JPH08193160A - 表面光沢に優れるポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

表面光沢に優れるポリプロピレン樹脂組成物

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JPH08193160A
JPH08193160A JP2087195A JP2087195A JPH08193160A JP H08193160 A JPH08193160 A JP H08193160A JP 2087195 A JP2087195 A JP 2087195A JP 2087195 A JP2087195 A JP 2087195A JP H08193160 A JPH08193160 A JP H08193160A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製品の光沢が優れ、フローマークが目立た
ず、しかも耐衝撃性が優れるので、家庭電化製品外装部
材などの用途や、特に二輪車用ヘルメットなどの用途に
適しているポリプロピレン樹脂組成物を開発する。 【構成】 プロピレン・エチレンブロック共重合体を含
み、且つ下記1)〜4)の特性を有するポリプロピレン
樹脂組成物により目的を達成できる。1)分子量分布
(Mw/Mn)が5.5〜12、2)メルトフローレー
ト(MFR)が2.0〜12.0g/10min. 、
3)そのn−デカン可溶分の量が5〜35重量%であ
り、且つそのデカリン135℃における極限粘度[η]
が1.5〜3.5g/dl、4)ダイスエル比が1.5
以上。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面光沢に優れるポリプ
ロピレン樹脂組成物に関するものであり、さらに詳しく
は製品の表面光沢が優れ、フローマークが目立たず、し
かも耐衝撃性が優れ、特にヘルメットなどの用途に適し
た表面光沢の優れたポリプロピレン樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】プロピレン・エチレンブロック共重合体
は成形性が優れ、しかも耐衝撃性等の機械的強度も良好
なことからコンテナー、家電用品などの各種成形品に利
用されている。これら各種成形品の中でも例えば家庭電
化製品の外装部材あるいは車両運転用ヘルメットなど、
塗装を施さないで用いられる用途では機械的強度に対す
る要求もさることながら、外観に対する要求、例えば製
品の表面に光沢があること、フローマークが目立たない
ことなどが要求されている。
【0003】これら用途における耐衝撃性の改良には、
例えばゴムをブレンドする方法などをはじめ各種改良が
なされている。また外観の改良としては分子量分布を広
げて流動性を改良したもの(例えば特開昭58ー657
09号公報)や延伸フイルムの透明性や光沢を改良する
ためにダイスウェル比を特定範囲としたもの(例えば特
公昭56ー50853号公報)などの提案があるが、成
形品表面のフローマークがなく、しかも表面光沢および
耐衝撃性などの機械的強度の優れたものは得られていな
いのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はプロピ
レン・エチレンブロック共重合体をベースとし衝撃強度
を維持し、かつ表面光沢に優れ、特にフローマークがな
く、家庭電化製品、外装部材などに用いられるポリプロ
ピレン樹脂組成物を提供するものであり、他の目的は二
輪車用などのヘルメットに適した組成物を提供するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的に
沿って検討した結果、プロピレン・エチレンブロック共
重合体をベースとして分子量分布(Mw/Mn)、メル
トフローレート(MFR)、ダイスエル比(DSR)な
どの特性を制御することにより成形品表面のフローマー
クがなく、表面光沢および耐衝撃性などの諸特性を満足
するポリプロピレン樹脂組成物を得ることを見いだし本
発明に到った。
【0006】すなわち本発明の第一の請求項は、プロピ
レン・エチレンブロック共重合体を含み、且つ下記1)
〜4)の特性を有する表面光沢に優れるポリプロピレン
樹脂組成物である。 1)分子量分布(Mw/Mn)が5.5〜12 2)メルトフローレート(MFR)が2.0〜12.0
g/10min. 3)そのn−デカン可溶分の量が5〜35重量%であ
り、且つそのデカリン135℃における極限粘度
([η])が1.5〜3.5g/dl 4)ダイスエル比(キャピラリーレオメーターを用い、
樹脂温度200℃、剪断速度200sec-1で押し出し
た溶融樹脂のノズル下5mmの位置での直径を測定して
これをノズル径で除した値)が1.5以上
【0007】本発明の第二の請求項は、ヘルメットに用
いることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン樹
脂組成物である。
【0008】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
におけるポリプロピレン樹脂組成物とはプロピレン・エ
チレンブロック共重合体をベースとする樹脂組成物であ
る。また、プロピレン・エチレンブロック共重合体はプ
ロピレン単独重合体成分とプロピレン・エチレン共重合
体成分の2成分を主成分とするものであるため、該ポリ
プロピレン樹脂組成物はプロピレン単独重合体成分とプ
ロピレン・エチレン共重合体成分を主成分とするもので
ある。また、さらに該ポリプロピレン樹脂組成物には、
エチレン系共重合体などがブレンドされてもよいもので
ある。また、プロピレン単独重合体成分とプロピレン・
エチレン共重合体成分の2成分を有する組成物は、例え
ばプロピレン・エチレンブロック共重合体単独で構成さ
れてもよいが、プロピレン・エチレンブロック共重合体
を2種類以上混合したもの、またはプロピレン単独重合
体とプロピレン・エチレン共重合体を別々に重合して後
に混合したもの、さらにこれらプロピレン・エチレンブ
ロック共重合体とプロピレン単独重合体およびプロピレ
ン・エチレン共重合体をそれぞれ適宜組み合わせ混合す
ることによって得られたものなどを包含する。本発明の
ポリプロピレン樹脂組成物は、1)分子量分布(Mw/
Mn)が5.5〜12、2)メルトフローレート(MF
R)が2.0〜12.0g/10min. 、3)そのn
−デカン可溶分の量が5〜35重量%であり、且つその
デカリン135℃における極限粘度([η])が1.5
〜3.5g/dl、4)ダイスエル比(キャピラリーレ
オメーターを用い、樹脂温度200℃、剪断速度200
sec-1で押し出した溶融樹脂のノズル下5mmの位置
での直径を測定してこれをノズル径で除した値)が1.
5以上という特定の性質を備えたものである必要があ
る。
【0009】ポリプロピレン樹脂組成物の上記1)分子
量分布(Mw/Mn)は分子量分布の広さを表すパラメ
ータであり重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(M
n)で除した値であり、Mw/Mnが5.5から12の
範囲にある必要がある。この値はゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)によって測定されたもの
であり、測定法の詳細は後述する。この値が5.5未満
のものはダイスエル比(DSR)が小さくフローマーク
が悪くなる。一方、12を越えるものは光沢が悪化す
る。
【0010】本発明のポリプロピレン樹脂組成物の2)
MFRは2.0〜12.0g/10min.の範囲であ
る。2.0g/10min.未満の場合は成形性が悪
く、またフローマークが発生する。12.0g/10m
in.を超えるものは衝撃強度をはじめとする機械的強
度が低く、またDSRも小さくなりフローマークが不良
となる。
【0011】本発明のポリプロピレン樹脂組成物の3)
n−デカン可溶分とは、ほぼ樹脂組成物中のプロピレン
・エチレン共重合体成分に対応するものである。n−デ
カン溶剤を高温加熱後に室温まで冷却すると、不溶部に
は結晶性の高いプロピレン単独重合体成分の大部分が、
可溶部には結晶性の低いプロピレン・エチレン共重合体
成分の大半が回収される。なおn−デカン可溶分の採取
法は後述する。
【0012】本発明においては、この可溶分量がポリプ
ロピレン樹脂組成物の5〜35重量%の範囲にある必要
がある。5重量%より少ないと耐衝撃性が悪く製品とし
ては不十分であり、35重量%より多いものは表面光沢
が悪く、フローマークが悪化したり曲げ弾性率が低下す
る。
【0013】上記n−デカン可溶分の極限粘度
([η])はプロピレン・エチレンの共重合体成分の分
子量の目安となるものであり、その値が1.5〜3.5
dl/gの範囲である必要がある。この値が1.5dl
/gより小さいものは製品の衝撃強度が低く製品として
不十分なものとなる。一方、3.5dl/gより大きい
ものは光沢が悪くなり商品価値が低くなる。
【0014】本発明におけるポリプロピレン樹脂組成物
の4)ダイスエル比(DSR)は、一定の剪断速度で押
し出された樹脂のダイスから開放された時点での膨張度
合いを示すものであり、フローマークの発生と密接な関
係がある。すなわち、キャピラリー型レオメーターによ
り樹脂温度200℃、剪断速度200sec-1で樹脂を
押し出し、固化した状態での押出物の直径をキャピラリ
ーの直径で割った値が1.5以下である必要がある。D
SRが1.5に満たないものはフローマークが発生しや
すく表面状態が不良となる。なお測定法の詳細は後述す
る。
【0015】本発明におけるポリプロピレン樹脂組成物
を構成するプロピレン単独重合体、プロピレン・エチレ
ンブロック共重合体、プロピレン・エチレン共重合体は
チタンなどの遷移金属を含む固体触媒成分と有機アルミ
ニウム化合物あるいはこれらの電子供与性有機化合物と
から得られる触媒系を用いて製造される。
【0016】上記固体触媒成分としてはプロピレンの重
合において広く知られているものであり、三塩化チタン
またはその共晶体、マグネシウム系化合物などの担体に
三価もしくは四価のチタン化合物または該化合物と他の
化合物を処理することによって得られるものが代表例と
して挙げられる。
【0017】上記プロピレン・エチレンブロック共重合
体はエチレンとプロピレンとを、二段以上の多段でブロ
ック共重合することによって得られるものである。例え
ば、二段で重合する場合では、第一段階でプロピレンを
単独で重合し、ついで第二段階においてプロピレンとエ
チレンとを共重合することによって得られる。また、そ
の成分は実質的にプロピレン単独重合体成分とプロピレ
ン・エチレンの共重合体成分の複数成分よりなってお
り、そのエチレン含有量が2〜15重量%のものであ
る。
【0018】本発明における樹脂組成物は必要に応じて
エチレン・プロピレン共重合ゴムを20重量%以下添加
してもよい。このエチレン・プロピレン共重合ゴムとは
通常エチレン1molに対してプロピレン0.15〜1
molを共重合したものであるが、さらにジシクロペン
タジエン、1,4−ヘキサノルボルネン、ジシクロオク
タジエン、メチルノルボルネン、5−エチリデン−2−
ノルボルネンなどの非共役ジエンや共役ジエンを共重合
したものが挙げられる。本発明においては上記成分を添
加することにより耐低温衝撃性を改良することができ
る。これらのゴムはn−デカンに可溶な成分を多く含ん
でおり、該成分の添加により組成物中の可溶分の重量分
率が5〜35重量%、可溶分の極限粘度が1.5〜3.
5g/dlの範囲に入るように配慮する必要がある。
【0019】本発明における樹脂組成物は通常は主とし
て射出成形法により成形され、コンテナーなどの一般的
な成形用途として使用してもよいが、特に家庭電化製品
などの外装部材など最も適したものに使用される。
【0020】本発明の第二は、ヘルメット用ポリプロピ
レン樹脂組成物を提供するものである。ポリプロピレン
樹脂組成物は、一例として工事用あるいは車両乗用車用
などに着用するヘルメット部材として、主として射出成
形法によって成形され、場合によっては内装に発泡ポリ
ウレタン、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレンなど
を張りつけて用いられる場合もある。
【0021】本発明のポリプロピレン樹脂組成物がヘル
メット部材として用いられる場合は前記第一発明のポリ
プロピレン樹脂組成物を用いてもよいが、好ましくは分
子量分布が6〜10、メルトフローレートが3.0〜1
0.0g/10min. 、そのn−デカン可溶分の量が
7〜30重量%の範囲に選択することにより表面光沢や
フローマークあるいは衝撃強度などに対する要求性能を
より向上せしめることができる。また、その試験片のア
イゾット衝撃強度は18kgfcm/cm2 以上、曲げ
弾性率は12000kgf/cm2 以上であることが好
ましいものである。
【0022】本発明のポリプロピレン樹脂組成物には必
要に応じて無機充填剤を20重量%まで添加することが
できる。無機充填剤を添加することにより剛性、耐熱性
などを改良することができる。
【0023】無機充填剤は剛性、耐熱性を改良するもの
であり、ここでいう無機充填剤としては、粉粒体、平板
状、針状、球状または中空および繊維状の形状の無機充
填剤が挙げられ、具体的にはタルク、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、珪酸カルシウム、クレー、珪藻土、
アルミナ、珪砂、ガラス粉、酸化鉄、金属粉、三酸化ア
ンチモン、グラファイト、炭化珪素、シリカ、カーボン
ブラックなどの粉粒状充填剤、雲母、ガラス板、セリサ
イト、パイロフィライト、アルミフレークなどの金属
箔、黒鉛などの平板状もしくは燐片状充填剤、シラスバ
ルーン、軽石などの中空状充填剤、ガラス繊維、炭素繊
維、グラファイト繊維、ウイスカーなどの繊維などの例
を挙げることができる。
【0024】本発明における成形は上記の樹脂成分と、
酸化防止剤などの適当な添加剤とともにヘンシェルミキ
サー、タンブラーブレンダー、リボンミキサー、Vブレ
ンダーなどで均一に混合した後、射出成形機によって射
出成形されるのが好ましい。射出成形の条件は任意であ
り、適宜好ましい条件が選択される。
【0025】本発明においては、本発明の主旨を逸脱し
ない範囲において、必要に応じて帯電防止剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、滑剤、造核剤、坑ブロッキング剤、
防曇剤、難燃剤、顔料、分散剤などの公知の添加剤や、
本発明における充填剤以外の無機または有機充填剤を任
意に添加配合することができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明の内容を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの内容に何
ら限定されるものではない。 (射出成形機による成形条件) 射出成形機 :東芝機械(株)製 IS90B、 型締力90TON 成形樹脂温度 :220℃ 射出圧力 :1000kg/cm2 金型温度 :50℃
【0027】 (試験法) (1)MFR:JIS K6758準拠。 (2)Mw/Mn:GPC ウォータース150型、 オルソジクロルベンゼン135℃、 カラムGMHHR−H(S)[東ソー(株)製]2 本、PS標準試料による検量線法。 (3)n−デカン可溶分:試料を145℃のn−デカンで加熱溶解後、室温まで 冷却、沈澱物を325メッシュのフィルターでろ過し、ろ液にアセトンを 加え十分に沈澱させ、再び孔径5μmのフィルターでろ過し回収後、十分 に乾燥し可溶分とし両者の合計に対する比率の値を示す。 (4)[η]:デカリン溶液135℃にて測定する。 (5)DSR: 全自動キャピラリーレオメーター(インテスコ社製)、 樹脂温度200℃、剪断速度200sec-1、 ダイス25.5mm長×0.7417mmφ、 出口から5mmの点において押出物の直径を非接触寸法測定 器にて測定、押出物の直径とダイスの穴直径の比率から求め る。 (6)アイゾット衝撃試験 :JIS K6758に準拠。 (7)降伏強さ :JIS K6758に準拠。 (8)曲げ弾性率 :ASTM D790に準拠。 (9)光沢(グロス) :スガ試験機(株)製 デジタル変角光沢計UGV −4Dを用い射出成形板で測定。 (10)フローマーク :射出成形板を用い目視評価 ○:表面にフローマークが見えない。 △:フローマークが現れ商品性を損なう。 ×:フローマークが顕著に現れ商品性を損なう。
【0028】(試料)ポリプロピレンは以下の方法で重
合した試料を用いた。 1)重合方法 ポリプロピレン用の立体規則性触媒として公知の塩化マ
グネシウム担持四塩化チタン、トリエチルアルミニウム
および電子供与体からなる触媒を用い、温度70℃、容
量50リットルのオートクレーブにて液状プロピレン中
で圧力約30〜40kg/cm2 でプロピレン単独重合
体を塊状重合した。なお分子量分布を調整するためこの
操作を2回繰り返した。プロピレン・エチレンブロック
共重合体の場合は、さらにこの工程に続き、オートクレ
ーブ内を脱気後、プロピレンとエチレンの混合ガスをフ
ィードし圧力約10〜12kg/cm2 、温度70℃に
てプロピレン・エチレン共重合体部分を重合した。この
工程を水素濃度を変えて2回繰り返した。 2)表1に重合したプロピレン・エチレンブロック共重
合体試料の性状を記す。
【0029】
【表1】
【0030】 3)HPP−1 :MFR=4.0g/10min.、Mw/Mn=6.0 4)低結晶性エチレン・プロピレン共重合体(EPR) EPR :エチレン・プロピレン共重合ゴム MFR=3.0g/10min.、エチレン含有量=70重量% 商品名 EP20P[日本合成ゴム(株)製]
【0031】(実施例1)BPP−1なる樹脂組成10
0重量部に、酸化防止剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー社製)を0.1重量部、イルガフォス1
68(チバガイギー社製)を0.05重量部およびステ
アリン酸カルシウム[日本油脂(株)製]を0.1重量
部を加え、ヘンシェルミキサーで攪拌混合後、NVC押
出機[中谷機械(株)製、スクリュー径50mm]を用
いて樹脂温度220℃で造粒した。得られた樹脂はキャ
ピラリーレオメーターによりDSRを測定すると同時に
前記の射出成形条件においてASTM規格の物性試験片
を作成した。成形板は50℃のエアーオーブンにて24
時間アニーリングの後、物性試験を行い、その結果を表
2に示した。降伏点強さ、曲げ弾性率、アイゾット衝撃
強度、光沢(グロス)、DSR、フローマークのいずれ
も良好である。
【0032】(実施例2〜5)表2に示した組成で実施
例1と同様の操作を行った。結果を表2に示した。降伏
点強さ、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、光沢、DS
R、フローマークのいずれも良好である。
【0033】
【表2】
【0034】(比較例1)MFRが1.7g/10mi
n.と低いBPP−2を用いて実施例1と同様の操作を
行った。結果を表3に示した。フローマークが悪く外観
が不良である。
【0035】(比較例2)MFRが15g/10mi
n.と高いBPP−4を用いて実施例1と同様の操作を
行った。表3に示した。衝撃強度が低く、DSRが小さ
くフローマークが現れ外観が不良である。
【0036】(比較例3)BPP−4とBPP−2を表
3に示した組成で混合し、MFRが12g/10mi
n.と高い組成物を得て実施例1と同様の操作を行っ
た。結果を表3に示した。衝撃強度が低く、またDSR
が小さく、フローマークが現れ外観が不良である。
【0037】(比較例4)n−デカン可溶分の[η]が
3.6g/dlと大きなBPP−5を用いて実施例1と
同様の操作を行った。結果を表3に示した。グロスが小
さく、またDSRが小さく、フローマークが現れ外観が
不良であり、さらに曲げ弾性率が低い。
【0038】(比較例5)n−デカン可溶分の[η]が
7.0g/dlと大きく、Mw/Mnも12と大きなB
PP−6を用いて実施例1と同様の操作を行った。結果
を表3に示した。グロスが低い。
【0039】(比較例6)プロピレン単独重合体HPP
−1を用いて実施例1と同様の操作を行った。結果を表
3に示した。衝撃強度が低く、DSRが小さく、フロー
マークが現れ外観が不良である。
【0040】(比較例7)HPP−1とBPP−3を表
3に示した組成で混合し実施例1と同様の操作を行っ
た。結果を表3に示した。n−デカン可溶分量が少なく
衝撃強度が悪くDSRが小さく、フローマークが現れ外
観が不良である。
【0041】(比較例8)Mw/Mnが5.0と小さい
BPP−7を用いて実施例1と同様の操作を行った。結
果を表3に示した。DSRが小さく、フローマークが悪
い。
【0042】(比較例9)HPP−1にEPRを混合し
て実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示し
た。n−デカン可溶分量が多くDSRが小さくフローマ
ークが悪い。また、曲げ弾性率も低い。
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】本発明はプロピレン・エチレンブロック
共重合体をベースとしたポリプロピレン樹脂組成物の分
子量分布(Mw/Mn)、MFR、n−デカン溶剤によ
る可溶分の量と極限粘度[η]およびダイスエル比を特
定の範囲に制御することにより、耐衝撃性、表面光沢、
フローマークなどを飛躍的に改善することができ、一般
的なコンテナー、自動車部材、家電用外装部材などは勿
論、特にヘルメットなど特に高表面光沢が要求される部
材の用途に適した樹脂組成物を提供することが可能とな
った。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン・エチレンブロック共重合体
    を含み、且つ下記1)〜4)の特性を有する表面光沢に
    優れるポリプロピレン樹脂組成物。 1)分子量分布(Mw/Mn)が5.5〜12 2)メルトフローレート(MFR)が2.0〜12.0
    g/10min. 3)そのn−デカン可溶分の量が5〜35重量%であ
    り、且つそのデカリン135℃における極限粘度
    ([η])が1.5〜3.5g/dl 4)ダイスエル比(キャピラリーレオメーターを用い、
    樹脂温度200℃、剪断速度200sec-1で押し出し
    た溶融樹脂のノズル下5mmの位置での直径を測定して
    これをノズル径で除した値)が1.5以上
  2. 【請求項2】 ヘルメットに用いることを特徴とする請
    求項1記載のポリプロピレン樹脂組成物。
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