JPH08197635A - 多層保護被覆鋼管 - Google Patents

多層保護被覆鋼管

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JPH08197635A
JPH08197635A JP7027652A JP2765295A JPH08197635A JP H08197635 A JPH08197635 A JP H08197635A JP 7027652 A JP7027652 A JP 7027652A JP 2765295 A JP2765295 A JP 2765295A JP H08197635 A JPH08197635 A JP H08197635A
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layer
steel pipe
synthetic resin
hot
resin layer
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Hideki Kimura
秀樹 木村
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SANOU KOGYO KK
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SAN O IND CO
SANOU KOGYO KK
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  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各層間の密着性が良好で、しかも生産性の高
い多層保護被覆鋼管を提供すること。 【構成】 鋼管1の外周表面に先ず溶融メッキによる保
護被覆層2を形成し、該溶融メッキによる保護被覆層2
の上層として、押し出し成形による合成樹脂層3を形成
した多層保護被覆鋼管とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層保護被覆鋼管に関
し、特にその各層間の密着性が良好で、しかも生産性の
高い多層保護被覆鋼管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等に使用される各種配
管、例えばブレーキ用配管、フューエル用配管等には鋼
管が多用され、これらの鋼管表面には、自動車走行中の
跳ね石からの保護、また腐蝕からの保護等を目的とし
て、多層の保護被覆層が形成されている。
【0003】この多層の保護被覆層としては、例えば鋼
管11の外周表面に、先ず表面性状の良好なクロメート
被膜を有する電気亜鉛メッキ層からなる数十μmの被膜
層12を形成し、この電気亜鉛メッキ層12の上層とし
て、接着剤を介してフッ素樹脂層(図示せず)を形成
し、その上層として更に接着剤を介して、或いは接着剤
を介在させることなく例えば塩化ビニール樹脂、ポリオ
レフィン樹脂等の熱収縮性樹脂から成る樹脂層13を、
該熱収縮性樹脂を材料とするチューブ状の被覆材を熱収
縮させて鋼管表面上に形成したもの(図3参照)が存在
する。
【0004】しかし、上記した熱収縮チューブを用いた
多層の保護被覆鋼管にあっては、該熱収縮チューブ層1
3と下層との強固な接着がなされず、しかも均一で精密
な被覆厚が得られないという課題を有していたと共に、
形成される樹脂層13は比較的その層厚が厚いため、鋼
管11の端末部に端末加工14を施す際に樹脂層13を
剥離したチャック代を形成する必要があること、また、
樹脂層13が熱収縮して鋼管に密着する際、その長手方
向にも収縮して収縮代が形成されてしまうこと等から、
鋼管端部11aに樹脂層のない暴露部15が形成され、
この部分が弱くなってしまうという課題が存在した。
【0005】また、熱収縮チューブを鋼管に被せる作業
は簡単ではなく、しかも熱収縮チューブと鋼管の効果的
な接合のためには両者の間に接着層を介在させるのが好
ましく、これが樹脂層の被覆工程を複雑にし、生産性の
観点からも望ましいものではなかった。
【0006】そこで、本件出願人は、先に鋼管を加熱し
つつその長手方向に送り、該鋼管と同心的に溶融状態に
ある合成樹脂を筒状に押し出し、送られつつある鋼管の
外周表面に合成樹脂を接着させる鋼管への合成樹脂層被
覆方法を提案し、その出願を行った(特開平6−246
811)。
【0007】この鋼管への合成樹脂層被覆方法によれ
ば、送られつつある鋼管は、その加熱のために溶融状態
で接触する上記合成樹脂の温度を急激に下げることがな
く、合成樹脂は溶融状態のままで鋼管表面の微細な凹所
に流れ込むことができ、合成樹脂は硬化後に鋼管の表面
にアンカー効果により強固に接着し、その生産性も良好
なものとすることができた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した鋼管
への合成樹脂層被覆方法を採用した鋼管の表面処理層と
して、従来と同様の電気亜鉛メッキ層が下層として依然
形成されている場合においては、該電気亜鉛メッキ層が
上記鋼管の加熱工程において劣化する憂いがあり、また
電気亜鉛メッキ層の上層として更にフッ素樹脂層が形成
されている場合においては、該フッ素樹脂層は表面性状
が良好、即ち表面の凹凸が少ないことから溶融状態にあ
る合成樹脂の凹所への流れ込みが少なく、アンカー効果
による合成樹脂層の鋼管への接着をあまり期待すること
はできず、極性のある合成樹脂、例えばポリアミド1
1、ポリアミド12、アイオノマ樹脂などの合成樹脂を
使用し、その樹脂の極性を利用して鋼管表面に密着させ
る必要があった。
【0009】また、電気亜鉛メッキの場合、その成層に
時間を要し、高速での生産には適していないという課題
も存在した。
【0010】本発明は、上述した従来の多層保護被覆鋼
管が有する課題に鑑み成されたものであって、その目的
は、押し出し成形により形成された樹脂層との接着が良
好で、しかも生産性の高い多層保護被覆鋼管を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するため、鋼管の外周表面に先ず溶融メッキによ
る保護被覆層を形成し、該溶融メッキによる保護被覆層
の上層として、押し出し成形による合成樹脂層を形成し
た多層保護被覆鋼管とした。
【0012】
【作用】上記した本発明にかかる多層保護被覆鋼管によ
れば、押し出し成形により形成された合成樹脂層の下層
として、溶融メッキによる保護被覆層を形成したものと
したため、該溶融メッキによる保護被覆層は、従来の電
気亜鉛メッキ層に比較してその熱的劣化が少なく、また
その表面性状も適度の凹凸を有する層となるため、該溶
融メッキによる保護被覆層の上層として樹脂層を押し出
し成形する際の鋼管の加熱工程に充分に耐えるものとな
り、しかも溶融状態にある合成樹脂は溶融メッキ層の表
面に存在する微細な凹所に流れ込み、アンカー効果によ
る樹脂層と溶融メッキ層との強固な接着を期待できるも
のとなる作用がある。
【0013】また、溶融メッキによる保護被覆層の形成
は、従来の電気亜鉛メッキによる保護被覆層の形成より
も高速化が可能となり、生産性を著しく向上させること
ができる作用がある。
【0014】
【実施例】以下、上記した本発明にかかる多層保護被覆
鋼管を、実施例に基づき詳細に説明する。
【0015】ここで、図1及び図2は、本発明にかかる
多層保護被覆鋼管の拡大した縦断面図であって、図中1
は、例えば自動車のフューエル用配管部品等として使用
される外径10mm程度の鋼管であり、該鋼管1の表面
には、先ず銅のメッキ層(図示せず)が形成されてい
る。
【0016】この銅のメッキ層に重ねて、溶融メッキ層
2が形成されている。この溶融メッキ層2は、公知の手
段によりZn−Al合金〔例えばZn:Al=95:
5〕、或いはPb−Sn合金〔例えばPb:Sn=8
0:20〕が層厚20μm程度で形成されている。
【0017】この溶融メッキによる保護被覆層2は、従
来の電気メッキによる保護被覆層の形成に比較してその
生産性が良好であり、しかも熱的劣化が少ない保護被覆
層となる。また、溶融メッキ層2の表面は、適度の凹凸
を有する表面となるため、後記する合成樹脂層3がその
溶融時において微細な凹所に流れ込み、アンカー効果に
よる接着を充分に期待できる保護被覆層となる。なお、
この溶融メッキ層2を形成した後に、この表面にプライ
マー処理を施せば、鋼管表面が活性化し、更に後記する
合成樹脂層3が強固に接着する。
【0018】上記溶融メッキ層2の外周表面には、さら
に合成樹脂層3が押し出し成形により形成されている。
この合成樹脂層3は、公知の押出機を用いて100℃〜
260℃程度に加熱された状態で長手方向に送られてく
る鋼管1の外周表面に筒状に合成樹脂を押し出し、該押
し出された合成樹脂が加熱された鋼管1の表面上におい
て溶融メッキ層2の上にアンカー効果等により強固に接
着する。
【0019】上記合成樹脂層3を形成する樹脂材料とし
ては、極性を有する合成樹脂が好ましい。これは、極性
を有する合成樹脂は、下層である上記溶融メッキ層2と
の密着性が良好であり、溶融メッキ層2の凹所に食い込
むアンカー効果と相まって、溶融メッキ層2とのより信
頼性の高い接合が可能となるためである。ここで、極性
は、高分子の構造単位に存在する原子団の極性から来る
性質で、分子中に−OH、−Cl、−NO2 、−CN、
−NH2 、−COOH、−CO、−CONH、−OCH
3 などの強い極性基をもつ合成樹脂は一般に極性が大で
あり、−CH3 、CH2 などの炭化水素基を多くもつよ
うな合成樹脂は、極性が少ない。極性の大きな樹脂ほど
接着性が良好で、本発明で用いる好適な樹脂としてはポ
リアミド11、ポリアミド12、アイオノマ樹脂などで
ある。
【0020】この最外層として形成する上記合成樹脂層
3は、図1に示したように鋼管1の表面上に層厚200
μm程度で、その端末まで延在するように全長に亘って
被覆形成する。そして、その鋼管1の端末部に例えばダ
ブルフレアの端末加工4を施し、他の管体との接続具5
を取り付ける。また、図2に示した如く、跳ね石からの
衝撃対策、複雑な経路をたどる配管同士、或いは配管と
車輛本体や他部品との干渉対策、更には断熱対策等を目
的として、上記合成樹脂層3を、その鋼管1の中間部1
bにおいてはその層厚を比較的厚く(1mm程度)形成
し、鋼管1の端末部付近1aにおいてはその層厚を薄く
(200μm程度)し、この層厚の薄い端末部付近1a
をチャック代として上記端末加工4を施した構造として
も良い。
【0021】上記のように形成された本発明にかかる多
層保護被覆鋼管は、各層間の密着性が良好で、しかも生
産性の高い多層保護被覆鋼管となる。
【0022】次に、上記本発明の具体例を示す。
【0023】 −溶融メッキ層の形成− メッキ浴の組成 Zn:Al=95:5 メッキ浴の温度 約450℃ 浸漬時間 約5sec 引き上げ速度 約10m/min メッキ層厚さ 約20μm −合成樹脂層の形成− 合成樹脂 ポリアミド11 押出機のシリンダ温度 約250℃ ダイの温度 約230℃ 合成樹脂押出量 約2kg/hr ラインスピード 約10m/min 合成樹脂層厚さ 約200μm
【0024】上記具体例に示す方法により得られた本発
明にかかる多層保護被覆鋼管の例を図1に示す。図1の
例では、鋼管1の外周表面に先ず溶融メッキ層2が施さ
れ、その外周に合成樹脂層3がその全長に亘って被覆形
成されている。合成樹脂層3を被覆した後に、鋼管1の
端末部1aに、ダブルフレアの端末加工4が施され、他
の管体との接続具5が取り付けられている。
【0025】以上、本発明に付き説明したが、本発明は
既述の実施例或いは具体例に限定されるものではなく、
本発明の技術的思想に基づいて、各種の変形及び変更が
可能であることは当然である。
【0026】
【発明の効果】以上、説明した本発明にかかる多層保護
被覆鋼管によれば、押し出し成形により形成された合成
樹脂層の下層として、溶融メッキによる保護被覆層を形
成したものとしたため、該溶融メッキによる保護被覆層
は、従来の電気亜鉛メッキ層に比較してその熱的劣化が
少なく、またその表面性状も適度の凹凸を有する層とな
るため、該溶融メッキによる保護被覆層の上層として樹
脂層を押し出し成形する際の鋼管の加熱工程に充分に耐
えるものとなり、しかも溶融状態にある合成樹脂は溶融
メッキ層の表面に存在する微細な凹所に流れ込み、アン
カー効果による樹脂層と溶融メッキ層との強固な接着を
期待でき、各層間の密着性が良好な多層保護被覆鋼管と
なる効果がある。
【0027】また、溶融メッキによる保護被覆層の形成
は、従来の電気亜鉛メッキによる保護被覆層の形成より
も高速化が可能となり、生産性を著しく向上させること
ができる多層保護被覆鋼管となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる多層保護被覆鋼管の拡大した縦
断面図。
【図2】本発明にかかる多層保護被覆鋼管の拡大した縦
断面図。
【図3】従来の多層保護被覆鋼管の拡大した縦断面図。
【符号の説明】
1 鋼管 1a 鋼管の端末部付近 1b 鋼管の中間部 2 溶融メッキ層 3 合成樹脂層 4 ダブルフレアの端末加工 5 他の管体との接続具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 2/38 F16L 58/10 // B29L 9:00 23:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管の外周表面に溶融メッキによる保護
    被覆層と、該溶融メッキによる保護被覆層の上層とし
    て、押し出し成形による合成樹脂層が形成されているこ
    とを特徴とする、多層保護被覆鋼管。
  2. 【請求項2】 上記溶融メッキによる保護被覆層が、Z
    n−Al合金、或いはPb−Sn合金であることを特徴
    とする、請求項1記載の多層保護被覆鋼管。
  3. 【請求項3】 上記押し出し成形による合成樹脂層が、
    その層厚を変化させて上記溶融メッキによる保護被覆層
    の上層として形成されていることを特徴とする、請求項
    1、又は2記載の多層保護被覆鋼管。
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