬貨通路4を転がり動
く硬貨面に臨む検出コイル6と、当該検出コイル6の磁
界に硬貨が与える影響を検出して投入硬貨の選別を行う
判定手段15が設けられた硬貨選別装置において、当該
検出コイル6には、当該硬貨通路4の一側に設けられた
一方のコイル6cと、当該硬貨通路4を挟んで当該一方
のコイル6cと対向配置された他方のコイル6dが含ま
れ、当該一方のコイル6aには、第1のコイル6c
当該第1のコイル6cの厚み方向に積み重ねられた当
該第1のコイル6cと同心円の第1の重なりコイル6
が含まれ、当該他方のコイル6dには、第2のコイ
ル6dと当該第2のコイル6dの厚み方向に積み重
ねられた当該第2のコイル6dと同心円の第2の重な
りコイル6dが含まれている。当該第1のコイル6c
と当該第2のコイル6dが接続されるとともに、当
該第1の重なりコイル6cと当該第2の重なりコイル
6dが接続され、当該第1のコイル6cと当該第2
のコイル6dが和動接続されている場合は当該第1の
重なりコイル6cと当該第2の重なりコイル6d
差動接続され、当該第1のコイル6cと当該第2のコ
イル6dが差動接続されている場合は当該第1の重な
りコイル6cと当該第2の重なりコイル6dが和動
接続されている。当該第1のコイル6cおよび当該第
2のコイル6dが含まれる発振回路の周波数が第1の
周波数とされ、当該第1の重なりコイル6cおよび当
該第2の重なりコイル6dが含まれる発振回路の周波
数が第2の周波数とされた場合、当該第1の周波数と当
該第2の周波数の何れか一方の周波数が他方の周波数の
2倍以上の関係に設定されている。
【0018】請求項6記載の硬貨選別装置の特徴 請求項5記載の硬貨選別装置において、当該第1のコイ
ル6cと当該第1の重なりコイル6c、または、当
該第2のコイル6dと当該第2の重なりコイル6d
の組み合わせのうち、少なくとも何れか一方の組み合わ
せにおける各コイルの直径が同一に形成されている。
【0019】請求項7記載の硬貨選別装置の特徴 請求項5記載の硬貨選別装置において、当該第1のコイ
ル6cと当該第1の重なりコイル6c、または、当
該第2のコイル6dと当該第2の重なりコイル6d
の組み合わせのうち、少なくとも何れか一方の組み合わ
せにおける各コイルが互いに相似形に形成されている。
【0020】請求項8記載の硬貨選別装置の特徴 請求項1ないし7何れか記載の硬貨選別装置において、
当該一方の周波数が、10〜200KHzである。
【0021】
【作用】硬貨投入口から投入された硬貨が硬貨通路を通
過すると検出コイルが作る磁束をさえぎり、これにより
検出コイルのインピーダンスが変化する。このとき、検
出コイルを構成する一方のコイルが低い周波数に設定さ
れていて、その磁束は通過硬貨の主として内部に浸透
し、他方のコイルが高い周波数に設定されていて、その
磁束は通過硬貨の主として表皮に浸透し、それぞれが通
過硬貨の材質により特有のインピーダンス変化を生じ
る。この変化は、判定手段に予め納められている受け入
れるべき硬貨のデータと比較され、その結果が所定の範
囲内であれば、通過硬貨は受け入れるべきものと判断
し、範囲外であれば受け入れるべきものではないと判断
する。
【0022】
【実施例】以下、本発明に係る硬貨選別装置の実施例
を、各図面に基づいて説明する。実施例1 この硬貨選別装置は、たとえば、各種の自動販売機やゲ
ーム機等に組み込まれるものであり、その裁断概略正面
図を図1に示してある。なお、図1において、理解を容
易にするために、検出コイル等の大きさを誇張して描い
てある。硬貨選別装置1には、仮想線で示す硬貨2(以
下、「投入硬貨」という)が投入される硬貨投入口3
と、投入硬貨が転がり動く硬貨通路4と、硬貨通路4の
下流部に設けられた硬貨通過ゲート5と、硬貨通路4を
転がり動く投入硬貨の硬貨面すなわち側面に臨む検出コ
イル6とが設けられている。
【0023】図2は、図1のI−I線上の断面図を矢印
方向に見た様子を示している。ここで、検出コイル6
は、図2に示すように、硬貨通路4を挟んで対向配置さ
れた一対の一方のコイル6aと他方のコイル6bから構
成されている。図3は、一方のコイル6aを硬貨通路4
の側から見た(図2における矢印Aの方向)状態を示し
ている。なお、一方のコイル6aと他方のコイル6bと
は、同一の形態に構成される必要は必ずしもないが、本
実施例においては、他方のコイル6bも第1のコれル6
aと同じ形態に構成されているので、ここでは、第1の
コイル6aについてだけ説明する。一方のコイル6a
は、図3に示すように、各々円形の第1の内側コイル6
と第1の内側コイル6aを囲む第1の外側コイル
6aが同心状に巻かれており、両コイルは円形のフェ
ライトコア7の中に納められている。なお、検出コイル
6およびフェライトコア7は、円形である必要はなく、
他のあらゆる形態を用いることができる。
【0024】第1の内側コイル6aおよび第1外側コ
イル6aの中心を、硬貨通路4上を転がり動く投入硬
貨の中心が描く軌跡が通るように配置するとよい。ま
た、検出コイル6から硬貨通過ゲート5までの距離は、
硬貨通過ゲート5を開閉するソレノイド(図示せず)の
動作時間との関係から最適なものとする必要があるが、
複数の検出コイルを硬貨通路に沿って複数個並べた場合
と比べ、硬貨判別時間が短い分だけ短くすることができ
る。
【0025】次に、コイルの接続方法について説明す
る。内側コイル同士の接続と、外側コイル同士の接続
が、同じ方法すなわち両者ともに和動接続または差動接
続されることはない。これは、内側コイルと外側コイル
が相互に干渉するのを防ぐためのものであり、何れか一
方が和動接続された場合は、他方が差動接続されるよう
に構成されている。
【0026】これを、図4に基づいて、さらに詳しく説
明する。図4(1)は第1の外側コイル6aの、(2)
は第1の内側コイルのある瞬間における電流I,I
の流れおよび磁束の様子をそれぞれ示している。(1)
は両外側コイルの巻き方向が同一に、すなわち和動接続
されていて、第1の外側コイルの作る磁束と第2の外側
コイルが作る磁束が相加わるように構成されている。一
方、(2)は両内側コイルの巻き方向が相違するよう
に、すなわち第1の内側コイルの作る磁束と第2の内側
コイルの作る磁束が互いに相殺するように接続されてい
る。また、本実施例の接続方法とは逆に、両外側コイル
の接続を差動接続とするとともに、両内側コイルを和動
接続としても同様な硬貨を得ることができる。
【0027】次に、LFとHFの関係について、図6お
よび図7を参照しながら説明する。図6は、第1の内側
コイルと第2の内側コイル同士が和動接続された様子を
示し、図7は第1の外側コイルと第2の外側コイル同士
が差動接続された様子を示している。両図に示すグラフ
では、横軸に発振周波数を示し、縦軸に電圧を示してい
る。硬貨を投入していないときにおける発振回路の電圧
を1Vに設定し、両図に示す材質の硬貨を投入したとき
に降下する電圧の状態を示している。投入硬貨の材質と
して、本実施例においては銅、アルミニューム、真鍮、
鉄、鉛、洋白(ニッケル、銅および亜鉛の合金に銀めっ
きをしたもの)、ステンレスを使用した。
【0028】まず、図6のグラフにおいて、発振周波数
を30KH付近に設定した場合には、銅、アルミニュ
ーム、真鍮、鉄、鉛、洋白、そして、ステンレスの順番
で電圧の変化が大きくなる。一方、図7のグラフにおい
て、発振周波数を60KHz付近に設定した場合には、
ステンレス、洋白、鉛、アルミニューム、真鍮、そし
て、鉄の順番で電圧の変化が大きくなる。この場合にお
いて、前者は和動接続されており後者は差動接続されて
いるが、これらを逆に、すなわち前者が差動接続される
とともに後者が和動接続された場合も同様の値を得た。
このことは、たとえば、ステンレスだけに注目すれば、
和動接続された場合に一番変化が大きかったものが、差
動接続された場合には反対に一番変化が小さいことにな
る。このように、発振周波数と接続方法を適当に選択す
ることにより、顕著な電圧変化を読み取ることができ
る。
【0029】本実施例においては、LFとして30KH
z付近(和動接続)が用いられ、HFとして180KH
z付近(差動接続)が用いられている。このような周波
数が用いられるのは、HFをLFが2倍以上に設定され
ていれば、相互に干渉することなく良好に電圧の変化を
示すからである。発明者の実験によれば、LFとして1
0KHz〜200KHzを使用し、これに伴いHFとし
て20KHz以上を使用することが好ましいことが判明
した。
【0030】次に、図5に基づいて、投入硬貨が判別さ
れる流れを説明する。第1の検出コイル6aを含む第1
の発振回路11aおよび第2の検出コイル6bを含む第
2の発振回路11bが検出した硬貨特性データは、整流
回路12,12と,A/Dコンバータ13を介してCP
U14に入力される。入力された硬貨特性データは、C
PU14に記憶されるとともに判定手段15に送られ
る。そして、判定手段15は、硬貨特性データと受け入
れるべき硬貨のデータがあらかじめ記憶されている記憶
手段16から与えられる正規硬貨データとを比較して、
その結果が一定の範囲内にあるかどうかを判定し、その
判定結果をCPU14に送る。
【0031】このようにして送られた判定結果が一定の
範囲内にある場合、すなわち、投入硬貨が受け入れるべ
き硬貨である場合は、CPU14からゲート制御手段1
7にゲート開放指令が送られ、これによりゲート5が開
放され、投入硬貨が硬貨受け入れシュート(図示せず)
へ導かれる。一方、投入硬貨が受け入れるべき硬貨では
ない場合は、ゲート開放指令が送られないのでゲート5
が開放されず、投入硬貨は硬貨返却シュート(図示せ
ず)に案内される。
【0032】実施例2 実施例2においては、基本的な作用効果については実施
例1と同様であるが、検出コイルの形態において相違す
る。すなわち、図8に示すように、硬貨通路を挟んで一
方のコイル6cと他方のコイル6dが対向配置されてい
る点は実施例1の場合と同様である。一方のコイル6c
は、第1のコイル6cと第1の重なりコイル6c
から構成されている。第1の重なりコイル6cは、第
1のコイル6cの厚み方向に硬貨通路4から離れる位
置に設けられている。他方のコイル6dは、第2のコイ
ル6dと第2の重なりコイル6dとから構成されて
いる。第2の重なりコイル6dは、第2のコイル6d
の厚み方向に硬貨通路4から離れる位置に設けられて
いる。各コイルの接続方法や発振周波数は、は実施例1
の場合と同様である。
【0033】実施例2においては、一方のコイル6cを
構成する第1のコイル6cと第1の重なりコイル6c
、および、他方のコイル6dを構成する第2のコイル
6dと第2の重なりコイル6dは、何れも同径、同
心に形成されているが、これに限る必要はない。少なく
とも何れか一方の組み合わせにおける各コイルが互いに
相似形に形成されていてもよい。
【発明の効果】本発明にかかる硬貨選別装置を使用する
場合は、硬貨通路に沿って発振コイルが複数個並べられ
ているわけではないので、判定時間を必要最小限のもの
とすることができる。すなわち、複数のコイルが同時に
硬貨の判定を行えるようにすることにより硬貨選別装置
の小型化を図ることができる。また、シンプルな発振回
路を用いて相異なる周波数を発振させることにより低価
格でラミネート硬貨等も確実に識別し得る性能のよい硬
貨選別装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる硬貨選別装置の裁断側面図で
ある。
【図2】 図1のI−I線上の断面を矢印の方向に見た
図である。
【図3】 一方のコイルの平面図である。
【図4】 実施例1におけるコイルの接続状態を示す概
略図である。
【図5】 本発明に掛かる硬貨選別装置の電気回路を示
す図である。
【図6】 コイルを和動接続した場合の特性データを示
す図である。
【図7】 コイルを差動接続した場合の特性データを示
す図である。
【図8】 実施例2におけるコイルの接続状態を示す概
略図である。
【図9】 LFとHFが相互に干渉した様子を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 硬貨選別装置 2 投入硬貨 3 硬貨投入口 4 硬貨通路 5 硬貨通過ゲート 6 検出コイル 6a 一方のコイル 6a 第1の内側コイル 6a 第1の外側コイル 6b 他方のコイル 6b 第2の内側コイル 6b 第2の内側コイル 6c 一方のコイル 6c 第1のコイル 6c 第1の重なりコイル 6d 他方のコイル 6d 第2のコイル 6d 第2の重なりコイル 7 フェライトコア 11a 第1の発振回路 11b 第2の発振回路 12 整流回路 13 A/Dコンバータ 14 CPU 15 判定手段 16 記憶手段 17 ゲート制御手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬貨投入口と、当該硬貨投入口から投入さ
    れた硬貨が転がり動く硬貨通路と、当該硬貨通路を転が
    り動く硬貨面に臨む検出コイルと、当該検出コイルの磁
    界に硬貨が与える影響を検出して投入硬貨の選別を行う
    判定手段が設けられた硬貨選別装置において、 当該検出コイルには、当該硬貨通路の一側に設けられた
    一方のコイルと、当該硬貨通路を挟んで当該一方のコイ
    ルと対向配置された他方のコイルが含まれ、 当該一方のコイルには、第1の内側コイルと当該第1の
    内側コイルを囲む第1の外側コイルが含まれ、 当該他方のコイルには、第2の内側コイルと当該第2の
    内側コイルを囲む第2の外側コイルが含まれ、 当該第1の内側コイルと当該第2の内側コイルが接続さ
    れるとともに、当該第1の外側コイルと当該第2の外側
    コイルが接続され、 当該第1の内側コイルと当該第2の内側コイルが和動接
    続されている場合は当該第1の外側コイルと当該第2の
    外側コイルが差動接続され、当該第1の内側コイルと当
    該第2の内側コイルが差動接続されている場合は当該第
    1の外側コイルと当該第2の外側コイルが和動接続さ
    れ、 当該第1の内側コイルおよび当該第2の内側コイルが含
    まれる発振回路の周波数が第1の周波数とされ、当該第
    1の外側コイルおよび当該第2の外側コイルが含まれる
    発振回路の周波数が第2の周波数とされた場合、当該第
    1の周波数と当該第2の周波数の何れか一方の周波数が
    他方の周波数の2倍以上の関係に設定されていることを
    特徴とする硬貨選別装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の硬貨選別装置において、 当該第1の内側コイルと当該第1の外側コイルが、また
    は/および当該第2の内側コイルと当該第2の外側コイ
    ルが、単一のコアの中に巻かれていることを特徴とする
    硬貨選別装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の硬貨選別装置において、 当該第1の内側コイルと当該第1の外側コイルが、また
    は/および当該第2の内側コイルと当該第2の外側コイ
    ルが、同心円であることを特徴とする硬貨選別装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の硬貨選別装置において、 当該第1の内側コイルと当該第1の外側コイルが、また
    は/および当該第2の内側コイルと当該第2の外側コイ
    ルが、互いに相似形であることを特徴とする硬貨選別装
    置。
  5. 【請求項5】硬貨投入口と、当該硬貨投入口から投入さ
    れた硬貨が転がり動く硬貨通路と、当該硬貨通路を転が
    り動く硬貨面に臨む検出コイルと、当該検出コイルの磁
    界に硬貨が与える影響を検出して投入硬貨の選別を行う
    判定手段が設けられた硬貨選別装置において、 当該検出コイルには、当該硬貨通路の一側に設けられた
    一方のコイルと、当該硬貨通路を挟んで当該一方のコイ
    ルと対向配置された他方のコイルが含まれ、 当該一方のコイルには、第1のコイルと当該第1のコイ
    ルの厚み方向に積み重ねられた当該第1のコイルと同心
    円の第1の重なりコイルが含まれ、 当該他方のコイルには、第2のコイルと当該第2のコイ
    ルの厚み方向に積み重ねられた当該第2のコイルと同心
    円の第2の重なりコイルが含まれ、 当該第1のコイルと当該第2のコイルが接続されるとと
    もに、当該第1の重なりコイルと当該第2の重なりコイ
    ルが接続され、 当該第1のコイルと当該第2のコイルが和動接続されて
    いる場合は当該第1の重なりコイルと当該第2の重なり
    コイルが差動接続され、当該第1のコイルと当該第2の
    コイルが差動接続されている場合は当該第1の重なりコ
    イルと当該第2の重なりコイルが和動接続され、 当該第1のコイルおよび当該第2のコイルが含まれる発
    振回路の周波数が第1の周波数とされ、当該第2のコイ
    ルおよび当該第2の重なりコイルが含まれる発振回路の
    周波数が第2の周波数とされた場合、当該第1の周波数
    と当該第2の周波数の何れか一方の周波数が他方の周波
    数の2倍以上の関係に設定されていることを特徴とする
    硬貨選別装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の硬貨選別装置において、当
    該第1のコイルと当該第1の重なりコイル、または、当
    該第2のコイルと当該第2の重なりコイルの組み合わせ
    のうち、少なくとも何れか一方の組み合わせにおける各
    コイルの直径が同一に形成されていることを特徴とする
    硬貨選別装置。
  7. 【請求項7】請求項5記載の硬貨選別装置において、当
    該第1のコイルと当該第1の重なりコイル、または、当
    該第2のコイルと当該第2の重なりコイルの組み合わせ
    のうち、少なくとも何れか一方の組み合わせにおける各
    コイルが互いに相似形に形成されていることを特徴とす
    る硬貨選別装置。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7何れか記載の硬貨選別装
    置において、 当該一方の周波数が、10〜200KHzであることを
    特徴とする硬貨選別装置。
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