JPH08196217A - 密封包装品の加熱方法及びその装置 - Google Patents

密封包装品の加熱方法及びその装置

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JPH08196217A
JPH08196217A JP7006350A JP635095A JPH08196217A JP H08196217 A JPH08196217 A JP H08196217A JP 7006350 A JP7006350 A JP 7006350A JP 635095 A JP635095 A JP 635095A JP H08196217 A JPH08196217 A JP H08196217A
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microwave
sealed
temperature
packaged
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JP7006350A
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English (en)
Inventor
Takeaki Akaha
丈明 赤羽
Kenji Ikeda
憲司 池田
Masako Saito
雅子 斉藤
Shoshi Maruzeni
詔司 丸銭
Hiroshi Edo
博 江戸
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品素材のもつ風味及び食感を損なわないで
加熱することが可能な密封包装品の加熱装置の提供。 【構成】 マイクロ波透過性及び耐熱性の包装材で被包
装体を密封した密封包装品にマイクロ波を照射して上記
被包装体を昇温させるマイクロ波加熱手段3と、上記密
封包装品を揉みほぐす装置を備え、温風若しくは熱風を
送り、装置内の雰囲気温度を一定に保ち、且つ上記被包
装体の保温若しくは昇温及び該被包装体内部の熱分布を
均一にする送風手段4とを具備していることを特徴とす
る密封包装品の加熱装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品等を密封した密封
包装品の加熱方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、密封包装品を調理又は殺菌等の目
的で加熱する方法としては、常圧下で水蒸気若しくは熱
水によって加熱する方法(以下、方法1という)、高圧
下で100℃以上の温度で加熱する方法(以下、方法2
という)、特公昭62−52583号公報に開示されて
いるような、マイクロ波を被包装体に照射して加熱する
方法(以下、方法3という)、特開昭63−24616
4号公報に開示されているような、密封包装品に遠赤外
線を照射しながらその表面に送風して包装材の過熱を回
避して加熱する方法(以下、方法4という)、特開平2
−307474号公報に開示されているような、マイク
ロ波と遠赤外線を密封包装品に同時に照射することで被
加熱体と包装容器を同時に加熱し、その後熱風加熱によ
り温度を一定に保って加熱する方法(以下、方法5とい
う)、及び特開昭59−102384号公報に開示され
ているような、マイクロ波と熱風を被加熱体に同時に照
射して加熱する方法(以下、方法6という)が知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、食品の調理・
殺菌のための加熱においては、高温でかつ加熱時間が短
い程、食品そのものの風味を損なうことが少ない。上述
した従来の加熱方法においては、この食品の風味及び食
感を保持する点において、以下のような幾つかの問題が
あった。
【0004】すなわち、上記方法1では100℃付近で
の昇温が遅く、また、上記方法2ではレトルト臭の発生
やヒートショックの問題があった。
【0005】また、上記方法3では内部からの加熱が可
能であり昇温も速いが、マイクロ波の乱反射特性により
被加熱体が部分的に過熱され、昇温が急激なため包装材
の破裂の恐れがあり、上記方法4では加熱と同時に送風
することによって密封包装品表面の熱を奪うため昇温が
遅いという欠点があり、上記方法5では遠赤外線を容器
殺菌の目的に使用するため送風ができないので、使用で
きる包装材に制限があった。
【0006】更に、上記方法6ではマイクロ波と熱風を
同時に照射することによって被加熱体の均一な加熱が困
難であった。
【0007】従って、本発明の目的は、マイクロ波照射
と送風加熱を交互に併用することにより、従来の加熱技
術の欠点を解消し、また短時間で高温まで加熱すること
で、食品素材のもつ風味及び食感を損なわずに加熱する
ことが可能で、また、本発明における加熱方法は水の使
用が一切ないため装置のカビまたはサビ等の問題がな
く、作業環境が衛生的である密封包装品の加熱方法及び
その装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の発明は、マイクロ波透過性及び耐熱性の包装材で被包
装体を密封した密封包装品にマイクロ波を照射して上記
被包装体を昇温させる第1工程と、これに続き上記密封
包装品を揉みほぐしながら温風若しくは熱風を送り、装
置内の雰囲気温度を一定に保ち、且つ上記被包装体の保
温若しくは昇温及び該被包装体内部の熱分布を均一にす
る第2工程とを具備することを特徴とする密封包装品の
加熱方法を提供することにより、上記目的を達成したも
のである。
【0009】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1の加熱方法を直列に2回繰り返すことを特徴とする密
封包装品の加熱方法を提供するものである。
【0010】本発明の請求項3に記載の発明は、本発明
の密封包装品の加熱方法の実施に用いられる好ましい装
置である、マイクロ波透過性及び耐熱性の包装材で被包
装体を密封した密封包装品にマイクロ波を照射して上記
被包装体を昇温させるマイクロ波加熱手段と、上記密封
包装品を揉みほぐす装置を備え、温風若しくは熱風を送
り、装置内の雰囲気温度を一定に保ち、且つ上記被包装
体の保温若しくは昇温及び該被包装体内部の熱分布を均
一にする送風手段とを具備していることを特徴とする密
封包装品の加熱装置を提供するものである。
【0011】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
3の加熱装置を2組有することを特徴とする密封包装品
の加熱装置を提供するものである。
【0012】以下、本発明の密封包装品の加熱方法につ
いて詳細に説明する。本発明の密封包装品の加熱方法に
おいて、上記第1工程で使用されるマイクロ波の波長
は、2400MHz〜2500MHz、好ましくは24
25MHz〜2475MHzである。
【0013】また、本発明における上記マイクロ波の出
力は、特に限定されるものではないが、500〜120
00W、好ましくは500〜6000Wである。出力が
500W未満であると、加熱が遅くなり、12000W
を越えると、包装材が破裂するからである。
【0014】さらに、本発明における上記マイクロ波に
よる加熱時間は、特に限定されるものではなく、被包装
体の種類、被包装体の水分量に応じて適宜調節すること
ができる。
【0015】本発明の密封包装品の加熱方法の第2工程
において使用される温風又は熱風の温度は、特に限定さ
れるものではないが、包装材の軟化温度未満、すなわ
ち、60℃〜130℃、好ましくは70℃〜100℃に
設定される。
【0016】また、上記第2工程における風量は、特に
限定されるものではないが、密封包装品が風によって動
かされない程度であれば良い。
【0017】本発明における包装材としては、マイクロ
波がある程度透過し且つ耐熱性のものであれば特に限定
されるものではないが、例えば透明の2層ラミネートと
してナイロン/無延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリ
プロピレン(PP)/CPP、ナイロン/ポリエチレン
(PE)又はポリエチレンテレフタレート(PET)/
PEが好ましく、また3層ラミネートとしてPET/ナ
イロン/CPP、シリカ蒸着PET/ナイロン/CP
P、アルミナ蒸着PET/ナイロン/CPP、ガスバリ
ヤー性の高いナイロン/ポリ塩化ビニリデン(PVD
C)/CPP又はナイロン/エチレンビニルアルコール
共重合体(EVOH)/CPP等が好ましい。
【0018】本発明において加熱の対象となる被包装体
としては、特に限定されるものではなく、加熱により完
成する未調理品や、既に調理済みの完成品等が挙げら
れ、例えば、ポテトサラダ、餡等の特に熱伝導性の悪い
高粘度品、プレザーブ等の固形物入り食品、野菜ペース
ト等の長時間の加熱により褐変または変性する食品、及
びカスタードクリーム等の熱伝導性が悪く且つ長時間の
加熱により褐変または変性する食品が挙げられる。
【0019】次に本発明の密封包装品の加熱方法の実施
に用いられる好ましい装置である本発明の加熱装置につ
いて詳述する。本発明における搬送手段は、マイクロ波
透過性及び耐熱性の包装材で被包装体を密封した密封包
装品を搬送でき、後述するマイクロ波加熱手段及び送風
手段による加熱に対し耐久性を有するものであれば特に
制限されるものではないが、例えば、コンベアー、リテ
ーナー等の搬送手段を使用することができる。
【0020】また、本発明におけるマイクロ波加熱手段
としては、上記搬送手段によって搬送される上記密封包
装品にマイクロ波を照射して上記被包装体を昇温させ得
るものであれば特に制限されるものではないが、240
0MHz〜2500MHz、好ましくは2425MHz
〜2475MHzの波長のマイクロ波を500〜120
00W、好ましくは500〜6000Wの出力で照射で
きるマイクロ波発振器を備えているものが使用される。
【0021】さらに、本発明における送風手段として
は、上記密封包装品を揉みほぐす装置を備え、温風若し
くは熱風を送り、雰囲気温度を一定に保ち、且つ被包装
体の保温若しくは昇温及び被包装体内部の熱分布を均一
にし得るものであれば特に制限されるものではないが、
温風又は熱風の温度を包装材の軟化温度未満、すなわ
ち、60℃〜130℃、好ましくは、70℃〜100℃
に設定でき、上記密封包装品が風によって動かされない
程度の風量に調節できる送風装置を備えているものが使
用される。
【0022】上記密封包装品を揉みほぐす装置として
は、被包装体内部の熱分布を均一にし得るものであれば
特に制限されるものではなく、例えば、図2〜図5に示
すものを使用することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の装置の実施例を添付図面を参
照しながらさらに具体的に説明する。なお、本発明は、
本実施例に限定されるものではない。
【0024】図1は、本発明に係る密封包装品の加熱装
置の一実施例を示したものである。図1において、符号
1は密封包装品の加熱装置(以下、「加熱装置」とい
う)を示している。
【0025】図2〜5は、本発明に係る密封包装品の加
熱装置において密封包装品を揉みほぐす装置の一実施例
を示したものである。図2は3つの回転するローラー5
を備えたローラー6が上記密封包装品の上を回転するも
の、図3はローラー7が上記密封包装品の上下を回転す
るもの、図4は棍棒8の先端に平面状若しくは球状の押
し具9を取り付け、上記密封包装品の上から押し叩くよ
うにしたもの、及び図5は搬送手段2の端から端に渡っ
たローラー10が上記密封包装品の上を回転するもので
ある。
【0026】図1に示したように、上記加熱装置1は、
搬送手段2と、この搬送手段2によって搬送される密封
包装品(図示せず)にマイクロ波を照射して上記密封包
装体内の被包装体を昇温させるマイクロ波加熱手段3
と、上記密封包装品を揉みほぐしながら温風若しくは熱
風を送り、装置内の雰囲気温度を一定に保ち、且つ上記
被包装体の保温若しくは昇温及び被包装体内部の熱分布
を均一にする送風手段4とを交互に具備した構成とされ
ている。
【0027】上記搬送手段2は、加熱する密封包装品を
一定の速さで搬送し、マイクロ波加熱手段3及び送風手
段4によって、搬送中の密封包装品を所定時間加熱でき
るようになしてある。
【0028】上記マイクロ波加熱手段3は、マイクロ波
発振器(図示せず)、マイクロ波出力コントローラー3
a及び導波管3bを備えた内部加熱型のマイクロ波加熱
ユニット30に構成されている。また、加熱装置1の入
口にあたるマイクロ波加熱ユニット30には照射された
マイクロ波が外部に漏洩して電波障害を起こさないよう
に減衰器31が配設されている。なお、上記各マイクロ
波加熱ユニット30は、複数個連結することが可能であ
り、各々が独立して間欠照射し得るようになっている。
本実施例におけるマイクロ波発振器は、波長2425M
Hz〜2475MHzのマイクロ波を、500〜600
0Wの出力で照射できるようになっている。
【0029】そして、上記マイクロ波加熱手段3におい
ては、上記マイクロ波出力コントローラー3aでマイク
ロ波の出力を調整し、上記搬送手段2のコンベアーで搬
送される密封包装品に、導波管3bを介してマイクロ波
を出力し得るようになっている。
【0030】なお、上記マイクロ波加熱手段3による加
熱は、搬送手段2のコンベアーの搬送速度の調整による
マイクロ波照射時間のコントロール、各マイクロ波加熱
ユニット30の間欠照射を含むマイクロ波出力のコント
ロール、及び搬送手段2のコンベアー上の密封包装品の
配置間隔等により制御することができる。
【0031】上記送風手段4は、送風器4a、排気管4
b、及び密封包装品を揉みほぐす装置4cを備えた内部
送風型の送風ユニット40から構成されている。なお、
送風手段4では、上記マイクロ波加熱手段3と同様に、
各送風ユニット40が独立に出力をコントロールでき、
内部の風量及び送風温度も、各送風ユニット40毎に設
定することができるようになしてある。
【0032】上記送風器4aは、各送風ユニット40の
上部に配設されており、各々の送風器4aの風量を調整
することができるようになしてあり、風量は密封包装品
が風によって動かされない範囲であれば良い。また、こ
の時送られる温風又は熱風の温度は特に制限されるもの
ではないが、本実施例における送風装置は、使用される
包装材の軟化温度未満に設定できるようになっている。
【0033】上記排気管4bは、各送風ユニット40の
上部に配設されており、内部の風は、この排気管4bを
通じて系外に排出されるようになしてある。
【0034】上記密封包装品を揉みほぐす装置4cは、
図2〜5に示されるような形態のものが挙げられ、各送
風ユニット40内の搬送手段2のコンベアー上に配設さ
れており、該包装体内部の熱分布を均一化されるように
なしてある。
【0035】なお、本発明に係る密封包装品の加熱装置
は、上記実施例における加熱装置に限定されるものでは
なく、本発明の目的を逸脱しない範囲においてその寸
法、形状等を適宜変更することができる。
【0036】例えば、上記加熱装置1におけるマイクロ
波加熱ユニット30及び送風ユニット40の連結数は、
加熱する密封包装品の大きさ、加熱温度、加熱時間等に
応じて適宜変更することができる。
【0037】図1の加熱装置は、以上に述べたマイクロ
波加熱手段と送風手段を2組備え、これらの手段はマイ
クロ波加熱手段−送風手段−マイクロ波加熱手段−送風
手段のように直列的に交互に配置されている。これによ
って、始めの1組目の加熱で上昇温度を大きくし、2組
目の加熱で上昇温度を小さくすることができるため、沸
騰付近温度への急激な温度上昇がなくなり包装材の破裂
を防止できるというメリットがある。
【0038】なお、所望により、これらの手段を3組以
上具備した装置とすることも可能である。
【0039】次に、上記実施例の加熱装置1により、本
発明の方法を具体的に実施した例を以下に示す。
【0040】〔実施例1〕以下の配合でカスタードクリ
ーム原液を調整した。 コーンスターチ 117.0g エコーガム 6.0g 卵黄 196.7g グラニュー糖 196.7g 牛乳 983.6g
【0041】このようにして得られたカスタードクリー
ム原液をホモジナイズして十分混合した後、PET/ナ
イロン/CPP製の袋に300g入れ真空密封包装し
た。そして、これを上記加熱装置1にて1組目の加熱装
置では波長2450MHz、出力500Whのマイクロ
波で約1分30秒加熱後、98℃の風を約2分間送風
し、更に2組目の加熱装置では上記条件のマイクロ波で
1分間加熱後、95℃の風を2分間送風した。この時加
熱終了後の試料の温度は90〜95℃であった。加熱終
了後直ちに氷水中で冷却した。
【0042】このようにして得られたカスタードクリー
ムは市販のカスタードクリームに比べて口溶けが良く、
焼き残り感があり、食感が良かった。
【0043】また、上記の配合で調整した密封包装した
カスタードクリーム原液を95℃の湯煎に浸けて加熱し
たところ、品温が90℃に達するまでに約34分かか
り、上記加熱装置1にかけて得られたカスタードクリー
ムに比べ非常に長い時間を要し、また加熱時間が長いた
めカスタードクリームの表面部分が変色していた。な
お、比較例として、上記実施例1の条件と同様にしてマ
イクロ波のみ、及びマイクロ波照射と送風を同時に行っ
てそれぞれ加熱をした。
【0044】その結果、マイクロ波のみを照射して加熱
した場合は、照射2分30秒後密封包装品の四隅が98
℃、中央部が50℃で、48℃の加熱ムラが生じた。こ
の時包装材は、内部の蒸気圧によりかなり膨張してお
り、更にマイクロ波を照射したところ、約30秒で包装
材が破裂した。このカスタードクリームを試食したとこ
ろ、中央部の加熱の遅い部分は澱粉がα化しておらず、
原液のままであった。
【0045】マイクロ波照射と送風を同時に行って加熱
した場合は、照射2分後で包装材の四隅が90℃に達し
たものの、中央部は約60℃程度であり、30℃の加熱
ムラが生じ、更に加熱を続けると約2分20秒で四隅が
変色した。
【0046】また、本実施例にて得られたカスタードク
リームについて一般細菌数測定試験を行ったところ、一
般生細菌数104 個が30個以下まで減少していること
が確認された。
【0047】〔実施例2〕蒸した後冷凍保存されたジャ
ガイモを室温で解凍し、裏ごしをした。この裏ごしジャ
ガイモ500gにマヨネーズ139g及び水42gを加
えてポテトサラダとした。このポテトサラダ250gを
シリカ蒸着PET/ナイロン/CPP製の袋に入れ、で
きるだけ空気を抜いて密封包装した。
【0048】この密封包装したポテトサラダを上記加熱
装置1にて1組目の加熱装置では波長2450MHz、
出力500Whのマイクロ波で2分間加熱後、98℃の
風を2分間送風し、更に2組目の加熱装置では上記条件
のマイクロ波で1分間加熱後、98℃の風を2分間送風
した。加熱終了後直ちに氷水中で冷却した。また、同様
にして密封包装したポテトサラダを90℃の湯煎に浸け
て40分間加熱したものを用意した。
【0049】これら2種類のポテトサラダを食べ比べた
ところ、湯煎加熱したポテトサラダは、澱粉粒が十分α
化しておらず、ザラザラした食感であった。これに対し
て、上記加熱装置1にて加熱したポテトサラダは、澱粉
のα化が完了しており、しっとりした食感であった。ま
た、湯煎加熱したポテトサラダは、長時間高温下に置い
たため、表面のマヨネーズが焼けて変色していたのに対
し、上記加熱装置1にて加熱したポテトサラダは加熱時
間が短いため、表面焼けすることなく中心部分まで加熱
することができた。
【0050】なお、比較例として、上記実施例2の条件
と同様にして、マイクロ波のみ、及びマイクロ波照射と
送風を同時に行ってそれぞれ加熱した。
【0051】その結果、マイクロ波のみを照射して加熱
した場合は、照射2分30秒後密封包装品の四隅が92
℃、中央部が60℃で、32℃の加熱ムラが生じた。こ
の時の包装材は、内部の蒸気圧によりかなり膨張してお
り、更にマイクロ波を照射したところ、約30秒で包装
材が破裂した。このポテトサラダを試食したところ、四
隅に当たる部分ではα化が進んでおり、しっとりとした
食感であったが、中央に当たる部分ではα化していない
澱粉粒が残りザラザラした食感であった。
【0052】マイクロ波照射と送風を同時に行って加熱
した場合は、照射約2分後で包装材四隅が90℃に達し
たものの、中央部は約65℃であり、25℃の加熱ムラ
が生じ、更に加熱を続けると約20秒で包装材が破裂し
た。またポテトサラダを試食したところ、中央部の澱粉
粒がα化しておらず、ザラザラした食感であった。
【0053】また、本実施例にて得られたポテトサラダ
について一般細菌数測定試験を行ったところ、一般生細
菌数103 個が300個以下まで減少していることが確
認された。
【0054】〔実施例3〕ほうれん草を水で洗浄し、ミ
キサーを用いて細かくすり潰した。これをナイロン/C
PP製の袋に250g密封包装した。この密封包装した
ほうれん草ペーストを上記加熱装置1にて1組目の加熱
装置では波長2450MHz、出力500Whのマイク
ロ波で2分間加熱後、97℃の風を3分間送風し、更に
2組目の加熱装置では上記条件のマイクロ波で1分間加
熱後、97℃の風を3分間送風した。この時加熱終了後
の試料の温度は95℃であった。加熱終了後直ちに氷水
中で冷却した。また、同様にして密封包装したほうれん
草ペーストを90℃の湯煎に浸けて40分間加熱した。
この時の密封包装品の温度は90℃であった。
【0055】本実施例にて得られたほうれん草ペースト
と湯煎加熱したほうれん草ペーストを比較したところ、
味に関しては大差が認められなかったが、色に関しては
湯煎加熱したほうれん草ペーストの方が緑色がくすんだ
のに対し、上記加熱装置1にて得られたほうれん草ペー
ストの方は加熱前の鮮やかな緑色が保持された。
【0056】なお、比較例として、上記実施例3の条件
と同様にして、マイクロ波のみ、及びマイクロ波照射と
送風を同時に行ってそれぞれ加熱をした。
【0057】その結果、マイクロ波のみを照射して加熱
した場合は、照射3分後密封包装品の四隅が90℃、中
央部が70℃で、20℃の加熱ムラが生じた。この時包
装材は、内部の蒸気圧によりかなり膨張しており、更に
マイクロ波を照射したところ、約10秒で包装材が破裂
した。
【0058】マイクロ波照射と送風を同時に行って加熱
した場合は、照射約3分後に包装材の四隅が94℃に達
したものの、中央部は約68℃であり、26℃の加熱ム
ラが生じ、更に加熱を続けると約20秒後に包装材が破
裂した。また、本実施例にて得られたほうれん草ペース
トについて一般細菌数測定試験を行ったところ、一般生
細菌数105 個が10個以下まで減少していることが確
認された。
【0059】〔実施例4〕リンゴの皮及び芯を除き、厚
さ5mm、長さ70mm、幅15mm程度に切った。これをリ
ンゴ:グラニュー糖:レモン汁=25:5:1(重量
比)の割合で混和し、リンゴプレザーブの原料を調整し
た。これをナイロン/PE製の袋に250g入れ、真空
包装した。
【0060】この密封包装品を上記加熱装置1にて1組
目の加熱装置では波長2450MHz、出力500Wh
のマイクロ波で2分30秒加熱後、97℃の風を3分間
送風し、更に2組目の加熱装置ではマイクロ波で1分間
加熱後、97℃の風を3分間送風してリンゴプレザーブ
を得た。この時の密封包装品の温度は98℃〜99℃で
あった。
【0061】また、同様にして密封包装したリンゴプレ
ザーブの原料を90℃の湯煎に浸けて40分間加熱し、
リンゴプレザーブを得た。この時の密封包装品の温度は
90℃であった。
【0062】この両方の加熱密封包装品は加熱後直ちに
氷水中で冷却し、冷却後これらについて比較したとこ
ろ、湯煎加熱処理したリンゴプレザーブはリンゴが褐変
しており、食感においても固さがなく、しんなりしてい
たのに対し、上記加熱装置1にて加熱処理したリンゴプ
レザーブはリンゴが透明感のある鮮やかな色をしてお
り、シャキシャキとした食感があった。
【0063】なお、上記実施例4の条件と同様にして、
マイクロ波のみ、及びマイクロ波照射と送風を同時に行
ってそれぞれ加熱をした。
【0064】その結果、マイクロ波のみを照射して加熱
した場合は、照射3分30秒後密封包装品の四隅が92
℃、中央部が70℃で、22℃の加熱ムラが生じた。こ
の時包装材は、内部の蒸気圧によりかなり膨張してお
り、更にマイクロ波を照射したところ、約30秒で包装
材が破裂した。このリンゴプレザーブを試食したとこ
ろ、加熱ムラにより味のしみたリンゴとしみていないリ
ンゴが確認された。また、室温で1時間放置したとこ
ろ、上記加熱装置1にて得られたプレザーブはなんら変
化が見られなかったのに対し、マイクロ波加熱のみの処
理で得られたプレザーブは未加熱のリンゴが茶色く変色
してしまった。
【0065】マイクロ波照射と送風を同時に行って加熱
した場合は、照射約3分で包装材四隅が90℃を越えて
いたものの、中央部は約70℃であり、20℃の加熱ム
ラが生じ、更に加熱を続けると約30秒後に包装材が破
裂した。
【0066】また、本実施例にて得られたリンゴプレザ
ーブについて一般細菌数測定試験を行ったところ、一般
生細菌数104 個が10個以下まで減少していることが
確認された。
【0067】このように、本実施例に係る加熱装置1及
びこれを使用した密封包装品の加熱方法によれば、マイ
クロ波照射による加熱と送風による加熱を交互に併用す
ることにより、従来の加熱技術の欠点を解消することが
でき、また短時間で高温まで加熱することができるた
め、食品の素材のもつ風味及び食感を損なうことがな
い。しかも、殺菌性も良好である。
【0068】
【発明の効果】本発明に係る密封包装品の加熱方法及び
その装置によれば以下の効果を奏することができる。請
求項1に記載の密封包装品の加熱方法によれば、マイク
ロ波照射による加熱と温風若しくは熱風による送風を併
用することにより、従来の加熱技術の欠点を解消するこ
とができ、また短時間で高温まで加熱することができる
ため、食品の素材のもつ風味及び食感を損なうことがな
い。
【0069】請求項3に記載の密封包装品の加熱装置に
よれば、上記本発明の密封包装品の加熱方法を好適に実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る密封包装品の加熱装置の一実施例
を示す概略図である。
【図2】本発明に係る密封包装品の加熱装置において密
封包装品を揉みほぐす装置の一実施例を示す概略図であ
る。
【図3】本発明に係る密封包装品の加熱装置において密
封包装品を揉みほぐす装置の一実施例を示す概略図であ
る。
【図4】本発明に係る密封包装品の加熱装置において密
封包装品を揉みほぐす装置の一実施例を示す概略図であ
る。
【図5】本発明に係る密封包装品の加熱装置において密
封包装品を揉みほぐす装置の一実施例を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 密封包装品の加熱装置 2 搬送手段 3 マイクロ波加熱手段 4 送風手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸銭 詔司 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 江戸 博 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波透過性及び耐熱性の包装材で
    被包装体を密封した密封包装品にマイクロ波を照射して
    上記被包装体を昇温させる第1工程と、これに続き上記
    密封包装品を揉みほぐしながら温風若しくは熱風を送
    り、装置内の雰囲気温度を一定に保ち、且つ上記被包装
    体の保温若しくは昇温及び該被包装体内部の熱分布を均
    一にする第2工程とを具備することを特徴とする密封包
    装品の加熱方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の加熱方法を直列に2回繰り返
    すことを特徴とする密封包装品の加熱方法。
  3. 【請求項3】 マイクロ波透過性及び耐熱性の包装材で
    被包装体を密封した密封包装品にマイクロ波を照射して
    上記被包装体を昇温させるマイクロ波加熱手段と、上記
    密封包装品を揉みほぐす装置を備え、温風若しくは熱風
    を送り、装置内の雰囲気温度を一定に保ち、且つ上記被
    包装体の保温若しくは昇温及び該被包装体内部の熱分布
    を均一にする送風手段とを具備していることを特徴とす
    る密封包装品の加熱装置。
  4. 【請求項4】 請求項3の加熱装置を2組有することを
    特徴とする密封包装品の加熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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