JP3420707B2 - 連続式マイクロ波加熱滅菌装置 - Google Patents

連続式マイクロ波加熱滅菌装置

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JP3420707B2
JP3420707B2 JP27820498A JP27820498A JP3420707B2 JP 3420707 B2 JP3420707 B2 JP 3420707B2 JP 27820498 A JP27820498 A JP 27820498A JP 27820498 A JP27820498 A JP 27820498A JP 3420707 B2 JP3420707 B2 JP 3420707B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象食品を密封包
装して、120℃以上の滅菌温度に加熱し、ベルトコン
ベアーなどにより一定時間搬送し温度保持する連続式マ
イクロ波加熱滅菌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】常温で流通させる密封包装食品について
は、クロストリジウム、ボツリヌス、腸炎ビブリオ、サ
ルモネラ等の細菌の増殖で食品が変敗したり、当該食品
に含まれる水分が多かったり、pHが中性に近いものは
食品変敗菌の成育に好適なものである。このため、例え
ば、該食品がpH5.5を越え、かつ水分活性値が0.
85を越えると密封包装食品の中心部分を120℃、4
分以上加熱するか、或はそれと同等以上の効果を有する
方法で加熱殺菌することが義務づけられている。この条
件は包装食品の中心部分まで、滅菌温度が到達すること
が必要であり、包材の大きさで著しく制約を受け、大き
い包材程、長時間が必要となる。
【0003】しかし長時間加熱滅菌処理を施すと、食品
中の栄養分、風味、色調等の品質の劣化が生じる。最
近、調理段階を衛生的に行い、含気状態で、シャワーレ
トルトを施す殺菌方法や、レトルトの温度を125〜1
30℃ で短時間で行う方法が考えられているが、前者
はF0 値が充分にとれないため、細菌の残存の危険性が
あり、後者はレトルトより3〜5分間短縮できる程度で
あり、品質の劣化の改善にはなっていない。短時間で加
熱できる殺菌機としては、液体状のものであれば直接蒸
気吹き込み殺菌(VTIS、インフュージョン)、掻き
取り式熱交換機、プレート式殺菌機等があるが、固形物
入りや超高粘度食品(ポンプで送れない程の高粘度食
品)での滅菌は技術上解決すべき課題が多い。
【0004】現在、短時間滅菌方法として、電磁波を利
用した方法が注目され、ジュール熱加熱滅菌機、マイク
ロ波加熱滅菌機などが提案されている。例えば、米国特
許3,889,009号公報では、タンク内で大気圧以
上の圧力下で電磁波、蒸気を共存させて食品を滅菌する
連続装置を示している。また、特開平7−255388
号公報では、2種類の波長のマイクロ波を組み合わせて
滅菌を保持しようとしているしかしながら、これらの従
来技術は、包装材中に食品を密封し、これを、マイクロ
波を照射して昇温するための昇温部と、滅菌温度を保持
するための温度保持部の2つの区切られた空間で、水蒸
気と空気が混在する加圧された雰囲気中でマイクロ波加
熱し、その後加圧下で降温することを特徴とする本連続
式マイクロ波加熱滅菌装置、とは異なる。
【0005】世の中には密封して大量に滅菌処理できる
装置としてレトルト装置があるが、温水を媒体として使
用するため昇温に時間がかかり、食感、風味、色調など
の品質が悪くなる。また連続のレトルト装置はあるが、
高圧にできないこと、保持時間を連続的にとる方法がな
いことにより充分に確立されていない。
【0006】マイクロ波滅菌装置での大量処理は、食品
加熱において被加熱食品にマイクロ波エネルギーが浸透
吸収し加熱される。通常の加熱においては周波数245
0MHzのマイクロ波が用いられている。このエネルギ
−の度合いは浸透深さ(入射電界強度が1/eになる深
さ、を言う。以下、同様)により表され2〜3cm位し
か均等に加熱できない。一般に照射するマイクロ波の周
波数が低くなれば深くなる。また電気的性質として、誘
電体損失係数が大きいものほどマイクロ波を吸収しやす
く、浸透深さが浅くなる。誘電体損失係数は食品に含ま
れる水分、塩分等、温度により異なる。水は誘電体損失
係数が小さいため浸透深さが深く、比較的内部まで均一
に加熱できる。しかし塩分を含む食品、固形食品等は誘
電体損失係数が大きいため浸透深さが浅く当該食品表面
部分に比べて中心部分の昇温に遅れを生じるのでマイク
ロ波加熱滅菌装置による大量生産ではレトルトと異なり
積み重ね置きができないため処理量に問題がある。
【0007】滅菌温度までの昇温部をマイクロ波を使用
し、蒸気の保温庫に一定時間保持する方法はあるがマイ
クロ波の性質により昇温部では局部加熱は避けられず、
2種の波長での調整だけでは不均一加熱を完全に避ける
ことはできない。マイクロ波滅菌に関しては、完全な連
続式のものは現在のところ存在していないと判断され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】常温流通が可能な密封
包装食品で、包装後の大きさ・形状によらずに、食品と
しての品質を保持して、均一滅菌が連続的・短時間で、
製造することが出来る滅菌装置の提供を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、気密容器内
に、マイクロ波照射手段及び水蒸気を含む加圧気体供給
口を備え、少なくとも部分的に囲まれた第1の処理領域
としての昇温部、マイクロ波照射手段及び水蒸気を含む
加圧気体供給口を備え、かつ少なくとも部分的に囲まれ
た第2の処理領域としての温度保持部、冷却手段及び水
蒸気に乏しい加圧気体供給口を備えた第3の処理領域と
しての冷却部、が連通部を介して接続されており該気密
容器と断続的に接続する前部圧力調整室と後部圧力調整
室が設置され、前部圧力調整室から移入された密封包装
食品を、昇温部、温度保持部、冷却部を経て、後部圧力
調整室へ移出する搬送部を備え、温度、圧力、時間、マ
イクロ波出力を含む連続運転に要する全ての制御因子を
備えることを特徴とする連続式マイクロ波加熱滅菌装置
である。更に詳しくは、上記の方法でマイクロ波を照射
して昇温するための第1処理室と滅菌温度を保持するた
めのマイクロ波を照射する第2処理室を有する装置、雰
囲気の相対湿度が30%を越え、好ましくは50%以上
に維持される装置、加圧が0.5〜4.0kg/cm2(ゲ
ージ圧)である装置、マイクロ波出力とベルトコンベア
ーの速度を調整することにより120℃以上の加熱温度
に任意の時間で設定できる装置、120℃以上の加熱温
度に到達後・保持時間を任意に設定するためにマイクロ
波出力とベルトコンベアーの速度が調整出来る装置、マ
イクロ波の照射を包装材の対向する側から、例えばベル
トコンベアーの上下より照射し局部加熱を抑え浸透深さ
を大きくする装置、滅菌終了後の120 ℃以上の温度帯か
ら70℃以下への温度帯まで降温を3分間以内に行う装
置、密封包装された状態の食品が扁平・若しくは角(か
ど)を有する形状のものまでも滅菌出来る装置、加熱前
・後の密封包装食品を常圧から加圧へ入れたり又は加圧
から常圧へ出したり連続的に出来る圧力調整装置で隔離
された圧力調整室を持つ装置。圧力調整装置としては、
圧力を調整できる機能の装置であればよく、扉方式シャ
ットダウンバルブ、二重ダンパ−、ロ−タリ−パルブ等
を用いることが出来る。温度測定を予め光ファイバー温
度計にて計測し滅菌温度を得る条件をコンピューターに
記憶させ以降を自動的にその条件で加熱昇温を作動させ
る装置、などの機能も含めることも出来る装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で、相対湿度は、加圧され
た雰囲気中の相対湿度で表わし、雰囲気温度における全
体圧(絶対圧)に対する水蒸気圧(絶対圧)の百分率で
算出し、以下、R.H.と略称する。マイクロ波を加熱
する際に、水蒸気を存在させ、加圧された雰囲気中の相
対湿度を30%を越え、好ましくは50%以上に維持す
る装置である。この場合、雰囲気は水蒸気又は水蒸気と
他の気体(空気、窒素、炭酸ガスなど)で所定の圧力ま
で加圧するものである。その加圧は、0.5 kg/cm2(ゲ
ージ圧。110 ℃に相当、以下同様の意味)〜4.0(151
℃) kg/cm2、好ましくは1.0(119 ℃) 〜2.7(140 ℃) k
g/cm2 である。マイクロ波の照射加熱は、上記の雰囲
気下と加圧下で対象の密封包装食品にマイクロ波を照射
加熱し、対象食品の中心温度を119 ℃〜140 ℃の所定温
度と所定時間の間、保持するものである。又、マイクロ
波の波長は2450MHz(メガヘルツ)を用いたが、特に
限定するものではない。
【0011】昇温部と温度保持部の2つの区切られた空
間では、マイクロ波の相互干渉と湿度の調整による不均
一加熱の防止、昇温速度の調整の働きをするものであ
る。
【0012】対象食品を、マイクロ波透過性包装容器に
充填、密封状態とし、0.5 〜4.0kg/cm2 (ゲージ圧)
で水蒸気または水蒸気と他の気体(空気,窒素,炭酸ガ
スなど)で加圧し、マイクロ波加熱で昇温させる。圧力
を保持するのは、マイクロ波照射による昇温で包装内容
物が突沸したり、容器が変形したりするのを防ぐためで
ある。局部に集中するマイクロ波を水蒸気(気体から水
滴)が吸収し、再び気化することで、局部への集中を抑
制することができる。即ち、包材の端や角(かど)を冷
却する効果(先端効果の発生防止)として水蒸気が利用
される。これにより、密封包装された状態の食品が、偏
平若しくは角を有する形状のままで品質(風味、色調、
栄養)の劣化を抑制することができた。
【0013】前記方法において 0.5〜4.0kg/cm2 (ゲ
ージ圧) の圧力と110〜151℃の温度を、対象食品
の種類に応じて所定時間維持することで、予期される食
品変敗菌を滅菌することができる。このとき相対湿度を
30%を越え好ましくは50%以上に維持するが、その
目的は包装容器の局部加熱による焦げや破れの防止とそ
れによる菌の混入防止である。
【0014】対象食品を、前記の様に充填・密封し、水
蒸気又は水蒸気と他の気体(空気、窒素、炭酸ガスな
ど)で 0.5〜4.0kg/cm2 (ゲージ圧) に加圧し、加熱
昇温させ所定時間保持させた場合、該食品の中心部分と
端の部分の温度差が5℃以内となるように、マイクロ波
の出力をコントロールすることにより局部への発熱の集
中を抑制することができる。
【0015】上記方法により、前記容器に密封した食品
にマイクロ波照射することにより、対象食品の中心温度
を110〜140℃まで加熱するが、加熱温度が110
℃より低い場合は充分な滅菌を行うことができず、加熱
温度が140℃より高い場合は加熱時間は短縮されるが
過分加熱することとなり、食品の品質を劣化させること
となる。また過分な加熱により、容器の変形や破れを生
ずることもある。
【0016】蒸気存在下で滅菌温度と保持時間を調整す
ることにより均一加熱できるが、任意に加熱時間、保持
時間を設定出来るように、例示として、外部から2種類
以上の変速可能なベルトコンベアーを駆動し調整する。
【0017】対象食品の降温の方法は、上記の加熱処理
で対象食品の中心温度が120 ℃以上の温度帯から70℃以
下への降温までを、滅菌時の圧力を維持しながら100 ℃
以下へ冷水で降温するなどの方法を用いて3分間程度以
内に行うものとする。その理由は対象食品の品質(風
味、色調、栄養など)の低下及び包材、容器の焦げ、破
損などを伴うことなく、効果的な滅菌を達成するためで
ある。
【0018】包装容器に充填、密封する食品としては、
惣菜類(煮物等々)、乳製品類(チーズ等々)、大豆加
工食品類(卯の花等々)、煮物副菜類、等の固形食品、
固液食品、高粘度食品、ペースト状食品等のあらゆる食
品に応用出来る。
【0019】前記方法において、対象食品を調製後充填
する包装容器は、少なくとも一部が、または全部が、マ
イクロ波透過性を有し、滅菌温度に応じた耐熱性を有す
る必要があり、その材質としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレー
ト等の重合体やエチレン−ビニルアルコール共重合体な
どである。対象食品を充填した包装容器は、上記の材質
と同材質の蓋でヒートシール等の公知の手段により密封
する。
【0020】加熱滅菌を連続的に行うために、常圧状態
から加圧状態へ投入する必要があるが、今までは該食品
が外圧により押しつぶされたり、袋が破れたりしてい
た。本発明は二重ダンパーと圧力調整室を設置して、被
加熱食品が常圧から高圧へ気密容器(以下、器と略称す
る)内圧を徐々に高めることにより、破れとか潰れを抑
制することができる。
【0021】マイクロ波滅菌では温度計測が問題となる
が、マイクロ波雰囲気下では熱電対が使用できず温度の
管理は殆どなされていない。一部連続式のマイクロ波装
置は赤外線温度計を使用しているが、被加熱食品の表面
の温度を測定しており芯部の温度ではない。光ファイバ
ー温度計はマイクロ波雰囲気下においても該食品の芯部
温度を測定できるが、光ファイバーを温度計測器に接続
する上で連続式に使えず、共に一長一短がある。先ず光
ファイバー温度計で該食品の芯温度を測定し、同時に赤
外線温度計で表面の温度を測定し相対比較を収集する。
実際に赤外線温度計を使用し、その測定値を使用し、及
び/又は光ファイバー温度計の測定値と,マイクロ波出
力及び器内圧力、湿度を制御部のマイクロコンピュータ
ーと連動させることにより該食品の連続滅菌が可能とな
った。
【0022】1つ又は複数の収容部を有するマイクロ波
透過性容器に1種類又は複数の種類の食品が充填密封さ
れた対象食品に対して、本発明で用いる処理装置を以下
に例示的に説明する。充填された密封包装食品である対
象食品の処理は、手順として(1) 加圧を目的として、空
気供給口と蒸気供給口(窒素、炭酸ガス等の供給もでき
る)を有し、(2) 対象食品は二重ダンパーで圧力調整室
に投入され、(3) 圧力を内部と均一化したのち、加圧下
でベルトコンベアー上または上下に設けられ、(4) 導波
管より、前記の密封包装食品にマイクロ波を照射する装
置を用い、(5) 前記温度を前記加圧下で、かつ相対湿度
を任意に調整でき、雰囲気温度を120℃以上の雰囲気
下で所定時間維持する加熱処理装置(ベルトコンベアー
速度可変装置)を用い、(6) 加圧加熱滅菌された密封包
装食品を加圧下で冷却する装置を用いる。(7) 温度測定
は、予め光ファイバー温度計にて昇温、滅菌温度、保持
時間を記憶測定し、その結果をマイクロコンピューター
に記憶させ、制御部(CPU)の指示で作動させる。
【0023】本発明を図面により詳細に説明する。各番
号は図−1の中の番号を示す。
【0024】先ず常圧から加圧部へ該食品を投入するた
めの1.二重ダンパーと圧力調整室が設けられている。
上部のダンパーに置かれた該食品は常圧で圧力調整室に
移り、直ちにダンパーが閉まって器内部より空気もしく
は蒸気により均一圧に保持される。平衡圧に保たれた該
食品は圧力調整室の下部にあるダンパーを開くことによ
り、自重により器内圧と同じ雰囲気下で、9.外部の駆
動モーターで動かされる8.搬送部上に落ちそれに沿っ
て2.第1処理領域に運ばれる。
【0025】2.第1処理領域では、上部と下部にマイ
クロ波を照射する4.導波管が設置され、出来るだけ均
一に照射する目的で該食品の近くから照射する。また上
部と下部より照射することにより、4〜6cmの厚みま
で均等に加熱できる。加熱時、均一に加熱できるように
するため11.雰囲気設定部から蒸気を投入する配管
口、12.圧力を均一に制御し、湿度を調整するための
空気配管口が設置されている。マイクロ波は5.マイク
ロ波発振機より発生し4.導波管により食品へ照射され
る。
【0026】2.第1処理領域を出た食品は3.第2処
理領域へ移るが、ここでは滅菌温度に到達した該食品を
一定時間保持する役割を果たす。ここでも均一加熱を保
つ目的から蒸気、空気を投入する配管が設置されてい
る。また該食品が滅菌温度以下に降下したとき、マイク
ロ波出力をオン−オフ制御して素早く滅菌温度を回復で
きるようにしている。
【0027】3.第2処理領域出口には、試験的に温度
を計測できるように光フアイバー温度計を通す配管が設
置され、または13.赤外線放射温度計があり、温度上
昇曲線、保持時間、制御条件等の必要なデーターを7.
制御部(CPU)のマイクロコンピューターに送り、マ
イクロ波の出力及び器内圧、湿度を制御することにより
自動、連続生産ができる。
【0028】滅菌保持された該食品は、マイクロ波とは
隔離された6.第3処理領域(冷却部)に入り冷水シャ
ワーで加圧状態下で100℃以下まで冷却される。
【0029】冷却が終了した食品は、初めと同様に、食
品を排出するための14.二重ダンパーに囲まれた圧力
調整室に移動する。先ず加圧状態で上部のダンパーが締
まり、圧力を徐々に開放して常圧状態に戻どし圧力調整
室の下部にあるダンパーを開くことにより、自重により
ベルトコンベアー上に落ち滅菌工程以降の箱詰め工程へ
移動する。
【0030】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。ただし、本
発明はこれらの実施例にその技術範囲が限定されるもの
ではない。
【0031】実施例1 先ず、連続式マイクロ波加熱滅菌装置で、光ファイバー
温度計を使用してバッチ・連続操作で目的の滅菌温度ま
で第1処理領域で昇温後、第2処理領域で温度保持し
た。そのときのマイクロ波出力、湿度、器内圧力、コン
ベアー速度等を制御部のマイクロコンピューターに記憶
させた。その後マイクロコンピューターの指示で連続的
に運転し、該食品の品質、菌数、風味を調べた。オカラ
150 gを縦100mm、横150mmのレトルト用のポリエ
チレン袋(凸版印刷株式会社製。以後、レトルト袋と言
う)に入れ、ヒートシールした。先ず、加熱滅菌条件を
121 ℃×7 分と設定した。即ち121 ℃に常温から昇温す
る時間が1分、121 ℃を保持する時間が7分となるよう
に2種のベルトコンベアー速度を調整した。周知の様
に、ゲージ圧+1気圧=絶対圧であり、ゲージ圧1.1
kg/cm2 =絶対圧2.1kg/cm2 で、その飽和
蒸気温度が121℃の関係にある。以後は、( )内に
絶対圧を記し、前記の様にその絶対圧を用いて算出した
R.H.% を示す。器内の空気をゲージ圧4kg/cm2 の水
蒸気で20秒間かけて充分に置換し、直ちにゲージ圧1.1
kg/cm2 (2.1kg/cm2)の水蒸気分圧とした。この場
合、相対湿度はR.H.=100%である。レトルト袋の局部加
熱の有無を調べるために前もって光ファイバー温度計の
センサーを食品充填したレトルト袋の中心部分と端の部
分に取付けた。その袋に、出力3KW(上下各1.5KW)でマ
イクロ波照射を開始した。なお、以後の実施例や比較例
においても同様に対象食品を密封した包装材に上記の温
度センサーを取りつけて操作を行った。加熱初期では袋
の中心部よりも端部の方が速く昇温する傾向があり、温
度にバラツキが見られた。しかし、中心温度が100 ℃を
越える時点から、そのバラツキの差は縮まり、端部が目
的の121 ℃に到達後は上昇せず、中心温度が121 ℃にな
る迄、待機する状態が見られ、端部、中央部とも121 ℃
となった。この傾向はバッチと全く同じであった。中心
温度が121 ℃に到達した時点から7分間その温度をマイ
クロ波をコントロールしながら保持し、その後、昇温時
より低下した1.1 kg/cm2 未満の加圧雰囲気中で 10
℃の冷水シャワーで冷却し70℃まで3 分以内で降温し
た。品質的にはレトルト袋のシール剥がれも無く、焼け
焦げも見られず( 外観評価) 、またオカラは色調、風
味、食感も優れていた(官能評価) 。また、実施品(未
開封品) を用いて保存テストも行った。調理後(充填
時)の初発菌が104/gのオカラを使用したが、37℃で3
日保持後の菌数は0 ×100/gであった(菌数測定) ので
無菌状態が出来た。同実験条件下で、連続的にマイクロ
波を照射したが、包材の中心温度、端の温度は、121
℃に保たれていることが、サーモペーパーにより確認さ
れた。品質的にはレトルト袋のシール剥がれも無く、焼
け焦げも見られず(外観評価) 、またオカラは色調、風
味、食感も優れていた(官能評価) 。また、実施品(未
開封品) を用いて保存テストもおこなった。調理後(充
填時)の初発菌が104/gのオカラを使用したが、37℃で
3 日保持後の菌数は0 ×100/gであり、同条件で1 ケ月
後も0×100/gであった(菌数測定) ので無菌状態が出
来た。
【0032】実施例2 実施例1で、水蒸気分圧を0.5 kg/cm2(1.5 kg/cm
2)、R.H.=71%とした以外は同じ条件で行い、これを実施
例2とした。器内の水蒸気量が増加した結果、中心部の
温度上昇速度に若干の差は見られたが、実施後の外観評
価でレトルト袋の端の状態は実施例1よりも良かった。
その温度曲線を図2に示した。また、官能評価や保存テ
ストの結果は実施例1と同様に良好であった。またコン
ピューター制御による連続運転でも良好の結果となっ
た。
【0033】比較例1 実施例1で、水蒸気分圧を0.0 kg/cm2(絶対圧も0.0
kg/cm2)及び器内圧を空気のみで圧送して1.1 kg/
cm2(2.1 kg/cm2)とし、従ってR.H.=0% とした以外は
同じ条件で行い、これを比較例1とした。その結果、レ
トルト袋の中心部分と端の部分では温度にバラツキが見
られ、端部が設定温度の121 ℃より3 〜5℃程度高くな
った。その理由としては、一般に言われる様にマイクロ
波が端に集中して温度が上昇する先端効果が見られたも
のと判断される。その結果、レトルト袋のシールが剥が
れ易い状態が見られたが、37℃で3 日保持後の菌数は10
6 以上/gが観察され( 従って1 ケ月後の観察は中止し
た)、無菌にならなかった。コンピューター制御による
連続運転では、品質、菌、風味の点で悪い結果となっ
た。
【0034】比較例2 実施例1で、器内圧を空気のみで圧送して3.0 kg/cm
2(4.0 kg/cm2)とし、従ってR.H.=0% とした以外は同
じ条件で行い、これを比較例2とした。その結果、レト
ルト袋の中心部分と端の温度に大きなバラツキが見ら
れ、端部が中心温度より10℃以上高くなった。その理
由として端部は中心部分より速く昇温するが、内圧が高
く、滅菌温度(121 ℃) 以上の飽和蒸気温度まで上昇す
るためである。 その温度曲線を図3に示した。その結
果、レトルト袋のシールが剥がれ易い状態が見られた
が、37℃で3 日保持後の菌数は106 以上/gが観察され
( 従って1 ケ月後の観察は中止した)、無菌にならなか
った。コンピューター制御による連続運転では、品質、
菌、風味の点で悪い結果となった。
【0035】実施例3 実施例1〜2、比較例1はレトルト袋を用いてオカラを
テストしたが、R.H.=0%である比較例1では特に前記の
先端効果によるためか、熱が端部に溜まり焦げつき、シ
ール剥がれの原因となりやすく、121 ℃以上の滅菌温度
でその傾向が顕著に現れやすいため以下のテストを行っ
た。ナチュラルチーズにクリーム、砂糖などを加えて乳
化、加熱、攪拌の調理をしたチーズを、楕円型の底が丸
いポリプロピレン包材( 住友ベークライト社製。容量25
0 ml。以後、楕円カップと言う) に 250gを入れ、ヒー
トシール後、滅菌温度が130℃となるようにマイクロ
波を照射した。即ち常温から130℃までの昇温時間を
1分とし130℃に保持する時間を3分となるようにベ
ルトコンベアー速度を調整した。なお器内圧を1.8 kg
/cm2(2.8 kg/cm2 。130 ℃に相当)とするため、先
ず水蒸気を1.0 kg/cm2(2.0 kg/cm2)の圧となるよ
うに調整し、その後空気を圧送して全体圧を1.8 kg/
cm2 とした。R.H.=71%である。実施例1と同様に予め、
光ファイバー温度計のセンサーを楕円カップの中心部分
と端の部分に設置し、出力3KWでマイクロ波を照射し
た。カップの中心部分と端の部分では上昇温度にバラツ
キが見られ、端部が中心部分より速く昇温する傾向にあ
った。しかし100 ℃を越える時点からその速度は鈍り、
中心の温度が端の温度に近づき、即ち端の温度は目的の
130 ℃に到達した後、それ以上温度が上昇せず、中心温
度が130 ℃になるまで待機する傾向が見られた。中心温
度が130 ℃に到達した時点から3 分間その温度をマイク
ロ波のコントロールで保持し、保持時間終了後、1.8 k
g/cm2 未満で空気加圧しながら10℃の冷水シャワーで
2分以内に70℃とした。品質的には楕円カップのシール
剥がれも無く、焼け焦げも見られず( 外観評価) 、また
このクリームチーズ調合品の色調、風味、食感も優れて
いた( 官能評価) 。保存テストの結果も37℃で3 日保持
後の菌数は0 ×100 /gであり、同条件で1 ケ月後も0
×100 /gとなり( 菌数測定) 無菌性が確認出来た。上
記実験の代わりに連続的にマイクロ波照射したが、包材
の中心温度、端の温度は130 ℃に保たれていることが,
サーモペーパーにより確認された。品質的にはレトルト
袋のシール剥がれも無く、焼け焦げも見られず(外観評
価) 、またオカラは色調、風味、食感も優れていた。
(官能評価) 。また、実施品(未開封品)を用いて保存
テストもおこなった。調理後(充填時)の初発菌が104
/gのオカラを使用したが、37℃で3 日保持後の菌数は
0 ×100 /gであり、同条件で1 ケ月後も0× 100 /
gであった(菌数測定) ので無菌状態が出来た。
【0036】実施例4 実施例3で水蒸気分圧を1.8 kg/cm2(2.8 kg/cm2)
とした以外は同じ条件で行い、これを実施例4とした。
即ち、全体圧を1.8 kg/cm2 を水蒸気1.8 kg/cm2
のみで加圧した。この時のR.H.=100% である。実施例6
と同じ量の調理したチーズ及び楕円カップを使用して滅
菌温度が130 ℃となるように3KWの出力でマイクロ波を
照射した。昇温状況は実施例6と同様の傾向があり、端
の温度が130 ℃に到達したがそれ以上に温度が上昇せず
中心温度が130 ℃になるまで待機する状態が見られ中心
温度が130 ℃に到達した時点から3 分間その温度をマイ
クロ波のコントロールしながら保持し、実施例6と同方
法で降温し2 分以内で70℃とした。品質的には楕円カッ
プのシール剥がれも無く、焼け焦げも見られず( 外観評
価) 、またこのクリームチーズ調合品の色調、風味、食
感も優れていた( 官能評価) 。保存テストの結果も37℃
で3 日間保持後の菌数は0 ×100 /gであり、同条件で
1 ケ月後も0 ×100 /gとなり( 菌数測定) 無菌性が確
認出来た。以上の結果より、楕円カップでも滅菌が出来
ることが判った。またコンピューター制御による連続運
転でも良好の結果となった。
【0037】比較例3 実施例3、実施例4で、水蒸気分圧を0.0 kg/cm2(0.
0 kg/cm2)とし、器内圧を空気のみを圧送して1.8 k
g/cm2(2.8 kg/cm2)とした以外は同じ条件で行い、
これを比較例3とした。R.H.=0% である。これに3KWの
出力でマイクロ波を照射し、カップの中心部分と端の部
分では上昇温度にバラツキが見られ当初は端の部分が中
心部分より速く昇温した。しかし、100 ℃を越える時点
から、その速度は鈍り、中心の温度が端の温度に近くな
る傾向が見られた。端の温度は目的の130 ℃より5 〜8
℃程高くなり、それ以上に温度が上昇せず中心温度が13
0 ℃になる迄、待機する状態が見られた。中心温度が13
0 ℃に到達した時点から3分間その温度をマイクロ波の
コントロールで保持し、保持時間終了後、前記の方法で
冷却し2分以内に70℃とした。品質的には楕円カップの
シール剥がれと、端の焦げも見られた。保存テストは37
℃で3 日保持後の菌数は106 以上/gであり、無菌にな
らず、風味、食感も不良で食するに耐えられるものでは
なかった。コンピューター制御による連続運転では悪い
結果となった。
【0038】実施例5 実施例3で、水蒸気分圧を0.5 kg/cm2(1.5 kg/cm
2)、器内圧力を2.7 kg/cm2(3.7 kg/cm2 。140 ℃
に相当) とした以外は同じ条件で行い、これを実施例5
とした。常温から140 ℃に到達時間を1分とし、滅菌保
持時間を1分となるように、ベルトコンベアー速度を調
整した。この時のR.H.=41%である。実施例5と同様に、
水蒸気を送入し空気を圧送した後、3 KW の出力でマイ
クロ波を照射した。実施例5同様にカップの中心部分と
を照射した。端の部分では上昇温度にバラツキが見られ
たが、その差は昇温と共に近くなり端の温度は目的の14
0 ℃に到達したが、それ以上に温度は上昇せず中心温度
が140 ℃になる迄、待機する状態が見られた。中心温度
が140 ℃に到達した時点から1分間その温度をマイクロ
波のコントロールで保持した後、前記と同様の方法で冷
却し3 分以内に70℃とした。品質的には、カップのシー
ル剥がれも無く、焼け焦げも見られず( 外観評価) 、ま
たこのクリームチーズ調合品の色調、風味、食感も優れ
ていた( 官能評価) 。保存テストの結果も37℃で3 日保
持後の菌数は0 ×100 /gであり、同条件で1 ケ月後も
0 ×100 /gとなり( 菌数測定) 無菌性が確認出来た。
上記実験の代わりに、連続的にマイクロ波照射したが、
包材の中心温度、端の温度は140 ℃に保たれていること
が,サーモペーパーにより確認された。品質的にはレト
ルト袋のシール剥がれも無かった。品質的には焼け焦げ
も見られず(外観評価) 、またオカラは色調、風味、食
感も優れていた(官能評価) 。また、実施品(未開封
品) を用いて保存テストもおこなった。調理後(充填
時)の初発菌が104 /gのオカラを使用したが、37℃で
3 日保持後の菌数は0 ×100 /gであり、同条件で1 ケ
月後も0×100 /gであった(菌数測定) ので無菌状態
が出来た。
【0039】実施例6 人参、竹の子、グリーンピース、とり肉、調味料などを
加えて加熱、攪拌調理した筑前煮を実施例5の楕円カッ
プに 300g入れ、ヒートシール後、滅菌温度が140 ℃と
なる様にマイクロ波を照射した。まず、器内圧力を水蒸
気を1.3 kg/cm2 (2.3 kg/cm2)の圧となる様に入
れ、更に空気にて2.7 kg/cm2(3.7 kg/cm2)の圧と
した。この時のR.H.=62%である。次に、出力1KWでマイ
クロ波を照射した。楕円カップの中心部分と端の部分で
は温度にバラツキが見られ端部は滅菌温度以上に昇温す
る傾向がみられたが直ぐに140 ℃でコントロールした。
その後、その温度をマイクロ波をコントロールしながら
1分間保持し、前記同様の方法で冷却し3 分以内に70℃
とした。品質的には楕円カップのシールの破れも、焦げ
も見られなかった( 外観評価) 。またこの筑前煮は色
調、風味、食感も優れていた( 官能評価) 。保存テスト
の結果も37℃で3 日保持後の菌数は0 ×100 /gであ
り、同条件で1 ケ月後も0 ×100 /gとなり( 菌数測
定) 無菌性が確認出来た。コンピューター制御による連
続運転でも良好の結果となった。
【0040】実施例7 実施例6に対して、調理したオカラ 150gを対象食品と
し、レトルト袋に入れ、マイクロ波出力を3KWにした以
外は実施例6と同じ条件で行い、これを実施例7とし
た。水蒸気圧1.3 kg/cm2(2.3 kg/cm2)、全体圧2.
7 kg/cm2(3.7 kg/ cm2)、R.H.=62%である。当初
この場合も、袋の中央と端では上昇温度で差が見られ2
〜3 ℃端が袋の中央より高くなったがそれ以上は上昇せ
ず、中心温度が140 ℃になる迄、待機する状態が見られ
た。中心温度が140 ℃に到達した時点から1 分間その温
度をマイクロ波のコントロールで保持した後、前記同様
の方法で冷却した。品質的にはレトルト袋が若干剥がれ
る傾向にあったが、破れは無く、焦げも見られず( 外観
評価) 、またこの卯の花は色調、風味、食感も優れてい
た( 官能評価) 。保存テストの結果は37℃で3 日保持後
の菌数は0 ×100 /gであり、同条件で1 ケ月後も0 ×
100 /gとなり( 菌数測定) 無菌性が確認出来た。コン
ピューター制御による連続運転でも良好の結果となっ
た。
【0041】比較例4 調理した筑前煮を楕円カップに 300g入れ、ヒートシー
ル後、滅菌温度が140 ℃となる様にマイクロ波を照射し
た。まず、器内圧力を空気のみにて3.0 kg/cm2(4.0
kg/cm2 。155 ℃に相当) の圧となる様に調整し( こ
の時のR.H.=0%)、出力1KW でマイクロ波を照射した。楕
円カップの中心部分と端の部分では上昇温度にバラツキ
が見られ、端部は滅菌温度以上に昇温する傾向がみられ
中心部が端の温度より5 〜8 ℃高くなる傾向となった。
中心温度が140 ℃に到達した時点から1 分間その温度を
マイクロ波のコントロールで保持し、保持時間終了後、
前記同様の方法で冷却し3 分以内に70℃とした。品質的
には楕円カップの剥がれ、焼け焦げが見られ( 外観評
価) 、筑前煮は色調不良、焦げで風味、食感は食するに
耐えられるものではなかった。菌も37℃で3 日保持後の
菌数は106 以上/gとなり、無菌とはならなかった。コ
ンピューター制御による連続運転では、品質、菌、風味
とも悪い結果となった。
【0042】比較例5 比較例3で、水蒸気分圧を0.2 kg/cm2(1.2 kg/cm
2)とした以外は同じ条件で行い、これを比較例4とし
た。この時のR.H.=30%である。次いで出力3KW でマイク
ロ波を照射し、滅菌温度が140 ℃到達後は1 KWの出力で
滅菌温度をコントロールした。楕円カップの中心部分と
端の部分では初期温度にバラツキが見られ、端部は滅菌
温度以上に昇温する傾向が見られ中心部分が端の部分の
温度より5 〜8 ℃高くなる傾向となった。中心温度が14
0 ℃に到達した時点から1 分間その温度をマイクロ波の
コントロールで保持し、保持時間終了後、前記同様の方
法で冷却し3 分以内に70℃とした。品質的には楕円カッ
プの剥がれ、焼け焦げが見られ( 外観評価) 、筑前煮は
色調不良、やや焦げで風味、食感は不良であった。37℃
で3 日保持後の菌数は106 以上/gとなり、無菌とはな
らなかった。コンピューター制御による連続運転では、
品質、菌、風味とも悪い結果となった。
【0043】比較例6 比較例1で、ベルトコンベアーが昇温部分と滅菌温度保
持部分に分かれていない条件として、常温から121℃
への昇温時間を1分とし、保持時間を7分としようと試
みたが電源のオン−オフが頻繁になり制御が困難であっ
た。また低出力で試みたがその際は121℃までの時間
がかかり品質が悪かった。
【0044】以上、実施例1〜7 及び比較例1〜6の
結果から次のことが判明した。即ち、器内圧が空気のみ
であれば包材の端部へのマイクロ波の集中による局部加
熱が見られ( 先端効果) るが、器内の空気を水蒸気で置
換し器内圧が0.5kg/cm2〜4kg/cm2 (5kg
/cm2 )であって相対湿度R.H.が30%越える条件下、
好ましくは50%以上の条件下で、端部への異常なマイ
クロ波の集中を防ぐことができ、均一加熱ができること
がわかった。上記の条件下で水蒸気のみで器内の圧を上
げ、相対湿度R.H.100%であっても昇温の速度が遅くなる
のみで、品質や無菌性には全く影響を与えず良好であっ
た。また、適正なF0 値をとる必要上滅菌温度とその温
度を保持する時間を分けて考える必要があり、連続運転
の場合は2つの速度の違うベルトコンベアーが不可欠で
あることがわかった。
【0045】
【発明の効果】本発明の連続式マイクロ波加熱滅菌装置
を用いることにより、常温流通が可能な密封包装食品
を、包装後の大きさ・形状によらずに、食品としての品
質を保持して、均一的滅菌が連続的・短時間で、製造す
ることが出来る滅菌装置の提供が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】)連続式マイクロ波加熱滅菌装置の要約を示し
た図である。 1:二重ダンパー及び圧力調整室(常圧から加圧へ投
入) 2:第1処理領域(昇温部) 3:第2処理領域(温度保持部) 4:導波管(マイクロ波の照射口) 5:マイクロ波発振機 6:第3処理領域(冷却部) 7:制御部(CPU) 8:搬送部(昇温部・・・第一搬送部、温度保持部・・
・第2搬送部) 9:コンベアー駆動モーター 10:光ファイバーセンサー 11:蒸気供給口 12:空気供給口 13:赤外線温度計の挿入口 14:二重ダンパー及び圧力調整室(加圧から常圧へ排
出) (
【図2】)蒸気併用時(R.H.=71%)の表面温度
と芯温度の昇温曲線 (
【図3】)蒸気不使用時(R.H.= 0%)の表面温
度と芯温度の昇温曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 新一 大阪府泉佐野市住吉町1番地 不二製油 株式会社阪南事業所内 (72)発明者 西東 俊明 大阪府泉佐野市住吉町1番地 不二製油 株式会社阪南事業所内 (72)発明者 下田 忠久 大阪府泉佐野市住吉町1番地 不二製油 株式会社阪南事業所内 (72)発明者 山本 康二 大阪府大阪市天王寺区上汐6丁目3−12 山本ビニター株式 会社 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 3/00 - 3/24 A61L 2/12

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気密容器内に、マイクロ波照射手段及び水
    蒸気を含む加圧気体供給口を備え、少なくとも部分的に
    囲まれた第1の処理領域としての昇温部、マイクロ波照
    射手段及び水蒸気を含む加圧気体供給口を備え、かつ少
    なくとも部分的に囲まれた第2の処理領域としての温度
    保持部、冷却手段及び水蒸気に乏しい加圧気体供給口を
    備えた第3の処理領域としての冷却部、が連通部を介し
    て接続されており該気密容器と断続的に接続する前部圧
    力調整室と後部圧力調整室が設置され、前部圧力調整室
    から移入された密封包装食品を、昇温部、温度保持部、
    冷却部を経て、後部圧力調整室へ移出する搬送部を備
    え、温度、圧力、時間、マイクロ波出力を含む連続運転
    に要する全ての制御因子を備えることを特徴とする連続
    式マイクロ波加熱滅菌装置。
  2. 【請求項2】気密容器内の圧力が0.5〜4.0kg/
    cm2 (ゲージ圧)に維持される請求項1に記載の連続
    式マイクロ波滅菌装置。
  3. 【請求項3】第1及び第2の処理領域の相対湿度が30
    %を越えて維持される請求項1に記載の連続式マイクロ
    波滅菌装置。
  4. 【請求項4】前記搬送部は、第1処理領域における第1
    の搬送部と第2の処理領域における第2の搬送部を備
    え、該第1、第2の搬送部は各搬送速度が前記制御部に
    より設定可能にされていることを特徴とする請求項1に
    記載の連続式マイクロ波加熱滅菌装置。
  5. 【請求項5】前記第1、第2の搬送部は、それぞれベル
    トコンベアーを有することを特徴とする請求項4に記載
    の連続式マイクロ波加熱滅菌装置。
  6. 【請求項6】前記制御部には、滅菌温度を得る条件が前
    記第1の処理領域でのマイクロ波出力とマイクロ波照射
    時間とにより設定されていることを特徴とする請求項5
    に記載の連続式マイクロ波加熱滅菌装置。
  7. 【請求項7】前記滅菌温度は、120℃以上であること
    を特徴とする請求項6に記載の連続式マイクロ波加熱滅
    菌装置。
  8. 【請求項8】前記制御部には、前記滅菌温度を保持する
    条件が前記第2の処理領域でのマイクロ波出力とマイク
    ロ波照射時間とにより設定されていることを特徴とする
    請求項6ないし7に記載の連続式マイクロ波加熱滅菌装
    置。
  9. 【請求項9】前記の圧力調整室の出入口には、前記搬送
    部との間で前記食品の受渡しを可能にする圧力調整装置
    が備わっていることを特徴とする請求項1に記載の連続
    式マイクロ波加熱滅菌装置。
  10. 【請求項10】前記昇温部は、マイクロ波の照射を密封
    包装食品の対向する両側から行わせることを特徴とする
    請求項1から9のいずれかに記載の連続式マイクロ波加
    熱滅菌装置。
  11. 【請求項11】前記冷却部は、前記食品の内部温度を7
    0℃以下に3分間以内で冷却することを特徴とする請求
    項1から10のいずれかに記載の連続式マイクロ波加熱
    滅菌装置。
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