JPH08192715A - 乗員拘束装置 - Google Patents

乗員拘束装置

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JPH08192715A
JPH08192715A JP7007472A JP747295A JPH08192715A JP H08192715 A JPH08192715 A JP H08192715A JP 7007472 A JP7007472 A JP 7007472A JP 747295 A JP747295 A JP 747295A JP H08192715 A JPH08192715 A JP H08192715A
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JP
Japan
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energy
vehicle
sensor box
buckling
acceleration
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JP7007472A
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English (en)
Inventor
Katsunori Makibayashi
勝典 槇林
Fumihiro Oji
文浩 隠地
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は車両に生じた加速度に基づいて、所
定状況下で車両乗員の姿勢を拘束すべく作動する乗員拘
束装置に関し、エネルギ吸収体の小型化を実現すること
を目的とする。 【構成】 車両のフレームを構成するサイドレール11
の前端部に取付け板28を介してセンサボックス12
(エネルギ吸収体)を固定する。フレームに生ずる加速
度に基づいて車両に入力されたエネルギの大きさを推定
し、所定値を超えるエネルギが入力されたと判断できる
場合に車両乗員の姿勢を拘束する機構を設ける。センサ
ボックス12を、サイドレール11の中心軸に対してオ
フセットした位置に固定し、センサボックス本体12a
が座屈する過程、及び取付け板28が湾曲する過程でエ
ネルギを吸収させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乗員拘束装置に係り、
特に車両に生じた加速度に基づいて、所定状況下で車両
乗員の姿勢を拘束すべく作動する乗員拘束装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平5−11219
5号公報に開示される如く、車両前方に加わるエネルギ
を適当に吸収して加速度センサに伝達するエネルギ吸収
体を備える乗員拘束装置が知られている。
【0003】すなわち、所定値を超える減速度が生じた
際に車両乗員を拘束して乗員の姿勢を安定に維持する乗
員拘束装置にあっては、乗員の姿勢を拘束する必要があ
るか否かを判別するために加速度センサを用いる必要が
ある。この際、加速度センサは、車両に加わるエネルギ
に対して安定した出力が得られるように、十分な剛性を
有する車体構成部材上に設置する必要がある。一方、車
体に加わるエネルギを、かかる高剛性を有する車体構成
部材に直接伝搬させる構成とすれば、僅かなエネルギの
入力に対して比較的大きな加速度が検出されることにな
る。
【0004】特に、フレーム付きの車両においては、加
速度センサがフレームに設置されることとなるが、フレ
ームが、そのサイドレール部、及び前端部に極めて高い
剛性を備えていることから、何らの緩衝材、すなわちエ
ネルギ吸収体を介することなくフレームにエネルギが伝
搬される場合には適切な作動判定を行うことが困難であ
る。
【0005】上記公報に記載された装置は、かかる点に
着目し、車両に対して所定値を超えるエネルギが加わっ
た場合にのみ高剛性車体構成部材に大きな加速度が発生
するように、フレームの前端にエネルギ吸収体を配設し
たものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
乗員拘束装置において、車両に所定値を超えるエネルギ
が加えられた場合にのみ装置を作動させるためには、エ
ネルギ吸収体が適切な荷重以下で座屈を開始すると共
に、十分なエネルギ吸収能力が確保できるだけの座屈可
能部分を有していることが必要である。
【0007】従って、上記従来の乗員拘束装置の構成に
より、所望の機能を実現するためには、フレーム等の高
剛性車体構成部材の前端に、剛性が適当に低く抑えら
れ、かつかかる適当な剛性の下で十分なエネルギ吸収能
力が確保できる程度に長い座屈可能部分を有するエネル
ギ吸収体を配設する必要がある。
【0008】これに対して、車両前方から大きなエネル
ギが加えられた際に、可能な限りそのエネルギを吸収し
て車室に伝搬する意味では、できるだけ車両のフレーム
の前端部を前方に延ばして配設することが好ましく、そ
の一方、フレーム前方の形状は、バンパやバランスパネ
ル(バンパ下に取り付けるエアカット)のデザイン上の
制約により、設計の自由度が小さい。
【0009】この意味で、フレーム等の高剛性車体構成
部材の前方に、長い全長を有するエネルギ吸収体を配設
する必要のある上記従来の乗員拘束装置は、必ずしも搭
載性が良好ではないという不利益を伴うものであった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、エネ
ルギ吸収体が固定される取付け板の変形をも座屈可能部
分として利用することにより、又はエネルギ吸収体の高
剛性部分を座屈方向に分散させて適切な荷重以下での座
屈開始を許容しつつ、比較的高い剛性を確保することに
より、上記の課題を解決する乗員拘束装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、前端部に取付け板を介してエネルギ吸
収体が固定された所定の剛性を有する車体構成部材に生
ずる加速度に基づいて、所定状況下で車両乗員の姿勢を
拘束する乗員拘束装置において、前記エネルギ吸収体の
少なくとも一部が、車両の前後方向に前記取付け板のみ
が延在する部分に固定される乗員拘束装置により達成さ
れる。
【0011】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、前端部にエネルギ吸収体が固定された所定の剛性
を有する車体構成部材に生ずる加速度に基づいて、所定
状況下で車両乗員の姿勢を拘束する乗員拘束装置におい
て、前記エネルギ吸収体が、該エネルギ吸収体の座屈方
向に分散して高剛性部分を有する乗員拘束装置によって
も達成される。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明において、前記エネルギ吸
収体は、少なくともその一部が、車両の前後方向に前記
取付け板のみが延在する部分に固定されている。従っ
て、前記エネルギ吸収体に対してエネルギが加えられた
場合、そのエネルギの一部は、車両の前後方向に前記取
付け板のみが延在する部分に加えられる。
【0013】この場合、かかる部分においては、前記取
付け板の湾曲が許容され易く、加えられるエネルギが所
定値を超える場合には、前記エネルギ吸収体が座屈する
のみならず、前記取付け板にも湾曲が生ずる。このた
め、車体に加えられたエネルギは、前記エネルギ吸収体
の座屈状態が座屈可能限界に達し、かつ前記取付け板の
湾曲状態が湾曲可能限界に達するまでは適当に吸収され
ることになり、前記エネルギ吸収体の座屈可能部分が比
較的短い場合であっても、十分なエネルギ吸収能力が確
保される。
【0014】請求項2記載の発明において、前記エネル
ギ吸収体は、高剛性部分を座屈方向に分散して備えてい
る。従って、車両前方からエネルギが加えられた場合、
そのエネルギは、前記エネルギ吸収体が備える高剛性部
分に対して、前記エネルギ吸収体の座屈が進行するに連
れて順次作用する。
【0015】このため、前記エネルギ吸収体が座屈する
過程においては、該エネルギ吸収体の剛性が局部的に高
まることがなく、座屈可能部分に、全体として高い剛性
を付与しても、座屈に必要なピーク荷重自体は低く抑制
される。従って、車両に対してエネルギが加えられた場
合、前記エネルギ吸収体は、前記高剛性車体構成部材に
対して不当に大きな荷重を伝達することなく、かつ効率
良くエネルギを吸収しつつ座屈を進行させることにな
り、前記エネルギ吸収体の座屈可能部分が比較的短い場
合であっても、十分なエネルギ吸収能力が確保される。
【0016】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である乗員拘束装
置の一実施例の要部であるエネルギ吸収体の構成図を示
す。また、図2は、本実施例の乗員拘束装置の全体構成
を表す概念図を示す。
【0017】尚、本実施例においてエネルギ吸収体は、
後述の如く、車載される加速度センサに適正な加速度を
伝達するために配設される箱体である。このため、以下
の説明においては、エネルギ吸収体をセンサボックスと
称する。図2に示すように、本実施例の乗員拘束装置
は、フレーム10を有する車両に搭載することを想定し
て構成された装置であり、フレーム10を構成する左右
のサイドレール11R,11L(以下、総称する場合は
単にサイドレール11と称す)の先端にセンサボックス
12R,12L(以下、総称する場合は単にセンサボッ
クス12と称す)を備えている。
【0018】フレーム10は、車両の骨格として設計さ
れる車体構成部材であり、その上部には、種々のブラケ
ットを介してエンジン14、トランスミッション16等
が、またゴムブッシュを介してボデー18が設置され
る。ボデー18には、フレーム10に生ずる加速度を検
出する加速度センサ20、加速度センサ20の出力等に
基づいて車両に所定値を超えるエネルギが入力されたか
否かを検出する電子制御ユニット(ECU)22、及び
ECU22において所定値を超えるエネルギの入力が検
出された際に車両乗員の姿勢を拘束すべく作動する乗員
拘束機構24が搭載されている。
【0019】尚、加速度センサ20は、ボデー18上で
安定した加速度が検出し得る位置として、特に車室内の
フロアトンネル内に収納されている。また、乗員拘束機
構24は、具体的には、ステアリングホイル内又は助手
席アンダーダッシュ内等に格納される袋体を拡開させて
乗員の姿勢を拘束するエアバッグ装置、又はシートベル
トを緊急に引き締めてベルトのたるみを取り除くことに
より乗員の姿勢を拘束するプリローダ装置等により構成
される。
【0020】センサボックス12は、車両の前方に何ら
かのエネルギが入力された場合に、そのエネルギを適当
に吸収しつつフレーム10に伝達するために配設される
部材である。すなわち、上述の如く本実施例の乗員拘束
装置は、加速度センサ20の出力に基づいて、ECU2
2が所定値を超えるエネルギの入力を検出した際に作動
すべき装置であり、誤動作を防ぐためには、加速度セン
サ20の出力に基づいて精度良く車両への入力エネルギ
が検出できる必要がある。
【0021】これに対して、フレーム10の先端に何ら
エネルギを吸収する部材が配設されていないとすれば、
僅かなエネルギが車体に入力されただけでフレーム10
には大きな加速度が発生することになり、加速度の大き
さから装置を作動させるか否かを判断することが困難と
なる。
【0022】一方、フレーム10の先端にセンサボック
ス12を配設する構成とすれば、僅かなエネルギはセン
サボックス12で吸収され、比較的大きなエネルギが車
両に入力した場合にのみフレーム10に大きな加速度が
発生することとなり、装置を作動させるか否かが、加速
度の大きさから容易に判断できる状態となる。
【0023】ここで、本実施例の乗員拘束装置は、かか
る機能を、小さな体格で実現し得るセンサボックス12
を用いた点に特徴を有している。以下、その特徴部につ
いて説明する。図1は、上述の如くセンサボックス12
の構成図であり、同図(A)〜(C)は、それぞれセン
サボックス12をサイドレール11の先端に固定した状
態を表す側面断面図、背面図、及び底面図を、また同図
(D)は、センサボックス12の補強に用いる背板リィ
ンホース26の構成を表す斜視図を示す。
【0024】図1(A)に示す如く、センサボックス1
2は、センサボックス本体12aと取付け板12bとで
構成されており、取付け板12bと、取付け板28とを
重ね合わせた状態で、サイドレール11の先端にボルト
30及びナット32を用いて固定されている。
【0025】また、図1(A)中に一点鎖線で示す輪郭
は、センサボックス12の前方に組み付けられるバンパ
34の仮想線である。すなわち、センサボックス12
は、このバンパ34とサイドレール11との間に収納し
得る体格で実現することが必要である。
【0026】センサボックス本体12aは、図1(C)
に示す如く左右対称、かつ図1(A)に示す如く上下非
対称に形成された中空の箱体であり、その最先端部が、
サイドレール11の中心軸より低い位置となるように構
成されている。また、取付け板28は、サイドレール1
1の中心軸に対して下方にオフセットした状態で、すな
わち、サイドレール11の下方側に比較的大きなはみ出
し部分を形成した状態で固定されている。
【0027】そして、かかるはみ出し部分の裏面(サイ
ドレール11側の面)には、図1(D)に示す如き形状
の背板リィンホース26が当接されている。背板リィン
ホース26はサイドレール11と取付け板28との間に
その側面が架設されており、取付け板28、及びセンサ
ボックス12の補強が図られている。
【0028】ここで、背板リィンホース26には、セン
サボックス12の先端にエネルギが入力された際に、セ
ンサボックス12が折れ曲がることなく適当に軸圧縮す
るために必要であり、かつ、サイドレール11の強度に
比して十分小さな強度が付与されている。
【0029】このため、センサボックス12のうち、取
付け板28のはみ出し部分に固定される部分について
は、事実上、車両の前後方向に取付け板28のみが延在
する部分に固定されていることになる。すなわち、本実
施例においては、取付け板28のサイドレール11から
はみ出す部分が、前記した車両前後方向に取付け板のみ
が延在する部分に相当している。
【0030】図3は、センサボックス12の先端にエネ
ルギが入力された場合におけるセンサボックス12、及
び取付け板28の変形状態のシミューレート結果を示
す。すなわち、同図に示す如く、センサボックス本体1
2aは、サイドレール11の中心軸から下方にオフセッ
トした位置で大きく軸方向に変形している。また、セン
サボックス本体12aがそのように変形する結果、取付
け板12a,28は、サイドレール11から下方にはみ
出した部分が大きく湾曲している。
【0031】つまり、本実施例の乗員拘束装置において
は、車両前方からエネルギが入力された場合、センサボ
ックス本体12aが軸方向に変形すると共に、取付け板
12a,28のサイドレール11からはみ出す部分が湾
曲することにより、エネルギの吸収が図られることにな
る。
【0032】ところで、本実施例の乗員拘束装置におい
ては、車両に入力されるエネルギが前面衝突速度11.
3km/h(7マイル毎時)程度に相当する場合は乗員姿勢
を拘束する必要はないとして乗員拘束機構24を作動さ
せず、エネルギが前面衝突速度19.3km/h(12マイ
ル毎時)を超える場合に乗員拘束機構24を作動させる
こととしている。
【0033】より具体的には、前面衝突速度が10km/h
程度である場合に車室内に生ずる加速度を98 m/s
2 (10G(重力加速度))以下に抑えることとし、車
室内フロアトンネル内部に収納される加速度センサ20
に検出される加速度が10G以下である場合には、乗員
拘束機構24を作動させないこととしている。
【0034】従って、本実施例におけるセンサボックス
12には、車両の前面から前面衝突速度10km/hに相当
するエネルギが入力された際に、フレーム10に10G
を超える加速度が生じないように適当にエネルギを吸収
し得ることが要求される。ここで、本実施例において
は、車重等との関係で、特にセンサボックス12の座屈
時に生ずるピーク荷重(以下、座屈ピーク荷重と称す)
が8.5ton 程度である場合に上記条件が成立するもの
として以下の説明を進行する。尚、座屈ピーク荷重は、
車重の重い車両においてはより大きな値が許容され、車
重の軽い車両においては、より小さな値とする必要のあ
る荷重である。
【0035】ところで、図4は、上記図1に示すサイド
レール11とバンパ34との間に許容されるスペース内
に、上下左右共に対称な形状を有するセンサボックスを
固定した場合における座屈荷重をストロークとの関係で
表した特性図である。すなわち、上記特性図に示す如
く、上下左右に対称な形状を有するセンサボックスの座
屈荷重は、エネルギの印加開始後急激に座屈ピーク荷重
(約8.5tonに設定)まで上昇し、その後座屈の過程
で僅かに減少し、次いで、センサボックスが座屈可能領
域一杯まで座屈(以下、底付きと称す)した後再び急激
に立ち上がる挙動を示す。
【0036】この場合、座屈ピーク荷重は8.5ton 付
近に設定されており、その意味では上述の条件が満たさ
れていることになる。しかし、センサボックスの座屈可
能領域が大きく確保できず、前後衝突速度10km/hに相
当するエネルギが入力された後、そのエネルギが全て消
費される以前にセンサボックスが底付き状態となれば、
最終的には上述した条件が満たされない事態を招く。
【0037】ここで、本実施例において想定される車両
においては、前面衝突速度10km/hに相当するエネルギ
が入力された場合、エネルギが全て消費されるまでフレ
ーム10に生ずる加速度を10G以下とするためには、
センサボックスが底付き状態となる以前に480kgfmの
エネルギを吸収し得ることが必要であるが、上下左右に
対称な形状を有するセンサボックスを上記図1に示すス
ペース内に収納できる体格で構成した場合、かかる能力
を確保することは事実上困難である。
【0038】これに対して、本実施例のセンサボックス
12においては、上述の如くセンサボックス本体12a
が座屈する過程に加え、取付け板12b,28が湾曲す
る過程でもエネルギが吸収される構成である。従って、
ストロークに対する座屈荷重の特性も、図5に示す如く
比較的長いストローク領域において座屈荷重が座屈ピー
ク荷重近傍の値を示す特性となる。
【0039】このため、本実施例のセンサボックス12
によれば、センサボックス本体12aの座屈可能領域が
さほど大きくなく、かつ、座屈ピーク荷重がさほど大き
くないにも関わらず、センサボックス12が底付き状態
となる前に、比較的多量のエネルギを吸収することが可
能である。
【0040】つまり、本実施例のセンサボックス12の
構成によれば、全長を短く維持しつつ、適切な座屈ピー
ク荷重と十分なエネルギ吸収能力とを確保することがで
き、その結果、例えば組み付け性の向上や、搬送性の向
上等の利益が得られることになる。
【0041】尚、上述の如く、本実施例のセンサボック
ス12は、ボルト30及びナット32を用いてサイドレ
ール11に固定されているため、破損時には、容易にそ
の交換をすることができる。従って、本実施例のセンサ
ボックス12によれば、サービス性の面でも優れた効果
を享受することができる。
【0042】ところで、センサボックス12の座屈ピー
ク荷重は、車重に応じて設定すべき値であることは前記
した通りであるが、センサボックス12のエネルギ吸収
能力も同様に車重に応じて決定すべき値であり、車重が
重いほど高いエネルギ吸収能力が要求される。
【0043】この場合、センサボックス12の諸元を、
1車種に限って構成すれば足りるとすれば、車重が重い
場合には座屈ピーク荷重を大きくして所望のエネルギ吸
収能力を確保し、また、車重が軽い場合には、エネルギ
吸収能力が低下することを許容して、所望の座屈ピーク
荷重を確保することが可能である。
【0044】しかしながら、車重の異なる複数の車種に
ついてセンサボックスの共通化を図るためには、最も軽
量の車両に合わせて座屈ピーク荷重を設定し、かつ最も
重量の車両に合わせてエネルギ吸収能力を設定する必要
が生じ、この場合には、比較的長い座屈可能ストローク
が必要となる。
【0045】これに対して、本実施例のセンサボックス
12は、上記の如く、小型化を実現しつつ、底付き状態
となる前に比較的長い座屈可能ストロークを確保し得る
構成である。このため、センサボックス12の構成によ
れば、体格を小型に維持しつつ、座屈ピーク荷重とエネ
ルギ吸収能力とに余裕を持った設計を施すことができ、
複数の車種についてセンサボックスを共通化することが
可能となる。
【0046】そして、上記の如く、複数の車種について
えセンサボックスの共通化を図ることができれば、コス
トダウンを図ることができ、組み付け時における人為的
組み付けミスを防止することができ、また、生産設備、
保管スペース等の面でも種々の利益を得ることができ
る。
【0047】ところで、上記図1に示すセンサボックス
12は、サイドレール11の下方にオフセットして固定
する構成であるが、センサボックス12の少なくとも一
部が、事実上車両前後方向に取付け板のみが延在する位
置に取り付けられていれば足り、例えば図6に示す如
く、センサボックス40が、取付け板42を介してサイ
ドレール11の上下に共にオフセットした構成とするこ
とも可能である。
【0048】この場合、センサボックス40の先端にエ
ネルギが入力されると、図7に示す如く、センサボック
ス40自身が座屈すると共にサイドレール11の上下で
取付け板42が湾曲し、上記図1に示すセンサボックス
12とほぼ同様の効果が得られることになる。
【0049】また、上記図1及び図6に示すセンサボッ
クス12,40は、取付け板12b,28,42の板
厚、背板リィンホースの形状、サイドレール11に対す
るオフセット方向及び量、等種々の諸元を適切に設定す
ることで、大きくの特性を実現することができる。この
意味で、本実施例のセンサボックスは、設計上の自由度
を多大に有しているという利益を有していることにな
る。
【0050】尚、上記実施例は、本発明をフレーム付き
車両に適用した場合を例示したものであり、これに限る
ものではなく、モノコックボディの車両についても適用
することは可能である。次に、図8乃至図10を参照し
て、短い全長を維持しつつセンサボックスに要求される
特性を満たすための他の実施例について説明する。ここ
で、本実施例のセンサボックスは、座屈ストロークに対
して均一な座屈荷重を発揮させることで、座屈開始直後
に生ずる座屈ピーク荷重を小さく抑制しつつ、単位スト
ローク当たりに高いエネルギ吸収効率を確保して、短い
座屈ストロークで高いエネルギ吸収能力を確保すべく構
成されたものである。
【0051】図8は、本実施例のセンサボックス50の
構成図であり、同図(A),(B)は、それぞれ本実施
例のセンサボックス50の平面図、及び側面図を示す。
尚、図8において上記図1と同一の構成部分について
は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0052】センサボックス50は、上記図1に示すセ
ンサボックス12と同様に、センサボックス本体50
a、及び取付け板50bから構成され、取付け板52を
介してサイドレール11に取付けられる。センサボック
ス本体50aは、先端部にエネルギが入力された際に適
当な座屈荷重を伴って座屈する中空の箱体であり、特
に、その高剛性部54-1〜54-8が先端から後端にかけ
て分散している点に特徴を有している。
【0053】ここで、高剛性部54-1〜54-8は、セン
サボックス本体50aが座屈する際に、特に大きな座屈
荷重の発揮される部位であり、センサボックス本体50
aの角部等に形成されている。本実施例においては、こ
れら高合成部54-1〜54-8を座屈方向にずらして設け
ている。
【0054】この場合、センサボックス50の先端にエ
ネルギが入力された場合、そのエネルギは、センサボッ
クス本体50aの座屈が進行するに連れて、高剛性部5
-1〜54-8が座屈する瞬間毎に比較的大きく吸収され
ることになり、その結果、局部的に大きな座屈荷重の発
生が防止される。
【0055】すなわち、図9は、車両前方からエネルギ
が入力された際に、全ての高剛性部が同時に座屈を開始
するセンサボックスの、すなわち単なる円筒形、角柱形
等のセンサボックスにおける座屈ストロークに対する座
屈荷重の特性を示した図であるが、同図に示す如く、か
かる構成のセンサボックスにおいては、座屈開始直後に
著しく大きな座屈ピーク荷重が発生する。
【0056】従って、この場合は、かかる座屈ピーク荷
重が適当な荷重以下となるようにセンサボックス本体の
剛性を比較的低く設定することが必要となり、その結
果、短い座屈ストロークで高いエネルギ吸収能力を確保
することが困難となる。これに対して、図10は、上記
図8に示すセンサボックス50の座屈ストロークに対す
る座屈荷重の特性を示した図であるが、同図に示す如
く、センサボックス50においては、座屈ピーク荷重が
検出された後、センサボックス50が底付き状態となる
までほぼ均一な座屈荷重を発揮され、単位ストローク当
たりに高いエネルギ吸収効率を確保することができる。
【0057】このため、本実施例のセンサボックス50
によれば、適切な座屈ピーク荷重を確保し、かつ座屈ス
トロークを比較的短く設定した状態で、十分なエネルギ
吸収能力が確保できることになる。ところで、センサボ
ックスが上記図9に示す如き座屈荷重特性を示す場合、
車両に所定値を超えるエネルギが入力されたか否かを精
度良く判定するためには、3つの加速度センサが必要で
ある。
【0058】すなわち、センサボックスが上記図9に示
す特性を有するとすれば、車両前方からエネルギ入力さ
れた場合、センサボックスの座屈荷重が急激に立ち上が
るのに伴って、車両には即座に大きな加速度が発生す
る。一方、車両斜め前方(以下、側方と記す)からエネ
ルギが入力された場合は、そのエネルギの一部がフレー
ムのサイドレール等に吸収されるため、車両に生ずる加
速度の立ち上がりが緩やかになる。
【0059】従って、上記図2に示す如くフロアトンネ
ル内に配設した加速度センサ20のみでそれらのエネル
ギ入力を検出しようとした場合、車両へのエネルギ入力
を判別するしきい値を前方からのエネルギ入力に合わせ
て設定すれば、側方からのエネルギ入力に対する応答性
が悪化し、また、しきい値を側方からのエネルギ入力に
合わせて設定すれば、車両前方から僅かなエネルギが入
力されただけでエネルギの入力と判断される不都合が生
ずる。
【0060】この際、フレーム強度を高める等の措置を
講じて、側方からのエネルギ入力に対する加速度の立ち
上がりを早めれば、エネルギが車両前方から入力された
場合における加速度の立ち上がり特性と、エネルギが車
両側方から入力された場合における加速度の立ち上がり
特性とを整合させることも可能であるが、かかる措置に
は車重の増加等の弊害が伴い事実上実現が困難である。
【0061】このため、センサボックスが上記図9に示
す如き特性を示す車両においては、一般に、車室内フロ
アトンネル内の他、左右前輪のフェンダ内にもそれぞれ
加速度センサを配設し、計3個の加速度センサから出力
される加速度信号を合わせ考慮して前方及び側方からの
エネルギ入力に対処する構成が採られている。
【0062】これに対して、本実施例のセンサボックス
50は、上記図10に示す如く、座屈ピーク荷重を小さ
く抑えて所望のエネルギ吸収能力を確保し得る構成であ
る。従って、センサボックス50を備える車両において
は、車両前方からのエネルギ入力に対して、加速度がさ
ほど急激には立ち上がらない。
【0063】このため、かかる車両においては、フレー
ム等を補強することなくエネルギが車両前方から入力さ
れた場合における加速度の立ち上がり特性と、エネルギ
が車両側方から入力された場合における加速度の立ち上
がり特性とを整合させることが可能であり、車室内フロ
アトンネル内に配設した単一の加速度センサ20のみに
よって前方及び側方からのエネルギ入力に対処すること
が可能である。
【0064】つまり、上記図9に示す特性を有するセン
サボックスを用いる乗員拘束装置が3つの加速度センサ
を必要とするのに対して、センサボックス50を用いる
本実施例の乗員拘束装置は、1つの加速度センサのみで
実現することが可能である。この意味で、本実施例の乗
員拘束装置は、安価に実現し得るという利益をも有して
いることになる。
【0065】尚、上述の如く、上記図1に示すセンサボ
ックス12を用いた乗員拘束装置も単一の加速度センサ
20のみを用いて実現することができ、その意味では、
センサボックス12を用いた乗員拘束装置も、安価に実
現し得るという利益を有していることになる。
【0066】ところで、上記図8に示すセンサボックス
50は、複数の高剛性部54-1〜54-8が順次座屈する
ようにセンサボックス本体50aを構成したものである
が、その構成はこれに限るものではない。すなわち、例
えば図11に示すセンサボックス60の如く、その先端
側を半球状にして、エネルギ吸収体の合成を座屈方向に
均一化する等の構成によっても同様の効果を享受するこ
とができる。また、これ以外にも、エネルギ吸収体の形
状を工夫することで種々のチューニングを施すことが可
能である。
【0067】更に、上記図8に示すセンサボックス50
は、取付け板50b,52が何ら特別な機能を果たすも
のではないが、センサボックス50をサイドレール11
に対してオフセットした状態に固定することで、取付け
板50b,52に、上記図1に示す取付け板12b,2
8と同様の機能を持たせる構成としても良く、また、取
付け板50b,52に十分な剛性を付与することで、セ
ンサボックス50の座屈ストロークに対する座屈荷重特
性の安定化を図る構成としてもよい。
【0068】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、車両に加えられたエネルギを、エネルギ吸収体のみ
ならず、エネルギ吸収体の取付け板によっても吸収する
ことができる。
【0069】このため、本発明によれば、エネルギ吸収
体の全長を比較的短く設定しても、高剛性車体構成部材
の前端に十分なエネルギ吸収能力を確保することがで
き、搭載性の悪化を伴うことなく的確かつ確実な作動判
定を行い得る乗員拘束装置を実現することができる。
【0070】また、請求項2記載の発明によれば、車両
に加えられたエネルギを、エネルギ吸収体が座屈する過
程で、効率良く、かつ高剛性車体構成部材に不当な荷重
を伝達することなく吸収させることができる。このた
め、本発明によっても、上記請求項1記載の発明と同様
に、エネルギ吸収体の座屈可能部分を短く設定しつつ十
分なエネルギ吸収能力を確保することができ、良好な搭
載性を確保しつつ的確かつ確実な作動判定を行い得る乗
員拘束装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明の一実施例である乗員拘束
装置の要部であるセンサボックス周辺の側面図である。
図1(B)は本発明の一実施例である乗員拘束装置の要
部であるセンサボックス周辺の背面図である。図1
(C)は本発明の一実施例である乗員拘束装置の要部で
あるセンサボックス周辺の底面図である。図1(D)は
本発明の一実施例である乗員拘束装置の要部であるセン
サボックスの補強に用いる背板リィンホースの斜視図で
ある。
【図2】本実施例の乗員拘束装置の全体構成図である。
【図3】本実施例のセンサボックスにエネルギが入力さ
れた場合のシミュレーション結果を表すずである。
【図4】一般的センサボックスのストローク−座屈荷重
特性を表す図(その1)である。
【図5】本実施例のセンサボックスのストローク−座屈
荷重特性を表す図である。
【図6】本発明の第2実施例であるセンサボックスの構
成を表す図である。
【図7】本発明の第2実施例であるセンサボックスにエ
ネルギが入力された際の状態を表す図である。
【図8】図8(A)は、本発明の第3実施例であるセン
サボックスの構成を表す平面図である。図8(B)は、
本発明の第3実施例であるセンサボックスの構成を表す
側面図である。
【図9】一般的センサボックスのストローク−座屈荷重
特性を表す図(その2)である。
【図10】本実施例のセンサボックスのストローク−座
屈荷重特性を表す図である。
【図11】本発明の第4実施例であるセンサボックスの
構成を表す図である。
【符号の説明】
10 フレーム 11,11R,11L サイドレール 12,12R,12L,40,50,60 センサボッ
クス 12a,50a センサボックス本体 12b,28,42,50b,52 取付け板 20 加速度センサ 22 電子制御ユニット(ECU) 24 乗員拘束機構 34 バンパ 54-1〜54-8 高剛性部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前端部に取付け板を介してエネルギ吸収
    体が固定された所定の剛性を有する車体構成部材に生ず
    る加速度に基づいて、所定状況下で車両乗員の姿勢を拘
    束する乗員拘束装置において、 前記エネルギ吸収体は、少なくともその一部が、車両の
    前後方向に前記取付け板のみが延在する部分に固定され
    ることを特徴とする乗員拘束装置。
  2. 【請求項2】 前端部にエネルギ吸収体が固定された所
    定の剛性を有する車体構成部材に生ずる加速度に基づい
    て、所定状況下で車両乗員の姿勢を拘束する乗員拘束装
    置において、 前記エネルギ吸収体は、該エネルギ吸収体の座屈方向に
    分散して高剛性部分を有することを特徴とする乗員拘束
    装置。
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