JPH08199256A - チクソキャスティング用半溶融合金材料の調製方法 - Google Patents
チクソキャスティング用半溶融合金材料の調製方法Info
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- JPH08199256A JPH08199256A JP7033125A JP3312595A JPH08199256A JP H08199256 A JPH08199256 A JP H08199256A JP 7033125 A JP7033125 A JP 7033125A JP 3312595 A JP3312595 A JP 3312595A JP H08199256 A JPH08199256 A JP H08199256A
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Abstract
造品質を備えた鋳物を得ることが可能な半溶融合金材料
を調製する。 【構成】 示差熱分析曲線aにおいて、共晶溶解による
第1山形吸熱部bと共晶点よりも高融点の成分の溶解に
よる第2山形吸熱部cとが存在する合金材料を、第1山
形吸熱部bの下降終了点eおよび第2山形吸熱部cのピ
ークf間に存する鋳造温度gまで加熱して、固相と液相
とが共存する半溶融合金材料を調製する。第1山形吸熱
部bの上昇開始点dおよび下降終了点e間における合金
材料の平均昇温速度をαとし、また下降終了点eおよび
鋳造温度g間における合金材料の平均昇温速度をβとし
たとき、両平均昇温速度α,βの比α/βをα/β>1
に設定する。これにより、鋳物における金属組織の粗大
化およびミクロンオーダの空孔部の発生を回避し得る。
Description
半溶融合金材料の調製方法、特に、示差熱分析曲線にお
いて、共晶溶解による第1山形吸熱部と共晶点よりも高
融点の成分の溶解による第2山形吸熱部とが存在する合
金材料を、第1山形吸熱部の下降終了点および第2山形
吸熱部のピーク間に存する鋳造温度まで加熱して、固相
と液相とが共存する半溶融合金材料を調製する方法の改
良に関する。
の平均昇温速度は略一定で、しかもかなり速くなるよう
に設定される。このように平均昇温速度を設定する理由
は、初晶の成長等による金属組織の粗大化を防止し、ま
た加熱処理能率を向上させることにある。
よると、半溶融合金材料における液相の温度分布が不均
一になり易く、それに起因して鋳物にミクロンオーダの
空孔部が発生し、そのため優れた疲れ強さ等の高度な機
械的特性を備えた鋳物を得ることが難しい、という問題
がある。
を施すに当り、その平均昇温速度を合金材料の熱的特性
に見合うように制御し、これにより健全な鋳造品質を備
えた鋳物を得ることが可能な半溶融合金材料を調製し得
る前記方法を提供することを目的とする。
線において、共晶溶解による第1山形吸熱部と共晶点よ
りも高融点の成分の溶解による第2山形吸熱部とが存在
する合金材料を、前記第1山形吸熱部の下降終了点およ
び前記第2山形吸熱部のピーク間に存する鋳造温度まで
加熱して、固相と液相とが共存する半溶融合金材料を調
製するに当り、前記第1山形吸熱部の上昇開始点および
前記下降終了点間における合金材料の平均昇温速度をα
とし、また前記下降終了点および前記鋳造温度間におけ
る前記合金材料の平均昇温速度をβとしたとき、両平均
昇温速度α,βの比α/βをα/β>1に設定すること
を特徴とする。
に設定すると、共晶溶解が比較的速い平均昇温速度αを
以て行われるので、初晶の成長および/または初晶の合
体による金属組織の粗大化が抑制される。一方、共晶溶
解以後は比較的遅い平均昇温速度βにて加熱処理が進行
するので、共晶成分の液相化が促進されると共にその液
相の温度分布が均一化される。
初晶の成長等により金属組織が粗大化し易く、また液相
の温度分布が不均一となり易い。
金材料)を用いてチクソキャスティング法の適用下でA
l合金鋳物を鋳造するために用いられる。その加圧鋳造
機1は、鉛直な合せ面2a,3aを有する固定金型2お
よび可動金型3を備え、両合せ面2a,3a間に鋳物成
形用キャビティ4が形成される。固定金型2に半溶融A
l合金材料5を設置するチャンバ6が形成され、そのチ
ャンバ6はゲート7を介してキャビティ4に連通する。
また固定金型2に、チャンバ6に連通するスリーブ8が
水平に付設され、そのスリーブ8にチャンバ6に挿脱さ
れる加圧プランジャ9が摺動自在に嵌合される。スリー
ブ8は、その周壁上部に材料用挿入口10を有する。
示す。これら例A等は、連続鋳造法の適用下で鋳造され
た高品質な長尺連続鋳造材より切出されたものであっ
て、その鋳造に当ってはα−Al(初晶)の球状化処理
が行われている。例A等の寸法は直径50mm、長さ65
mmである。
ころ、図2の結果を得た。図2の示差熱分析曲線aにお
いて、共晶溶解による第1山形吸熱部bと、共晶点より
も高融点の成分の溶解による第2山形吸熱部cとが存在
する。第1山形吸熱部bにおける上昇開始点dの温度は
537℃、また下降終了点eの温度は561℃である。
第2山形吸熱部cにおけるピークfの温度は624℃で
ある。
に立設し、次いで図3に示す条件で鋳造温度g=595
℃まで加熱して、固相と液相とが共存する半溶融状態の
例Aを調製した。図2,3において、例Aの温度が30
℃から上昇開始点d(537℃)までは、周波数は1k
Hz、出力は20kWに、また上昇開始点d(537
℃)から下降終了点e(561℃)までは、周波数は1
kHz、出力は15kWに、さらに下降終了点e(56
1℃)から鋳造温度gまでは、周波数は1kHz、出力
は3kWにそれぞれ設定された。これにより、上昇開始
点dおよび下降終了点e間における例Aの平均昇温速度
αはα=0.23℃/sec に制御され、一方、下降終了
点eおよび鋳造温度g間における例Aの平均昇温速度β
はβ=0.18℃/sec に制御された。この場合、例A
における固相率は40%以上、60%以下である。例A
の温度測定は、その下端面中心に開口する測定孔に熱電
対を挿入して行われた。
例A(符号5)をチャンバ6に設置し、鋳造温度g=5
95℃、加圧プランジャ9の移動速度0.2m/sec 、
金型温度250℃の条件で例Aを加圧しつつゲート7を
通過させてキャビティ4内に充填した。そして、加圧プ
ランジャ9をストローク終端に保持することによってキ
ャビティ4内に充填された例Aに加圧力を付与し、その
加圧下で例Aを凝固させてAl合金鋳物A1 を得た。ま
た例Aを用い、両平均昇温速度α,βを変えて前記同様
の鋳造作業を行いAl合金鋳物A2 を得た。
たこれら例B等を用い、前記同様の鋳造作業を行って8
種のAl合金鋳物B1 〜E1 ,B2 〜E2 を得た。図4
〜7は、それぞれ例B〜Eに関する示差熱分析曲線aを
示す。
関し顕微鏡観察を行ってミクロンミーダの空孔部の有無
およびα−Alの大きさを求めた。
を示す顕微鏡写真であり、比較的大きな粒状部分がα−
Alである。本図より、Al合金鋳物A1 には前記空孔
部が発生していないことが判る。
す。その測定に当っては、先ず、互に交差する2本の直
線L1 ,L2 を、それらが複数のα−Alを横切るよう
に引き、次いで各直線L1 ,L2 に関し、各α−Alに
おける線分Laの長さを図り、それら長さの平均値を求
める。即ち、一方の直線L1 に関する全線分Laの長さ
の平均値は、(25μm+35μm+67.5μm)/
3=42.5μmであり、他方の直線L2 に関する全線
分Laの長さの平均値は、(60μm+40μm+75
μm)/3≒58.3μmである。その後、両平均値の
さらに平均値を求め、これをα−Alの大きさとする。
即ち、α−Alの大きさは(42.5μm+58.3μ
m)/2≒50μmとなる。
を示す顕微鏡写真であり、比較的大きな粒状部分がα−
Alである。図9(b)にも示すように、Al合金鋳物
A2には前記空孔部が発生していることが判る。この場
合のα−Alの大きさは、一方の直線L1 に関する全線
分Laの長さの平均値が(62.5μm+60μm)/
2=61.25μmであり、他方の直線L2 に関する全
線分Laの長さの平均値が(40μm+67.5μm+
87.5μm)/3=65μmであるから、(61.2
5μm+65μm)/2≒63μmとなる。
T6処理を施し、次いで疲れ試験を行うため、T6処理
後のAl合金鋳物A1 〜E1 、A2 〜E2 より、直径4
mm、長さ20mmの平行部を持つ試験片を各Al合金鋳物
A1 〜E1 、A2 〜E2 について10本作製した。それ
ら試験片について、電気油圧式疲れ試験機を用いて異な
る応力振幅で試験を行い、破壊までの繰返し数を求め
た。そして、それらのデータから繰返し数107 回の疲
れ強さを求めた。
〜E2 に関する平均昇温速度α,β、それらの比α/
β、α−Alの大きさ、前記空孔部の有無および疲れ強
さを示す。
A2 〜E2 に関する比α/βと疲れ強さとの関係をグラ
フ化したものである。
昇温速度α,βの比α/βをα/β>1に設定して得ら
れたAl合金鋳物A1 〜E1 は、それらに対応するAl
合金鋳物A2 〜E2 に比べて疲れ強さが向上する。
1 とD2 、E1 とE2 を比較すると明らかなように、平
均昇温速度αを速めた方がα−Alの大きさを小さく維
持することができる。Al合金鋳物B1 とB2 において
は平均昇温速度αが略等しいことからα−Alの大きさ
は同じである。
B2 、C1 とC2 、D1 とD2 、E1 とE2 を比較する
と明らかなように、平均昇温速度βを同αよりも遅くす
ることによってミクロンオーダの空孔部の発生を防止す
ることができる。これは、液相の温度分布が均一化され
たこと、固相外周部がゲル化して液相との相溶性が良好
になったこと等に起因する。
ない。
の比α/βを前記のように特定することによって、チク
ソキャスティング法の適用下で健全な鋳造品質を備えた
鋳物を得ることが可能な半溶融合金材料を調製すること
ができる。
を示すグラフである。
微鏡写真、(b)はα−Alの大きさ測定法を示す説明
図である。
微鏡写真、(b)はα−Alの大きさ測定法を示す説明
図である。
強さを示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】示差熱分析曲線(a)において、共晶溶解
による第1山形吸熱部(b)と共晶点よりも高融点の成
分の溶解による第2山形吸熱部(c)とが存在する合金
材料を、前記第1山形吸熱部(b)の下降終了点(e)
および第2山形吸熱部(c)のピーク(f)間に存する
鋳造温度(g)まで加熱して、固相と液相とが共存する
半溶融合金材料を調製するに当り、前記第1山形吸熱部
(b)の上昇開始点(d)および前記下降終了点(e)
間における合金材料の平均昇温速度をαとし、また前記
下降終了点(e)および前記鋳造温度(g)間における
前記合金材料の平均昇温速度をβとしたとき、両平均昇
温速度α,βの比α/βをα/β>1に設定することを
特徴とするチクソキャスティング用半溶融合金材料の調
製方法。
Priority Applications (5)
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---|---|---|---|
JP7033125A JP2794545B2 (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | チクソキャスティング法 |
IT95RM000316A IT1278069B1 (it) | 1994-05-17 | 1995-05-16 | Materiale in lega per tissofusione, procedimento per la preparazione del materiale in lega semi-fuso per tissofusione e procedimento di |
FR9505835A FR2720016B1 (fr) | 1994-05-17 | 1995-05-17 | Matériau allié destiné au thixomoulage, procédé pour préparer un matériau allié semi-fondu destiné au thixomoulage, et procédé de thixomoulage. |
DE19518127A DE19518127C2 (de) | 1994-05-17 | 1995-05-17 | Verfahren zur Herstellung eines semi-geschmolzenen Legierungsmaterials zum Thixo-Gießen |
US08/861,265 US5849115A (en) | 1994-05-17 | 1997-05-21 | Alloy material for thixocasting, process for preparing semi-molten alloy material for thixocasting and thixocasting process |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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1995
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