JPH081962B2 - 青色発光素子の製造方法 - Google Patents
青色発光素子の製造方法Info
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Description
用される青色発光素子の製造方法に関する。
ED(発光素子)が各種表示デバイスに使用されてい
る。一方、特にディスプレイ応用の面から高性能な青色
LEDの実現が要望されており、また主として光情報処
理分野では短波長の高輝度光源に対する要求が強くなっ
ている。
は、従来対象とされてきた発光材料より広い光学的エネ
ルギーギャップを持つ、いわゆるワイドギャップ発光材
料の開発が必要である。この種の発光材料として現在有
望視されているものとしては、SiC(炭化珪素),Z
nSe(セレニウム化亜鉛),ZnS(硫化亜鉛),G
aN(窒化ガリウム)などの半導体材料が知られている
が、いずれも結晶成長が困難であり、また良好なP型伝
導を示すものが得難いなどの理由から実用化されていな
い。さらに、この種の材料は結晶成長用基板に制約があ
るため、大面積化,低コスト化も困難になっている。
珪素、以後a−SiC:Hと称する)を用いて白色発光
が得られることが発表(柊本他 第29回応用物理学会
予稿集3a−Z−8(昭和57年春))されて以来、a
−SiC:H薄膜の発光輝度の向上や信頼性の改善が試
みられている。しかしながら、現状では白色または赤色
の発光を呈する素子しか得られておらず、また輝度,信
頼性の面でも実用レベルにはほど遠いものしか得られて
いない。このa−SiC:H薄膜を発光層として用いた
素子で青色発光が得られない原因としては以下の理由が
あげられる。
分散してランダムネットワークを形成していないため、
三配位と四配位の結合を有するSi及びCが存在する。
そのため、結合角,原子間距離にゆらぎが生ずるので、
バンド端近傍にテイルステイツと称される準位が形成さ
れる。このテイルステイツの存在が発光スペクトルの長
波長化及びスペクトル半値幅の増大(白色化)を招いて
いる。
ラファイト状の結合を有するC原子が多量に存在してい
るために、密度の高いネットワークが組めず、微細なボ
イドが多数存在する。微細なボイドの周辺には結合に関
与しない未結合手(ダングリングボンド)が発生し易
い。このダングリングボンドは非発光性再結合中心とし
て作用するので、発光効率の低下を招く。
ス炭化珪素を用いた従来の発光素子においては、a−S
iC:H中のSiとCが均一に分散して、ダンダムネッ
トワークを形成していないため、またポリマー状のC−
C結合、あるいはグラファイト状の結合を有するC原子
が多量に存在しているために、青色発光が得られないと
いう問題がある。本発明は以上のような問題に対処して
なされたもので、効率良く青色を発光する青色発光素子
の製造方法を提供することを目的とするものである。
製造方法は、水素化珪素とフッ化炭素の混合ガスを主た
る原料として用い、これら原料ガスと同量以上の水素ガ
スを反応容器内に導入した後、グロー放電分解法によっ
てフッ素が添加されたアモルファス水素化炭化珪素薄膜
の発光層を形成することを特徴とするものである。
素化珪素とフッ化炭素の混合ガスを主たる原料として用
いて、これに混合ガスと同量以上の水素ガスを導入した
後、グロー放電分解法によって形成されたアモルファス
水素化炭化珪素薄膜を発光層として使用するようにした
ので、効率良く青色を発光する青色発光素子の製造方法
を提供することができる。また、このようにして得られ
た素子は、薄膜中のSiとCが均一に分散してランダム
ネットワークを形成できると共に、ポリマー状のC−C
結合あるいはグラファイト状の結合を有するC原子が多
量に存在しないため、効率良く青色を発光することがで
きる。
る。
青色発光素子の一例を示す断面図である。図において、
14はガラス基板、15はガラス基板上にスパッタリン
グ法によって0.2μmの膜厚に形成された例えばSn
O2 (酸化錫)及びITO(酸化インジウム錫)の2重
膜からなる透明電極、16は透明電極15上に後述のよ
うにグロー放電分解法によって0.015μmの膜厚に
形成されたP型のアモルファス水素化炭化珪素(以下a
−SiC:H,Fと称する)薄膜である。
にこれと同様な方法によって、0.15μmの膜厚に形
成されたI型のa−SiC:H,F薄膜であり、このI
型a−SiC:H,F薄膜17は発光層として働く。1
8はこのI型a−SiC:H,F薄膜17上にこれと同
様な方法によって、0.03μmの膜厚に形成されたN
型のa−SiC:H,F薄膜であり、これら各薄膜1
6,17,18によってPIN型ダイオードが構成され
る。N型a−SiC:H,F薄膜18上にはアルミニウ
ムなどからなる電極19が蒸着法によって形成されてい
る。
明する。先ず、図5に示すような構成の薄膜作成装置を
用意する。この薄膜作成装置は、高周波電極11及び上
部電極12を備えた真空容器1と、排気系2と、第1,
第2及び第3のマスフローコントローラ3,5及び7
と、H2 源4と、SiH4 (水素化珪素)源6と、CF
4 (フッ化炭素)源8と、高周波電源9と、マッチング
回路10とを有している。
空容器1内の上部電極12に図1の青色発光素子を製造
すべきガラス基板14を載置する。この場合ガラス基板
14としては、透明電極15を形成済みのものを用いる
ようにする。この状態で真空容器1内を排気系2によっ
て1×10-7Torrの高真空に排気する。
より、H2 源4から95sccmの流量に調整されたH2 ガ
スを真空容器1内に導入する。続いて、第2及び第3の
マスフローコントローラ5及び7により、各々SiH4
源6及びCF4 源8から1.5sccm及び3.5sccmの流
量に調整されたSiH4 及びCF4を導入する。各流量
が安定しかつ真空容器1内のガス圧が安定した後、排気
系2の排気速度を調整して真空容器1内の圧力を0.0
5Torrに保持する。
Hz)からマッチング回路10を介して、真空容器1内
の高周波電極11に80Wの高周波電力を供給すると、
高周波電極11と上部電極12との間でグロー放電プラ
ズマが発生する。なお、上部電極12の高周波電極11
と対向する面に載置されたガラス基板14は100℃に
加熱されている。この状態でグロー放電を行うことによ
り、ガラス基板14上にa−SiC:H,F薄膜を形成
することができる。
2 H6 を添加した混合ガスを使用し、約8分間グロー放
電を行うことにより、透明電極15上に0.015μm
のP型a−SiC:H,F薄膜16を5×1019/cm
3 の濃度に形成することができた。続いて、B2 H6 を
混合しないで約90分間グロー放電を行うことにより、
P型a−SiC:H,F薄膜16上に0.15μmのI
型a−SiC:H,F薄膜17を形成することができ
た。次に、SiH4 に1mol%のPH3 を添加した混
合ガスを使用し、約16分間グロー放電を行うことによ
り、I型a−SiC:H,F薄膜17上に0.03μm
のN型a−SiC:H,F薄膜18を形成することがで
きた。続いて、周知の蒸着法によってアルミニウム電極
19を形成することにより、図1の構造の青色発光素子
が得られる。
H,F薄膜16,17,18には約35atm%のフッ
素(F)原子が含まれており、ダングリングボンドはほ
とんど全てF原子によりターミネイトされているため、
ESRスピン密度は検出限界以下であった。なお、本発
明者らの実験結果によるとF原子の薄膜中に含まれる濃
度X(atm%)はほぼ5乃至50の範囲に含まれてい
ると望ましいことを確かめた。 図2はa−SiC:
H,F薄膜の光吸収特性を示すものである。図中、
(a)は本実施例において100sccmのH2 を導入した
場合に得られた特性、(b)は比較のためH2 を導入し
ない場合に得られた特性を示すものである。ここで吸収
係数αは、(αhν)の平方根=Bo(hν−Eo)で
定義される。hνは光子エネルギー、Boは定数、Eo
は光学的エネルギーギャップを示している。
の報告(Electronic Processes inNoncry stalline Mat
erials, 2nd edition, Oxford, 1979)によると、ギャ
ップ内に局在するテイルステイツ密度に逆比例する。
a−SiC:H,F薄膜のB定数は約1200であり、
水素を導入しないで作成したa−SiC:H,F薄膜の
B定数は約600であった。本実施例によればB定数は
約2倍に増加し、テイルステイツ密度が大幅に減少して
いることを示している。
示すものである。図中(a)乃至(d)は導入した水素
流量の違いを示しており、(a)は0sccm,(b)は5
sccm,(c)は45sccm,(d)は95sccmの各スペク
トルを示している。水素を導入しない(a)の特性は、
520nm付近にピークを有するブロードなスペクトル
を示すが、水素流量の増加に伴い長波長側の発光強度が
徐々に減少し、結果的に400mm付近にピークを有す
る鋭いスペクトルとなり発光強度も急激に増加する。各
特性はいずれも約3.5eVの光学的エネルギーギャッ
プを有しているが、発光特性は水素の導入によって飛躍
的に改善されることを示している。
し、高周波電力を比較的大きくすることにより、プラズ
マ中に多量の原子状水素が発生し、気相中のポリマー
(Si−Si,C−C,Si−C−Si)の生成を抑制
し、堆積表面でのSi−Cランダムネットワーク形成を
促進するためと考えられる。この結果、テイルステイツ
密度,ダングリングボンド密度が減少し、従ってギャッ
プ内の局在中心間の遷移による発光が減少し、バンド間
の遷移による発光が増大したことになる。なお、図3で
はフォトルミネッセンス強度を測定しているが、光励起
ではなく、キャリヤ注入型の発光素子においても同様の
発光が得られることを確かめた。
である図1のPIN型青色発光ダイオードのI−V(電
流−電圧)特性を示すものである。図4から明らかなよ
うに良好なダイオード特性を示しており、順方向バイア
ス電圧を10V以上印加すると、電流が立ち上って発光
を開始する。発光は純粋な青色を示し、ピーク波長はフ
ォトルミネッセンスよりも長波長側に約60nmシフト
していた。
に、11Vの電圧を印加したとき非常に明るい青色発光
を呈した。その発光輝度は約100cd/m2 であり、
充分実用に耐え得る特性であった。
における発光層は、フッ素の添加により非常に安定な構
造になるため、100mA/cm2 の通電試験を100
時間行った後も、輝度の変化は検出されなかった。
素が添加されたアモルファス水素化炭化珪素薄膜を発光
層として用いる青色発光素子の製造方法を提供するよう
にしたので、効率良く青色を発光する素子を得ることが
できる。また、このようにして得られた素子は、薄膜中
のSiとCが均一に分散してランダムネットワークを形
成できると共に、ポリマー状のC−C結合あるいはグラ
ファイト状の結合を有するC原子が多量に存在しないた
め、効率良く青色を発光することができる。
子の一例を示す断面図である。
と従来例によって得られた素子における発光層との光吸
収特性を比較する特性図である。
のフォトルミネッセンススペクトルを示す特性図であ
る。
である。
ロック図である。
化珪素薄膜 17 I型のフッ素が添加されたアモルファス水素化炭
化珪素薄膜 18 N型のフッ素が添加されたアモルファス水素化炭
化珪素薄膜
Claims (1)
- 【請求項1】 水素化珪素とフッ化炭素の混合ガスを主
たる原料として用い、これら原料ガスと同量以上の水素
ガスを反応容器内に導入した後、グロー放電分解法によ
ってフッ素が添加されたアモルファス水素化炭化珪素薄
膜の発光層を形成することを特徴とする青色発光素子の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17951491A JPH081962B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 青色発光素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17951491A JPH081962B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 青色発光素子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0529652A JPH0529652A (ja) | 1993-02-05 |
JPH081962B2 true JPH081962B2 (ja) | 1996-01-10 |
Family
ID=16067126
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17951491A Expired - Fee Related JPH081962B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 青色発光素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH081962B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
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JPS6269691A (ja) * | 1985-09-24 | 1987-03-30 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 発光半導体装置およびその作製方法 |
-
1991
- 1991-07-19 JP JP17951491A patent/JPH081962B2/ja not_active Expired - Fee Related
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