JPH0819549B2 - 連続端子のメッキ処理法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、複数の端子が連結された連続端子にメッ
キ処理を行う方法及びその装置に関するものである。

〔従来の技術〕

連続端子は、第４図に示すように、帯金1aに複数の端
子1bを並列して連続したものであり、黄銅等の伸銅材料
（フープ材）の連続プレス成形によって製造される。こ
の連続端子ａの多くには、防触を目的として１〜２μｍ
厚の錫（Sn）メッキが施こされ、他のものは、防錆油が
塗布される。

そのメッキ処理に、従来、前記フープ材そのものにメ
ッキする、いわゆる先メッキ処理と、プレス成形後の連
続端子ａ（第４図のもの）を巻きもどして行う、いわゆ
るリールtoリール処理がある。後者を詳述すれば、第５
図に示すように、プレス機１からの連続端子ａをリール
ｂに巻き取り、それを、熱処理２、湯洗３、酸洗４、水
洗５の各工程を経たのち、防錆処理Ａ又はメッキ処理Ｂ
に送る。防錆処理Ａは、リールｂを防錆油槽６に浸漬し
て処理したのち、外観検査７が行われる。一方、メッキ
処理Ｂは、外観検査７ののち、リールｂから連続端子ａ
を繰り出し、Snメッキ８、水洗９の工程を経て巻きもど
し、外観検査７が行われる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、前者の先メッキ処理は、プレス機１に
より除去される材料部分までメッキするため、その部分
のメッシが無駄となり、コスト面で問題があるうえに、
プレス破断面はメッキされていない素材面が露出するこ
ととなり、防錆の面で好ましくない。

後者のリールtoリール処理は、無駄なメッキ処理及び
素材面露出の問題はないが、リールｂの巻き取った連続
端子ａを繰り出して（ほどいて）Snメッキ処理８が行わ
れ、それを巻きもどす工程を有するため、その繰り出し
・巻き戻しの時間及び設備が必要となって、処理時間が
長くなっているうえに、設備スペースを広く必要として
いる。

この発明は、以上の点に留意し、前記繰り出し・巻き
戻しを行うのは、端子とメッキ液との接触を多くするこ
とであることに着目し、リールに巻き取ったままでも、
連続端子とメッキ液との接触を多くすることを課題とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するために、メッキ処理に関する発明
にあっては、帯金1aに複数の端子1bがその帯金1a長さ方
向に並列して連結された連続端子ａに電気メッキ処理を
行う際、その連続端子ａをリールｂに巻き取った状態で
メッキ槽15、17に浸漬して、前記リールｂを回転させな
がらメッキする構成としたのである。

また、メッキ処理装置に関する発明にあっては、連続
端子ａを巻き取ったリールｂを回転自在に吊り下げてメ
ッキ槽15、17に浸漬するアーム22と、そのアーム22に設
けられて前記リールｂを回転させる駆動機とから成り、
前記アーム22は上下に移動可能である構成としたのであ
る。

〔作用〕

このように構成されるこの発明にあっては、メッキ槽
内で、リールが回転することにより、各端子とメッキ液
との接触が促進される。

なお、リールには、回転に加えて振動を与えることも
できる。

〔実施例〕

第１図乃至第３図に示すように、アルカリ脱脂槽11、
水洗槽12、電解脱脂槽13、酸洗槽14、銅メッキ槽15、中
和槽16、Snメッキ槽17、湯洗槽18が適宜な配置で並べら
れ、その並列方向上方にレール20がフレーム21を介して
設置されている。

上記レール20には、吊りアーム22を吊り下げたチェー
ンホイスト23が長さ方向移動自在に設けられており、こ
のホイスト23は、手動によりレール20に沿って移動し、
スイッチ24により作動されてアーム22を昇降させる。ホ
イスト23は、駆動機及び走行輪を設け、前記スイッチ24
によりその駆動機を動かしてレール20に沿って移動可能
とすることができる。

上記アーム22は、下部のフック片22aでもって連続端
子ａを巻き取ったリールｂの軸を回転自在に支持する。
また、アーム22には、前記スイッチ24により制御される
モータ25が設けられており、このモータ25により、ギヤ
機構26が駆動され、リールｂを支持した際、このギヤ機
構26とリールｂのフランジ外周のギヤ27とが噛み合っ
て、リールｂが回転する。このリールｂの回転速度は、
最適のメッキ状態となるように実験・実操業時によって
適宜に決定すればよいが、例えば５回／分程度とする。
図中、ｃは金属塊又は電極板である。

この実施例は、従来と同様にして、第２図左端のアル
カリ脱脂槽11から右へ順々にリールｂを移動させて各処
理を行う。

〔発明の効果〕

この発明は、以上のように構成し、各端子とメッキ液
との接触を促進させたので、従来に比べて優れたメッキ
処理を行うことができるうえに、メッキの無駄を省き、
処理時間を短縮できる等により、コストダウンを図るこ
とができる。

また、連続端子の繰り出し、巻き戻し工程が不必要な
分、設備が小形化でき、その建屋の設置面積が減少す
る。さらに、ワークのタクト送りが可能となるため、処
理能力も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明に係る処理装置の一実施例の要部概
略斜視図、第２図は同概略平面図、第３図は第２図の切
断右側面図、第４図は連続端子の要部斜視図、第５図は
従来の処理方法の概略図である。 ａ……連続端子、ｂ……リール、 1a……帯金、1b……端子、 Ａ……防錆処理、Ｂ……メッキ処理、 １……プレス機、２……熱処理、 ３……湯洗、４……酸洗、 ５……水洗、６……防錆油槽、 ７……外観検査、11……アルカリ脱脂槽、 12……水洗槽、13……電解脱脂槽、 14……酸洗槽、15……銅メッキ槽、 16……中和槽、17……Snメッキ槽、 18……湯洗槽、20……レール、 21……フレーム、22……吊りアーム、 22a……フック、23……ホイスト、 24……スイッチ、25……モータ、 26……ギヤ機構、27……ギヤ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】帯金1aに複数の端子1bがその帯金1a長さ方
   向に並列して連結された連続端子ａに電気メッキ処理を
   行う際、その連続端子ａをリールｂに巻き取った状態で
   メッキ槽15、17に浸漬して、前記リールｂを回転させな
   がらメッキすることを特徴とする連続端子のメッキ処理
   法。
2. 【請求項２】請求項（１）記載のメッキ処理を行う装置
   において、上記リールｂを回転自在に吊り下げてメッキ
   槽15、17に浸漬するアーム22と、そのアーム22に設けら
   れて前記リールｂを回転させる駆動機とから成り、前記
   アーム22は上下に移動可能であることを特徴とする連続
   端子のメッキ処理装置。