JPH08190810A - 自己融着性絶縁電線 - Google Patents

自己融着性絶縁電線

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JPH08190810A
JPH08190810A JP7003364A JP336495A JPH08190810A JP H08190810 A JPH08190810 A JP H08190810A JP 7003364 A JP7003364 A JP 7003364A JP 336495 A JP336495 A JP 336495A JP H08190810 A JPH08190810 A JP H08190810A
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JP
Japan
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weight
parts
self
compound
resin
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7003364A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Wachi
信夫 和知
Masatada Fukushima
正忠 福島
Kazuo Shimodaira
和夫 下平
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SWCC Corp
Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い温度で強固な固着力をもって融着でき、
しかも、その固着力が高温時にも保持されるとともに、
表面滑り性にも優れた自己融着性絶縁電線を提供する。 【構成】 導体上に直接または他の絶縁層を介して、
(イ)ポリエーテルスルホンと、(ロ)ビニルベンジル
化合物と、(ハ)マレイミド化合物、および(ニ)ポリ
エチレンワックスとを有機溶剤に溶解してなる塗料を塗
布焼付する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れ、かつ自
己潤滑性を具備した自己融着性絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電線の最外層に熱可塑性樹脂
を主体とする自己融着層を設けた自己融着性絶縁電線
が、コイル巻加工後のワニス含浸処理を行うことなく線
間を一体に固着することができることから、電気通信機
器などのコイル成形品に広く利用され、コイル成形工程
の合理化、省力化に大きく貢献している。
【0003】しかして、近年、このような自己融着性絶
縁電線を、モータやトランスなどの高温で使用される機
器用コイルの用途に使用しようとする要求がある。しか
しながら、自己融着性絶縁電線は、上記したように、加
熱するだけで融着層が軟化して一体化するものであるた
め、本質的に耐熱性に乏しいという難点がある。すなわ
ち、従来の自己融着性絶縁電線の多くは、融着層に、ポ
リビニルブチラール樹脂、共重合ポリアミド樹脂、フェ
ノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂など、軟化温度が 100〜150 ℃程度
の熱可塑性樹脂を使用しており、機器内温度が上昇する
と融着層が軟化して固着力が低下して、コイルの変形や
電線端末のほつれなどを生ずるという問題があった。そ
こで、かかる高温雰囲気下での固着力の低下を防止した
ものとして、融着層に芳香族ポリエステル樹脂を用いた
ものが開発されているが、このものは、コイル成形後に
十分な固着力を得るために 250℃以上の高温でかつ長時
間加熱することが必要で、作業性が悪いうえ、主絶縁層
の劣化を招くおそれがあった。
【0004】さらに、従来の自己融着性絶縁電線は、い
ずれも自己潤滑性を有さず、表面の滑り性に乏しいた
め、コイル巻き作業の際に皮膜が傷付くおそれがあっ
た。このため、表面に、流動パラフィン、スピンドル油
などの潤滑油を塗布するなどの対策が採られているが、
均一な塗布が難しいうえ、滑り性の改善も不十分であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、近年、高
温雰囲気下で使用可能な自己融着性絶縁電線の要求があ
るが、従来のものの多くは、高温雰囲気下で固着力が低
下するため、その使用は困難で、また、そのような高温
雰囲気下での接着力の低下を防止したものは、十分な初
期固着力を得るために、高温で長時間加熱する必要があ
り、作業性の低下や主絶縁層の劣化を招く難点があっ
た。さらに、従来の自己融着性絶縁電線は、いずれも表
面の滑り性に乏しいため、コイル巻き作業の際に皮膜が
傷付くおそれがあった。
【0006】本発明はこのような従来の事情に対処して
なされたもので、低い温度の加熱で強固に固着でき、か
つ、その固着力が高温時にも保持されるとともに、表面
滑り性にも優れた自己融着性絶縁電線を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の自己融着性絶縁
電線は、導体上に直接または他の絶縁層を介して、
(イ)ポリエーテルスルホンと、(ロ)ビニルベンジル
化合物と、(ハ)マレイミド化合物、および(ニ)ポリ
エチレンワックスとを有機溶剤に溶解してなる塗料を塗
布焼付してなることを特徴とするものである。
【0008】本発明で使用される(イ)の成分であるポ
リエーテルスルホンは、平均分子量が 10000以上の下記
一般式で示されるものである。
【0009】
【化1】 (但し、式中、nは正の整数) 市販品を例示すると、たとえば三井東圧化学社製のビク
トレックス PES、住友化学社製のビクトレックス PES、
米国I.C.I社製のビクトレックス PES 200P 、 PES
300P (以上、いずれも商品名)などがあげられる。
【0010】(ロ)の成分のビニルベンジル化合物は、
末端に 1個以上のビニルベンジル基を有する下記一般式
で示されるものである。
【0011】
【化2】 市販品を例示すると、たとえば昭和高分子社製の V-10
0、 V-200、 V-300、V-400(以上、いずれも商品名)な
どがあげられる。
【0012】(ハ)の成分のマレイミド化合物は、下記
一般式で示されるものである。
【0013】
【化3】 市販品を例示すると、昭和高分子社製の I-100、 I-120
(以上、いずれも商品名)などがあげられる。
【0014】(ニ)の成分のポリエチレンワックスとし
ては、分子量 400〜900 、融点 100〜137 ℃の低分子量
ポリエチレン系のものが好適する。市販品を例示する
と、三井石油化学工業社製の三井ハイワックス 100〜40
0 、興洋化学社製のミクロフラット SG-2 ,S-20X 、N1
3B、 PSS-13 (以上、いずれも商品名)などがあげられ
る。
【0015】上記(ロ)のビニルベンジル化合物および
(ハ)のマレイミド化合物は、融着のための加熱条件を
緩和し、かつ、高温時の固着力を高める効果を有する。
すなわち、(イ)のポリエーテルスルホン単独では、高
温時の固着力に優れるものの、融着には高温での加熱を
必要とする。しかしながら、(ロ)のビニルベンジル化
合物および(ハ)のマレイミド化合物を配合することに
より、低温での融着を可能とし、かつ、高温時の固着力
をさらに高めることができる。なお、(ロ)のビニルベ
ンジル化合物あるいは(ハ)のマレイミド化合物を単独
で(イ)のポリエーテルスルホンに配合しただけでは、
架橋が進まず、上述した効果は得られない。 上記各成
分の好ましい配合比は、(イ)の成分のポリエーテルス
ルホン 100重量部あたり、(ロ)のビニルベンジル化合
物および(ハ)のマレイミド化合物が合計量で 2〜100
重量部であって、かつ、(ロ)のビニルベンジル化合物
100重量部あたり、(ハ)のマレイミド化合物が 10 〜
400 重量部の範囲である。より好ましくは、(ロ)のビ
ニルベンジル化合物および(ハ)のマレイミド化合物の
合計量が、(イ)の成分のポリエーテルスルホン 100重
量部あたり 5〜30重量部であって、かつ、(ロ)のビニ
ルベンジル化合物 100重量部あたり、(ハ)のマレイミ
ド化合物が 20 〜200 重量部の範囲である。
【0016】さらに、(ニ)のポリエチレンワックスを
配合することにより、皮膜に滑性が付与され、巻線加工
性を向上させることができる。この(ニ)の成分の好ま
しい配合量は、(イ)〜(ハ)の各成分の合計量 100重
量部あたり、 0.1〜4 重量部の範囲である。配合量が
0.1重量部未満では滑性付与効果が小さく、また、4 重
量部を超えると自己融着性絶縁電線としての諸特性が低
下する。
【0017】なお、上記各成分を溶解または分散させる
有機溶剤としては、クレゾール、キシレノールなどのフ
ェノール系溶剤、N-メチル-2- ピロリドン、ジメチルア
セトアミド、ジメチルホルムアミドなどの含窒素系溶
剤、キシレン、トルエン、ソルベントナフサなどの炭化
水素系溶剤などがあげられ、これらは 1種を単独で使用
してもよく、2 種以上を混合して使用してもよい。
【0018】本発明の自己融着性絶縁電線は、上記有機
溶剤に前記(イ)〜(ニ)の各成分を溶解させた塗料
を、導体上に直接あるいは他の絶縁層を介して塗布し、
加熱焼付することにより得られる。焼付温度は、 250〜
400 ℃程度が適当で、(ロ)の成分と(ハ)の成分が反
応してこれらの低分子重合体が得られ、半硬化状態の塗
膜が形成される。
【0019】なお、他の絶縁層を介して設ける場合、他
の絶縁層は、絶縁電線用塗料を導体上に塗布し、これが
完全硬化するまで焼付けて形成する。絶縁電線用塗料と
しては、耐熱性に優れたものが好ましく、ホルマール樹
脂、エポキシウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエ
ステルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド
樹脂などの公知の塗料のほか、前記の融着層形成用の塗
料などが好適に使用される。
【0020】このようにして得られた本発明の自己融着
性絶縁電線は、コイル成形後、150〜200 ℃程度の温度
で20〜30分間加熱することにより表面が軟化し、十分な
強度をもって一体に融着する。そして、その固着力は、
高温時でも大きく低下することはなく、また、滑り性に
も優れている。
【0021】本発明の自己融着性絶縁電線は、このよう
に、低い温度の加熱で強固に融着し、かつ、高温時でも
優れた固着力が保持され、しかも、滑り性にも優れてい
るので、耐熱性が要求される用途、たとえばトランス用
コイル、耐熱機器の回転電機用コイルなどに有用であ
る。
【0022】
【作用】このように本発明の自己融着性絶縁電線におい
ては、融着層が、ポリエーテルスルホンと、ビニルベン
ジル化合物と、マレイミド化合物、およびポリエチレン
ワックスを主体とする塗料を塗布焼付して形成されたも
のであるため、低い温度の加熱で融着することができ、
かつ、高温時の接着力に優れている。さらに、滑り性が
良好で、巻線加工性にも優れている。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を記載する。 実施例1〜9 ポリエーテルスルホンのビクトレックス PESと、ビニル
ベンジル化合物の V-100、 V-200、 V-300、および V-4
00と、マレイミド化合物の I-100、および I-120と、ポ
リエチレンワックスのミクロフラット SG-2 を用い、こ
れらを有機溶剤ジメチルアセトアミド(DMAC)に溶
解して表1に示す組成の各種塗料を調製した。
【0024】次いで、これらの各塗料を、 0.3mmφのポ
リエステルイミド線( 0.3mmφの銅線上にポリエステル
イミド塗料を20μm厚に塗布焼付けたもの)に塗布し、
炉長3mの焼付機を用いてDV値(線径×線速)18〜2
1、温度 250〜400 ℃の条件で焼付して、塗膜厚10μm
の自己融着性絶縁電線を得た。
【0025】次いで、得られた自己融着性絶縁電線の可
とう性、滑り性(静摩擦係数)、常温および高温雰囲気
下での固着力を測定した。固着力の測定は、ASTM D-251
9 に基づいて行い、まず自己融着性絶縁電線を直径 5mm
のマンドレルに巻き付けて長さ約70mmのヘリカコイルを
作成し、 160℃、 180℃、 200℃、 220℃、 240℃の温
度でそれぞれ30分間加熱した試料について、常温で、支
点間距離44.4mm、速度20mm/minの条件で折り曲げ試験を
行って、各融着条件による常温での固着力を測定した。
また、同様に作成したヘリカコイルを 220℃の温度で30
分間加熱した試料について、 100℃、 120℃、 140℃、
160℃、 180℃の温度雰囲気で、常温の場合と同じ条件
で折り曲げ試験を行い、それぞれの温度雰囲気における
固着力を測定した。これらの結果を、表1に示す。
【0026】なお、表1中、比較例として示したのは、
比較例1が、ポリエーテルスルホンのみをポリエステル
イミド線上に塗布焼付けた例、比較例2が、ポリエーテ
ルスルホンにビニルベンジル化合物とマレイミド化合物
のみを配合し有機溶剤に溶解して調製した塗料をポリエ
ステルイミド線上に塗布焼付けた例、比較例3は、フェ
ノキシ樹脂塗料 ISOPOXY 506K (日触スケネクタディ社
製 商品名)を単独で塗布焼付けた自己融着性絶縁電線
の例、比較例4は、共重合ポリアミド樹脂塗料TCV-U2
(東特塗料社製 商品名)を単独で塗布焼付けた自己融
着性絶縁電線の例、さらに比較例5は、芳香族ポリエス
テル樹脂塗料 U-100(ユニチカ社製 7品名)を単独で
塗布焼付けた自己融着性絶縁電線の例で、いずれも本発
明との比較のために示したものである。ただし、比較例
1の高温固着力は 240℃の温度で30分間加熱融着させた
試料について測定したものである。また、比較例3〜5
の固着力は、それぞれ 180℃で10分間、 180℃で10分
間、 250℃で30分間加熱融着させたものについて測定し
たものである。
【0027】
【表1】 表1からも明らかなように、本発明の自己融着性絶縁電
線は、低い温度の融着条件でも、十分な接着力が得られ
ており、かつ、高温時の接着力にも優れている。また、
滑り性も良好である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の自己融着
性絶縁電線は、低い温度で融着させることができ、か
つ、高温時の接着力に優れている。したがって、耐熱性
が要求される用途に使用可能で、かつ、加工の際の作業
性の低下や主絶縁層の劣化を招くことがない。しかも、
自己潤滑性を有し、滑り性に優れているので、巻線加工
性が向上し、高速かつ高密度のコイル巻きが可能であ
る。
【0029】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 7/34 A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に直接または他の絶縁層を介し
    て、(イ)ポリエーテルスルホンと、(ロ)ビニルベン
    ジル化合物と、(ハ)マレイミド化合物、および(ニ)
    ポリエチレンワックスとを有機溶剤に溶解してなる塗料
    を塗布焼付してなることを特徴とする自己融着性絶縁電
    線。
JP7003364A 1995-01-12 1995-01-12 自己融着性絶縁電線 Withdrawn JPH08190810A (ja)

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Effective date: 20020402