JPH08192099A - 化学吸着膜の形成方法 - Google Patents

化学吸着膜の形成方法

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JPH08192099A
JPH08192099A JP7255979A JP25597995A JPH08192099A JP H08192099 A JPH08192099 A JP H08192099A JP 7255979 A JP7255979 A JP 7255979A JP 25597995 A JP25597995 A JP 25597995A JP H08192099 A JPH08192099 A JP H08192099A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は単分子膜材料として表面改質等に有
用される化学吸着膜の製造方法に関し、高分子基材表面
に高密度の化学吸着膜を形成する方法を提供し、高分子
基材の表面改質を行なうことを第一の目的とする。ま
た、化学吸着膜の微細パターンを形成する方法を提供
し、高分子基材の選択的表面改質を行なうことを第二の
目的とする。 【解決手段】 高分子基材11にエキシマレーザ光を照
射して基材11の表面にOH基12やNH基13等の親
水性基を付与する。次に、クロロシラン系化学吸着物質
を非水系の溶媒に溶解して調製した化学吸着液に基材1
1を浸漬して、化学吸着物質のクロロシリル基と基材1
1の親水性基を反応させる。これにより、−Si−O−
結合14や−Si−N−結合15が生成され、前記基材
11表面に化学吸着膜16を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は単分子膜材料として
表面改質等に有用される化学吸着膜の形成方法、特に高
分子基材の表面に設ける化学吸着膜の形成方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】化学吸着膜の形成方法としては、例えば
水酸基等の親水性基を持つ基材の表面にクロロシラン系
界面活性剤を反応させて化学吸着させ、前記基材の表面
に化学吸着膜を形成させる方法が従来より知られている
(例えば特許第1810942号明細書参照)。表面に
水酸基等の親水性基が少ない基材については、例えば酸
素プラズマ処理、コロナ処理、低圧水銀ランプによる紫
外光照射もしくはクロム混酸液に浸漬する方法等を行な
って、基材の表面を酸化処理して親水性にした後、この
表面にクロロシラン系界面活性剤を化学吸着させる方法
がある(例えば特開平6−200074号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法では酸化処理の効果が小さく、クロロシラン系界
面活性剤を反応させるのに必要な水酸基を基材の表面に
満足に付与できないため、高分子基材の表面には化学吸
着膜が形成できないか、たとえ形成できたとしてもピン
ホールが多く、実用に耐え得る密度が得られないという
欠点があった。また、基材の表面の所望の領域を選択的
に酸化させることができないため、化学吸着膜の微細パ
ターンを形成することは不可能であった。
【0004】そこで本発明は高分子基材の表面に高密度
の化学吸着膜を形成する方法を提供し、高分子基材の表
面改質を行なうことを目的とする。
【0005】さらに本発明は化学吸着膜の微細パターン
を形成する方法を提供し、高分子基材の選択的表面改質
を行なうことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の化学吸着膜の形
成方法は、高分子基材の表面に、紫外領域の発振周波数
を有するレーザ光を照射して高分子基材の表面に親水性
基を付与する工程と、クロロシラン系化学吸着物質を非
水系の溶媒に溶解して調製した化学吸着液を前記親水性
基を付与した高分子基材に接触させて親水性基とクロロ
シリル基とを反応させて前記基材表面に化学吸着物質を
共有結合させる工程とを含むことを特徴とするものであ
る。
【0007】本発明によれば、高分子基材の表面に高密
度の化学吸着膜を形成し、高分子基材の表面改質を行な
うことができる。また、高分子基材の選択的表面改質を
行ない、化学吸着膜の微細パターンを形成することがで
きる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の化学吸着膜の第1の形成
方法は、高分子基材の表面に紫外レーザ光を照射して前
記高分子基材の表面に親水性基を付与する工程を含んで
いる。紫外レーザ光は定常光(例えば低圧水銀灯、キセ
ノン灯等)と比較して、はるかに高輝度であるため、光
照射された高分子表面が瞬間時に分解・飛散して、OH
基やNH基等の親水性基が多く付与される。
【0009】本発明の化学吸着膜の第2の形成方法は、
高分子基材の表面に175nm以下の波長を含む紫外光
を照射して前記高分子基材の表面に親水性基を付与する
工程を含んでいる。175nmより長波長の紫外光は酸
素からいったんオゾンを経て酸化作用を持つ励起酸素原
子を生成するが、175nm以下の紫外光は直接、励起
酸素原子を生成する。また、短波長の光の方が光子エネ
ルギーが大きい。これらの効果により、高分子基材の表
面に親水性基を多く付与することが可能になる。
【0010】このようにして付与された親水性基に、脱
塩化水素反応によりクロロシラン系化学吸着物質を共有
結合させて化学吸着膜を形成するため、高分子基材が例
えば水酸基等の親水性の活性水素を持たない高分子であ
っても、その表面に容易に化学吸着膜を形成することが
できる。また、この方法で形成された化学吸着膜は高密
度で高分子基材に強固に結合しているため、化学吸着物
質の機能に応じて高特性でかつ耐久性に優れた例えば撥
水・撥油性、親水性または帯電防止性等の機能を発揮す
るものとなる。
【0011】図1は本発明の化学吸着膜の製造方法につ
いて説明するための図である。高分子材料(例えばポリ
イミドやポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリアリレート、ポリサルフォン、あるいはポリ
エーテルイミド等)からなる基材11表面に、紫外レー
ザ光および/または175nm以下の波長を含む紫外光
を照射して基材表面に親水性基12及び13を付与し、
その後にクロロシラン系化学吸着物質を反応させて化学
吸着膜16を形成させる。
【0012】紫外レーザ光としては、例えばエキシマ、
He−Cd(波長:325nm)、Ar+(351.1
〜363.8nm)、N2(337nm)等のレーザ
光、あるいはYAGレーザの高調波(266nm等)等
が用いられる。
【0013】なお、これらのレーザのなかでも、例えば
ArFレーザ(波長:193nm)、KrFレーザ(2
48nm)、XeClレーザ(308nm)等のいわゆ
るエキシマレーザが、大出力でかつ短パルス光であるの
で反応性と制御性に優れており、好ましい。
【0014】これらのエキシマレーザを用いて、1nm
J/cm2〜10J/cm2程度のエネルギー密度で光照
射を行なうと、照射領域の基材がアブレーションにより
瞬間的に分解し、基材表面には多くのOH基12やNH
基13等の親水性基が付与される(図1(b))。
【0015】175nm以下の波長を含む紫外光として
は、例えば誘電体バリア放電ランプ等が用いられる。例
えばXeを放電ガスとした誘電体バリア放電ランプの中
心波長は172nmである。この波長では酸素の光吸収
係数が大きいので、生成するオゾン濃度、励起酸素原子
濃度が高くなり、高分子基材を酸化する効果が大きくな
ることによって、高分子基材11表面には多くのOH基
12やNH基13等の親水性基が付与される(図1
(b))。
【0016】この基材11の表面に反応させるクロロシ
ラン系化学吸着物質として、例えば
【0017】
【化1】
【0018】を用い、1×10-3〜0.1mol/l程
度の濃度に非水系の溶媒(基材を侵さず、かつSiCl
基と反応する活性水素を持たない溶媒であればよい)に
溶解した化学吸着液を調製する。この化学吸着液中に前
記基材を10分〜10時間程度浸漬すると、基材表面に
存在するOH基12やNH基13等とクロロシラン系界
面活性剤のSiCl基とが脱塩酸反応して、−Si−O
−結合14や−Si−N−結合15等の共有結合が生成
され、化学吸着膜16が形成される(図1(c))。
【0019】なお、エキシマレーザ光を照射した基材表
面に、例えばSiCl4、SiHCl3、Cl−(SiC
2O)n−SiCl3(但し、式中nは自然数)、Clm
(CH33-mSi−(CH2p−SiClm(CH3
3-m(但し、式中mは1〜3の整数、pは自然数)等の
ような1分子内にSiCl基を複数個含む物質を化学吸
着させた後、水と反応させると、基材表面にさらに多く
のOH基を付与することができる。例えば、SiCl基
を複数個含む物質としてSiCl4を溶かした非水系の
溶媒中に基材を浸漬すると、基材表面のOH基やNH基
と脱塩酸反応し
【0020】
【化2】
【0021】の結合が生成されて、基材表面にSiCl
基が析出する。さらに、この基材を水と反応させると、
SiClがSiOHに変わって
【0022】
【化3】
【0023】となる(図1(d))。このようにしてOH
基17を数多く付与した表面には、さらに化学吸着膜を
形成することができ、こうして得られた化学吸着膜18
は密度が高い膜となる(図1(e))。
【0024】次に、本発明の化学吸着膜の微細パターン
の製造方法について図2を用いて説明する。前記のよう
な高分子基材21表面の所望の領域に、エキシマレーザ
光を選択的に照射し、その領域にクロロシラン系化学吸
着物資を共有結合させて化学吸着膜の微細パターンを形
成する。
【0025】エキシマレーザ光の選択的照射は、図2
(a)のように、照射したい形状と相似形状の開口部を設
けた金属マスク22をレーザ光路途中に挿入し、これを
通過したレーザ光を集光レンズ23で基材21の上に縮
小投影する方法で行なう。
【0026】なお、金属マスクを基材上に接触するよう
に載せてレーザ照射を行なう方法や、基材表面に直接形
成した金属膜マスクの上からレーザ照射する方法もあ
る。
【0027】このようにしてレーザ光を照射した領域2
4に親水性基を付与した基材21(図2(b))に、前述
した方法でクロロシラン系化学吸着物質を共有結合させ
ると、前記領域24に選択的に化学吸着膜の微細パター
ン25が製造される(図2(c))。
【0028】次に、具体的実施例について説明する。 (実施の形態1)ポリイミドのフィルム(カプトン:東
レ・デュポン(株)商品名)を基材として用意し、基材表
面にArFレーザ光を0.5J/cm2のエネルギー密
度で50パルス照射した。次に、テトラクロロシラン
(SiCl4)の1wt%シクロヘキサン溶液に10分
間浸漬すると、テトラクロロシランのSiCl基の何れ
かと基材表面の水酸基とが反応して脱塩酸反応が生じ、
基板表面全体にわたって、(化2)の結合が生成した。
この基材をシクロヘキサンで洗浄した後、水に浸漬する
と(化3)のようになって基材表面に多くのOH基が付
与された。
【0029】さらに、クロロシラン系化学吸着物質とし
て(化1)を80wt%ヘキサデカン、20wt%クロ
ロホルムの混合溶媒に1wt%溶かした溶液を調製し、
この溶液に基材を1時間浸漬すると、(化1)のSiC
l基と基材表面のOH基とが反応して脱塩酸反応が生
じ、基板表面全体にわたって
【0030】
【化4】
【0031】で示される結合が生成した。これによりポ
リイミドのフィルム表面に化学吸着膜が形成された。
【0032】(実施の形態2)ポリエチレンテレフタレ
ートのフィルム(マイラー:デュポン・ジャパン・リミ
テッド商品名)を基材として用意し、基材表面にKrF
レーザ光を1J/cm 2のエネルギー密度で20パルス
照射した。次に、クロロシラン系化学吸着物質として
【0033】
【化5】
【0034】をシクロヘキサンに1wt%の濃度で溶か
し、この溶液中に1時間浸漬すると、(化5)のSiC
l基と基材表面の親水性基とが反応して脱塩酸反応が生
じ、基材表面全体にわたって
【0035】
【化6】
【0036】で示される結合が生成した。これによりポ
リエチレンテレフタレートのフィルム表面に化学吸着膜
が形成された。
【0037】(実施の形態3)ポリエーテルサルフォン
基板を基材として用意し、基材表面にKrFレーザ光を
0.5J/cm2のエネルギー密度で20パルス照射し
た。次に、ヘキサクロロジシロキサン(Cl3SiOS
iCl3)を1wt%でフッ素系溶媒(例えばPF−5
080:住友スリーエム(株)商品名)に溶解した溶液に
10分間浸漬すると、ヘキサクロロジシロキサンのSi
Cl基の何れかと基材表面の親水性基とが反応して脱塩
酸反応が生じ、基材表面全体にわたって、例えば、
【0038】
【化7】
【0039】で示される結合が生成した。この基材をフ
ッ素系溶剤で洗浄した後、水に浸漬すると、例えば
【0040】
【化8】
【0041】のようになって基材表面に多くのOH基が
付与された。さらに、(化1)を1wt%でフッ素系溶
媒(例えばフロリナートFC40:住友スリーエム(株)
商品名)に溶解した化学吸着液中に基材を1時間浸漬す
ると、(化1)のSiCl基と基材表面の水酸基と反応
して脱塩酸反応が生じ、基板表面全体にわたって、(化
4)で示される結合が生成した。
【0042】これによりポリエーテルサルフォン基板の
表面に化学吸着膜が形成された。 (実施の形態4)ポリカーボネート基板を用意し、実施
の形態3と同様にして化学吸着膜を形成した。
【0043】(実施の形態5)ポリエーテルエーテルケ
トン基板を用意し、実施の形態3と同様にして化学吸着
膜を形成した。
【0044】(実施の形態6)ポリアリレート基板を用
意し、実施の形態3と同様にして化学吸着膜を形成し
た。
【0045】(実施の形態7)ポリサルフォン基板を用
意し、実施の形態3と同様にして化学吸着膜を形成し
た。
【0046】(実施の形態8)ポリエーテルイミド基板
を用意し、実施の形態3と同様にして化学吸着膜を形成
した。
【0047】(実施の形態9)ポリイミドのフィルム
(カプトン:東レ・デュポン(株)商品名)を基材として
用意し、図2のように金属マスクを用いて、基材表面の
所望の領域にKrFレーザ光を0.5J/cm2のエネ
ルギー密度で50パルス照射した。次に、ヘキサクロロ
ジシロキサンの1wt%シクロヘキサン溶液に10分間
浸漬すると、ヘキサクロロジシロキサンのSiCl基の
何れかと基材表面の水酸基とが反応して脱塩酸反応が生
じ、基板表面全体にわたって、(化7)の結合が生成し
た。この基材をシクロヘキサンで洗浄した後、水に浸漬
すると(化8)のようになって基材表面に多くのOH基
が付与された。
【0048】さらに、クロロシラン系化学吸着物質とし
て(化1)をシクロヘキサンに1wt%溶かした溶液を
調製し、この溶液に基材を1時間浸漬すると、(化1)
のSiCl基と基材表面のOH基とが反応して脱塩酸反
応が生じ、基材表面のレーザ照射した領域において、
(化4)で示される結合が生成した。
【0049】これによりポリイミドのフィルム表面に化
学吸着膜の微細パターンが形成された。
【0050】(実施の形態10)ポリイミドのフィルム
(カプトン:東レ・デュポン(株)商品名)を高分子基材
として用意し、Xeガス誘電体バリア放電ランプ(ウシ
オ電機(株)製:UER200-172)を用いて、距離
10mmから5分間照射した。次に、ヘキサクロロジシ
ロキサンの1wt%シクロヘキサン溶液に10分間浸漬
すると、(化7)で示される結合が生成した。この基材
をシクロヘキサンで洗浄した後、水に浸漬すると(化
8)のようになって基材表面に多くのOH基が付与され
た。
【0051】さらに、クロロシラン系化学吸着物質とし
て(化1)の1wt%シクロヘキサンに溶液に基材を1
時間浸漬すると、(化1)のSiCl基と基材表面のO
H基とが反応して脱塩酸反応が生じ、基板表面全体にわ
たって(化4)で示される結合が生成した。
【0052】これによりポリイミドのフィルム表面に化
学吸着膜が形成された。 (実施の形態11)ポリイミドのフィルム(カプトン:
東レ・デュポン(株)商品名)を基材として用意し、金属
マスクを基材に密着させ、基材表面の所望の領域にXe
ガス誘電体バリア放電ランプ(ウシオ電機(株)製:UE
R200-172)を用いて、距離10mmから5分間
照射した。次に、テトラクロロシランの1wt%シクロ
ヘキサン溶液に10分間浸漬するテトラクロロシランの
SiCl基の何れかと基材表面の水酸基とが反応して脱
塩酸反応が生じ、基板表面全体にわたって、(化2)の
結合が生成した。この基材をシクロヘキサンで洗浄した
後、水に浸漬すると(化3)のようになって基板表面に
多くのOH基が付与された。
【0053】さらに、クロロシラン系化学吸着物質とし
て(化5)をシクロヘキサンに1wt%溶かした溶液を
調製し、この溶液に基材を1時間浸漬すると、(化5)
のSiCl基と基材表面のOH基とが反応して脱塩酸反
応が生じ、基材表面のレーザ照射した領域において、
(化6)で示される結合が生成した。
【0054】これによりポリイミドのフィルム表面に化
学吸着膜の微細パターンが形成された。
【0055】比較例として、以下の方法で化学吸着膜の
形成を試みた。 (比較例1)ポリイミドフィルム(カプトン:東レ・デ
ュポン(株)商品名)を用意し、フィルム表面の酸化処理
をしないで、テトラクロロシラン(SiCl4)の1w
t%クロロホルム溶液に10分間浸漬した。クロロホル
ムで洗浄した後、水に浸漬した。さらに、このフィルム
を乾燥させた後、(化5)をシクロヘキサンに1wt%
の濃度で溶かした溶液中に1時間浸漬した。
【0056】(比較例2)ポリイミドフィルム(カプト
ン:東レ・デュポン(株)商品名)を用意し、酸素プラズ
マ処理を行なった。次に、テトラクロロシラン(SiC
4)の1wt%クロロホルム溶液に10分間浸漬し
た。クロロホルムで洗浄した後、水に浸漬した。さら
に、このフィルムを乾燥させた後、(化5)をシクロヘ
キサンに1wt%の濃度で溶かした溶液中に1時間浸漬
した。
【0057】本発明の実施の形態の各例ではいずれも、
形成した化学吸着膜は表層にフッ素原子を含んでいるた
め、基材表面は撥水性をもった。実施の形態と比較例に
ついて、基材表面の水に対する接触角を測定した結果を
(表1)に示す。水滴の大きさは20μlで、室温、湿
度40〜60RH%の条件で測定した。
【0058】
【表1】
【0059】(表1)のように、どの実施の形態も比較
例よりはるかに大きい水の接触角を示した。また、実施
の形態9及び11の基材を水に浸漬して引き上げたとこ
ろ、レーザ照射した領域だけが水をはじいた。これらの
ことから、実施の形態1〜8及び10では化学吸着膜が
高密度に形成されており、実施の形態9及び11では化
学吸着膜の微細パターンが形成されていることがわか
る。
【0060】次に、実施の形態1と比較例2について、
その表面のESCA分析の結果を図3、図4に示す。F
原子を示すピークが実施の形態1で大きく現れているの
に対し、比較例2では微小なピークしか観察されない。
また、表面元素組成では化学吸着物質に含まれるF、S
iが実施の形態1に多く見られ、比較例2ではほとんど
見られない。これらの結果から本発明の実施形態の各例
では化学吸着膜が高密度に形成されていることがわか
る。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明の化学吸着膜の製
造方法によれば、高分子基材表面に多くのOH基やNH
基を付与することができ、SiClと脱塩酸反応して−
Si−O−結合あるいは−Si−N−結合を生成するこ
とができるので、高密度の化学吸着膜を形成することが
できる。
【0062】本発明の化学吸着膜の微細パターンの製造
方法によると、クロロシラン系化学吸着物質を所望の領
域にのみ反応させることができるので、化学吸着膜の微
細パターンを形成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するために用いた工程概
念図
【図2】本発明の実施例を説明するために用いた工程概
念図
【図3】本発明の実施形態のESCA分析結果を示す図
【図4】本発明の比較例のESCA分析結果を示す図
【符号の説明】 11,21 基材 12,17 OH基 13 NH基 14 −Si−O−結合 15 −Si−N−結合 16,18,25 化学吸着膜 22 金属マスク 23 集光レンズ 24 レーザ照射した領域

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子基材の表面に紫外領域の発振周波
    数を有する紫外レーザ光を照射して高分子基材の表面に
    親水性基を付与する工程と、クロロシラン系化学吸着物
    質を非水系の溶媒に溶解して調製した化学吸着液を前記
    親水性基を付与した高分子基材に接触させて親水性基と
    クロロシリル基とを反応させて高分子基材の表面に化学
    吸着物質を共有結合させる工程とからなる化学吸着膜の
    形成方法。
  2. 【請求項2】 高分子基材の表面の所定の領域に紫外レ
    ーザ光を選択的に照射する請求項1記載の化学吸着膜の
    形成方法。
  3. 【請求項3】 高分子基材の表面に175nm以下の波
    長を含む紫外光を照射して高分子基材の表面に親水性基
    を付与する工程と、クロロシラン系化学吸着物質を非水
    系の溶媒に溶解して調製した化学吸着液を前記親水性基
    を付与した高分子基材に接触させて親水性基とクロロシ
    リル基とを反応させて高分子基材の表面に化学吸着物質
    を共有結合させる工程とからなる化学吸着膜の形成方
    法。
  4. 【請求項4】 高分子基材の表面の所定の領域に175
    nm以下の波長を含む紫外光を選択的に照射する請求項
    3記載の化学吸着膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 高分子基材がポリイミド、ポリカーボネ
    ート、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、
    ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリエ
    ーテルサルフォン、ポリエーテルイミドのいずれか一つ
    からなる請求項1または請求項3記載の化学吸着膜の形
    成方法。
  6. 【請求項6】 紫外レーザ光としてエキシマレーザ光を
    用いた請求項1記載の化学吸着膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 クロロシラン系化学吸着物質がフッ化炭
    素基を有することを特徴とする請求項1または請求項3
    記載の化学吸着膜の形成方法。
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