JPH08200A - 麺用粉および麺類 - Google Patents
麺用粉および麺類Info
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- JPH08200A JPH08200A JP6162977A JP16297794A JPH08200A JP H08200 A JPH08200 A JP H08200A JP 6162977 A JP6162977 A JP 6162977A JP 16297794 A JP16297794 A JP 16297794A JP H08200 A JPH08200 A JP H08200A
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Abstract
50:50の重量比で含有する麺用粉であって、必要に応じ
て粒径20μを超える小麦粉及び/又は他の穀粉を麺用粉
の全重量に基づいて30重量%以下で含有していてもよい
麺用粉、およびそれを用いて得られた麺類。 【効果】 本発明による場合は、茹でた時に煮崩れが生
ずることなく短時間で茹であげが可能な麺類や、短時間
で蒸しあげの可能な麺類を得ることができ、しかも本発
明で得られる麺類は、滑らかさ、粘弾性、風味に優れて
おり、その上ゆでのび、麺の老化が極めて小さく、その
ような良好な食感、食味および風味を茹でたり、蒸した
り、湯戻しした後に時間が経過しても長期間に亙って保
つことができる。
Description
る。詳細には、茹で時間が短くてすみ、茹でたときに煮
崩れが生じず、食感、食味および風味に優れ、ゆでのび
および麺の老化の極めて少ない麺類を製造することので
きる麺用粉、および該麺用粉を用いて製造された麺類に
関する。
はその粒度分布が広く、数μ〜数百μにまで及んでいる
が、そのうちの大半(約80重量%以上)が約20μ〜
約150μの範囲に分布しており、このような通常の麺
用小麦粉ではその蛋白質含有量は約8〜13重量%とな
っている。
て得られる麺類は、滑らかさ、粘弾性、風味などの点で
ある程度優れているものの、未だ充分に満足のゆくもの
ではなく、一層の品質の改良が求められている。また、
上記した通常の麺用小麦粉を用いて得られる麺類は、茹
でるのに長い時間を要し、茹でた後は短時間のうちにゆ
でのびや麺の老化を生じて、食感、食味、風味などが大
きく低下し易いという欠点がある。
かくソフトにするために小麦粉に澱粉を添加して麺類を
製造することがしばしば行われている。そして、澱粉を
添加した場合には茹で時間の短縮および食感をソフトに
するという点ではある程度の効果があるものの、茹であ
げ時に煮崩れを生じ易く、そのため茹で歩留りを低く抑
える必要がある。また澱粉を添加すると、小麦粉のもつ
風味や香りなどが薄らいでしまい、しかも茹でた際に水
っぽく、粘弾性に欠けたものとなり、更にゆでのびや麺
の老化が生じ易くなるので、麺に粘弾性や腰を付与した
り、ゆでのびや老化を低減するために、活性グルテンな
どの増強剤を加える必要がある。
てそのまま冷蔵温度や常温で流通・販売するようにした
いわゆる“茹麺類”が多く販売され、このような茹麺類
は袋から取り出すだけでそのまま簡単に使用できて利便
性に優れることから消費者に好まれ、その需要が増加し
ているが、このような茹麺類では、その外観や食感を低
下させずに商品価値を良好に保つ上で茹であげ時に煮崩
れや形崩れがないこと、茹であげ後に時間が経過しても
ゆでのびや麺の劣化が少なく、茹であげ直後と同様の良
好な食感、食味、風味などを保つことができることが強
く求められている。更に、生産性やコストなどの点から
は、所定の歩留りの茹麺類を短時間の茹で処理で製造で
きることが重要な課題となっている。しかしながら、従
来の麺用小麦粉、またはこれに澱粉を配合したものを用
いて製造される茹麺類の場合は、上記したような種々の
欠点を有しているために、茹でた状態で流通・販売され
る茹麺類に対するこれらの要求を充分に満たすことが困
難である。また、上記のような食感、食味および風味の
改良および麺の老化の防止は、茹麺類だけではなく、蒸
麺類、蒸した後に油で揚げて製造される即席麺類などに
おいても強く求められている。
あげ時に煮崩れや形崩れを生ずることがなく、短時間で
所定の歩留りに茹であげることができ、そのために茹で
歩留りを低く抑える必要がなく、しかも茹であげた麺は
滑らかさ、粘弾性、風味などの点で極めて優れていて、
水っぽくなく、その上茹であげ後に時間が経過してもゆ
でのびや麺の老化が極めて少なくて、良好な食感、食味
および風味を保つことのできる麺類およびそのための麺
用粉を提供することである。特に、本発明の目的は、茹
麺類として流通・販売するのに適する麺類およびそのた
めの麺用粉を提供することである。更に、本発明の目的
は、茹麺類としてだけでなく、蒸麺にした場合、更に蒸
した後に油で揚げて即席麺にした場合にも、蒸し時間を
短縮でき、麺の老化が生じにくく、良好な品質を長期間
に亙って保つことにできる蒸麺類や即席麺類を得ること
のできる麺用粉およびそれより得られる麺類を提供する
ことである。
めに、本発明者らは、麺類の製造に用いる小麦粉の内
容、原料の配合割合、添加剤の種類、麺の製造工程など
の種々の点に関して検討を重ねてきた。その結果、その
粒径が数μ〜数百μの範囲に分布し、しかもその約80
重量%以上が約20μ〜約150μの粒径範囲に分布す
る上記した従来の麺用小麦粉の代わりに、粒径が20μ
以下の微粉状小麦粉を使用し、この微粉状小麦粉に澱粉
を特定の割合で配合して麺用粉を調製し、この麺用粉を
用いて麺類を製造すると、グルテンなどの増強剤を添加
しなくても、茹であげ時に煮崩れや形崩れを生ずること
がなく、そのため茹で歩留りを低く抑えることなく従来
と同様の歩留りにまで短時間で茹であげることができ、
しかも滑らかさ、粘弾性、風味などの点でも極めて優れ
ていて、水っぽさがなく、その上、茹であげ後に時間が
経過してもゆでのびや麺の老化の極めて少ない麺類が得
られることを見出した。更に本発明者らは、そのような
麺用粉を用いて茹麺の他に蒸麺や即席麺を製造してみた
ところ、蒸麺類や即席麺類においても蒸し時間を短縮で
き、しかも麺の老化が従来よりも少なく、長期間にわた
って良好な食感、食味などを保つことができることを見
出し、これらの発見に基づいて本発明を完成した。
麦粉および澱粉を、(粒径20μ以下の小麦粉):(澱
粉)=90:10〜50:50の重量比で含有すること
を特徴とする麺用粉である。そして、本発明は、上記の
麺用粉を用いて製造された麺類である。
(以下単に「20μ以下小麦粉」という)は、粒径が2
0μ以下の微粉小麦粉からなるものであればいずれでも
よく、その由来や調製法などは特に制限されない。例え
ば、 (i) 従来市販の中力小麦粉、薄力小麦粉、準強力小
麦粉、強力小麦粉などの小麦粉を篩分け、空気分級、ま
たはこれらを併用して、粒径が20μ以下の区分と粒径
が20μよりも大きい区分に分級し、粒径が20μ以下
の区分を回収する方法; (ii) 従来市販の中力小麦粉、薄力小麦粉、準強力小
麦粉、強力小麦粉などの小麦粉に粉砕処理を施して微粉
の含有割合を高めてから、篩分け、空気分級、またはこ
れらを併用して、粒径が20μ以下の区分と粒径が20
μよりも大きい区分に分級し、粒径が20μ以下の区分
を回収する方法; などによって20μ以下小麦粉を調製することができ
る。しかし、勿論これらの方法に限定されず、他の方法
で調製してもよい。
小麦粉、薄力小麦粉、準強力小麦粉、強力小麦粉を粉砕
処理せずにそのまま分級処理して粒径が20μ以下の区
分を回収する上記(i)の方法で得られる20μ以下小
麦粉を使用するのが、小麦粉中の損傷澱粉などが少ない
ので好ましい。そして、その場合には分級処理に用いる
原料小麦粉として、従来から麺用粉として用いられてい
る小麦粉を使用するのがより好ましい。
て、粒径がより微細な小麦粉、すなわち20μ以下小麦
粉のうちで粒径が10μ以下の微粉の占める割合が50
重量%以上である超微粉小麦粉を使用するのが望まし
く、その場合には、茹で時間や蒸し時間の短縮、煮崩れ
や形崩れの防止、麺の滑らかさ、粘弾性、風味、ゆでの
びおよび麺の老化の防止などの点で一層改良した麺類を
得ることができる。
0重量%以上である20μ以下小麦粉は、使用する原料
小麦粉の種類によっては、その原料小麦粉を単に粒径が
20μ以下の区分と20μを超える区分とに上記した篩
分け、空気分級、それらの併用などの分級方法で分離す
るだけで得られることもある。しかし、一般には、原料
小麦粉を篩分け、空気分級、これらの併用などの適当な
分級手段を使用して、粒径が10μ以下の微粉区分と粒
径が10μを超える区分とに分級し、粒径が10μ以下
の微粉区分を回収する方法を採用するのが、粒径が10
μ以下の微粉を50重量%以上の割合で含有する小麦粉
を確実に得ることができるので望ましい。
一般にその蛋白質含量が約14〜20重量%であり、一
方従来の麺用小麦粉では蛋白質含量が約8〜13重量%
であるので、本発明で使用する20μ以下小麦粉は従来
の麺用小麦粉に比べてその蛋白質含量がかなり高くなっ
ている点に特徴がある。
粉と共に澱粉を必須成分として含有するが、澱粉の種類
は特に制限されずいずれの澱粉も使用できる。本発明で
使用し得る澱粉の例としては、ワキシーコーンスター
チ、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、
タピオカ澱粉などを挙げることができ、そのうちでも、
ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉が得られる麺の
食感の点から好ましい。澱粉の粒径は特に制限されず、
任意の粒径のものを使用することができる。
粉と澱粉を、(20μ以下小麦粉):(澱粉)=90:
10〜50:50の重量比で含有することが必要であ
る。20μ以下小麦粉および澱粉の合計重量に基づいて
20μ以下小麦粉の割合が90重量%よりも多いと(澱
粉の割合が10重量%よりも少ないと)、茹でたり蒸し
たりするのに長時間を要するようになり、しかも得られ
る茹麺は滑らかさ、粘弾性、風味が低下し、また蒸麺や
即席麺においても粘弾性や風味が低下し、ゆでのびおよ
び麺の老化が生じ易くなる。一方、20μ以下小麦粉お
よび澱粉の合計重量に基づいて20μ以下小麦粉の割合
が50重量%よりも少ないと(澱粉の割合が50重量%
よりも多いと)、茹でたときに煮崩れを生じ易くなっ
て、通常の歩留りまで茹でることができなくなり、しか
も得られる茹麺は滑らかさ、粘弾性、風味が大幅に低下
し、また蒸麺や即席麺の場合も粘弾性や風味が大幅に低
下する。茹で時間や蒸し時間の短縮、煮崩れの防止、得
られる茹麺類の滑らかさ、粘弾性、風味、ゆでのびおよ
び老化の防止などの点から、(20μ以下小麦粉):
(澱粉)=80:20〜60:40の重量比になるよう
にするのがより好ましい。
以下小麦粉および澱粉と共に、必要に応じて、更に粒径
が20μを超える小麦粉(以下「20μ超小麦粉」とい
う)および他の穀粉の一方または両方を含有していても
よい。20μ超小麦粉および/または他の穀粉を含有す
る場合は、その含有量(20μ超小麦粉および他の穀粉
の両方を含有する場合は両者の合計含有量)を、麺用粉
の全重量に基づいて30重量%以下にすることが必要で
あり、20重量%以下であるのが好ましい。20μ超小
麦粉および/または他の穀粉の含有量が30重量%を超
えると、麺類を茹でたり蒸したときに、滑らかさ、粘弾
性、風味が低下し、またゆでのびおよび麺の老化を生じ
易くなる。本発明の麺用粉で用いる他の穀粉としては、
例えばそば粉、大麦粉、米粉、大豆粉などを挙げること
ができ、これらの穀粉は1種のみを使用しても2種以上
を使用してもよい。
製造に通常用いられている、食塩;鶏卵;山芋;海苔;
カン水;縮合リン酸塩、ガム類などの保水剤;乳化剤;
活性グルテンなどの蛋白強化剤;増粘剤;ビタミン、ミ
ネラル、アミノ酸などの栄養強化剤;保存剤などのうち
の1種または2種以上を必要に応じて用いてもよい。
り、蒸した後油で揚げたりして食される麺類のいずれも
が包含され、特に茹でて食される麺類に適している。ま
た麺類の種類は、うどん(丸うどん、平うどんなど)、
ひやむぎ、そうめん、中華麺類、スパゲッティやマカロ
ニなどのパスタ類、日本そばなどのいずれでもよく、こ
れらの麺類は、茹麺、生麺、乾麺、半乾麺、蒸麺、冷凍
麺、即席麺などのいずれの形態であってもよい。そし
て、上記した麺類のうちでも、本発明は茹麺類として流
通・販売されている麺類の製造に特に適している。麺類
の製造に当たっては、それぞれの麺類において従来から
知られている製造方法、製造装置、製造条件などを採用
することができる。
が、本発明はそれにより何ら限定されない。以下の例に
おいて、特に断らない限り、%は重量%を、部は重量部
を表す。また、小麦粉の粒度分布は、西ドイツALPI
NE社製の「エアージェットシーブ200LS型」を使
用して測定した。
雀」;蛋白質含量9.2%;灰分含量0.38%]10
0kgを分級機[日清エンジニアリング(株)製「TC
−15N」]にかけて分級して、下記の表1に示す
(a)〜(d)の4つの区分に分けた。その結果、粒径
が20μ以下の小麦粉[(c)区分と(d)区分の合計]1
7kgを回収した。
μ以下の小麦粉[(c)区分と(d)区分;以下同様]50
部、ワキシーコーンスターチ50部、食塩4部および水
40部を加えて混練して麺生地を製造した。この生地を
製麺ロールで麺帯厚2.5mmにした後、No.10の
切刃を用いて幅3mmに切断して生うどんをつくった。 (3) 上記(2)で得られた生うどん100gを沸騰
水2リットル中で、麺中の水分含量が70%になるまで
9分間茹でた後、速やかに取り出して冷水中に入れて充
分に冷却、洗浄した。その際に、生うどんの煮崩れ率を
下記のようにして求めると共に、茹で上げ直後のうどん
を10名のパネラーによって下記の表2に示した評価基
準にしたがって麺の滑らかさ、粘弾性および風味を官能
試験してもらい、その平均値を採ったところ下記の表3
に示す結果を得た。更に、茹でた直後の麺の破断応力お
よび破断伸びを下記のようにして測定したところ、表3
に示すとおりの結果であった。 (4) 更に、上記(3)で茹で上げたうどんを1日室
温で放置した後、その滑らかさおよび粘弾性を上記と同
様にして官能試験すると共に、破断応力および破断伸び
を測定したところ、表3に示すとおりの結果であった。
た後の茹で湯を蒸発乾固させて、残留した乾固物(水分
0%)の重量(W1)(g)を測定し、これを茹でる前
の生うどんの重量W0(g)で除して、下記の式1によ
り煮崩れ率(%)を求めた。
後の麺および茹でた後1日放置後の麺のそれぞれから長
さ100mmの試験片を採取し、破断試験機[不動工業
(株)製「レオメーター」]を用いて、試験片の両端を
把持具で把持し、5cm/分の速度で試験片を引っ張っ
て、麺が破断した際の応力を読み取って破断応力(F)
(g)とした。また、上記の破断試験において、麺が破
断する際の麺の長さL(mm)を測定し、下記の式2に
より破断伸び(E)(mm)を求めた。
れた粒径が20μ以下の小麦粉、粒径が10μ以下の微
粉小麦粉[上記表1の(d)区分]、粒径が20μを超え
る小麦粉[上記表1の(a)区分と(b)区分]、実施例1
の(1)の分級処理で用いた分級処理前の市販の麺用中
力小麦粉、ワキシーコーンスターチ、食塩および水を、
下記の表3に示す割合で混合した後混練して麺生地を製
造した。この生地を製麺ロールで麺帯厚2.5mmにし
た後、No.10の切刃を用いて幅3mmに切断して生
うどんをそれぞれつくった。得られたそれぞれの生うど
ん100gを実施例1の(3)と同様にして表3に示す
時間で茹でて、実施例1と同様にして、煮崩れ率の測定
および茹うどんの官能試験を行うと共に、茹でうどんの
破断応力および破断伸びを測定したところ、表3に示す
とおりの結果であった。
級処理前の市販の麺用中力小麦粉100部に食塩4部お
よび水40部を加えて、それ以外は実施例1の(2)と
同様にして生うどんをつくった後、実施例1の(3)と
同様にして麺中の水分含量が70%になるまで16分間
茹でた。 (2) 比較例2として、実施例1の(1)で用いた分
級処理前の市販の麺用中力小麦粉50部に、ワキシーコ
ーンスターチ50部、食塩4部および水40部を加え
て、それ以外は実施例1の(2)と同様にして生うどん
をつくった後、実施例1の(3)と同様にして麺中の水
分含量が70%になるまで茹でた。 (3) 比較例3として、実施例1の(1)で得られた
粒径が20μ以下の小麦粉100部に、食塩4部および
水40部を加えて、それ以外は実施例1の(2)と同様
にして生うどんをつくった後、実施例1の(3)と同様
にして麺中の水分含量が70%になるまで20分間茹で
た。 (4) 上記(1)〜(3)で得られた比較例1〜比較
例3の茹うどんに関して、実施例1と同様にして、煮崩
れ率の測定および茹うどんの官能試験を行うと共に、茹
でうどんの破断応力および破断伸びを測定したところ、
表3に示すとおりの結果であった。
澱粉(ワキシーンスターチ)を配合したものを麺用粉と
して用いてうどんを製造している実施例1および実施例
3の場合には、茹であげ時に煮崩れや形崩れを生ずるこ
とがなく、短時間で所定の歩留りに茹であげることがで
きること、しかも茹であげにより得られた茹でうどん
は、滑らかさ、粘弾性および風味のすべの点において優
れていること、そして上茹であげ後に時間が経過しても
ゆでのびや麺の老化が極めて少なく、その優れた食感、
食味および風味をほぼそのまま保つことができることが
わかる。そして、実施例2の結果からは、粒径が10μ
以下の微粉小麦粉を使用した場合には上記した諸特性が
一層優れたものになることがわかり、このことは茹うど
んの破断応力および破断伸びの測定結果によっても裏付
けられている。
用してうどんを製造した比較例1の場合は、茹であげ直
後の麺の滑らかさ、粘弾性および風味はほぼ良好である
ものの、実施例1に比べると劣っており、実施例1に比
べて煮崩れ率が高く、またゆでのびおよび麺の老化が実
施例1に比べて進行し易く、時間の経過に伴って食感、
食味および風味が低下することがわかり、このことは茹
でうどんの破断応力および破断伸びの測定結果からも裏
付けられている。
1と同じ割合で配合したものを麺用粉として使用してう
どんを製造している比較例2の場合は、茹であげ直後の
麺の滑らかさ、粘弾性および風味のすべてにおいて不良
であり、しかも煮崩れ率が極めて高くて外観や食感、食
味および物性の良好な茹うどんしか得られないこと、更
にゆでのびおよび麺の老化が進行し易く、時間の経過に
伴って滑らかさおよび粘弾性が大幅に低下することがわ
かり、このことは茹うどんの破断応力および破断伸びの
測定結果からも裏付けられている。
て使用してうどんを製造している比較例3の場合は、実
施例1に比べて茹であげ直後の麺の滑らかさ、粘弾性お
よび風味のすべてにおいて劣っており、しかも麺の老化
が進行し易く、時間の経過に伴って食感、食味および風
味が大幅に低下することがわかり、このことは茹でうど
んの破断応力および破断伸びの測定結果によって裏付け
られている。
の小麦粉、粒径が10μ以下の小麦粉、または実施例1
の(1)の分級処理で用いた分級処理前の市販の麺用中
力小麦粉、ワキシーコーンスターチ、食塩および水を、
下記の表4に示す割合で混合した後混練して麺生地を製
造した。この生地を製麺ロールで麺帯厚2.5mmにし
た後、No.10の切刃を用いて幅3mmに切断して生
うどんをそれぞれつくった。 (2) 上記(1)で得られた生うどん100gを沸騰
水2リットル中で、麺中の水分含量が70%になるまで
下記の表4に示す茹で時間で茹であげた後、速やかに取
り出して冷水中に入れて充分に水洗、冷却した。次い
で、乳酸を1%含有する水溶液中に1分間浸漬してから
取り出して袋に充填して包装し、90℃で40分間蒸熱
殺菌した後、冷却してLLうどん(Long Lifeうどん)
を製造した。 (3) 上記(2)で得られたLLうどんを20℃で7
日間保存した後、袋から取り出して容器に入れ、熱湯を
注いで、1分経った後に、その滑らかさ、粘弾性および
風味を上記の表2に示した官能試験の評価基準にしたが
って10名のパネラーに評価したもらってその平均値を
採った。その結果を表4に示す。
澱粉を配合したものを麺用粉として用いてうどんを製造
している実施例4および粒径が10μ以下の小麦粉に澱
粉を配合したものを麺用粉として用いてうどんを製造し
ている実施例5では、短い茹で時間で所定の歩留りに茹
であげることができて、しかも滑らかさ、粘弾性および
風味のすべの点において優れている、包装茹うどんが得
られるのに対して、従来の麺用小麦粉のみを使用してい
る比較例4、従来の麺用小麦粉と澱粉を実施例4と同じ
割合で配合したものを麺用粉として使用している比較例
5、および20μ以下小麦粉のみを麺用粉として使用し
ている比較例6で得られる包装茹うどんは、実施例4お
よび5に比べて滑らかさ、粘弾性および風味のすべてに
おいて劣っていることがわかる。
粉、または実施例1の(1)の分級処理で用いた分級処
理前の市販の麺用中力小麦粉、ワキシーコーンスター
チ、食塩および水を、下記の表5に示す割合で混合した
後混練して麺生地を製造した。この生地を製麺ロールで
麺帯厚1.5mmにした後、No.20の切刃を用いて
幅1.5に切断して麺線を製造した。 (2) 上記(1)で得られた麺線を掛け竿に掛けて、
温度20℃、湿度75%の乾燥室で麺線の水分含量が2
7%になるまで第1段目の乾燥を行った後、更に温度3
5℃で乾燥室の湿度を80%から65%にまで徐々に下
げながら麺線の水分含量が15%になるまで第2段目の
乾燥を行い、最後に乾燥室の温度を0.5℃/分の速度
で徐々に下げながら30分かけて冷却して、ひやむぎを
製造した。なお、この乾燥工程時において、麺線が掛け
竿から落下する落麺の状態は下記の表5に示すとおりで
あった。 (3) 上記(2)で得られたひやむぎ100gを沸騰
水2リットル中で、麺中の水分含量が70%になるまで
下記の表5に示した茹で時間で茹であげた後、速やかに
取り出して冷水中に入れて充分に冷却、洗浄した。茹で
上げ直後のひやむぎを10名のパネラーによって上記の
表2に示した評価基準にしたがって麺の滑らかさ、粘弾
性および風味を官能試験してもらい、その平均値を採っ
たところ下記の表5に示すとおりの結果であった。
澱粉を配合したものを麺用粉として用いてひやむぎを製
造している実施例6および7では、麺線の乾燥時に掛け
竿から脱落することがなく良好な工程性でひやむぎを製
造することができること、そして得られたひやむぎは、
短い茹で時間で茹であげることができ、しかも滑らか
さ、粘弾性および風味のすべての点において優れている
ことがわかる。それに対して、従来の麺用小麦粉のみを
使用している比較例7の場合は、実施例6および7で得
られるひやむぎに比べて長い茹であげ時間が必要であ
り、しかも滑らかさおよび粘弾性が実施例6および7の
ひやむぎに比べて劣っていることがわかる。また、従来
の麺用小麦粉と澱粉を同じ割合で配合したものを麺用粉
として使用している比較例8のひやむぎは麺線の乾燥時
に掛け竿から落下する麺が多く作業性が劣っており、し
かも滑らかさ、粘弾性および風合のすべてが大幅の劣っ
ていること、そして20μ以下小麦粉のみを麺用粉とし
て使用している比較例6の場合は、実施例6および7で
得られるひやむぎに比べて大幅に長い茹であげ時間が必
要であり、しかも滑らかさおよび粘弾性が実施例6およ
び7のひやむぎに比べて著しく劣っていることがわか
る。
粉、または市販の麺用強力小麦粉[日清製粉(株)製
「特ナンバーワン」)、ワキシーコーンスターチ、かん
すいおよび水を、下記の表6に示す割合で混合した後混
練して麺生地を製造した。この生地を製麺ロールで麺帯
厚1.5mmにした後、No.20の切刃を用いて幅
1.2mmに切断して生中華めんを製造した。 (2) 上記(1)で得られた生中華めんを100℃の
飽和水蒸気中で3分間蒸し、次いで型詰めをし、140
℃で油揚げをして、即席中華麺(70g/個)を製造し
た。 (3) 上記(2)で得られた即席中華麺を容器に入れ
て沸騰水300mlを注いで蓋をして3分間放置した
後、10名のパネラーによって上記の表2に示した評価
基準にしたがって麺の滑らかさおよび粘弾性を官能試験
してもらい、その平均値を採ったところ下記の表6に示
すとおりの結果であった。
澱粉を配合したものを麺用粉として用いて得られた実施
例8の即席中華麺は、従来の麺用小麦粉のみを使用して
得られた比較例10の即席中華麺、従来の麺用小麦粉と
澱粉を実施例8と同じ割合で配合したものを用いて得ら
れた比較例11の即席中華麺、および20μ以下小麦粉
のみを用いて得られた比較例12の即席中華麺に比べ
て、滑らかさおよび粘弾性のいずれもが極めて良好であ
ることがわかる。
時に煮崩れや形崩れを生ずることがなく、短時間で所定
の歩留りに茹であげることができてそのために茹で歩留
りを低く抑える必要がない。しかも、本発明により得ら
れる麺類は、滑らかさ、粘弾性、風味などの点で極めて
優れていて、水っぽくなく、しかも茹であげ後や蒸した
りした後に時間が経過しても、ゆでのび、麺の老化など
が極めて生じにくく、長期間にわたってその優れた食
感、食味および風味を保つことができ、特に茹であげた
後、または蒸した後に袋などに包装して茹麺類や蒸麺類
などとして流通・販売する麺類の製造に適している。ま
た、本発明の麺用粉を用いてひやむぎやそうめんなどの
乾麺類を製造した場合には、乾燥工程中に麺線の破損が
なく、そのために麺線が掛け竿などから落下したりする
トラブルが生じないので、良好な作業性で乾麺類を高歩
留りで生産性良く製造することができる。そして、本発
明による場合は、グルテンなどの増強剤を添加すること
なく、20μ以下小麦粉に対してその等量までの量で澱
粉を多量に配合することができ、そのような多量の澱粉
の配合によっても、食感、食味、風味、耐ゆでのび性、
耐老化性などに優れた各種の麺類を得ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 粒径20μ以下の小麦粉および澱粉を、
(粒径20μ以下の小麦粉):(澱粉)=90:10〜
50:50の重量比で含有することを特徴とする麺用
粉。 - 【請求項2】 麺用粉の全重量に基づいて、粒径20μ
以下の小麦粉を50〜90重量%および澱粉を10〜5
0重量%の割合で含有する請求項1の麺用粉。 - 【請求項3】 粒径20μ以下の小麦粉において、粒径
10μ以下の小麦粉微粉の占める割合が50重量%以上
である請求項1または2の麺用粉。 - 【請求項4】 麺用粉の全重量に基づいて、粒径が20
μを超える小麦粉および/または他の穀粉を、30重量
%以下の割合で含有する請求項1〜3のいずれか1項の
麺用粉。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項の麺用粉を
用いて製造された麺類。
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- 1994-06-22 JP JP16297794A patent/JP3354717B2/ja not_active Expired - Lifetime
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