JPH0819566B2 - ポリエステル繊維の製造法 - Google Patents

ポリエステル繊維の製造法

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JPH0819566B2 JP62286391A JP28639187A JPH0819566B2 JP H0819566 B2 JPH0819566 B2 JP H0819566B2 JP 62286391 A JP62286391 A JP 62286391A JP 28639187 A JP28639187 A JP 28639187A JP H0819566 B2 JPH0819566 B2 JP H0819566B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリエステル繊維の製造法に関し、さらに
詳しくは紡糸性等に優れ、かつ、強度、ヤング率等の機
械的物性に優れた色相の良好なポリエステル繊維を紡糸
工程のみで製造する方法に関する。
(従来の技術) ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートは多
くの優れた特性を有しているため、種々の用途、特に繊
維に広く利用されている。
かかるポリエステルは、通常テレフタル酸とエチレン
グリコールとをエステル化反応させるか、テレフタル酸
ジアルキルとエチレングリコールとをエステル交換反応
させるか、またはテレフタル酸とエチレンオキサイドと
を反応させるかして、テレフタル酸のグリコールエステ
ルおよび/またはその低重合体を生成させ、ついでこの
生成物を減圧下加熱し所定の重合度になるまで重縮合さ
せることによって製造されている。このようにして得ら
れたポリエステルは、一般には、溶融状態で紡糸ノズル
から繊維状に押出され延伸されて実用化される。また、
ポリエステルを巻取速度2000m/分以上の高速度で紡糸し
て得られる中間配向糸(POY)を延伸仮撚加工に供する
方法も広く用いられるようになってきている。
さらに、最近はポリエステルを巻取速度5000m/分以
上、特に8000m/分以上の高速度で溶融紡糸することによ
って、紡糸工程のみで実用上充分な特性を有するポリエ
ステル繊維を得る方法が提案されている。
しかしながら、紡糸速度の高速化、特に5000m/分以上
の巻取速度にすることは、一方で紡糸時の単繊維切れ、
断糸が増加するために、得られるポリエステル繊維は毛
羽等の欠陥が多く高次加工工程の工程通過性が著しく悪
化する。このような傾向は紡糸速度の高速化につれて、
また単繊維デニールが小さくなるほど、更にフィラメン
ト数が多くなるほど顕著になり事実上6000m/分以上の巻
取速度での紡糸は極めて困難である。
一方、ポリエステル長繊維および短繊維とも、後加
工、紡績工程等の生産性向上、機能性付与に関する処理
の多様化などに伴い、高品質、特に、強度、ヤング率等
の機械的特性の改善が要求されるに至っている。
とりわけ、紡糸工程のみで実用に耐えうるポリエステ
ル繊維を得ようとするいわゆる直接製糸法では、少なく
とも巻取速度を5000m/分以上もの高速度にすることが必
要であり、それでも強度、ヤング率といった機械的性質
は通常の延伸糸に比べて依然として低いものである。し
かも、このような高速紡糸では紡糸断糸が著しく増加す
るため工業的には到底採用できない。
そこで、本発明者の一人は紡糸速度の高速化に伴う紡
糸断糸について検討した結果、ポリエステルの紡糸速度
の高速化に伴う分子配向下での結晶化がこのような断糸
の発生原因の1つであることを知り、かかる分子配向下
での結晶化を抑制する方法を、先に特開昭59−47423号
公報及び特開昭59−193921号公報にて提案した。
これらの方法は、p−ヒドロキシ安息香酸(以下、PO
BAと称することがある)をポリエステルの製造が完結す
るまでの任意の段階で添加するものである。
このようにして得られるポリエステルは、色調が良好
で、しかも巻取速度4000m/分以上の高速紡糸に供給する
と、紡糸断糸を減少することができるが、巻取速度を50
00m/分以上にすると依然として紡糸時の断糸は多発し、
しかも得られる繊維の機械的強度は通常の延伸糸に比べ
て低いものである。
また、本発明者らの一人は、紡糸工程のみで十分実用
性を有する繊維を得るには、紡糸工程において何らかの
熱処理を加え、かつ平均粒径10〜100mμの不活性微粒子
を含有したポリエステルを用いると、ある程度まで機械
的特性が増加することを、特開昭60−81314号公報にて
提案した。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上述したような方法によれば、確かに
得られる繊維の強度、ヤング率等の機械的特性は向上す
るものの実用化するためには、さらに良好な機械的特
性、色相を有するポリエステルが望まれている。
本発明の目的は、強度、ヤング率等の機械的特性およ
び良好な色調を維持しながら高速紡糸性に優れたポリエ
ステル繊維の製造法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意検討を重
ねた結果、ポリエステル製造の過程で、特定のジフェニ
ル化合物および/または特定のモノカルボン酸化合物の
一定割合を添加し、かつ、有機カルボン酸のアルカリ金
属塩又はアルカリ土類金属塩の一定割合を添加して得ら
れるポリエステルを高速紡糸する際に口金直下を加熱す
ることによって、得られる繊維の機械的強度が向上して
いることを見い出し本発明に到達した。
すなわち、本発明はポリエステル紡出糸を、紡出口金
直下10〜50cmの間にわたり該ポリエステルの軟化点より
70℃低い温度から軟化点より150℃高い温度範囲にある
温度雰囲気中に通過させた後、3000m/分以上の引取速度
で紡糸するに際し、ポリエステルとしてテレフタル酸を
主とする二官能性カルボン酸および/またはそのエステ
ル形成性誘導体と、少なくとも一種のグリコールおよび
/またはそのエステル形成性誘導体とをエステル化反応
あるいはエステル交換反応せしめた反応生成物を、重縮
合反応せしめて得たポリエステルを用い、かつ、重縮合
反応が終了する以前の任意の段階で、前記二官能性カル
ボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体に対
し、5〜30モル%の下記〔I〕式で表されるジフェニル
化合物および/または1〜20モル%の下記〔II〕式で表
されるモノカルボン酸化合物を添加するとともに、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属よりなる群から選ばれ
た少なくとも一種の金属の有機カルボン酸塩を前記二官
能性カルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導
体に対し0.005〜0.05モル%添加したポリエステルを使
用することを特徴とするポリエステル繊維の製造法であ
る。
本発明のポリエステルにおいて、酸成分に対して下記
一般式〔I〕で表されるジフェニル化合物の5〜30モル
%および/または下記一般式〔II〕で表されるモノカル
ボン酸化合物の1〜20モル%を添加し、かつ、アルカリ
金属、アルカリ土類金属よりなる群から選ばれた少なく
とも一種の金属の有機カルボン酸塩の0.005〜0.05モル
%を添加することが重要である。
一般式〔I〕で表されるジフェニル化合物としては、
下記一般式〔III〕で表されるジフェニル化合物、特に
ジフェニル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4′
−ジカルボン酸ジメチル、ジフェニル−4,4′−ジカル
ボン酸ジエチルが好ましい。
かかるジフェニル化合物の添加量はポリエステルの酸
成分に対して5〜30モル%であることが必要であり、5
モル%未満の場合は、かかるポリエステルを高速紡糸に
供すると、紡糸断糸が多発し、かつ得られた繊維の強
度、ヤング率等の機械的特性も低いままである。一方、
ジフェニル化合物の添加量が30モル%を越えるとポリエ
ステルの溶融粘度が高くなり、紡糸時のろ過圧力(紡糸
パック圧力)が上昇して通常の紡糸が困難となるほか、
2000m/分以上の高速で巻取ることが困難になる。
一般式〔II〕で表されるモノカルボン酸化合物として
は、p−オキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸メチル、
p−オキシ安息香酸エチル、アセトキシ安息香酸、アセ
トキシ安息香酸メチル等があげられる。
かかるモノカルボン酸化合物の添加量は、ポリエステ
ルの酸成分に対して、1〜20モル%、好ましくは1〜10
モル%である。この添加量が1モル%未満であると高速
紡糸において紡糸断糸が多発する。一方、モノカルボン
酸化合物の含有量が20モル%を越えるとポリエステルの
重縮合時間が長くなり生産性が低下するばかりでなく、
高速紡糸時における紡糸断糸も多発し最終的に得られる
繊維の機械的特性も低下する。
アルカリ金属、アルカリ土類金属よりなる群から選ば
れた少なくとも一種の金属の有機カルボン酸塩として
は、かかる金属がナトリウム、カリウム、リチウム、カ
ルシウム、マグネシウムであるのが好ましく特にナトリ
ウムが好ましい。有機カルボン酸としては脂肪族カルボ
ン酸、芳香族モノカルボン酸が好ましく酢酸ナトリウ
ム、安息香酸ナトリウム、モンタン酸ナトリウム等があ
げられる。
かかる有機カルボン酸塩の添加量は、ポリエステルの
酸成分に対して0.005〜0.05モル%であるが、添加量が
0.005モル%未満であれば高速紡糸時に断糸が多発し、
得られる繊維の機械的特性も低いままである。また0.05
モル%を越えると紡糸時のろ過圧力(紡糸パック圧力)
が急激に上昇し断糸も多発する。
本発明においては、前述のポリエステルを用いて紡糸
する際に、紡糸口金より吐出されたポリエステル紡出糸
を、該紡糸口金の下面から10cm以上50cm以下の長さにわ
たり、該ポリエステルの軟化点より70℃低い温度から15
0℃高い温度の範囲内にある温度雰囲気に通過させた
後、3000m/分以上の速度で引取ることが重要である。加
熱域が紡糸口金の下面から10cm未満であると、加熱効果
が十分でなくなり、力学特性向上の効果が十分でなくな
る。また、50cmを越えると糸ゆれが大きくなり断糸が多
発し、得られる繊維の機械的特性も低下する。また、加
熱域の温度がポリエステルの軟化点より70℃低い温度未
満の場合には、得られる繊維の機械的特性の向上が期待
できない。逆に軟化点より150℃高い温度を越える場合
には、糸がニーリングを起こしやすくなり断糸が多発す
る。さらに、引取速度が3000m/分未満の場合には、得ら
れる繊維の強度、ヤング率などの機械的特性が小さくな
り紡糸工程のみで実用に耐えうる繊維を製造できなくな
る。ここで、ポリエステルの軟化点は、下記のような測
定法により得られたものである。すなわち、4×4×2m
mのチップをシリコンオイル中に浸漬し、該チップ上に
直径3mm、重量15.5gのステンレス針をセットした後シリ
コンオイル温度を昇温させ、針がチップ中に0.5mm針入
した温度を軟化点とする。
なお、本発明で言うポリエステルとは、テレフタル酸
成分とエチレングリコール成分とからなるポリエステル
テレフタレートを主たる対象とするが、テレフタル酸成
分の一部(通常15モル%以下、好ましくは10モル%以
下)を他の二官能性カルボン酸成分で置換えたポリエス
テルであっても、またエチレングリコール成分の一部
(通常15モル%以下、好ましくは10モル%以下)を他の
ジオール成分で置換えたポリエステルであってもよい。
更に、各種添加剤例えば易染剤、難燃剤、制電剤、親水
剤、着色剤等を必要に応じて共重合又は混合したポリエ
ステルであってもよい。
かかるポリエステルは、通常テレフタル酸とエチレン
グリコールとをエステル化反応せしめるか、テレフタル
酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステル
とエチルングリコールとをエステル交換反応せしめるか
又はテルフタル酸とエチレンオキサイドとを反応せしめ
るかしてテレフタル酸のグリコールエステル及び/又は
その低重合体を生成せしめ、次いでこの生成物を減圧下
加熱して所定の重合度になるまで重縮合反応せしめるこ
とによって製造される。
これらの反応には、必要に応じて任意の触媒を使用す
ることができる。なかでもエステル交換法を採用すると
きは、エステル交換触媒としてマンガン化合物、亜鉛化
合物、コバルト化合物等が好ましく、これらは1種又は
2種以上併用してもよい。その使用量は、ポリエステル
原料として使用する二官能性カルボン酸成分に対し0.00
5〜0.1モル%が好ましい。
また、重縮合触媒としてはアンチモン化合物、チタン
化合物、ゲルマニウム化合物が好ましい。これらも1種
又は2種以上併用してもよく、その使用量は二官能性カ
ルボン酸成分に対して0.003〜0.1モル%が好ましく、特
にアンチモン化合物の場合は0.015〜0.05モル%が好ま
しい。
また、本発明においては、安定剤としてリン化合物を
使用することができ、こうすることは好ましいことでも
ある。リン化合物としては、ポリエステルの安定剤とし
て使用できるリン化合物であれば任意に使用できるが、
なかでもリン酸・亜リン酸、これらのジ又はトリエステ
ルが好ましく、エステルとしては炭素数1〜6のアルキ
ルエステル、フェニルエステルが好ましい。また、これ
らのアルキルエステルをグリコール、特にエチレングリ
コール中で加熱処理して得た生成物も好ましい。かかる
リン化合物の使用量は、ポリエステル原料として使用す
る二官能性カルボン酸成分に対し0.001〜0.5モル%の範
囲が適当である。また、リン化合物の添加時期は前記第
1段階の反応が実質的に終了した時点が好ましい。添加
方法は任意でよく、そのまま添加しても、グリコール特
にポリエステル原料として使用するグリコールと同種の
グリコールに分散又は溶解して添加してもよい。
(作用) 本発明の製造法によって特られるポリエステル繊維の
機械的特性が維持され、色相が良好で紡糸性に優れてい
る理由は、まだ明確になっていないが次のように考えら
れる。
すなわち、一般式〔I〕で表されるジフェニル化合物
および/または一般式〔II〕で表されるモノカルボン酸
化合物を本発明で規定する量添加することによって各化
合物の反応性との関連で下記〔IV〕、〔V〕および/ま
たは〔VI〕で示される構成単位がポリエステル分子鎖
中、または分子末端に導入される。
〔IV〕で示される構成単位を分子鎖中に導入すること
によって得られる繊維の強度、ヤング率等の機械的特性
が維持され、また〔V〕式で示される構成単位、すなわ
ち末端基を有するポリエステルは分子配向時の結晶性を
抑制することができ、ポリエステル分子間の相互作用と
の関係で、高速紡糸時の製糸性も良好となる。また、
〔VI〕式で示される構成単位を有するポリエステルは柔
軟なエーテル結合を分子鎖内に含有するため、高速紡糸
時の製糸性を改善できる。
さらに、アルカリ金属、アルカリ土類金属よりなる群
から選ばれた金属の有機カルボン酸塩を配向結晶化抑制
剤として添加し、かつ、紡糸口金の下面から10cm以上50
cm以内の長さにわたり加熱を行うことで、繊維の微細構
造発現の位置が紡糸線上のより下方へと移り、空気抗力
が大きい位置でポリエステルの内部構造が形成されるた
め、結果として繊維の複屈折率(Δn)が上昇し、か
つ、密度が低くなり、得られる繊維の強度およびヤング
率などの機械的特性が保持される。
このように本発明の製造法によれば配向時の結晶化を
抑制しつつ、ポリエステル分子鎖自身を強固なものと
し、かつ、紡糸口金下における加熱により繊維の構造発
現をコントロールすることで、得られる繊維の機械的特
性が維持されるとともに、製糸性、色調に優れた繊維を
得ることができるものと推測される。
(実施例) 以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明する。実施
例中の部は重量部であり、〔η〕はo−クロルフェノー
ル溶媒中30℃で測定した値より求めた極限粘度である。
重合体の色調を表すL値およびb値はハンター型色差計
を用いて測定した値であり、L値が大きい程、白度が向
上していることを示し、b値が、大きい程黄色味の強い
ことを示している。すなわち、L値が大きくb値が小さ
い程色相が良好であることを示す。軟化点はペネトレー
ション法により測定した。
実施例1〜9、比較例1〜13 第1表に示す量のテレフタル酸ジメチルおよびジフェ
ニル−4,4′−ジカルボン酸ジメチルと、エチレングリ
コール640部と、エステル交換触媒である酢酸マンガン
0.31部(25モリモル%対酸成分)とを、精留塔およびメ
タノール留出コンデンサーを設けた撹拌機付反応器に仕
込み、140℃から240℃に加熱し、反応の結果生成するメ
タノールを系外に留出させながらエステル交換反応を行
った。反応開始後3時間で内温は240℃に達し、3.20部
のメタノールが留出した。ここで安定剤としてトリメチ
ルフォスフェート0.22部(30ミリモル%対酸成分)を加
え、10分間反応させた後、重縮合触媒として三酸化アン
チモン0.44部(30ミリモル%対酸成分)および第1表に
示す種類および添加量の有機カルボン酸金属塩を加え、
その直後に第1表に示す添加量のパラオキシ安息香酸を
加えてエステル交換反応を終了した。
次に、得られたエステル交換反応生成物を撹拌器およ
びグリコールコンデンサを設けた重縮合反応器に移し、
240℃から289℃に徐々に昇温するとともに常圧下で重縮
合反応せしめてから1mmHgの高真空に圧力を下げながら
〔η〕が0.64のポリマーを得るべく重縮合反応せしめ
た。
このようにして得られたポリエステルを300℃で直径
0.27mmの紡糸ノズルを24個有する紡糸口金から66.6g/分
の吐出量で吐出し、口金直下50cmを第1表に示す温度雰
囲気に変更し、6000m/分の引取速度で引取った。
紡糸中の断糸回数はポリエステル1トンを溶融紡糸し
た際の断糸回数、または毛羽数は光電管方式でポリエス
テル繊維の毛羽数をカウントし、100万mあたりの毛羽
数として表す。
得られた糸条の強度、ヤング率も同時に第1表に示
す。なお、第1表においてΔnはポリエステル繊維の複
屈折率を示しΔnが大きい程、繊維の配向度が大きいこ
とを示す。また、ρはポリエステル繊維の密度を示し、
ρが大きいほど繊維の結晶化度が大きいことを示す。
第1表の結果から明らかなように、ジフェニル−4,
4′−ジカルボン酸ジメチル、パラオキシ安息香酸、有
機カルボン酸金属塩の添加量が本発明の範囲の外にある
場合(比較例)、紡糸断糸の回数や毛羽数も多く、ポリ
マーの色調が不良なものもみられる。一方、本発明の範
囲内で上記物質を添加した場合(実施例)は、繊維物性
は維持され、製糸性が優れている。
実施例10〜12、比較例14〜22 高速紡糸の際の引取速度および口金下の加熱雰囲気条
件を第2表に示すように変更する以外は、実施例4と同
様の方法で製造したポリマーを用い、物性、製糸特性を
評価した。結果を第2表に示す。
第2表の結果から明らかなように、口金下加熱条件が
本発明の範囲外の場合(比較例)は、断糸が多発したり
毛羽数の発生も多く、繊維の物性もあまり向上しない。
また、引取速度が本発明の範囲外にある場合(比較例2
2)も、繊維物性が不良であった。一方、口金下加熱条
件および引取速度が本発明の範囲内にある場合は、繊維
物性が良好で、紡糸断糸や毛羽の発生も少なく製糸特性
も良好である。
(発明の効果) 本発明方法によれば、色調および紡糸性に優れ、しか
も紡糸工程のみでヤング率、強度塔の繊維物性に優れた
ポリエステル繊維を提供することができるという効果を
有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−143517(JP,A) 特開 昭59−47423(JP,A) 特開 昭59−193921(JP,A) 特公 昭49−45800(JP,B1)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル紡出糸を、紡出口金直下10〜
    50cmの間にわたり該ポリエステルの軟化点より70℃低い
    温度から軟化点より150℃高い温度範囲にある温度雰囲
    気中に通過させた後、3000m/分以上の引取速度で紡糸す
    るに際し、ポリエステルとしてテレフタル酸を主とする
    二官能性カルボン酸および/またはそのエステル形成性
    誘導体と、少なくとも一種のグリコールおよび/または
    そのエステル形成性誘導体とをエステル化反応あるいは
    エステル交換反応せしめた反応生成物を、重縮合反応せ
    しめて得たポリエステルを用い、かつ、重縮合反応が終
    了する以前の任意の段階で、前記二官能性カルボン酸お
    よび/またはそのエステル形成性誘導体に対し、5〜30
    モル%の下記[I]式で表されるジフェニル化合物およ
    び/または1〜20モル%の下記[II]式で表されるモノ
    カルボン酸化合物を添加するとともに、アルカリ金属ま
    たはアルカリ土類金属よりなる群から選ばれた少なくと
    も一種の金属の有機カルボン酸塩を前記二官能性カルボ
    ン酸および/またはそのエステル形成性誘導体に対し0.
    005〜0.05モル%添加したポリエステルを使用すること
    を特徴とするポリエステル繊維の製造法。 [I]、[II]式中、Rは水素原子または炭素数1もし
    くは2のアルキル基を示し、Xは水素原子または−OCOC
    H3を示す。
  2. 【請求項2】一般式[I]で表されるジフェニル化合物
    が下記[III]式で表される化合物である特許請求の範
    囲第1項記載のポリエステル繊維の製造法。 [式中、Rは水素原子または炭素数1もしくは2のアル
    キル基を示す。]
  3. 【請求項3】アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属
    が、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、
    カルシウムである特許請求の範囲第1項記載のポリエス
    テル繊維の製造法。
  4. 【請求項4】有機カルボン酸が脂肪族カルボン酸および
    /または芳香族モノカルボン酸である特許請求の範囲第
    1項記載のポリエステル繊維の製造法。
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