JPH08194932A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH08194932A
JPH08194932A JP266195A JP266195A JPH08194932A JP H08194932 A JPH08194932 A JP H08194932A JP 266195 A JP266195 A JP 266195A JP 266195 A JP266195 A JP 266195A JP H08194932 A JPH08194932 A JP H08194932A
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JP
Japan
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lubricant
layer
recording medium
magnetic recording
magnetic
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JP266195A
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English (en)
Inventor
Akira Noda
章 野田
Yuji Tanaka
裕二 田中
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度記録に対応する為、低浮上量を容易に
する表面粗さが極めて小さなディスクであっても、耐久
性に優れ、かつ、環境安定性に優れた磁気記録媒体を提
供することにある。 【構成】 支持体と、磁性層と、潤滑剤層とを少なくと
も有する磁気記録媒体であって、前記潤滑剤層は気相反
応で形成されたものであり、前記支持体は微粒子との衝
突によりテクスチャ処理が施されたものである磁気記録
媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に金属薄膜型の磁気
記録媒体に関する。
【0002】
【発明の背景】一般に、磁気ディスク等の磁気記録媒体
では、支持体(基板)の上に磁性層がスパッタ等により
形成され、その上にカーボンや金属酸化物などの保護層
を設け、更にパーフルオロポリエーテル系の液体潤滑剤
が塗布されている。磁気記録媒体の耐久性は、潤滑剤層
の組成、厚さ、あるいは潤滑剤層の製法等に大きく左右
される。現在までに、それらに関する多くの技術が提案
されている。例えば、特開昭60−101715号公報
のように無機シリコン化合物保護層上にアミノシアン化
合物を塗布、次いでカルボキシル基含有フッ素化カーボ
ン系潤滑剤を塗布し、酸塩基反応を利用して界面に化学
結合させた潤滑剤層を形成する方法、あるいは特開昭6
1−113126号公報、特開昭61−248218号
公報、特開平5−166173号公報のように極性基を
持つ潤滑剤と極性基を持たない潤滑剤とを表面に塗布
し、潤滑剤層の下層を極性基を持つ潤滑剤で強く表面に
固定し、長期間の耐久性を確保しようとする技術が有
る。又、その他にも、特開昭62−114122号公
報、特開平1−171101号公報、特開平2−735
14号公報、特開平3−25720号公報、特開平3−
207020号公報、特開平4−102224号公報、
特開平4−286720号公報、特開平4−31181
2号公報、特開平6−20262号公報などの技術も有
る。
【0003】しかし、上記の潤滑剤層はディップコート
法やスピンコート法によって塗布される為、潤滑剤の濃
度変動や保護層の表面状態などが潤滑剤付着量に微妙に
影響し、その厚さの制御、引いては潤滑特性の安定化が
困難であった。更には、潤滑性能が経時的に劣化する問
題もあった。一方、パーフルオロポリエーテル系の潤滑
剤を塗布後にプラズマ処理して潤滑剤を保護層表面に固
定する技術(特開平5−174354号公報)や、フッ
素系ガスを保護層表面上で表面重合させることによっ
て、潤滑剤分子端を保護層表面に固定する技術(特開平
3−104015号公報、特開平4−311812号公
報、特開平6−220185号公報)が有る。
【0004】これらの中、前者の技術には塗布方式の不
安定性が依然として残っている。これに対して、後者の
技術は、パーフルオロポリエーテルの商業的合成法の代
表である光酸化重合法を応用し、潤滑剤分子を保護層表
面に固定したものである。すなわち、ヘキサフルオロプ
ロペン等のフッ素系ガスと酸素とを導入し、かつ、ディ
スク表面に直接レーザ光を照射し、ディスク表面上のみ
で光酸化重合(表面重合)させたものである。この表面
重合を進行させる為には、ディスクを−70〜−30℃
に冷却し、原料ガスを凝縮させる等の特別な操作が必要
である。又、重合が表面で起こる為に下記の問題が有
る。 (1) 保護層表面はミクロ的にはかなり不均一なの
で、表面エネルギの揺らぎ、微細突起・凹部の存在、化
学的活性部位の偏在等が原料ガス吸着・凝縮の揺らぎを
もたらし、重合反応がミクロ的に不均一に進行する。よ
って、ディスク全面にわたって均質・均一膜厚の潤滑剤
層の形成が難しく、安定した耐久性を発現できていな
い。 (2) 強力なレーザ光をディスク表面に照射する為、
照射部の磁性層や保護層の特性が変動や劣化の恐れがあ
る。 (3) 表面重合を行う為、又、レーザ光をディスク表
面に照射する為、枚葉処理となり、量産に適していな
い。 (4) 表面固定を促進する為、保護層表面の酸化、エ
ッチング、光・電磁波照射が必要で、工程が複雑にな
り、コスト高となる。 (5) ディスクを−30℃以下の極低温に冷却する必
要があり、反応効率を考慮すると、量産性やコストの点
で実用的でない。 (6) 多量のディスクを素早く冷却する為に、大がか
りな設備が必要である。 (7) 極低温から室温に短時間で戻すと、表面の微細
凹凸部に毛管凝縮現象で結露が生じるから、長時間かけ
て戻す必要があるので、生産効率が悪い。
【0005】加えて、高密度記録化に伴い、磁気ディス
ク回転の高速化や磁気ヘッドの浮上量の低下が図られて
おり、磁気ディスク表面に要求される耐磨耗性、耐久性
は年々高度なレベルが要求されている。又、磁気ヘッド
の浮上量、耐磨耗性や耐久性は磁気ディスクの表面特性
に大きく左右される。この為、表面に微細な凹凸を形成
する為のテクスチャ処理が支持体に施される。特に、記
録密度の向上に伴い、磁気ヘッドの低浮上量化や耐久性
の向上が大きな課題となっている今日では、このテクス
チャ処理技術に益々高度なレベルが要求されている。
【0006】このように、耐久性などの特性に支持体の
表面特性と潤滑剤とが密接に関与している。
【0007】
【発明の開示】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、高密度記録に対応する為、低浮上
量を容易にする表面粗さが極めて小さなディスクであっ
ても、耐久性に優れ、かつ、環境安定性に優れた磁気記
録媒体を提供することにある。この本発明の目的は、支
持体と、磁性層と、潤滑剤層とを少なくとも有する磁気
記録媒体であって、前記潤滑剤層は気相反応で形成され
たものであり、前記支持体は微粒子との衝突によりテク
スチャ処理が施されたものであることを特徴とする磁気
記録媒体によって達成される。
【0008】特に、支持体と、磁性層と、潤滑剤層とを
少なくとも有する磁気記録媒体であって、前記潤滑剤層
は気相反応で形成されたものであり、前記支持体は微粒
子との衝突によりテクスチャ処理が施され、支持体のR
a(Raは中心線平均粗さ)が5〜60Å、Rp(Rp
は中心線最大高さ)が20〜500Åであることを特徴
とする磁気記録媒体によって達成される。
【0009】尚、本発明の気相反応で形成される潤滑剤
は、例えばプラズマ重合で形成される潤滑剤、CVD
(ケミカルベーパーデポジション)を用いた表面重合で
形成される潤滑剤、CVDを用いた気相重合で形成され
る潤滑剤などが考えられる。中でも好ましい潤滑剤は気
相重合で形成されたものである。例えば、潤滑剤分子が
当該媒体の最表面に固定された固定潤滑剤分子と潤滑剤
分子が当該媒体の最表面には固定されていないフリー潤
滑剤分子との混成でなり、この混成潤滑剤層が気相重合
で形成されたものが好ましい。特に、潤滑剤層の厚さは
2〜200Åが好ましい。又、混成潤滑剤層おけるフリ
ー潤滑剤分子/固定潤滑剤分子が重量比で1/10〜1
0/1(より好ましくは、2/5〜5/1)の割合のも
のが好ましい。
【0010】本発明の磁気記録媒体は、上記表面特性の
支持体の上に磁性層が設けられた磁気記録媒体の原体を
CVD装置に装着し、気相反応(特に、気相重合)を行
わせて表面に潤滑剤層を設けることで得られる。特に、
上記表面特性の支持体上に磁性層が、磁性層の上に保護
層が設けられた磁気記録媒体の原体をCVD装置に装着
し、フッ化炭素系の重合性化合物と酸素との混合ガスに
紫外レーザを照射する気相重合法(特に、気相重合に際
して前記紫外レーザを前記保護層に直接には照射しない
気相重合法)により潤滑剤を表面に付けることで得られ
る。
【0011】すなわち、本発明では、気相重合によって
潤滑剤を合成し、これを垂直方向に立てた、あるいは水
平方向に寝かせた磁気記録媒体の表面に析出することに
よって潤滑剤層が形成される。つまり、気相で重合した
フッ素系化合物(潤滑剤組成物)は拡散により表面に到
達して付着し、固定される。これによって潤滑剤層が形
成される。そして、この重合反応は気相中で進行するの
で、ディスク表面の不均一性に左右されず、又、表面凝
縮を促進させる為にディスクを冷却する必要がなく、生
産性にも優れている。
【0012】尚、この磁気記録媒体の製造方法におい
て、第1の気相重合工程で潤滑剤層を形成した後、その
上に第2の気相重合工程で潤滑剤層を形成する方法、す
なわち第1の気相重合工程で潤滑剤層を形成した後、一
度、チャンバ内に100Torr程度にまで大気を導入
し(あるいは、大気雰囲気に戻し)、その後第2の気相
重合工程で潤滑剤層を形成し、固定潤滑剤分子とフリー
潤滑剤分子との混成からなる混成潤滑剤層を形成するこ
とが好ましい。すなわち、このような複数ステップの気
相重合工程を経ることにより、固定(特に、化学結合に
よって潤滑剤分子が保護層表面に固定)潤滑剤分子とフ
リー潤滑剤分子との混成からなる混成潤滑剤層を効果的
に形成できる。気相重合に際しては、潤滑剤形成要素と
してフッ化炭素系の化合物、特にフッ化炭素系の重合性
化合物と酸素とが用いられる。重合性化合物と酸素との
割合(モル比)は1/0.5〜1/100が好ましい。
気相重合にはCVD(特に、光CVD)の技術が用いら
れる。このCVDに際して、温度は10〜90℃が好ま
しい。尚、第1の気相重合工程で潤滑剤層を形成した後
の気体(例えば、大気)を導入する工程において、導入
する気体の湿度は30〜90%のものであることが好ま
しい。
【0013】尚、潤滑剤層の厚さ、特にフリー潤滑剤分
子からなる潤滑剤層の厚さは、気相重合工程の条件(原
料ガス圧、光照射条件や時間)や気相重合工程の繰り返
し回数によって制御できる。以下、本発明について更に
説明する。本発明のように潤滑剤層を気相反応、特に気
相重合で形成した磁気ディスクは、極性基を持つ潤滑剤
と極性基を持たない潤滑剤とからなる混成潤滑剤層を塗
布により設けた従来の磁気ディスクに比べて、CSSテ
ストが高いレベルで安定したものであり、格段に優れた
特性を示すことが判明した。本発明による潤滑剤層の分
子構造については完全には判っていない。又、従来の潤
滑剤層との構造差も現時点では解明していないが、潤滑
剤層を気相反応、特に気相重合で形成することが耐久性
の向上には重要であることが判った。
【0014】本発明のポイントの一つは、気相重合で潤
滑剤層を形成し、保護層に固定されていないフリーな潤
滑剤分子が存在している点にある。例えば、フリーな潤
滑剤分子が存在しなかった場合には、ファインな表面粗
度を与えるテクスチャ表面を持つものでは、CSSテス
トにおいて摩擦係数が大きくなり、昨今のニーズを満た
さない。すなわち、末端が保護層に固定された固定潤滑
剤分子のみで潤滑剤層を形成した場合には、CSSテス
トに極めて優秀な成績は得られなかった。
【0015】上記潤滑剤層は、保護層に固定された潤滑
剤分子の層(固定層)と該保護層に固定されてなく、該
固定層上に形成された潤滑剤分子の層(フリー層)とか
らなる。ここで、固定層とは、保護層に化学的または物
理的に強固に固着されている層を意味し、例えば商品名
「フロン113(フッ素系溶剤)」を用いて洗浄しても
洗い流されない層のことを言う。一方、フリー層とは、
「フロン113」を用いて洗浄した場合に洗い流されて
しまう層のことを言う。
【0016】上記固定層の厚さ(重さ)とフリー層の厚
さ(重さ)との比は、フリー層の厚さ(重さ)/固定層
の厚さ(重さ)が1/10〜10/1であるのが好まし
い。より好ましくは2/5〜5/1である。上記固定層
の厚さは5〜30Åが好ましい。厚さが5Å未満である
と、上記潤滑剤層の耐摩耗性が悪く、耐久性が劣り、逆
に、厚さが30Åを越えると、上記固定層の構造が乱
れ、上記潤滑剤層の耐摩耗性が劣化するので、上記範囲
内とすることが好ましい。
【0017】上記フリー層の厚さは2〜80Åが好まし
い。厚さが2Å未満であると、上記潤滑剤層の耐久性が
悪く、逆に、厚さが80Åを越えると、上記潤滑剤層の
摩擦係数が増大するので、上記範囲内とすることが好ま
しい。このように、本発明の磁気記録媒体においては、
上記フリー層の厚さを従来のフリー層の厚さ(8〜20
Å)より厚くしても、磁気記録媒体表面の摩擦係数が高
くない為、本発明の磁気記録媒体における上記フリー層
の厚さを従来の磁気記録媒体におけるフリー層の厚さよ
りも厚く出来る。
【0018】上記固定層及びフリー層からなる潤滑剤層
の厚さは、好ましくは2〜200Å、より好ましくは7
〜200Å、一層好ましくは10〜100Å、更に好ま
しくは20〜80Å、最も好ましくは20〜50Åであ
る。上記厚さが200Åを越えると、スペーシングロス
が大きくなり、上記厚さが2Å未満であると、潤滑効果
が乏しくなるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0019】潤滑剤層は気相重合で形成される。本発明
において、気相重合とは、反応物質が気相に保たれてい
て、重合反応(特に、高分子量化)が気相のみで起こる
反応を意味する。例えば、プラズマ重合や光CVD等の
CVDを採用することが出来るが、本発明においては装
置設備が簡単で、経済性の点から光CVDが好ましく採
用される。光CVDで行う場合、レーザ光を被析出物体
表面には直接照射せず、原料ガス中にのみ照射して行う
ことが好ましい。
【0020】光CVDを行う場合、光源には、例えば紫
外線か赤外線が用いられる。これらは、各々の持ってい
る光子エネルギが異なることから、次の相違点がある。
先ず、引き起こされる化学反応が異なる。例えば、炭酸
ガス等の赤外レーザを用いる場合、反応は振動励起で起
きる。この場合、光励起エネルギは炭酸ガスレーザ(波
長10.6μm)で約3kcal/molであり、化学
結合(炭素−炭素の一重結合、二重結合や三重結合、炭
素−酸素結合)を切るには不充分である。又、基本的に
振動励起による反応であるから、本質的に熱反応と同じ
であり、サイドリアクションが起きる。この為、目的外
のものが出来る恐れが有る。一方、紫外レーザを用いた
場合、電子励起により反応が起きるから、化学結合を一
光子の吸収で切ることが出来、光化学反応が容易に起き
る。かつ、熱反応の関与は極めて低く、サイドリアクシ
ョンの恐れが低い。この為、潤滑剤を得るのに、フッ素
化合物を光分解し、重合させるには、紫外レーザを用い
ることが好ましい。
【0021】気相重合にはフッ化炭素系の化合物を用い
る。フッ化炭素系化合物としては、C=C(C−C二重
結合)を有するものが好ましい。特に、下記一般式
(I),(II),(III)で表される化合物群の中
から選択されるものが好ましい。 CF2 =CFRf 1 (I) 〔式(I)中、Rf 1 はフッ素原子、パーフルオロアル
キル基、パーフルオロアルケニル基、部分フッ素化アル
キル基、部分フッ素化アルケニル基、パーフルオロアリ
ール基、又は部分フッ素化アリール基を表す。〕 CF2 =C(Rf 2 )(Rf 3 ) (II) 〔式(II)中、Rf 2 ,Rf 3 は水素原子、フッ素原
子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルケニル
基、部分フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルケニル
基、パーフルオロアリール基、又は部分フッ素化アリー
ル基を表す。
【0022】Rf 2 とRf 3 とは同一でも、異なってい
ても良い。〕 CF2 =CFO(Rf 4 ) (III) 〔式(III)中、Rf 4 はフッ素原子、パーフルオロ
アルキル基、パーフルオロアルケニル基、部分フッ素化
アルキル基、部分フッ素化アルケニル基、パーフルオロ
アリール基、部分フッ素化アリール基、又はパーフルオ
ロアルコキシアルキル基を表す。〕 上記フッ化炭素系化合物は、各々単独で用いても、二種
以上を混合して用いても良い。二種以上用いる場合に
は、上記一般式(I),(II),(III)のいずれ
か一つの範疇から二種以上を選択しても良く、又、二つ
の範疇から各々一種あるいは二種以上を選択しても良
い。
【0023】上記一般式(I)において、好ましいパー
フルオロアルキル基としては、パーフルオロメチル基
(−CF3 )、パーフルオロヘプチル基(−C
5 11)、パーフルオロヘキシル基(−C6 13)が挙
げられる。好ましいパーフルオロアルケニル基として
は、パーフルオロエチニル基(−CF=CF2 )が挙げ
られる。好ましい部分フッ素化アルキル基としては、1
H−パーフルオロブチル基(−C48 H)が挙げられ
る。好ましい部分フッ素化アルケニル基としては、−C
2−CF=CH2 が挙げられる。好ましいパーフルオ
ロアリール基としては、パーフルオロベンジル基(−C
2 −C6 5 )が挙げられる。好ましい部分フッ素化
アリール基としては、−CFH−C6 5 ,−CF2
6 5 が挙げられる。
【0024】従って、一般式(I)で表される化合物の
中の好ましいものとして、テトラフルオロエチレン(C
2 =CF2 )、ヘキサフルオロプロペン(CF2 =C
FCF3 )、パーフルオロヘプテン−1(CF2 =CF
5 11)、6H−パーフルオロヘキセン−1(CF2
=CFC4 5 H)、パーフルオロオクテン−1(CF
2 =CFC6 13)、ヘキサフルオロ−1,3−ブタジ
エン(CF2 =CFCF=CF2 )、3−(ペンタフル
オロフェニル)ペンタフルオロプロペン−1(CF2
CFCF2 6 5 )、CF2 =CFCHF−C
6 5 ,CF2 =CFCF2 −C6 5 ,CF2 =CF
CF2 CF=CH2 等が挙げられる。
【0025】上記一般式(II)において、好ましいパ
ーフルオロアルキル基としては、上記一般式(I)にお
けるものの他に、−CF2 CF3 が挙げられる。好まし
いパーフルオロアルケニル基としては、上記一般式
(I)におけるものの他に、−CF2 CF=CF2 が挙
げられる。好ましい部分フッ素化アルキル基としては、
−CF2 H,−CF2 CF2 Hが挙げられる。好ましい
部分フッ素化アルケニル基としては、上記一般式(I)
におけるものの他に、−CF=CH2 が挙げられる。好
ましいパーフルオロアリール基、及び部分フッ素化アリ
ール基としては、上記一般式(I)におけるものと同じ
ものが挙げられる。
【0026】従って、一般式(II)で表される化合物
の中の好ましいものとして、CF2=C(CF3 2
CF2 =CH2 ,CF2 =CHF,CF2 =CHC
3 ,CF2 =CHCF2 CF3 ,CF2 =CHCF=
CF2 ,CF2 =CHCF2 CF=CF2 ,CF2 =C
HCF2 H,CF2 =CHCF2 CF2 H,CF2 =C
HCF2 CF=CH2 ,CF2 =CHCF=CH2 ,C
2 =CHCFH−C6 5 ,CF2 =CHCF2 −C
6 5 等が挙げられる。
【0027】上記一般式(III)において、好ましい
パーフルオロアルキル基及びパーフルオロアルケニル基
としては、上記一般式(II)におけるものと同じもの
が挙げられる。好ましい部分フッ素化アルキル基として
は、−CF2 H,−CF2 CF2 H,−C4 9 Hが挙
げられる。好ましい部分フッ素化アルケニル基、パーフ
ルオロアリール基、及び部分フッ素化アリール基として
は、上記一般式(II)におけるものと同じものが挙げ
られる。好ましいパーフルオロアルコキシアルキル基と
しては、−CF2 CF(CF3 )OC3 7 が挙げられ
る。
【0028】従って、一般式(III)で表される化合
物の中の好ましいものとして、CF 2 =CFOCF3
CF2 =CFOC5 11,CF2 =CFOC6 13,C
2=CFOCF2 CF3 ,CF2 =CFOCF=CF
2 ,CF2 =CFOCF2 CF=CF2 ,CF2 =C4
8 H,CF2 =CFOCF2 H,CF2 =CFOCF
2 CF2 H,CF2 =CFOCF2 −CF=CH2 ,C
2 =CFOCF=CH2 ,CF2 =CFOCF2 −C
6 5 ,CF2 =CFOCFH−C6 5 ,CF2 =C
FOCF2 −C6 5 ,CF2 =CFOCF2 CF(C
3 )OC3 7 等が挙げられる。
【0029】又、上記フッ化炭素系化合物の他にも酸素
を用いることが好ましい。上記フッ化炭素系化合物と酸
素との使用割合は、フッ化炭素系化合物/酸素(モル
比)が、好ましくは1/0.5〜1/100であり、更
に好ましくは1/1〜1/10であり、最も好ましくは
1/2〜1/8である。この割合が1/100より低い
と、後述する気相重合におけるレーザ光などの吸収効率
が低下して重合が充分に進行せず、1/0.5より高い
と、重合体中のエーテル結合量が低下して得られる潤滑
剤層の耐久性が低下するので、上記範囲内とするのが好
ましい。
【0030】上記フッ化炭素系化合物と酸素との気相重
合により得られた重合体は、主として−(CF2 O)−
の構造単位を有する重合体であり、その分子量は、好ま
しくは1500〜30000である。上記重合体の構造
は必ずしも明確でないが、下記構造式が推定される。X
-(CF2 O) l -(CF2 CF2 CF2 O) m -(CF(C
3)CFO) n X’〔ここで、l,m,nは、l≫m,
l≫nを満たす正の整数。X,X’はアルコール、エー
テル結合、エステル結合、又はウレタン結合などを含む
末端基であり、XとX’とは同じでも異なっていても良
い。〕 上記重合体における−(CF2 O)−の構造単位の含有
率は、全構造単位中70%以上であることが好ましく、
上記構造式で表される重合体においては、〔l/(l+
m+n)〕×100が70以上であることが好ましい。
【0031】気相重合の雰囲気ガス圧は1〜1000T
orr、より好ましくは10〜200Torr、更に好
ましくは50〜150Torrが好ましい。圧力が高す
ぎても低すぎても、重合反応が起こり難い。上記原料ガ
スはAr,He,N2 ,H2 等のキャリアガスで搬送で
きる。このキャリアガスは原料ガスに対してモル比で等
量〜数百倍量まで変化させることが出来る。キャリアー
ガスの導入量は1〜2000Torrで良い。
【0032】ディスク基板温度は10〜90℃に設定さ
れていることが好ましい。より好ましい温度は約15〜
50℃である。この範囲外の温度であると、上記潤滑剤
が形成されない場合が有るので、上記範囲内とすること
が好ましい。光酸化による気相重合によって潤滑剤層を
形成する方法は、例えばレーザ透過窓をもったチャンバ
内の下部に複数のディスク基板を一定間隔にセット(立
設)する。そして、一度、チャンバ内を真空ポンプで排
気し、この後パーフルオロオレフィン等の重合性フッ化
炭素と酸素とを原料ガスとして導入する。次に、レーザ
光、例えばエキシマレーザ光をディスク基板上部とチャ
ンバ天井との間の空間を透過する(ディスク基板には当
たらない)ように照射する。尚、レーザ光とディスク基
板との間の距離は大きい方が好ましい。このようにして
第1の気相重合により潤滑剤層を形成する。この後、チ
ャンバ内に水蒸気、特に雰囲気湿度が30〜90%、よ
り好ましくは40〜90%の大気を導入(チャンバ内
に、少なくとも100Torr程度以上に大気を導入)
し、そして、再度、チャンバ内を真空ポンプで排気し、
次いでパーフルオロオレフィン等の重合性フッ化炭素と
酸素とを原料ガスとして導入し、例えばエキシマレーザ
光を前記のように照射する。これを必要に応じて繰り返
して潤滑剤層を形成する。尚、2度目のCVD工程と3
度目のCVD工程との間では、チャンバ内に湿度が30
〜90%大気を導入しても、しなくても良い。
【0033】潤滑剤層は磁性層上に直接設けられても良
いが、保護層上に設けた方が好ましい。金属薄膜型の磁
性層を有する記録媒体では、磁性層を保護する観点から
保護層を設けることが一般的に行われている。この保護
層は、耐磨耗性の観点から硬度の高いものが選ばれる。
例えば、Al,Si,Ti,Cr,Zr,Nb,Mo,
Ta,W等の金属の酸化物、窒化物、炭化物、あるいは
カーボンやボロンナイトライド等が挙げられる。この他
にも、例えば特開平5−217154号公報、特開平5
−217156号公報、特開平5−225555号公
報、特開平5−225557号公報、特開平5−282
661号公報、特開平6−25840号公報、特願平4
−268952号明細書、特願平5−1720号明細
書、特願平5−217156号明細書、特願平5−40
142号明細書に開示されているものを用いることが出
来る。中でも好ましいものは炭素、炭化ケイ素、炭化ホ
ウ素、炭化タングステン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウ
ム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、あるいはこれらの材料の
複合されたものである。特に好ましいものはカーボン、
特にダイヤモンドライクカーボンである。この保護層
は、厚さが5〜25nmが好ましい。保護層は、スパッ
タ等のPVD手段により形成できる。
【0034】保護層の下には金属薄膜型の磁性層がスパ
ッタ等のPVD手段により20〜50nm厚さ設けられ
る。磁性層を形成する材料は、例えばCoCr,CoN
i,CoCrX,CoNiX,CoWX(Xとしては、
Ta,Pt,Au,Ti,V,Cr,Ni,W,La,
Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Li,Si,
B,Ca,As,Y,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,
Ag,Sb,Hf等から選ばれる一種あるいは二種以
上)等で表されるCoを主成分とするCo系の磁性合金
が挙げられる。
【0035】尚、磁性層の下には、必要に応じてスパッ
タ等のPVD手段によりCr膜などの下地層5が設けら
れる。磁性層は支持体上に設けられる。支持体は、磁性
を有するものでも非磁性のものでも良いが、一般的には
非磁性のものが用いられる。例えば、カーボン、強化ガ
ラス、結晶化ガラス、アルミニウム及びアルミニウム合
金、チタン及びチタン合金、セラミックス、樹脂、ある
いは前記材料の複合材料が用いられる。中でも、カーボ
ン、更にガラス状カーボン、特に曲げ強度が24kgf
/mm2 以上、弾性率が2500kgf/mm2 以上、
密度が1.4〜1.8g/cm3 のガーラス状カーボン
が好ましい。
【0036】このような支持体、例えばカーボン製の支
持体の表面に微粒子を噴射し、テクスチャ処理を施し、
テクスチャ処理後の基板の表面粗さを、中心線平均粗さ
Raで5〜60Å(より好ましくは5〜30Å)、最大
高さRpで20〜500Å(より好ましくは20〜20
0Å)とし、この基板上に磁性膜などが設けられる。表
面に微粒子を噴射してテクスチャ処理する方法は、パウ
ダービーム加工方法と呼ばれ、平均粒径が数ミクロン以
下の微粒子を気体と共に噴射し、被加工物の表面に衝突
させる方法である。この方法で、被加工物の表面に微小
な凹凸を形成したり、被加工物の表面を削ることで形状
を変えることが出来る。本発明者は、アモルファスカー
ボン基板で、CSS特性が充分で、かつ、低グライドハ
イトの記録媒体を製造する為、アモルファスカーボン基
板の表面に適切な凹凸を形成する為のテクスチャ処理方
法としてパウダービーム加工方法が適切なことを見出し
たのである。尚、パウダービーム加工方法によるテクス
チャ処理は、アモルファスカーボン基板の表面に磁性膜
などを設ける前に行う。そして、テクスチャ処理後、洗
浄し、処理時に付いた微粒子などを除去してから、磁性
膜などを設ける。
【0037】本処理に用いられる微粒子の材質は、パウ
ダービーム加工方法に不適切な大きさ、硬さ、形状のも
のでなければ、何でも良い。例えば、研磨砥粒として一
般的に用いられている炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化タ
ングステン等の炭化物系、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の
窒化物系、アルミナ系、ダイヤモンド系のものが用いら
れる。この他にも、適度な硬さや大きさを持つ金属酸化
物、金属、セラミックスを使用できる。又、研磨砥粒に
限らず、適当な大きさ、硬さ、形状を持つものであれ
ば、自由に用いることが出来る。尚、好ましくは炭化ケ
イ素系砥粒やアルミナ系砥粒である。
【0038】又、アモルファスカーボン基板は様々な原
料や方法で作られるが、パウダービーム加工方法による
テクスチャ処理はその全てに適用できる。例えば、原料
となる樹脂がフラン系樹脂、フェノール−ホルムアルデ
ヒド系樹脂、ポリカルボキシイミド系樹脂、フェノール
−フラン系樹脂など如何なるものでも良い。勿論、これ
以外のものであっても良い。アモルファスカーボン基板
焼成時のHIP処理(静水圧加圧処理)については、そ
の有無を問わず、この処理を施した基板にも、施さなか
った基板にもパウダービーム加工方法によるテクスチャ
処理が適用できる。
【0039】アモルファスカーボン以外の基板、例えば
Ni−PメッキしたAl基板やガラス基板でもパウダー
ビーム加工方法によるテクスチャ処理が可能である。
尚、アモルファスカーボン基板との組み合わせにおいて
極めて優れた微細な凹凸が形成される。そして、上記の
ような表面特性の支持体上に磁性層が設けられ、その最
表面に気相反応で形成された潤滑剤層が設けられた磁気
記録媒体は、再生エラーや消去エラーが少なく、記録・
再生特性が優れたものである。かつ、ヘッド浮上量が低
く、更にはCSS耐久性に優れた特長を奏する。
【0040】以下、実施例により本発明を更に具体的に
説明する。
【0041】
【実施例】
〔実施例1〜4〕図1〜図3は本発明の一実施例を示す
もので、図1はテクスチャ処理の概略図、図2は潤滑剤
形成の概略図、図3は磁気記録媒体の概略図である。密
度1.5g/cm3 、曲げ強度29.8kg/mm2
弾性率2500kgf/mm2 のガラス状カーボン製の
基板(サイズ1.8インチ、厚さ25ミル)1を、中心
線平均粗さRaが1.0nmに鏡面研磨し、そして微粒
子(アルミナ)を用いた表−1に示す条件でテクスチャ
処理(パウダービーム加工)した。
【0042】尚、このテクスチャ処理は、図1に示すよ
うに行われる。図1中、1はガラス状カーボン製の基板
であり、この基板1は回転する駆動軸11の端部に固定
されており、一定の回転数(500rpm)で、あるい
はノズル12の位置に合わせて回転数をコントロールし
ながら回転する。ノズル12は、その噴出口が基板1に
対向すると共に、基板1の半径方向に細長い形状をして
おり、装置本体から供給される微粒子を基板1の表面に
向けて噴射する。そして、ノズル12は、基板1の半径
方向に移動することで、基板1の全面に微粒子を衝突さ
せる。尚、この処理は表と裏とで繰り返されるが、ノズ
ルを複数設けて表と裏とを同時に処理しても良い。
【0043】 表−1 微粒子平均粒径 微粒子噴出圧力 処理時間 微粒子噴出量 (μm) (kg/cm2 )(sec)(g/min) 実施例1 0.5 1.0 8.0 10.0 実施例2 1.0 1.0 8.0 10.0 実施例3 1.0 2.0 16.0 10.0 実施例4 2.0 2.0 16.0 10.0 このテクスチャ処理によって得られたカーボン製基板1
の表面特性は表−2に示す通りであった。
【0044】 *触針式粗さ計(触針径0.6μm、触針押付圧力7m
g、測定長250μm×8か所、トレース速度2.5μ
m/sec、カットオフ1.2μm(ローパスフィルタ
ー))による。
【0045】この後、DCマグネトロンスパッタにより
Arガス雰囲気中で100nm厚さのTi層及び50n
m厚さのCr下地層2を基板表面に設け、次いで40n
m厚さのCoCrTa系の磁性層3を設けた。続いて、
ガラス状カーボン製ターゲットを装着した対向ターゲッ
ト型のスパッタ装置を用い、室内を排気し、そして2m
Torrのガス圧となるようArガスを導入し、磁性層
上に200Å厚のガラス状カーボンからなる保護層4を
設け、磁気ディスク原体Dを得た。
【0046】この磁気ディスク原体DをCVD装置のチ
ャンバ6内に所定の間隔を設けて図2に示すように立設
し、チャンバ6内を5×10-2Torrに排気した後、
分圧が10Torrのヘキサフルオロプロペンと60T
orrの酸素とを導入し、ArFエキシマレーザ(波長
193nm)からのレーザ光(パワー150mJ、繰り
返し速度2Hz)を12.5分間かけて1500パルス
照射した。尚、この間、磁気ディスク原体Dを回転して
いた。
【0047】この後、チャンバ6内に100Torrの
大気(湿度60%)を導入した。大気導入後、再び、チ
ャンバ6内を1×10-2Torrに排気した後、分圧が
10Torrのヘキサフルオロプロペンと60Torr
の酸素とを導入し、上記と同じレーザ光を12.5分間
かけて1500パルス照射した。合計3000パルスの
レーザ光照射を行った。
【0048】尚、レーザ光は磁気ディスク原体Dに直接
照射されないよう、図2中、矢印方向に照射した。又、
上記光CVD処理に際して、磁気ディスク原体Dの温度
は室温(22℃)であった。以上の工程により、磁気デ
ィスク原体Dの表面には、磁気ディスク原体Dの保護層
表面に化学結合により分子の一部が固定された固定潤滑
剤分子と、潤滑剤分子が表面には固定されていないフリ
ー潤滑剤分子との混成からなる厚さ29Åの混成潤滑剤
層5が形成された。
【0049】尚、混成潤滑剤層5が固定潤滑剤分子とフ
リー潤滑剤分子との混成からなることは、フッ素系溶剤
で10分間超音波洗浄することによる重量減少により確
認された。かつ、潤滑剤分子が残存していることはES
CA(VGサイエンス社製のESCALAB 200
C、AlKα線使用)分析により確認された。フリー潤
滑剤分子/固定潤滑剤分子の割合は重量比で9/20で
あった。又、混成潤滑剤層5についてのESCA分析に
よればC1sについて294.8〜250eVにピークが
認められ、これは市販の潤滑剤の−(CF2O)n −(CF2C
F2O)m −の(CF2O)n ユニットのC1sスペクトルと一致
したので、潤滑剤分子は−(CF2O)n −の構造単位を有
するものであると考えられる。但し、−CF2O−由来と考
えられるC1s,F1s,O1sのスペクトル強度比は、C:
F:O=1.0:5.21:2.86なので、−(CF
2O)n −の構造単位以外のものが存在する可能性もあ
る。
【0050】〔実施例5〜8〕実施例3の光CVD処理
を表−3の条件に変更した以外は実施例1に準じて、磁
気ディスクを得た。尚、CVD工程の繰り返しの度にチ
ャンバ6内に100Torrの大気(湿度60%)を導
入し、そして排気し、反応ガスを導入した。
【0051】 表−3 原料ガス X/O2 ガス圧 温度 大気 CVD繰 レーザ光 モル比 Torr ℃ 湿度% 返回数 照射回数 実施例5 X2+O2 10/60 70 22 60 2 3000 実施例6 X3+O2 10/60 70 22 60 3 4500 実施例7 X4+O2 10/60 70 22 60 3 4500 実施例8 X5+O2 10/60 70 22 60 3 4500 X2;1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロペン X3;テトラフルオロエチレン X4;ヘキサフルオロ−1,3−ブタジエン X5;ヘキサフルオロプロピレン+テトラフルオロエチレン(1:1) 上記のようにして得られた潤滑剤層の厚さ及びフリー潤
滑剤分子/固定潤滑剤分子の割合は表−4に示す通りで
あった。
【0052】 表−4 潤滑剤層の厚さ フリー潤滑剤分子/固定潤滑剤分子(重量比) 実施例5 21Å 5/16 実施例6 37Å 20/17 実施例7 35Å 19/16 実施例8 34Å 17/17 〔比較例1〜4〕実施例1〜4における潤滑剤層形成を
光CVD処理からパーフルオロポリエーテル系潤滑剤
(モンテカチーニ社製のFomblinAM2001)
溶液への浸漬処理に変更した以外は実施例1〜4に準じ
て、磁気ディスクを得た。尚、潤滑剤層の厚さは、比較
例1が15Å、比較例2〜4が22Åであった。
【0053】〔比較例5〕実施例3において、潤滑剤層
の厚さを45Åにした以外は実施例3に準じて、磁気デ
ィスクを得た。 〔特性〕上記各例で得た磁気ディスクについて、CSS
テスト及び1.2μインチのグライドハイトテストGH
Tについて調べたので、その結果を表−5に示す。
【0054】 *CSSテスト;ヤマハ社製の薄膜ヘッド(Al2 3
・TiCスライダ)を用い、ヘッド荷重3.5g、ヘッ
ド浮上量2.8μインチ、4500rpmで5秒間稼
働、5秒間停止のサイクルを2万回繰り返して行い、そ
の際の静摩擦係数の増加を調べた。
【0055】*GHT ;PROQUIP社製MG
150Tを用い、50%スライダヘッドを用いて行っ
た。1.2μインチの浮上高さの通過率が90%以上の
ものをS、通過率が50〜90%のものをA、通過率が
30〜50%のものをB、通過率が30%以下のものを
Cで表示した。この表−5から、本発明になるものは、
1.2μインチの極めて厳しいGHT特性を満たし、か
つ、CSSテストに優れた結果を示していることが判
る。すなわち、ヘッドと磁性層との間のスペーシングロ
スを少なく出来、電磁変換特性に優れたのみならず、耐
久性にも優れたものである。
【0056】
【効果】微粒子との衝突によりテクスチャ処理が施され
た特定の表面特性の支持体上に磁性層が設けられ、か
つ、気相反応で形成された潤滑剤層が表面に設けられた
磁気記録媒体は、ヘッド浮上量が低く、更には極めて安
定した高レベルのCSS耐久性を示し、又、超低グライ
ドハイト特性を達成できる。特に、表面粗さが小さいテ
クスチャを持つものでも、充分に満足できるCSS特性
を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるテクスチャ処理の概略図
【図2】本発明になる磁気記録媒体の製造の概略図
【図3】本発明になる磁気記録媒体の概略図
【符号の説明】
1 カーボン製基板 2 下地層 3 磁性層 4 保護層 5 潤滑剤層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、磁性層と、潤滑剤層とを少な
    くとも有する磁気記録媒体であって、 前記潤滑剤層は気相反応で形成されたものであり、 前記支持体は微粒子との衝突によりテクスチャ処理が施
    されたものであることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 微粒子との衝突によりテクスチャ処理が
    施された支持体のRa(Raは中心線平均粗さ)が5〜
    60Å、Rp(Rpは中心線最大高さ)が20〜500
    Åであることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 平均粒径0.5〜12μmの微粒子の噴
    射によるテクスチャ処理が施された支持体のRa(Ra
    は中心線平均粗さ)が5〜30Å、Rp(Rpは中心線
    最大高さ)が20〜200Åであることを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 潤滑剤層は潤滑剤分子が当該媒体の最表
    面に固定された固定潤滑剤分子と潤滑剤分子が当該媒体
    の最表面には固定されていないフリー潤滑剤分子との混
    成でなり、気相重合で形成されたものであることを特徴
    とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 潤滑剤層の厚さが2〜200Åであり、
    この潤滑剤層おけるフリー潤滑剤分子/固定潤滑剤分子
    が重量比で1/10〜10/1の割合であることを特徴
    とする請求項1〜請求項4いずれかに記載の磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 支持体の上に磁性層が、磁性層の上に保
    護層が、保護層の上に潤滑剤層が設けられてなる磁気記
    録媒体であることを特徴とする請求項1〜請求項5いず
    れかに記載の磁気記録媒体。
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