JPH08200375A - ころ軸受用保持器 - Google Patents

ころ軸受用保持器

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JPH08200375A
JPH08200375A JP2883995A JP2883995A JPH08200375A JP H08200375 A JPH08200375 A JP H08200375A JP 2883995 A JP2883995 A JP 2883995A JP 2883995 A JP2883995 A JP 2883995A JP H08200375 A JPH08200375 A JP H08200375A
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JP
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roller bearing
cage
portions
axial end
annular
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Application number
JP2883995A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kurihara
猛 栗原
Nobuo Uzawa
信夫 鵜沢
Akihiro Tanaka
章弘 田中
Shinobu Yamamoto
忍 山本
Yuji Igawa
裕二 井川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ころ軸受の軸方向端面の摺動性を向上させ、
かつ、当該軸方向端面が塵埃等により損傷するのを防止
する。 【構成】 遊星歯車5をキャリア6に対して回転可能に
支持する針状ころ軸受22の保持器23を、耐摩耗性を
有する樹脂材料から形成すると共に、保持器23の軸方
向に離間して位置する各環状部23Aに、その全周に亘
って複数の窪み部24,24,…を凹設し、これら各窪
み部24内に潤滑油を保持する構成とする。これによ
り、キャリア6の上側ピン支持部6Bおよび下側ピン支
持部6Cと針状ころ軸受22の軸方向端面との摺動面
は、保持器23を形成する樹脂材料の自己潤滑性に加
え、各窪み部24内に保持された潤滑油によって常時潤
滑されるから、遊星歯車5を円滑に回転させることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転動体として複数のこ
ろを用いたころ軸受において、当該複数のころを回転可
能に保持するころ軸受用保持器に関する。
【0002】
【従来の技術】軸を回転可能に支持する軸受のうち、転
動体として複数のころ(円筒ころ、針状ころ等)を用い
たころ軸受は、通常、全体として略円筒状体に形成され
た保持器と、該保持器に回転可能に保持された複数のこ
ろとから構成されている。
【0003】そこで、上述の如き従来技術によるころ軸
受を、図7に示す遊星歯車減速機構に用いた場合を例に
挙げて説明する。
【0004】図において、1は遊星歯車減速機構を示
し、該遊星歯車減速機構1は、内周側に全周にわたって
内歯車2が形成された円筒状のハウジング3と、該ハウ
ジング3の外部に配設されたモータの出力軸(いずれも
図示せず)に取付けられた太陽歯車4と、該太陽歯車4
とハウジング3の内歯車2とに噛合し、太陽歯車4の周
囲を自転しつつ公転する複数の遊星歯車5(1個のみ図
示)と、該各遊星歯車5を後述のころ軸受8等を介して
回転可能に支持するキャリア6とから大略構成されてい
る。
【0005】ここで、キャリア6は、内周側に形成され
た内歯6Aと、遊星歯車5を挟んで対向する上側ピン支
持部6Bおよび下側ピン支持部6Cとを有し、上側ピン
支持部6Bと下側ピン支持部6Cとでピン7の両端側が
支持されている。
【0006】8は遊星歯車5とピン7との間に設けら
れ、キャリア6に対して遊星歯車5を回転可能に支持す
る針状ころ軸受を示し、該針状ころ軸受8は、外周側が
遊星歯車5の軸受穴5Aに嵌合すると共に内周側にピン
7が挿通された円筒状の保持器9と、該保持器9に均等
な間隔をもって回転可能に保持された複数の針状ころ1
0,10,…とから構成されている。
【0007】ここで、保持器9は、例えば図8に示すよ
うに、軸方向に離間して位置する一対の環状部9A,9
Aと、該各環状部9Aの間に略等しい間隔をもって配設
され、各環状部9A間を連結する複数の支柱部9B,9
B,…と、該各支柱部9Bのそれぞれの間に位置し、針
状ころ10を収容する矩形の開口部として形成された複
数のポケット部9C,9C,…と、針状ころ10を回転
可能に保持すべくポケット部9Cを介して対向する各支
柱部9Bの側面に突設された複数の突起部9D,9D,
…とから、円筒状体として一体形成されている。そし
て、該保持器9に保持された各針状ころ10が、遊星歯
車5とピン7との間で自転しつつピン7の周囲を公転す
ることにより、遊星歯車5がピン7に対して円滑に回転
するようになっている。
【0008】11,11は針状ころ軸受8の軸方向端面
と、キャリア6の上側ピン支持部6Bおよび下側ピン支
持部6Cとの間に設けられた環状の摺動板を示し、該各
摺動板11は、針状ころ軸受8の軸方向端面の摺動性を
向上させ、キャリア6に対する各遊星歯車5の円滑な回
転を助成している。
【0009】12はハウジング3内に軸受等(図示せ
ず)を介して回転可能に支持された出力軸を示し、該出
力軸12は摺動板としてのプレート13を介して太陽歯
車4と同軸上に配設されている。そして、出力軸12の
上端側外周には歯部12Aが形成され、該歯部12Aは
キャリア6の内歯6Aに噛合している。なお、出力軸1
2は、第2段目の遊星歯車減速機構を構成する太陽歯車
であってもよい。
【0010】このように構成される遊星歯車減速機構1
においては、モータを駆動することにより太陽歯車4が
回転すると、各遊星歯車5が太陽歯車4とハウジング3
の内歯車2との間で自転しつつ太陽歯車4の周囲を公転
し、係る各遊星歯車5の公転に伴ってキャリア6が太陽
歯車4を中心として回転する。これにより、キャリア6
の内歯6Aに歯部12Aを介して連結された出力軸12
には、モータの出力軸の回転が減速されて伝達され、出
力軸12のトルクは減速比に応じて増大するようになっ
ている。
【0011】そして、上述した従来技術による遊星歯車
減速機構1では、キャリア6の上側ピン支持部6Bおよ
び下側ピン支持部6Cと、針状ころ軸受8の軸方向端面
との間に介装された各摺動板11によって、キャリア6
に対する遊星歯車5の円滑な回転が助成されているが、
各摺動板11を個別の部品として用いることにより部品
点数の増加を招くと共に、遊星歯車減速機構1を組立て
るに際して、キャリア6にピン7、針状ころ軸受8およ
び各摺動板11を介して遊星歯車5を組付ける煩雑な作
業を伴うという問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、例えば実
開平4−1716号公報等に開示されているように、樹
脂材料により円筒状体として一体形成した保持器を備え
た針状ころ軸受が知られており、このような樹脂製の保
持器を備えた針状ころ軸受を上述した遊星歯車減速機構
1の針状ころ軸受8として用いた場合には、キャリア6
の上側ピン支持部6Bおよび下側ピン支持部6Cと、針
状ころ軸受8の軸方向端面との摺動面の摺動性を樹脂材
料の自己潤滑性により確保することができる。従って、
キャリア6の上側ピン支持部6Bおよび下側ピン支持部
6Cと、針状ころ軸受8との間に設けられた各摺動板1
1を不要とすることができ、部品点数の削減や組付け作
業の簡易化を図ることができる。
【0013】しかしながら、樹脂製の保持器を備えた針
状ころ軸受を上述した遊星歯車減速機構1の針状ころ軸
受8として用いた場合には、遊星歯車減速機構1の作動
時に太陽歯車4と遊星歯車5との噛合により生じた摩耗
粉等の塵埃が、キャリア6の上側ピン支持部6Bおよび
下側ピン支持部6Cと針状ころ軸受8の軸方向端面との
摺動面に侵入することにより、針状ころ軸受8の保持器
9が損傷してしまう。そして、針状ころ軸受8の保持器
9が損傷した場合には、保持器9に保持された各針状こ
ろ10がピン7の周囲を公転する動作が妨げられ、その
結果、各遊星歯車5の円滑な回転を長期に亘って補償で
きなくなるという問題がある。
【0014】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、ころ軸受の軸方向端面の摺動性を向上さ
せ、かつ、当該軸方向端面が塵埃等により損傷するのを
防止でき、ころ軸受を介して支持される部材の円滑な回
転を長期に亘って補償できるようにしたころ軸受用保持
器を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明によるころ軸受用保持器は、軸方向に離
間して位置する一対の環状部と、該各環状部間に間隔を
もって配設され、該各環状部間を連結する複数の支柱部
と、ころを回転可能に支持すべく該各支柱部間にそれぞ
れ設けられた複数のポケット部とから円筒体として形成
される。
【0016】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記各環状部の軸方向端面に複数の凹陥部を設
けたことにある。
【0017】この場合、請求項2の発明のように、前記
一対の環状部、各支柱部、および各ポケット部は、樹脂
材料により円筒体として一体形成するのが望ましい。
【0018】また、請求項3の発明のように、前記凹陥
部は、前記各環状部の軸方向端面にそれぞれ独立して凹
設された複数の窪み部により構成することができる。
【0019】さらに、請求項4の発明のように、前記凹
陥部は、前記各環状部の軸方向端面に凹設された複数の
窪み部と、該各窪み部間を連結する連結溝とから環状に
形成してもよい。
【0020】
【作用】請求項1の構成によれば、ころ軸受の軸方向端
面と該ころ軸受を介して回転可能に支持される部材との
摺動面は、保持器の各環状部に設けられた複数の凹陥部
内に保持された潤滑油により常時潤滑され、その摺動性
が向上する。また、当該摺動面に侵入した摩耗粉等の塵
埃は、各環状部の凹陥部内に捕捉されるから、この塵埃
によってころ軸受の軸方向端面が損傷するのを効果的に
防止できる。
【0021】また、請求項2の構成によれば、保持器を
耐摩耗性を有する樹脂材料から形成することにより、樹
脂材料の自己潤滑性によってころ軸受の軸方向端面の摺
動性を一層向上することができる。
【0022】さらに、請求項3の構成によれば、ころ軸
受の軸方向端面と該ころ軸受を介して回転可能に支持さ
れる部材との摺動面が、保持器の各環状部に設けられた
複数の窪み部内にそれぞれ保持された潤滑油により常時
潤滑される。また、当該摺動面に侵入した塵埃は、保持
器の各環状部に設けられた各窪み部内に捕捉される。
【0023】さらにまた、請求項4の構成によれば、複
数の窪み部と該各窪み部間を連結する連結溝とから環状
に形成された凹陥部内に保持された潤滑油は、ころ軸受
の回転による遠心力によって凹陥部内を円周方向に流動
するから、ころ軸受の軸方向端面ところ軸受を介して回
転可能に支持される部材との摺動面は、流動する潤滑油
によって均一に潤滑される。また、当該摺動面に侵入し
た摩耗粉は、保持器の各環状部に設けられた環状の凹陥
部によって確実に捕捉される。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図6に基
づき説明する。なお、実施例では上述した図7および図
8に示す従来技術と同一の構成要素には同一の符号を付
し、その説明を省略する。
【0025】まず、図1および図2は本発明による第1
の実施例を示す。
【0026】図において、21は本実施例による保持器
を有するころ軸受が用いられた遊星歯車減速機構を示
し、該遊星歯車減速機構21は、図7に示す遊星歯車減
速機構1と略同様に、内歯車2が形成されたハウジング
3と、太陽歯車4と、該太陽歯車4とハウジング3の内
歯車2とに噛合する複数の遊星歯車5(1個のみ図示)
と、該各遊星歯車5を回転可能に支持するキャリア6と
から大略構成されているものの、従来技術による針状こ
ろ軸受8に代え、キャリア6に対して各遊星歯車5を回
転可能に支持する針状ころ軸受22が用いられている点
で従来技術とは異なっている。
【0027】22は遊星歯車5とピン7との間に設けら
れ、キャリア6に対して遊星歯車5を回転可能に支持す
る本実施例による針状ころ軸受を示し、該針状ころ軸受
22は、図7中に示す針状ころ軸受8と略同様に、外周
側が遊星歯車5の軸受穴5Aに嵌合すると共に内周側に
ピン7が挿通された後述の保持器23と、該保持器23
に均等な間隔をもって回転可能に保持された複数の針状
ころ10,10,…とから構成されている。しかし、針
状ころ軸受22は、それを構成する保持器23の構成の
点で従来技術による針状ころ軸受8とは異なっており、
係る保持器23について図2を参照して以下に述べる。
【0028】図において、23は針状ころ軸受22を構
成する保持器を示し、該保持器23は、軸方向に離間し
て位置する一対の環状部23A,23Aと、該各環状部
23Aの間に略等しい間隔をもって配設され、各環状部
23A間を連結する複数の支柱部23B,23B,…
と、該各支柱部23Bのそれぞれの間に位置し、針状こ
ろ10を収容する矩形の開口部として形成された複数の
ポケット部23C,23C,…と、針状ころ10を回転
可能に保持すべくポケット部23Cを介して対向する各
支柱部23Bの側面に突設された複数の突起部23D,
23D,…とから、円筒状体として形成されている。
【0029】24,24,…は、保持器23の各環状部
23Aの軸方向端面にその全周に亘って凹設された複数
の窪み部(ディンプル)を示し、これら各窪み部24に
よって凹陥部が構成されている。ここで、各窪み部24
は、各環状部23Aの軸方向端面にそれぞれ独立して円
弧状に凹設(図1参照)され、略等しい間隔をもって同
心円上に配列されている。
【0030】そして、上述の如き各窪み部24が設けら
れた保持器23は、例えば耐摩耗性を有する樹脂材料か
ら射出成形により一体形成され、係る保持器23の各ポ
ケット部23C内に針状コロ10を挿入し、各突起部2
3Dによって回転可能に保持させることにより、図1中
に示す針状ころ軸受22が得られる。
【0031】そして、針状ころ軸受22は図1に示すよ
うに、遊星歯車5の軸受穴5A内に挿入され、針状ころ
軸受22が組込まれた遊星歯車5を、キャリア6の上側
ピン支持部6Bと下側ピン支持部6Cとの間に配置した
後、上側ピン支持部6Bから下側ピン支持部6Cへ向け
てピン7を圧入することにより、各遊星歯車5が針状こ
ろ軸受22およびピン7を介してキャリア6に組付けら
れる。
【0032】本実施例による保持器23は上述の如き構
成を有するもので、係る保持器23を備えた針状ころ軸
受22の基本的作動については従来技術によるものと格
別差異はない。
【0033】然るに、本実施例によれば、針状ころ軸受
22を構成する保持器23の各環状部23A(軸方向端
面)に複数の窪み部24,24,…を凹設したから、以
下の如き作用効果が得られる。
【0034】即ち、遊星歯車減速機構21の作動時にお
いて、遊星歯車5が太陽歯車4の周囲を自転しつつ公転
し、針状ころ軸受22が遊星歯車5に伴って回転すると
き、キャリア6の上側ピン支持部6Bおよび下側ピン支
持部6Cに摺接する針状ころ軸受22の保持器23に設
けられた各窪み部24内には潤滑油が保持される。この
ため、キャリア6の上側ピン支持部6Bおよび下側ピン
支持部6Cと針状ころ軸受22の軸方向端面との摺動面
は、保持器23を形成する樹脂材料の自己潤滑性に加
え、保持器23の各窪み部24内に保持された潤滑油に
よって常時潤滑される。この結果、針状ころ軸受22の
軸方向端面の摺動性が著しく向上し、針状ころ軸受22
を介してキャリア6に支持された遊星歯車5を円滑に回
転させることができる。
【0035】また、太陽歯車4と遊星歯車5との噛合い
等により生じ、キャリア6の上側ピン支持部6Bおよび
下側ピン支持部6Cと針状ころ軸受22の軸方向端面と
の摺動面に侵入した摩耗粉は、保持器23の各窪み部2
4内に捕捉されるから、当該摩耗粉によって針状ころ軸
受22の軸方向端面が損傷するのを効果的に防止でき、
針状ころ軸受22を介してキャリア6に支持された遊星
歯車5の円滑な回転を、長期に亘って補償することがで
きる。
【0036】さらに、針状ころ軸受22の保持器23を
樹脂材料によって形成することにより、遊星歯車減速機
構21が軽量化されて慣性力が低減するから、針状ころ
軸受22の寿命を延ばすことができる。しかも、保持器
23を射出成形することにより、針状ころ軸受22の製
造コストを低減することができる。
【0037】さらにまた、上述のように遊星歯車5の円
滑な回転が補償されるから、従来技術による遊星歯車減
速機構1で用いた各摺動板11(図7参照)を不要にで
き、部品点数の削減、および遊星歯車減速機構21の組
付作業性の向上にも寄与することになる。
【0038】次に、図3,図4は、上述した第1の実施
例による保持器23の第1,第2の変形例を示す。な
お、図3,図4に示す各変形例において、図2に示す保
持器23と同一の構成要素には同一の符号を付し、その
説明を省略する。
【0039】図3に示す第1の変形例において、31は
保持器を示し、該保持器31を構成する各環状部23A
の軸方向端面には、それぞれ独立して三角形状に凹設さ
れ、同心円上に略等しい間隔で配列された複数の窪み部
32,32,…が形成されている。
【0040】また、図4に示す第2の変形例において、
41は保持器を示し、該保持器41を構成する各環状部
23Aの軸方向端面には、それぞれ独立して四角形状に
凹設され、同心円上に略等しい間隔で配列された複数の
窪み部42,42,…が形成されている。
【0041】そして、針状ころ軸受22に前記各変形例
による保持器31および41を用いた場合にも、第1の
実施例による保持器23を用いた場合と同様の作用効果
を得ることができる。
【0042】次に、図5は本発明による第2の実施例を
示す。なお、本実施例において図2に示す保持器23と
同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略
する。
【0043】図5中、51は本実施例による保持器を示
し、該保持器51を構成する各環状部23Aの軸方向端
面には、環状部23Aの外周側に略等しい間隔をもって
同心円上に配列された複数の外周側窪み部52,52,
…と、環状部23Aの内周側に略等しい間隔をもって同
心円上に配列された複数の内周側窪み部53,53,…
とが、交互に千鳥状となるようにして円弧状に凹設され
ている。
【0044】本実施例による保持器51は上述の如き構
成を有するもので、該保持器51によれば、環状部23
Aの軸方向端面に各外周側窪み部52と各内周側窪み部
53とを交互に千鳥状に凹設したから、これら各外周側
窪み部52と内周側窪み部53とにそれぞれ保持された
潤滑油により、保持器51の環状部23Aの外周側と内
周側とを略均一に潤滑することができ、該保持器51を
備えた針状ころ軸受22の軸方向端面の摺動性が一層向
上し、係る針状ころ軸受22を介してキャリア6に支持
された遊星歯車5の一層円滑な回転を補償することがで
きる。
【0045】次に、図6は本発明による第3の実施例を
示す。なお、本実施例において図2に示す保持器23と
同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略
する。
【0046】図6中、61は本実施例による保持器を示
し、該保持器61を構成する各環状部23Aの軸方向端
面には、環状部23Aの外周側に略等しい間隔をもって
同心円上に配列された複数の外周側窪み部62,62,
…と、環状部23Aの内周側に略等しい間隔をもって同
心円上に配列された複数の内周側窪み部63,63,…
と、各外周側窪み部62と各内周側窪み部63とを環状
部23Aの全周にわたって相互に連結する連結溝64,
64,…とが形成され、これら各外周側窪み部62、各
内周側窪み部63、および各連結溝64とから環状凹陥
部65が構成されている。
【0047】本実施例による保持器61は上述の如き構
成を有するもので、各環状部23Aの軸方向端面の環状
凹陥部65内に保持された潤滑油は、遊星歯車5の回転
に伴う保持器61の回転による遠心力により、環状凹陥
部65内を円周方向に流動するから、環状部23Aの軸
方向端面は当該潤滑油によって均一に潤滑される。この
結果、該保持器61を備えた針状ころ軸受22の軸方向
端面とキャリア6の上側ピン支持部6Bおよび下側ピン
支持部6Cとの摺動面の潤滑が促進され、針状ころ軸受
22を介してキャリア6に支持された遊星歯車5を一層
円滑に回転させることができる。
【0048】また、太陽歯車4と遊星歯車5との噛合い
等により生じ、キャリア6の上側ピン支持部6Bおよび
下側ピン支持部6Cと針状ころ軸受22の軸方向端面と
の摺動面に侵入した摩耗粉は、保持器61の環状凹陥部
65によって確実に捕捉されるから、当該摩耗粉によっ
て針状ころ軸受22の軸方向端面が損傷するのを確実に
防止でき、針状ころ軸受22を介してキャリア6に支持
された遊星歯車5の円滑な回転を、一層長期に亘って補
償することができる。
【0049】なお、前記各実施例では、針状ころ軸受の
保持器に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明
はこれに限るものではなく、例えば転動体として円筒こ
ろや円錐ころ等を用いた種々のころ軸受用の保持器に適
用することができる。
【0050】また、前記各実施例では、遊星歯車減速機
構の遊星歯車を支持する部位に用いられる針状ころ軸受
の保持器を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限る
ことはなく、例えば回転軸、支持ピン、回転ロッド等の
回転体を回転可能に軸支するころ軸受用保持器に広く適
用することができる。
【0051】
【発明の効果】以上詳述した如く請求項1の発明によれ
ば、ころ軸受の軸方向端面となる保持器の各環状部に凹
陥部を設け、該凹陥部内に潤滑油を保持させることによ
り、ころ軸受の軸方向端面ところ軸受を介して回転可能
に支持される部材との摺動面が常時潤滑されるように構
成したから、ころ軸受を介して支持される部材の円滑な
回転を補償できる。また、ころ軸受の軸方向端面ところ
軸受を介して回転可能に支持される部材との摺動面に侵
入した摩耗粉等の塵埃を、各環状部の凹陥部部内に捕捉
することができるから、当該摩耗粉によってころ軸受の
軸方向端面等が損傷するのを効果的に防止でき、ころ軸
受を介して支持される部材の円滑な回転を長期に亘って
補償できる。
【0052】そして、請求項2の発明によれば、ころ軸
受の保持器を樹脂材料から形成することにより、当該樹
脂材料の自己潤滑性によりころ軸受を介して支持される
部材を一層円滑に回転させることができる。また、樹脂
材料を用いることにより、ころ軸受全体を軽量化できて
慣性力が低減するから、ころ軸受の寿命を延ばすことが
できる。しかも、樹脂材料からなる保持器を射出成形す
ることにより、ころ軸受の製造コストを低減することが
できる。
【0053】また、請求項3の発明によれば、保持器の
各環状部にそれぞれ独立して凹設された複数の窪み部内
に潤滑油を保持させることにより、ころ軸受の軸方向端
面ところ軸受を介して回転可能に支持される部材との摺
動面が常時潤滑されるように構成したから、ころ軸受を
介して支持される部材の円滑な回転を補償できる。ま
た、ころ軸受の軸方向端面ところ軸受を介して回転可能
に支持される部材との摺動面に侵入した摩耗粉等の塵埃
を各窪み部内に捕捉することができるから、当該摩耗粉
によってころ軸受の軸方向端面等が損傷するのを効果的
に防止できる。
【0054】さらに、請求項4の発明によれば、複数の
窪み部と該各窪み部間を連結する連結溝とからなる環状
の凹陥部を、各環状部の軸方向端面の全周に亘って形成
することにより、凹陥部内に保持された潤滑油が、ころ
軸受の回転による遠心力によって円周方向に流動するよ
うに構成したから、ころ軸受の軸方向端面ところ軸受を
介して回転可能に支持される部材との摺動面は、凹陥部
部内を流動する潤滑油によって均一に潤滑され、ころ軸
受を介して支持される部材の一層円滑な回転を補償でき
る。また、ころ軸受の軸方向端面ところ軸受を介して回
転可能に支持される部材との摺動面に侵入した摩耗粉等
の塵埃を、環状の凹陥部によって確実に捕捉できるか
ら、当該摩耗粉によってころ軸受の軸方向端面等が損傷
するのを確実に防止でき、ころ軸受を介して支持される
部材の円滑な回転を一層長期に亘って補償できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による保持器を備えた針
状ころ軸受を、遊星歯車減速機構に用いた状態で示す一
部破断の縦断面図である。
【図2】図1中の針状ころ軸受に用いられる保持器を拡
大して示す斜視図である。
【図3】第1の実施例による保持器の第1の変形例を示
す斜視図である。
【図4】第1の実施例による保持器の第2の変形例を示
す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施例による保持器を示す斜視
図である。
【図6】本発明の第3の実施例による保持器を示す斜視
図である。
【図7】従来技術による保持器を備えた針状ころ軸受
を、遊星歯車減速機構に用いた状態で示す一部破断の縦
断面図である。
【図8】図7中の針状ころ軸受に用いられる保持器を拡
大して示す斜視図である。
【符号の説明】
10 針状ころ 23,31,41,51,61 保持器 23A 環状部 23B 支柱部 23C ポケット部 24,32,42 窪み部(凹陥部) 52,62 外周側窪み部(凹陥部) 53,63 内周側窪み部(凹陥部) 64 連結溝 65 環状凹陥部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 忍 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 井川 裕二 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機エ ンジニアリング株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に離間して位置する一対の環状部
    と、該各環状部間に間隔をもって配設され、該各環状部
    間を連結する複数の支柱部と、ころを回転可能に支持す
    べく該各支柱部間にそれぞれ設けられた複数のポケット
    部とから円筒体として形成してなるころ軸受用保持器に
    おいて、前記各環状部の軸方向端面に複数の凹陥部を設
    けたことを特徴とするころ軸受用保持器。
  2. 【請求項2】 前記一対の環状部、各支柱部、および各
    ポケット部は樹脂材料により円筒体として一体形成して
    なる請求項1に記載のころ軸受用保持器。
  3. 【請求項3】 前記凹陥部は、前記各環状部の軸方向端
    面にそれぞれ独立して凹設された複数の窪み部により構
    成してなる請求項1または2に記載のころ軸受用保持
    器。
  4. 【請求項4】 前記凹陥部は、前記各環状部の軸方向端
    面に凹設された複数の窪み部と、該各窪み部間を連結す
    る連結溝とから環状に形成してなる請求項1または2に
    記載のころ軸受用保持器。
JP2883995A 1995-01-25 1995-01-25 ころ軸受用保持器 Pending JPH08200375A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10138062A (ja) * 1996-09-10 1998-05-26 Staubli Faverges 遊星歯車減速装置の組立方法及び遊星歯車減速装置
JP2004052796A (ja) * 2002-07-16 2004-02-19 Nsk Ltd ニードル用保持器とニードル軸受と組み合わせ軸受
JP2008008370A (ja) * 2006-06-28 2008-01-17 Ntn Corp 円筒ころ軸受用保持器
DE102019207093A1 (de) * 2019-05-16 2020-11-19 Zf Friedrichshafen Ag Hydrodynamische Abstützung eines Lagerkäfigs

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