JPH08196803A - 吸着ベースのプロセスによるアセトニトリルの精製 - Google Patents

吸着ベースのプロセスによるアセトニトリルの精製

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JPH08196803A
JPH08196803A JP1007695A JP1007695A JPH08196803A JP H08196803 A JPH08196803 A JP H08196803A JP 1007695 A JP1007695 A JP 1007695A JP 1007695 A JP1007695 A JP 1007695A JP H08196803 A JPH08196803 A JP H08196803A
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acetonitrile
purifying
purification
mol
unsaturated nitriles
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JP1007695A
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Marc W Blachman
ダブリュー.ブラックマン マーク
C Caesar Mark
シー.シーザ マーク
Thomas G Attig
ジー.エイティッグ トーマス
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Standard Oil Co
Original Assignee
Standard Oil Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸着ベースのプロセスによるアセトニトリル
の精製方法を提供すること。 【構成】 不飽和ニトリル類のような有機不純物を含む
アセトニトリルを固体試薬で前処理し、上記不飽和ニト
リル類を選択的に転化して、より容易に除去される生成
物にする工程、および処理されたアセトニトリルを一連
の吸着材床に通して、得られた生成物および存在する他
の不純物をアセトニトリルから除去する工程を包含す
る、アセトニトリルの精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸着ベースのプロセスに
よるアセトニトリルの精製に関する。より詳細には、本
発明は、アセトニトリル中に含まれる不飽和ニトリル類
を選択的に転化して、優先的に除去し得る生成物にする
ために、アセトニトリルを前処理する工程を包含する、
アセトニトリルの精製方法に関する。この前処理に次い
で、アセトニトリル中に存在する、得られた上記生成物
および他の有機不純物を除去するための吸着工程が行わ
れる。
【0002】本発明のアセトニトリルの精製方法は、現
在、化学プラントで製造されているアセトニトリルの純
度を顕著に高めてグレードを上げるために用いられ得
る。特に、アセトニトリルからUV吸収性の有機不純物
を除去することで、通常、UVに対する透過性が高い生
成物が得られ、そして水の除去によって、アセトニトリ
ルを特定の商業的用途に有用なものとすることができ
る。
【0003】
【従来の技術】市販のアセトニトリルは、典型的には、
水ならびに微量のアクリロニトリル、クロトンニトリ
ル、アセトアミド、およびアリルアルコールを含有す
る。高純度のアセトニトリルに適した用途は、UVカッ
トオフが190nm未満であること、および非常に乾燥
した材料([H2O]<1ppm)が必要とされる用途
である。190〜230nmの領域の光を吸収するC=
CおよびC=O官能基を含む有機不純物がアセトニトリ
ル中に存在すると、アセトニトリルのUVカットオフは
200nmを超える。このことにより、そのアセトニト
リル材料は受け入れがたいものとなり、このため、高純
度アセトニトリル製造器によるさらなる処理が必要とさ
れる。アセトニトリル精製のための伝統的な工業的方法
は、過マンガン酸塩による酸化工程、酸処工程、五酸化
リンによる乾燥工程、および2回の蒸留工程を包含す
る、コストのかかる多段階プロセスを用いる。
【0004】アセトニトリルの精製のための古典的方法
は、D.D.Perrin、W.L.F.Armarego、およびD.R.Perrin、
Purification of Laboratory Chemicals、第2版、Perg
ammon Press、New York、1980、第79〜81頁に要約され
ている。アセトニトリルをシリカゲル、4Aモレキュラ
ーシーブ、水素化カルシウム、または無水リン酸で処理
すること、および蒸留によって水が除去される。酢酸お
よび他のカルボン酸は、アルミナを用い、次いで蒸留す
ることによって除去し得る。不飽和ニトリルは、少量の
水酸化カリウム水溶液と共に最初に還流することによっ
て除去し得る。しかし、この参考文献は、冷、飽和水酸
化カリウム水溶液によってアセトニトリルをあらかじめ
処理することは塩基が触媒として作用する加水分解およ
び水の導入のため好ましくないことを開示している。ア
セトニトリル中に存在する不飽和不純物は、アセトニト
リルをアルカリ性過マンガン酸カリウム溶液で処理する
ことによって除去し得るが、次に、水を除去するために
さらなる処理が必要とされる。
【0005】L. Carlsen、H.Egsgaard、J.J.Andersen、
Analyt. Chem.、1979、51(9)、第1593〜5頁には、強塩基
処理、フラッシュ蒸留、強酸処理、分別蒸留、およびア
ルミナによる乾燥によるアセトニトリル精製プロセスが
開示されている。A.Hofmanova、K.Angelis、Chem. List
y、1978、72(3)、第306〜9頁(CA88:179367s)では、10
%水酸化カリウム水溶液と共に5時間沸騰させる工程、
酸化アルミニウム上で乾燥させてカルボン酸塩を除去す
る工程、無水リン酸またはモレキュラーシーブを用いて
乾燥する工程、次いで無水リン酸から分別蒸留する工程
によって、アセトニトリルが精製されている。これらの
方法は、多段階の工程を必要とし、そして塩基水溶液の
使用、およびそれに引き続く蒸留、そして水を除去する
ための他の処理を包含し、そして満足できる純度を達成
する。
【0006】H.Yu、Z.Xuは、Shengwu Huaxue Yu Shengw
u Wuli Jinzhan、1984、55、第70〜2頁(CA100:127264c)
において、メタノール中の過マンガン酸カリウム−水酸
化ナトリウムでアセトニトリルを処理し、次いで、活性
炭および酸性化したアルミナを通すことによって吸着す
ることを記載している。ロシア特許SU1,318,588にお
いては、アルミナ上に吸着した過マンガン酸カリウムに
アセトニトリル通して、アリルアルコール濃度を4〜6
ppmに減少させ、そしてアクリロニトリル濃度を1〜
3ppmに減少させている。過マンガン酸カリウムの使
用を開示するこれらの参考文献は、過マンガン酸カリウ
ム処理の後に水を除去することを開示しないか、または
面倒な蒸留工程を包含するか、または過マンガン酸カリ
ウムと強塩基との共処理を必要とするかのいずれかであ
る。
【0007】アセトニトリルのグレードを上げるために
「吸着」を効果的に用いることに対する主な障害は、ア
セトニトリルと、アセトニトリル中に含まれる不飽和ニ
トリル類との間の物理的性質が似ていることである。
「吸着」を、精製のための実行可能なアプローチとする
ためには、最初に、不飽和ニトリル類を物理的性質が十
分に異なる他の化学種に転化しなければならない。
【0008】コストがかかり、そして面倒な、蒸留を包
含する多段階プロセスを使用しないアセトニトリル精製
のための方法を見いだすことが望まれている。
【0009】
【発明の要旨】本発明の目的は、吸着ベースの技術を使
用して高純度のアセトニトリルを製造するアセトニトリ
ルの精製方法を提供することにある。
【0010】本発明のさらなる目的は、不飽和ニトリル
類のような除去が困難な不純物を転化して、酸化物、芳
香族、およびポリマーのような、除去がより容易な生成
物にすることにある。
【0011】本発明の他の目的は、低コストの処理装置
および材料を使用し、そして全体の処理コストが、伝統
的な蒸留ベースの技術で必要とされるコストと比較して
顕著に低い、アセトニトリルの精製プロセスを提供する
ことにある。
【0012】本発明のさらに他の目的は、プロセス設計
の自由度が高い、アセトニトリルの精製方法を提供する
ことにある。
【0013】上記および他の目的は、公知の方法と比較
した利点と共に、以下の明細書から明らかとなり、以下
に記載し、そして請求項に示す発明により達成される。
【0014】本発明が意図する上記目的を達成するため
に、本明細書に例示され、かつ広く記載されているよう
に、吸着ベースのプロセスを使用するアセトニトリルの
精製方法が提供される。本発明は、不飽和ニトリル類、
ならびにC=CおよびC=O官能基を有する他の物質を
含有する不純物を含むアセトニトリルの精製プロセスで
ある。このプロセスは、上記アセトニトリル中に含まれ
る不飽和ニトリル類を選択的に転化して、アセトニトリ
ルとは異なる物理的性質を有する生成物にするために、
上記アセトニトリルに固体試薬を添加することによって
このアセトニトリルを前処理する工程;およびこのアセ
トニトリル中から、上記前処理工程で得られた上記生成
物および他の不純物を除去するために、前処理されたア
セトニトリルを一連の吸着材床に通す工程を包含する。
【0015】さらに、不飽和ニトリル類、ならびにC=
CおよびC=O官能基を有する他の物質を含有する不純
物を含むアセトニトリルの精製方法が提供される。この
方法は、アセトニトリル中に含まれる不飽和ニトリル類
を選択的に転化して、アセトニトリルとは異なる物理的
性質を有する生成物にするために、上記アセトニトリル
に有機過酸溶液を添加することによってこのアセトニト
リルを前処理する工程;およびこのアセトニトリル中か
ら、上記前処理工程で得られた上記生成物および他の不
純物を除去するために、前処理された該アセトニトリル
を一連の吸着材床に通す工程を包含する。
【0016】
【発明の構成】本発明は、吸着ベースのプロセスを使用
するアセトニトリルの精製方法である。このアセトニト
リル精製プロセスは、不飽和ニトリル類のような有機不
純物を含むアセトニトリルを固体試薬を添加することに
より前処理し、上記不飽和ニトリル類を選択的に転化し
て、より容易に除去される生成物にする工程、および処
理されたアセトニトリルを一連の吸着材床に通して、得
られた生成物および存在する他の不純物をアセトニトリ
ルから除去する工程を包含する。
【0017】上記前処理工程には、不飽和ニトリル類を
転化するための試薬に関して3つの実施態様がある。ア
セトニトリルは、不飽和ニトリル類を選択的に転化する
ために、強塩基、酸化剤、または重合開始剤で前処理さ
れ得る。
【0018】本発明の1つの実施態様では、アセトニト
リルはアルカリ性水酸化物のような強塩基で前処理され
る。本発明のプロセスでは、水酸化物は不飽和ニトリル
類が縮合して芳香族ピリミジン類となる反応、およびあ
る種のポリマー性化学種の形成の開始反応に触媒として
作用する。大部分はアセトニトリルに不溶性である固体
アルカリ金属水酸化物の使用によって、不純物生成物の
除去を促進する反応が固−液界面で開始する。固体アル
カリ金属水酸化物はまた、バルク脱水剤としても作用す
る。前処理試薬として固体アルカリ金属水酸化物を使用
する本発明の予期せぬ利点は、塩基水溶液を使用した場
合と比較して、アセトニトリルの加水分解および分解が
顕著に低レベルであることであり、そしてその結果、生
成物の収率が高いことである。
【0019】適切な強塩基には、アルカリ金属水酸化
物、塩基性アルミナ、水酸化物イオンで交換されたアニ
オン交換樹脂、酸化クロム/酸化亜鉛/酸化アルミニウ
ムのような金属酸化物触媒、他の塩基性金属酸化物、お
よびそれらの混合物が包含されるが、これらに限定され
ない。好ましい強塩基は、水酸化ナトリウムおよび水酸
化カリウムであり、水酸化カリウムが特に好ましい。
【0020】強塩基は、総不飽和ニトリル類1モルに対
して0.1〜1000モル、好ましくは0.5〜100
モルの範囲の量となるように、回分式プロセスまたは連
続式プロセスでアセトニトリルに添加される。
【0021】本発明の他の実施態様では、固体酸化剤
が、前処理工程の試薬として用いられる。この酸化剤は
不飽和ニトリル類を選択的に酸化し、吸着によって容易
に除去できる高極性の物質にする。本発明のプロセスに
おいて酸化剤を前処理用試薬として使用することによっ
て、予期せぬ利点が示される。この利点は、C=Cおよ
びC=O含有物質を効果的に除去するためにアルカリ金
属水酸化物を共触媒として使用する必要がないこと、お
よび酸化剤の水溶液またはアルコール性溶液を必要とし
ないことである。酸化剤が反応するにつれ、生成物の二
酸化マンガンが溶液から沈殿し、生成物のアセトニトリ
ルの精製を促進する。さらに、精製のために選択的な吸
着材を使用することで、手間のかかる酸処理および多段
蒸留が不必要となる。
【0022】適切な酸化剤には、過マンガン酸カリウ
ム;過酢酸、三フッ化過酢酸、過安息香酸などのような
有機過酸;三酸化クロムおよびクロム酸;四酢酸鉛;水
銀酸および酢酸水銀(II);二酸化セレン;メタ過ヨウ
素酸ナトリウム;四酸化オスミウム;四酸化ルテニウ
ム、およびメタ過ヨウ素酸ナトリウム/二酸化ルテニウ
ム;次亜塩素酸アルカリ金属および次亜塩素酸アルカリ
土類金属;固体混合金属酸化物触媒;およびそれらの混
合物が包含されるが、これらに限定されない。好ましい
酸化剤は過マンガン酸カリウムである。次亜塩素酸アル
カリ金属および次亜塩素酸アルカリ土類金属は上に列記
したように適切な酸化剤であるが、しかし微量の塩化物
イオンさえも許容されないような用途のためには、これ
らは適切ではない。
【0023】酸化剤は、C=CおよびC=O含有物質1
モルに対して0.1〜5モル、好ましくは1.0〜3.
0モルの範囲の量となるように、回分式プロセスまたは
連続式プロセスでアセトニトリルに添加される。酸化プ
ロセスを加速するために、任意に、酸素または酸素含有
ガスを溶液中にスパージ(バブリング)し得る。
【0024】本発明の他の実施態様は、固体重合開始剤
で前処理して、不飽和ニトリル類を選択的に転化して高
極性化合物またはポリマーにすることを包含する。重合
開始剤を前処理用試薬として使用することにより得られ
る他の利点には、反応速度が高いことが包含される。他
の利点は、アセトニトリル中のUV吸収性物質からポリ
マー性物質が形成されることである。このようなポリマ
ー性物質はアセトニトリル中で大部分は不溶性であり、
従って、デカンテーション、遠心分離、または濾過によ
るこれらの除去は比較的容易であり、かつ当業者に公知
の手法と比べて、アセトニトリルの吸着処理効率が比較
的効率的である。
【0025】適切な重合開始剤は、オレフィン性物質を
迅速かつ選択的に重合し、そしてアセトニトリルおよび
他の脂肪族ニトリル類と比較的、非反応性の任意の重合
開始剤である。重合開始剤の例としては、AIBN(ア
ゾビス(イソブチロニトリル))のようなアゾ−ニトリ
ル;ベンゾイルペルオキシドのような、アルキル、アリ
ール、およびアシルペルオキシド;ヒドロペルオキシド
およびケトンペルオキシド;ペルエステルおよびペルオ
キシカーボネート;過硫酸カリウムのような、アルカリ
金属およびアルカリ土類金属過硫酸塩;有機スルホニル
アジド、およびそれらの混合物が挙げられるが、これら
に限定されない。
【0026】重合開始剤は、C=CまたはC=O含有物
質1モルに対して約0.1〜5.0モル、好ましくは
1.0〜3.0モルの範囲の量となるように、回分式プ
ロセスまたは連続式プロセスでアセトニトリルに添加さ
れる。
【0027】あるいは、重合開始剤は、オレフィン性物
質1モルに対して0.1〜5.0モル、好ましくは1.
0〜3.0モルの範囲の量となるようにアセトニトリル
に添加される。
【0028】いずれの前処理工程においても、適切な温
度は約0℃と約80℃の間であり、0℃と70℃との間
の温度が好ましく、そして0℃と30℃との間の温度が
特に好ましい。温度は試薬に依存して選択される。塩基
または酸化剤が試薬として用いられる場合には、室温付
近の温度が好ましい。多くの重合開始剤が、先立つ熱分
解によって反応して活性な開始種を生成するので、十分
な熱分解速度を得るためにより高い温度が選択される。
【0029】好ましい態様においては、前処理工程は、
攪拌されたタンク反応器または流動式反応器中で、液相
で行われる。反応時間は、不飽和不純物が吸着可能な生
成物に完全に転化するように選択される。反応時間は1
〜10時間である。
【0030】前処理されたアセトニトリルは、次に、沈
殿の除去が必要な場合にはデカンテーションまたは濾過
され、そうでない場合には1番目の吸着材床に直接送達
される。当業者に公知の、他の従来のいかなる手段も、
沈殿の除去のために使用され得る。
【0031】前処理工程を行った後、アセトニトリルを
一連の吸着材床に通す。この床は、不飽和ニトリル類の
転化により得られた生成物、および前処理工程後に存在
する他の不純物を除去するために、特別に設計されたも
のである。例えば、活性炭はポリマーおよび芳香族を除
去する。アルミナ、シリカ、モレキュラーシーブ、およ
びアルミノケイ酸塩は、アミドおよびアルコールのよう
な極性の有機化合物をトラップし、そして脱水剤として
も機能する。吸着材は、用途に応じて、再生してもよ
く、あるいは使い捨てであってもよい。
【0032】本発明のために適した吸着材料は、活性
炭、大孔径ゼオライト、アルミナ、シリカ、アルミノケ
イ酸塩、極性物質を選択的に吸着するために当業者に公
知の同様の材料(例えば、マクロ孔質ポリマー性樹脂な
ど)、ならびに有機物質から水を選択的に除去するため
に当業者に公知のモレキュラーシーブ(例えば3Aまた
は4Aのモレキュラーシーブ)である。これらの材料は
積層され得、吸着材床中に混合され得、または純粋な形
態でそれぞれ分離した任意の順番の吸着材床中で使用さ
れ得、その結果、必要とされる純度のアセトニトリル
(これはUVカットオフが190nm未満であり、そし
て1ppm未満の水分しか含まないアセトニトリルであ
る)が得られる。
【0033】吸着工程は、好ましくは、連続式固定床プ
ロセスとして行われる。吸着材床は室温で、あるいは必
要に応じて高温で操作し得、そして上昇流または下降流
のいずれによっても操作し得る。吸着材料の再生は、高
温の乾燥不活性ガス(例えば窒素)流による処理のよう
な公知の方法で行われる。好ましい態様では、吸着材床
はアセトニトリルを床を通してリサイクルし、温度を上
げることによって再生される。
【0034】最後に、処理されたアセトニトリルを、標
準的な精密濾過技術で濾過して、吸着材料から得られた
微粒子を除去し、最も厳しい純度基準にも適合する生成
物が得られる。
【0035】本発明のプロセスにより、蒸留法と比較し
た場合、効率、エネルギーの利用、そして全体の収率が
向上する。蒸留法の場合、高い温度、および長い処理時
間が必要とされ、そして精製された生成物の収率は比較
的低い。吸着材料が不純物を除去する高い選択性によっ
て、アセトニトリルの全体の収率は予期せぬほど高くな
る。
【0036】
【実施例】以下の実施例によって、本発明による、前処
理工程および吸着工程を包含するアセトニトリル精製の
ためのプロセスを例示する。以下の実施例は、本発明を
例示するが、本発明を限定しない。
【0037】(実施例1)塩基による転化/吸着のプロセ
スによるアセトニトリルの精製 攪拌器ならびに窒素用の入口および出口を備えた、8.
0リットルの回分式反応容器に、0.05%の水および
ppmレベルのアリルアルコール、アクリロニトリル、
クロトンニトリル、およびアセトアミドを含む4.0リ
ットルの生成物アセトニトリルを満たした。この生成物
アセトニトリルに4.0gの乾燥水酸化カリウム粉末
(100〜200メッシュ)を添加した。得られた混合
物を、次いで25℃、窒素下で5時間攪拌した。次いで
この溶液を濾過し、そしてポンプを用いて、100.0
ccの活性炭を含む固定床、次に100ccのゼオライ
トタイプ13X(UOP Inc. Des Plaines、Illinoisから
購入)を含む第2の固定床に、0.5リットル/時の流
速(2.5(v/v/時)のLHSVに相当)で通した。精密濾過
膜を用いる最終濾過により、吸着床から混入した微細粒
子状物質を除去した。得られたアセトニトリルをガスク
ロマトグラフィーにより分析した。カールフィッシャー
滴定は、このアセトニトリルが30ppm未満の水しか
含まないことを示した。ガスクロマトグラフィーは、こ
のアセトニトリルが、アリルアルコール、アクリロニト
リル、クロトンニトリル、およびアセトアミドをそれぞ
れ0.1ppm未満しか含まず、そしてUVカットオフ
が190nm未満であることを示した。UVグラジエン
ト分析では210nmで5mAUより大きいピークはな
かった。
【0038】(実施例2)過マンガン酸塩による酸化/
吸着プロセスによるアセトニトリルの精製 固体の過マンガン酸カリウム(0.1652g、1.0
5mmol)を、5250ppmの水、535ppmの
アクリロニトリル、650ppmのクロトンニトリル
(シス−トランス混合物)、および570ppmのアリ
ルアルコールを含むアセトニトリル試料(51.3g)
中に溶解した。この溶液を室温で攪拌し、そしてガスク
ロマトグラフィーによりモニターした。30分後、褐色
の沈澱物が形成され、そして最初紫色の溶液が透明かつ
無色になった。追加の過マンガン酸カリウム(0.17
89g、1.13mmol)を添加し、そして褐色固体
の沈澱を、室温で60分間さらに攪拌することにより再
度完結し、無色の透明な上澄み液を得た。ガスクロマト
グラフィーは、アクリロニトリルおよびクロトンニトリ
ルの完全な転化ならびにアリルアルコールの87%転化
を示した。出発物質および生成物上澄み液のUVスペク
トルは、過マンガン酸カリウム前処理の後、190〜3
00nmの範囲でUV吸収の劇的な減少を示した。過マ
ンガン酸塩のさらなる添加を、アリルアルコールの転化
を完了するために行った。
【0039】過マンガン酸塩で処理されたアセトニトリ
ルを、次いで活性炭吸着床に通し、続いてゼオライトタ
イプ13X(UOP Inc. Des Plaines、Illinoisから購
入)の吸着床、次いで3Aモレキュラーシーブの吸着床
に通す。生成物アセトニトリルは、30ppm未満の水
しか含まず、そしてUVカットオフは190nmを下回
った。
【0040】(実施例3)選択的重合/吸着プロセスに
よるアセトニトリルの精製 固体の過硫酸カリウム(5mmol)を、5250pp
mの水、535ppmのアクリロニトリル、650pp
mのクロトンニトリル(シス−トランス混合物)、およ
び570ppmのアリルアルコールを含むアセトニトリ
ル試料(51.3g)に添加する。この溶液を室温で攪
拌し、そしてガスクロマトグラフィーによりモニターす
る。ガスクロマトグラフィーは、アクリロニトリル、ク
ロトンニトリル、およびアリルアルコールの実質的な転
化を示す。生成物溶液の濾過の後、出発物質および生成
物上澄み液のUVスペクトルは、過硫酸カリウム処理の
後、190〜300nmの範囲のUV吸収の劇的な減少
を示す。
【0041】過硫酸塩処理したアセトニトリルを、次い
で活性炭の吸着床に通し、続いてゼオライトタイプ13
X(UOP Inc. Des Plaines、Illinoisから購入)の吸着
床、次いで3Aモレキュラーシーブの吸着床に通す。生
成物アセトニトリルは、30ppm未満の水しか含ま
ず、そしてUVカットオフは190nmを下回った。
【0042】本発明を、上記実施例により詳細に記載し
たけれども、これらの実施例は、例示のためのみであ
り、そして当業者は、本発明の技術思想および範囲から
逸脱することなく、変更および改変をなし得ることが理
解される。
フロントページの続き (71)出願人 595017584 200 Public Square,39G BP Building,Clevel and,Ohio 44114,U.S.A. (72)発明者 マーク シー.シーザ アメリカ合衆国 オハイオ 44121,サウ ス ユークリッド,バーチウォルド ロー ド 4617 (72)発明者 トーマス ジー.エイティッグ アメリカ合衆国 オハイオ 44202,オー ロラ,デボラ ドライブ 115

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ニトリル類、ならびにC=Cおよ
    びC=O官能基を有する他の物質を含有する不純物を含
    むアセトニトリルの精製方法であって、以下の工程
    (a)および(b)を包含する方法: (a)該アセトニトリル中に含まれる不飽和ニトリル類
    を選択的に転化して、アセトニトリルとは異なる物理的
    性質を有する生成物にするために、該アセトニトリルに
    固体試薬を添加することによって該アセトニトリルを前
    処理する工程;および (b)該アセトニトリル中から、該工程(a)で得られ
    た該生成物および他の不純物を除去するために、前処理
    された該アセトニトリルを一連の吸着材床に通す工程。
  2. 【請求項2】 前記固体試薬が強塩基である、請求項1
    に記載のアセトニトリルの精製方法。
  3. 【請求項3】 前記強塩基が、アルカリ金属水酸化物、
    塩基性アルミナ、水酸化物イオンで交換されたアニオン
    交換樹脂、金属酸化物触媒、塩基性金属酸化物、および
    それらの組み合わせからなる群から選択される、請求項
    2に記載のアセトニトリルの精製方法。
  4. 【請求項4】 前記強塩基が水酸化ナトリウム、水酸化
    カリウム、およびこれらの組み合わせからなる群から選
    択される、請求項2に記載のアセトニトリルの精製方
    法。
  5. 【請求項5】 前記強塩基が水酸化カリウムである、請
    求項2に記載のアセトニトリルの精製方法。
  6. 【請求項6】 前記強塩基が、総不飽和ニトリル類1モ
    ルに対して0.1〜1000モルの範囲の量となるよう
    に前記アセトニトリルに添加される、請求項2に記載の
    アセトニトリルの精製方法。
  7. 【請求項7】 前記強塩基が、総不飽和ニトリル類1モ
    ルに対して0.5〜100モルの範囲の量となるように
    前記アセトニトリルに添加される、請求項2に記載のア
    セトニトリルの精製方法。
  8. 【請求項8】 前記固体試薬が酸化剤である、請求項1
    に記載のアセトニトリルの精製方法。
  9. 【請求項9】 前記酸化剤が、過マンガン酸カリウム、
    有機過酸、三酸化クロム、クロム酸、四酢酸鉛、水銀
    酸、酢酸水銀(II)、二酸化セレン、メタ過ヨウ素酸ナ
    トリウム、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、メタ
    過ヨウ素酸ナトリウム/二酸化ルテニウム、固体混合金
    属酸化物触媒、およびそれらの混合物からなる群から選
    択される、請求項8に記載のアセトニトリルの精製方
    法。
  10. 【請求項10】 前記酸化剤が過マンガン酸カリウムで
    ある、請求項8に記載のアセトニトリルの精製方法。
  11. 【請求項11】 前記酸化剤が、C=CおよびC=O含
    有物質1モルに対して0.1〜5モルの範囲の量となる
    ように前記アセトニトリルに添加される、請求項8に記
    載のアセトニトリルの精製方法。
  12. 【請求項12】 前記酸化剤が、C=CおよびC=O含
    有物質1モルに対して1.0〜3.0モルの範囲の量と
    なるように前記アセトニトリルに添加される、請求項8
    に記載のアセトニトリルの精製方法。
  13. 【請求項13】 前記固体試薬が重合開始剤である、請
    求項1に記載のアセトニトリルの精製方法。
  14. 【請求項14】 前記重合開始剤が、アゾ−ニトリル、
    アルキルペルオキシド、アリールペルオキシド、アシル
    ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ケトンペルオキシ
    ド、ペルエステル、ペルオキシカーボネート、アルカリ
    金属過硫酸塩、アルカリ土類金属過硫酸塩、有機スルホ
    ニルアジド、およびそれらの組み合わせからなる群から
    選択される、請求項13に記載のアセトニトリルの精製
    方法。
  15. 【請求項15】 前記重合開始剤が過硫酸カリウムであ
    る、請求項13に記載のアセトニトリルの精製方法。
  16. 【請求項16】 前記重合開始剤が、オレフィン性物質
    1モルに対して0.1〜5.0モルの範囲の量となるよ
    うに前記アセトニトリルに添加される、請求項13に記
    載のアセトニトリルの精製方法。
  17. 【請求項17】 前記重合開始剤が、オレフィン性物質
    1モルに対して1.0〜3.0モルの範囲の量となるよ
    うに前記アセトニトリルに添加される、請求項13に記
    載のアセトニトリルの精製方法。
  18. 【請求項18】 前記吸着材が、活性炭、大孔径ゼオラ
    イト、アルミナ、シリカ、アルミノケイ酸塩、マクロ孔
    質ポリマー性樹脂、およびモレキュラーシーブからなる
    群から選択される、請求項1に記載のアセトニトリルの
    精製方法。
  19. 【請求項19】 前記前処理工程(a)の温度が0℃と
    約80℃との間である、請求項1に記載のアセトニトリ
    ルの精製方法。
  20. 【請求項20】 前記前処理工程(a)の温度が0℃と
    約70℃との間である、請求項1に記載のアセトニトリ
    ルの精製方法。
  21. 【請求項21】 前記前処理工程(a)の温度が0℃と
    約30℃との間である、請求項1に記載のアセトニトリ
    ルの精製方法。
  22. 【請求項22】 前記吸着工程(b)が、連続式固定床
    プロセスで行われる、請求項1に記載のアセトニトリル
    の精製方法。
  23. 【請求項23】 不飽和ニトリル類、ならびにC=Cお
    よびC=O官能基を有する他の物質を含有する不純物を
    含むアセトニトリルの精製方法であって、以下の工程
    (a)および(b)を包含する方法: (a)該アセトニトリル中に含まれる不飽和ニトリル類
    を選択的に転化して、アセトニトリルとは異なる物理的
    性質を有する生成物にするために、該アセトニトリルに
    有機過酸溶液を添加することによって該アセトニトリル
    を前処理する工程;および (b)該アセトニトリル中から、該工程(a)で得られ
    た該生成物および他の不純物を除去するために、前処理
    された該アセトニトリルを一連の吸着材床に通す工程。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014152127A (ja) * 2013-02-06 2014-08-25 Tokuyama Corp オルメサルタンメドキソミルの製造方法
CN107129443A (zh) * 2016-02-29 2017-09-05 赵志峰 高纯试剂乙腈间歇式预处理装置

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